説明

学習システム、学習コンテンツ送信方法及びコンピュータプログラム

【課題】学習コンテンツを時間単位で購入及びダウンロードすることができ、かつ各コンテンツの学術的価値を反映させた経済的価値を決定することができる学習システムを提供する。
【解決手段】学習コンテンツを複数のマイクロコンテンツに分割し、分割されたマイクロコンテンツ単位で、再生すべきマイクロコンテンツを選択し、選択されたマイクロコンテンツを再生装置3へ送信する学習コンテンツ送信装置1と、マイクロコンテンツを受信及び再生し、再生されたマイクロコンテンツに関する付箋の文字情報を受け付けて学習コンテンツ送信装置1へ送信する再生装置3とを備え、更に、学習コンテンツ送信装置1が、再生装置3から送信された文字情報を受信し、受信した文字情報及びマイクロコンテンツを対応付けて記憶し、記憶している文字情報に基づいて、各マイクロコンテンツの経済的価値を決定するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習コンテンツを、分、秒等の時間単位で複数のコンテンツに分割し、分割されたコンテンツを再生装置へ送信する学習システム、学習コンテンツ送信方法、及びコンピュータに該学習コンテンツ送信方法を実行させるコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットを利用した電子教育システムが提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に係る電子教育システムは、電子教育サーバを備え、該電子教育サーバにインターネットを介して受講者端末と教育事業者端末とが接続されている。電子教育サーバは、教育事業者端末からアップロードされた学習コンテンツをデータベースに格納する。そして、電子教育サーバは、受講者端末からの受講問合せ要求を受信し、各受講者の習熟度に応じた学習コンテンツを生成して受講者端末に送信するように構成されている。特許文献1に係る電子教育システムによれば、受講者の習熟度に合わせた教育サービスを提供することができる。
【0003】
一方、任意のタイミングで学習コンテンツに付箋画像を貼付することができる付箋機能を用いて、学習及び広告を支援する学習兼広告システムが開示されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−282826号公報
【特許文献2】特許第4360473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の学習システムにおいては、学習者は、事業者によって作成された学習コンテンツを、学習コンテンツ単位で購入し、ダウンロードする必要があり、学習者は、再生を所望する学習コンテンツの一部分を購入することができないという問題があった。
また、学習コンテンツの経済的価値、即ち単価は、学習コンテンツ単位でのダウンロード数などに基づいて事業者によって決定されてはいるものの、単純なダウンロード数のみでは必ずしも学習コンテンツの学術的価値を経済的価値に反映することができないという問題があった。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、学習コンテンツを時間単位で購入及びダウンロードすることができ、かつ各コンテンツの学術的価値を反映させた経済的価値を決定することができる学習システム、学習コンテンツ送信方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る学習システムは、学習コンテンツを送信する学習コンテンツ送信装置と、該学習コンテンツ送信装置から送信された学習コンテンツを受信し、受信した学習コンテンツを再生する再生装置とを備える学習システムにおいて、前記学習コンテンツ送信装置は、学習コンテンツを複数のコンテンツに分割する分割手段と、該分割手段にて分割されたコンテンツ単位で、再生すべきコンテンツを選択する選択手段と、該選択手段にて選択されたコンテンツを前記再生装置へ送信する手段とを備え、前記再生装置は、前記学習コンテンツ送信装置から送信されたコンテンツを受信する手段と、受信したコンテンツを再生する再生手段と、該再生手段にて再生されたコンテンツに関する文字情報を受け付ける受付手段と、該受付手段にて受け付けた文字情報を前記学習コンテンツ送信装置へ送信する手段とを備え、更に、前記学習コンテンツ送信装置は、前記再生装置から送信された文字情報を受信する手段と、受信した文字情報及びコンテンツを対応付けて記憶する記憶手段と、該記憶手段が記憶している文字情報に基づいて、再生されるべき各コンテンツの経済的価値を決定する価値決定手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る学習システムは、前記価値決定手段は、前記コンテンツに対応付けられた文字情報の数が多い程、該コンテンツの経済的価値を高く決定するようにしてあることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る学習システムは、前記学習コンテンツ送信装置は、前記分割手段にて分割された各コンテンツに対応付けられた文字情報の数、又は前記価値決定手段にて決定された経済的価値を示した情報を前記再生装置へ送信する手段を備え、前記再生装置は、前記学習コンテンツ送信装置から送信された前記情報を受信する手段と、受信した該情報に基づいて、各コンテンツに対応付けられた文字情報の数、又は前記価値決定手段にて決定された経済的価値を表示する手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る学習システムは、前記学習コンテンツは時系列順に再生されるべき情報であり、前記学習コンテンツ送信装置は、前記分割手段にて分割されたコンテンツ夫々に対応付けられた文字情報に基づいて、時系列で隣り合う各コンテンツが関連しているか否かを判定する関連性判定手段と、関連していると判定した場合、時系列で隣り合う各コンテンツを結合する手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る学習システムは、前記関連性判定手段は、時系列で隣り合うコンテンツ夫々に対応付けられた文字情報の数の割合が所定値以上である場合、時系列で隣り合う該コンテンツが関連していると判定するようにしてあることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る学習コンテンツ送信方法は、学習コンテンツを送信する学習コンテンツ送信方法において、学習コンテンツを複数のコンテンツに分割し、分割されたコンテンツ単位で、再生すべきコンテンツを選択し、選択されたコンテンツを外部の再生装置へ送信し、該再生装置から送信された前記コンテンツに関する文字情報を受信し、受信した文字情報及びコンテンツを対応付け、対応付けられた文字情報に基づいて、再生されるべき各コンテンツの経済的価値を決定することを特徴とする。
【0013】
本発明に係るコンピュータプログラムは、学習コンテンツの送信を行うコンピュータを、学習コンテンツを複数のコンテンツに分割する分割手段と、該分割手段にて分割されたコンテンツ単位で、再生すべきコンテンツを選択する選択手段と、該選択手段にて選択されたコンテンツを外部の再生装置へ送信する手段と、該再生装置から送信された前記コンテンツに関する文字情報を受信する手段と、受信した文字情報及びコンテンツを対応付ける手段と、対応付けられた文字情報に基づいて、再生されるべき各コンテンツの経済的価値を決定する価値決定手段として機能させることを特徴とする。
【0014】
本発明にあっては、学習コンテンツが複数のコンテンツに分割される。そして、分割された複数のコンテンツの中から、学習者が所望するコンテンツが選択され、再生装置へ送信される。従って、学習者は、学習コンテンツ単位では無く、学習コンテンツの所望部分を時間単位で選択及び購入し、受信し、再生することが可能である。
また、再生装置は、再生されたコンテンツに関する文字情報をコンテンツ送信元へ送信し、該コンテンツと、文字情報とが対応付けられる。そして、各コンテンツに関する文字情報に基づいて、複数のコンテンツ夫々の経済的価値を決定する。該文字情報は、学習者によって再生装置に入力された情報であり、コンテンツの学術的価値を反映しているため、複数のコンテンツ夫々の学術的価値を反映させた経済的価値を決定することが可能になる。
【0015】
本発明にあっては、各コンテンツに対応付けられた文字情報の多寡に応じて、該コンテンツの経済的価値が決定される。具体的には、コンテンツに対応付けられた文字情報が多い場合、該コンテンツは学習に値するものであり、その経済的価値は高く決定される。逆に、コンテンツに対応付けられた文字情報が少ない場合、該コンテンツは学習に値しないものであり、その経済的価値は低く決定される。
【0016】
本発明にあっては、分割手段によって分割された各コンテンツに対応付けられた文字情報の数、又は該コンテンツの経済的価値が再生装置によって表示される。従って、学習者は、学習コンテンツの内、多くの文字情報が対応付けられており、経済的価値が高い部分を認識することが可能である。
【0017】
本発明にあっては、時系列で隣り合う各コンテンツが、経済価値的に関連しているか否かを判定し、関連していると判定された場合、時系列で隣り合う各コンテンツは結合される。学習コンテンツが複数のコンテンツに均等分割された場合、学習者は、学習コンテンツの内、学習を所望する部分を構成する複数のコンテンツを自身で判断し、個別に選択する必要があるところ、経済的価値に関連している時系列順の複数のコンテンツを結合することによって、経済的価値が高いコンテンツのまとまりが学習者主導で自動的に作成される。従って、学習者は、学習に値する複数のコンテンツのまとまりを容易に判断し、選択することが可能になる。
【0018】
本発明にあっては、時系列で隣り合うコンテンツ夫々に対応付けられた文字情報の数の割合が所定値以上である場合、時系列で隣り合う該コンテンツが関連していると判定され、結合される。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、学習コンテンツを時間単位で購入及びダウンロードすることができ、かつ各コンテンツの学術的価値を反映させた経済的価値を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施の形態に係る学習システムの一構成例を示したブロック図である。
【図2】学習コンテンツ送信装置及び再生装置の構成を示すブロック図である。
【図3】学習者情報DBのレコードレイアウトを概念的に示す説明図である。
【図4】学習コンテンツ情報DBのレコードレイアウトを概念的に示す説明図である。
【図5】マイクロコンテンツDBのレコードレイアウトを概念的に示す説明図である。
【図6】付箋DBのレコードレイアウトを概念的に示す説明図である。
【図7】学習コンテンツのアップロード及び分割に係る制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】学習コンテンツ登録画面の一例を示す模式図である。
【図9】マイクロコンテンツのダウンロード及び再生に係る制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】マイクロコンテンツのダウンロード及び再生に係る制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】学習コンテンツ再生画面の一例を示す模式図である。
【図12】マイクロコンテンツ選択部の一例を示す模式図である。
【図13】マイクロコンテンツ選択部の一例を示す模式図である。
【図14】付箋の文字情報の表示方法の一例を示す模式図である。
【図15】付箋の文字情報の表示方法の他の例を示す模式図である。
【図16】付箋に係る文字情報の送信及び経済的価値決定に係る制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図17】付箋に係る文字情報の引用及びマイクロコンテンツの経済的価値決定に係る制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図18】変形例1におけるマイクロコンテンツの結合に係る制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図19】変形例1に係るマイクロコンテンツ選択部の一例を示す模式図である。
【図20】変形例2に係るスライド登録画面の一例を示す模式図である。
【図21】変形例2に係るマイクロコンテンツ検索画面の一例を示す模式図である。
【図22】マイクロコンテンツ検索結果表示画面の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
本実施の形態に係る学習システムは、動画又は音声データで構成される学習コンテンツを分、秒等の時間単位で購入及び再生することが可能であり、更に、付箋機能を利用することによって、各マイクロコンテンツの学術的価値を反映させてその単価を決定することを可能にするものである。
【0022】
図1は、本実施の形態に係る学習システムの一構成例を示したブロック図である。本発明の実施の形態に係る学習システムは、学習コンテンツ作成事業者の通信装置2からアップロードされた学習コンテンツを受信し、該学習コンテンツを分、秒等の時間単位で複数のマイクロコンテンツに分割し、分割されたマイクロコンテンツを送信する学習コンテンツ送信装置1と、通信網Nを介して学習コンテンツ送信装置1に接続されており、学習コンテンツ送信装置1から送信されたマイクロコンテンツを受信し、再生する再生装置3とを備える。
【0023】
図2は、学習コンテンツ送信装置1及び再生装置3の構成を示すブロック図である。学習コンテンツ送信装置1は、装置全体を制御する制御部10、例えばCPU(Central Processing Unit)を備えたコンピュータである。制御部10には、コンピュータの動作に必要なプログラムを記憶したROM11と、演算に伴って発生する情報を一時的に記憶するRAM12と、本発明の実施の形態に係るコンピュータプログラム40を記録した記録媒体4、例えばCD−ROMからコンピュータプログラム40を読み取る外部記憶装置13と、外部記憶装置13により読み取ったコンピュータプログラム40を記憶するハードディスク等の内部記憶装置14とが接続されている。制御部10は、内部記憶装置14からコンピュータプログラム40をRAM12に読み出して各種演算処理を実行することによって、本発明に係る後述の学習コンテンツ送信方法を実施する。また、学習コンテンツ送信装置1は、キーボード、マウス等の入力装置15、液晶ディスプレイ又はCRTディスプレイ等の表示装置16、及び通信インタフェース18を備えており、通信インタフェース18には、通信網Nを介して複数の再生装置3、通信装置2が接続されている。
また、学習コンテンツ送信装置1は、学習者の情報を記憶する学習者情報DB17a、学習コンテンツの情報を記憶する学習コンテンツ情報DB17b、学習コンテンツを分割してなるマイクロコンテンツを記憶するマイクロコンテンツDB17c、任意のタイミングでマイクロコンテンツに付箋に係る文字情報を貼付、即ちマイクロコンテンツの任意の再生箇所と、文字情報とを関連付けることができる付箋機能を実現するために必要な付箋DB17dを備える。各データベースの詳細は後述する。
【0024】
再生装置3は、装置全体を制御する制御部30、例えばCPUを備えたコンピュータである。再生装置3の基本的な構成は学習コンテンツ送信装置1と同様であり、制御部30には、ROM31、RAM32、外部記憶装置33、内部記憶装置34、入力装置35、表示装置36及び通信インタフェース37が接続されている。通信インタフェース37には、通信網Nを介して学習コンテンツ送信装置1、通信装置2、及び他の複数の再生装置3が接続されている。
なお、再生装置3は、コンピュータに限定されるものでは無く、通信機能を有し、学習コンテンツを再生することができれば足りる。例えば、携帯電話機、PDA(Personal Data Assistance)等の各種携帯機器によって、再生装置3を構成しても良い。
【0025】
図3は、学習者情報DB17aのレコードレイアウトを概念的に示す説明図である。学習者情報DB17aの表(ファイル)は、複数の列(フィールド)、例えばユーザ登録された学習者のIDを格納する「学習者ID」列、学習者を認証するためのパスワードを格納する「パスワード」列、学習者が購入したポイントの情報を格納する「ポイント情報」列から構成されている。ポイントは、学習コンテンツ又はマイクロコンテンツを購入し、ダウンロードするために必要な有価情報である。ポイントは、学習者によるクレジット決済、プリペイドカード決済、電子マネー決済、銀行振り込み、その他の公知の電子決済及びオフライン決済手続きによって購入され、購入されたポイントの情報が、「ポイント情報」列に格納される。以下、本実施の形態では、1ポイントが1円に相当するものとして説明する。
【0026】
図4は、学習コンテンツ情報DB17bのレコードレイアウトを概念的に示す説明図である。学習コンテンツ情報DB17bの表(ファイル)は、複数の列(フィールド)、例えば「学習コンテンツID」列、「ファイル名」列、「総再生時間」列、「分割時間」列、「学習コンテンツ単価」列、「学習コンテンツ提供者ID」列から構成されており、各行(レコード)は、各列に格納された情報を有する。
「学習コンテンツID」列は、通信装置2からアップロードされた学習コンテンツを識別するための学習コンテンツIDを格納している。
「ファイル名」列は、学習コンテンツのファイル名を格納している。
「総再生時間」列は、学習コンテンツの総再生時間、つまり学習コンテンツを全て再生するために要する時間を格納している。
「分割時間」列は、当該学習コンテンツを複数のマイクロコンテンツに分割する単位時間(以下、分割時間という。)を格納している。分割時間は、通信装置2を介して、学習コンテンツ提供者によって入力される情報である。なお、言うまでも無く、学習コンテンツ送信装置1が自動的に分割時間を決定するように構成しても良い。また、分割時間を1分等の所定の時間としても良い。
「学習コンテンツ単価」列は、当該学習コンテンツの単価を格納している。単価は、通信装置2を介して、学習コンテンツ提供者によって入力される情報である。
「学習コンテンツ提供者ID」列は、当該学習コンテンツをアップロードした提供者を識別するためのIDを格納している。
【0027】
図5は、マイクロコンテンツDB17cのレコードレイアウトを概念的に示す説明図である。マイクロコンテンツDB17cの表(ファイル)は、複数の列(フィールド)、例えば「マイクロコンテンツID」列、「学習コンテンツID」列、「マイクロコンテンツ」列、「総再生時間」列、「マイクロコンテンツ単価」列、「メタデータ」列、から構成されており、各行(レコード)は、各列に格納された情報を有する。
「マイクロコンテンツID」列は、学習コンテンツを分、秒等の時間単位で分割して得られる複数のマイクロコンテンツ夫々を識別するためのIDを格納している。
「学習コンテンツID」列は、マイクロコンテンツの分割元である学習コンテンツを識別するためのIDを格納している。
「マイクロコンテンツ」列は、分割して得られたマイクロコンテンツ夫々のファイル名を格納している。マイクロコンテンツのファイル名は、例えば、分割元のファイル名に、時系列順の連番を追記したものであり、学習コンテンツ送信装置1によって自動生成される。
「総再生時間」列は、各マイクロコンテンツの総再生時間を格納している。通常、マイクロコンテンツの再生時間は、分割時間と一致する。
「マイクロコンテンツ単価」列は、当該マイクロコンテンツの経済的価値を示した情報を格納している。分割直後におけるマイクロコンテンツの単価は、分割元の学習コンテンツの単価を、分割して得られたマイクロコンテンツの数で除算することによって得られるが、後述するように、学習者による学習結果、即ち学術的価値に応じて変動するものである。
「メタデータ」列は、各マイクロコンテンツに関連付けられたメタ情報を格納している。メタ情報は、例えば、各マイクロコンテンツに貼付された付箋の文字情報又はマイクロコンテンツから抽出された単語等の情報である。
【0028】
図6は、付箋DB17dのレコードレイアウトを概念的に示す説明図である。付箋DB17dの表(ファイル)は、複数の列(フィールド)、例えば「付箋ID」列、「学習者ID」列、「作成日時」列、「オリジナル付箋の学習ID」列、「マイクロコンテンツID」列、「引用数」列、「付箋時間情報」列、「文字情報」列から構成されており、各行(レコード)は、各列に格納された情報を有する。
【0029】
「付箋ID」列は、複数の付箋夫々に固有の数値を格納している。付箋には、後述するように学習者が自ら文字を入力して作成する書込付箋と、他者が作成した付箋を引用して、自己の付箋とする引用付箋とがあるが、夫々別個の付箋IDが付される。
「学習者ID」列は、各付箋の作成者を識別するための学習者識別情報、例えば数値を、該当する付箋IDに対応付けて格納している。
「作成日時」列は、付箋の作成日時を格納している。作成日時は、書込付箋の場合、学習者が文字を入力して付箋を作成した日時であり、引用付箋の場合、付箋を引用した日時である。
「オリジナル付箋の学習ID」列は、引用付箋である場合、引用された元の付箋の作成者の学習者IDを格納しており、書込付箋である場合、「NULL」を格納している。
「マイクロコンテンツID」列は、付箋が関連付けられているマイクロコンテンツを識別するためのマイクロコンテンツIDを格納している。
「引用数」列は、該当する付箋が引用された回数を格納している。
「付箋時間情報」列は、マイクロコンテンツを途中から再生するための付箋時間情報を格納している。付箋時間情報は、学習者がマイクロコンテンツの再生を停止させ、付箋に係る文字情報を入力したときの再生位置を示す情報であり、時間軸におけるマイクロコンテンツに対する付箋の貼付位置に相当する情報である。
「文字情報」列は、付箋画像上に表示される文字を示す文字情報を格納している。
【0030】
図7は、学習コンテンツのアップロード及び分割に係る制御部10の処理手順を示すフローチャートである。通信装置2から、学習コンテンツのアップロードの要求があった場合、学習コンテンツ送信装置1の制御部10は、学習コンテンツ登録画面を通信装置2の表示装置に表示させる(ステップS11)。具体的には、制御部10は、学習コンテンツ登録画面を構成するための情報を、通信インタフェース18を介して、通信装置2へ送信する。通信装置2の制御部は、学習コンテンツ送信装置1から送信された情報を受信し、該情報に基づいて、学習コンテンツ登録画面を構成し、表示装置に表示する。
【0031】
図8は、学習コンテンツ登録画面100の一例を示す模式図である。学習コンテンツ登録画面は、例えば、ファイル名を入力するフィールド100aと、分割時間を入力するテキストフィールド100bと、学習コンテンツの単価を入力するテキストフィールド100cと、登録ボタン100dとを含む。学習コンテンツのアップロードを行う提供者は、通信装置2を用いて、各フィールド100a,100b,100cに学習コンテンツを指定するファイル名、分割時間、学習コンテンツ単価を入力し、登録ボタン100dを操作することによって、学習コンテンツの実データ及び入力された各種情報を学習コンテンツ送信装置1へ送信することができる。
【0032】
次いで、制御部10は、通信インタフェース18介して、通信装置2から学習コンテンツ、該学習コンテンツの分割時間、及び学習コンテンツの単価を受け付ける(ステップS12)。制御部10は、各情報を受信した場合、学習コンテンツIDを発行し、受信した学習コンテンツのファイル名、総再生時間、分割時間、単価、学習コンテンツ提供者のIDなどの情報を学習コンテンツ情報DB17bに記憶させる(ステップS13)。
【0033】
そして、制御部10は、受信した学習コンテンツを、受信した分割時間を単位として複数のマイクロコンテンツに分割する(ステップS14)。例えば、総再生時間が15分の学習コンテンツを、分割時間1分で分割した場合、総再生時間が1分の15個のマイクロコンテンツが生成される。各マイクロコンテンツは、例えば独立したファイルとして構成されている。なお、学習コンテンツの分割は必ずしも、物理的に複数のファイルに分割する必要は無く、学習コンテンツが分割された状態で管理され、分割されたマイクロコンテンツを個別に再生装置3へ送信できるように構成されていれば足りる。
【0034】
次いで、制御部10は、分割されたマイクロコンテンツ及び該マイクロコンテンツに関する各種情報を、マイクロコンテンツDB17cに記憶させ(ステップS15)、処理を終える。具体的には、制御部10は、マイクロコンテンツ毎にマイクロコンテンツIDを発行し、分割元を示す学習コンテンツID、マイクロコンテンツのファイル名、総再生時間、マイクロコンテンツの単価をマイクロコンテンツDB17cに記憶させる。ファイル名は、分割元の学習コンテンツのファイル名を用いて、制御部10が適宜決定すれば良い。また、マイクロコンテンツの単価は、分割元の学習コンテンツの単価を、分割されたマイクロコンテンツの総数で除算することによって算出することができる。
【0035】
図9及び図10は、マイクロコンテンツのダウンロード及び再生に係る制御部10,30の処理手順を示すフローチャートである。学習コンテンツ送信装置1の制御部10は、学習コンテンツ再生画面101を作成し(ステップS31)、作成された学習コンテンツ再生画面101を再生装置3側で構成するために必要な情報を、通信インタフェース18を介して、再生装置3へ送信する(ステップS32)。
【0036】
再生装置3の制御部30は、学習コンテンツ送信装置1から送信された学習コンテンツ再生画面101の情報を、通信インタフェース37を介して受信し(ステップS33)、受信した情報に基づいて、学習コンテンツ再生画面101を構成し、表示装置36に表示させる(ステップS34)。
【0037】
図11は、学習コンテンツ再生画面101の一例を示す模式図である。学習コンテンツ再生画面101は、動画の学習コンテンツが表示される学習コンテンツ表示部102を含んで構成される。学習コンテンツ表示部102の下方には、再生時間を示すと共に再生位置を操作するためのタイムコードスライダ103、頭出しボタン104a、再生ボタン104bが設けられ、学習コンテンツ表示部102の横方向一方側(右側)には、学習コンテンツの再生時間近傍に貼付された付箋画像106が逐次表示される付箋画像表示部105、付箋画像を貼付するための貼付ボタン107が設けられている。
また、学習コンテンツ再生画面101の下部には、ユーザ登録された複数の学習者夫々が作成した付箋画像181,182,183・・・を共有して表示するための共有付箋タブ108、ログインしている一の学習者自身が書き込み、又は引用して作成した付箋画像を表示するための私の付箋タブ109、付箋画像181,182,183・・・の内容を更新するための更新ボタン110が設けられている。
更に、学習コンテンツ再生画面101の上下方向略中央部には、学習コンテンツを分割して得られた各マイクロコンテンツのサムネイル画像111aを表示し、学習者が再生を所望するマイクロコンテンツを選択するためのマイクロコンテンツ選択部111が設けられている。
【0038】
図12及び図13は、マイクロコンテンツ選択部111の一例を示す模式図である。マイクロコンテンツ選択部111は、時系列順に横方向に並置された複数のマイクロコンテンツのサムネイル画像111aを含んで構成される。各サムネイル画像111aの下方には、マイクロコンテンツに関連付けられた、時間軸における付箋の貼付位置を示す付箋貼付位置表示バー111bが配されている。付箋貼付位置表示バー111bの長手方向は、時間軸を示しており、左端は再生開始点、右端は再生終了点を示している。更に、付箋貼付位置表示バー111bの下方には、各マイクロコンテンツの単価が表示されるマイクロコンテンツ単価表示部111cが配されている。マイクロコンテンツ単価表示部111cは、マイクロコンテンツの単価を示した文字列と、購入及び再生対象としてマイクロコンテンツを選択するためのチェックボックスとを含む。
【0039】
図12に示されたマイクロコンテンツには、いずれも付箋が貼付されていないため、全てのマイクロコンテンツの経済的価値は同等である。一方、図13に示すように、左端のマイクロコンテンツには、1枚の付箋が貼付され、中央のマイクロコンテンツには3枚の付箋が貼付され、右端のマイクロコンテンツには6枚の付箋が貼付されている。マイクロコンテンツに付箋が貼付された場合、付箋が貼付された時の再生時間に対応する付箋貼付位置表示バー111bの適宜箇所に貼付位置ポインタ111dが表示される。位置ポインタ111dは、例えば丸画像であるが、これに限定されるものでは無い。マイクロコンテンツに対応付けられた付箋の文字情報の数が多い程、該マイクロコンテンツの学術的価値が高いと考えられるため、付箋の文字情報の数が多い程、単価を高額に設定する。図13に示す例では、左端、中央及び右端のマイクロコンテンツの順で、付箋の文字情報の数が多くなるため、左端、中央及び右端のマイクロコンテンツには、夫々¥5、¥15及び¥30が対応付けられる。
また、制御部10は、学習コンテンツ再生画面101を作成する際、マイクロコンテンツの単価に応じて、マイクロコンテンツのサムネイル画像111aの濃淡を変更するように構成されている。具体的には、制御部10は、マイクロコンテンツの単価が高い程、サムネイル画像111aの濃度を高く、単価が低い程、サムネイル画像111aの濃度を低くする。図13中、破線で描かれたサムネイル画像111aは、濃度が低い状態を示し、太線で描かれたサムネイル画像111aは、濃度が高い状態を模式的に示している。なお、画像の濃度変更は一例であり、マイクロコンテンツの単価に応じて、サムネイル画像111aの色、透明度等を変更するように構成しても良い。
【0040】
図9に戻り、再生装置3の制御部30は、再生すべきマイクロコンテンツを、入力装置35にて受け付ける(ステップS35)。ステップS35で再生すべきマイクロコンテンツを受け付けた場合、制御部30は、再生を所望するマイクロコンテンツを示した情報を含むコンテンツ要求情報を、通信インタフェース37を介して学習コンテンツ送信装置1へ送信する(ステップS36)。
【0041】
学習コンテンツ送信装置1の制御部10は、再生装置3から送信された学習コンテンツ要求情報を、通信インタフェース18を介して受信する(ステップS37)。そして、制御部30は、送信及び再生の要求があった各マイクロコンテンツの単価を、マイクロコンテンツDB17cの情報に基づいて特定し、ポイント消費処理を実行する(ステップS38)。具体的には、制御部10は、学習者IDに対応付けられているポイント情報を読み出し、読み出されたポイントから、各マイクロコンテンツの再生に必要なポイントを減算し、減算後のポイントを、前記学習者IDに対応付けて、学習者情報DB17aに記憶させる。
【0042】
次いで、制御部10は、マイクロコンテンツDB17cの中から、送信及び再生の要求があった各マイクロコンテンツを選択して読み出し(ステップS39)、各マイクロコンテンツに対応付けられた付箋情報を付箋DB17dから読み出す(ステップS40)。付箋情報は、付箋DB17dが記憶する情報である。ここでは、少なくとも、付箋時間情報と、文字情報とを読み出す。
【0043】
そして、制御部10は、送信及び再生の要求があったマイクロコンテンツ及び付箋情報を、通信インタフェース18を介して再生装置3へ送信する(ステップS41)。
【0044】
再生装置3の制御部30は、学習コンテンツ送信装置1から送信されたマイクロコンテンツ及び付箋情報を受信し(ステップS42)、受信したマイクロコンテンツを再生する(ステップS43)。再生されたマイクロコンテンツに係る画像は、学習コンテンツ再生画面101の学習コンテンツ表示部102に表示される。また、制御部10は、付箋時間情報が示すタイミングで、付箋情報に基づいて、付箋の文字情報を再生し(ステップS44)、処理を終える。例えば、制御部30は、文字情報に係る文字画像を、付箋画像106上に表示する。また、制御部30は、付箋の文字情報に係る文字画像を、各マイクロコンテンツ111a上に重畳して表示させることもできる。
【0045】
図14は、付箋の文字情報の表示方法の一例を示す模式図である。再生装置3の制御部30は、入力装置35にてポインタPの移動操作を受け付ける。ポインタPが貼付位置ポインタ111dに重畳した場合、図14A〜Cに示すように、ポインタPが重畳している貼付位置ポインタ111dに対応する文字情報が、マイクロコンテンツのサムネイル画像111a上に表示される。
【0046】
図15は、付箋の文字情報の表示方法の他の例を示す模式図である。サムネイル画像111aの長手方向は、時間軸に対応しており、サムネイル画像111aの左端は再生開始点、右端は再生終了点に相当する。再生装置3の制御部30は、マイクロコンテンツのサムネイル画像111aにポインタPが重畳した場合、図15A〜Cに示すように、該ポインタPの前記サムネイル画像111aの横方向位置に対応する文字情報をマイクロコンテンツのサムネイル画像111a上に表示する。
【0047】
図16は、付箋に係る文字情報の送信及び経済的価値決定に係る制御部10,30の処理手順を示すフローチャートである。再生装置3の制御部30は、マイクロコンテンツの再生中に、入力装置35にて付箋の書き込みを受け付けた場合、具体的には、ポインタPにて貼付ボタン107がクリックされた場合、学習コンテンツの再生を一時停止させる(ステップS51)。そして、制御部30は、学習コンテンツの付箋時間情報を取得する(ステップS52)。次いで、制御部30は、付箋に表示すべき文字情報を入力装置35にて受け付ける(ステップS53)。貼付ボタン107が押された場合、付箋画像表示部105に表示されている付箋画像106は、文字入力用の付箋となり、付箋画像106には、テキスト入力フィールド、文字情報の入力位置を示すカーソル、決定ボタン等が表示される。学習者は、再生装置3の入力装置35にて、付箋画像106に文字情報を入力することができる。
【0048】
次いで、制御部30は、入力装置35にて図示しない決定ボタンが操作されたか否かを判定する(ステップS54)。決定ボタンが操作されていないと判定した場合(ステップS54:NO)、制御部30は、処理をステップS53に戻して、引き続き文字情報を受け付ける。決定ボタンが操作されたと判定した場合(ステップS54:YES)、制御部30は、ステップS53で受け付けた文字情報と、ステップS52で取得した付箋時間情報とを、通信インタフェース37を介して学習コンテンツ送信装置1へ送信する(ステップS55)。
【0049】
学習コンテンツ送信装置1の制御部10は、再生装置3から送信された文字情報及び付箋時間情報を、通信インタフェース18を介して受信する(ステップS56)。そして、制御部10は、学習者ID、文字情報及び付箋時間情報等、各種情報を付箋DB17dに記憶させる(ステップS57)。
【0050】
次いで、学習コンテンツ送信装置1は、更新された付箋DB17dの内容、つまり、各マイクロコンテンツに対応付けられた文字情報の多寡に応じて、マイクロコンテンツの単価を決定する(ステップS58)。なお、マイクロコンテンツの単価の決定方法は、これに限定されるものでは無く、例えば、文字情報の多寡及び付箋の文字情報の引用回数に基づいて、マイクロコンテンツの価値を決定するように構成しても良い。
特に、文字情報の引用回数は、文字情報の数に比べて、マイクロコンテンツの学術的価値をより強く反映しているため、引用回数を加味することによって、マイクロコンテンツの単価をより適切に決定することができる。
【0051】
そして、制御部10は、ステップS58で決定されたマイクロコンテンツの単価を、マイクロコンテンツDB17cに登録させ(ステップS59)、処理を終える。
【0052】
図17は、付箋に係る文字情報の引用及びマイクロコンテンツの経済的価値決定に係る制御部10,30の処理手順を示すフローチャートである。再生装置3の制御部30は、入力装置35にて付箋の引用を受け付けた場合、例えば、付箋貼付位置表示バー111b上の貼付位置ポインタ111dがクリックされた場合、該付箋の引用要求を、通信インタフェース18を介して学習コンテンツ送信装置1へ送信する(ステップS71)。引用要求には、例えば引用される引用付箋(以下、被引用付箋という)を識別するための付箋IDが含まれる。
【0053】
学習コンテンツ送信装置1の制御部10は、引用要求を受信した場合、付箋DB17dから被引用付箋の付箋時間情報及び文字情報、並びに被引用付箋の学習者ID等を読み出す(ステップS72)。そして、制御部10は、引用要求を送信した学習者の新規付箋情報として、付箋時間情報及び文字情報を付箋DB17dに記憶する(ステップS73)。例えば、図6に示すように、付箋ID「004」の付箋を引用する場合を説明する。引用して新規に作成される付箋の付箋IDは「005」である。「学習者ID」列には、付箋の引用を行う学習者の学習者ID、例えば「USER3」が格納され、「作成日時」列には、現に引用を行っている日時「2010/4/3 0:00」が格納される。また、「オリジナル付箋の学習者ID」列には、被引用付箋を作成した学習者ID「USER2」が格納される。
【0054】
次いで、制御部10は、引用数を更新する(ステップS74)。例えば、上述の例の場合、付箋ID「004」に対応する「引用数」列に格納されていた引用数「0」に「1」を加算し、加算後の引用数「1」を、付箋ID「004」に対応する「引用数」列に格納する。
【0055】
そして、制御部10は、更新された付箋DB17dの内容、つまり、各マイクロコンテンツに対応付けられた文字情報の多寡に応じて、マイクロコンテンツの単価を決定する(ステップS75)。そして、制御部10は、ステップS58で決定されたマイクロコンテンツの単価を、マイクロコンテンツDB17cに記憶させ(ステップS76)、処理を終える。
【0056】
以上のように構成された実施の形態に係る学習システム、学習コンテンツ送信方法及びコンピュータプログラムにあっては、学習コンテンツを時間単位で購入及びダウンロードすることができ、かつ各コンテンツの学術的価値を反映させた経済的価値を決定することができる。
【0057】
また、学習者は、所望のマイクロコンテンツから学習コンテンツを再生することができる。
【0058】
また、各マイクロコンテンツに対応する付箋貼付位置表示バー111b上に、貼付位置ポインタ111dを表示するように構成してあるため、学習コンテンツを構成するマイクロコンテンツの内、学術的価値が高いマイクロコンテンツを容易に視認することができる。また、マイクロコンテンツの中で特に、注目すべき箇所も視認することができる。
【0059】
(変形例1)
変形例1に係る学習システムは、経済的価値が高い一連のマイクロコンテンツを再結合することによって、学習コンテンツの選択、購入ないし再生の利便性を向上させることを可能にするシステムである。変形例1に係る学習システムの構成は、実施の形態と同様であり、処理手順が異なるため、以下では主に上記相異点について説明する。
【0060】
図18は、変形例1におけるマイクロコンテンツの結合に係る制御部10の処理手順を示すフローチャートである。学習コンテンツ送信装置1の制御部10は、各マイクロコンテンツを示す変数nに1を代入する(ステップS91)。
そして、制御部10は、各マイクロコンテンツの付箋情報を読み出す(ステップS92)。例えば、一つの学習コンテンツが15個のマイクロコンテンツに分割されている場合、15個のマイクロコンテンツ夫々の付箋情報を読み出す。以下、各マイクロコンテンツを区別する際、先頭から時系列順に、第1のマイクロコンテンツ、第2のマイクロコンテンツ、・・・第15のマイクロコンテンツという。
【0061】
次いで、制御部10は、第(n+1)のマイクロコンテンツの付箋数と、第nのマイクロコンテンツの付箋数との割合が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS93)。但し、割合は、1以下であり、所定値は、例えば、0.5である。各付箋数の割合が所定値以上であると判定した場合(ステップS93:YES)、判定対象である第(n+1)のマイクロコンテンツと、第nのマイクロコンテンツとを結合する(ステップS94)。具体的には、制御部は、隣り合うマイクロコンテンツの付箋数の割合が所定値以上の関係にある各マイクロコンテンツを用いて、一つのマイクロコンテンツを新たに作成しても良いし、結合関係にある各マイクロコンテンツを示す結合情報を、マイクロコンテンツDB17cに登録するように構成しても良い。以下、複数のマイクロコンテンツを結合してなるコンテンツを、結合マイクロコンテンツという。
【0062】
ステップS94の処理を終えた場合、又はステップS93で各マイクロコンテンツの付箋数の割合が所定値未満であると判定した場合(ステップS93:NO)、制御部10は、変数nが、分割されたマイクロコンテンツの総数と一致するか否かを判定する(ステップS95)。変数nがマイクロコンテンツの総数と一致しないと判定した場合(ステップS95:NO)、制御部10は、変数nに1を加算し(ステップS96)、処理をステップS93へ戻す。変数nがマイクロコンテンツの総数と一致すると判定した場合(ステップS95:YES)、制御部10は、結合マイクロコンテンツの単価を算出し(ステップS97)、処理を終える。結合マイクロコンテンツの単価は、例えば、該結合マイクロコンテンツを構成する複数の各マイクロコンテンツの単価の和を算出することによって算出する。なお、言うまでもなく、上述の結合マイクロコンテンツの単価の算出方法は一例である。
【0063】
図19は、変形例1に係るマイクロコンテンツ選択部111の一例を示す模式図である。図19に示すように、図中、左端に配された第1のマイクロコンテンツの付箋数は1、中央に配された第2のマイクロコンテンツの付箋数は3であるため、各付箋数の割合は1/3であり、所定値未満である。従って、第1及び第2のマイクロコンテンツは結合されない。一方、中央に配された第2のマイクロコンテンツの付箋数は3、右端に配された第3のマイクロコンテンツの付箋数は6であるため、各付箋数の割合は1/2であり、所定値以上である。従って、第2及び第3のマイクロコンテンツは結合される。
第2及び第3のマイクロコンテンツが結合された場合、結合マイクロコンテンツ単価表示部111eが表示される。結合マイクロコンテンツ単価表示部111eには、第2及び第3のマイクロコンテンツの単価「¥15」と、「¥30」とを合算して得られた単価「¥45」が表示される。学習者は、結合マイクロコンテンツのチェックボタンにチェックすることによって、結合マイクロコンテンツを一括選択し、購入し、再生することができる。また、学習者は、第2及び第3マイクロコンテンツを個別に購入し、再生することもできる。
なお、図19では、2つのマイクロコンテンツを結合する例を説明したが、言うまでも無く、3以上のマイクロコンテンツを結合するように構成しても良い。
【0064】
変形例1に係る学習システムにあっては、経済的価値に関連している時系列順の複数のマイクロコンテンツを結合することによって、経済的価値が高いマイクロコンテンツのまとまりを学習者主導で自動的に作成することができ、学習者は、学習に値する複数のマイクロコンテンツを一括選択し、再生することができる。
【0065】
(変形例2)
変形例2に係る学習システムは、学習コンテンツと共に、該学習コンテンツの補助教材であるスライドデータをアップロードし、スライドデータからマイクロコンテンツ検索用のメタデータを生成することを可能にしたシステムである。
【0066】
図20は、変形例2に係るスライド登録画面112の一例を示す模式図である。スライド登録画面112は、ステップS12の処理で学習コンテンツのファイル名、分割時間等を受け付けた後、再生装置3の表示装置に表示される。スライド登録画面112には、分割されたマイクロコンテンツのサムネイル画像112a、該マイクロコンテンツに関連付けるスライドデータのファイル名を入力するフィールド112b、及び登録ボタン112cが表示される。学習者は、前記フィールド112bにスライドデータのファイル名を入力し、登録ボタン112cを操作することによって、スライドデータを学習コンテンツ送信装置1にアップロードすることができる。スライドデータがアップされると、スライド登録画面112の下部に、スライドデータに係るサムネイル画像112dが表示される。
【0067】
学習者は、各サムネイル画像112a,112dをドラッグアンドドロップすることによって、マイクロコンテンツと、スライドとを関連付けることができる。例えば、マイクロコンテンツのサムネイル画像112aを、スライドのサムネイル画像112d上にドラッグアンドドロップすることによって、該マイクロコンテンツ及びスライドとを関連付けることができる。逆に、スライドのサムネイル画像112dを、マイクロコンテンツのサムネイル画像112a上にドラッグアンドドロップすることによって、該マイクロコンテンツ及びスライドとを関連付けることもできる。制御部10は、マイクロコンテンツに関連付けられたスライドから文字を抽出し、抽出された文字を該マイクロコンテンツに対応付けてマイクロコンテンツDB17cに記憶させる。
【0068】
図21は、変形例2に係るマイクロコンテンツ検索画面113の一例を示す模式図である。マイクロコンテンツ検索画面113は、キーワードを入力するテキスト入力フィールド113a及び検索ボタン113bを有する。学習者は、テキスト入力フィールド113aに検索キーワードを入力し、検索ボタン113bを操作することによって、マイクロコンテンツの検索を実行させることができる。学習コンテンツ送信装置1は、制御部10は、入力された検索キーワードに一致するメタデータが対応付けられたマイクロコンテンツを検索し、検索結果を再生装置3へ送信する。
【0069】
図22は、マイクロコンテンツ検索結果表示画面114の一例を示す模式図である。マイクロコンテンツ検索結果表示画面114には、検索キーワードに一致するメタデータが対応付けられたマイクロコンテンツのサムネイル画像114aが表示される。
【0070】
変形例2に係る学習システムにあっては、学習者は所望のマイクロコンテンツを検索し,再生することができる。
【0071】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0072】
1 学習コンテンツ送信装置
2 通信装置
3 再生装置
10、30 制御部
17a 学習者情報DB
17b 学習コンテンツ情報DB
17c マイクロコンテンツDB
17d 付箋DB
N 通信網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
学習コンテンツを送信する学習コンテンツ送信装置と、該学習コンテンツ送信装置から送信された学習コンテンツを受信し、受信した学習コンテンツを再生する再生装置とを備える学習システムにおいて、
前記学習コンテンツ送信装置は、
学習コンテンツを複数のコンテンツに分割する分割手段と、
該分割手段にて分割されたコンテンツ単位で、再生すべきコンテンツを選択する選択手段と、
該選択手段にて選択されたコンテンツを前記再生装置へ送信する手段と
を備え、
前記再生装置は、
前記学習コンテンツ送信装置から送信されたコンテンツを受信する手段と、
受信したコンテンツを再生する再生手段と、
該再生手段にて再生されたコンテンツに関する文字情報を受け付ける受付手段と、
該受付手段にて受け付けた文字情報を前記学習コンテンツ送信装置へ送信する手段と
を備え、
更に、前記学習コンテンツ送信装置は、
前記再生装置から送信された文字情報を受信する手段と、
受信した文字情報及びコンテンツを対応付けて記憶する記憶手段と、
該記憶手段が記憶している文字情報に基づいて、再生されるべき各コンテンツの経済的価値を決定する価値決定手段と
を備えることを特徴とする学習システム。
【請求項2】
前記価値決定手段は、
前記コンテンツに対応付けられた文字情報の数が多い程、該コンテンツの経済的価値を高く決定するようにしてある
ことを特徴とする請求項1に記載の学習システム。
【請求項3】
前記学習コンテンツ送信装置は、
前記分割手段にて分割された各コンテンツに対応付けられた文字情報の数、又は前記価値決定手段にて決定された経済的価値を示した情報を前記再生装置へ送信する手段を備え、
前記再生装置は、
前記学習コンテンツ送信装置から送信された前記情報を受信する手段と、
受信した該情報に基づいて、各コンテンツに対応付けられた文字情報の数、又は前記価値決定手段にて決定された経済的価値を表示する手段と
を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の学習システム。
【請求項4】
前記学習コンテンツは時系列順に再生されるべき情報であり、
前記学習コンテンツ送信装置は、
前記分割手段にて分割されたコンテンツ夫々に対応付けられた文字情報に基づいて、時系列で隣り合う各コンテンツが関連しているか否かを判定する関連性判定手段と、
関連していると判定した場合、時系列で隣り合う各コンテンツを結合する手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の学習システム。
【請求項5】
前記関連性判定手段は、
時系列で隣り合うコンテンツ夫々に対応付けられた文字情報の数の割合が所定値以上である場合、時系列で隣り合う該コンテンツが関連していると判定するようにしてある
ことを特徴とする請求項4に記載の学習システム。
【請求項6】
学習コンテンツを送信する学習コンテンツ送信方法において、
学習コンテンツを複数のコンテンツに分割し、
分割されたコンテンツ単位で、再生すべきコンテンツを選択し、
選択されたコンテンツを外部の再生装置へ送信し、
該再生装置から送信された前記コンテンツに関する文字情報を受信し、
受信した文字情報及びコンテンツを対応付け、
対応付けられた文字情報に基づいて、再生されるべき各コンテンツの経済的価値を決定する
ことを特徴とする学習コンテンツ送信方法。
【請求項7】
学習コンテンツの送信を行うコンピュータを、
学習コンテンツを複数のコンテンツに分割する分割手段と、
該分割手段にて分割されたコンテンツ単位で、再生すべきコンテンツを選択する選択手段と、
該選択手段にて選択されたコンテンツを外部の再生装置へ送信する手段と、
該再生装置から送信された前記コンテンツに関する文字情報を受信する手段と、
受信した文字情報及びコンテンツを対応付ける手段と、
対応付けられた文字情報に基づいて、再生されるべき各コンテンツの経済的価値を決定する価値決定手段と
して機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−238009(P2011−238009A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−108656(P2010−108656)
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【特許番号】特許第4642139号(P4642139)
【特許公報発行日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(508203596)キャスタリア株式会社 (2)
【Fターム(参考)】