説明

学習教材および学習システム

【課題】 多彩な学習が可能な学習教材および学習システムを提供すること。
【解決手段】 学習対象群10と、学習情報を提示する提示手段を設定する提示手段群11と、学習対象群10から特定の学習対象を識別するための第1の学習対象識別情報12と、提示手段群11から特定の提示手段設定情報を識別するための提示手段識別情報13とを備えた学習教材を用い、第1の学習対象識別情報および提示手段識別情報をコンピュータ装置に入力することによって、学習情報と提示手段(画像と音声)との組み合わせによる多彩な教材を作成することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は学習教材および学習システムに関し、具体的にはバーコードを利用した語学学習用の学習教材および学習システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バーコードを利用した語学学習システムとしては、半導体メモリを利用したデジタル音声記録再生技術を利用して、カードに印刷されたバーコードを読み取り、そこに記録されているデータに対応する音声信号を半導体メモリから検索して、音声再生装置で再生する学習機器が提案されている(特許文献1参照)。
また、単語に関連した発音・画像・イラストなどの学習対象をバーコードにして印刷したカードと、バーコードに対応する単語の学習対象を記憶した記憶媒体とを用いて、読み取ったバーコードに対応した学習対象を記憶媒体から検索して再生する学習用具が提案されている(特許文献2参照)。
また、音声に対応した絵およびバーコードを印刷したカードと、音声情報を複数集合させた音声構造体を記憶した記憶媒体と、記憶媒体から乱数にて1つの音声情報を選択する機能とを有する語学学習システムが提案されている(特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2002−99293号公報
【特許文献2】特開2003−20280号公報
【特許文献3】特開2004−391901号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の語学学習用の学習教材および学習システムは、バーコードを読み込むとそれに対応した情報が読み込まれ、表示されるという単調な動作をするものであった。学習教材という面では、学習に対応した絵およびバーコードを印刷した数十枚前後のカードが必要となり、教師はリズミカルな授業を行えないといった問題や単調な授業しか行えないといった問題があった。
そこで本発明は、係る問題を解決して、ネーティブの教師がいなくても、それに匹敵するバリエーションに富んだ語学学習を可能にする学習教材と学習システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
下記の学習教材、学習システム、ソフトウェアにより課題を解決する。
(i)複数種類の学習対象からなる学習対象群と、前記学習対象を学習者へ提示するための提示手段を設定する複数の提示手段設定情報からなる提示手段群とを組み合わせて、複数の教材を作成することができる学習教材であって、
前記学習対象群(第1の学習対象群)と、
前記学習対象群のうち特定の学習対象設定情報を情報処理装置に識別させるための学習対象識別情報(第1の学習対象識別情報)と、
前記提示手段群と、
前記提示手段群のうち特定の提示手段設定情報を情報処理装置に識別させるための提示手段識別情報と、が具備されていることを特徴とする学習教材。
上記の学習教材は、以下の1以上を具備していると操作者の負担の軽減や迅速な教育などのためにさらに効果的である。
【0005】
(ii)前記学習対象設定情報は、形態図と、前記形態図に対応する単語とを含むこと。
(iii)前記第1の学習対象識別情報が前記形態図のパターン識別情報であること。
(iv)前記提示手段設定情報は、静止画で提示するためのイラストと、動画で提示するためのイラストと、クイズ形式で提示するためのイラストと、影絵で提示するためのイラストと、音声で提示するためのイラストと、文字で提示するためのイラストと、会話形式で提示するためのイラストとを含むこと。
(v)前記第1の学習対象識別情報および前記提示手段識別情報が符号であること。
(vi)前記符号がバーコードもしくは磁気コードであること。
(vii)前記学習教材が紙媒体であり、前記学習対象設定情報と、前記提示手段設定情報と、前記第1の学習対象識別情報と、前記提示手段識別情報とが前記紙媒体に印刷されていること。
【0006】
(viii)
前記の学習教材に、
(1)前記学習対象群とは異なる学習対象を含む第2の学習対象群、および、前記第2の学習対象群のうち特定の学習対象設定情報を情報処理装置に識別させるための学習対象識別情報(第2の学習対象識別情報)。
(2)特定の学習対象群に含まれる学習対象を一括して表す代表学習対象群、および前記代表学習対象群のうち特定の代表学習対象設定情報を情報処理装置に識別させるための代表学習対象識別情報。
(3)識別された学習対象群に含まれる学習対象の再生方法を表す再生方法群、および前記再生方法群のうち特定の再生方法設定情報を情報処理装置に認識させるための再生方法識別情報。
(4)学習者への映像あるいは音声の設定を表す質問時音声ON/OFF設定群、および前記質問時音声ON/OFF設定群のうち特定の質問時音声ON/OFF設定情報(setting)を情報処理装置に認識させるための質問時音声ON/OFF設定識別情報。
のうち1つ以上を付加してなること。このことにより、さらに多種多様な教育を行うことができ効果的である。
【0007】
(ix)前記の学習教材と、前記学習教材に具備されている第1の学習対象識別情報と提示手段識別情報とを読み取る機能を有する読取装置と、前記読取装置から出力された第1の読取情報に対応する学習対象設定情報および前記読取装置から出力された第2の読取情報に対応する提示手段設定情報を情報処理する機能を有する情報処理装置と、前記学習対象設定情報と前記提示手段設定情報とを組み合わせた教材情報がファイル形式で記憶されている記憶装置と、前記学習対象設定情報を提示する機能を有する提示装置とを備え、前記第1の読取情報および前記第2の読取情報を前記情報処理装置で情報処理して、前記記憶装置から読み出した前記第1の読取情報に対応する学習対象の教材情報を前記第2の読取情報に対応する提示手段で前記提示装置により提示することを特徴とする学習システム。
【0008】
上記の学習システムは、以下の1以上を具備しているとさらに効果的である。
(x)前記情報処理装置は同一の前記識別情報を連続して識別した回数を計数する機能を有していること。
(xi)前記読取装置はバーコードリーダー、前記情報処理装置はコンピュータ、前記記憶装置は前記コンピュータに内蔵されているハードディスク装置、前記提示装置は映像表示装置およびスピーカー装置、前記ファイル形式は前記コンピュータのオペレーティングシステムの階層的ファイルシステムであって、前記コンピュータは前記学習教材に付属したアプリケーションソフトウェアで作動し、前記回数を計数する機能が前記アプリケーションソフトウェアに具備されていること。
【0009】
(xii)
前記の学習教材、
各種識別情報の組み合わせ毎に決定される教材情報である映像、音声再生用ファイルが識別情報の組み合わせ別に記録されている記憶媒体、
前記学習教材に記載された各種の識別情報を情報処理装置に識別させる手段、
学習者用映像表示装置、
音声発生装置、ならびに、
識別情報の組み合わせをもとに前記再生用ファイルを抽出し学習者用映像表示装置に再生させる情報処理装置、
とにより構成されること。
【0010】
(xiii)
前記の学習教材を映像として表示する操作者用の映像表示装置と、
前記学習教材上の識別情報を選択させ情報処理装置に識別させる手段と、
各種識別情報の組み合わせ毎に決定される教材情報である映像、音声再生用ファイルが識別情報の組み合わせ別に記録されている記憶媒体、
学習者用映像表示装置、
音声発生装置、ならびに、
識別情報の組み合わせをもとに前記再生用ファイルを抽出し学習者用映像表示装置に再生させる情報処理装置、
とにより構成されること。
【0011】
(xiv)
前記の学習システムを動作させるためのソフトウェアであって、
(1) 前記学習教材から読み取られた各種識別情報に対して、読み取られた識別情報の内容を情報処理装置内のメモリを参照して判別するステップ、
(2) 同一識別情報を連続して読み取った回数を記憶するステップ、
(3) 情報処理装置内のメモリに変数テーブルを作成し、設定情報を変数テーブルに変数として反映するステップ、
(4) 変数テーブルの値が再生ファイルを決定するために十分かを判断するステップ、並びに
(5) 変数テーブル値の組み合わせに対応する再生ファイルを記憶媒体から読み出し、映像表示装置と音声発生装置とから映像および音声として出力するステップ、
とを情報処理装置に実行させる命令を含むソフトウェア。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る、学習教材、システム、ソフトウェアの特徴は、1つの学習教材(操作者用画像)内に、複数の種類の設定情報(学習対象設定情報、第2の学習対象設定情報、提示手段設定情報、代表学習対象情報、再生方法情報、音声設定情報など)と、これらの設定情報に対応する情報処理装置が認識可能な識別情報とが配置されており、操作者がこれら設定情報の複数を選択することにより、情報処理装置が設定情報の組み合わせ別に記録されている再生ファイルを呼び出す事が可能となり、様々な映像・音声を時間的な遅延なく提示する事が可能になる。そして、このことにより教育、特に外国語教育に大変有用である効果を得ることができる。
また、設定情報の組み合わせによって多種多様な映像・音声を出力でき、これにより、多種多様な教育方法が可能となる。また、操作者用画像に配置する設定情報の種類、数を増やすことにより、学習者に提示できる映像・音声を多様なものにする事ができるため、拡張性あるシステムを提供できる。
本発明に係る、学習教材、学習システム、ソフトウェアの使用方法としては、操作者(あるいは先生)が学習教材を手元に置き、学習教材に記載されている設定情報を見ながら、情報処理装置で識別可能な識別情報を情報処理装置に読み取らせることによって、学習者に提示したい学習内容を学習者用映像表示装置および音声発生装置により提示し、学習をさせるものである。また、学習者が操作者となり自ら所望の内容を学習することも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明における文言について以下に説明する。
学習教材とは、システム操作者、先生、あるいは学習者自らが、本発明にかかる学習システムを動作させて所望の学習を行わせるあるいは行うために、情報処理装置に対して命令を行うためのインターフェースであって、設定情報や識別情報が記載あるいは埋め込まれているものである。学習教材は、紙媒体であってもよいし、コンピュータ等のディスプレイに表示されるものであっても良い。
設定情報とは、操作者が学習者へ提示する映像や音声を決定するために情報処理装置に設定する情報であって、操作者が認識できる形態で学習教材に記載されている情報である。
識別情報とは、設定情報に対応する情報で、情報処理装置で認識あるいは読み取り可能な形態で学習教材に記載されている情報である。
【0014】
提示手段(mode)とは、学習対象を学習者に提示する際の映像・音声の提示スタイルである。例えば、学習対象を静止画と音声とを提示、動画と静止画とを提示、クイズ形式で提示、学習対象に関連する会話の映像を提示などである。
第1の学習対象(topics)とは、学習しようあるいは学習させようとする対象である。例えば、dog,cat,・・・,apple,banana,・・・,第1話,第2話,・・・である。
提示手段と学習対象を様々に組み合わせて、操作することによって、複数の学習対象に対して様々な形式で学習することが可能である。例えば、dogの学習をする際に静止画、動画、ネイティブスピーカーの発音、鳴き声など様々な形式で学習することが可能であるし、逆に、dog,cat,horseなど様々な対象をネイティブスピーカーの発音で次々に再生することが可能である。
【0015】
第2の学習対象(variation)とは、第1の学習対象の付属情報である。例えば 白、赤、・・・、一つ、二つ、・・・、歩く、走る、・・・である。第2の学習対象を付加することにより、第1の学習対象との組み合わせで、白い犬などの学習対象が指定でき、様々なバリエーションの学習が可能となる。第1の学習対象と第2の学習対象とに分かれているため、一枚の学習教材で様々な学習が可能となる。
代表学習対象(代表topics)とは、複数の学習対象を一括して選択するものである。例えば、代表学習対象がアルファベットの場合はA,B,C,・・・,Zを一括して選択する際に使用され、再生方法設定によりこの中から選択された学習対象を学習することができる。
【0016】
再生方法(control)とは、代表学習対象と組み合わせて使用されるものであり、再生方法を表す。例えば、順再生、ランダム再生、繰り返し再生である。
質問時音声ON/OFF設定(setting)とは、学習者への質問時の音声をON/OFF設定である。例えば、提示手段がクイズ形式の場合に質問時の音声をON/OFFする設定である。
第1の学習対象(topics)、代表学習対象(代表topics)の設定情報および識別情報をメディアコードとも言う。
提示手段(mode)、第2の学習対象(variation)、再生方法(control)、質問時音声ON/OFF設定(setting)の設定情報および識別情報をファジーコードとも言う。
教材情報とは、学習者に提示される映像や音声であって、情報処理装置により読み出しが可能なように、設定情報あるいは識別情報の組み合わせ毎に映像や音声のファイル形式で記憶装置に記憶されている情報である。
【実施例】
【0017】
本発明による学習教材および学習システムについて、図面に基づいて以下に詳しく説明する。尚、ここでは学習教材として英語の語学学習教材を例にして説明する。
【0018】
〔学習教材の構成1〕
図1は本発明による学習教材の一例を示す構成図である。学習教材は、学習対象群10と、学習対象設定情報を提示する提示手段を設定する提示手段群11と、学習対象群10から特定の学習対象設定情報を識別するための第1の学習対象識別情報12と、提示手段群11から特定の提示手段設定情報を識別するための提示手段識別情報13とから構成されている。
ここでは、第1の学習対象識別情報12および提示手段識別情報13はバーコードを用いている。
【0019】
学習対象群10は、形態図10a(図1では動物の絵)と、形態図10aに対応する英単語10bとから構成されている。各々の形態図10aと形態図10aに対応する英単語10bとは第1の学習対象識別情報12(以下、第1のバーコードと言う)で関連付けられている。
【0020】
提示手段群11は、学習対象設定情報を動画で提示するための静止画提示イラスト(photo)11aと、学習対象設定情報を動画で提示するための動画提示イラスト(movie)11aと、学習対象設定情報をクイズ形式で提示するためのイラスト群11c・11d・11e・11fと、学習対象設定情報を会話形式で提示するためのイラスト11gなどから構成されている。
11cは例えば形態図10aを提示するためのイラスト、11dは形態図10aの影絵を提示するためのイラスト、11eは学習対象設定情報を音声(言葉)で提示するためのイラスト、11fは学習対象設定情報を英単語(word)で表示するためのイラストである。
そして、各イラストは提示手段識別情報13(以下、第2のバーコードと言う)と関連付けられている。
【0021】
第1の学習対象識別情報12および提示手段識別情報13をバーコードに換えて磁気コードにしてもよい。また、第1の学習対象識別情報12は、学習対象設定情報10の絵をパターン認識した情報にしてもよい。
学習教材は紙媒体に印刷したもの、あるいはCDや半導体メモリなどのメモリ媒体に記録したものであってもよい。
【0022】
つぎに、図1に示す学習教材を用いて色々な教材を作成する方法について説明する。
〔学習教材の使用方法〕
ここでは、以下に記す使用方法の操作の後に、犬の絵と英単語「dog」とが関連付けられた第1のバーコード12をバーコードリーダーで読み取った場合を例にして、提示手段の異なる色々な教材を作成する方法について以下に説明する。いずれの使用方法においても、同一の教育教材を連続して作成した回数を計数する機能を参照して、連続して第1のバーコード12をバーコードリーダーで読見取ると、答えの教材、例えば音声装置から「ドッグ」という音声が発する教材が作成される。
【0023】
〔使用方法1〕
「photo」のイラスト11bに対応した第2のバーコード13をバーコードリーダーで読み取ると、後述する学習システムによって犬の静止画がディスプレイなどの表示装置に表示する教材が作成される。
【0024】
〔使用方法2〕
質問のイラスト11cに対応した第2のバーコード13をバーコードリーダーで読み取る。すると、犬の静止画が表示装置に表示されると同時に学習システムの音声装置(スピーカ)から「What’s this?」と言う音声が発する教材が作成される。
【0025】
〔使用方法3〕
「word」のイラスト11fに対応した第2のバーコード13をバーコードリーダーで読み取ると、表示装置に「dog」の英単語が表示されると同時に学習システムの音声装置(スピーカ)から「What’s this?」と言う音声が発する教材が作成される。
【0026】
〔使用方法4〕
音声のイラスト11eに対応した第2のバーコードをバーコードリーダーで読み取ると、表示装置に「dog」の英単語が表示されると同時に学習システムの音声装置(スピーカ)から「What’s this?」と言う音声が発する教材が作成される。
【0027】
以上に説明したように、学習対象設定情報群10から選択した1つの学習対象設定情報と、提示手段設定情報11の中から選択した1つの提示手段とを組み合わせることによって、1つの学習対象設定情報を色々な角度から学習する多彩な教材を作成することができる。
【0028】
〔学習教材の構成2〕
図1に示す学習教材の中に、図2に示す学習システムを制御する再生方法群20を設けてもよい。この場合は、図1の学習対象群10をバーコード付きイラストで代表し、図2の代表学習対象群25としてもよい。図2の再生方法群20は、代表学習対象群25の中の学習対象設定情報を用いて作成した教材を、上の学習対象設定情報(dog)から下の学習対象設定情報へ順に提示させるためのプレイボタン21と、該教材を無作為に提示させるためのランダムボタン22と、同一の教材を繰り返して提示させるための繰り返しボタン23と、使用方法2で説明した「What’s this?」と言う音声をON/OFFするためのON/OFFボタン24などから構成されている。各ボタンには、各ボタンを識別するためのバーコードが付与されている。図2に示すような代表学習対象群25を複数設けてもよい。
【0029】
〔学習システムの構成〕
図3は、本発明による学習システムの一構成例を示すブロック図である。ここでは、図1で説明した学習教材(紙媒体に印刷されたもの)を用いた学習システムについて説明する。
学習システムは、図1に示す学習教材36と、学習教材36に印刷されている第1のバーコード12および第2のバーコード13を読み取るバーコードリーダーなどの読取装置30と、パーソナルコンピューターなどのコンピュータ装置35と、作成した教材情報を画像/映像で提示するディスプレイ装置・テレビ装置などの画像/映像提示装置33と、作成した教材情報を音声で提示するスピーカシステムなどの音声提示装置34と、などから構成されている。
第1のバーコード12および第2のバーコード13には、図4に示す変数名と変数値とが含まれている。
【0030】
コンピュータ装置35は、CPU(中央演算装置)と制御部とを有する情報処理装置31と、ハードディスクなどの記憶装置32などから構成されている。
【0031】
情報処理装置31は、学習教材に付属したアプリケーションソフトウェアで作動し、読取装置30から出力された第1のバーコード12および第2のバーコード13の読取情報に基づいて情報処理する機能を有している。
アプリケーションソフトウェアは、図4および図5に示すような、変換テーブル42、52と、記憶装置32に蓄積されている教材ファイルの蓄積番地43、53を記録した照合テーブル44、54とを有している。
【0032】
記憶装置32には、第1のバーコード12に対応する学習対象設定情報と、第2のバーコード13に対応する提示手段設定情報とを組み合わせた各種の教材情報がファイル形式で記憶されている。ファイル形式とは、例えば情報処理装置31のオペレーティングシステムの階層的ファイルシステムである。
尚、教材情報のファイルは、半導体メモリ・CD・ハードディスクなどの外部メモリに記憶させてもよい。
【0033】
〔アプリケーションソフトウェアの機能〕
アプリケーションソフトウェアは、学習システムを作動させるためのソフトウェアであって、以下の機能を有している(図4参照、ここで「番地」とあるのは、パーソナルコンピューターの階層的ファイルシステムにおける「ディレクトリーパス+ファイル名」に相当するものであり、図5でも同様である)
1) 情報処理装置31は、図1に示す学習教材の第1のバーコード12および第2のバーコード13を読取装置30で読み取った読取情報(変数名45と変数値46)を解析し、図4に示す変数テーブル42の該当する欄に情報を書き込む。
2) 例えば、図1の提示手段設定情報11bに対応する第2のバーコード13を読み取ると、変数名「提示手段設定情報」と変数値「movie」が得られ、提示手段設定情報の変数値欄40(以下、提示手段コードと言う)に変数値「movie」が書き込まれる。
3) 英単語10bに対応する第1のバーコード12を読み取ると、変数名「学習対象設定情報」と変数値「dog」が得られ、提示手段設定情報の変数値欄41に変数値「dog」が書き込まれる。
4) 情報処理装置31は、変数テーブル42の提示手段設定情報と学習対象設定情報の変数値46を参照して、照合テーブル44から教材ファイルの蓄積番地43を照合する。ここで変数テーブル42と照合テーブル44の変数名45,47は同じであることが好ましい。
5) 照合が出来たら提示手段コードに基づいて、画像/映像提示装置33および音声提示装置34から静止画/動画および音声を出力させる。
【0034】
図2に示す学習教材に付属しているアプリケーションソフトウェアには、以下のような機能を有している(図5参照)。
1) 読取装置30で読み取った読取情報を図5に示す変数テーブル52に記録する。
2) 代表学習対象群25の代表学習対象識別情報26のバーコードを読み取ると変数名502の欄に「ABC」が記録され、プレイボタン21およびランダムボタン22および繰り返しボタン23のバーコードを読み取ると変数名503に「play」および「random」および「repeat」が記録される。ON/OFFボタン24のバーコードを読み取ると変数名504にオン、オフが交互に記録される。図5の例では「OFF」が記録される。さらに、505には同一問題が連続して選択された回数が記録される。図5の例では「2」(回数)が記録される。
3) 情報処理装置31は、変数テーブル52の変数値500を参照して、照合テーブル54から教材ファイルの蓄積番地53を照合する。ここで変数テーブル52と照合テーブル54の変数名509,510は同じであることが好ましい。
4) 図2の学習教材では代表学習対象群25が設定されているので、蓄積番地53には複数の教材ファイルの番地が記録されている。学習対象設定情報OP(1)503の変数値に従って番地の選択が行われる。「random」が記録されていると蓄積番地53に含まれる番地がランダムに選ばれる。「play」であれば第1の教材の番地「101」から順に選ばれる。「repeat」であれば、前回提示と同じ番地が選ばれる。
5) 教材ファイルの蓄積番地53が選ばれたら提示手段コードに基づいて、画像/映像提示装置33および音声提示装置34から静止画/動画および音声が出力させる。
【0035】
上記のように学習教材ごとに変数テーブルを変えてもよい。学習教材に印刷された全てのバーコードには、学習教材で使う変数テーブルの情報が記録されていることが好ましい。
また、変数テーブル52および照合テーブル54は、学習教材の目的に沿って変数名を追加あるいは削除するのが好ましい。
【0036】
(第1の実施の形態)
図6に本発明に係るシステム構成の一例を示す。システムは、学習教材、各種識別情報の組み合わせ毎に決定される映像・音声再生用ファイルが識別情報の組み合わせ別に記録されている記憶媒体、学習教材に記載された各種の識別情報を情報処理装置に識別させる手段、学習者用映像表示装置、音声発生装置、ならびに、識別情報の組み合わせをもとに前記再生用ファイルを抽出し学習者用映像表示装置に再生させる情報処理装置とにより構成されている。
学習教材に記載された各種の識別情報を情報処理装置に識別させる手段としては、図8のように識別情報をバーコードで記載する場合には、バーコードリーダーが使用される。
学習教材には、提示手段群および提示手段識別情報(ファジーコード)と学習対象群および学習対象識別情報(メディアコード)、および、必要に応じてその他の設定および識別情報(ファジーコード)が記載されている。
【0037】
学習教材の形態は、操作者が当該画像内に表示された各種の識別情報をそれと認識できればよく、シート上に印刷されたものであっても良いし、操作者用の映像ディスプレイであってもよい。
識別情報は、操作者が選択した学習対象や提示手段などの識別情報をコンピュータに転送できうるものであれば良く、例えば、操作者用画像がシート上に印刷されたものである場合には、各種の識別情報は、バーコードなどの光学的に読み取り可能なものであっても、磁気テープなどの磁気的に読み取り可能なものであっても良い。あるいは、絵や文字そのものを光学的に認識し識別可能であれば絵や文字のみであっても良い。
【0038】
また、学習教材が操作者用のディスプレイに表示される場合は、識別情報を前記と同様にバーコードなどで選択しても良いが、絵や文字などをタッチパネルあるいはマウスポインタで選択するようにしても良い。
教育的ツールとして利用する際は、操作者の負担軽減のため光学的に読み取り可能なもの、特にバーコードの利用が好ましい。
メモリ、データ記憶媒体に格納されている再生用データは、各種の設定組み合わせに対して、設定値の組合せが決まれば必ず1つの再生ファイルが対応する映像・音声ファイルが保存されている。
また、メモリ、データ記憶媒体には、操作者用画像設定情報から読み取られた値(例えばバーコード値)と設定情報とを関連付けするテーブルが保存されている。例えば、読み取られた値に対して、対応する学習教材ページ数、設定情報種類(学習対象設定か提示手段設定か等)、設定情報(dog,cat,等)、再生ファイル決定のために必要な情報(例えば、再生ファイルを決定するためには、提示手段設定情報と学習対象設定情報とが必要である旨の情報)である。
【0039】
(第2の実施の形態)
図7に本発明に係るシステムの機能ブロック図の一例を示す。
学習教材に記載されている識別情報を読み取る機能(例えば、バーコードリーダー)と、読み取られた識別情報から設定情報とを関連付ける機能(例えば、第1の実施の形態の項に記載したように、対応テーブルを参照し関連付けを行う)、連続して同じ情報を読み取った回数を記憶する機能、読み取った情報の内容を判断し対応する設定情報を変数テーブルに反映する機能、変数テーブルの情報が再生ファイルを決定するに十分かを判断して変数テーブル情報に応じた再生ファイルを記憶媒体から抽出する機能、映像・音声として出力する機能とから構成される。
連続して同じ情報を読み取った回数を記憶する機能によって、例えば、提示手段がクイズ形式である場合には、1回目の場合は質問を再生し2回目以降の場合は回答を再生するようにプログラムをすることによって、質問を再生するのか解答を再生するのかを容易に識別することができ、操作者の負担を軽減するとともに迅速な教育を行う事が可能である。
【0040】
変数テーブルの情報が再生ファイルを決定するに十分かを判断して変数テーブル情報に応じた再生ファイルを記憶媒体から抽出する機能としては、読み込まれた情報そのものに、再生ファイルを決定するために必要な他の選択情報が入っていてもよいし、あるいは、読み込まれた情報に対応する他の必要情報のテーブルがメモリに入っていて、その対応テーブルを参照し、再生ファイルを決定するに十分かを判断するようにしても良い。(例えば、提示手段設定情報として静止画モードが読み込まれた場合は、提示手段設定情報のほかに学習対象設定情報が決定されることが必要であるなど。)そして、再生ファイル決定のために必要とされる変数全てが決定されると、再生ファイルを決定するに十分と判断し、当該ファイルをメモリから探し、当該ファイルを再生する。
【0041】
(第3の実施の形態)
図8に本発明に係る学習教材の一例を示す。この学習教材には、複数種の提示手段を設定するための提示手段群と提示手段設定情報を情報処理装置に識別させるための提示手段識別情報、複数種の学習対象を設定するための学習対象群と学習対象設定情報を情報処理装置に識別させるための学習対象識別情報、複数種の学習対象の一括選択を設定するための代表学習対象群と代表学習対象情報を情報処理装置に識別させるための代表学習対象識別情報、複数種の再生方法を設定するための再生方法群と再生方法設定情報を情報処理装置に識別させるための再生方法識別情報、提示手段がクイズ形式の場合に映像・音声を設定する(質問時の音声をON/OFFする)ための映像・音声群と質問時音声ON/OFF設定情報を情報処理装置に識別させるための質問時音声ON/OFF設定情報識別情報が記載されている。
【0042】
識別情報は情報処理装置に識別可能なように、バーコードで記載されている。
提示手段群には、上から、Photo,Movie,Quiz(目のマーク、電球のマーク、耳のマーク、wordの文字),Q&A,Photo,Movie,Quizが人に認識可能なように絵や文字の形式で記載されている。そして、それぞれの隣には提示手段を情報処理装置に識別させるためのバーコードが記載されている。提示手段としてPhotoを選択した場合は静止画と音声が映像発生装置と音声発生装置とにより出力されることになる。同様に、Movieの場合は動画と音声、Quizの場合はクイズ形式での動画と音声、の設定となっている。
学習対象群には、上から、dog,cat,horse,・・・の10種が文字および絵と文字の形式で記載されている。そして、それぞれの隣には学習対象を情報処理装置に識別させるためのバーコードが記載されている。
【0043】
例えば、操作者がバーコードリーダーを使用して、この学習教材から提示手段としてPhotoを選択し、学習対象としてdogを選択した場合には、映像表示装置から、犬のPhoto(静止画)とともに英語の音声として「dog」と音声が流れる。その後、学習対象としてtigerを選択すると、虎のPhoto(静止画)とともに英語の音声として「tiger」と音声が流れる。その後、提示手段としてMovieを選択すると虎のMovie(動画)とともに「tiger」と音声が流れる。提示手段として2種類(Photo,Movie)、学習対象として10種類(dog,cat,・・・,whale)の場合でも、これだけで、20種類の学習が可能である。
【0044】
(第4の実施の形態)
図8の学習教材を利用した使用方法について、図9を使用し、本発明に係る学習教材、システムの使用方法の一例を説明する。図の左側は操作者の操作を示し、バーコードの上の矢印は当該バーコードをスキャンしたことを示している。図の中央は情報処理装置の動作(変数テーブルの書換えと映像発生装置および音声発生装置への出力)を表している。図の右側は学習者に提供される映像および音声を示している。
【0045】
操作者が学習教材に記載されている識別情報たるバーコードをスキャンすると、情報処理装置はこの識別情報を認識しメモリを参照して設定情報と関連付ける。つまり、メモリ内関連付けテーブルを参照してスキャンされた値がどの学習教材に対応するか、設定しようとする内容はなにか、再生ファイルを決定するために必要な情報は何か、をメモリ内関連付けテーブルから抽出する。このメモリ内関連付けテーブルは図7右上に記載されているような形式であらかじめ記憶媒体に記憶されている。そして、メモリ内の変数テーブルを書き換える。本実施例では、提示手段としてPhotoあるいはMovieを選択した場合には、メモリ内関連付けテーブルには再生ファイルを決定するために必要な情報として、提示手段と学習対象とが必要である旨が記載されているとする。また、設定情報の組み合わせに対応する映像・音声ファイルはあらかじめ、記憶装置に記憶されている。
【0046】
具体な動作の流れを以下に説明する。操作者が提示手段としてPhotoを選択するために提示手段識別情報たるバーコードをスキャンすると、その情報が情報処理装置に転送され、情報処理装置はメモリ内関連付けテーブルを参照し提示手段としてPhotoが選択されたことを認識するとともに変数テーブルを書き換える(Mode=Photoとする)。この時点では、学習対象(Topics)が定まっていないため、映像・音声は出力されない。この後、操作者が学習対象としてdogを選択(スキャン)すると、その情報が情報処理装置に転送され、変数テーブルが書き換えられ(Topics=dog)、再生ファイルを決定するために必要な情報がすべて決定されていることを判断し、設定情報の組み合わせ(Mode=Photo,Topics=dog)に対応する映像・音声ファイルを抽出し、このファイルを映像表示装置および音声発生装置により映像・音声を出力する。この場合は、犬の映像(静止画)とともに英語の音声として「dog」と音声が流れる。
【0047】
その後、操作者が学習対象としてcatを選択すると、情報処理装置は上記と同様に情報を処理し、猫の映像(静止画)とともに英語の音声として「cat」と音声が流れる。同様に、操作者が学習対象としてhorseを選択すると、馬の映像(静止画)とともに英語の音声として「horse」と音声が流れる。適宜、提示手段としてMovieを選択することにより、静止画に代えて動画情報を提示する事ができ、学習者をあきさせることなく様々なバリエーションの映像、音声を提供可能で、教育的効果を上げる事が可能である。
【0048】
(第5の実施の形態)
図8の学習教材を利用した使用方法について、図10,11,12を使用し、本発明に係る学習教材、システムの使用方法の一例を説明する。本実施例では、提示手段としてクイズモードを選択した場合には、メモリ内関連付けテーブルには再生ファイルを決定するために必要な情報として、提示手段(Mode)と学習対象(Topics)と同一情報の連続選択回数情報(Selectcount)と質問時音声ON/OFF設定情報(Setting)が必要である旨が記載されているとする。また、設定情報の組み合わせに対応する映像・音声ファイルはあらかじめ、記憶装置に記憶されている。映像・音声ファイルはSelectcountが1の場合は質問用ファイル、2以上の場合は解答用ファイルが対応するように関連付けて記憶されている。また、変数テーブルのSettingは対応する識別情報をスキャンしなくても初期値としてONとなるように設定されている。なお、Selectcountを奇数/偶数で質問/解答が対応するようにしても良いが、前記の方が解答のみを繰り返すことができ学習効果が高いものとなるため好ましい。
【0049】
図10から具体的動作を説明する。操作者が提示手段として静止画のクイズ形式を選択するために提示手段識別情報たるバーコードをスキャンすると、その情報が情報処理装置に転送され、情報処理装置はメモリ内関連付けテーブルを参照し提示手段としてクイズモードが選択されたことを認識するとともに変数テーブルを書き換える(Mode=QuizPhoto、同一情報の連続選択回数は1回目のスキャンのためSelectcount=1)。この時点では、学習対象(Topics)が定まっていないため、映像・音声は出力されない。この後、操作者が学習対象としてcatを選択(スキャン)すると、その情報が情報処理装置に転送され、変数テーブルが書き換えられ(Topics=cat)、再生ファイルを決定するために必要な情報がすべて決定されていることを判断し、設定情報の組み合わせ(Mode=QuizPhoto,Topics=cat,Selectcount=1,Setting=ON)に対応する映像・音声ファイルを抽出し、このファイルを映像表示装置および音声発生装置により映像・音声を出力する。この場合は、猫の映像(静止画)とともに英語の音声として「What’s this?」と音声が流れる。
【0050】
その後、操作者が学習対象として再度catを選択すると、情報処理装置は上記と同様に情報を処理し、変数テーブルを書き換える(Mode=QuizPhoto、同一情報の連続選択回数は2回目のスキャンのためSelectcount=2)。そして、設定情報の組み合わせ(Mode=QuizPhoto,Topics=cat,Selectcount=2,Setting=ON)に対応する映像・音声ファイルを抽出し、このファイルを映像表示装置および音声発生装置により映像・音声を出力する。この場合は、猫の映像とともに英語の音声で「cat」と音声が流れる。この後、操作者が学習対象としてdogを選択すると、情報処理装置は上記と同様に情報を処理し、変数テーブルを書き換える(Mode=QuizPhoto、同一情報の連続選択回数は1回目のスキャンのためSelectcount=1)。そして、設定情報の組み合わせ(Mode=QuizPhoto,Topics=dog,Selectcount=1,Setting=ON)に対応する映像・音声ファイルを抽出し、このファイルを映像表示装置および音声発生装置により映像・音声を出力する。この場合は、犬の映像とともに英語の音声として「What’s this?」と音声が流れる。この後の動作は図11へ続き説明を行う。
【0051】
その後、操作者が学習対象として再度dogを選択すると、情報処理装置は上記と同様に情報を処理し、変数テーブルを書き換え、該当ファイルを抽出し再生を行う。この場合は、犬の映像とともに英語の音声で「dog」と音声が流れる。
【0052】
その後、操作者が提示手段として影絵のクイズ形式を選択するために提示手段識別情報たるバーコードをスキャンすると、その情報が情報処理装置に転送され、情報処理装置はメモリ内関連付けテーブルを参照し提示手段として影絵クイズモードが選択されたことを認識するとともに変数テーブルを書き換える(Mode=QuizShadow、Selectcount=1)。この時点では、学習対象(Topics)が定まっていないため、映像・音声は出力されない。この後、操作者が学習対象としてdogを選択すると、情報処理装置は上記と同様に情報を処理し、変数テーブルを書き換え、該当ファイルを抽出し再生を行う。この場合は、犬の影絵映像とともに英語の音声として「What’s this?」と音声が流れる。
【0053】
その後、操作者が学習対象として再度dogを選択すると、情報処理装置は上記と同様に情報を処理し、変数テーブルを書き換え、該当ファイルを抽出し再生を行う。この場合は、犬の映像とともに英語の音声で「dog」と音声が流れる。
【0054】
この後の動作は図12へ続き説明を行う。操作者が質問時音声ON/OFF設定として質問音声OFFを選択するために提示手段識別情報たるバーコードをスキャンすると、その情報が情報処理装置に転送され、情報処理装置はメモリ内関連付けテーブルを参照し質問時音声ON/OFF設定OFFが選択されたことを認識するとともに変数テーブルを書き換える(Mode=QuizShadow、Selectcount=1、Setting=OFF)。この時点では、学習対象(Topics)が定まっていないため、映像・音声は出力されない。この後、操作者が学習対象としてdogを選択すると、その情報が情報処理装置に転送され、変数テーブルが書き換えられ、設定情報の組み合わせ(Mode=QuizShadow,Topics=dog,Selectcount=1,Setting=OFF)に対応する映像・音声ファイルを抽出し、このファイルを映像表示装置および音声発生装置により映象・音声を出力する。この場合は、猫の影絵映像は流れるが「What’s this?」の音声は流れない。
【0055】
この後、操作者が学習対象として再度dogを選択すると、情報処理装置は上記と同様に情報を処理し、変数テーブルを書き換え、該当ファイルを抽出し再生を行う。この場合は、犬の映像とともに英語の音声で「dog」と音声が流れる。
この後、同様に、この後、catやhorseなどをスキャンして、学習対象設定をcatやhorseにすることによって、様々な学習対象に対して次々と質問と解答とを繰り替えす事ができる。
また、異なるクイズ形式を選択するために提示手段群の別のバーコード(例えば、耳のマーク、wordの文字など)をスキャンし提示手段を変えることにより、質問を音声のみを提示(例えば、動物の鳴声のみを提示)や文字のみを提示(例えば、dogの文字のみを提示)して学習者に解答させることも可能である。これらの映像・音声ファイルをあらかじめ作成しておき、識別情報の組み合わせをもとに再生用ファイルとして抽出し学習者用映像表示装置に再生可能であるようにしておけばよい。
【0056】
この実施例では、変数テーブルの値により1つの再生ファイルが決定され、この再生ファイルが再生される形態をとっている。この方法は、ファイルへのアクセスが容易でレスポンスの良い再生が可能であるとともに見せたい絵と音声の組み合わせデータファイルを新規に作成すれば既存のものと置き換えるだけで済むため、再生データの作成が容易で委託も楽であり、また、絵と文字と音声の変な組合せが発生しない利点がある。ただ、組み合わせ数が膨大になりデータ容量が膨大になる場合には、1つのデータファイルに代えて、映像データファイル、文字データファイル、音声データファイルを記憶媒体中においておき、変数テーブルの値によって、これらのデータファイルを決定し、これらの情報をスーパーインポーズして再生することも可能である。
【0057】
また、提示手段(Mode)等の設定を変えた場合に、学習対象(Topics)のみリセットされるようにプログラミングされているが、(1)全てリセットされるようにしても良いし、(2)一部リセットされるようにしても良いし、(3)そのまま残るようにしても良い。(3)の場合は、提示手段変更の場合にも未決定の項目が発生しないためすぐに再生ファイルが決定されるため映像が途切れることがないため好ましい。(2)の場合は、未決定項目が残るためすぐにファイルにはアクセスしないが必要最低限の追加設定で再生が可能であり好ましい。(1)の場合は、最初から全ての項目を設定する必要があるが、操作者の考えどおりの動作が可能であり好ましい。この実施例は(2)にあたり、学習対象設定情報のみリセットしている。
また、質問時音声ON/OFF設定(Settingの変数)があるために、この識別情報をスキャンすることによって、質問時の「What’s this?」・という音声を消す事が可能となる。これにより、操作者が直接学習者に声をかける場合(例えば、「これは何ですか?」と聞く場合など)を邪魔することなく、また、「What’s this?」の読み上げ時間を短縮できスピード感のある教育が可能である。このSettingは質問時の音声をON/OFFするために使用されるため、答えを提示する際は、音声付情報が提示される。
【0058】
(第6の実施の形態)
図8の学習教材を利用した使用方法について、図13を使用し、本発明に係る学習教材、システムの使用方法の一例を説明する。具体的な動作の流れを以下に説明する。操作者が提示手段としてQ&Aを選択するために提示手段識別情報たるバーコードをスキャンし、学習対象としてdogをスキャンすると、情報処理装置は前記実施例と同様に情報を処理し、変数テーブルを書き換え、該当ファイルを抽出し再生を行う。この場合は、先生の動画と犬の映像とともに先生の英語の音声で「What animal do you like」と音声が流れ、学習者に対して解答を促す。その後、操作者が学習対象として再度dogを選択すると、情報処理装置は上記と同様に情報を処理し、先生の動画と犬の映像とともに英語の音声として「I like dogs」と音声が流れる。先生が動画で登場するため、発音時の口の動きも学習することができる。
【0059】
(第7の実施の形態)
図8の学習教材を利用した使用方法について、図14を使用し、本発明に係る学習教材、システムの使用方法の一例を説明する。具体的な動作の流れを以下に説明する。操作者が提示手段としてPhotoを選択するために提示手段識別情報たるバーコードをスキャンし、代表学習対象を行うために代表学習対象群のうちの1−10に対応する代表学習対象識別情報スキャンすると、情報処理装置は前記実施例と同様に情報を処理し、変数テーブルを書き換える。
【0060】
なお、この学習教材で提示手段としてPhotoあるいはMovieを選択した場合には、メモリ内関連付けテーブルには再生ファイルを決定するために必要な情報として、提示手段と学習対象とが必要である旨が記載されている。また、代表学習対象を行った場合には、学習対象を決定するためには、代表学習対象情報(代表Topics)、再生方法設定情報(Control)、選択された代表学習対象の中の何番目の学習対象を対象とするかをコントロールするパラメータ(ControlNumber)が必要であり、ControlNumberの決定のためには同一情報の連続選択回数情報(Selectcount)が決定されることが必要であることがプログラミングされている。
【0061】
その後、順再生を選択するために再生方法設定群内の順再生を示す再生方法識別情報をスキャンした場合には、再生ファイル決定に必要なパラメータがすべて決定されたため、これを判断して、映像表示装置に数字の1とスペリングoneとが表示されるとともに、英語で「one」との発音が再生される。
次に、再度順再生を示す再生方法識別情報をスキャンした場合には、映像表示装置に数字の2とスペリングtwoとが表示されるとともに、英語で「two」との発音が再生される。なお、これを繰り返せば、three,four,five,・・・と学習することが可能である。
【0062】
これに続く別の動作について、図15で説明する。上記の後に、リピート再生を選択するために再生方法設定群内のリピート再生を示す再生方法識別情報(鍵マーク)をスキャンした場合には、現在の設定情報の組み合わせで、再度、映像表示装置に数字の2とスペリングtwoとが表示される。この設定があるために、特定の学習対象の繰り返し学習が可能となる。
その後、ランダム再生を選択するために再生方法設定群内のランダム再生を示す再生方法識別情報(ジグザグ矢印マーク)をスキャンした場合には、変数テーブルのControlNumberにランダムに値が入るようにプログラミングされており、この例では、7が入った例で、代表Topicsの7番目にあたるsevenが学習対象として入り、映像表示装置に数字の7とスペリングsevenとが表示されるとともに、英語で「seven」との発音が再生される。
次に、再度ランダム再生を示す再生方法識別情報をスキャンした場合には、変数テーブルのControlNumberにランダムに値が入り(図は5が入った例)、映像表示装置に数字の5とスペリングfiveとが表示されるとともに、英語で「five」との発音が再生される。
【0063】
複数の学習対象を含む代表学習対象(代表Topics)を設定するメリットは、学習対象が多くなり1枚の学習教材に書ききれない場合に対応するためや操作者がいちいち学習対象を選択する手間を省くためである。そして、この機能と、再生方法設定、すなわち、順再生、ランダム再生、リピート再生を行う再生方法設定機能とにより、一括して選択した多くの学習対象を順番に、あるいは、ランダムに、あるいは繰り返して学習ができ、効率的に多くのトピックスを学習する事が可能となる。また、ランダム再生時に一度選択された学習対象は一括選択された学習対象内のすべての学習対象が完了するまで再度選択されないようプログラミングをしておくことで、操作者が頭を煩わせることなく一括選択された学習対象内のすべての学習対象を満遍なく学習することができるため効果的である。
【0064】
代表学習対象としては、図8の代表学習対象群に記載されている数、アルファベット、色、のほかにも、動物、乗り物など一つのカテゴリーに多くの言葉があるものが採用できる。
また、提示手段をクイズ形式にすれば、第5の実施の形態で説明したように、質問と解答とを繰り返して学習が可能である。例えば、質問として数字の画像を表示するとともに「What’s this?」と問いかけ、学習者の回答を待って、数字を英語の音声で発音する音声と映像を出力することにより解答を学習することができる。
【0065】
(第8の実施の形態)
図16に本発明に係る学習教材の一例を示す。この学習教材には、複数種の提示手段を設定するための提示手段群と情報処理装置に識別可能な提示手段識別情報、複数種の学習対象を設定するための学習対象群と情報処理装置に識別可能な学習対象識別情報、前記学習対象の付属情報である複数種の第2の学習対象を設定するための第2の学習対象群と情報処理装置に識別可能な第2の学習対象識別情報、複数種の再生方法を設定するための再生方法群と情報処理装置に識別可能な再生方法識別情報、映像・音声を設定する(音声をON/OFFする)ための映像・音声群と情報処理装置に識別可能な質問時音声ON/OFF設定情報識別情報が記載されている。
【0066】
識別情報は情報処理装置で識別可能なように、バーコードで記載されている。
提示手段群には、上から、日本語、Photo,Movie,Quiz(目のマーク、word?の文字)が人に認識可能なように絵や文字の形式で記載されている。そして、それぞれの隣には提示手段を情報処理装置に識別させるためのバーコードが記載されている。提示手段としてPhotoを選択した場合は動画あるいは静止画と音声が映像発生装置と音声発生装置とにより出力されることになる。同様に、Quizの場合はクイズ形式での動画あるいは静止画と音声が出力されるようになっている。
学習対象群には、学習対象として、桃太郎の話が上から第1話、第2話、・・・の10種が数字および絵の形式で記載されている。そして、それぞれの隣には学習対象を情報処理装置に識別させるためのバーコードが記載されている。
【0067】
(第9の実施の形態)
図16の学習教材を利用した使用方法について、図17を使用し、本発明に係る学習教材、システムの使用方法の一例を説明する。本実施例では、提示手段としてPhoto(静止画)を選択した場合には、メモリ内関連付けテーブルには再生ファイルを決定するために必要な情報として、提示手段(Mode)と学習対象(Topics)と第2の学習対象設定情報(variation)と同一情報の連続選択回数情報(Selectcount)とが必要である旨が記載されている。また、設定情報の組み合わせに対応する映像・音声ファイルはあらかじめ、記憶装置に記憶されている。また、変数テーブルのvariationは対応する識別情報をスキャンしなくても初期値としてpeachが設定されている。
【0068】
具体的動作を説明する。操作者が提示手段として静止画(Photo)を選択するために提示手段識別情報たるバーコードをスキャンすると、その情報が情報処理装置に転送され、情報処理装置はメモリ内関連付けテーブルを参照し提示手段として静止画が選択されたことを認識するとともに変数テーブルを書き換える(Mode=Photo、同一情報の連続選択回数は1回目のスキャンのためSelectcount=1)。この時点では、学習対象(Topics)が定まっていないため、映像・音声は出力されない。この後、操作者が学習対象として第3話を選択(スキャン)すると、その情報が情報処理装置に転送され、変数テーブルが書き換えられ(Topics=3(第3話を示す))、再生ファイルを決定するために必要な情報がすべて決定されていることを判断し、設定情報の組み合わせ(Mode=Photo,Topics=3,Selectcount=1)に対応する映像・音声ファイルを抽出し、このファイルを映像表示装置および音声発生装置により映像・音声を出力する。この場合は、第3話の映像とともに英語の音声として「The peach was big and heavy.」が流れる。
【0069】
その後、操作者が第2の学習対象設定情報としてリンゴを選択すると、情報処理装置は上記と同様に情報を処理し、変数テーブルを書き換える(Mode=Photo、topics=3、variation=apple、Selectcount=1)。そして、この設定情報の組み合わせに対応する映像・音声ファイルを抽出し、このファイルを映像表示装置および音声発生装置により映像・音声を出力する。この場合は、peachがappleに変わった第3話の映像とともに英語の音声として「The apple was big and heavy.」が流れる。この後、操作者が学習対象として第4話を選択すると、情報処理装置は上記と同様に情報を処理し、変数テーブルを書き換える(Mode=Photo、topics=4、variation=apple、Selectcount=1)。そして、この設定情報の組み合わせに対応する映像・音声ファイルを抽出し、このファイルを映像表示装置および音声発生装置により映像・音声を出力する。この場合は、peachがappleに変わった第4話の映像とともに英語の音声として「A little boywas in the apple.」が流れる。この後別の学習対象(topics)や第2の学習対象(variation)を選択してゆくことによって、様々なバリエーションの物語を提示する事が可能になり、生徒が興味を持って学習する事が可能になる。
【0070】
このように,学習対象(topics)の設定に加え、第2の学習対象(variation)の設定があるために、操作者を煩わせることなく簡単な操作で様々な組み合わせの学習を行うことが可能になる。
この後の動作例を図18を用い説明する。その後、操作者が提示手段として言語によるクイズ形式(学習教材にはword?と記載)を選択するために提示手段識別情報たるバーコードをスキャンすると、その情報が情報処理装置に転送され、情報処理装置はメモリ内関連付けテーブルを参照し提示手段として言語クイズモードが選択されたことを認識するとともに変数テーブルを書き換える(Mode=QuizWord、variation=peach、Selectcount=1)。この時点では、学習対象(Topics)が定まっていないため、映像・音声は出力されない。この後、操作者が学習対象として第3話を選択すると、情報処理装置は上記と同様に情報を処理し、変数テーブルを書き換え、該当ファイルを抽出し再生を行う。この場合は、質問映像として、文字(The peach was big and heavy.)のみの映像が無音声で流れる。
【0071】
その後、操作者が学習対象として再度第3話を選択すると、情報処理装置は上記と同様に情報を処理し、変数テーブルを書き換え、該当ファイルを抽出し再生を行う。この場合は、解答映像として、文字(The peach was big and heavy.)と絵の映像とともに英語の音声で「The peach was big and heavy.」が流れる。
なお、Selectcountが1の場合は質問、2以上の場合は解答の各映像ファイルと音声ファイルとが抽出され再生されるようにプログラミングされている。
上記のように、クイズ形式のモードを設定し、識別情報の選択回数を参照することにより質問と解答とを繰り返すことが可能になる。また、学習者は、文字(The peach was big and heavy.)のみを見て、発音しなければならず、レベルアップした教育が可能になる。
【0072】
図16の学習教材では、第2の学習対象設定情報として果物であるが、第3、第4の学習対象設定情報として設定情報種類を増やすことも可能である。例えば、この学習教材の例の第2の学習対象設定情報としての果物に加えて、第3の学習対象設定情報として色の設定が可能な学習教材にしておき、再生ファイルをこの組み合わせに応じたものを記憶媒体に記録しておくことにより、果物・色の組み合わせの情報提示が可能となる。例えば、The PINK PEACH was big and heavy.のように、話の内容に加え、PINK部とPEACH部のように、この場合は、目的語と補語とを変化させた教材情報を提示する事が可能となり、さらに様々な学習を行うことができる。
【0073】
上記のように、基本は順番で教育するが、順番に暗記してしまうと興味が減ずるので、変化をつけた教育のために、ランダム再生が重要である。再生方法群内の再生方法設定のランダム再生を選択できるようにしておき、変数テーブルの変数のうちTopicsとvariationの値をランダムに入力されるようにプログラミングしておくことにより、第x話と果物の組合せがランダムに変化することになるため、操作者の負担低減しつつ教育効果を高める事が可能となり非常に効果的である。
【0074】
(第10の実施の形態)
別の学習教材の例を図19に示す。この学習教材には、複数種の提示手段を設定するための提示手段群と情報処理装置に識別可能な提示手段識別情報、複数種の学習対象の一括選択を設定するための代表学習対象群と情報処理装置に識別可能な代表学習対象識別情報、複数種の再生方法を設定するための再生方法群と情報処理装置に識別可能な再生方法識別情報、一括選択された学習対象のうち何番目の学習対象を対象とするかを設定するためのControlNumber設定情報群と情報処理装置に識別可能なControlNumber識別情報が記載されている。
【0075】
識別情報は情報処理装置で識別可能なように、バーコードで記載されている。
提示手段群には、上から、Photo,Quiz(3種類)が人に認識可能なように絵や文字の形式で記載されている。そして、それぞれの隣には提示手段を情報処理装置に識別させるためのバーコードが記載されている。提示手段としてPhotoを選択した場合は動画あるいは静止画と音声が映像発生装置と音声発生装置とにより出力されることになる。同様に、Quizの場合はクイズ形式での動画あるいは静止画と音声が出力されるようになっている。
代表学習対象群には、学習対象として、数字(Number)、色(color)、月(Month)が文字および絵の形式で記載されている。そして、それぞれの隣には代表学習対象を情報処理装置に識別させるためのバーコードが記載されている。
この学習教材で提示手段としてPhotoあるいはQuizを選択した場合には、メモリ内関連付けテーブルには再生ファイルを決定するために必要な情報として、提示手段と学習対象とが必要である旨が記載されていればよい。
【0076】
代表学習対象で、学習対象を決定するためには、第7の実施の形態などと同様に、代表学習対象情報(代表Topics)、再生方法設定情報(Control)、選択された代表学習対象の中の何番目の学習対象を対象とするかをコントロールするパラメータ(ControlNumber)が必要であり、ControlNumberの決定のためには同一情報の連続選択回数情報(Selectcount)が決定されることが必要であることがプログラミングされていればよい。あるいは、選択された代表学習対象の中の何番目の学習対象を対象とするかをコントロールするパラメータ(ControlNumber)を直接設定できるように、ControlNumber設定情報群内のControlNumber識別情報をスキャンしても良い。
すなわち、操作者が各種の識別情報をスキャンし、再生ファイル決定するために必要な情報が満たされた場合に、各種の設定情報の組み合わせに応じてあらかじめ記憶媒体に記憶されている再生ファイルを情報処理装置が抽出し映像および音声を出力する。
【0077】
教育対象一括選択と再生方法設定とにより、一括選択された学習対象内の特定の学習対象を次々に表示させる事が可能であるし、これらに加えて、ControlNumber設定情報を設定する識別情報を配置することにより、代表学習対象内の所望の学習対象を直接指定して映像および音声装置に出力する事が可能である。
この例でも理解できるように、この一枚の学習教材と各種の設定情報の組み合わせに応じてあらかじめ記憶媒体に記憶されている再生ファイルとを有するシステムで、数、色、月、曜日、時間、天気、季節の各情報を表す映像・音声を出力する事が可能となる。
【0078】
(第11の実施の形態)
本実施の形態では、バーコードとして、表示したい物を選択できるコードをメディアコードと呼ぶこととし。そのメディアコードは従来のバーコードと違い関連する複数の情報を持たせてある。例えば、図20の犬の場合では、犬の映像・スペル・発音音声が同時に表示される情報とスペルのみ表示される情報と犬のシルエット画像の情報等複数の情報がそのメディアコードに関連する情報としてパーソナルコンピュータ(以下パソコンという)の記憶装置に収録してある。図20に示すように物(ここでは動物)の画像の横に対応するバーコードA,B,Cを記録した媒体を作成する。バーコードとして、図21に示すようなカメラ・?マークの絵に対応するバーコード情報を記録したものを作成する。このようなバーコードをファジーコードと呼ぶことにする。ファジーコードには、メディアコードが保有する情報中のどの情報を表示するかということを選択する切り替え機能を持たせている。ここで作成したバーコードをファジーコードDと呼ぶことにする。同じように図21に示されるようにファジーコードE,Fも作成する。図22は、色に関するコードを記録したファジーコードの一例を示す。それぞれファジーコードG,H,Iと呼ぶことにする。
【0079】
Dは赤色、Eは黄色、Fは青色というように色を選択できるバーコードである。バーコードAをバーコードリーダーにて読み込んだ場合にはその情報は接続されているパソコンに送られ、既にパソコン中の記憶装置に登録されている情報から対応するAの情報が取り出され、表示装置(以下画面と呼ぶ)には図27に示すような犬の映像とdogというスペルが表示されると同時に英語読みの音声がスピーカーから流れてくる。このようなバーコードを付与した図20,図21,図22等の図を適当な位置に配置したものを学習教材とする。パソコンに接続されたバーコードリーダーにて任意のメディアコードを読み込むとそのバーコード情報がパソコンに送られ、記憶装置に既に登録済みのバーコード情報と対比して適切なメディア情報が選択され、表示装置部へその情報が送られて例えば、図27に示すような情報が画面に表示され対応する英語読みの音声が流れてくる。
【0080】
ところで、ファジーコードDをバーコードリーダーにて読み込んだ後、引き続いてメディアコードAを読み込むとその二つのバーコード情報がパソコンで読み込み処理が行われ、図25に示すような画像だけが表示装置に表示され、これは何?「What’s this?」という質問の英語音声が流れてくる。もう一度メディアコードを読み込むと図28に示したような画像と英語綴りが表示され、同時に英語読みの音声が回答画面として流れてくる。ファジーコードはこのように同じメディアコードを読み込むが、表示装置に表示される内容を変える働きをソフトウエアにて実現可能にしている。ファジーコードEのバーコードを読み込み、引き続きメディアコードAを読み込んだ場合には、図26に示すようなシルエット画像だけが表示され、「What’s this?」という英語の質問音声が流れる。次に、メディアコードGを読み込むと図27に示した回答画面が表示され、音声も流れてくる。同様に、ファジーコードFに引き続きメディアコードAを読み込んだ場合には、図27に示すようにdogという英語の綴りだけが表示され、「What’s this?」という質問英語が流れてくる。その後メディアコードAを読み込むと図28に示すような回答映像が表示され、対応する音声も流れてくる。このように、図20のメディアコードを読み込む前に、ファジーコードD,E,Fのどれかを読み込むと、同じ質問を学習者に投げかけが、その時に画面に表示される内容を変化させることができる働きがある。このようにすることでより確実に学習できる教材とすることができる。図22に示すような、ファジーコードGを読み込んで、続けてメディアコードAを読み込んだ場合には、図29に示すようなDog(赤い犬− Red Dog)映像とスペルと音声が同時に画面上に表示される。色に関する英語も同時に学習できる教材とすることができる。
【0081】
語学の学習用には複数のネイティブスピーカーの発音や映像情報を各種バーコードを読み込むことで日本人の先生でも安心して使える語学学習システム及び学習教材を提供できる。従来にない、学習効果の高い教材及び学習システムを提供できる。
【0082】
(第12の実施の形態)
更に、複雑な使い方ができる事例を説明する。図23に示したバーコードJはチャレンジコードと呼ぶコードを付加した。このコードを読み込む前に図21のファジーコードD〜Fのどれかを読み込むと、ソフトウェアの働きによりランダムに画面表示が変わり、「What’s this?」という質問英語音声が流れてくる。その3秒後に自動的に図27の回答画面が表示され、同時にその英語読みの発音音声が流れてくる。チャレンジコードJを再度読み込むと図20のメディアコードA,B,Cのいずれかが、ランダムで「What’s this?」という質問英語音声が再び流れてくる。例えば、チャレンジコードJを読み込む前にメディアコードAを選ぶと、その3秒後に再び自動的に図28に示した回答画面と音声が流れてくる。この学習を10回通してチャレンジした後、11回目に同じバーコードを読み込むと、ご褒美としてマジック(手品)の映像が自動的に表示されるという学習意欲をそそるなどの効果が期待できる。
【0083】
ファジーコードとして、図24の映像表示用バーコードK(動画)と映像表示用バーコードL(静止画)を用意する。ファジーコードKのバーコードを読み込んでから、続いてメディアコードAを読み込むと犬の映像(動画)が画面に表示され、音声も流れる。ファジーコードLを読み込んでから、続いてメディアコードAを読み込むと犬の映像(静止画)が画面に表示され、音声も流れます。このように動物の動画が画面表示されることで学習者はより学ぶのが楽しくなると同時に学習を教える教師も図20,図21,図22から構成されたような教材を利用して色々な教え方が可能となる。
【0084】
図32のように、メディアコードとしてアルファベット26文字に対応した26個のバーコードを用意し、更にA〜Tまでは1〜20の数字が対応するようにし、A〜Jまでには更に赤色、黄色、青色、橙色、ピンク色、緑色、茶色、紫色、黒色、白色の十色を対応するようにバーコードを作る。別に、アルファベット表示、数字表示、色表示を切り換える役割を有するファジーコードを設ける。更に、動物を学習する英語の教材としては、犬、猫、馬、魚、象、虎、牛、蝶々、羊、鯨等適当な数のメディアコードを準備し、すでに説明したファジーコードも含めて、これらのバーコードを組み合わせたものを例えば、A3サイズの比較的丈夫なプラスチック製のシート上に印刷したものを作成し、一つの学習シートを構成することができる。
【0085】
更には、ネイティブスピーカーを複数者用意して、違った発音が聞けるようにしたり、歩くと走るを交互に画面表示できるようにしたり、簡単な英会話を学習する教材をバーコードを使って簡単に実現することができる。
このように、本発明のバーコードを単純な情報読み取り・表示手段として使用するだけではなく、情報を表示するメディアの切り換えや各種質問を設定することに用いるという新しい発想にて使用することで語学の学習教材及びそれ用の機械を提供することができる。また、簡単な教材を使用しながらも、色々な角度から学習できるシステムを提供できる。本発明で作成した教材の他の実例を図32,図33に示した。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明による学習教材および学習システムは、語学などの学校教育用学習教材や各種マニュアルなどの教材として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】 本発明による学習教材の一構成例を示す構成図
【図2】 本発明による他の学習教材の要部の一構成例を示す構成図
【図3】 本発明による学習システムの一構成例を示すブロック図
【図4】 図1の学習教材に付属されているアプリケーションソフトウェアの一構成例を示す構成図
【図5】 図2の学習教材に付属されているアプリケーションソフトウェアの一構成例を示す構成図
【図6】 本発明による学習システムの一構成例を示すシステム構成
【図7】 本発明による学習システムの一構成例を示す機能ブロック図
【図8】 本発明による学習教材の例と記載内容の説明図
【図9】 図8に示す学習教材を使用した場合のシステムの動作
【図10】 図8に示す学習教材を使用した場合のシステムの動作
【図11】 図8に示す学習教材を使用した場合のシステムの動作
【図12】 図8に示す学習教材を使用した場合のシステムの動作
【図13】 図8に示す学習教材を使用した場合のシステムの動作
【図14】 図8に示す学習教材を使用した場合のシステムの動作
【図15】 図8に示す学習教材を使用した場合のシステムの動作
【図16】 本発明による学習教材の例と記載内容の説明図
【図17】 図16に示す学習教材を使用した場合のシステムの動作
【図18】 図16に示す学習教材を使用した場合のシステムの動作
【図19】 本発明による学習教材の例と記載内容の説明図
【図20】 犬、猫、馬のメディアコードA,B,C
【図21】 ファジーコードD,E,F
【図22】 色用ファジーコードG,H,I
【図23】 チャレンジコードJ
【図24】 映像表示用バーコードK(動画)、映像表示用バーコードL(静止画)
【図25】 犬の映像(静止画)M
【図26】 犬のシルエット画N
【図27】 犬の英語スペル(dog)O
【図28】 犬の映像(静止画)、スペル及び英語発音音声同時表示画面P
【図29】 犬の赤色のシルエット画Q
【図30】 犬の黄色のシルエット画R
【図31】 犬の青色のシルエット画S
【図32】 本発明で作成された教材の一例
【図33】 本発明で作成された教材の別の例
【符号の説明】
【0088】
10 学習対象群
11 提示手段群
12 第1の学習対象識別情報
13 提示手段識別情報
20 再生方法群
30 読取装置
33 画像/映像表示装置
34 音声提示装置
35 コンピュータ装置
42、52 変数テーブル
44、54 照合テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の学習対象からなる学習対象群と、前記学習対象を学習者へ提示するための提示手段を設定する複数の提示手段設定情報からなる提示手段群とを組み合わせて、複数の教材を作成することができる学習教材であって、
前記学習対象群(第1の学習対象群)と、
前記学習対象群のうち特定の学習対象設定情報を情報処理装置に識別させるための学習対象識別情報(第1の学習対象識別情報)と、
前記提示手段群と、
前記提示手段群のうち特定の提示手段設定情報を情報処理装置に識別させるための提示手段識別情報と、が具備されていることを特徴とする学習教材。
【請求項2】
前記学習対象設定情報は、形態図と、前記形態図に対応する単語とを含むことを特徴とする請求項1に記載の学習教材。
【請求項3】
前記第1の学習対象識別情報が前記形態図のパターン識別情報であることを特徴とする請求項2に記載の学習教材。
【請求項4】
前記提示手段設定情報は、静止画で提示するためのイラストと、動画で提示するためのイラストと、クイズ形式で提示するためのイラストと、影絵で提示するためのイラストと、音声で提示するためのイラストと、文字で提示するためのイラストと、会話形式で提示するためのイラストとを含むことを特徴とする請求項1に記載の学習教材。
【請求項5】
前記第1の学習対象識別情報および前記提示手段識別情報が符号であることを特徴とする請求項1に記載の学習教材。
【請求項6】
前記符号がバーコードもしくは磁気コードであることを特徴とする請求項5に記載の学習教材。
【請求項7】
前記学習教材が紙媒体であり、前記学習対象設定情報と、前記提示手段設定情報と、前記第1の学習対象識別情報と、前記提示手段識別情報とが前記紙媒体に印刷されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の学習教材。
【請求項8】
請求項1ないし7に記載の学習教材に、
(1)前記学習対象群とは異なる学習対象を含む第2の学習対象群、および、前記第2の学習対象群のうち特定の学習対象設定情報を情報処理装置に識別させるための学習対象識別情報(第2の学習対象識別情報)。
(2)特定の学習対象群に含まれる学習対象を一括して表す代表学習対象群、および前記代表学習対象群のうち特定の代表学習対象設定情報を情報処理装置に識別させるための代表学習対象識別情報。
(3)識別された学習対象群に含まれる学習対象の再生方法を表す再生方法群、および前記再生方法群のうち特定の再生方法設定情報を情報処理装置に認識させるための再生方法識別情報。
(4)学習者への映像あるいは音声の設定を表す質問時音声ON/OFF設定群、および前記質問時音声ON/OFF設定群のうち特定の質問時音声ON/OFF設定情報を情報処理装置に認識させるための質問時音声ON/OFF設定識別情報。
のうち1つ以上を付加してなることを特徴とする学習教材。
【請求項9】
請求項1乃至8に記載の学習教材と、前記学習教材に具備されている第1の学習対象識別情報と提示手段識別情報とを読み取る機能を有する読取装置と、前記読取装置から出力された第1の読取情報に対応する学習対象設定情報および前記読取装置から出力された第2の読取情報に対応する提示手段設定情報を情報処理する機能を有する情報処理装置と、前記学習対象設定情報と前記提示手段設定情報とを組み合わせた教材情報がファイル形式で記憶されている記憶装置と、前記学習対象設定情報を提示する機能を有する提示装置とを備え、前記第1の読取情報および前記第2の読取情報を前記情報処理装置で情報処理して、前記記憶装置から読み出した前記第1の読取情報に対応する学習対象の教材情報を前記第2の読取情報に対応する提示手段で前記提示装置により提示することを特徴とする学習システム。
【請求項10】
前記情報処理装置は同一の前記識別情報を連続して識別した回数を計数する機能を有していることを特徴とする請求項9に記載の学習システム。
【請求項11】
前記読取装置はバーコードリーダー、前記情報処理装置はコンピュータ、前記記憶装置は前記コンピュータに内蔵されているハードディスク装置、前記提示装置は映像表示装置およびスピーカー装置、前記ファイル形式は前記コンピュータのオペレーティングシステムの階層的ファイルシステムであって、前記コンピュータは前記学習教材に付属したアプリケーションソフトウェアで作動し、前記回数を計数する機能が前記アプリケーションソフトウェアに具備されていることを特徴とする請求項9または10に記載の学習システム。
【請求項12】
請求項1ないし8に記載の学習教材、
各種識別情報の組み合わせ毎に決定される教材情報である映像、音声再生用ファイルが識別情報の組み合わせ別に記録されている記憶媒体、
前記学習教材に記載された各種の識別情報を情報処理装置に識別させる手段、
学習者用映像表示装置、
音声発生装置、ならびに、
識別情報の組み合わせをもとに前記再生用ファイルを抽出し学習者用映像表示装置に再生させる情報処理装置、
とにより構成されることを特徴とする学習システム。
【請求項13】
請求項1ないし5または8に記載の学習教材を映像として表示する操作者用の映像表示装置と、
前記学習教材上の識別情報を選択させ情報処理装置に識別させる手段と、
各種識別情報の組み合わせ毎に決定される教材情報である映像、音声再生用ファイルが識別情報の組み合わせ別に記録されている記憶媒体、
学習者用映像表示装置、
音声発生装置、ならびに、
識別情報の組み合わせをもとに前記再生用ファイルを抽出し学習者用映像表示装置に再生させる情報処理装置、
とにより構成されることを特徴とする学習システム。
【請求項14】
請求項9ないし13の学習システムを動作させるためのソフトウェアであって、
(i) 前記学習教材から読み取られた各種識別情報に対して、読み取られた識別情報の内容を情報処理装置内のメモリを参照して判別するステップ、
(ii) 同一識別情報を連続して読み取った回数を記憶するステップ、
(iii) 情報処理装置内のメモリに変数テーブルを作成し、設定情報を変数テーブルに変数として反映するステップ、
(iv) 変数テーブルの値が再生ファイルを決定するために十分かを判断するステップ、並びに
(v) 変数テーブル値の組み合わせに対応する再生ファイルを記憶媒体から読み出し、映像表示装置と音声発生装置とから映像および音声として出力するステップ、
とを情報処理装置に実行させる命令を含むソフトウェア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2008−268955(P2008−268955A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−107289(P2008−107289)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(506018927)有限会社BRUCE INTERFACE (1)
【Fターム(参考)】