説明

孔あけ加工用当て板

【課題】たとえばプリント配線板用素板に、小径のスルーホールを穿孔加工する際に用いられる孔あけ加工用当て板に関し、アルミニウム基板2の片面に、下塗り層3を介して潤滑層4が設けられた当て板1について、潤滑層4が環境湿度の影響で部分剥離する耐湿度密着性の低下を防止する。
【解決手段】アルミニウム製基板2の少なくとも片面に、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物を主成分として含み、かつ耐湿度特性を付与するためにアルキルエステル不飽和カルボン酸を適量添加した混合樹脂組成物からなる下塗り層3を形成する。そして、この下塗り層3上に潤滑特性を担うポリエチレングリコール系樹脂等による潤滑層4を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばプリント配線板におけるスルーホール等、被加工物に小径の透孔をドリル穿孔によって形成する際に用いられる孔あけ加工用当て板に関する。
【0002】
なお、この明細書及び特許請求の範囲において、「アルミニウム」の語は、純アルミニウム及びアルミニウム合金を含む意味で用いる。また、この明細書及び特許請求の範囲において、「板」という語は、箔をも含む意味で用いる。
【背景技術】
【0003】
従来、プリント配線板にスルーホールを孔あけ加工する際には、すて板上に複数枚のプリント配線用素板を積み重ね、その最上位の素板の上面にアルミニウム製の当て板を配置し、この状態でドリルによって上方から該当て板を貫通してプリント配線用素板の孔あけを行うことにより、積み重ねた全部の素板に一挙にスルーホールを形成する方法が採用されている。この当て板は、ドリルの食いつきをよくすると共に、素板表面の加工時の損傷や孔周縁でのバリの発生を防止する目的で使用されている。
【0004】
ところで、近年、プリント配線板の高密度化に伴い、直径0.3mm以下の小孔径の孔を形成することが要求されている。このような要求に応えるべく、当て板に単なるアルミニウム板を用いて、径0.3mm以下の小径ドリルによる孔あけ加工を行うと、ドリルが当て板表面で横滑りし、このために、孔あけの位置精度が悪化すると共に、ドリルの折損が多発し、しかも孔の内周面の荒れを生じる。また、ドリルの折損を抑える上でプリント配線用素板の積み重ね枚数を多くすることができず、加工効率を十分に高められないという問題があった。
【0005】
そこで、孔あけ加工用当て板として、アルミニウム製基板の少なくとも片面に、水溶性の潤滑層を設けたものとすることが提案されている。例えば特許文献1では分子量10000以上のポリエチレングリコール20〜90重量%と水溶性滑剤80〜10重量%との混合物からなる厚さ0.1〜3mmの水溶性滑剤シートを配置せしめた構成のものを用いることが提案されている。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されているような潤滑層を設けた当て板においては、概してアルミニウム製基板と潤滑層との密着性が悪く、潤滑層が基板から部分的に剥離して、潤滑層の厚さに不均一が生じたり、あるいは孔あけ加工時に素板側に向く面に凹凸が発生したりして、その結果ドリル折損の原因となり、小径孔の位置精度も低下するというような問題があった。
【0007】
このような問題に対し、本出願人らは先に下記特許文献2に記載されるように、アルミニウム製基板と潤滑層との密着性を高めるために、基板の少なくとも片面にポリ酢酸ビニルの部分ケン化物からなる下塗り層を介して潤滑層を形成することを提案した。この先行提案に係る技術は、所期目的のとおりアルミニウム製基板と潤滑層との密着性を向上し、潤滑性能の向上にも寄与し、しかも該下塗り層が水溶性で水または温水で容易に除去可能であるという好ましい特性を保有するものであった。
【0008】
しかしながら、季節により、あるいは地域によって種々温湿度の異なる環境下で保管されまた使用されてきた場合、特に環境湿度が高い場合に顕著であるように、湿度の影響で下塗り層自体の基板との密着性又は潤滑層との密着性が低下し、その結果、依然として従来問題視されていたような潤滑層の部分剥落を発生する恐れがあるという問題点のあることが判ってきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平4−92494号公報
【特許文献2】特開2008−55598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、特許文献2の先行提案技術が有する上記のような更なる問題点、即ち、環境湿度の影響で下塗り層と基板及び/または潤滑層との密着性が低下するという問題点に対し、この問題を解決して上記の密着性を良好に維持し、潤滑層の不本意な部分剥落を防止して高能率にかつ高精度な孔あけ加工の遂行を可能にすると共に、下塗り層が水または温水で容易に除去可能であるという特性も喪失しない孔あけ加工用当て板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明は下記の手段を提供する。
【0012】
[1]アルミニウム製基板の少なくとも片面に下塗り層を介して潤滑層が形成された孔あけ加工用当て板において、
前記下塗り層が、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物を主成分とし、アルキルエステル不飽和カルボン酸共重合体が添加された混合樹脂組成物からなることを特徴とする孔あけ加工用当て板。
【0013】
[2]前記ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物は、そのケン化度が15〜70モル%、平均分子量が9000〜100000である前項[1]に記載の孔あけ加工用当て板。
【0014】
[3]前記下塗り層を形成する混合樹脂組成物の配合割合が、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物85〜99.5重量%、アルキルエステル不飽和カルボン酸共重合体0.5〜15重量%である前項[1]または[2]に記載の孔あけ加工用当て板。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る孔あけ加工用当て板は、前記[1]項に記載のとおり、アルミニウム製基板の少なくとも片面に、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物を主成分として含む下塗り層を介して潤滑層が設けられたものであるから、本来的に上記下塗り層によって前記特許文献2の先行技術と同等に基材層に対する潤滑層の密着性を向上しその剥落を防止しうるのはもとより、上記下塗り層にアルキル不飽和カルボン酸共重合体が添加され、下塗り層がポリ酢酸ビニルの部分ケン化物と上記アルキル不飽和カルボン酸共重合体との混合樹脂組成物で構成されたものとなされていることにおり、上記添加成分の作用をもって環境湿度の影響による上記密着性の低下を防止し、あるいは少なくとも顕著に軽減しうる。
【0016】
従って、高湿度環境下に保管され、あるいは使用され、更には常温常湿環境下であっても長期間保管されたような場合においても、潤滑層の密着性を安定かつ良好に保つことができ、ひいてはその部分剥離による前述のようなトラブルの発生を未然に防いで、高能率にかつ高精度の小径孔のドリルによる孔あけ加工の遂行を可能にする。
【0017】
また、前記[2]項に記載のように下塗り層の主成分をなすポリ酢酸ビニルの部分ケン化物のケン化度が15〜70モル%であり、平均分子量が9000〜100000であるものを用いることにより、前記の密着性の向上ないし改善効果を最も良好に達成しうる。
【0018】
更にまた、前記[3]項に記載のように、下塗り層を形成する前記混合樹脂組成物の配合割合として、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物85〜99.5重量%、アルキルエステル不飽和カルボン酸共重合体0.5〜15重量%の範囲に設定することにより、上記の密着性の改善効果と環境湿度の影響による密着性の低下を防ぐ耐湿性の改善効果を、いずれも良好な調和のもとに達成し享受することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の好ましい実施形態に係る孔あけ加工用当て板の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施形態を、添付図面の参照のもとに説明する。
【0021】
図1は、本発明に係る特に小孔径の孔あけ加工用当て板(1)の一実施形態を示すものであり、該当て板(1)は、アルミニウム製基板(2)の片面に、下塗り層(3)を介して潤滑層(4)が設けられたものである。
【0022】
この当て板(1)のアルミニウム製基板(2)としては、材質が特に限定されるものではないが、たとえばAA1100−H18材、AA1050−H18材、AA3003−H18材、AA3004−H18材等で形成されたアルミニウム単板からなる。また、Al99.30重量%以上を含み、SiとFeの合計含有量が0.7重量%以下、Cu含有量0.10重量%以下、Mn含有量0.05重量%以下、Mg含有量0.05重量%以下、Zn含有量0.05重量%以下である合金(たとえば、JIS A1N30)のH18材も好適に採用しうる。なお、基板(2)の厚さは0.1〜0.25mm程度であることが好ましい。また、基板(2)としては、ビッカース硬さが20〜50である厚さ5〜100μmの軟質アルミニウム板と、ビッカース硬さが50〜140である厚さ30〜200μmの硬質アルミニウム板とを貼り合わせたものを用いてもよい。この場合、硬質アルミニウム板側の面に下塗り層(3)を介して潤滑層(4)を形成する。
【0023】
下塗り層(3)は、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物を主成分として含み、該主成分とアルキルエステル不飽和カルボン酸共重合体との混合組成物からなる。
【0024】
ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物は、潤滑層(4)のアルミニウム製基板(2)に対する密着性を向上させる性質を有するが、好ましくは平均分子量が9000〜100000、更に好ましくは10000〜50000であり、ケン化度が15〜70モル%、更に好ましくは20〜50モル%であるものを用いる。平均分子量が9000未満であれば潤滑層の基板に対する密着性を向上させる効果が得られず、100000を超えると潤滑層の基板に対する密着性を向上させるものの、高粘度となり潤滑性を低下させる。また、用いられるポリ酢酸ビニルの部分ケン化物は、そのケン化度が15モル%未満であれば水溶性が低下して孔あけ加工後の洗浄を水洗により簡単に行うことができず、70モル%を超えると潤滑性を低下させる。
【0025】
また、下塗り層(3)に添加含有されるアルキルエステル不飽和カルボン酸共重合体は、下塗り層(3)の耐湿度密着性を改善するものであり、使用可能な当該アルキルエステル不飽和カルボン酸共重合体としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル等のアルキルビニルエーテルとマレイン酸、フタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、これらの誘導体(無水酸、塩、エステル等)の共重合体が挙げられる。なかでもメチルビニルエーテルマレイン酸共重合体、エチルビニルエーテルマレイン酸共重合体、メチルビニルエーテルフタル酸共重合体、メチルビニルエーテルアクリル酸共重合体が好ましい。
【0026】
アルキルエステル不飽和カルボン酸共重合体の重量平均分子量は、適宜選択できるが、好ましくは、5万〜250万、さらに好ましくは、10万〜50万である。
【0027】
重量平均分子量が、5万より小さいものは、潤滑層との密着性を阻害する恐れがあり、250万より大きいと耐湿度密着性の改善が期待できない。
【0028】
下塗り層(3)を形成する前記混合樹脂組成物におけるポリ酢酸ビニルの部分ケン化物とアルキルエステル不飽和カルボン酸共重合体との配合割合としては、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物が85〜99.5重量%、好ましくは90〜98重量%、さらに好ましくは92〜96重量%であり、残部がアルキルエステル不飽和カルボン酸共重合体であるものとすることが推奨される。即ち、アルキルエステル不飽和カルボン酸共重合体の配合量としては、混合樹脂組成物の全体量に対して0.5〜15重量%、好ましくは2〜10重量%、更に好ましくは4〜8重量%であるものとすることが望ましい。
【0029】
アルキルエステル不飽和カルボン酸共重合体の配合量が15重量%を超えると潤滑樹脂層との密着性が低下する恐れがある。0.5重量%未満では、高湿度下での密着性低下防止の効果が十分得られない。
【0030】
下塗り層(3)の暑さは0.1〜10.0μmが好ましい。特に好ましくは0.3〜5.0μmである。
【0031】
また、下塗り層(3)の形成は、前記下塗り用混合樹脂組成物をメタノール等の溶剤に溶解させた溶液をグラビアコート法等の既知のコート法によって塗布したのち、加熱により強制乾燥することによるのが好ましい。このとき、乾燥温度を150℃以上、好ましくは170℃以上とすることで、最も効果的に下塗り層の耐湿度密着性を改善できる。乾燥の最適温度は、乾燥時間によって変わるが、一般的な加工速度における乾燥時間10〜180secにおいて、好ましくは150℃〜230℃、さらに好ましくは170〜220℃である。十分な乾燥と熱処理が行われない場合、下塗り層の耐湿度密着性の改善効果が十分得られないことがある。
【0032】
潤滑層(4)としては、水溶性潤滑樹脂であれば特に限定されないが、好ましくはポリエチレングリコール系樹脂、水溶性ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系樹脂、水溶性ポリエステル樹脂等が挙げられる。これらの分子量の異なる成分を配合したものや低分子量の界面活性剤等を配合し、潤滑性能を高めたものも使用可能である。
【0033】
具体的な好ましい潤滑樹脂層(4)の一例としては、後掲の実施例のように数平均分子量10万のポリエチレングリコール48重量%と分子量1万のポリエチレングリコール47重量%、分子量 200のポリエチレングリコール5%からなる樹脂組成物が挙げられる。その厚さは10〜200μmである。
【0034】
上記の当て板(1)を用いてプリント配線板用素板に孔あけ加工を施す場合、まずすて板上に、複数のプリント配線板用素板を積層状に重ねたものを乗せる。ついで、最上位の素板上に、当て板(1)を、その基板(2)が下側、すなわち素板側を向くとともに潤滑層(4)が上を向くように配する。この状態で、ドリルのドリルビットにより上方からあて板(1)に貫通孔を形成するとともに、全ての素板に小径孔(図示略)を形成する。こうして、全ての素板に、一度の作業でスルーホール等に用いられる小径孔があけられる。
【0035】
上記孔あけ加工時には、基板(2)の働きにより、バリの発生を防止することができる。そして、バリの発生を防止することにより、一度の孔あけ加工時に重ね合せる素板の枚数を多くすることができ、生産性を高めることができる。しかも、バリの発生を防止することにより、素板から製造されるプリント配線板の金属層の損傷を防止することが可能になり、得られたプリント配線板の回路の断線を未然に防止することができる。
【実施例】
【0036】
次に、本発明の具体的な実施例を比較例との対比において示す。
【0037】
[実施例1]
AA3004−H18材からなる厚さ150μmのアルミニウム製基板の片面に、平均分子量38000でかつケン化度35モル%であるポリ酢酸ビニルの部分ケン化物(商品名「SMR」、信越化学社製)に、メチルビニルエーテルマイレン酸共重合体(重量平均分子量 約20万)を固形分比で1重量%添加した下塗り用の混合樹脂組成物を塗布し乾燥して、厚さ1.5μmの下塗り層を形成した。上記の塗布はロールコータを用いて行い、乾燥は200℃×60秒の加熱条件で行った。
【0038】
次いで、上記下塗り層上に、数平均分子量10万のポリエチレングリコール(PEG)48重量%と、数平均分子量10000のPEG47重量%と、数平均分子量200のPEG5重量%からなる潤滑樹脂組成物を用いて、厚さ80μmとなるように潤滑層を形成することにより当て板を作製した。
【0039】
[実施例2]
メチルビニルエーテルマレイン酸共重合体を4重量%添加した下塗り用混合樹脂組成物を使用したこと以外は、上記実施例1と同様にして当て板を作製した。
【0040】
[実施例3]
メチルビニルエーテルマレイン酸共重合体を8重量%添加した下塗り用混合樹脂組成物を使用したこと以外は、上記実施例1と同様にして当て板を作製した。
【0041】
[実施例4]
メチルビニルエーテルマレイン酸共重合体を12重量%添加した下塗り用混合樹脂組成物を使用したこと以外は、上記実施例1と同様にして当て板を作製した。
【0042】
[比較例1]
下塗り用樹脂として、メチルビニルエーテルマレイン酸共重合体を添加しないポリ酢酸ビニルの部分樹脂ケン化物を使用したこと以外は、上記実施例1と同様にして当て板を作製した。
【0043】
[比較例2]
メチルビニルエーテルマレイン酸共重合体を17重量%添加した下塗り用混合樹脂組成物を使用したこと以外は、上記実施例1と同様にして当て板を作製した。
【0044】
[評価試験]
上記実施例1〜4および比較例1〜2の各試料について、下記の「下塗り層とアルミニウム製基板との耐湿度密着性評価試験」、および「下塗り層と潤滑層との密着性評価試験」を行った。
【0045】
〈下塗り層とアルミニウム製基板との耐湿度密着性評価試験〉
上記実施例1〜4および比較例1〜2の各試料の製造工程中の、下塗り層形成後潤滑樹脂組成物を塗布する前の中間製品を供試料に用いて、下塗り層に水蒸気を20秒間接触させた後、粘着テープ(商品名、セロハンテープ)による下塗り層の剥離試験を行った。即ち、粘着テープを下塗り層表面に押し当てたのち、ゆっくりと剥し取ったときの下塗り層の付着剥離の有無を目視検査した。
【0046】
〈下塗り層と潤滑層との密着性評価試験〉
実施例1〜4および比較例1〜2の各試料について、当て板表面の潤滑層に4mm×4 mmの碁盤目状の切り込みを入れた後、前記同様に粘着テープを用いて潤滑層の剥離評価試験を行った。
【0047】
上記の各評価試験の結果を下記の表1に示す。
【0048】
【表1】

【0049】
表1に示す密着性評価試験の結果から判るように、本発明の孔あけ加工用当て板によれば、下塗り層に添加したアルキルエステル不飽和カルボン酸共重合体の働きにより、下塗り層の耐湿度密着性を向上し、高湿度の環境下での基板からの剥離を防止できると共に、その適正量の添加によって潤滑層に対する密着性も損なうことなく良好に保持できる。
【0050】
従って、特に高湿度環境下においても潤滑層の不本意な部分剥離を防止でき、ひいては前述のようなドリル折損等の孔あけ加工時のトラブルの発生を防止して、孔あけ加工能率の向上、孔あけ加工精度の向上をはかり得る。
【符号の説明】
【0051】
1・・・孔あけ加工用当て板
2・・・アルミニウム製基板
3・・・下塗り層
4・・・潤滑層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム製基板の少なくとも片面に下塗り層を介して潤滑層が形成された孔あけ加工用当て板において、
前記下塗り層が、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物を主成分とし、アルキルエステル不飽和カルボン酸共重合体が添加された混合樹脂組成物からなることを特徴とする孔あけ加工用当て板。
【請求項2】
前記ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物は、そのケン化度が15〜70モル%、平均分子量が9000〜100000である請求項1に記載の孔あけ加工用当て板。
【請求項3】
前記下塗り層を形成する混合樹脂組成物の配合割合が、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物85〜99.5重量%、アルキルエステル不飽和カルボン酸共重合体0.5〜15重量%である請求項1または2に記載の孔あけ加工用当て板。



【図1】
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【公開番号】特開2013−18066(P2013−18066A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152252(P2011−152252)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(501428187)昭和電工パッケージング株式会社 (110)
【出願人】(594156709)大智化学産業株式会社 (11)
【Fターム(参考)】