説明

安全スイッチ制御機構を備える電子装置

【課題】利便性があり、人間工学的に優れた安全スイッチ制御機構を備えた電子装置を提供すること。
【解決手段】本発明に係る電子装置は、収容孔が設けられたフロントボードと、前記フロントボードの上端に被せるトップボードと、前記フロントボードに装着される安全スイッチ制御機構と、を備える。前記安全スイッチ制御機構は、前記フロントボードに固定される取付部、前記取付部の内部に収納されるスイッチ、前記スイッチの頂部に当接される押圧部材及び回転制御アセンブリを備える。前記トップボードが前記フロントボードに被せられた後、前記トップボードは前記押圧部材を押圧して、前記押圧部材を前記スイッチの頂部に弾性的に当接させ、前記スイッチを導通させ、前記トップボードが前記フロントボードから取り外された後、前記押圧部材は、上向きに弾性復帰して、前記スイッチへの押圧力を取り除いて前記スイッチを切る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置に関し、特に安全スイッチ制御機構を備えた電子装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
使用者の安全を保護するために、従来のサーバーは、そのサイドカバー或いはトップカバーが使用者により開けられると、自動的に電源が切れるようになっている。
【0003】
しかし、専門の技術者にとって、メンテナンスの際に、電源を切らずとも作業できることもあり、この場合電源を切る必要がない。キャビネットを開けると、サーバーの電源が切れるという制御方式は、かえって技術者の作業効率を下げると同時に使用者の操作にも影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上の問題点に鑑みて、本発明は、安全スイッチ制御機構を備えた利便性を有する電子装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明に係る電子装置は、収容孔が設けられたフロントボードと、前記フロントボードの上端に被せるトップボードと、前記フロントボードに装着される安全スイッチ制御機構と、を備える。前記安全スイッチ制御機構は、前記フロントボードに固定される取付部、前記取付部の内部に収納されるスイッチ、前記スイッチの頂部に当接される押圧部材及び回転制御アセンブリを備える。前記トップボードが前記フロントボードに被せられた後、前記トップボードは前記押圧部材を押圧して、前記押圧部材を前記スイッチの頂部に弾性的に当接させ、前記スイッチを導通させ、前記トップボードが前記フロントボードから取り外された後、前記押圧部材は、上向きに弾性復帰して、前記スイッチへの押圧力を取り除いて前記スイッチを切り、前記回転制御アセンブリは、前記取付部内に回転可能に固定される内部回しボタンを備え、前記内部回しボタンの一端は前記フロントボードの前記収容孔に対応して設けられ、前記内部回しボタンには当接柱が設けられ、前記内部回しボタンは第一位置から第一角度まで回転して第二位置まで到達する際に、前記当接柱は、前記スイッチを押圧して前記スイッチを導通状態に維持させる。
【発明の効果】
【0006】
従来の技術と比較して、本発明の安全スイッチ制御機構を備えた電子装置のキャビネットのトップボードがフロントボードに被せられた後、前記トップボードは前記安全スイッチ制御機構の押圧部材を押圧して、前記スイッチを導通させる。従って、非専門の技術者が前記トップボードを開けると、前記電子装置の電気回路は自動的に電源を切る。また、前記安全スイッチ制御機構の回転制御アセンブリの内部回しボタンが第二位置に回転すると、前記押圧部材は前記スイッチに当接されて前記スイッチを導通させる。従って、修理者は前記トップボードを開けたいが、しかし前記電子装置が自動的に電源を切らないようにしたい場合に、前記トップボードを開ける前に前記内部回しボタンを前記第二位置に回転すればよい。これにより、前記トップボードが開けられても、前記スイッチはそのまま導通状態を維持する。即ち、本発明の電子装置の安全スイッチ制御機構は、使用者の実際の必要に応じてスイッチの制御方式を選択できるので、従来の電子装置より利便性があり、人間工学的に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態に係る電子装置の斜視図である。
【図2】図1に示した本発明の実施形態に係る電子装置の分解図である。
【図3】図2に示した本発明の実施形態に係る電子装置を別の視点から見た分解図である。
【図4】図2に示した本発明の実施形態に係る電子装置のスイッチ制御装置の分解図である。
【図5】図4に示した本発明の実施形態に係るスイッチ制御装置の別の視点から見た分解図である。
【図6】図4に示した本発明の実施形態に係るスイッチ制御装置の外部回しボタン及び弾性当接部材の平面図である。
【図7】図1に示した本発明の実施形態に係る電子装置のスイッチ制御装置の初期状態における斜視図である。
【図8】図7に示した本発明の実施形態に係る電子装置のスイッチ制御装置の初期状態において、その内部回しボタン及び弾性当接部材の相対位置関係を示す図である。
【図9】図7に示した本発明の実施形態に係る電子装置のスイッチ制御装置の回転する過程を示す図である。
【図10】図9に示した本発明の実施形態に係る電子装置のスイッチ制御装置が回転する過程において、その内部回しボタン及び弾性当接部材の相対位置関係を示す図である。
【図11】図9に示した本発明の実施形態に係る電子装置のスイッチ制御装置が別の状態まで回転した際の図である。
【図12】図11に示した本発明の実施形態に係る電子装置のトップボードが開けられた後、そのスイッチ制御装置の外部回しボタンの位置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に示したように、本発明の実施形態に係る電子装置100は、キャビネット10と、前記キャビネット10に設けられた安全スイッチ制御機構20と、前記安全スイッチ制御機構20に挿し込むための鍵90と、を備える。前記キャビネット10は、フロントボード12及び前記フロントボード12の上端に直交して連接されるトップボード14を備える。
【0009】
図2及び図3に示したように、前記フロントボード12において、その上端に近い箇所には、円形の収容孔122が設けられ、前記収容孔122の上方には、それに連通する矩形の係止用開口124が設けられている。前記収容孔122及び前記係止用開口124は、前記フロントボード12を貫通する。前記フロントボード12における前記収容孔122の周囲には、4つの固定孔128が設けられている。前記フロントボード12の内面における前記収容孔122の隣には、1つの位置決め凹溝126が前記係止用開口124と離間して設けられている。前記位置決め凹溝126は、プレス加工により前記フロントボード12を貫通せずに形成されるので、前記フロントボード12の外面における前記位置決め凹溝126に対応する位置には、突起127が形成されている。前記フロントボード12の上端から直交して後方に延在する壁の内縁には、前記フロントボード12に平行となるように下方に延在する一つの折り曲げボード13が設置されている。
【0010】
前記安全スイッチ制御機構20は、前記フロントボード12の収容孔122に対応して装着される。前記安全スイッチ制御機構20は、第一フレーム21、第二フレーム22、前記第一フレーム21と前記第二フレーム22との間に設けられた回転制御アセンブリ30、スイッチ23、弾性部材24及び押圧部材25を備える。前記第一フレーム21及び前記第二フレーム22が互いに係合することによって、取付フレーム(図示せず)が形成され、前記回転制御アセンブリ30、前記スイッチ23、前記弾性部材24及び前記押圧部材25は、前記取付フレーム内に固定される。
【0011】
図4及び図5に示したように、前記第一フレーム21は、長方形のフロントカバー211、前記フロントカバー211の左右両側から前記フロントカバー211に直交するように延在してなる2つの側壁212及び前記フロントカバー211の底辺から前記フロントカバー211に直交するように延在してなる底板213を備える。前記フロントカバー211には、貫通孔214が設けられている。2つの前記側壁212は、それぞれ略矩形の板片であり、且つ1つの側壁212の上辺の中央部には、切欠き260が形成されている。前記底板213は、矩形の板片である。前記底板213の上方には、固定部215が設けられる。前記固定部215は、前記底板213の側辺から外に向かって僅かに突出する略「L」字状の連接板216と、前記連接板216の上辺から前記フロントカバー211に向かって延在する固定板217と、からなる。前記連接板216には、固定孔218が設けられる。前記固定板217は、前記底板213と離間して平行であり、且つ前記固定板217には、収容開口219が設けられている。前記底板213の前記収容開口219に対応する箇所には、矩形開口210が設けられている。
【0012】
前記スイッチ23は、前記固定部215内に装着され、且つその底面には、2つの導電ピン232が設けられている。前記スイッチ23を前記固定部215内に収納した後、前記スイッチ23の頂部は、前記固定板217の収容開口219から突出し、2つの前記導電ピン232は、前記底板213の矩形開口210から突出する。2つの前記導電ピン232は、電子装置のシステムの電気回路に電気的に接続される。前記スイッチ23の頂部を押圧すると、前記スイッチ23の頂部は、下方へ弾性変位され、前記スイッチ23の導通を達成させる。これにより、前記電子装置100の電気回路が導通される。逆に前記スイッチ23に対する押圧力を取り除くと、前記スイッチ23の頂部は上へ弾性復帰して前記スイッチ23を切り、前記電子装置100の電気回路を遮断する。
【0013】
前記弾性部材24は、略「L」字状を呈し、且つ弾性力に優れた材料からなる。本発明の実施形態において、前記弾性部材24は、金属材料からなり、掛止部242及びこの掛止部242に直交するように連接される弾性片244を備える。前記掛止部242は、薄い板片であり、その上端が外側へ湾曲されてフック246を形成する。前記フック246は、前記第一フレーム21の側壁212の切欠き260に対応して設置される。前記弾性片244は、前記掛止部242の底部から前記フック246の反対側に向かって延在する細長い板片である。また、前記弾性部材24は、上記した形状及び構造に限定されるものではなく、板バネ等であることも可能である。
【0014】
前記第二フレーム22は、矩形のバックカバー221と、前記バックカバー221の左右両側から前記バックカバー221に直交するように延在してなる2つの側壁222と、前記バックカバー221の上辺から前記バックカバー221に直交するように前方に向けて延在してなる天井板223と、前記天井板223の末端から前記天井板223に直交するように上に向って延在してなる固定板224と、を備える。前記バックカバー221には、貫通孔229及び前記貫通孔229よりその直径が小さい位置決め孔228が設けられている。各側壁222の末端には、ロック孔226を有するロック板片225が各側壁222に直交するように連接されている。前記天井板223の一端には、矩形の貫通開口227が設けられており、前記貫通開口227の長手方向は、前記天井板223の長手方向と一致する。前記天井板223の中央部に近い箇所には、貫通孔220が設けられている。前記固定板224の厚さは、前記フロントボード12と前記折り曲げボード13との間の間隙の幅より薄く、且つ前記固定板224の左右両側には、それぞれ1つの取付孔270が設けられている。
【0015】
前記押圧部材25の主体部は円柱体であり、且つ前記押圧部材25の主体部の直径は前記第二フレーム22の天井板223の貫通孔220の直径にほぼ等しい。前記押圧部材25の主体部の底端には、サイズが前記貫通孔220のサイズより大きいフランジ250が形成されており、前記押圧部材25がその上端から前記貫通孔220内に挿入されると、前記フランジ250は前記天井板223の前記貫通孔220の周囲に当接して係止される。
【0016】
前記第二フレーム22を前記第一フレーム21に固定する場合、1つのネジ26を前記第二フレーム22のバックカバー221に設けられた位置決め孔228に貫通させてから、前記第一フレーム21の固定部215の固定孔218に螺合させる。前記第二フレーム22のサイズは、前記第一フレーム21のサイズにほぼ一致し、前記天井板223は前記フロントカバー211に向かって延在し、前記底板213は前記バックカバー221に向かって延在し、前記フロントカバー211及び前記バックカバー221は、互いに向かい合って内部に空間を有して一体に組み立てられる。以上により、前記回転制御アセンブリ30を収納するための取付フレームが形成される。また、前記押圧部材25のフランジ250は前記弾性部材24の弾性片244に当接される。
【0017】
前記回転制御アセンブリ30は、内部回しボタン40と、外部回しボタン50と、前記内部回しボタン40と前記外部回しボタン50との間に設けられる弾性当接部材60と、トーションバネ70と、を備える。前記内部回しボタン40は、円板42と、前記円板42の片面の中央部から前記円板42に直交するように延在してなる縦に長い位置決め柱44と、前記位置決め柱44の周囲で前記位置決め柱44に平行となるように前記円板42の片面から延在する複数の固定柱46及び複数の突片47と、前記位置決め柱44とともに前記円板42の同一表面に設置され且つ前記円板42の径方向に沿って延在する当接柱48と、を備える。前記トーションバネ70は、コイル状部72及び前記コイル状部72の対向する両側からそれぞれ突出するアーム部74、76を備え、前記アーム部74の末端及び前記アーム部76の末端には、それぞれフックが形成されている。
【0018】
前記円板42の前記位置決め柱44の反対側の表面の中央部には、略十字状の鍵穴424を有する突出部422が設けられる。また前記突出部422の隣には、突起428が設けられる。前記円板42の円周方向に沿った側壁には、さらに2つの係止用凹所426が設けられる。2つの前記係止用凹所426は、前記円板42の円心を中心として対称に設けられる。各係止用凹所426の一方側の側壁には、スロープ427が形成される。
【0019】
複数の前記固定柱46の末端には、フック462がそれぞれ設けられている。複数の前記突片47と複数の前記固定柱46とは、前記位置決め柱44の長さより短く且つ前記位置決め柱44を囲むように対称に設けられる。また、1つの前記突片47には、細長い貫通開口472(図8を参照)が設けられる。前記トーションバネ70のアーム部74のフックは、この貫通開口472に係止される。前記当接柱48は、矩形柱であり、且つ前記円板42の周縁から突出する。
【0020】
図5及び図6に示したように、前記外部回しボタン50は、円筒状の本体部52及び前記本体部52の外周面から突出する防止柱54を備える。前記本体部52の内部の軸方向に沿う中央部には、所定の厚さを持つ環状部521(図4を参照)が設けられ、前記環状部521の中央部には、貫通孔522が設けられている。前記外部回しボタン50の前記環状部521の前端には、中空部523が形成されている。前記本体部52の前記中空部523に対応する一部の周壁には、切欠き55(図4を参照)が設けられている。前記外部回しボタン50の前記環状部521の後端には、係合部524が設けられる。前記係合部524は、中空部525と、前記中空部525の両側に対称に設けられ且つ前記中空部525と互いに連通する2つの弧状部526と、を備える。前記係合部524の中空部525の直径は、前記中空部523の直径より小さい。前記環状部521の2つの前記弧状部526に対応する箇所には、それぞれ1つの略弧状の連通孔527が設けられる。各連通孔527のサイズは、前記弧状部526のサイズより小さい。2つの前記連通孔527は、前記環状部521を貫通し、前記中空部523及び前記係合部524にそれぞれ連通する。前記本体部52には、さらに前記トーションバネ70のアーム部76を固定するための係合孔529が設けられる。前記本体部52の外表面における前記内部回しボタン40に対面する末端には、環状の段差部53(図4を参照)が窪んで形成される。
【0021】
前記弾性当接部材60は、主体部62と、前記主体部62の対向する両側の側壁から前記主体部62に直交するように延在する2つの係止アーム64と、前記主体部62の底面で斜めにそれぞれ延在する2つの当接片66(図5を参照)と、を備える。前記主体部62の形状は、前記外部回しボタン50の係合部524の形状に一致し、前記主体部62の中央部には、前記主体部62を貫通する中心孔68が設けられる。2つの前記係止アーム64は、それぞれ前記外部回しボタン50の連通孔527を貫通し且つその末端が前記内部回しボタン40の円板42の係止用凹所426内に係止される。また、各係止アーム64の末端には、前記係止用凹所426のスロープ427に組み合わせるための斜面642が形成される。2つの前記当接片66は、略弧状を呈し、互いに向き合うように反時計回りの方向に前記主体部62の底面から斜め上へと延在し且つプレス加工により前記主体部62と一体成形される。
【0022】
前記回転制御アセンブリ30を組み立てる場合、前記弾性当接部材60の2つの係止アーム64をそれぞれ前記外部回しボタン50の2つの連通孔527に貫通させて、前記主体部62を前記外部回しボタン50の係合部524内に収容する。このとき、前記弾性当接部材60の主体部62及び係止アーム64のサイズは、それぞれ前記外部回しボタン50の係合部524及び連通孔527のサイズと一致するので、前記弾性当接部材60全体は、円周方向に沿って前記外部回しボタン50に対して回転することができないが、前記外部回しボタン50の軸方向に沿って移動することはできる。次に、前記位置決め柱44を囲むように前記トーションバネ70を設置した後、前記内部回しボタン40を前記外部回しボタン50の中空部523内に収容し、前記アーム部76を前記外部回しボタン50の係合孔529に係止させ、次いで前記アーム部74を前記内部回しボタン40の突片47の貫通開口472内に係止させる。その際、前記位置決め柱44を前記外部回しボタン50の貫通孔522及び前記弾性当接部材60の中心孔68に貫通させて、前記弾性当接部材60の主体部62から延出させ、前記当接柱48を前記外部回しボタン50の切欠き55を介して外側へ突出させる。前記内部回しボタン40が前記外部回しボタン50に対して回転する際、前記切欠き55は前記当接柱48に移動空間をもたらす。また、前記弾性当接部材60の2つの係止アーム64の末端は、前記円板42の2つの係止用凹所426にそれぞれ係合し且つ各係止アーム64の斜面642は、各係止用凹所426のスロープ427と互いに当接する。複数の前記固定柱46が前記環状部521の貫通孔522を貫通し、前記フック462は前記環状部521の端面に止められる。これにより、前記内部回しボタン40と前記外部回しボタン50とが一体に弾性的に連接される。
【0023】
その後、前記回転制御アセンブリ30を前記第一フレーム21と前記第二フレーム22との間に装着する。具体的には、前記回転制御アセンブリ30を組み立てた後に、互いに既に連接された前記円板42及び前記外部回しボタン50の末端を、前記第一フレーム21の貫通孔214内に収容する。この時、前記段差部53は、前記第一フレーム21における前記貫通孔214の周囲の内表面に係合し、前記内部回しボタン40の位置決め柱44の末端は、前記第二フレーム22の貫通孔229を貫通する。前記弾性当接部材60の2つの当接片66は弾性材料からなり、且つそれぞれ前記第二フレーム22のバックカバー221の内表面に当接されるので、2つの前記当接片66は前記内部回しボタン40に対して前記第一フレーム21に向ける弾性力を加える(即ち、前記弾性当接部材60は前記内部回しボタン40を前記第一フレーム21に向かって推進している)。前記押圧部材25のフランジ250は、前記弾性部材24の弾性片244に当止され、前記押圧部材25の前記フランジ250の反対側の上端は、前記第二フレーム22の貫通孔220から突出する。
【0024】
前記安全スイッチ制御機構20を前記キャビネット10に装着する際には、先ず前記キャビネット10のフロントボード12と折り曲げボード13との間隙に、前記第二フレーム22の固定板224を下から上に向かって挿入する。次に前記固定板224の取付孔270を前記フロントボード12の固定孔128に対して、前記ロック板片225のロック孔226を前記フロントボード12の他の固定孔128に対してそれぞれ位置合わせした後、複数のネジを用いて前記安全スイッチ制御機構20を前記フロントボード12に取り付ける。このとき、前記安全スイッチ制御機構20の内部回しボタン40の突出部422は、前記フロントボード12の収容孔122内に装着され、前記内部回しボタン40の突起428は、前記フロントボード12の位置決め凹溝126に係合する。これにより前記内部回しボタン40の鍵穴424が外部に露出し、鍵90と組み合わせて使用する。
【0025】
図7に示したように、前記トップボード14を前記フロントボード12の上方に被せると、前記トップボード14は、前記押圧部材25に押圧力を加え、この押圧力を受けた前記押圧部材25は、さらに前記弾性部材24の弾性片244を押圧することによって、前記スイッチ23の頂部を下方へ押圧して前記スイッチ23を導通させる。前記回転制御アセンブリ30が初期状態の際に回転しなかった場合、専門外の技術者が前記トップボード14を開けると、前記押圧部材25に加えられた押圧力が取り除かれ、前記弾性部材24の弾性片244は上へ弾性復帰して前記スイッチ23から離脱し、さらに前記スイッチ23の頂部も上へと弾性復帰して電気回路を遮断する。即ち、専門外の技術者が前記トップボード14を開けると、前記電子装置100の電気回路は自動的に遮断される。
【0026】
修理者が前記トップボード14を開けたいが、前記電子装置100の電源が自動的に切れないようにしたい場合は、前記鍵90で前記回転制御アセンブリ30を回転させ、前記回転制御アセンブリ30により前記スイッチ23を導通状態にコントロールする。以下、具体的な作業方法及び前記回転制御アセンブリ30の動作過程について詳細に説明する。
【0027】
図7乃至図9に示したように、修理者は、前記トップボード14を開ける前に、先ず前記鍵90を前記安全スイッチ制御機構20の内部回しボタン40の鍵穴424内に挿入して反時計回りに前記鍵90を回転させる。この時、前記内部回しボタン40も連動して回転する。さらに前記弾性当接部材60の係止アーム64の末端も前記内部回しボタン40の係止用凹所426内に係止されているため、前記弾性当接部材60も共に回転する。それに対応して、前記外部回しボタン50も前記弾性当接部材60に従って回転する。前記回転制御アセンブリ30が一定の角度(約45°)まで回転すると、前記外部回しボタン50の防止柱54は、前記トップボード14の内面に当接されて、前記外部回しボタン50の更なる回転を阻止する。それに対応して、前記弾性当接部材60の更なる回転も制限される。
【0028】
図10及び図11に示したように、前記内部回しボタン40をさらに回転させると、前記弾性当接部材60は前記外部回しボタン50に規制されて、引き続き回転していくことができないため、前記内部回しボタン40は前記弾性当接部材60に対して回転する。従って、前記係止アーム64は、前記内部回しボタン40の係止用凹所426のスロープ427を登って前記円板42の内面に到達する。これと同時に、前記弾性当接部材60は、前記内部回しボタン40により押し退けられて前記第二フレーム22に向かって移動し、前記弾性当接部材60の前記バックカバー221の内表面に当接される2つの当接片66は、さらに圧縮される。このとき、前記トーションバネ70も圧縮される。
【0029】
前記内部回しボタン40を最終位置(開始位置に対して約90°回転させる)まで回転させた時、前記当接柱48は前記弾性部材24の弾性片244に当接され、前記突起428は前記位置決め凹溝126から退出して前記フロントボード12の係止用開口124に係合する。前記弾性当接部材60が前記内部回しボタン40を外向きに押し退けているため、前記突起428は、前記係止用開口124に絶えず係合して、前記内部回しボタン40の前記フロントボード12に対する回転を防止する。さらに、前記当接柱48の前記弾性部材24に対する押圧状態が保持され、前記弾性部材24は、前記スイッチ23を押圧して前記スイッチ23を絶えず導通状態にさせる。
【0030】
図12に示したように、前記内部回しボタン40が上記した最終位置まで回転した後、前記トップボード14が開けられると、前記トップボード14が前記押圧部材25に加えた押圧力は取り除かれる。前記内部回しボタン40の当接柱48は変わらず前記弾性部材24の弾性片244に当接されて、前記弾性片244の上向きの弾性復帰を防止するため、前記スイッチ23は導通状態を維持することができる。
【0031】
また、前記トップボード14が開けられた後、前記トップボード14の前記外部回しボタン50に対する制限は解除される。前記トーションバネ70の弾性力によって、前記外部回しボタン50は前記弾性当接部材60を誘導して反時計回りに回転する。前記弾性当接部材60の係止アーム64の末端が前記内部回しボタン40の係止用凹所426と位置合わせされる際に、前記当接片66の弾性力によって前記弾性当接部材60は軸方向に沿って前記内部回しボタン40に向かって移動し、前記係止アーム64の末端は前記係止用凹所426内に完全に収容される。このとき、前記外部回しボタン50の防止柱54は、前記第二フレーム22の貫通開口227から突出する。且つ、前記防止柱54の頂部は、前記キャビネット10の頂面から突出しているので、前記トップボード14を前記フロントボード12に被せることができない。使用者が鍵で時計回りの方向に沿って前記回転制御アセンブリ30を開始位置まで回転した時に、前記防止柱54は前記第二フレーム22内に収容され、前記トップボード14を前記フロントボード12に被せることができる。これにより、使用者が前記回転制御アセンブリ30を最終位置に回転させた後、前記回転制御アセンブリ30をリセットせずに前記トップボード14を被せてしまった結果、専門外の技術者が前記トップボード14を開けて、前記電子装置100の電源を自動的に切ることができず、人的被害が起きるという可能性を効果的に防止できる。
【0032】
本発明の実施形態によると、前記回転制御アセンブリ30が開始位置に回転された後、前記内部回しボタン40の突起428が、前記フロントボード12の位置決め凹溝126に係合して、前記回転制御アセンブリ30は最終位置まで簡単に回転する。これにより、前記スイッチ23が誤操作によって絶えず導通状態にあるために発生する人身事故を防止できる。使用者は、実際の必要に応じて前記電子装置100のトップボード14を開ける際に、システムの電源を切るかどうかを選択できる。よって、本発明の電子装置100の安全スイッチ制御機構は、人間工学的に優れている。
【0033】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形又は修正が可能であり、該変形又は修正も又、本発明の特許請求の範囲内に含まれるものであることは、いうまでもない。
【符号の説明】
【0034】
10 キャビネット
12 フロントボード
13 折り曲げボード
14 トップボード
20 安全スイッチ制御機構
21 第一フレーム
22 第二フレーム
23 スイッチ
24 弾性部材
25 押圧部材
26 ネジ
30 回転制御アセンブリ
40 内部回しボタン
42 円板
44 位置決め柱
48 当接柱
50 外部回しボタン
52 本体部
53 段差部
54 防止柱
55 切欠き
60 弾性当接部材
62 主体部
64 係止アーム
66 当接片
68 中心孔
70 トーションバネ
72 コイル状部
74 アーム部
76 アーム部
90 鍵
100 電子装置
122 収容孔
124 係止用開口
126 位置決め凹溝
127 突起
128 固定孔
211 フロントカバー
212 側壁
213 底板
214 貫通孔
215 固定部
216 連接板
217 固定板
218 固定孔
219 収容開口
220 貫通孔
221 バックカバー
222 側壁
223 天井板
224 固定板
225 ロック板片
226 ロック孔
227 貫通開口
228 位置決め孔
229 貫通孔
232 導電ピン
242 掛止部
244 弾性片
246 フック
250 フランジ
260 切欠き
270 取付孔
422 突出部
424 鍵穴
426 係止用凹所
427 スロープ
428 突起
462 フック
472 貫通開口
521 環状部
522 貫通孔
523 中空部
524 係合部
525 中空部
526 弧状部
527 連通孔
529 係合孔
642 斜面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容孔が設けられたフロントボードと、前記フロントボードの上端に被せるトップボードと、前記フロントボードに装着される安全スイッチ制御機構と、を備え、
前記安全スイッチ制御機構は、前記フロントボードに固定される取付部、前記取付部の内部に収納されるスイッチ、前記スイッチの頂部に当接される押圧部材及び回転制御アセンブリを備え、
前記トップボードが前記フロントボードに被せられた後、前記トップボードは前記押圧部材を押圧して、前記押圧部材を前記スイッチの頂部に弾性的に当接させ、前記スイッチを導通させ、前記トップボードが前記フロントボードから取り外された後、前記押圧部材は、上向きに弾性復帰して、前記スイッチへの押圧力を取り除いて前記スイッチを切り、
前記回転制御アセンブリは、前記取付部内に回転可能に固定される内部回しボタンを備え、前記内部回しボタンの一端は前記フロントボードの前記収容孔に対応して設けられ、前記内部回しボタンには当接柱が設けられ、前記内部回しボタンは第一位置から第一角度まで回転して第二位置まで到達する際に、前記当接柱は、前記スイッチを押圧して前記スイッチを導通状態に維持させることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記回転制御アセンブリは、弾性当接部材をさらに備え、前記弾性当接部材の両端は、それぞれ前記内部回しボタンと前記取付部の内面とに当接され、前記弾性当接部材は、前記内部回しボタンに前記フロントボードに向かう弾性力を加えることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記内部回しボタンの一端には、突起が設けられ、前記フロントボードには、互いに離間する位置決め凹溝及び係止用開口が設けられ、
前記内部回しボタンが前記第一位置から前記第二位置まで回転すると、前記内部回しボタンの前記突起は、前記フロントボードの前記位置決め凹溝から退出して前記係止用開口に係合することを特徴とする請求項1または2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記回転制御アセンブリは、外部回しボタンをさらに備え、前記内部回しボタンは、前記外部回しボタンの一端に収容され、前記弾性当接部材は、前記外部回しボタンの他端に収容され且つ前記外部回しボタンを貫通して前記内部回しボタンに当接されることを特徴とする請求項2に記載の電子装置。
【請求項5】
前記外部回しボタンの外周面には防止柱が突設され、前記内部回しボタンの弾性片が前記スイッチを押圧し且つ前記トップボードが前記フロントボードから分離された後、前記外部回しボタンの前記防止柱は、前記フロントボードの上面から突出して、前記トップボードが前記フロントボードに被せられることを防止することを特徴とする請求項4に記載の電子装置。
【請求項6】
前記外部回しボタンの一端には、前記弾性当接部材を収納するための係合部が設けられ、前記外部回しボタンの他端には、前記内部回しボタンを収納するための中空部が設けられ、前記外部回しボタンの前記他端における前記中空部には切欠きが設けられ、前記内部回しボタンの当接柱は前記切欠きを通じて外側へ突出し、前記内部回しボタンが前記外部回しボタンに対して回転する際に、前記切欠きは前記当接柱に移動空間をもたらすことを特徴とする請求項5に記載の電子装置。
【請求項7】
前記外部回しボタンは、円筒状を呈し且つその内部の軸方向には所定の厚さを持つ環状部が設けられ、前記係合部及び前記中空部はそれぞれ前記環状部の対向する両端に位置し、
前記環状部の両側には、連通孔がそれぞれ設けられ、前記弾性当接部材は、主体部及び前記主体部の側壁から垂直に延伸する2つの係止アームを備え、2つの前記係止アームは、前記外部回しボタンの連通孔を貫通して前記内部回しボタンに当接されることを特徴とする請求項6に記載の電子装置。
【請求項8】
前記内部回しボタンには、前記弾性当接部材の2つの前記係止アームと組み合わせる2つの係止用凹所が設けられ、前記係止アームの末端は前記係止用凹所内に収容されるので、前記内部回しボタンが回転する際に、前記弾性当接部材も連動して回転し、さらに前記外部回しボタンを誘導して回転させることを特徴とする請求項7に記載の電子装置。
【請求項9】
前記回転制御アセンブリは、2つのアーム部を有するトーションバネをさらに備え、一方の前記アーム部が前記内部回しボタンに係止され、他方の前記アーム部が前記外部回しボタンに係止され、前記弾性当接部材及び前記外部回しボタンが前記内部回しボタンに誘導されて前記第一位置から前記第一角度より小さい角度である第二角度を回転した後、前記外部回しボタンの前記防止柱は、前記トップボードの内面に当接されて前記外部回しボタン及び前記弾性当接部材の更なる回転を阻止し、
前記内部回しボタンがさらに第二位置まで回転すると、前記内部回しボタンは前記弾性当接部材に対して回転し、前記弾性当接部材の係止アームは前記内部回しボタンの前記係止用凹所から退出し、前記トーションバネが圧縮され、
前記内部回しボタンが前記第二位置まで回転した後に前記トップボードを開けると、前記外部回しボタンは前記トーションバネの弾性力によって反時計回りに回転し、前記外部回しボタンの前記防止柱は、前記フロントボードの上面から突出することを特徴とする請求項8に記載の電子装置。
【請求項10】
前記内部回しボタンの各前記係止用凹所の一方側の側壁にはスロープが形成され、前記弾性当接部材の前記係止アームの末端には斜面が設けられ、前記係止アームの斜面は前記係止用凹所のスロープと互いに当接し、
前記内部回しボタンが前記弾性当接部材に対して回転すると、前記係止アームの斜面が前記係止用凹所のスロープを登ることによって、前記係止アームは前記係止用凹所から退出することを特徴とする請求項8または9に記載の電子装置。
【請求項11】
前記弾性当接部材の前記主体部の底面には、前記主体部から斜めに延伸する2つの当接片が設けられ、2つの前記当接片は前記取付部の内面に弾性的に当接されることによって、前記弾性当接部材は、前記内部回しボタンに弾性力を加えることを特徴とする請求項7から10のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項12】
前記外部回しボタンの前記環状部の中央部は貫通孔であり、前記内部回しボタンは、円板と、前記円板の片面の中央部から垂直に延伸してなる位置決め柱と、前記位置決め柱に平行に延伸する複数の固定柱と、を備え、
前記弾性当接部材の中央部には中心孔が設けられ、前記位置決め柱は、前記外部回しボタンの貫通孔及び前記弾性当接部材の中心孔を順次に貫通し、
各固定柱の末端にはフックが設けられ、複数の前記固定柱が前記環状部の中央部を貫通した後、前記フックは前記環状部の端面に止められることを特徴とする請求項7から11のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項13】
前記取付部は、貫通孔がそれぞれ設けられた第一フレーム及び第二フレームを備え、前記内部回しボタンの前記円板は、前記第一フレームの前記貫通孔を貫通して前記フロントボードの収容孔に収納され、前記内部回しボタンの前記位置決め柱の末端は、前記第二フレームの前記貫通孔に係合することを特徴とする請求項12に記載の電子装置。
【請求項14】
前記安全スイッチ制御機構は、前記押圧部材と前記スイッチとの間に設けられる弾性部材をさらに備え、前記押圧部材が前記トップボードに押圧されると、前記押圧部材は前記弾性部材を押圧して前記弾性部材を弾性変形させ、前記弾性部材を介して前記スイッチを押圧して導通させることを特徴とする請求項13に記載の電子装置。
【請求項15】
前記弾性部材は、前記第一フレームに装着される掛止部と、前記スイッチの上方に位置する弾性片と、を備え、前記押圧部材は前記弾性部材を押圧すると、前記弾性片は下方へ弾性変形され、前記スイッチの頂部を押圧し、前記押圧部材に加えられた外力が取り除かれると、前記弾性片は弾性復帰し、前記スイッチは電源を切ることを特徴とする請求項14に記載の電子装置。
【請求項16】
前記電子装置は、鍵をさらに備え、前記内部回しボタンの前記フロントボードに向く表面の中央部には、突出部が設けられ、前記突出部は、前記フロントボードの収容孔内に嵌められ、前記突出部に前記鍵と組み合わせて使用する鍵穴が設けられることを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−138355(P2012−138355A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−271266(P2011−271266)
【出願日】平成23年12月12日(2011.12.12)
【出願人】(503023069)鴻富錦精密工業(深▲セン▼)有限公司 (399)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】