定置性に優れた装飾帯体およびその製造方法
【課題】 包装用容器への装着後の滑動による帯体の位置ズレや、帯体の摩耗および包装容器の擦過損傷を確実に防止することができる定置性に優れた装飾帯体および、簡素な工程で作製することができる製造方法を提供すること。
【解決手段】 前記細幅帯体1の少なくとも一部には帯飾り12を配設する一方、前記連結部材2は伸縮性およびタック性を有する樹脂材料により薄手細幅状に形成して、伸縮部22の両端に溶着部21・21を設け、
前記細幅帯体1の端部11近傍に各溶着部21をそれぞれ溶着して、かつ、この溶着部21から延成される伸縮部22の基端部22aを当該細幅帯体1の表面から少なくとも起立方向に突出せしめる。
【解決手段】 前記細幅帯体1の少なくとも一部には帯飾り12を配設する一方、前記連結部材2は伸縮性およびタック性を有する樹脂材料により薄手細幅状に形成して、伸縮部22の両端に溶着部21・21を設け、
前記細幅帯体1の端部11近傍に各溶着部21をそれぞれ溶着して、かつ、この溶着部21から延成される伸縮部22の基端部22aを当該細幅帯体1の表面から少なくとも起立方向に突出せしめる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装飾用資材の改良、更に詳しくは、包装用容器への装着後の滑動による帯体の位置ズレや、帯体の摩耗および包装容器の擦過損傷を確実に防止することができる定置性に優れた装飾帯体および、簡素な工程で作製することができる製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のとおり、商品や贈答品には、紙箱(化粧箱)などの包装用容器にリボンなどの帯体を結束することによって、容器の開放を防止するとともに、装飾性を付与することができる。
【0003】
従来、一本の帯体を包装箱の外周に巻き付けた後に、蝶結びなどの結び目を形成することにより結束と装飾とを兼ねていたが、この作業には手間がかかることから、予め蝶結びを形成したリボンの両端部を弾性を有する接続片によって接続し、この接続片の伸縮によってリボン径の大きさを増減して包装箱に巻き付けるものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、かかる装飾用リボンは、包装箱に巻き付けて容器の開放は防止しているけれども、リボン生地と接続片とが長手方向に平行して縫合されているため、リボンが非常に滑り易く、蝶結びなどの装飾部が形成されている場合には、この結び目が所定の位置からズレてしまうという不満があった。
【0005】
更に、この所定位置に装飾部を移動させるためにリボンを繰り返し摺動させていると、紙製の包装箱などは稜線部分がリボン生地の摩擦によって擦り切れてしまうこともあり、外観を損ねることによってプレゼントの価値を下げてしまうおそれがあった。
【0006】
また、環状に形成したリボンの一部に弾性部材を配設した装飾用リボンも開示されているが(特許文献2参照)、このような構造では、包装箱の外周長さに合わせて、弾性部材の長さ寸法およびリボン片の一部の長さ寸法を合致させなければならず(第4頁段落〔0019〕参照)、寸法が合致していないと、リボンが突っ張ってしまったり、余剰部分が弛んで皺が寄って外観を損ねるおそれがあるため、寸法が種々に異なる他種類のリボンを準備せねばならず、コスト増大を招くとともに、製造精度も要求されるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−342861号公報(第3−4頁、図1−5)
【特許文献2】登録実用新案第3116546号公報(第3−4頁〔0019〕、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来の装飾用資材に上記のような問題があったことに鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、包装用容器への装着後の滑動による帯体の位置ズレや、帯体の摩耗および包装容器の擦過損傷を確実に防止することができる定置性に優れた装飾帯体および、簡素な工程で作製することができる製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者が上記技術的課題を解決するために採用した手段を、添付図面を参照して説明すれば、次のとおりである。
【0010】
即ち、本発明は、所定長さの細幅帯体1の端部11・11同士が連結部材2によって連結されて環状に形成され、包装箱Bの外周に巻回可能な装飾部材であって、
前記細幅帯体1の少なくとも一部には帯飾り12を配設する一方、前記連結部材2は伸縮性およびタック性を有する樹脂材料により薄手細幅状に形成して、伸縮部22の両端に溶着部21・21を設け、
前記細幅帯体1の端部11近傍に各溶着部21をそれぞれ溶着して、かつ、この溶着部21から延成される伸縮部22の基端部22aを当該細幅帯体1の表面から少なくとも起立方向に突出せしめて、
前記細幅帯体1が包装箱Bの外周に巻回されるとき、前記連結部材2における伸縮部22の収縮と同時に起立した基端部22aが当該包装箱Bの表面に押圧付勢されることによって、この包装箱Bの表面と連結部材2との接触部における静止摩擦抵抗を増大せしめて細幅帯体1の摺動を防止するという技術的手段を採用することによって、定置性に優れた装飾帯体を完成させた。
【0011】
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、連結部材2の溶着部21よりも外側の端部に耳片部23を延成して、前記溶着部21から延成される当該耳片部23の基端部23aを当該細幅帯体1の表面から少なくとも起立せしめるという技術的手段を採用することができる。
【0012】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、連結部材2の伸縮部22の基端部22aが細幅帯体1の表面に対してなす起立角度αを45度以上にするという技術的手段を採用することができる。
【0013】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、連結部材2の表面の長手方向に亙る凹凸部24を成形するという技術的手段を採用することができる。
【0014】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、細幅帯体1の端部11の重なり部分を、連結部材2の伸縮部22の最大伸長長さよりも大きくするという技術的手段を採用することができる。
【0015】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、連結部材2のタック材を、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、ゴム系粘着性樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂の何れかにするという技術的手段を採用することができる。
【0016】
また、本発明は、所定長さの細幅帯体1の端部11・11同士を連結部材2によって連結して環状に形成し、包装箱Bの外周に巻回可能な装飾部材を作製するにあたり、
前記細幅帯体1の少なくとも一部には帯飾り12を配設する一方、
前記連結部材2を伸縮性およびタック性を有する樹脂材料により薄手細幅状に形成して、
前記細幅帯体1の各端部11・11を重ね合わせた上に前記連結部材2を載置し、各端部11において、それぞれ溶着装置の溶着金具Mの先端を圧接せしめることによって、伸縮部22の両端に溶着部21・21を設けるとともに、これらの溶着部21から延成した伸縮部22の基端部22aを当該細幅帯体1の表面から少なくとも起立方向に突出せしめて溶着するという技術的手段を採用することによって、定置性に優れた装飾帯体の製造方法を完成させた。
【0017】
また、本発明は、所定長さの細幅帯体1の端部11・11同士を連結部材2によって連結して環状に形成し、包装箱Bの外周に巻回可能な装飾部材を作製するにあたり、
前記細幅帯体1の少なくとも一部には帯飾り12を配設する一方、
前記連結部材2を伸縮性およびタック性を有する樹脂材料により薄手細幅状に形成して、
上に凸に突成した治具の上にこの連結部材2を載置し、更にその上に前記細幅帯体1の端部11を載置して、
各端部11において、それぞれ溶着装置の溶着金具Mの先端を圧接せしめることによって、伸縮部22の両端に溶着部21・21を設けるとともに、これらの溶着部21から延成した伸縮部22の基端部22aを当該細幅帯体1の表面から少なくとも起立方向に突出せしめて溶着するという技術的手段を採用することによっても、定置性に優れた装飾帯体の製造方法を完成させることができる。
【0018】
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、連結部材2の端部から所定間隔の位置を溶着することによって、溶着部21よりも外側の端部に耳片部23を延成して、かつ、この耳片部23の基端部23aを当該細幅帯体1の表面から少なくとも起立方向に突出せしめるという技術的手段を採用することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明にあっては、所定長さの細幅帯体の端部同士が連結部材によって連結されて環状に形成され、包装箱の外周に巻回可能な装飾部材であって、前記細幅帯体の少なくとも一部には帯飾りを配設する一方、前記連結部材は伸縮性およびタック性を有する樹脂材料により薄手細幅状に形成して、伸縮部の両端に溶着部を設け、前記細幅帯体の端部近傍に各溶着部をそれぞれ溶着して、かつ、この溶着部から延成される伸縮部の基端部を当該細幅帯体の表面から少なくとも起立方向に突出せしめたことによって、前記細幅帯体が包装箱の外周に巻回されるとき、前記連結部材における伸縮部の収縮と同時に起立した基端部が当該包装箱表面に押圧付勢され、この包装箱の表面と連結部材との接触部における静止摩擦抵抗を増大せしめて細幅帯体の摺動を防止することができる。
【0020】
したがって、本発明の装飾帯体は、起立部分による包装箱の表面に対するグリップ力の増大により、包装用容器への装着後の滑動による帯体の位置ズレや、帯体の摩耗および包装容器の擦過損傷を確実に防止することができ、定置性に優れている。
【0021】
また、本発明の製造方法によれば、溶着装置の圧接によって基端部を起立せしめるという簡素な工程で、定置性の優れた装飾帯体を簡単かつ低コストで作製することができることから、産業上の利用価値は頗る大きいと云える。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態の装飾帯体の製造工程を表わす説明斜視図である。
【図2】本発明の実施形態の装飾帯体の製造工程を表わす拡大説明断面図である。
【図3】本発明の実施形態の装飾帯体の製造工程を表わす拡大説明断面図である。
【図4】本発明の実施形態の装飾帯体の製造工程を表わす説明断面図である。
【図5】本発明の実施形態の装飾帯体の製造工程を表わす説明斜視図である。
【図6】本発明の実施形態の装飾帯体を表わす全体斜視図である。
【図7】本発明の実施形態の装飾帯体の使用状態を表わす全体斜視図である。
【図8】本発明の実施形態の装飾帯体の使用状態を表わす拡大説明断面図である。
【図9】本発明の実施形態の連結部材を表わす断面図である。
【図10】本発明の実施形態の装飾帯体の製造工程の変形例を表わす説明断面図である。
【図11】本発明の実施形態の装飾帯体の製造工程の変形例を表わす説明断面図である。
【図12】本発明の実施形態の装飾帯体の製造工程の変形例を表わす説明断面図である。
【図13】本発明の実施形態の装飾帯体の製造工程の変形例を表わす説明断面図である。
【図14】本発明の実施形態の装飾帯体の製造工程の変形例を表わす説明断面図である。
【図15】本発明の実施形態の変形例の装飾帯体の製造工程を表わす説明斜視図である。
【図16】本発明の実施形態の変形例の装飾帯体の製造工程を表わす説明断面図である。
【図17】本発明の実施形態の変形例の装飾帯体の使用状態を表わす全体斜視図である。
【図18】本発明の実施形態の変形例の装飾帯体の使用状態を表わす全体斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明を実施するための形態を具体的に図示した図面に基づいて更に詳細に説明すると次のとおりである。
【0024】
本発明の実施形態を図1から図18に基づいて説明する。図中、符号1で指示するものは細幅帯体であり、また、符号2で指示するものは連結部材である。
【0025】
しかして、本実施形態は、所定長さの細幅帯体1の端部11・11同士が連結部材2によって連結されて環状に形成され、包装箱Bの外周に巻回可能な装飾部材であって、具体的な製造方法を以下に説明する。
【0026】
まず、細幅帯体1の少なくとも一部には帯飾り12を配設する。本実施形態では、この細幅帯体1は長手状のテープ部材であって、熱可塑性樹脂製糸(例えば、ポリエステルなど)を織成してなる織物、または編成してなる編物を採用することができる。本実施形態における具体的なサイズは長さ250mm×幅10mm程度にする。
【0027】
また、本実施形態では、細幅帯体1の帯飾り12として蝶結び部12aを配設することができる。この際、蝶結び部12aを細幅帯体1の本体に固定して動かないようにしておくことが好ましい。
【0028】
次いで、前記連結部材2を伸縮性およびタック性を有する樹脂材料(本実施形態では、熱可塑性ポリウレタンエラストマー)により薄手細幅状に形成する。本実施形態における具体的なサイズは長さ34mm×幅6mm×厚み0.12mm程度にする。
【0029】
そして、図1に示すように、前記細幅帯体1の各端部11・11を重ね合わせた上に前記連結部材2を載置し、各端部11において、それぞれ溶着装置(本実施形態では、超音波溶着器)の溶着金具M(ホーン)の先端を圧接せしめる。本実施形態では、溶着金具Mの先端の圧接位置を連結部材2の端部から所定間隔を設けた位置に該当するようにする。
【0030】
こうすることにより、伸縮部22の両端に溶着部21・21を設けるとともに、この溶着部21よりも外側の端部に耳片部23を延成することができる。
【0031】
本実施形態では、溶着金具Mの先端形状は、角張った形状にして、圧接時に基端部を起立し易くすることができる。なお、連結部材2の伸縮部22の基端部22aが細幅帯体1の表面に対してなす起立角度αを45度以上にするのが好ましい(図2および図3参照)。45度以上であって、更に90度に近い程、包装箱Bの表面に対する押圧力を大きくすることができる。
【0032】
そして、前記した位置に、溶着金具Mの先端を圧接することにより(本実施形態の条件は、2kg/cm2、0.3秒)、これらの溶着部21から延成した伸縮部22の基端部22aを当該細幅帯体1の表面から少なくとも起立方向に突出せしめて溶着することができるとともに、連結部材2の端部から所定間隔の位置を溶着することによって、溶着部21よりも外側の端部に耳片部23を延成して、かつ、この耳片部23の基端部23aを当該細幅帯体1の表面から少なくとも起立方向に突出せしめることができる(図4および図5参照)。
【0033】
このように基端部を起立させることによって、図6のように構成した本実施形態における装飾帯体を、図7に示すように、包装箱B(本実施形態では、紙製の箱体であって、閉蓋時における具体的なサイズは縦95mm×横95mm×高さ30mm程度)に巻回する場合に、この起立した基端部が包装箱Bの表面を押圧して付勢するため、連結部材2の垂直抗力を増大せしめて静摩擦係数を大きくすることができ、しかも、連結部材2が本来有するタック性と相俟って、良好なグリップ力を呈し、より確実に横滑り方向への摺動を防止することができるのである(図8参照)。
【0034】
なお、本実施形態では、図9(a)(b)に示すように、連結部材2の表面の長手方向に亙る凹凸部24を成形することができ、巻回時における当該連結部材2の幅方向への摩擦抵抗力を増大することができる。また、かかる連結部材2の断面形状は、溶着金具Mの圧接時に基端部を起立し易くして、かつ、剛性による起立保持力も高め、更に、この凹凸部24が肉厚であるため溶着部分の着け代を大きくしてより確実に溶着することができる。
【0035】
また、本実施形態では、細幅帯体1の端部11の重なり部分を、連結部材2の伸縮部22の最大伸長長さよりも大きくすることができる。即ち、包装箱Bに巻回した際に、箱の外周長に合わせて連結部材2が伸長しても、端部11同士の間から連結部材2が露出することがなく、外観を損ねることがない。
【0036】
「製造変形例その1」
本実施形態の製造方法の変形例その1を図10から図12に基づいて説明する。本変形例では、まず、上に凸に突成した治具の上に連結部材2を載置し、更にその上に細幅帯体1の端部11を載置する(図10および図11参照)。
【0037】
そして、端部11において、それぞれ溶着装置の溶着金具Mの先端を圧接せしめることによって前記下側の治具と挟持し、伸縮部22の両端に溶着部21・21を設ける。この際、溶着装置の振動が、上に凸に突成した治具に接触することによって伝導して共振するので、当該治具側に接触している連結部材2を溶融させることができるのである(図12参照)。
【0038】
こうすることによって、上記の実施形態と同様に、伸縮部22の基端部22aを当該細幅帯体1の表面から少なくとも起立方向に突出せしめて溶着することができる。
【0039】
「製造変形例その2」
次に、本実施形態の製造方法の他の変形例を図13および図14に基づいて説明する。本変形例では、溶着装置の受け治具においてスリットSを形成して、このスリットSに当該溶着装置の溶着金具Mの先端を嵌入せしめるものである。
【0040】
このように構成することにより、このスリットS内において基端部の起立の癖付けができるので、より確実に、伸縮部22の基端部22aを当該細幅帯体1の表面から少なくとも起立方向に突出せしめて溶着することができる。
【0041】
本発明は、概ね上記のように構成されるが、図示の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、図15および図16に示すように、連結部材2に耳辺部23を必ずしも成形する必要はなく、溶着金具Mにより連結部材2の端部を圧接して形成することができる。また、溶着装置は、超音波溶着器に限らず、ヒートプレス器、高周波誘導加熱装置、レーザー加熱など、溶着時に連結部材を圧接して、基端部を起立できるものを採用することができる。
【0042】
また、細幅帯体1の帯飾り12は、図17に示すように、表面に図柄12bを表示することもできる。更にまた、図18に示すように、連結部材2を細幅帯体1の2箇所に設けることもできる。
【0043】
また、連結部材2のタック材は、熱可塑性ポリウレタンエラストマーに限らず、ゴム系粘着性樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂などを採用することができる。タック性の高い材料を選択することにより、指で押さえることにより包装箱の表面への保持力を大きくすることもできる。
【0044】
また、装飾帯体を製造するために採用する溶着金具Mの先端形状は、角張った形状に限らず、球面等の曲面形状を有するものであってもよく、圧接時に基端部が起立し易い形状であれば良く、これら何れのものも本発明の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0045】
1 細幅帯体
11 端部
12 帯飾り
12a 蝶結び部
12b 図柄
2 連結部材
21 溶着部
22 伸縮部
22a 基端部
23 耳片部
23a 基端部
24 凹凸部
M 溶着金具
S スリット
α 起立角度
B 包装箱
【技術分野】
【0001】
本発明は、装飾用資材の改良、更に詳しくは、包装用容器への装着後の滑動による帯体の位置ズレや、帯体の摩耗および包装容器の擦過損傷を確実に防止することができる定置性に優れた装飾帯体および、簡素な工程で作製することができる製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のとおり、商品や贈答品には、紙箱(化粧箱)などの包装用容器にリボンなどの帯体を結束することによって、容器の開放を防止するとともに、装飾性を付与することができる。
【0003】
従来、一本の帯体を包装箱の外周に巻き付けた後に、蝶結びなどの結び目を形成することにより結束と装飾とを兼ねていたが、この作業には手間がかかることから、予め蝶結びを形成したリボンの両端部を弾性を有する接続片によって接続し、この接続片の伸縮によってリボン径の大きさを増減して包装箱に巻き付けるものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、かかる装飾用リボンは、包装箱に巻き付けて容器の開放は防止しているけれども、リボン生地と接続片とが長手方向に平行して縫合されているため、リボンが非常に滑り易く、蝶結びなどの装飾部が形成されている場合には、この結び目が所定の位置からズレてしまうという不満があった。
【0005】
更に、この所定位置に装飾部を移動させるためにリボンを繰り返し摺動させていると、紙製の包装箱などは稜線部分がリボン生地の摩擦によって擦り切れてしまうこともあり、外観を損ねることによってプレゼントの価値を下げてしまうおそれがあった。
【0006】
また、環状に形成したリボンの一部に弾性部材を配設した装飾用リボンも開示されているが(特許文献2参照)、このような構造では、包装箱の外周長さに合わせて、弾性部材の長さ寸法およびリボン片の一部の長さ寸法を合致させなければならず(第4頁段落〔0019〕参照)、寸法が合致していないと、リボンが突っ張ってしまったり、余剰部分が弛んで皺が寄って外観を損ねるおそれがあるため、寸法が種々に異なる他種類のリボンを準備せねばならず、コスト増大を招くとともに、製造精度も要求されるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−342861号公報(第3−4頁、図1−5)
【特許文献2】登録実用新案第3116546号公報(第3−4頁〔0019〕、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来の装飾用資材に上記のような問題があったことに鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、包装用容器への装着後の滑動による帯体の位置ズレや、帯体の摩耗および包装容器の擦過損傷を確実に防止することができる定置性に優れた装飾帯体および、簡素な工程で作製することができる製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者が上記技術的課題を解決するために採用した手段を、添付図面を参照して説明すれば、次のとおりである。
【0010】
即ち、本発明は、所定長さの細幅帯体1の端部11・11同士が連結部材2によって連結されて環状に形成され、包装箱Bの外周に巻回可能な装飾部材であって、
前記細幅帯体1の少なくとも一部には帯飾り12を配設する一方、前記連結部材2は伸縮性およびタック性を有する樹脂材料により薄手細幅状に形成して、伸縮部22の両端に溶着部21・21を設け、
前記細幅帯体1の端部11近傍に各溶着部21をそれぞれ溶着して、かつ、この溶着部21から延成される伸縮部22の基端部22aを当該細幅帯体1の表面から少なくとも起立方向に突出せしめて、
前記細幅帯体1が包装箱Bの外周に巻回されるとき、前記連結部材2における伸縮部22の収縮と同時に起立した基端部22aが当該包装箱Bの表面に押圧付勢されることによって、この包装箱Bの表面と連結部材2との接触部における静止摩擦抵抗を増大せしめて細幅帯体1の摺動を防止するという技術的手段を採用することによって、定置性に優れた装飾帯体を完成させた。
【0011】
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、連結部材2の溶着部21よりも外側の端部に耳片部23を延成して、前記溶着部21から延成される当該耳片部23の基端部23aを当該細幅帯体1の表面から少なくとも起立せしめるという技術的手段を採用することができる。
【0012】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、連結部材2の伸縮部22の基端部22aが細幅帯体1の表面に対してなす起立角度αを45度以上にするという技術的手段を採用することができる。
【0013】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、連結部材2の表面の長手方向に亙る凹凸部24を成形するという技術的手段を採用することができる。
【0014】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、細幅帯体1の端部11の重なり部分を、連結部材2の伸縮部22の最大伸長長さよりも大きくするという技術的手段を採用することができる。
【0015】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、連結部材2のタック材を、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、ゴム系粘着性樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂の何れかにするという技術的手段を採用することができる。
【0016】
また、本発明は、所定長さの細幅帯体1の端部11・11同士を連結部材2によって連結して環状に形成し、包装箱Bの外周に巻回可能な装飾部材を作製するにあたり、
前記細幅帯体1の少なくとも一部には帯飾り12を配設する一方、
前記連結部材2を伸縮性およびタック性を有する樹脂材料により薄手細幅状に形成して、
前記細幅帯体1の各端部11・11を重ね合わせた上に前記連結部材2を載置し、各端部11において、それぞれ溶着装置の溶着金具Mの先端を圧接せしめることによって、伸縮部22の両端に溶着部21・21を設けるとともに、これらの溶着部21から延成した伸縮部22の基端部22aを当該細幅帯体1の表面から少なくとも起立方向に突出せしめて溶着するという技術的手段を採用することによって、定置性に優れた装飾帯体の製造方法を完成させた。
【0017】
また、本発明は、所定長さの細幅帯体1の端部11・11同士を連結部材2によって連結して環状に形成し、包装箱Bの外周に巻回可能な装飾部材を作製するにあたり、
前記細幅帯体1の少なくとも一部には帯飾り12を配設する一方、
前記連結部材2を伸縮性およびタック性を有する樹脂材料により薄手細幅状に形成して、
上に凸に突成した治具の上にこの連結部材2を載置し、更にその上に前記細幅帯体1の端部11を載置して、
各端部11において、それぞれ溶着装置の溶着金具Mの先端を圧接せしめることによって、伸縮部22の両端に溶着部21・21を設けるとともに、これらの溶着部21から延成した伸縮部22の基端部22aを当該細幅帯体1の表面から少なくとも起立方向に突出せしめて溶着するという技術的手段を採用することによっても、定置性に優れた装飾帯体の製造方法を完成させることができる。
【0018】
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、連結部材2の端部から所定間隔の位置を溶着することによって、溶着部21よりも外側の端部に耳片部23を延成して、かつ、この耳片部23の基端部23aを当該細幅帯体1の表面から少なくとも起立方向に突出せしめるという技術的手段を採用することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明にあっては、所定長さの細幅帯体の端部同士が連結部材によって連結されて環状に形成され、包装箱の外周に巻回可能な装飾部材であって、前記細幅帯体の少なくとも一部には帯飾りを配設する一方、前記連結部材は伸縮性およびタック性を有する樹脂材料により薄手細幅状に形成して、伸縮部の両端に溶着部を設け、前記細幅帯体の端部近傍に各溶着部をそれぞれ溶着して、かつ、この溶着部から延成される伸縮部の基端部を当該細幅帯体の表面から少なくとも起立方向に突出せしめたことによって、前記細幅帯体が包装箱の外周に巻回されるとき、前記連結部材における伸縮部の収縮と同時に起立した基端部が当該包装箱表面に押圧付勢され、この包装箱の表面と連結部材との接触部における静止摩擦抵抗を増大せしめて細幅帯体の摺動を防止することができる。
【0020】
したがって、本発明の装飾帯体は、起立部分による包装箱の表面に対するグリップ力の増大により、包装用容器への装着後の滑動による帯体の位置ズレや、帯体の摩耗および包装容器の擦過損傷を確実に防止することができ、定置性に優れている。
【0021】
また、本発明の製造方法によれば、溶着装置の圧接によって基端部を起立せしめるという簡素な工程で、定置性の優れた装飾帯体を簡単かつ低コストで作製することができることから、産業上の利用価値は頗る大きいと云える。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態の装飾帯体の製造工程を表わす説明斜視図である。
【図2】本発明の実施形態の装飾帯体の製造工程を表わす拡大説明断面図である。
【図3】本発明の実施形態の装飾帯体の製造工程を表わす拡大説明断面図である。
【図4】本発明の実施形態の装飾帯体の製造工程を表わす説明断面図である。
【図5】本発明の実施形態の装飾帯体の製造工程を表わす説明斜視図である。
【図6】本発明の実施形態の装飾帯体を表わす全体斜視図である。
【図7】本発明の実施形態の装飾帯体の使用状態を表わす全体斜視図である。
【図8】本発明の実施形態の装飾帯体の使用状態を表わす拡大説明断面図である。
【図9】本発明の実施形態の連結部材を表わす断面図である。
【図10】本発明の実施形態の装飾帯体の製造工程の変形例を表わす説明断面図である。
【図11】本発明の実施形態の装飾帯体の製造工程の変形例を表わす説明断面図である。
【図12】本発明の実施形態の装飾帯体の製造工程の変形例を表わす説明断面図である。
【図13】本発明の実施形態の装飾帯体の製造工程の変形例を表わす説明断面図である。
【図14】本発明の実施形態の装飾帯体の製造工程の変形例を表わす説明断面図である。
【図15】本発明の実施形態の変形例の装飾帯体の製造工程を表わす説明斜視図である。
【図16】本発明の実施形態の変形例の装飾帯体の製造工程を表わす説明断面図である。
【図17】本発明の実施形態の変形例の装飾帯体の使用状態を表わす全体斜視図である。
【図18】本発明の実施形態の変形例の装飾帯体の使用状態を表わす全体斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明を実施するための形態を具体的に図示した図面に基づいて更に詳細に説明すると次のとおりである。
【0024】
本発明の実施形態を図1から図18に基づいて説明する。図中、符号1で指示するものは細幅帯体であり、また、符号2で指示するものは連結部材である。
【0025】
しかして、本実施形態は、所定長さの細幅帯体1の端部11・11同士が連結部材2によって連結されて環状に形成され、包装箱Bの外周に巻回可能な装飾部材であって、具体的な製造方法を以下に説明する。
【0026】
まず、細幅帯体1の少なくとも一部には帯飾り12を配設する。本実施形態では、この細幅帯体1は長手状のテープ部材であって、熱可塑性樹脂製糸(例えば、ポリエステルなど)を織成してなる織物、または編成してなる編物を採用することができる。本実施形態における具体的なサイズは長さ250mm×幅10mm程度にする。
【0027】
また、本実施形態では、細幅帯体1の帯飾り12として蝶結び部12aを配設することができる。この際、蝶結び部12aを細幅帯体1の本体に固定して動かないようにしておくことが好ましい。
【0028】
次いで、前記連結部材2を伸縮性およびタック性を有する樹脂材料(本実施形態では、熱可塑性ポリウレタンエラストマー)により薄手細幅状に形成する。本実施形態における具体的なサイズは長さ34mm×幅6mm×厚み0.12mm程度にする。
【0029】
そして、図1に示すように、前記細幅帯体1の各端部11・11を重ね合わせた上に前記連結部材2を載置し、各端部11において、それぞれ溶着装置(本実施形態では、超音波溶着器)の溶着金具M(ホーン)の先端を圧接せしめる。本実施形態では、溶着金具Mの先端の圧接位置を連結部材2の端部から所定間隔を設けた位置に該当するようにする。
【0030】
こうすることにより、伸縮部22の両端に溶着部21・21を設けるとともに、この溶着部21よりも外側の端部に耳片部23を延成することができる。
【0031】
本実施形態では、溶着金具Mの先端形状は、角張った形状にして、圧接時に基端部を起立し易くすることができる。なお、連結部材2の伸縮部22の基端部22aが細幅帯体1の表面に対してなす起立角度αを45度以上にするのが好ましい(図2および図3参照)。45度以上であって、更に90度に近い程、包装箱Bの表面に対する押圧力を大きくすることができる。
【0032】
そして、前記した位置に、溶着金具Mの先端を圧接することにより(本実施形態の条件は、2kg/cm2、0.3秒)、これらの溶着部21から延成した伸縮部22の基端部22aを当該細幅帯体1の表面から少なくとも起立方向に突出せしめて溶着することができるとともに、連結部材2の端部から所定間隔の位置を溶着することによって、溶着部21よりも外側の端部に耳片部23を延成して、かつ、この耳片部23の基端部23aを当該細幅帯体1の表面から少なくとも起立方向に突出せしめることができる(図4および図5参照)。
【0033】
このように基端部を起立させることによって、図6のように構成した本実施形態における装飾帯体を、図7に示すように、包装箱B(本実施形態では、紙製の箱体であって、閉蓋時における具体的なサイズは縦95mm×横95mm×高さ30mm程度)に巻回する場合に、この起立した基端部が包装箱Bの表面を押圧して付勢するため、連結部材2の垂直抗力を増大せしめて静摩擦係数を大きくすることができ、しかも、連結部材2が本来有するタック性と相俟って、良好なグリップ力を呈し、より確実に横滑り方向への摺動を防止することができるのである(図8参照)。
【0034】
なお、本実施形態では、図9(a)(b)に示すように、連結部材2の表面の長手方向に亙る凹凸部24を成形することができ、巻回時における当該連結部材2の幅方向への摩擦抵抗力を増大することができる。また、かかる連結部材2の断面形状は、溶着金具Mの圧接時に基端部を起立し易くして、かつ、剛性による起立保持力も高め、更に、この凹凸部24が肉厚であるため溶着部分の着け代を大きくしてより確実に溶着することができる。
【0035】
また、本実施形態では、細幅帯体1の端部11の重なり部分を、連結部材2の伸縮部22の最大伸長長さよりも大きくすることができる。即ち、包装箱Bに巻回した際に、箱の外周長に合わせて連結部材2が伸長しても、端部11同士の間から連結部材2が露出することがなく、外観を損ねることがない。
【0036】
「製造変形例その1」
本実施形態の製造方法の変形例その1を図10から図12に基づいて説明する。本変形例では、まず、上に凸に突成した治具の上に連結部材2を載置し、更にその上に細幅帯体1の端部11を載置する(図10および図11参照)。
【0037】
そして、端部11において、それぞれ溶着装置の溶着金具Mの先端を圧接せしめることによって前記下側の治具と挟持し、伸縮部22の両端に溶着部21・21を設ける。この際、溶着装置の振動が、上に凸に突成した治具に接触することによって伝導して共振するので、当該治具側に接触している連結部材2を溶融させることができるのである(図12参照)。
【0038】
こうすることによって、上記の実施形態と同様に、伸縮部22の基端部22aを当該細幅帯体1の表面から少なくとも起立方向に突出せしめて溶着することができる。
【0039】
「製造変形例その2」
次に、本実施形態の製造方法の他の変形例を図13および図14に基づいて説明する。本変形例では、溶着装置の受け治具においてスリットSを形成して、このスリットSに当該溶着装置の溶着金具Mの先端を嵌入せしめるものである。
【0040】
このように構成することにより、このスリットS内において基端部の起立の癖付けができるので、より確実に、伸縮部22の基端部22aを当該細幅帯体1の表面から少なくとも起立方向に突出せしめて溶着することができる。
【0041】
本発明は、概ね上記のように構成されるが、図示の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、図15および図16に示すように、連結部材2に耳辺部23を必ずしも成形する必要はなく、溶着金具Mにより連結部材2の端部を圧接して形成することができる。また、溶着装置は、超音波溶着器に限らず、ヒートプレス器、高周波誘導加熱装置、レーザー加熱など、溶着時に連結部材を圧接して、基端部を起立できるものを採用することができる。
【0042】
また、細幅帯体1の帯飾り12は、図17に示すように、表面に図柄12bを表示することもできる。更にまた、図18に示すように、連結部材2を細幅帯体1の2箇所に設けることもできる。
【0043】
また、連結部材2のタック材は、熱可塑性ポリウレタンエラストマーに限らず、ゴム系粘着性樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂などを採用することができる。タック性の高い材料を選択することにより、指で押さえることにより包装箱の表面への保持力を大きくすることもできる。
【0044】
また、装飾帯体を製造するために採用する溶着金具Mの先端形状は、角張った形状に限らず、球面等の曲面形状を有するものであってもよく、圧接時に基端部が起立し易い形状であれば良く、これら何れのものも本発明の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0045】
1 細幅帯体
11 端部
12 帯飾り
12a 蝶結び部
12b 図柄
2 連結部材
21 溶着部
22 伸縮部
22a 基端部
23 耳片部
23a 基端部
24 凹凸部
M 溶着金具
S スリット
α 起立角度
B 包装箱
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定長さの細幅帯体1の端部11・11同士が連結部材2によって連結されて環状に形成され、包装箱Bの外周に巻回可能な装飾部材であって、
前記細幅帯体1の少なくとも一部には帯飾り12が配設されている一方、
前記連結部材2は伸縮性およびタック性を有する樹脂材料により薄手細幅状に形成され、伸縮部22の両端に溶着部21・21が設けられており、
前記細幅帯体1の端部11近傍に各溶着部21がそれぞれ溶着され、かつ、この溶着部21から延成される伸縮部22の基端部22aが当該細幅帯体1の表面から少なくとも起立方向に突出しており、
前記細幅帯体1が包装箱Bの外周に巻回されるとき、前記連結部材2における伸縮部22の収縮と同時に起立した基端部22aが当該包装箱Bの表面に押圧付勢されることによって、この包装箱Bの表面と連結部材2との接触部における静止摩擦抵抗を増大せしめて細幅帯体1の摺動を防止したことを特徴とする定置性に優れた装飾帯体。
【請求項2】
連結部材2の溶着部21よりも外側の端部に耳片部23が延成されており、前記溶着部21から延成される当該耳片部23の基端部23aが当該細幅帯体1の表面から少なくとも起立していることを特徴とする請求項1記載の定置性に優れた装飾帯体。
【請求項3】
連結部材2の伸縮部22の基端部22aが細幅帯体1の表面に対してなす起立角度αが45度以上であることを特徴とする請求項1または2記載の定置性に優れた装飾帯体。
【請求項4】
連結部材2の表面の長手方向に亙る凹凸部24が成形されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の定置性に優れた装飾帯体。
【請求項5】
細幅帯体1の端部11の重なり部分が、連結部材2の伸縮部22の最大伸長長さよりも大きいことを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の定置性に優れた装飾帯体。
【請求項6】
連結部材2のタック材が、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、ゴム系粘着性樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂の何れかであることを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の定置性に優れた装飾帯体。
【請求項7】
所定長さの細幅帯体1の端部11・11同士を連結部材2によって連結して環状に形成し、包装箱Bの外周に巻回可能な装飾部材を作製するにあたり、
前記細幅帯体1の少なくとも一部には帯飾り12を配設する一方、
前記連結部材2を伸縮性およびタック性を有する樹脂材料により薄手細幅状に形成して、
前記細幅帯体1の各端部11・11を重ね合わせた上に前記連結部材2を載置し、各端部11において、それぞれ溶着装置の溶着金具Mの先端を圧接せしめることによって、伸縮部22の両端に溶着部21・21を設けるとともに、これらの溶着部21から延成した伸縮部22の基端部22aを当該細幅帯体1の表面から少なくとも起立方向に突出せしめて溶着することを特徴とする定置性に優れた装飾帯体の製造方法。
【請求項8】
所定長さの細幅帯体1の端部11・11同士を連結部材2によって連結して環状に形成し、包装箱Bの外周に巻回可能な装飾部材を作製するにあたり、
前記細幅帯体1の少なくとも一部には帯飾り12を配設する一方、
前記連結部材2を伸縮性およびタック性を有する樹脂材料により薄手細幅状に形成して、
上に凸に突成した治具の上にこの連結部材2を載置し、更にその上に前記細幅帯体1の端部11を載置して、
各端部11において、それぞれ溶着装置の溶着金具Mの先端を圧接せしめることによって、伸縮部22の両端に溶着部21・21を設けるとともに、これらの溶着部21から延成した伸縮部22の基端部22aを当該細幅帯体1の表面から少なくとも起立方向に突出せしめて溶着することを特徴とする定置性に優れた装飾帯体の製造方法。
【請求項9】
連結部材2の端部から所定間隔の位置を溶着することによって、溶着部21よりも外側の端部に耳片部23を延成して、かつ、この耳片部23の基端部23aを当該細幅帯体1の表面から少なくとも起立方向に突出せしめることを特徴とする請求項7または8記載の定置性に優れた装飾帯体の製造方法。
【請求項1】
所定長さの細幅帯体1の端部11・11同士が連結部材2によって連結されて環状に形成され、包装箱Bの外周に巻回可能な装飾部材であって、
前記細幅帯体1の少なくとも一部には帯飾り12が配設されている一方、
前記連結部材2は伸縮性およびタック性を有する樹脂材料により薄手細幅状に形成され、伸縮部22の両端に溶着部21・21が設けられており、
前記細幅帯体1の端部11近傍に各溶着部21がそれぞれ溶着され、かつ、この溶着部21から延成される伸縮部22の基端部22aが当該細幅帯体1の表面から少なくとも起立方向に突出しており、
前記細幅帯体1が包装箱Bの外周に巻回されるとき、前記連結部材2における伸縮部22の収縮と同時に起立した基端部22aが当該包装箱Bの表面に押圧付勢されることによって、この包装箱Bの表面と連結部材2との接触部における静止摩擦抵抗を増大せしめて細幅帯体1の摺動を防止したことを特徴とする定置性に優れた装飾帯体。
【請求項2】
連結部材2の溶着部21よりも外側の端部に耳片部23が延成されており、前記溶着部21から延成される当該耳片部23の基端部23aが当該細幅帯体1の表面から少なくとも起立していることを特徴とする請求項1記載の定置性に優れた装飾帯体。
【請求項3】
連結部材2の伸縮部22の基端部22aが細幅帯体1の表面に対してなす起立角度αが45度以上であることを特徴とする請求項1または2記載の定置性に優れた装飾帯体。
【請求項4】
連結部材2の表面の長手方向に亙る凹凸部24が成形されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の定置性に優れた装飾帯体。
【請求項5】
細幅帯体1の端部11の重なり部分が、連結部材2の伸縮部22の最大伸長長さよりも大きいことを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の定置性に優れた装飾帯体。
【請求項6】
連結部材2のタック材が、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、ゴム系粘着性樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂の何れかであることを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の定置性に優れた装飾帯体。
【請求項7】
所定長さの細幅帯体1の端部11・11同士を連結部材2によって連結して環状に形成し、包装箱Bの外周に巻回可能な装飾部材を作製するにあたり、
前記細幅帯体1の少なくとも一部には帯飾り12を配設する一方、
前記連結部材2を伸縮性およびタック性を有する樹脂材料により薄手細幅状に形成して、
前記細幅帯体1の各端部11・11を重ね合わせた上に前記連結部材2を載置し、各端部11において、それぞれ溶着装置の溶着金具Mの先端を圧接せしめることによって、伸縮部22の両端に溶着部21・21を設けるとともに、これらの溶着部21から延成した伸縮部22の基端部22aを当該細幅帯体1の表面から少なくとも起立方向に突出せしめて溶着することを特徴とする定置性に優れた装飾帯体の製造方法。
【請求項8】
所定長さの細幅帯体1の端部11・11同士を連結部材2によって連結して環状に形成し、包装箱Bの外周に巻回可能な装飾部材を作製するにあたり、
前記細幅帯体1の少なくとも一部には帯飾り12を配設する一方、
前記連結部材2を伸縮性およびタック性を有する樹脂材料により薄手細幅状に形成して、
上に凸に突成した治具の上にこの連結部材2を載置し、更にその上に前記細幅帯体1の端部11を載置して、
各端部11において、それぞれ溶着装置の溶着金具Mの先端を圧接せしめることによって、伸縮部22の両端に溶着部21・21を設けるとともに、これらの溶着部21から延成した伸縮部22の基端部22aを当該細幅帯体1の表面から少なくとも起立方向に突出せしめて溶着することを特徴とする定置性に優れた装飾帯体の製造方法。
【請求項9】
連結部材2の端部から所定間隔の位置を溶着することによって、溶着部21よりも外側の端部に耳片部23を延成して、かつ、この耳片部23の基端部23aを当該細幅帯体1の表面から少なくとも起立方向に突出せしめることを特徴とする請求項7または8記載の定置性に優れた装飾帯体の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−117101(P2011−117101A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−276058(P2009−276058)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(591168932)株式会社SHINDO (22)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(591168932)株式会社SHINDO (22)
【Fターム(参考)】
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