定期券発行機
【課題】発駅、着駅及び経由からなる経路設定を容易に行うことが可能な定期券発行機を提供すること。
【解決手段】発着駅を入力する際、定期券発行機の設置駅を発駅とする全経路で累積発行枚数が多いものから順に操作表示部50に表示する(S1)。表示された経路に一致するか確認する(S2)。一致した場合には経路を選択し、一致しない場合には、発駅入力画面を表示して発駅を入力する。入力された発駅に対する全経路で、累計発行枚数が多いものから順に経路を表示する(S4)。表示された経路に一致するか確認する(S5)。一致した場合には、経路を入力し、一致しない場合には着駅入力画面を表示して着駅を入力する(S6)。発駅、着駅に対する全経路で累計発行枚数が多いものから順に経路を表示し(S7)。一致した経路を入力する(S8)。
【解決手段】発着駅を入力する際、定期券発行機の設置駅を発駅とする全経路で累積発行枚数が多いものから順に操作表示部50に表示する(S1)。表示された経路に一致するか確認する(S2)。一致した場合には経路を選択し、一致しない場合には、発駅入力画面を表示して発駅を入力する。入力された発駅に対する全経路で、累計発行枚数が多いものから順に経路を表示する(S4)。表示された経路に一致するか確認する(S5)。一致した場合には、経路を入力し、一致しない場合には着駅入力画面を表示して着駅を入力する(S6)。発駅、着駅に対する全経路で累計発行枚数が多いものから順に経路を表示し(S7)。一致した経路を入力する(S8)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定期券発行機などの駅務システムにおいて、特に優先経由候補表示機能を有する定期券発行機に関する。
【背景技術】
【0002】
駅係員が利用客の求めに応じて定期券を発行する場合、駅係員は、当該定期券発行機の操作画面から発駅、着駅、経由、開始日、通勤・通学、通用期間(1・3・6ヶ月)、男・女、割引(一般・身障・介護など)などの情報を入力する必要がある。
【0003】
図11は、従来の定期券発行に係る発駅、着駅及び経由からなる経路設定処理フローチャートである。初めに駅係員が発駅を入力し(S21)、次に着駅を入力すると(S22)、当該発駅、着駅に対する経由が表示される(S23)。駅係員は、当該表示された経由が複数ある場合にはその中から利用客の希望する経由を選択することにより(S24)、経路が設定される。
【0004】
この経由設定方法の際、経由候補の中で利用頻度の一番高い経由あるいは発駅から着駅までの距離が一番短い経由が用いられる場合には、経由指示の釦操作を不要にできる定期券発行装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−93596号公報(第4頁、図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、定期券の発行業務は、上述した様々な情報を間違わずに入力することが要求されるため、駅係員の労力が大きいという課題がある。さらに、上記特許文献1では、発駅、及び着駅の入力を必須要件としており、当該発駅、着駅に対して利用頻度の一番高い経由を選択する方法が用いられており、定期券発行機を設置する設置駅が発駅になる場合が多いこと、又は発駅若しくは着駅の何れかを入力したときに経路表示を行わないなど、経路設定が複雑であるという課題があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、定期券発行機に記憶モードを用意し、上述した経路選択の際には、経路をよく使用される順番に表示することにより経路を選択する操作性を改善した定期券発行機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載の定期券発行機は、駅係員が発駅、着駅、経由、期間及び個人情報などからなる購入情報に基づいて定期券などの媒体を発行する定期券発行機であって、少なくとも、新規媒体発行を指示する新規媒体発行及び購入情報を入力するための入力手段を指示するカード業務購入情報を選択できる操作手段と、この操作手段によって新規媒体発行が選択されたときに発行媒体のイメージである新規媒体発行画面を表示する第1の表示手段と、前記操作手段によってカード業務購入情報が選択されたときに購入情報入力画面を表示する第2の表示手段と、この第2の表示手段に表示された購入情報入力画面から購入情報を入力することができる入力手段と、この入力手段によって発駅入力が可能になったとき、当該定期券発行機を設置する設置駅を発駅とする全経路で累積発行枚数が多い発駅、着駅及び経由からなる経路の上位経路から表示し、当該表示された経路に購入情報が一致する場合に選択することにより経路を設定する優先経路処理手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
定期券発行機において、発駅、着駅及び経由からなる経路設定の際には、発駅又は着駅に対する全経路で累計発行枚数が多い経路の上位から順番に表示することにより経路設定の操作性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施例に係る定期券発行機の外観図
【図2】図1に示す定期券発行機に設けられた操作部の一例
【図3】図2に示す「新規媒体発行」を押下した際に表示部に表示される新規媒体発行画面
【図4】図2に示す「カード業務購入情報」を押下した際に操作表示部に表示される購入情報入力画面
【図5】本実施例の経路を説明するための経路図
【図6】操作表示部50に表示された経路候補表示画面の一例
【図7】操作表示部50に表示された経路候補表示画面の一例
【図8】操作表示部50に表示された経路候補表示画面の一例
【図9】駅名表示画面の一例
【図10】本発明の優先経路処理手段を説明するフローチャート
【図11】従来の経路処理
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の優先経路処理は、駅係員が係員用定期券発行機を用いて定期券を発行する際の優先経路設定に用いることにより効率的に定期券を発行することができる。本発明を実施するための形態は以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【実施例】
【0012】
図1は、本発明の実施例に係る定期券発行機1の外観図である。定期券発行機1には、本発明に係る非接触ICカード(以下、ICカード又は定期券と称する。)Tを発行する装置で、操作部(操作手段)10、ICカード出入口20、磁気定期券出入口30、定期券申込用紙出入口40、第2の表示手段及び入力手段としての操作表示部50及び表示部(第1の表示手段)60などが設けられている。
【0013】
操作部(操作手段)10には、駅係員が定期券を発行するための操作を行う各種スイッチ(釦)が配置されている。
【0014】
ICカード出入口20は、ICカードで構成された定期券の出入口である。定期券を新規に発行する場合にはここから定期券が排出される。また、定期券の期間、区間などの変更又は更新を行う場合には、ここに既存の定期券を挿入する。挿入された定期券は、内部に配置された非接触ICカードの読取・書込装置(図示しない)によって読取り又は書込まれる。
【0015】
磁気定期券出入口30は、磁気定期券の出入口である。上記ICカード同様に内部に設けられた読取・書込装置(図示しない)によって読取り又は書込みが行われ、磁気定期券の新規発行又は更新が行われる。
【0016】
定期券申込用紙出入口40は、定期券の申込用紙の出入口で、この定期券申込用紙出入口40から挿入された申込用紙は内部に設けられた光学式読取装置(図示しない)によって読取られ、必要に応じて表示部60に表示される。
【0017】
なお、駅係員は申込用紙を確認しながら、定期券の購入情報を操作表示部50の購入情報入力画面から入力した後に、当該定期券申込用紙を定期券申込用紙出入口40に挿入して取込ませて保管する場合もある。これらは定期券申込用紙の運用方法に関するものであり、本発明の趣旨ではないため詳細の説明を省略する。
【0018】
操作表示部50は、操作部10で指示された内容を表示する。この操作表示部50には、表示部にタッチパネルが設けられており、操作表示を行うと共に、発駅、着駅、経由などの選択又は個人情報などの購入情報を入力することができる。
【0019】
図2は、図1に示す定期券発行機1に設けられた操作部10の一例である。この操作部10は定期券発行機1を設置する会社線又は設置場所などによって変更される場合があるため、その一例を示す。
【0020】
図3は、図2に示す操作部10の「新規媒体発行」11を押下した際に表示部60に表示される新規媒体発行画面61の一例である。なお、図示した一例は、後述するカード業務購入情報の一部が既に入力された後の状態を表示している。
【0021】
図4は、図2に示す操作部10の「カード業務購入情報」12を押下した際に操作表示部50に表示される購入情報入力画面51である。
【0022】
例えば、新規に定期券を発行する場合には、操作部10の「新規媒体発行」11を押下(選択)して新規媒体発行画面を表示し、続けて「カード業務購入情報」12を押下して操作表示部50に定期券購入者の乗車情報及び個人情報を入力するためのキーボード状入力手段からなる購入情報入力画面51を表示する。
【0023】
この購入情報入力画面51の「氏名」51aを選択し、当該画面に配置された入力手段51d用いて氏名が入力できる。同様に「電話」51cを選択して電話番号が入力でき、「年令」及び「明治」「大正」「昭和」「平成」の何れかを選択して生年月日が入力できる。
【0024】
上述した図3には、このようにして入力された購入情報が表示される。図中、No.3には発駅、着駅及び経由が表示される。
【0025】
発駅:分倍河原
着駅:川崎
期間:18年04月01日から 18年04月30日まで
【0026】
図5は、本実施例の経路を説明するための経路図の一例である。図示した例は、定期券発行機をA駅に設置した場合を示す。この場合、発駅がA駅で着駅がF駅の場合の主な経路は、下記経路41〜経路43の3種類ある。
【0027】
経路41:A駅(発駅)→B駅(経由駅)→C駅(経由駅)→F駅(着駅)
経路42:A駅(発駅)→D駅(経由駅)→E駅(経由駅)→F駅(着駅)
経路43:A駅(発駅)→B駅(経由駅)→E駅(経由駅)→F駅(着駅)
【0028】
図6〜図9は、既存のJR東(登録商標)に本実施例の定期券発行機1を設置した場合の操作表示部50に表示された経路表示の一例である。図10は、本実施例の優先経路処理手段を説明するフローチャートである。以下、このフローチャートを図6〜図9を参照しながら以下の定期券発行条件の場合について説明する。
【0029】
定期券発行機1の設置場所:分倍河原駅
発駅:分倍河原駅
着駅:川崎駅
【0030】
図3に示す新規媒体発行画面61において、No.3に示す発着駅を入力する際、定期券発行機の設置駅(A駅)を発駅とする全経路で累積発行枚数が多いもの
から順に経路を操作表示部50の経路候補表示画面に表示する(S1)。
【0031】
本実施例の場合、下記に示す経路52a〜52eが図6に示す経路候補表示画面52に表示される。
【0032】
経路52a:分倍河原―府中―新宿
経路52b:分倍河原―立川―新宿
経路52c:分倍河原―府中―新宿―四谷―東京
経路52d:分倍河原―南多摩―川崎
経路52e:分倍河原―立川―新宿―四谷―東京
【0033】
新規発行予定の定期券が表示された発駅、着駅、経由からなる経路に一致するか確認する(S2)。一致した場合には(S2のYes)、経路設定処理に移行する。一致しない場合(S2のNo)、発駅入力画面を表示して発駅(A駅)を選択して入力する。
【0034】
本実施例の場合、発駅が分倍河原駅で、着駅が川崎駅であるため経路52dが一致する。もし、一致する駅がない場合には、「発着リセット」51eを押下し、例えば、図9に示す駅名表示の中から発駅を選択して入力する。発駅の駅名がない場合には「ページ指定」55aを切り替え、新たに表示された駅名表示の中から選択することができる。
【0035】
上記、発駅に対する全経路で、累計発行枚数が多いものから順に経路を表示する(S4)。
【0036】
表示された発駅、着駅、経由からなる経路に一致するか確認する(S5)。一致した場合には(S5のYes)、経路設定処理に移行する。一致しない場合(S5のNo)、着駅入力画面を表示して着駅(例えばB駅)を選択して入力する(S6)。
【0037】
本実施例の場合、例えば、乗車区間が分倍河原駅、川崎駅間であっても、発駅を川崎駅に設定した場合には図7に示す経路53a〜53eが経路候補表示画面53に表示される。この場合には、一致する経路がないため、図9に示す駅名表示の中から「分倍河原」駅55bを選択して入力することになる。
【0038】
発駅(A駅)、着駅(B駅)に対する全経路で累計発行枚数が多いものから順に経路を表示する(S7)。
【0039】
表示された発駅、着駅、経由からなる経路に一致するか確認し、一致した場合には発駅、着駅及び経由からなる経路を選択して入力する。一方、一致しない場合には、経路を選択して入力する(S8)。
【0040】
図8は、発駅が川崎駅で着駅が荻窪駅である定期券を荻窪駅に設置された定期券発行機で発行する場合を示す。この場合には発駅:川崎駅、着駅:荻窪駅である定期券の累計発行枚数が多いものから図示してように表示される。この場合には複数の経路があるため、定期券利用者の希望する経路を選択して入力することにより経路を設定できる。
【0041】
指定した経路の累積枚数を1プラスする(S9)。定期券の購入者情報を入力する(S10)。
【0042】
入力された情報を確認し、間違いがなければ、操作表示部10の「スタート」13を押下して定期券を発行する(S11)。
【0043】
以上説明したように本発明の実施例によれば、定期券発行駅の設置駅を発駅とする全経路で累積枚数の多いものから表示するため、ヒットする確立が高く、特に発着駅及び経路駅の多い場合には、発着駅及び経路の入力が複雑になるがそれを簡略化することができる。
【0044】
本実施例では、定期券発行機を設置した設置駅ごとに発駅に対する累積発行枚数の多いものから順に表示することを特徴としており、単に発駅、着駅、経由の使用累積頻度の大きいものから表示する方法(単純累積頻度法)と異なる。
【0045】
単に累積頻度が大きいものから表示する方法(単純累積頻度法)は、使用累積頻度が大きい規模の大きい駅に設置した定期券発行機の場合には、表示された発駅、着駅、経由のヒット確立が本発明の方法と同様の結果が得られるものと推定されるが、規模がそれ程大きくない駅に設置された定期券発行機の場合には、当該設置駅を発駅又は着駅とする定期券の発行が多く、単純累積頻度による表示方法ではその効果は十分に得られない。このような場合に本発明の累積頻度法が効果的である。
【符号の説明】
【0046】
T ICカード(定期券)
1 定期券発行機
10 操作部
20 ICカード出入口
50 操作表示部
51 購入情報入力画面
52、53、54 経路候補表示画面
60 表示部
【技術分野】
【0001】
本発明は、定期券発行機などの駅務システムにおいて、特に優先経由候補表示機能を有する定期券発行機に関する。
【背景技術】
【0002】
駅係員が利用客の求めに応じて定期券を発行する場合、駅係員は、当該定期券発行機の操作画面から発駅、着駅、経由、開始日、通勤・通学、通用期間(1・3・6ヶ月)、男・女、割引(一般・身障・介護など)などの情報を入力する必要がある。
【0003】
図11は、従来の定期券発行に係る発駅、着駅及び経由からなる経路設定処理フローチャートである。初めに駅係員が発駅を入力し(S21)、次に着駅を入力すると(S22)、当該発駅、着駅に対する経由が表示される(S23)。駅係員は、当該表示された経由が複数ある場合にはその中から利用客の希望する経由を選択することにより(S24)、経路が設定される。
【0004】
この経由設定方法の際、経由候補の中で利用頻度の一番高い経由あるいは発駅から着駅までの距離が一番短い経由が用いられる場合には、経由指示の釦操作を不要にできる定期券発行装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−93596号公報(第4頁、図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、定期券の発行業務は、上述した様々な情報を間違わずに入力することが要求されるため、駅係員の労力が大きいという課題がある。さらに、上記特許文献1では、発駅、及び着駅の入力を必須要件としており、当該発駅、着駅に対して利用頻度の一番高い経由を選択する方法が用いられており、定期券発行機を設置する設置駅が発駅になる場合が多いこと、又は発駅若しくは着駅の何れかを入力したときに経路表示を行わないなど、経路設定が複雑であるという課題があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、定期券発行機に記憶モードを用意し、上述した経路選択の際には、経路をよく使用される順番に表示することにより経路を選択する操作性を改善した定期券発行機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載の定期券発行機は、駅係員が発駅、着駅、経由、期間及び個人情報などからなる購入情報に基づいて定期券などの媒体を発行する定期券発行機であって、少なくとも、新規媒体発行を指示する新規媒体発行及び購入情報を入力するための入力手段を指示するカード業務購入情報を選択できる操作手段と、この操作手段によって新規媒体発行が選択されたときに発行媒体のイメージである新規媒体発行画面を表示する第1の表示手段と、前記操作手段によってカード業務購入情報が選択されたときに購入情報入力画面を表示する第2の表示手段と、この第2の表示手段に表示された購入情報入力画面から購入情報を入力することができる入力手段と、この入力手段によって発駅入力が可能になったとき、当該定期券発行機を設置する設置駅を発駅とする全経路で累積発行枚数が多い発駅、着駅及び経由からなる経路の上位経路から表示し、当該表示された経路に購入情報が一致する場合に選択することにより経路を設定する優先経路処理手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
定期券発行機において、発駅、着駅及び経由からなる経路設定の際には、発駅又は着駅に対する全経路で累計発行枚数が多い経路の上位から順番に表示することにより経路設定の操作性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施例に係る定期券発行機の外観図
【図2】図1に示す定期券発行機に設けられた操作部の一例
【図3】図2に示す「新規媒体発行」を押下した際に表示部に表示される新規媒体発行画面
【図4】図2に示す「カード業務購入情報」を押下した際に操作表示部に表示される購入情報入力画面
【図5】本実施例の経路を説明するための経路図
【図6】操作表示部50に表示された経路候補表示画面の一例
【図7】操作表示部50に表示された経路候補表示画面の一例
【図8】操作表示部50に表示された経路候補表示画面の一例
【図9】駅名表示画面の一例
【図10】本発明の優先経路処理手段を説明するフローチャート
【図11】従来の経路処理
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の優先経路処理は、駅係員が係員用定期券発行機を用いて定期券を発行する際の優先経路設定に用いることにより効率的に定期券を発行することができる。本発明を実施するための形態は以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【実施例】
【0012】
図1は、本発明の実施例に係る定期券発行機1の外観図である。定期券発行機1には、本発明に係る非接触ICカード(以下、ICカード又は定期券と称する。)Tを発行する装置で、操作部(操作手段)10、ICカード出入口20、磁気定期券出入口30、定期券申込用紙出入口40、第2の表示手段及び入力手段としての操作表示部50及び表示部(第1の表示手段)60などが設けられている。
【0013】
操作部(操作手段)10には、駅係員が定期券を発行するための操作を行う各種スイッチ(釦)が配置されている。
【0014】
ICカード出入口20は、ICカードで構成された定期券の出入口である。定期券を新規に発行する場合にはここから定期券が排出される。また、定期券の期間、区間などの変更又は更新を行う場合には、ここに既存の定期券を挿入する。挿入された定期券は、内部に配置された非接触ICカードの読取・書込装置(図示しない)によって読取り又は書込まれる。
【0015】
磁気定期券出入口30は、磁気定期券の出入口である。上記ICカード同様に内部に設けられた読取・書込装置(図示しない)によって読取り又は書込みが行われ、磁気定期券の新規発行又は更新が行われる。
【0016】
定期券申込用紙出入口40は、定期券の申込用紙の出入口で、この定期券申込用紙出入口40から挿入された申込用紙は内部に設けられた光学式読取装置(図示しない)によって読取られ、必要に応じて表示部60に表示される。
【0017】
なお、駅係員は申込用紙を確認しながら、定期券の購入情報を操作表示部50の購入情報入力画面から入力した後に、当該定期券申込用紙を定期券申込用紙出入口40に挿入して取込ませて保管する場合もある。これらは定期券申込用紙の運用方法に関するものであり、本発明の趣旨ではないため詳細の説明を省略する。
【0018】
操作表示部50は、操作部10で指示された内容を表示する。この操作表示部50には、表示部にタッチパネルが設けられており、操作表示を行うと共に、発駅、着駅、経由などの選択又は個人情報などの購入情報を入力することができる。
【0019】
図2は、図1に示す定期券発行機1に設けられた操作部10の一例である。この操作部10は定期券発行機1を設置する会社線又は設置場所などによって変更される場合があるため、その一例を示す。
【0020】
図3は、図2に示す操作部10の「新規媒体発行」11を押下した際に表示部60に表示される新規媒体発行画面61の一例である。なお、図示した一例は、後述するカード業務購入情報の一部が既に入力された後の状態を表示している。
【0021】
図4は、図2に示す操作部10の「カード業務購入情報」12を押下した際に操作表示部50に表示される購入情報入力画面51である。
【0022】
例えば、新規に定期券を発行する場合には、操作部10の「新規媒体発行」11を押下(選択)して新規媒体発行画面を表示し、続けて「カード業務購入情報」12を押下して操作表示部50に定期券購入者の乗車情報及び個人情報を入力するためのキーボード状入力手段からなる購入情報入力画面51を表示する。
【0023】
この購入情報入力画面51の「氏名」51aを選択し、当該画面に配置された入力手段51d用いて氏名が入力できる。同様に「電話」51cを選択して電話番号が入力でき、「年令」及び「明治」「大正」「昭和」「平成」の何れかを選択して生年月日が入力できる。
【0024】
上述した図3には、このようにして入力された購入情報が表示される。図中、No.3には発駅、着駅及び経由が表示される。
【0025】
発駅:分倍河原
着駅:川崎
期間:18年04月01日から 18年04月30日まで
【0026】
図5は、本実施例の経路を説明するための経路図の一例である。図示した例は、定期券発行機をA駅に設置した場合を示す。この場合、発駅がA駅で着駅がF駅の場合の主な経路は、下記経路41〜経路43の3種類ある。
【0027】
経路41:A駅(発駅)→B駅(経由駅)→C駅(経由駅)→F駅(着駅)
経路42:A駅(発駅)→D駅(経由駅)→E駅(経由駅)→F駅(着駅)
経路43:A駅(発駅)→B駅(経由駅)→E駅(経由駅)→F駅(着駅)
【0028】
図6〜図9は、既存のJR東(登録商標)に本実施例の定期券発行機1を設置した場合の操作表示部50に表示された経路表示の一例である。図10は、本実施例の優先経路処理手段を説明するフローチャートである。以下、このフローチャートを図6〜図9を参照しながら以下の定期券発行条件の場合について説明する。
【0029】
定期券発行機1の設置場所:分倍河原駅
発駅:分倍河原駅
着駅:川崎駅
【0030】
図3に示す新規媒体発行画面61において、No.3に示す発着駅を入力する際、定期券発行機の設置駅(A駅)を発駅とする全経路で累積発行枚数が多いもの
から順に経路を操作表示部50の経路候補表示画面に表示する(S1)。
【0031】
本実施例の場合、下記に示す経路52a〜52eが図6に示す経路候補表示画面52に表示される。
【0032】
経路52a:分倍河原―府中―新宿
経路52b:分倍河原―立川―新宿
経路52c:分倍河原―府中―新宿―四谷―東京
経路52d:分倍河原―南多摩―川崎
経路52e:分倍河原―立川―新宿―四谷―東京
【0033】
新規発行予定の定期券が表示された発駅、着駅、経由からなる経路に一致するか確認する(S2)。一致した場合には(S2のYes)、経路設定処理に移行する。一致しない場合(S2のNo)、発駅入力画面を表示して発駅(A駅)を選択して入力する。
【0034】
本実施例の場合、発駅が分倍河原駅で、着駅が川崎駅であるため経路52dが一致する。もし、一致する駅がない場合には、「発着リセット」51eを押下し、例えば、図9に示す駅名表示の中から発駅を選択して入力する。発駅の駅名がない場合には「ページ指定」55aを切り替え、新たに表示された駅名表示の中から選択することができる。
【0035】
上記、発駅に対する全経路で、累計発行枚数が多いものから順に経路を表示する(S4)。
【0036】
表示された発駅、着駅、経由からなる経路に一致するか確認する(S5)。一致した場合には(S5のYes)、経路設定処理に移行する。一致しない場合(S5のNo)、着駅入力画面を表示して着駅(例えばB駅)を選択して入力する(S6)。
【0037】
本実施例の場合、例えば、乗車区間が分倍河原駅、川崎駅間であっても、発駅を川崎駅に設定した場合には図7に示す経路53a〜53eが経路候補表示画面53に表示される。この場合には、一致する経路がないため、図9に示す駅名表示の中から「分倍河原」駅55bを選択して入力することになる。
【0038】
発駅(A駅)、着駅(B駅)に対する全経路で累計発行枚数が多いものから順に経路を表示する(S7)。
【0039】
表示された発駅、着駅、経由からなる経路に一致するか確認し、一致した場合には発駅、着駅及び経由からなる経路を選択して入力する。一方、一致しない場合には、経路を選択して入力する(S8)。
【0040】
図8は、発駅が川崎駅で着駅が荻窪駅である定期券を荻窪駅に設置された定期券発行機で発行する場合を示す。この場合には発駅:川崎駅、着駅:荻窪駅である定期券の累計発行枚数が多いものから図示してように表示される。この場合には複数の経路があるため、定期券利用者の希望する経路を選択して入力することにより経路を設定できる。
【0041】
指定した経路の累積枚数を1プラスする(S9)。定期券の購入者情報を入力する(S10)。
【0042】
入力された情報を確認し、間違いがなければ、操作表示部10の「スタート」13を押下して定期券を発行する(S11)。
【0043】
以上説明したように本発明の実施例によれば、定期券発行駅の設置駅を発駅とする全経路で累積枚数の多いものから表示するため、ヒットする確立が高く、特に発着駅及び経路駅の多い場合には、発着駅及び経路の入力が複雑になるがそれを簡略化することができる。
【0044】
本実施例では、定期券発行機を設置した設置駅ごとに発駅に対する累積発行枚数の多いものから順に表示することを特徴としており、単に発駅、着駅、経由の使用累積頻度の大きいものから表示する方法(単純累積頻度法)と異なる。
【0045】
単に累積頻度が大きいものから表示する方法(単純累積頻度法)は、使用累積頻度が大きい規模の大きい駅に設置した定期券発行機の場合には、表示された発駅、着駅、経由のヒット確立が本発明の方法と同様の結果が得られるものと推定されるが、規模がそれ程大きくない駅に設置された定期券発行機の場合には、当該設置駅を発駅又は着駅とする定期券の発行が多く、単純累積頻度による表示方法ではその効果は十分に得られない。このような場合に本発明の累積頻度法が効果的である。
【符号の説明】
【0046】
T ICカード(定期券)
1 定期券発行機
10 操作部
20 ICカード出入口
50 操作表示部
51 購入情報入力画面
52、53、54 経路候補表示画面
60 表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駅係員が発駅、着駅、経由、期間及び個人情報などからなる購入情報に基づいて定期券などの媒体を発行する定期券発行機であって、
少なくとも、新規媒体発行を指示する新規媒体発行及び購入情報を入力するための入力手段を指示するカード業務購入情報を選択できる操作手段と、
この操作手段によって新規媒体発行が選択されたときに発行媒体のイメージである新規媒体発行画面を表示する第1の表示手段と、
前記操作手段によってカード業務購入情報が選択されたときに購入情報入力画面を表示する第2の表示手段と、
この第2の表示手段に表示された購入情報入力画面から購入情報を入力することができる入力手段と、
この入力手段によって発駅入力が可能になったとき、当該定期券発行機を設置する設置駅を発駅とする全経路で累積発行枚数が多い発駅、着駅及び経由からなる経路の上位経路から表示し、当該表示された経路に購入情報が一致する場合に選択することにより経路を設定する優先経路処理手段と、
を備えたことを特徴とする定期券発行機。
【請求項2】
前記優先経路処理手段はまた、
入力手段によって当該定期券設置駅と異なる発駅が入力されたとき、当該入力された発駅に対する全経路で累積発行枚数が多い着駅、着駅及び経由からなる経路の上位経路から表示し、当該表示された経路に購入情報が一致する場合に選択することにより経路を設定することを特徴とする請求項1記載の定期券発行機。
【請求項3】
前記優先経路処理手段はさらに、
入力手段によって発駅及び着駅が入力されたとき、当該入力された発駅及び着駅に対する全経路で累積発行枚数が多い発駅、着駅及び経由からなる上位経路から表示し、当該表示された経路に購入情報が一致する場合に選択することにより経路を設定することを特徴とする請求項1及び請求項2記載の定期券発行機。
【請求項1】
駅係員が発駅、着駅、経由、期間及び個人情報などからなる購入情報に基づいて定期券などの媒体を発行する定期券発行機であって、
少なくとも、新規媒体発行を指示する新規媒体発行及び購入情報を入力するための入力手段を指示するカード業務購入情報を選択できる操作手段と、
この操作手段によって新規媒体発行が選択されたときに発行媒体のイメージである新規媒体発行画面を表示する第1の表示手段と、
前記操作手段によってカード業務購入情報が選択されたときに購入情報入力画面を表示する第2の表示手段と、
この第2の表示手段に表示された購入情報入力画面から購入情報を入力することができる入力手段と、
この入力手段によって発駅入力が可能になったとき、当該定期券発行機を設置する設置駅を発駅とする全経路で累積発行枚数が多い発駅、着駅及び経由からなる経路の上位経路から表示し、当該表示された経路に購入情報が一致する場合に選択することにより経路を設定する優先経路処理手段と、
を備えたことを特徴とする定期券発行機。
【請求項2】
前記優先経路処理手段はまた、
入力手段によって当該定期券設置駅と異なる発駅が入力されたとき、当該入力された発駅に対する全経路で累積発行枚数が多い着駅、着駅及び経由からなる経路の上位経路から表示し、当該表示された経路に購入情報が一致する場合に選択することにより経路を設定することを特徴とする請求項1記載の定期券発行機。
【請求項3】
前記優先経路処理手段はさらに、
入力手段によって発駅及び着駅が入力されたとき、当該入力された発駅及び着駅に対する全経路で累積発行枚数が多い発駅、着駅及び経由からなる上位経路から表示し、当該表示された経路に購入情報が一致する場合に選択することにより経路を設定することを特徴とする請求項1及び請求項2記載の定期券発行機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−191528(P2010−191528A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−32810(P2009−32810)
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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