説明

安定な吸着粒子

【課題】液体および気体中に存在する汚染物に対しての高い結合能力とともに、高い機械的安定性、さらには流動性および低い含水量を有し、かつ他の有機または無機のバインダーを使用せずに十分な機械的安定性を達成する、水酸化鉄をベースとする改善された粒子を提供する。
【解決手段】濁度試験により<600FNUの濁度を有する、本質的に酸化鉄および/またはオキシ水酸化鉄から成る粒子によって達成された。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い機械的安定性を有する安定な吸着粒子、およびこれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
触媒および吸着粒子、さらには、酸化鉄および/またはオキシ水酸化鉄をベースとしたこれらのものはすでに開示されている。これらは、主に連続的工程で使用され、この工程において、処理すべき媒体が流れる塔およびカラム様の装置において通常得られ、その際、粒子および接触する孔の外表面および内表面において、化学的および物理的反応および吸着が生じる。この目的のために微粉材料は使用することができず、それというのも、これらの材料は、媒体の流れの方向で圧縮されることによって、装置を閉塞させるまでに流れ抵抗性を増加させてしまうためである。
【0003】
装置を、バックフラッシングによって洗浄する場合には、多量の粉末が放出され、無駄になり、かつ廃水の過度の汚染を招く。
【0004】
しかしながら、流動性の媒体は粒子上に圧力をかけ、粒子の磨砕および/または激しい撹拌といった動きを生じさせる。その結果、粒子は互いに衝撃を受け、望ましくない磨砕の結果を生じる。これは、触媒または吸着材料の損失を導き、かつ処理すべき媒体の汚染を招く。
【0005】
酸化鉄および水酸化鉄含有吸着媒体/反応媒体は、有利には、たとえば、水浄化またはガス浄化の分野において使用することができる。水浄化の場合において、この組成物は、流れを水平または垂直方向に通過させることにより、フィルター中でかまたは吸着カラム中で使用するか、あるいは、処理すべき水に添加することによって、溶解、懸濁または乳化した有機または無機性のリン、ヒ素、アンチモン、硫黄、セレン、テルル、ベリリウムおよびさらにシアノならびに重金属イオンおよび化合物を、たとえば飲料水、水道水、化学用水、産業廃水、家庭内廃水、抗水、ミネラル水、聖水、熱水および療法用水、さらには水槽の水、池の水および農業用水から沈殿させるために使用する。
【0006】
これらの汚染物質を、たとえばごみ埋め立て地のような汚染された場所からの地下水路および浸出水路から沈殿させるための、反応性壁(reactive walls)と称されるものでの使用も可能である。
【0007】
ガス浄化において、組成物は、廃ガス中の望ましくない構成成分、たとえば硫化水素、メルカプタンおよびシアン化水素、さらには他のリン、ヒ素、アンチモン、硫黄、セレン、テルルおよびシアノならびに重金属化合物を結合させるための吸着体として使用される。さらに、HF、HCl、HS、SO、NOのようなガスを吸着することも可能である。
【0008】
また、リン、ヒ素、アンチモン、セレン、テルルさらにシアノならびに重金属化合物を、使用されたオイルおよび他の汚染された有機溶剤から除去することも可能である。
【0009】
酸化鉄および/またはオキシ水酸化鉄をベースとする触媒粒子および吸着粒子は、さらに気相または液相中での化学反応のための触媒のために使用される。
【0010】
吸着媒体を用いて、水系から痕跡量の物質および汚染物質を除去するための種々の方法が公知である。
【0011】
水処理に関しては、好ましくは連続的に操作される吸着装置が使用され、この場合、これらはしばしば、平行に配置される群において操作される。たとえば、飲料水から有機不純物を取り除くために、このような吸着装置は活性炭で充填される。
【0012】
汚染物質、たとえばヒ素を水から除去することに関しては、酸化鉄および/またはオキシ水酸化鉄は、すべての他の公知の吸着媒体よりも優れている。水酸化鉄ゲルによるヒ素化合物の吸着体は、かなり以前から知られている(R.W. Bunsen, A.A. Berthold, 2nd edition, Goettingen, 1837)。
【0013】
DE4320003A1では、固体の鉄(III)水酸化物を用いて、溶解されたヒ素を除去するための方法が記載されている。
【0014】
WPO02/47811A1では、5℃を下廻る温度で、圧力を上昇させながら鉄含有吸着材を製造するための方法を記載している。
【0015】
DE4320003A1およびWO02/47811A1では、固定床反応器のための吸着材料としての粒状の水酸化鉄の使用が開示されている。粒状の水酸化鉄は、酸性の鉄(III)塩溶液の中和によって得られる水酸化鉄の、5℃を下廻る温度での凍結調製(凍結乾燥)によって製造される。この製造工程は、かなりエネルギーコストを必要とするものであって、かつ高い塩汚染廃水を生じる。さらにこの製造方法により、極めて広範囲の粒径スペクトルが得られ、さらに低い機械的安定性を有する極めて小さい粒子を含む。固定床反応器を使用する場合には、粒子の機械的吸着によって操作の過程で著しく減少した粒径スペクトルを導き、その後に、装填または未装填吸着媒体の微細に分散された粒子の反応器からの排出を招く。これらの粒子の他の欠点は、粒子が水を失う際に、たとえば長い乾燥時間によって、ヒ素化合物に対する吸着容量が著しく減少することである。粒子が運搬される場合には、たとえば、湿潤状態で、粘性傾向を有し、かつ運搬するのが困難である。
【0016】
さらに粒子の安定化は、高い含水量により減少し、この場合、これらは、特に運搬においてはかなりの悪影響を及ぼす。高い含水量は、さらに媒体の運搬コストを増加させる。また、湿性の媒体は、操作中に、洗い流すべき細菌のための理想的な栄養源を飲用水中に提供する。湿性の媒体を市場に出す場合には、特に、空気の乾燥または日光によって制御されない方法で、湿分を失うことがないよう十分注意しなければならず、さもなければ、作用は失われ、収縮の結果として粒度分布およびかさ密度はもはや信頼できるものではなくなる。
【0017】
また、たとえば非晶質Fe(OH)の時効は、水性環境下で乾燥状態よりもより急速に進行することは知られている。結晶化および場合によっては吸着能力および安定性の減少についてもこれに関連する。
【0018】
この方法の他の欠点は、実際に、粒状材料の質を確立しなければならないことであり、それというのも、この材料はかなり軟質であって、かつ微粉化されているためである。その結果、材料を充填したフィルターのバックウオッシングにおいて、著量の材料の損失が生じる。したがって、バックウオッシングのたびに、新規の材料を添加しなければならないため、方法を実施するための経費は著しく増加する。さらに処理すべき水または廃水は相対的に純化されていなければならず、さもなければフィルターの作用によって、粒子上で水の固体成分の沈殿が生じ、したがって、好ましい成分の除去が害される。
【0019】
しかしながら、酸化鉄粒子またはオキシ水酸化鉄粒子は、固定床−吸着材での使用のために顕著に適している。場合により粒子の不適当な機械的応力によって、粒子からこすりおとされた微粉画分は、しばしば、地下水から得られた藻類、鉄粉および他の微分画分と一緒にバックウオッシングすることによって床から搬出され、かつ別個の容器中に回収され、ここで堆積する。しかしながら、密閉された浄水容器中で、たとえばカートリッジまたはシーブバスケット中で、たとえば処理されるべき水中に包含される微粉画分の別個の抽出は他の工程なしでは不可能である。密閉された浄水容器は、床上に吸着媒体を有するものである。
【0020】
前記粒子およびさらに本発明による粒子は他のバインダーを使用しないことから、材料は、使用後にはかなり簡単に廃棄される。
【0021】
しかしながら、圧縮された粉体の安定性は、吸着体中のかなり長時間の使用において十分なものではなく、かつ改善が必要とされる。したがって、これらの配合物は、たとえば特に連続的に操作される吸着体においては、水の浄化において制限が課されてのみの使用が考慮される。特に、バックウオッシングによる吸着体装置の維持または清浄化(下記参照)は、たとえば粒子についての付随する撹拌によって、多量の物質の損失を招く。バックウオッシングによる廃水は、摩耗により高い混濁性を有する。これは、種々の理由から許容できないものである:第一に、吸着材料が損失し、かなり長時間での使用後には多量の不純物を装填しているため、毒性の問題がある。第二に、廃水流は、すりへった材料で汚染されているものであり、これらの材料が堆積することによって、配管系の障害を招く。最終的に、下水処理プラントに、物理的および毒性的に望ましくない装填がなされる、といったいくつかの理由が挙げられる。
【0022】
しばしば、問題は、特に井戸水、水道水または飲料水の領域において、一般に、ヒ素または他の重金属で汚染されているといった問題が生じ、この場合、これは、適した飲料水の処理プラントが付近にないとか、あるいは連続的に汚染を排除しうる適した系がないためである。
【0023】
Brita Wasser−Filter−Systeme GmbH社は、たとえば、液体を処理するためのカートリッジおよび装置を開示している(DE 19905601 A 1; DE19915829 A1; DE19814008 A1, DE19615102A1, DE4304536A1, US60099728)。これらの装置は、飲料水を使用する直前に家庭用の水差しで、飲料水を完全または部分的に脱塩化するのに非常に適している。しかしながら、運搬、吸着体槽の交換または装填において、粒子の取り扱いを容易にするために、粒子が可能な限り低い湿分量であることは必要であり、さもなければ一緒になって粘着し、もはや自由流動性がなくなるためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】DE4320003A1
【特許文献2】WPO02/47811A1
【特許文献3】DE4320003A1
【特許文献4】WO02/47811A1
【特許文献5】DE19905601A1
【特許文献6】DE19915829A1
【特許文献7】DE198814008
【特許文献8】DE196115102A1
【特許文献9】DE4304536A1
【特許文献10】US600997228
【非特許文献】
【0025】
【非特許文献1】R.W. Bunsen, A.A. Berthold, 2nd edition, Goettingen, 1837
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
したがって本発明の課題は、水酸化鉄をベースとする改善された粒子を製造することであり、この場合、これらの粒子は、液体および気体中に存在する汚染物に対しての高い結合能力とともに、高い機械的安定性を有するものであり、また流動性および低い含水量を有し、かつ他の有機または無機のバインダーを使用せずに十分な機械的安定性を達成するものである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明の課題は、本質的に酸化鉄および/またはオキシ水酸化鉄から成る粒子によって達成され、この場合、これらは濁度試験により<600FNUの濁度を有するものである。
【0028】
粒子は好ましくは、濁度試験により<300FNUの濁度、好ましくは<200FNUの濁度を有するものである。
【0029】
粒子は、好ましくは摩耗試験により<10%、好ましくは<5%、特に好ましくは<1.5%の摩耗率を有するものである。
【0030】
本発明による粒子は、かなり高い耐力を有することによって、機械的および水力学的負荷に対してより良好な摩耗安定性を有する。
【0031】
すべての従来公知の固体吸着媒体は、反復する機械的負荷の後に連続的な摩耗を生じ、通過する水に許容されない赤色〜褐色の着色を生じさせる。これらの理由から、摩耗試験および濁度試験は、吸着媒体の安定性についての実際の要求性を考慮しておこなわれる。
【0032】
機械的および水力学的強度については以下の方法によって評価した:
濁度試験:
カートリッジでの使用に関して、実際の要求性に近似する粒子安定性の改良された試験は、水中での粒子の機械的撹拌の後の、懸濁液上清の濁度試験である。濁度試験は、水、廃水およびスラッジ試験における重要な方法である。
【0033】
粒子10gを、目盛り付きの"Duran(R)"ガラス容器(Schott, 製品番号21801365)で計量し、かつ脱イオン化HOで150mlにした。その後に容器をLabShaker Kuehner モデル、Braun-Melsungen 実験室用シェーカーに置き、室温で、250rpmで30分に亘って振とうした。この工程を1摩耗サイクルとする。容器の内容物をその後に1分間に亘って静置し(沈降)、その後に40μmの篩目を有する200mmのラウンドシーブ(Retsch) 200mmを通してデカントした。シーブを通した濾液について濁度測定をおこなった。濁度測定に関しては、EN ISO 7027:1999の測定方法によって、実験室モデル濁度光度計"Nephala"(Dr. Lange)を使用した。測定方法:90°光散乱測光法、波長:860nm;スタンダード:DINスタンダード ホルムアジン;周囲温度:20〜25℃;キャリブレーションは濁度単位ホルムアジン(TU/F)中でホルムアジンの光錯乱に対しておこなったが、より正確にはFNUとして記載した(ホルムアジン比濁分析単位)。濁度(大きさ:TU/F="濁度単位ホルムアジン"またはFNU="ホルムアジン比濁分析単位")を、摩耗サイクル数に対してプロットした。本発明に関しては、5コース終了後の濁度測定が特徴的であるとして選択された。濁度試験の範囲内で、本発明による粒子のみが、それぞれの5回の連続した摩耗サイクル後であってさえも、一定の要求される濁度を超えることなく、摩耗安定性であると考察された。本発明による粒子と接触する脱イオン化水の試料は、たとえば、0.37FNUの混濁度を有していた。
【0034】
本発明による粒子は、厳しい機械的負荷の後であってさえも、上清溶液の好ましくない濁度を招く摩耗を示すことはない(図1)。
摩耗試験
粒径>0.5mmおよび湿分率≦5%を有する試験すべき粒子 10gを、目盛り付きの250ml"Duran(R)"ガラス容器(Schott, 製品番号21801365)中で計量し、150mlの脱イオン化水と一緒に混合し、室温で、30分に亘って250回転/分で、LabShaker振とう機(Kuehner model, Braun-Melsungen)上で回転させた。その後に、懸濁液から、微粉画分<0.1mmについてシーブを用いて単離し、湿分≦5%に単離し、かつ計量した。最終的な質量と最初の質量との質量比は、摩耗率x%で定めた。x(%)=[100×微粉画分の最終質量(g)/粒子の最初の質量(g)]
摩耗および濁度に関する同様の結果は、ベンチ型振とう機"Lab-Shaker", Kuehner AG, type LSR-V-25を用いて、デジタル周波数ディスプレイ(+/−1rpm)で、振とう周波数250回転/分のものを使用した。
【0035】
粒子は好ましくは、α−、β−、γ−および/またはδ−FeOOH相および/またはFe(OH)−相、フェリハイドライト−およびさらには同様の混合および中間相を有する。特に好ましくは、粒子は酸化鉄および/またはオキシ水酸化鉄に加えて、炭酸鉄を含有するか、および/または、酸化鉄および/またはオキシ水酸化鉄を、元素Al、Mg、Tiを有する酸化物および/またはオキシ水酸化物と一緒に凝固させる。
【0036】
本発明による使用のための適した、微粉化オキシ水酸化鉄化合物は、たとえば、0.1μmを下廻る平均粒径および80mを上廻る比表面積を有する透明なオキシ水酸化鉄顔料である。しかしながら、相応する微粉化された酸化鉄顔料は、好ましくはヘマタイト、マグネタイトまたはマグヘマイトを使用することができる。
【0037】
粒子は好ましくは、<50%、好ましくは<20%、特に好ましくは<10%の含水量を有する。湿分または含水量は、試料を、循環空気乾燥キャビネット中で70〜100℃で一定質量に乾燥させることによって測定した。最初の質量と最後の質量との差により、湿分量を測定した。
【0038】
材料の粒径は場合により、好ましくは0.1〜40mm、特に好ましくは0.2〜20mmである。これは、乾燥前の半固体のペースト状フィルターケークを、造粒またはペレット成形プラントによって、あるいは押出プレス中で、0.2〜20mmの範囲の大きさを有する形成体に機械的に成形し、その後に空気中で、ベルトドライヤーまたは乾燥キャビネット中で乾燥させ、および/または乾燥後に好ましい粒径に機械的に粉砕することによって得ることができる。その後に、粒子は好ましくは0.01〜5mm、より好ましくは0.1〜1mmの粒径を有する。粒子は噴霧乾燥によって製造される場合には、これらは好ましくは<0.3mm、特に<0.2mmの粒径を有する。粒径の測定はマスターサイザー装置を用いておこなった(Malvern Instruments)。
【0039】
粒子は好ましくは100nmまで、好ましくは4〜50nmの一次粒径を有する。一次粒径は、装置によって走査型電子顕微鏡により測定された(装置:XL30 ESEM FEG、Philips)。
【0040】
粒子は、好ましくは>100m/g、特に>250m/gのBET表面積を有する。本発明による生成物のBETによる比表面積は、キャリアガス法を介して測定し(He:N=90:10)、DIN66131(1993)で定められる1点法(one-point methods)によって測定した。測定前に、試料を140℃で1時間に亘って、乾燥窒素流中で加熱した。
【0041】
運搬、交換または吸着体槽への装填における粒子の易取り扱い性に関して、粒子が可能なかぎり低い湿分を有していることは付加的に必要であり、さもなければ、一緒になって粘着する傾向を有し、かつもはや自由流動性がなくなる。したがって粒子は好ましくは流動性である。自由流動性(流れ試験)は、25gの試料を、生成物の粒度分散の上限に相当する篩目幅を有する直径200mmのDINラウンドシーブ上で、Haver & Boeckerシーブ分析装置 Haver EML200 Digtal plusN type中に均一に分散させ、かつ0.3mmの振幅によるシーブによって測定した。試料は、粒子が少なくとも>95%が1分内に篩分けされた場合には流動性とする。
【0042】
適用の範囲内で流れ試験としては定義されていないものの、粒子の自由流動性は、時間を測定することによって認識することができ、この場合、これは、100mlの容積の粒子が、DIN EN ISO2431:1996で示されたDINアウト流れビーカーを介して、自由に少しずつ落ち、8mm直径のオリフィスから搬出され、完全に空になるまでの時間である。
【0043】
本発明による粒子が、水、液体または気体の体積中に存在する汚染物質に関して高い結合能を有することが見出され、かつさらに、流動性媒体による機械的または水力学的応力に対して十分に高い安定性を有することが見出された。
【0044】
粒子は、好ましくはヒ素吸着試験によって、>55%、特に>80%のヒ素の吸着率を有していた。
【0045】
ヒ素吸着試験
ヒ素(V)の吸着を測定するために、5lのPE容器中で、3lのNaHAsO水溶液を、pH約8で定義された時間に亘って3gの試料を用いて、それぞれヒ素2.5〜3mg/lの示された濃度での試験下で処理し、かつ容器を回転ローラー上で、室温で撹拌した。定められた時間間隔の後に、約50mlの溶液を取り出し、0.45μmの孔径を有する酢酸セルロースメンブレンフィルターを介して濾過し、かつそのヒ素含量を測定した。水酸化鉄へのAsイオンの吸着を、120分後に溶液中に残留するAs5+イオンの濃度として定義し、かつ最初の濃度(=100%)と比較して、例における%を示した。
【0046】
Cd2+およびV5+の吸着を測定するために、5lのPE溶液中で、3lのCd(NOおよびNaVOの水性溶液を、pH7.5で、定義された期間に亘って、3gの試料を用いて、それぞれの場合においてCd2+またはV5+ 約2.4mg/lの濃度での試験下に処理し、かつ容器を、その回転ローラー("Rollenbock")上でのその軸線について、60rpmで室温で回転させ、撹拌した。定義された時間間隔の後に、溶液50mlを取り出し、0.45μmの孔径を有する酢酸セルロースフィルターを介して濾過し、かつこれらのヒ素含量を測定した。Asイオンの水酸化鉄への吸着は、120分後に溶液中で残留する重金属イオンの含量として定義し、かつヒ素と同様の方法で、最初の含量(=100%)と比較して、例における%として示した:
予め溶液中でのmg=100%;
120分後のmg=Y%;
120分後の吸着率:Z%=100%−Y%
装填されたオキシ水酸化鉄または溶液のAsおよび重金属含量は、DIN38406−29(1999)で定義されたように質量分析器(CIP−MS)によって測定するか、あるいは、EN−ISO11885(1998)として定義された光学的発光分光器(ICP−OES)を用いて、それぞれの場合において励起ユニットとして誘導的に導電プラズマを用いて測定した。
【0047】
本発明による粒子を製造するために、最初に微粉化されたオキシ水酸化鉄および/または酸化鉄の水性懸濁液を、従来技術にしたがって製造した。特に有利であるのは、実際に、鉄(II)塩溶液をNaOHおよび場合により空気で処理することによって、微粉化されたオキシ水酸化鉄を合成することを確立したことであり、それというのもこれらの合成方法は、特に微粉の(オキシ)水酸化物を製造することで、高い吸着強度に加えて最終的な金属の高い安定性を生じるためである。しかしながら、これらの要求を満たす特に好ましい水酸化鉄化合物は、鉄(III)化合物の加水分解によって形成される。
【0048】
高い比表面積を有するオキシ水酸化鉄は、特に好ましくは、Fe(III)塩と塩基との反応によって製造することができる。アルカリ溶液(NaOH、KOH、NH、NaCO、Ca(OH))を酸性Fe3+塩溶液(FeCl、FeSO、FeClSO、Fe(NOまたは他の溶解された塩)に、Fe3++3OH→Fe(OH)の反応の化学量論比にしたがって、pHがpH6〜8で安定するまで添加し、かつFe(OH)を定量的に沈殿させた。好ましい実施態様において、Fe(III)塩溶液を酸性のPH(特に好ましくは:pH4〜7)にすることで沈殿させ、その結果、Feはいまだ定量的に沈殿せず、それというのも、媒体の吸着特性は、わずかに酸性のpHで改善されるためである。前記反応は勿論可逆的に実施されてもよく、かつ酸性pHは、過剰量のFe3+塩によってか、あるいは酸の添加によって調製される。
【0049】
調節剤、たとえばSiO、亜鉛塩、アルミニウム塩またはマグネシウム塩、ヒドロキシカルボン酸、ホスフェート、メタホスフェートを反応に添加することができる。調節剤または特定の反応条件により、水酸化鉄の作用を増大させることができる。水性媒体中での沈殿工程の場合には、従来技術によれば、アルカリ環境下での沈殿は、酸性環境下中でのものよりも吸着性の低い粒子を生じる。たとえば、Fe(OH)の時効による結晶質FeOOH相の形成はさらに、濃縮および温度による特定の方法で調整することができる。
【0050】
反応条件によって、相δ−FeOOH、β−FeOOH、α−FeOOH、フェリハイドライトが得られてもよく、この場合、これらは、結晶化の程度に依存して、極めて高い比表面積を有し、したがってヒ素を極めて良好に吸着する。
【0051】
不良な結晶質相においては、X−線粉末回折図は広範囲の反射を示し、かつ分散された粒子試料の電子顕微鏡においては、数ナノメータの直径を有する微粉粒子が得られてもよい。
【0052】
使用される微粉化された水酸化鉄は、不規則な粒子形態を有する。走査型電子顕微鏡において、通常は凝集した、部分的に球晶の粒子の堆積がみられる。これらのばらばらの粒子は約50nmの直径を有する。BET表面積は50〜500m/g、好ましくは150〜350m/gの範囲である。
【0053】
一次粒径は、走査型電子顕微鏡による測定によって定められる(装置:XL30 ESEM FEG Philips)。一次粒径が、たとえばα−FeOOH相中でニードル状である場合には、粒径の尺度としてニードル幅が示されてもよい。ナノ粒子α−FeOOH粒子の場合には、100nmまでのニードル幅が観察されるが、しかしながら、主に4〜50nmである。ドーピングまたは特定の反応条件によって、ニードル幅はその長さ:幅の比において可変であってもよい。一次粒径が、たとえばフェリハイドライト、δ−GeOOH、α−Fe、γ−Fe、Fe相中で等長である場合には、粒子直径は絶対的に20nmを下廻るものであってもよい。
【0054】
X−線粉末回折図から推断することができるように、オキシ水酸化鉄は、ほぼ非晶質であってもよいか、あるいはフェリハイドライト構造を有するものであってもよい。
【0055】
水およびこれに溶解された成分は、種々の方法で製造された水酸化鉄化合物懸濁液から除去することができる。もっとも簡単な変法は、懸濁液からの完全な水の除去であり、たとえば、これは、噴霧乾燥および引き続いての、固体混合物の再分散による結晶化塩の抽出、その後に濾過、ペースト形成および/または造粒および乾燥によるものである。
【0056】
使用に関して、粒子/触媒の機械的強度に関して高い要求がされる場合には、懸濁液を濾過または遠心分離し、残留物を洗浄することによって本質的に塩不含にする。記載された粒子の安定性は、他の塩含量が5%までであっても、なおも十分な安定性を有することが見出された。残留物として得られる(濾過)ケークは、固体から半固体のペーストである。その後にこれは、完全または部分的に脱水されてもよく、かつ得られる材料はその後に、好ましい形状および/または大きさに粉砕される。粒子の後の使用は、これらの製造における好ましい方法を決定し、かつ当業者に公知のそれぞれの適用に関して簡単な予備試験によって測定することができる。直接乾燥された濾過ケークのみならず、乾燥された成形体はその後に触媒または吸着体として使用することができる。
【0057】
粒子を製造するための他の方法として、半湿性ペーストのペレット形成自体が確立されている。この方法において、ペレットまたはロッドは、半固体ペーストから、たとえば簡単な送り穴付きシート、ローラープレスまたは押出機によって成形され、かつこれらは直接的に乾燥されるか、あるいはこれらの押出物は、付加的にペレット成形機によって球状または粒子形状にされる。なおも湿性のビーズまたは粒子は、その後に任意の好ましい湿性含分に乾燥することができる。粒子が一緒になって凝集しないように、<50%、好ましくは<30%、特に好ましくは<20%の残留湿分量であることが好ましい。
【0058】
噴霧造粒によって、たとえば極めて微粉粒子を製造することができ、この場合、これらは、極めて高い外部触媒表面積を提供する。粒子の外表面において、最初に溶解された鉄との接触が生じる。鉄の粒子の孔およびチャネルへの拡散および吸着プロセスが生じるが、これらは、一定の接触時間の後まで生じるものではない。
【0059】
これらの高い密度および吸着安定性のために、さらに噴霧粒子をフィルター系において顕著な圧力低下なく使用することができ、この場合、これらはたとえばアップフロー中で使用することができる。しかしながら、これらの粒子の好ましい使用は、極めて短い接触時間で、ヒ素および他の汚染物質に関しての高い吸着能力を有するカートリッジの使用であるが、この場合、同時に、高い摩耗安全性を保証すべきである。
【0060】
このような球状または均一粒子形状は、固定床吸着体の使用に関して、ロッドの形状での不規則に粗く粉砕された粒子またはペレットと比較して、吸着体容器中で良好な床を得られることから有利である。
【0061】
一般に、たとえばSolid-Liquid Filtration and Separation Technology, A. Rushton, A. S., Ward R. G., Holdich, 2nd edition 2000, Wiley- VCH, Weinheim and also Handbuch der Industiellen Fest/Fluessig-Filtration[Handbook of Industrial Solid/Liquid Filtration], H. Gasper, D. Oechsle, E. Pongratz, 2nd edition 2000, Wiley-VCH Weinheimで記載されているように、懸濁液の濾過挙動を改善し、濾過を改善させるための通常の尺度を使用することが可能である。たとえば、凝集剤を懸濁液に添加することができる。
【0062】
本発明によれば、微粉化されたオキシ水酸化鉄または酸化鉄の懸濁液は、さらに常用の粉末のオキシ水酸化鉄または酸化鉄または他の充填剤と一緒に、粒子の安定性を減少させることなく混合することができる。それぞれの量は、これらの粉末のオキシ水酸化鉄または酸化鉄の性質を介して測定され、かつ本発明による生成物はその機械的安定性および吸着強度に対して要求される。粉末顔料の添加は、一般に、本発明による生成物の機械的強度を減少させることができるけれども、微粉化された懸濁液の濾過は容易になる。この適用領域における当業者によれば、いくつかの予備試験のみによって、最適な混合比を決定することが可能である。
【0063】
付加的またはこれの代わりに、オキシ水酸化鉄、炭酸鉄を使用することができる。
【0064】
本発明による生成物は、空気中での乾燥、および/または減圧下で、および/または乾燥キャビネット中および/またはベルトドライヤー上での乾燥、あるいは噴霧乾燥を、好ましくは−25〜250℃で、特に好ましくは60〜120℃の温度でおこなうことができる。乾燥は有利には250℃までの温度で実施される。さらに材料の真空乾燥または凍結乾燥が可能である。
【0065】
本発明による生成物は、好ましくは50質量%未満の残含水量を有する。
【0066】
さらに、前記方法により可能な生成物は、たとえば破砕または粉砕によってさらに細分することができる。生成物は最初に水と接触する際に、たとえば、水で新鮮に装填された吸着体装置の最初に充填の間に、自動的に細分化するが、しかしながらこれは一般には不必要であってもよい。この場合において、ランダムな粒度分布が生じるが、しかしながら流動性媒体によって吸着体から顕著に搬出される粒径は存在しない。
【0067】
必要に応じて、分離造粒を完全に省略することも可能であるが、通常のオキシ水酸化鉄を(自由流動性)粉末の形で使用する場合には、他のバインダーを用いること、あるいは圧縮の間の極めて高いライナー応力(liner force)を省略することができる。
【0068】
当業者に公知のバインダーは、粒子の団結させるために使用することができるけれども、本発明による粒子は、バインダーを使用することなく良好な安定性を有するものである。
【0069】
さらに本発明は、汚染物質および/または重金属、たとえばリン酸塩、およびアンチモニン、ベリリウム、セレン、テルル、硫黄、シアニドおよびヒ素の化合物を、流動性媒体、たとえばガスおよび/または液体、たとえば水または廃水から除去するための粒子の使用に関する。また香気物質も吸着する。
【0070】
粒子は、特に好ましくは、水または廃水からヒ素化合物を除去するために使用される。
【0071】
多くの試験に基づいて、本発明の粒子を用いることによって、ヒ素イオンと親近構造のイオン、たとえばホスフェート、アンチモネート、モリブデート、クロメート、タングステート、バナデートイオンを吸着することができる。
【0072】
この技術分野における好ましい使用は、水、特に飲料水の浄化である。ごく近年において、特に、飲料水からのヒ素の除去について注目されている。本発明による粒子は、この目的のために特に適しており、たとえUS当局EPAによって確立されている下限値を達成するのみならず、本発明による粒子を使用することによってさらに改善することができる。
【0073】
粒子は、好ましくは、水処理系、たとえばカートリッジにおいて水または廃水からヒ素化合物を除去するために使用される。
【0074】
本発明は、詳細には以下の実施例において記載されるが、この場合、これらに制限されることはない。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】濁度試験後に摩耗サイクルを増加させることによる、上清溶液の濁度の測定を示す図。
【実施例】
【0076】
例1
Fe(SO 107g/lの溶液 76mを50℃で加熱し、その後に61分に亘って、約15mのNaOH溶液(300g/l)を用いて、1500m/hの空気と同時にガス導入をおこないながら、最終pHを9.2にした。添加が完了した後に、さらにバッチを22分に亘ってガス導入しながら撹拌した。バッチをフィルタープレス上で洗浄し、濾液を<1000μS/cmの導電度にし、濾過ペーストを、ペースト成形機を介してベルトドライヤー上に導き、かつ乾燥させた。粒子画分0.5〜2mmについて試験した。
BET:326m/g;
摩耗(摩耗試験):2.4%;
2コース終了後の濁度(濁度試験):250FNU;
5コース終了後の濁度(濁度試験):135FNU;
含水率:9%;
かさ密度:0.94g/cm
相分析:主要構成成分−FeOOH
120分後のAs(V)吸着率:59.3%;
120分後のCd2+吸着率:54.2%;c=2.4mg/l;c(120分)=1.1mg/l
120分後のV5+吸着率:33.3%;c=2.4mg/l;c(120分)=1.6mg/l
流れ試験:流れあり。
【0077】
例1A
洗浄した濾過ペーストの一部を、0.8mmのノズルを用いて噴霧乾燥させた。これは、主に30〜200μmの極めてせまい粒度分布を示す:D(v,0.1)=58.97μm;D[3.2]=91.36μm
BET:326m/g
2コース終了後の濁度(濁度試験):28FNU;
5コース終了後の濁度(濁度試験):16FNU;
含水率:22.3%;
かさ密度:1.00g/cm
120分後のAs(V)吸着率:96.4%;
流れ試験;流れあり。
【0078】
【表1】

【0079】
例2
Fe(SO 106.3g/lを有する溶液 76mを45℃に加熱し、その後に50分に亘って、約13mのNaOH溶液を用いて、1500m/hの空気と同時にガス導入をおこないながら、最終pHを4.7にした。添加完了時に、さらにバッチを28分に亘ってガス導入しながら撹拌した。バッチの一部分をフィルタープレス上で洗浄し、濾液を<1000μS/cmの導電度にし、濾過ペーストを、ペースト成形機(6.5mmの送り穴付きフィルムを有する)を介してベルトドライヤー上に導き、かつ、乾燥させた。粒子画分0.5〜2mmについて試験した。
BET:185m/g;
摩耗率(摩耗試験):4.7%;
含水率:6.0%;
かさ密度:0.94g/cm
120分後のAs(V)吸着率:63.0%;
相分析:主要構成成分=FeOOH;
流れ試験:流れあり。
【0080】
例2A
洗浄した濾過ペーストの一部を混合し、9.5%の固体を有する懸濁液を形成し、かつ0.8mmのノズルを用いてノズル噴霧乾燥により乾燥させた。
BET:326m/g
含水率:16.9%;
かさ密度:1.08g/cm
2コース終了後の濁度(濁度試験):276FNU;
5コース終了後の濁度(濁度試験):76FNU;
120分後のAs(V)吸着率:98.8%;
120分後のV5+吸着率:54.2%;c=2.4mg/l;c(120分)=1.1mg/l
流れ試験;流れあり。
【0081】
【表2】

【0082】
例3
NaOH溶液(100g/l) 7.5lを装填し、撹拌しながら70℃に加熱し、かつ30分に亘って、FeClSO溶液(100g/l) 13.5lと一緒に混合することでpH5にした。さらにバッチを30分に亘って撹拌した。5lの懸濁液を吸引フィルター上で洗浄し、<1000μS/cmの導電度にし、その後に75℃で乾燥させた。乾燥した固体は2mmのシーブを介し、かつ<0.5mmの微粉画分について濾別した。
BET:304m/g
摩耗率(摩耗試験):1.1%;
2コース終了後の濁度(濁度試験):167FNU;
5コース終了後の濁度(濁度試験):152FNU;
含水率:11.4%;
かさ密度:1.0g/cm
120分後のAs(V)吸着率:64.3%;
流れ試験:流れあり;
相:場合により不良な結晶質δ−FeOOH。
【0083】
【表3】

【0084】
例4
Fe(SO溶液(107g/l) 12.2lを装填し、撹拌しながら70℃で加熱し、かつ30分に亘って、NaOH溶液(100g/l) 9.01lと一緒に混合し、pH5にした。さらにバッチを30分に亘って撹拌した。5lの懸濁液を吸引フィルター上で洗浄し、<1000μS/cmの導電度にし、その後に75℃で乾燥させた。乾燥した固体について2mmの篩いに通し、微粉画分<0.5mmを濾別した。
BET:312m/g;
摩耗率(摩耗試験):0.7%
2コース終了後の濁度(濁度試験):135FNU;
5コース終了後の濁度(濁度試験):139FNU;
含水率:12.7%;
かさ密度:0.89g/cm
120分後のAs(V)吸着率:81.4%;
流れ試験:流れあり
相:X−線 非晶質。
【0085】
【表4】

【0086】
例5
脱イオン水 956lを撹拌式反応器中に装填し、撹拌しながら、FeClSO溶液(FeClSO 40.73%含有) 280kgを添加し、かつ溶液を50℃で加熱した。その後に溶液をNaOHで(100g/l)、25〜30kg/分でpH5.0で沈殿させ、さらに30分に亘って撹拌させた。懸濁液をフィルタープレス上で洗浄し、<1000μS/cmの導電度にし、その後に循環空気乾燥キャビネット中で、75℃で乾燥させた。乾燥固体は2mmの篩いを通し、かつ微粉画分<0.5mmを濾別した。
BET:334m/g;
摩耗率(摩耗試験):3.6%;
2コース終了後の濁度(濁度試験):219FNU;
5コース終了後の濁度(濁度試験):330FNU;
含水率:6.5%;
かさ密度:0.51g/cm
120分後のAs(V)吸着率:97.3%;流れ試験:流れあり;
相:場合により不良な結晶化δ−FeOOH
【表5】

【0087】
【表6】

【0088】
図1は、上清溶液の濁度の測定を示し、その際、濁度試験後に吸着サイクルを増加させた。ここでy軸は濁度の単位を示し(FNU)、その一方でx軸はコースの数を示す。図において、グラフには、市販のBayoxide(R)E33をAとして、例1をBとして、例1AをCとして例2AをDとして、例3をEとして、例4をFとして、かつ例5をGとして示した。図1は、Bayoxide(R)E33が、通常、摩耗値を示し、それによって濁度が非常に高くなる一方で本発明による粒子は、極めて低い濁度を示した。本発明による生成物は例として示した。
【符号の説明】
【0089】
A Bayoxide(R)E33、 B 例1、 C 例1A、 D 例2A、 E 例3、 F 例4、 G 例5

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中で定義された濁度試験によって<600FNUの濁度を有する、本質的に酸化鉄および/またはオキシ水酸化鉄から成る粒子。
【請求項2】
汚染物質および/または重金属、たとえばリン酸塩およびアンチモン、ベリリウム、セレン、テルル、硫黄、シアニドおよびヒ素の化合物を、流動性媒体、たとえばガスおよび/または液体、たとえば水または廃水から除去するための、請求項1に記載の粒子の使用。

【図1】
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【公開番号】特開2012−71305(P2012−71305A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249148(P2011−249148)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【分割の表示】特願2005−108089(P2005−108089)の分割
【原出願日】平成17年4月4日(2005.4.4)
【出願人】(504419760)ランクセス ドイチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (58)
【氏名又は名称原語表記】Lanxess Deutschland GmbH
【住所又は居所原語表記】D−51369 Leverkusen, Germany
【Fターム(参考)】