説明

安全ドア開閉制御機構を備えた工作機、及び、射出成形機又はダイカストマシン

【課題】射出成形機等の工作機に備えた安全ドアを、閉め防止及び開き防止できるようにする。
【解決手段】金型の出し入れ口に開閉自在な安全ドア7を備え、安全ドア7の挿通孔12にエアシリンダ14で進退されるストッパピン8を係合させることで、安全ドア7の開き防止手段として安全ドア7が開かないよう閉成状態を保てる一方で、安全ドア7を開放した状態でストッパピン8が挿通孔12に係合されない状態では、突出されたストッパピン8を安全ドア7の閉成を阻止する閉じ防止手段として兼用する。これにより、安全ドア7が不用意に開くことがないよう開き防止をすることができる一方で、安全ドア7が開放された状態では、突出されたストッパピン8により安全ドア7が不用意に閉成されないよう阻止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、型開閉などの作動に伴ってオペレータが危険に晒される懸念を解消することができる安全ドア開閉制御機構を備えた射出成形機やダイカストマシン等の工作機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から用いられている射出成形機には、金型の開閉動作に伴いオペレータが怪我などしないよう金型の出し入れ口に安全ドアが配設されている。こうした射出成形機においては、安全性の問題から安全ドアを開いた状態では金型の型開閉動作が行なわれないようになっている一方で、安全ドアを閉じた際には、オペレータの意思に係わらず型開閉動作を開始できる状況であると判別制御されるものがあり、オペレータの意思に反して誤って安全ドアが閉じてしまった際には、型開閉動作がオペレータの意に反して開始される懸念があることから、例えば、オペレータが安全ドア内側の金型装置の近傍で点検作業を行っていたりすると、オペレータは危険に晒される虞がある。そのため、特許文献1には、安全ドアがオペレータの意思にかかわりなく閉じてしまわぬよう、安全ドアを案内する案内レールのストッパブロックにストッパレバーが接触されるように構成しておき、ストッパーレバーがストッパブロックに接触されることで、オペレータの意に反して安全ドアが閉じてしまうことを阻止する構造が開示されている。また、特許文献2には、オペレータが型締装置内部等にいるとき、誤って安全ドアが閉じないようにするため、安全ドアが第2位置より開放されている位置にあるとき、安全ドアを閉成してゆくとストッパ棒が仕え棒となることで安全ドアの閉成動作を制限する射出成形機の安全装置が開示されている。
【0003】
【特許文献1】実開平5−2935号公報
【特許文献2】特許第3741073号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前述した特許文献1及び特許文献2に開示されている安全装置においては、開放された安全ドアが意に反して閉成しないようにする安全機構を有してはいるものの、閉成された安全ドアが開けられないようにする安全機構は有していないことから、型開閉等の作動が行われている際に安全ドアを開放したりすると、作動している金型に人の手がとどいてしまう状況にもなり、安全上好ましくない。
【0005】
また、通常は安全面の観点から、安全ドアは閉塞されている状態でのみ金型装置が作動されることが好ましいが、特許文献1及び特許文献2においては、閉成された安全ドアを開かないように保持するロック機構を有していないことから、射出成形機の稼働中に、安全ドアを簡単に開けることが可能となっていることから、例えば安全ドアが開けられた場合には、安全ドアの開放に伴って金型装置の作動を緊急停止する機能を持たせることで安全性を高めるということも考えが及ばないわけではないが、仮に緊急停止させたとしても、安全ドアを開けたと同時に金型の型開閉動作が瞬時に停止することは困難なことから、オペレータは停止しきれていない金型等に触れるなどして不測の事故が起こり得る懸念がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、安全ドアが閉成されている際には開き防止できる一方で、開放されている際には閉め防止をすることができ、特に金型装置の動作時に安全ドア内側の型開閉の行われている作動領域に人体の一部が進入してしまい、危険な状態に晒されることを防止することができる、安全性を向上させた射出成形機やダイカストマシン等の工作機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る安全ドア開閉制御機構を備えた工作機は、開閉自在な安全ドアにストッパを設け、該ストッパに設けた挿通孔にシリンダで進退されるストッパピンを係合させることで前記安全ドアが開かないよう閉成状態を保つ安全ドア開閉制御機構を備えた工作機において、前記安全ドアを閉成した状態では、開き防止手段として前記ストッパピンを突出させて前記挿通孔に係合することで前記安全ドアを開けられないように開き防止する一方で、前記安全ドアを開放した状態で前記ストッパピンが前記挿通孔に係合されない状態では、前記突出されるストッパピンを前記安全ドアの閉め防止を行う閉じ防止手段として兼用することを特徴とする。
【0008】
上記構成により、安全ドアが閉成された状態では突出されたストッパピンが挿通孔に係合されることで安全ドアが不用意に開くことがないよう開き防止をすることができる一方で、安全ドアが開放された状態では、突出されたストッパピンにより安全ドアが閉成されないように阻止することができる。
【0009】
さらに、本発明に係る安全ドア開閉制御機構を備えた工作機は、前記安全ドアが開放され且つ前記ストッパピンが突出された前記安全ドアの閉め防止状態にあるとき、前記突出されたストッパピンを後退させ前記安全ドアを閉成可能に切り替える操作ボタンを備えたことを特徴とする。
【0010】
上記構成により、開放された安全ドアを閉成する際、操作ボタンを操作して突出されたストッパピンを後退させ、安全ドアを閉塞する。
【0011】
さらに、本発明に係る安全ドア開閉制御機構を備えた工作機は、射出成形機又はダイカストマシンであり、該射出成形機又はダイカストマシンに備えた金型装置の出し入れ口に前記安全ドアを配設し、前記射出成形機又はダイカストマシンが稼動状態であって前記安全ドアが前記開き防止状態にあるときに、前記金型装置が型開閉されているときには、前記操作ボタンを用いてストッパピンの切り替え操作を行おうとしても、前記安全ドアが開放されないように前記ストッパピンは後退されずに突出した状態を保持する制御手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
上記構成により、安全ドアは、金型装置の型開閉がされているときに、操作ボタンにより安全ドアを開放可能にするための操作が行なわれたとしても、制御手段がストッパピンが後退されないように制御するので、金型装置が型開閉されているときに安全ドアが開放されてしまい、安全ドアの内側に配置された動作状態にある金型装置等に人体が触れてしまうことを防止することができる。
【0013】
さらに、本発明に係る射出成形機又はダイカストマシンは、前記射出成形機又はダイカストマシンが稼動状態であって前記安全ドアが開き防止状態にあるときに、前記金型装置の型開閉が不動の際、前記操作ボタンを操作すると前記制御手段が前記ストッパピンを後退させ前記安全ドアを開放可能にすることを特徴とする。
【0014】
上記構成により、射出成形機又はダイカストマシンが稼動状態であっても、型開閉が行われてなければ、人体に影響を及ぼすような危険の懸念がない状況として判断され、操作ボタンの操作により安全ドアを開放することが可能になる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように本発明によれば、ストッパピンを用いて、閉成された安全ドアが不本意に開放されることを防止でき、なお且つ開放された安全ドアが不本意に閉じてしまうことも防止することができる。つまり、これにより、安全ドアの内側の型開閉動作などがされる作動領域に、人体の一部などが誤って進入されてしまうことを阻止でき、さらにオペレータが金型装置の近傍等で点検作業を行っている際に、開放されている安全ドアが閉じてしまい、金型装置の型開閉動作等がオペレータの意に反して開始されてしまうことを防止することができるので、安全性を向上することができる。しかもストッパピンを安全ドアの閉め防止及び開け防止の両手段として用いることができるので、部品点数を抑えコストの上昇を抑えた射出成形機やダイカストマシン等の工作機を提供することができる。
【0016】
さらに、開放された安全ドアを閉成する場合には、操作ボタンを操作するだけで突出されたストッパピンは後退され、安全ドアを閉成可能にすることができるので、安全ドアを簡単に閉成することができ操作性がよい。
【0017】
さらに、金型装置の型開閉が行われていて、危険の懸念がある場合には、操作ボタンを操作しても、閉成された安全ドアが開放されてしまうことを防止することができ、その一方で、型開閉が行われておらず危険の懸念のない場合には、操作ボタンの操作によりストッパピンが後退され、安全ドアを開放することが可能になるから、より安全性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態としての実施例を図1〜図5により以下に説明する。もちろん、本発明は、その発明の趣旨に反しない範囲で、実施例において説明した以外の構成のものに対しても容易に適用可能なことは説明を要するまでもない。
【0019】
図1は本願発明の一例を示す射出成形機を示す正面図である。同図に示す射出成形機1は、出荷先に応じて、日本国仕様とANSI(American National Standard Institute)仕様とに選択設定できるようになっており、射出成形機を大別すると射出ユニット2と型締めユニット3とから構成され、これら射出ユニット2と型締めユニット3とは機台4の上に設置されている。
【0020】
型締めユニット3には、この型締めユニット3に構成された金型装置5を覆うキャビネット6が設けられており、キャビネット6には、金型装置5の出し入れ口において、安全ドア7がスライド自在(図1に示す左右方向)に取り付けられている。
【0021】
図2は安全ドア7が開いている際には閉め防止を行ない、閉じている際には開き防止を行なうことが可能な安全ドア開閉制御機構を示す部分切り欠き斜視図であり、図2では、突出されたストッパピン8により安全ドア7が閉成されないよう閉め防止されている状態を示している。
【0022】
図2に示すように、安全ドア開閉制御機構10には、安全ドア7に固定されたストッパ11、ストッパ11に形成した挿通孔12に係合されるストッパピン8、ストッパピン8を下方に突出させ挿通孔12に係合させるエアシリンダ14、エアシリンダ14が取り付けられると共にストッパピン8を弾性部材たるブッシュ15と摺動させながら案内するブラケット16等を備えている。なお、ブラケット16は、図1に示すように型締めユニット3に設けられたフレーム17に固定され、また、ストッパ11の先端部には硬質ゴムからなるストッパ部材11a、後述する、操作ボタン20、制御手段21等が構成されており、ストッパ部材11aは、図2に示すように下方に突出されたストッパピン8に接触されるように構成することで、閉じ防止手段として、開放されている安全ドア7が閉じてしまうことを阻止する。
【0023】
図3は閉成された安全ドア7が開くことがないように開き防止されている状態を示す斜視図である。同図に示すように、安全ドア7の開き防止状態(ロック状態)では、安全ドア7が所定位置(図3に示した状態)で閉成された状態において、突出されたストッパピン8がストッパ11の挿通孔12に係合されることで開き防止手段として機能し、安全ドア7が不用意に開放されることを阻止することができる。
【0024】
また、本実施例における射出成形機1には、図1に示すように、エアシリンダ14を介してストッパピン8を突出/後退させる操作ボタン20を備え、金型装置5の型開閉が行われているときには、操作ボタン20を操作しても、制御手段21が閉成された安全ドア7が開くことがないように、突出されているストッパピン8を後退させないように制御し、その一方で、型開閉が行われていない不動のときには、ストッパピン8は操作ボタン20の操作に基づき後退され、安全ドア7を開放することが可能となる。
【0025】
次に、射出成形機1の各種運転モードについて図4及び図5により以下に説明する。なお、図4(a)は安全ドアの開き防止状態を示し、図4(b)は安全ドアの閉め防止状態を示し、図4(c)は安全ドアの開閉可能状態を示している。また、図5はANSI仕様を選択設定した場合において、閉成された安全ドア7が、突出されたストッパピン8により開き防止状態にあるときの、射出成形機1の稼働状況を「運転モード」として左列に示し、左列の各モードに対応するストッパピン8の動作状態を右列に示している。なお、図5における「OFFモード」とは射出成形機1が稼働されていない状態(金型装置5も停止状態)をさし、「手動モード」とは操作手段23を用いて射出成形機の動作を手動で動作させるモードをさし、「交換モード」とは金型装置の金型交換時などの段取り作業時に、1サイクルにおける各動作の調整を行なうモードをさし、「半自動モード」とは、型開き時を始点とし、金型から成形体をエジェクトするエジェクト完了時を終点とし、1サイクル毎に射出成形機1の動作を停止させるモードをさし、「全自動モード」とは、型開閉が継続的に行われ成形体が繰り返し製造される際の全自動運転をさす。「手動モード」及び「交換モード」には、型開閉動作中と、型開閉動作中以外のつまり型開閉動作の行われていない不動状態もあり得ることから、それらを区別して図5中に示している。
【0026】
安全ドア7が閉成された状態において、図5に示す運転モードが「OFFモード」、「手動モード(型開閉動作中以外)」、「交換モード(型開閉動作中以外)」、及び、「半自動モード」における型開き完了時点のときには、図4(c)に示すように、ストッパピン8は上方に後退されることで安全ドア7は開閉可能な状態(ロック解除)となる。それに対し、「手動モード(型開閉動作中)」、「交換モード(型開閉動作中)」、「半自動モード」、及び、「全自動モード」のときには、図4(a)に示すように、ストッパピン8は下方に突出され安全ドア7を開放されることを阻止する開き防止状態(ロック)となる。
【0027】
また、図4(b)は、安全ドア7が開放された状態でストッパピン8が突出され、ストッパ11の先端側がストッパピン8の側面等に接触されることで、安全ドア7の閉め防止が行われている状態を示しており、前述した安全ドア7の開閉可能な状態(ロック解除の状態等)にて安全ドア7が開放されると、制御手段21がエアシリンダ14を介してストッパピン8を突出させ、この突出されたストッパピン8が邪魔をして、安全ドア7が閉成されることを阻止する。なお、安全ドア7の閉め防止が行われている際は、ANSI仕様又は日本国仕様の選択設定に関係なく何れにおいても、安全ドア7が開放された際には、制御手段がストッパピン8を突出させ、安全ドア7が閉成されることが抑止(閉め防止状態)されることになる。
【0028】
また、本実施例における射出成形機1は、前述したように日本国仕様とANSI(American National Standard Institute)仕様とに選択設定可能であり、これらの選択設定は、国別選択手段たる操作部24で行なうが、閉成されている安全ドア7が突出されたストッパピン8により開き防止が行われている際には、図5に基づき前述したように、運転モードの種類に応じて、ストッパピン突出(ロック)又はストッパピン後退(ロック解除)が行なわれ、前者の場合は安全ドア7の開き防止状態となり、後者の場合には安全ドア7の開き可能状態になる。従って、前記国別選択手段としての操作部24でANSI仕様を選択設定した際には、ANSIの規格に従って、また、日本国仕様を選択設定した際には日本の規格に従って、安全ドア7の開き/閉め防止の制御が行なわれることになり、出荷先(日本又は米国)の規格に対応した利便性の高い射出成形機1を提供することが可能になる。
【0029】
以上のように本実施例における工作機たる射出成形機1によれば、開閉自在な安全ドア7にストッパ11を設け、ストッパ11に設けた挿通孔12にエアシリンダ14で進退されるストッパピン8を係合させることで安全ドア7が開かないよう閉成状態(ロック状態)を保つ安全ドア開閉制御機構10を備えており、安全ドア7を閉成した状態では、開き防止手段としてストッパピン8を突出させて挿通孔12に係合することで安全ドア7を開けられないように開き防止する一方で、安全ドア7を開放した状態でストッパピン8が挿通孔12に係合されない状態では、突出されるストッパピン8を安全ドア7の閉め防止を行う閉じ防止手段として兼用するものである。これにより、安全ドア7が閉成された状態では突出されたストッパピン8が挿通孔12に係合されることで安全ドア7が不用意に開くことがないよう開き防止をすることができる一方で、安全ドア7が開放された状態では、突出されたストッパピン8により安全ドア7が閉成されないように阻止することができる。従って、ストッパピン8を用いて、閉成された安全ドア7が不本意に開放されることを防止でき、なお且つ開放された安全ドア7が不用意に閉じてしまうことも防止することができるので安全性を向上することができ、しかも、ストッパピン8を安全ドア7の閉め防止及び開け防止の両手段として兼用できることから、部品点数を抑えコストの上昇を抑えた射出成形機等の工作機を提供することができる。
【0030】
さらに、安全ドア7が開放され且つストッパピン8が突出された安全ドア7の閉め防止状態にあるとき、突出されたストッパピン8を後退させ安全ドア7を閉成可能状態に切り替える操作手段としての操作ボタン20を備えているので、開放された安全ドア7を閉成する際、操作ボタン20を操作して突出されたストッパピン8を後退させ、安全ドア7をワンタッチ感覚で簡単に閉じることができるので操作性に優れ利便性が高い。
【0031】
さらに、射出成形機1が稼動状態であって安全ドア7が開き防止状態にあるときに、「手動モード(型開閉動作中)」、「交換モード(型開閉動作中)」、「半自動モード」、或いは「全自動モード」等において、金型装置5が型開閉されているときには、操作ボタン20を用いてストッパピン8の切り替え操作を行おうとしても、安全ドア7が開放されないように、ストッパピン8は後退されずに突出した状態を保持する制御手段21が備えていることから、金型装置5の型開閉がされているときには、操作ボタン20により安全ドア7を開放可能にするための操作が行なわれたとしても、制御手段20が、ストッパピン8が後退され安全ドア7が開き可能状態にならないように制御するから、型開閉動作が行われているときに安全ドア7が開放されてしまい、安全ドア7の内側に配置された動作状態にある金型装置5等に人体が触れてしまうことを防止でき、しかも、安全ドア7が開き防止状態にあるときに、金型装置5の型開閉が行われていない不動の際に、操作ボタン20を操作すると制御手段21がストッパピン8を後退させ安全ドア7を開き可能状態にするから、射出成形機1が稼動状態であっても、型開閉が行われてなければ、人体に影響を及ぼすような危険の懸念がない状況として制御手段21が判別し、操作ボタン20の操作に基づき制御手段21が安全ドア7を開き可能状態にする。よって、型開閉が行われていて危険の懸念がある場合には、操作ボタン20を操作しても、閉成された安全ドア7が開放されてしまうことを防止することができ、その一方で、型開閉が行われておらず危険の懸念のない場合には、操作ボタン20の操作によりストッパピン8が後退され、安全ドア7を開放することが可能になるから、より安全性を向上することができる。
【0032】
以上、本実施例の一実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、本発明の工作機は射出成形機1を一例として説明したが、特にそれに限定するものではなく、前述した構成を有するダイカストマシンなどであってもよいことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本願発明の一例を示す射出成形機を示す正面図である。
【図2】同上、射出成形機に備えた安全ドア開閉制御機構を示す部分切り欠き斜視図である。
【図3】同上、閉成された安全ドアが開くことがないように開き防止されている状態を示す斜視図である。
【図4】同上、安全ドアの動作を示す説明図である。
【図5】ANSI仕様を選択設定した場合において、閉成された安全ドアが突出されたストッパピンにより開き防止されている状態のときの、射出成形機の稼働状況を示す説明図である。
【符号の説明】
【0034】
1 射出成形機(工作機)
5 金型装置
7 安全ドア
8 ストッパピン
10 安全ドア開閉制御機構
11 ストッパ
12 挿通孔
14 エアシリンダ(シリンダ)
20 操作ボタン
21 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉自在な安全ドアにストッパを設け、該ストッパに設けた挿通孔にシリンダで進退されるストッパピンを係合させることで前記安全ドアが開かないよう閉鎖状態を保つ安全ドア開閉制御機構を備えた工作機において、前記安全ドアを閉成した状態では、開き防止手段として前記ストッパピンを突出させて前記挿通孔に係合することで前記安全ドアを開けられないように開き防止する一方で、前記安全ドアを開放した状態で前記ストッパピンが前記挿通孔に係合されない状態では、前記突出されるストッパピンを前記安全ドアの閉め防止を行う閉じ防止手段として兼用することを特徴とする安全ドア開閉制御機構を備えた工作機。
【請求項2】
前記安全ドアが開放され且つ前記ストッパピンが突出された前記安全ドアの閉め防止状態にあるとき、前記突出されたストッパピンを後退させ前記安全ドアを閉成可能に切り替える操作ボタンを備えたことを特徴とする請求項1記載の安全ドア開閉制御機構を備えた工作機。
【請求項3】
請求項2に記載の安全ドア開閉制御機構を備えた工作機において、該工作機は射出成形機又はダイカストマシンであり、該射出成形機又はダイカストマシンに備えた金型装置の出し入れ口に前記安全ドアを配設し、前記射出成形機又はダイカストマシンが稼動状態であって前記安全ドアが前記開き防止状態にあるときに、前記金型装置が型開閉されているときには、前記操作ボタンを用いてストッパピンの切り替え操作を行おうとしても、前記安全ドアが開放されないように前記ストッパピンは後退されずに突出した状態を保持する制御手段を備えたことを特徴とする。
【請求項4】
前記射出成形機又はダイカストマシンが稼動状態であって前記安全ドアが開き防止状態にあるときに、前記金型装置の型開閉が不動の際、前記操作ボタンを操作すると前記制御手段が前記ストッパピンを後退させ前記安全ドアを開放可能にすることを特徴とする請求項3記載の射出成形機又はダイカストマシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−36386(P2010−36386A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−199514(P2008−199514)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【出願人】(000222587)東洋機械金属株式会社 (299)
【Fターム(参考)】