説明

安全・安心な生鮮食材を提供する店舗あるいは施設形態

【課題】自然食材の料理を手軽に家庭で食べ続けられるようにする。
【解決手段】販売ゾーン1の周りに調理ブース2と冷凍コーナー3を設ける。販売ゾーン1は、カットして販売単位ごとにパックした生鮮食材を陳列して販売する。調理ブース2は、加熱調理器23a、23b、23cを備える。冷凍コーナー3に、液体凍結装置30を備えて、販売ゾーン1で生鮮食材を実際に手に取り吟味して購入する。購入した食材は調理ブース2で調理して冷凍コーナーの液体凍結装置30を用いて冷凍して持ち帰る。こうすることで、健康に留意した調味料を加減しながら好みの調理法で自然食材の購入から冷凍まで1つの店舗でまとめてできるので、自然食材を手軽に家庭で食べ続けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、購入した安全な生鮮食材を、その場で調理し冷凍して持ち帰ることで、安全な自然食材を継続して食することができるようにした店舗あるいは施設形態に関するものである。
【背景技術】
【0002】
いま、「ロハス」や「オーガニック」などの「健康」や「自然」をキーワードとする言葉が広まっている。そのような中で、食の安全・安心が見直されている。
【0003】
ところが、一般に、店頭で販売されている加工食品(数次加工品)は、保存料や着色料など多数の添加物を含んでいる。また、味付けも濃く、脂っこいものが多くてカロリーも高い。
【0004】
それなら、自然食材(無添加)を買って自身で調理すれば良い。しかし、食材は、毎日買いに行ければ良いが、毎日買い物に行くのは面倒であるし無駄である。特に、仕事のある独身者や共稼ぎのものでは時間的に難しい。また、高齢者では体力的にも難しい。この問題を解決するには、休日など手の空いたときにまとめて買って冷凍保存しておけば、自然食材を家庭でずっと食べ続けられる。
【0005】
従来、このような冷凍保存には、例えば(特許文献1)のような、冷凍室を備えた家庭用の冷凍冷蔵庫が用いられている。
【0006】
【特許文献1】特開2005−83687号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のような家庭用の冷凍冷蔵庫で冷凍保存する場合に、冷凍庫の扉を開けると外気と混ざって庫内の温度が上昇してしまう。このように、温度が上昇した庫内に食材を入れて冷凍するので、氷の結晶を作る最大氷結晶生成帯(−5℃)を通過するのに時間が掛かり、細胞内に沢山の氷の結晶が生成されてしまい細胞膜を破壊して栄養価や味を損なってしまう。これを防ぐため冷凍の前に、食材を茹でるなどの下ごしらえをすることも考えられるが、何日分もの食材を自宅に持ち帰ってから、それぞれの食材に下ごしらえをするのは手間が掛かり時間も掛かって大変である。また、何日分もの食材の下ごしらえを一度にするので、後片付けも大変である。
【0008】
そこで、この発明の課題は、例えば、独身者や共稼ぎのものあるいは高齢者でも、味や栄養素の低下しない自然食材(食材そのものの素顔が分かるような)の料理を手軽に家庭で食べ続けられるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、この発明では、カットして販売単位ごとにパックした生鮮食材を陳列した販売ゾーンの周りに、加熱調理器を備えた調理ブースと液体凍結装置を備えた冷凍コーナーを配した構成を採用したのである。
【0010】
このような構成を採用することにより、この店舗あるいは施設では、販売ゾーンで生鮮食材を実際に手に取り吟味して購入する。このとき、食材は、例えば、一人前、二人前、三人前・・・の販売単位ごとにパックしてあるので、必要人前のパックを販売ゾーンで購入すれば無駄を生じず、カロリーの摂りすぎも防止できる。また、購入した食材は冷凍に備えて調理ブースで加熱調理する。その際、食材はカットしてあるので包丁を使わなくても良い。さらに、調理の際には、調味料も販売ゾーンで由来の良い許容できるものを購入して使用すれば、添加物のない食材を食することができる。こうして加熱調理した食材は、冷凍コーナーの液体凍結装置を用いて冷凍すれば、自宅へ持ち帰って冷凍庫(冷凍冷蔵庫)に保存することができる。そのため、自宅の台所は調理のために汚れないし、調理後の始末の必要もない。そして、保存した調理済みの食材を取り出して解凍して食すれば、自然食材を手軽に家庭でずっと食べ続けられる。この際、液体凍結装置を用いて冷凍した食材は、冷凍の際に細胞内に氷結晶ができにくいので、味や栄養素の低下も生じない。
【0011】
このとき、パックした生鮮食材が洗浄した野菜であったり、パックした生鮮食材が、鱗、骨、内蔵を取ってカットした魚やカットした肉であったりする構成を採用することにより、調理の際に洗浄、鱗、骨や内蔵を処理するような下ごしらえをしなくて良いので、簡便に調理ができる。
【0012】
また、このとき、調理ブースの加熱調理器での調理に、使い捨て容器を使用するという構成を採用すれば、調理の際に、鍋やフライパンを準備する必要はなく、使い捨てなので清潔で衛生的である。また、加熱調理後の後始末も容易になる。
【0013】
また、上記生鮮食材のパックにQRコードを添付し、前記QRコードを携帯電話に読み取らせると、QRコードの情報がディスプレイに表示されるようにした構成を採用することにより、例えば、ディスプレイに、食材の品目ごとに100g当りのカロリー数などを表示させて栄養上のポイント情報を得られるようにしたり、食材を使った料理のレシピを表示させて食材の購入や調理の際のヒントが得られるようにしたり、生産履歴が表示されるようにして食材の安全性を確認できるようにしたりすることができる。
【0014】
また、このとき、販売ゾーンや調理ブースにディスプレイとバーコードリーダを配置して、前記バーコードリーダにパックのバーコードを読み取らせると、QRコードの情報がディスプレイに表示されるようにした構成を採用すると、携帯電話を所持していないお客もディスプレイの表示から栄養上のポイント情報を得られるようにしたり、食材の購入や調理の際のヒントを得られるようにしたり、生産履歴から食材の安全性を確認できるようにしたりすることができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明は、上記のように構成し、食材の購入から冷凍まで一つの店舗や施設内でできるので、手軽に安全、かつ、安心な食品(食材)を毎日食べ続けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1に示すように、この形態の店舗(この店舗形態を施設に適用して施設形態とすることもできる)は、販売ゾーン1の周りに、調理ブース2と冷凍コーナー3を配した構成となっている。
【0018】
販売ゾーン1は、この形態では、例えば、図1のように、水産コーナー4、青果コーナー5、畜肉コーナー6をコの字形に配置し、そのコの字形の開口内に漬物コーナー7とカットフルーツコーナー8を設けてある。また、前記漬物コーナー7とカットフルーツコーナー8の前方の開口端に調味料コーナー9を設け、その先にレジ10、10´を設けた構成となっている。
【0019】
水産コーナー4は鮮魚を扱うコーナーで、例えば、鮮魚の骨、鱗などを取り去り、サシミ、煮付け、焼き魚用に捌いたのちカットして、一人前、二人前、三人前・・・の販売単位ごとにパックし、図2のように、ショーケース11に陳列する。その際、煮魚用のパックには、調味液を添付したものをショーケース11に陳列してある。ショーケース11は、多段型、セミ多段型、平型などのスーパーショーケースを店舗や施設の状況に応じて使用することができるが、ここでは、平型のスーパーショーケースに砕いた氷を敷き詰めてアイスベットとしたものを使用している。
【0020】
青果コーナー5は、生鮮野菜を扱うコーナーで、例えば、サラダ用の葉物野菜(レタス、キャベツ、白菜)は洗浄したのち根などを取り除き、カットして(例えば、一口サイズ、みじん切り、千切り、コールスローなど)、一人前、二人前、三人前・・・の販売単位ごとにパック(プラスチックの真空包装用のPE袋やケースなど)し、平型のスーパーショーケースに砕いた氷を敷き詰めて形成したアイスベットに陳列してある。また、根野菜などは、洗浄したのち皮を剥いて一口サイズにカット(ジャガイモの乱切りなど)したり、細切り、短冊切り、スライス(人参)、ダイスカット(玉葱)などにしたりして、一人前、二人前、三人前・・・の販売単位ごとにパックして陳列してある。こうすることで、様々なレシピに合う切り方のパックを選択できるようにしてある。さらに、野菜スティクなどもプラスチックケースに一人前、二人前、三人前・・・の販売単位ごとにパックしてショーケース11に陳列してある。
【0021】
蓄肉コーナー6は、精肉を扱うコーナーで、鶏、豚、牛などの精肉を適当な大きさやミンチにカットして一人前、二人前、三人前・・・の販売単位ごとにパックし、各パックに適した氷温、冷蔵、低温、チルドの各温度で、平型のショーケース11に陳列するようにしている。
【0022】
漬物コーナー7とカットフルーツコーナー8では、各種漬物あるいは各種フルーツをカットして一人前、二人前、三人前・・・の販売単位ごとにパックし、コの字型に配置した平型のショーケース11に砕いた氷を敷き詰めて形成したアイスベットに陳列してある。
【0023】
調味料コーナー9は、砂糖、塩、酢、醤油、味噌、酒、油、ソース、だし、スープストック、ブイヨン、フォン・ド・ヴォー、ハーブ・・・などの自然食材をベースにした各種調味料をブランド別かつ種類別に、一人分ごとに袋にパックして多段型のショーケース11に配置してある。こうすることで、パックの数を数えることで、塩や砂糖の使用量を把握できるようにして、使用量をコントロールできるようにしてある。
【0024】
また、図3に示すように、これら食材のパック(調味料を含む)12には、QRコード(二次元バーコード)13が取り付けてある。QRコード13は、品目ごとに100g当りのカロリー数、食材のミニ情報など栄養上のポイントになるデータと、生産履歴の情報などのトレーサビリティーを記録したデータベースのURL及び食材を使った料理のレシピサイトへのURLを記録してある。
【0025】
そのため、このQRコード13をQRコード13に対応する携帯電話14に読み込ませると、食材のカロリー、食材のトレーサビリティーや食材のレシピを表示させることができる。
【0026】
すなわち、トレーサビリティーを確認するには、QRコード13に前記携帯電話を翳し、表示されるデータベースのURLを選択して生産者を表示させたり、農薬の使用量をチェックしたりすればよい。また、料理のヒントを得るには、QRコード13に前記携帯電話を翳し、表示されるURLを選択して食材のレシピを表示させればよい。ヒントから料理が決まれば料理に不足する食材が無いかを確認して不足する食材を販売ゾーン1で調達するような使い方ができる。なお、このレシピのサイトは、インターネットのサイトにリンクを張るようにしても良いが、ここでは、オリジナルのデータベースを準備した。
【0027】
また、販売ゾーン1には、携帯電話を所持していない客のためにネットに接続した端末15を設け、その端末15の読取機を翳せば生産者やレシピを表示するようにしてある。
【0028】
一方、前記パック12には、ICタグ16も取り付けられている。ICタグ16は、品目、重量、グラム単価、カロリー、賞味期限、生産日などのデータを記憶させたもので、ここでは、非接触でデータの読み書きができる無線ICタグを採用して、レジ10での清算をセルフ作業で行なえるようにしてある。
【0029】
このレジ10は、例えば、ディスプレイ、RFID(Radio Frequency ID)送受信機、ICカード読取機(図示せず)などで構成されており、食材の入ったカゴをRFID送受信機のセットされた台に置くと、食材のICタグ16のデータを読み取って合計金額をディスプレイに表示する。ディスプレイに合計金額が表示されると、ICカード読取機にカードを読み取らせれば、決済できるようになっている。さらに、決済のレシートには、購入食材のカロリー数も印字するようにできるので、このように表示させれば健康管理に活用できる。また、これ以外のレジ10´には、店員を配置してICカード決済をしない場合に対応するようにしている。ちなみに、こちらの場合も店員がリーダでQRコード13を読み込むと、決済のレシートに購入食材のカロリー数を印字するようにできるので、健康管理に活用できる。
【0030】
調理ブース2は、図1のように、壁面に沿って販売ゾーン1を囲むように設けられており、販売ゾーン1とはガラスフード20で仕切られている。調理ブース2は、図4のように、パーティション20で仕切られた複数の調理ブース2からなり、その各ブース2は図5のような構成となっている。
【0031】
すなわち、調理ブース2は、シンク21、調理台22、加熱調理器23a、23b、23cで構成されており、調理台22の前方の壁面には、ネット接続用の端末15を埋め込んだ構成となっている。
【0032】
シンク21は、温冷水を供給するガラン21aが設けられ、調理用の水の供給や調理後の清掃あるいは手洗いなどができるようにしてある。
【0033】
調理台22は、シンク21とIHクッキングヒータ(後述する加熱調理器具)23a間に設けて、調理の一連の作業がやりやすいようにしてある。例えば、食材をパック12から出して容器に移し、シンク21で水を加えてクッキングヒータ23aで煮炊きするなどの一連の作業中の容器を置くのに使用する。こうすることで、作業中に食材や容器を落としたりせずに安全に、しかも素早くできるようにしてある。さらに、調理台22の隅には、例えば、アルコールスプレーなどの衛生機材を配置することで、調理の前に除菌もできるようにする。
【0034】
加熱調理器具23a、23b、23cは、この形態では、先に述べたIHクッキングヒータ23a、電子レンジ23b、ウォータオーブンレンジ23cを備えている。例えば、IHクッキングヒータ23aは、先に述べたように調理台22の端に設けてある。また、その上方にはレンジフード24を設けて換気扇を設置してある。電子レンジ23bは、例えば、にんじんやジャガイモなどをパック12のまま加熱して茹でるのに使用する温め機能の他に、グリル料理もできるものを用意してある。ウォータオーブンレンジ23cは、過熱水蒸気によるグリル調理ができるので焼物に使用する。このように、加熱調理器具23a、23b、23cには、火を使わずに加熱調理できるものを準備して、火傷や火災事故が起きないようにしてある。
【0035】
ネット接続用の端末15は、ディスプレイ、バーコードリーダ(図示せず)を備えている。例えば、バーコードリーダに食材のパック12に添付されたQRコード13を読み込ませると、ディスプレイにレシピの一覧を表示して、キーワードを入力すればキーワードに該当するレシピが表示されるようにしてある。こうすることで、表示されたレシピを参考に多彩な料理を作ることができるようにして飽きないようにしてある。
【0036】
さらに、各ブース2のパーティション20には棚を設けて、塩、砂糖、胡椒、醤油などの基本の調味料を備えて無料で使えるようにしてある。また、各ブース2にモニタ用のカメラ25を設けて危険がないように監視できるようにもしてある。
【0037】
なお、符号26は、ベンチシートで、休憩や料理の時間待ちの際に利用できるようにしている。
【0038】
冷凍コーナー3は、図6及び図7に示すように、液体凍結装置30を設けて、調理ブース2で調理した料理をスピード凍結するところである。この液体凍結装置30は、凍結液にエタノールを使用したもので、−30℃〜−60℃で瞬間凍結できるものである。また、この瞬間凍結のため冷凍コーナーには、真空パック包装機32、及びアイスチラー装置34が設けられている。
【0039】
ちなみに、この形態の冷凍コーナーでは、ピザオーブン35、パスタボイラー36、セイロ37、ミキサー38、テーブルレンジ39、コンベクションオーブン40、ダストシンク41、シンク付きクリーンテーブル42、シンクキャビネット43などの調理器具や大型冷蔵庫45、冷凍凍結ストッカー46なども備えて、調理ブースで調理できない複雑な料理も専門のスタッフを配置することで提供できるようにもしてある。なお、図の符号47は受付カウンタである。
【0040】
この形態は、上記のように構成されており、この発明の店舗では、お客は入店すると、まず、店が用意のカゴを持ったりカートを押したりして、販売ゾーン1で食材を選ぶ。このとき、食材は種類別にショーケース11に配置されているので、所望の食材のところへ行って選ぶ。例えば、キャベツを購入したいのであれば、青果コーナー5へ行ってパック12されたキャベツを購入する。このとき、パック12は、1人前、2人前、・・・と販売単位ごとに洗浄、カットされているので、必要個数を取ってカゴやカートに入れる。また、その際、食材にはQRコード13が添付されているので、そのQRコード13を対応する携帯電話14で読み取ると、生産履歴のページが表示されてトレーサビリティーを確認できる。このとき、対応する携帯電話14を持っていない場合は、食材のパック12をコーナーに設置した端末15に読み取らせれば、端末15のディスプレイに、生産履歴が表示されるので、携帯電話14の場合と同様の情報を得ることができる。
【0041】
また、QRコード13を読み取らせて、レシピのサイトを表示させると、この食材を使ったお勧めの献立を何種類か表示して、その作り方と必要な材料(食材)を提示するので、その中から好みのものを見て足らない食材を、水産コーナー4、青果コーナー5、畜肉コーナー6で購入すれば、料理の食材を簡単に揃えることができる。
【0042】
例えば、水産コーナー4では、煮魚と焼き魚用の魚は、切り身にして骨を取ってパック12してある。また、パック12には、調味液の袋が添付されており、その添付された調味液を後述するようにパック12に入れて使用する。また、生食(サシミ)用の魚の場合は、切り身にしてパック12してある。貝類は、砂出しをしてパック12してあるので、必要なものを必要なパック12数だけカゴやカートに入れる。
【0043】
また、畜産コーナー6では、牛、豚、鶏を捌いた肉が部位ごとにパック12して置いてある。さらに、各部位の肉は、ブロックばかりでなく、ミンチ、コマギレ・・・などの処理をしたものがパックになって置いてあるので、必要なものを必要なパック12の数だけカゴやカートに取る。ちなみに、鶏卵もこのコーナーに置いてあって一個から買えるようになっている。
【0044】
このようにしてトレーサビリティーを吟味した食材が決まると、料理の際に使用する調味料を調味料コーナー9の砂糖、塩、酢、醤油、味噌、酒、油、ソース、だし、スープストック、ブイヨン、フォン・ド・ヴォー、ハーブ・・・などから自分で吟味して選ぶ。
【0045】
こうして、一つの料理の食材が揃うと、同様にして何日か分の惣菜の食材を揃える。全ての食材が揃うと、レジ10、10´で精算をする。レジ10、10´での精算は、店員のいるレジ10´で行なうこともできるが、各食材のパック12に、予めタグが取り付けてあるので、自動で精算を行なうレジ10でも行なうことができる。この自動精算レジ10では、カゴをレジ10の台に置けば、直ちに請求金額がディスプレイに表示されるので、カード読取器にカードを読み取らせればレジでの精算が終わる。カートの場合は、カートをディスプレイの前に配置すれば、直ちに請求金額がディスプレイに表示されるので、カード読取器にカードを読み取らせればレジ10での精算が終わる。
【0046】
レジ10での精算が終わると、精算の終わった食材を調理ブース2へ持って行って調理する。各調理ブース2には、図5で示すように、IHクッキングヒータ23a、電子レンジ23b、ウォータオーブンレンジ23cの加熱調理器が備えてあって、食材を好みに応じて、焼いたり、煮たり、蒸したり、揚げたり、茹でたりする。このような調理をするため、ここでは、図8に示すように、アルミホイルや紙による使い捨て容器(ワンウェー容器)50を配布して、無料で使用できるようにしてある。
【0047】
例えば、食材を焼く場合は、食材をパック12から取り出して使い捨て容器(アルミ容器)50に入れる。適当な調味料を添加して電子レンジ23bやウォータオーブンレンジ23cのグリル機能を使用して焼くことができる。また、IHクッキングヒータ23aを使って焼くようにしてもよい。
【0048】
次に、食材を煮る場合は、例えば図8のように、調味液51の入った煮魚用のパック12をIHクッキングヒータ23aで加熱する。すなわち、使い捨て容器(紙容器)50にセラミック板による加熱プレート52を入れたのち水を満たして、その容器50に前記パック12を入れれば煮魚を作ることができる。
【0049】
また、食材を蒸す場合は、調味液51の無いパック12を、加熱プレート52を入れて水を満たした容器50に入れ、IHクッキングヒータ23aで加熱する。または、食材をパック12から取り出して直接使い捨て容器(アルミ容器)50に入れ、適当な調味料を添加して電子レンジ23bやウォータオーブンレンジ23cのスチーム機能を利用して蒸せばよい。
【0050】
さらに、揚げる場合は、バターミックスに油を少量混練したものを使い捨て容器(アルミ容器)50に入れ、電子レンジ23bやウォータオーブンレンジ23cのレンジ機能を使用して食材を揚げた状態にすればよい。
【0051】
したがって、お客は、前記調理器23a、23b、23cを用いて食材を一食分ごとに調理をする。このとき、食材は、カットしてパック12にしてあるので、必要な人数分のパックを調理して一食分ごとに使い捨て容器50に分ける。また、加熱したくないものは、そのまま一食分ずつ前記容器50に分ける。また、このときの調理の仕方は、販売ゾーン1と同じように、食材のQRコード13を調理ブース2の図5の端末15に読み込ませれば調理台22のディスプレイに表示されるので、それを参考にすれば簡単にできる。調理が終わり、一食分ごとに分けた容器50は。冷凍コーナー3へ運ぶ。
【0052】
ちなみに、上記調理器23a、23b、23cを使用しないサラダなどの場合は、例えばダイスカットした玉葱の袋を開封し、使い捨て容器(アルミホイル)50に移し入れる。小袋入りの調味料(購入あるいは調理ブース2のもの)の醤油、砂糖、塩、酢などをレシピに基づいて加え、混錬しドレッシングを作る。次に、購入したカット野菜を使い捨て容器50に移し入れ、この自家製ドレッシングを掛けてできあがりとなる(食品添加物を一切使用しない消費者納得の調理となる)。
【0053】
このように、調理ブース2では、加熱調理器23a、23b、23cを備えることで、食卓に食材そのものの素顔が分かるような調理ができるようにしている。
【0054】
冷凍コーナー3では、スタッフがカウンタ47で受け付けて、図9(a)のように、調理直後の容器50に入ったものを、図9(b)のように、耐熱性の袋60に入れて、図9(c)のように、ノズル式真空パック包装機32でもって脱気したのちシールする(2〜3秒)。シールができると、図9(d)のように、アイスチラー装置34に浸漬し(浸漬時間20〜30分)、図9(e)のように、液体凍結装置30で冷凍する。ここでは、液体凍結装置30は、エタノールを凍結液に用いたもので、フローズン液温を−30℃〜−60℃にできるものである。浸漬時間は最短で5分〜最長で40分程度かかるので、冷凍ができたのち、持ち帰り自宅の冷凍冷蔵庫で保存する。そして、保存した食材は、食事の際に取り出して解凍して食する。
【0055】
このとき、液体凍結装置で食材は、急速に冷凍されているので、細胞内の氷の結晶の生成が少なく、細胞膜の破損が少ないので、調理直後の状態で冷凍保存できている。また、細胞膜の破損が少ないので、解凍時のドリップも少なく、解凍法を選ばないので、味や栄養素の低下しない自然食材を簡単に食べることができる。
【0056】
このように、包丁を使用せず、また健康に留意した調味料を加減しながら好みの調理法で料理して、自然食材の購入から冷凍までを1つの店舗で済まして持ち帰れるので、自然食材を手軽に家庭で食べ続けることができる。また、その際、自宅の台所は調理のために汚れないし、調理後の始末の必要もない。そのため、この発明の店舗あるいは施設形態は、時間の無い現代人に最適なシステムである。
【産業上の利用可能性】
【0057】
この発明は、実際に手に取り視認し、QRコードによるトレーサビリティーで確認して、吟味した食材を購入し、その場で食品添加物を全く使用せずに身体(健康時様態)にあった調理ができるので、例えば、生活習慣病の改善のために食事制限(食事療法)を受ける人の食事に採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】実施形態の平面図
【図2】実施形態の販売ゾーンの模式図
【図3】実施形態の作用説明図
【図4】実施形態の調理ブースの平面図
【図5】実施形態の調理ブースの模式図
【図6】実施形態の冷凍コーナーの平面図
【図7】実施形態の冷凍コーナーの模式図
【図8】調理の方法を説明する作用図
【図9】(a)〜(e)冷凍方法を説明する作用図
【符号の説明】
【0059】
1 販売ゾーン
2 調理ブース
3 冷凍コーナー
13 QRコード
14 携帯電話
15 端末
23a IHクッキングヒータ
23b 電子レンジ
23c ウォータオーブンレンジ
30 液体凍結装置
50 使い捨て容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カットして販売単位ごとにパックした生鮮食材を陳列した販売ゾーンの周りに、加熱調理器を備えた調理ブースと液体凍結装置を備えた冷凍コーナーを配した安全・安心な生鮮食材を提供する店舗あるいは施設形態。
【請求項2】
上記パックした生鮮食材が洗浄した野菜である請求項1に記載の安全・安心な生鮮食材を提供する店舗あるいは施設形態。
【請求項3】
上記パックした生鮮食材が、鱗、骨、内蔵を取ってカットした魚やカットした肉である請求項1に記載の安全・安心な生鮮食材を提供する店舗あるいは施設形態。
【請求項4】
上記調理ブースでの加熱調理器での調理に、使い捨て容器を使用する請求項1乃至3のいずれかに記載の安全・安心な生鮮食材を提供する店舗あるいは施設形態。
【請求項5】
上記生鮮食材のパックにQRコードを添付し、前記QRコードを携帯電話に読み取らせると、QRコードの情報がディスプレイに表示されるようにした請求項1乃至4のいずれかに記載の安全・安心な生鮮食材を提供する店舗あるいは施設形態。
【請求項6】
上記販売ゾーンや調理ブースにディスプレイとバーコードリーダを配置して、前記バーコードリーダにパックのバーコードを読み取らせると、QRコードの情報がディスプレイに表示されるようにした請求項5に記載の安全・安心な生鮮食材を提供する店舗あるいは施設形態。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−330506(P2007−330506A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−165778(P2006−165778)
【出願日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(591107975)
【Fターム(参考)】