説明

安全ベルトの非常時締結装置及び高所作業安全対策システム

【課題】ロック機構を動作させて安全ベルトの締結装置が人為的に外せないようにして、作業員の安全を確保する安全ベルトの非常時締結装置を提供する。
【解決手段】この高所作業安全対策システム100は、例えば、地震1を検知してその情報を送信する地震計1と、地震計1からの情報を分析して震源や地震の規模を推定して各基地局に配信する公共機関(例えば気象庁)4と、安全ベルトの非常時締結装置13と、基地局内に設けられ災害情報を受信する受信装置(受信手段)7と、受信装置7により受信した災害情報を配信する配信装置8と、配信装置8から災害情報を受信するとベルトロック情報を生成して非常時締結装置13に送信する移動無線機12と、備えて構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全ベルトの非常時締結装置及び高所作業安全対策システムに関し、さらに詳しくは、災害時、特に地震等が発生した場合に、電柱等などの高所で作業している作業員の安全を確保する安全ベルトの非常時締結装置及び高所作業安全対策システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、高圧送電線をメンテナンスする作業員は、電柱或いは鉄塔等の高所に登って作業をする必要があるため、落下防止のための安全ベルトを身体に取り付けて作業している。安全ベルトの締結装置の一例として図6(a)に示した如きものがあり、作業員の身体に巻き付けたベルトのリング40にロープ44の端部に固定したフック42を締結し、このロープ44を電柱に巻き回して作業を行なっている。しかし、作業員は電柱或いは鉄塔等を移動して作業しなければならないため、フック42を解除してリング40からロープ44を一旦外すことがある。フック42をリング40から外すためには、図6(b)にように、ロック爪43を矢印bの方向に押してロックを解除しながら、解除爪41を矢印aの方向に押して開き、フック42を開口部46から外す必要がある。
また、従来技術として特許文献1には、フックを一旦係合させると、不慮に外れない機構を有する安全ベルトのフック機構について開示されている。
【特許文献1】特開平7−31687号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、図6に示す従来の安全ベルトの締結装置は、人為的にフックをリング40から外そうと意図すれば、どのような状況下でも外すことができる。従って、作業中に地震等が発生した場合に動転し、フックを外して鉄塔等から降りようとして落下する事故が発生する可能性がある。このような場合は、むしろ作業位置に留まって、地震が沈静化するのを待ってから降りる方が安全である。しかし、フックを任意に取り外すことができる従来の構成では、作業員が落下する事故を確実に防止することができなかった。
また、特許文献1に開示されている従来技術は、ストッパをロック部材によりロックすることにより、ストッパが不慮に外れることを防止する発明であるが、人為的にストッパを操作することによりストッパを外すことができるため、図6の安全ベルトの締結装置と同様の問題を抱えている。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、安全ベルトの締結装置に受信機とロック機構固定部を備え、受信機によりベルトロック情報を受信すると、ロック機構を固定させて安全ベルトの締結装置が人為的に外せないようにして、作業員の安全を確保する安全ベルトの非常時締結装置を提供することを目的とする。
また、他の目的は、安全ベルトの非常時締結装置にベルトロック情報を送信するために、公共機関から災害情報を受信して分析し、迅速に現場の作業員に災害情報を伝達する高所作業安全対策システムを構築することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、作業員の身体に巻き付けるベルト本体及び該ベルト本体を開閉自在に締結させるロック機構を備えた安全ベルトと、前記ロック機構を固定させるベルトロック情報を受信する受信機と、該受信機が前記ベルトロック情報を受信することにより前記ロック機構を固定させるロック機構固定部と、前記受信機及び前記ロック機構固定部に電力を供給する電源と、を備えていることを特徴とする。
近年、地震発生と同時に、各地での主要動の到達時刻や震度を推定し可能な限り迅速に知らせる緊急地震速報システムが稼働している。本発明ではこの緊急地震速報を受信すると、高所で作業している作業員の安全を確保するために、安全ベルトの非常時締結装置のロック機構を自動的に解除不可とするものである。そのために、本発明の安全ベルトの非常時締結装置は、ロック機構固定部を備えた安全ベルトと、緊急地震速報を受信する受信機と、受信機がベルトロック情報を受信することによりロック機構を固定させるロック機構固定部と、電力を供給する電源と、を備えている。これにより、非常時に安全ベルトの非常時締結装置が働いて締結装置を人為的に外せなくなるので、作業員の安全を確保することができる。
【0005】
請求項2は、前記ロック機構固定部は、スイッチ、ヒューズ、及び前記電源を直列に接続したロックスタート回路と、前記ヒューズを張架するスプリング、該スプリングにより張架されたヒューズの一端に可動支点により連結されたアーム及び該アームの他端に可動支点により連結され前記ロック機構を解除不可とするロック棒を有する機構部と、を備え、前記受信機が前記ベルトロック情報を受信すると前記スイッチを閉じて前記ヒューズに電流を流して溶断させることにより、前記スプリング力により前記ヒューズの一端を停止位置から移行させて前記アームにより前記ロック棒を突出させ前記ロック機構を解除不可とすることを特徴とする。
安全ベルトの非常時締結装置は、作業中は常時電源をONにしておく必要がある。従って、極力、消費電力を削減するために、ロックスタート回路を設ける。このロックスタート回路は、ベルトロック情報を受信したときだけ、電力を消費する構成にする必要がある。そこで本発明では、スイッチ、ヒューズ、及び電源を直列に接続し、受信機がベルトロック情報を受信するとスイッチを閉じてヒューズに電流を流して、ヒューズを溶断させる。また、機構部はメカ的な構成により実現する必要がある。即ち、ロックスタート回路が動作すると、スプリング力によりアームに連動したロック棒を押し上げてロック機構を解除不可とする。これにより、電源の消費電力を最小限にすることができると共に、ロックスタート回路が動作した後は、スプリング力により動作させるので、ロック棒を電力を消費することなく固定することができる。
【0006】
請求項3は、前記電源は、前記受信機と前記ロックスタート回路に夫々個別に備えたことを特徴とする。
1つの電源を受信機とロックスタート回路に共通に使用する場合、ロックスタート回路に電流が流れている間、電源がショートされるので、その間、受信機は動作不能となる。そこで本発明では、受信機とロックスタート回路に夫々個別に電源を備える。これにより、ロックスタート回路に電流が流れていても、受信機を動作させることができる。
請求項4は、前記受信機に前記ベルトロック情報を受信した旨を報知する報知手段を備えたことを特徴とする。
作業員は高所で作業している場合が多いため、非常事態が発生したことを認知するまでに時間を要することがある。また、ロック機構が固定されたことがわからないと、その後の行動を適切に行うことができない。そこで本発明では、受信機にベルトロック情報を受信した旨を報知する報知手段を備える。これにより、作業員は、非常時に対して適切な行動を取ることができる。
請求項5は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の安全ベルトの非常時締結装置と、災害情報を受信する受信手段と、該受信手段により受信した災害情報を配信する配信装置と、該配信装置から前記災害情報を受信すると前記ベルトロック情報を生成して前記非常時締結装置に送信する移動無線機と、備えたことを特徴とする。
基地局では、常時、例えば気象庁からの緊急地震速報を受信する体制を備えている。緊急地震速報を受信すると、配信装置から即座に各移動無線機にこの情報を通報する。緊急地震速報を受信した各移動無線機は、緊急地震速報を分析して作業員に対してベルトロック情報を送信する。ベルトロック情報を受信すると非常時締結装置は安全ベルトを自動的にロックする。これにより、緊急地震速報を受信して即座に作業員の安全を図ることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、安全ベルトの非常時締結装置は、ロック機構を備えた安全ベルトと、緊急地震速報を受信する受信機と、この受信機がベルトロック情報を受信することによりロック機構を固定させるロック機構固定部と、電力を供給する電源と、を備えているので、非常時に安全ベルトの締結装置が人為的に外せなくなるので、作業員の安全を確保することができる。
また、スイッチ、ヒューズ、及び電源を直列に接続し、受信機がベルトロック情報を受信するとスイッチを閉じてヒューズに電流を流して、ヒューズを溶断させ、ロックスタート回路が動作すると、スプリング力によりアームに連動したロック棒を押し上げてロック機構を解除不可とするので、電源の消費電力を最小限にすることができると共に、ロックスタート回路が動作した後は、スプリング力により動作させて、ロック棒を電力を消費することなく固定することができる。
また、受信機とロックスタート回路に夫々個別に電源を備えるので、ロックスタート回路に電流が流れていても、受信機を動作させることができる。
また、受信機にベルトロック情報を受信した旨を報知する報知手段を備えるので、作業員は、非常時に対して適切な行動を取ることができる。
また、緊急地震速報を受信すると、配信装置から即座に各移動無線機にこの情報を通報し、緊急地震速報を受信した各移動無線機は、緊急地震速報を分析して作業員に対してベルトロック情報を送信して、ベルトロック情報を受信すると非常時締結装置は安全ベルトを自動的にロックするので、緊急地震速報を受信して即座に作業員の安全を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の一実施形態に係る高所作業安全対策システムの構成を示すブロック図である。この高所作業安全対策システム100は、例えば、地震1を検知してその情報を送信する地震計1と、地震計1からの情報を分析して震源や地震の規模を推定して各基地局に配信する公共機関(例えば気象庁)4と、後述する安全ベルトの非常時締結装置13と、基地局内に設けられ災害情報を受信する受信装置(受信手段)7と、受信装置7により受信した災害情報を配信する配信装置8と、配信装置8から災害情報を受信するとベルトロック情報を生成して非常時締結装置13に送信する移動無線機12と、備えて構成されている。
【0009】
次に本システムの概略動作について説明する。地震1が発生すると、その領域に設置された地震計2が地震1の震度を無線で公共機関4に送信する。公共機関4ではアンテナ3によりその地震情報を受信し、どの地域にある地震計からの情報であるかを認識し、且つ震度を計算して震源地と震度を算出する。同時に他の図示しない地震計からの情報に基づいて、地震の規模を割り出す。これらの情報は、緊急地震情報としてアンテナ5を介して各基地局に配信される。基地局の受信装置7は、緊急地震情報を配信装置8を介して各移動無線機12に配信する。移動無線機は、一般的には車両(自動車等)に搭載された車載無線機であり、車載無線機からベルトロック情報に変換されて、現場の電柱10で作業をしている作業員の非常時締結装置13に送信される。この結果、非常時締結装置13が自動的にロックされて、作業員が地震により電柱10から落下する事故を未然に防止することができる。尚、ロックされたことを作業員に報知するために、非常時締結装置13にランプ又はスピーカを備えることが好ましい。
即ち、基地局の受信装置7では、常時、公共機関4例えば気象庁からの緊急地震速報を受信する体制を備えている。緊急地震速報を受信すると、配信装置8から即座に各移動無線機12にこの情報を通報する。緊急地震速報を受信した各移動無線機12は、緊急地震速報を分析して作業員に対してベルトロック情報を送信する。ベルトロック情報を受信すると非常時締結装置13は安全ベルトを自動的にロックする。これにより、緊急地震速報を受信して即座に作業員の安全を図ることができる。
【0010】
図2は本発明の第1の実施形態に係る非常時締結装置13の機能を説明するための機能ブロック図である。この非常時締結装置13は、作業員の身体に巻き付けるベルト本体26及びベルト本体26を開閉自在に締結させるロック機構27を備えた安全ベルトと、ロック機構27をロックさせるベルトロック情報を受信する受信機21と、受信機21がベルトロック情報を受信することによりロック機構27を固定させるロック機構固定部28と、受信機21及びロックスタート回路29に電力を供給するバッテリ(電源)25と、を備えて構成されている。尚、ロック機構固定部28は、スイッチ22、ヒューズ23、及びバッテリ25を直列に接続したロックスタート回路29と、機構部24(詳細は後述する)により構成される。また、ロックスタート回路29は、受信機21がベルトロック情報を受信するとスイッチ22を閉じてヒューズ23に電流を流すことによりヒューズ23を溶断させる(詳細は後述する)。また、本実施形態では、バッテリ25は受信機21とロックスタート回路29に電力を供給する構成である。
【0011】
即ち、本実施形態では緊急地震速報を受信すると、高所で作業している作業員の安全を確保するために、安全ベルトの非常時締結装置13のロック機構を自動的にロックするものである。そのために、本発明の安全ベルトの非常時締結装置13は、ベルト本体26とロック機構27を備えた安全ベルトと、緊急地震速報を受信する受信機21と、このロック機構を動作させるロックスタート回路29と、電力を供給するバッテリ25と、を備えている。これにより、非常時に安全ベルトの非常時締結装置13が人為的に外せなくなるので、作業員の安全を確保することができる。
また、安全ベルトの非常時締結装置13は、作業中は常時電源をONにしておく必要がある。従って、極力、消費電力を削減するために、ロックスタート回路29を設ける。このロックスタート回路29は、ベルトロック情報を受信したときだけ、電力を消費する構成にする。そこで本実施形態では、スイッチ22、ヒューズ23、及びバッテリ25を直列に接続し、受信機21がベルトロック情報を受信するとスイッチ22を閉じてヒューズ23に電流を流して、ヒューズ23を溶断させる。従って、電力を消費するのは、ヒューズ23が溶断するまでの瞬間である。これにより、電源の消費電力を最小限にすることができる。
【0012】
図3は本発明の第2の実施形態に係る非常時締結装置13の機能を説明するための機能ブロック図である。同じ構成要素には図2同じ参照番号を付し説明は省略する。図3が図2と異なる点は、受信機21にスピーカ15を備え、受信機21に電力を供給するバッテリ25aを備え、ロックスタート回路29に電力を供給するバッテリ25と分けている点である。
即ち、図2のように1つのバッテリ25を受信機21とロックスタート回路29に共通に使用する場合、ロックスタート回路29に電流が流れている間、バッテリが一瞬ショートされるので、その間、受信機21は動作不能となる。そこで本実施形態では、受信機21とロックスタート回路29に夫々個別にバッテリ25aとバッテリ25を備える。これにより、ロックスタート回路29に電流が流れていても、受信機21を動作させることができる。また、受信機21がベルトロック情報を受信したときに、スピーカ15により作業員にベルトをロックする旨を通報する。これにより作業員は、非常時に対して適切な行動を取ることができる。
尚、本実施形態では、ロックスタート回路としてヒューズを使用した例を説明したが、ヒューズに限らず、ソレノイド等で機構部24を動作させても構わない。
【0013】
図4は本発明のロック機構固定部の動作を説明するための模式図である。図4(a)はロック機構固定部が動作する前の様子を示す図であり、図4(b)はロック機構固定部が動作した後の様子を示す図である。ロックスタート回路29を構成するヒューズ23は、固定部30と可動部31間を接続し、固定部30はスイッチ22の一方の端と接続され、可動部31はバッテリ25のマイナス端子に接続され、スイッチ22の他方の端はバッテリ25のプラス端子と接続されている。また、可動部31は、常時、スプリング32により下方(矢印方向)に張架されている。また、可動部31には、アーム34の1端が支点Cと接続され、更にアーム34は支点Bにより支えられている。また、アーム34の他端は支点Aによりロック棒35と接続されている。また、ロック機構部27には、ロック棒35が挿通するロック穴37が開口されている。
【0014】
次に、本発明のロック機構固定部28の動作について説明する。受信機21がベルトロック情報を受信しないときは(図4(a))、スイッチ22は開放され、ヒューズ23には電流が流れない。従って、この状態では、ロック棒35はロック穴37に挿通されない。この状態では、手動によりロック爪43を可動することができる。次に受信機21がベルトロック情報を受信すると、図4(b)のようにスイッチ22をONする。これにより、バッテリ25のプラス端子から電流がヒューズ23に流れる。このときの電流は、瞬間的に大電流がヒューズ23に流れ、そのジュール熱によりヒューズ23は溶断させる。スプリング32はヒューズ23を下方に張架しているため、ヒューズ23が溶断した瞬間、アーム34を下方に押し下げる。アーム34は支点Bにより支えられているので、それに連動してロック棒35を上方に押し上げる。その結果、ロック棒35の先端がロック穴37を挿通して、ロック爪43はロック棒35により固定される。
尚、ロック棒35により固定された後に、安全を確認してロック棒35を解除するためには、ロック穴37に貫通可能な棒状の治具により、ロック棒35を押し込むことにより行なわれる。
即ち、ロック固定機構はメカ的な構成により実現する必要がある。即ち、ロックスタート回路29が動作すると、スプリング32の力によりアーム34に連動したロック棒35を押し上げて先端をロック穴37に挿通させる。これにより、ロックスタート回路29が動作した後は、スプリング力により動作させるので、ロック棒35を電力を消費することなく固定することができる。
【0015】
図5は本発明の非常時締結装置13の外観形状を示す図である。同じ構成要素には図6と同じ参照番号を付して説明する。この非常時締結装置13は、ロック機構固定部28を非常時締結装置13の本体内に収容し、ロック爪43の可動位置にロック穴37を開口し、非常時にこのロック穴37からロック棒35を挿通させてロック爪43が可動しないように固定する。尚、図ではバッテリ25が本体内に収容する構成として図示しているが、バッテリ25を本体外に備えて電源線を介して供給するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る高所作業安全対策システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る非常時締結装置13の機能を説明するための機能ブロック図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る非常時締結装置13の機能を説明するための機能ブロック図である。
【図4】本発明のロック機構固定部の動作を説明するための模式図である。
【図5】本発明の非常時締結装置13の外観形状を示す図である。
【図6】従来の安全ベルトの締結装置の外観形状を示す図である。
【符号の説明】
【0017】
1 地震、2 地震計、3 アンテナ、4 公共機関、5、6 アンテナ、7 受信装置(基地局)、8 配信装置、9 アンテナ、10 電柱、11 アンテナ、12 移動無線機、13 非常時締結装置、15 スピーカ、20 アンテナ、21 受信機、22 スイッチ、23 ヒューズ、24 機構部、25 バッテリ、26 ベルト本体、27 ロック機構、28 ロック機構固定部、29 ロックスタート回路、30 固定部、31 可動部、32 スプリング、34 アーム、35 ロック棒、36 ロック穴、100 高所作業安全対策システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業員の身体に巻き付けるベルト本体及び該ベルト本体を開閉自在に締結させるロック機構を備えた安全ベルトと、前記ロック機構を固定させるベルトロック情報を受信する受信機と、該受信機が前記ベルトロック情報を受信することにより前記ロック機構を固定させるロック機構固定部と、前記受信機及び前記ロック機構固定部に電力を供給する電源と、を備えていることを特徴とする安全ベルトの非常時締結装置。
【請求項2】
前記ロック機構固定部は、スイッチ、ヒューズ、及び前記電源を直列に接続したロックスタート回路と、前記ヒューズを張架するスプリング、該スプリングにより張架されたヒューズの一端に可動支点により連結されたアーム及び該アームの他端に可動支点により連結され前記ロック機構を解除不可とするロック棒を有する機構部と、を備え、
前記受信機が前記ベルトロック情報を受信すると前記スイッチを閉じて前記ヒューズに電流を流して溶断させることにより、前記スプリング力により前記ヒューズの一端を停止位置から移行させて前記アームにより前記ロック棒を突出させて前記ロック機構を解除不可とすることを特徴とする請求項1に記載の安全ベルトの非常時締結装置。
【請求項3】
前記電源は、前記受信機と前記ロックスタート回路に夫々個別に備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の安全ベルトの非常時締結装置。
【請求項4】
前記受信機に前記ベルトロック情報を受信した旨を報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の安全ベルトの非常時締結装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の安全ベルトの非常時締結装置と、災害情報を受信する受信手段と、該受信手段により受信した災害情報を配信する配信装置と、該配信装置から前記災害情報を受信すると前記ベルトロック情報を生成して前記非常時締結装置に送信する移動無線機と、備えたことを特徴とする高所作業安全対策システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−273607(P2009−273607A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−126649(P2008−126649)
【出願日】平成20年5月14日(2008.5.14)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】