説明

実物大の膨らませ可能な遊戯構造体を構築するブロックと構築システム

【課題】従来技術による欠点を排除し、多様な実物大の遊戯構造体を構築するブロックとそのシステムを提供する。
【解決手段】多数の側面を有し、膨らませ可能な構築ブロックを多数含む。各ブロックは正多面体の断面を有する円筒で、その多面体の各辺の長さは等しい。ブロックは、各ブロックの隣接する辺を隣接ブロックの隣接する辺と整列するが隣接するブロックに対し相互にずれないようにジョイントによってしっかりと固定される。ジョイントは特定の寸法比率でブロックの辺に沿って固定位置に配置される。補強手段を用いて各ブロックの寸法一貫性を保ち、ブロック同士間でのシステムの均等性を保持する。ブロックを組み合わせて諸々の形態の遊戯構造体を構築することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
組立玩具(construction toys)は主として自由遊戯および(または)実生活の擬似活動を促し、かつ可能とさせるために設計され、そして製造されている。組立玩具の大部分は小型サイズとなる傾向にある一方で、同じ概念をより大型で、実物大に近い構造体(near life−size structures)に展開する別の範疇の玩具も存在している。この点に関して、3歳以上の子供は一貫して、製造されたままの構成(manufactured configurations)で構築されるか、あるいは毛布、枕、および支持のために配置しうるなんらかの家具からの手作りの構造体によって構築されるかを問わず大型で実物大に近い構造体で遊ぶ傾向を示すことが報告されている。
【0002】
大型の遊戯構造体の範疇内には二つの明確な種類がある。第一の種類は単にそのような構造体内で、あるいはその周りで遊戯できるようにすることだけを目的とした、事前に構築され、サイズおよび形状が固定されたものが多い。第二の種類は一般に子供が色々な材料や方法を用いて大型の遊戯構造体を組み立てできるようにするものである。本発明はこの第二の種類に関するものである。
【背景技術】
【0003】
この第二の種類において、子供が特定の遊戯構造体とかあるいは、それほどよくあることではないが、自由形状とか諸々の構成を創り出すことができるようにする種々のタイプの構築方法や材料が利用されてきた。いずれの場合においても、そのような方法は、ロッキング用の幾何学的形状(locking geometric shapes)を介して相互に接続されるか、あるいは外部の手段や材料を介して固定される類似の、大量生産しうる構成要素を使用するものからある。これらの固定用材料も広範に多岐に亘る。
【0004】
実生活の擬似活動あるいは単に簡単な子供のための遊戯を提供しようとする試みにもかかわらず、この範疇に入る製品は多数の欠点を持っている。最も明白な問題は完全に組み立てられた(固定されたデザインの)構造体のサイズである。実物大での遊戯であり、そのため子供がその中に出入りでき、あるいはその構造体を占拠できるようにする製品は、典型的に大きな室内空間を要する十分な大きなサイズである。この問題の直接の変形(direct translation)は一旦遊戯が終了したときにそのような遊戯構造体にとって必要とされる格納空間である。(ドッジ(Dodge)に対する)米国特許第4,978,301号(U.S.Pat.No. 4,978,301)は最終の構造体を作るための構造片と接続帯片とを提供している。仕上がり構造体と分解した構成要素のその後の格納との双方がこの問題を物語っている。
【0005】
既存の遊戯構造体の製品に関わる別の問題は多能性(versatility)の欠如である。数個の製品は数個の個別の構造体を接続する可能性を提供することによってこの問題に対処しようとしている。これらの設計は、遊戯に対してある程度の多能性を提供しながら、終局的には単一の、あるいは限定された遊戯環境を供するだけである。この範疇に入る殆どの製品は、扉あるいは窓を擬する固定位置において(あるとすれば)カバーを備えた開口を有しており、それによって自由に遊戯する多能性を制限している。固定された設計により、探検をするとか、創造力を養うとか、遊戯から学習する子供の能力が制限されることになる。最終的な設計における制限されない多能性を唱えているにもかかわらず、現実的には(シュー他(Hsu,et al)に対する)米国特許第6,565,405号(U.S.Pat.No. 6,565,405)は三種類の別々の固定された設計の物体に基づく極めて限定された形態のみを提供するものである。
【0006】
実物大サイズとして定義される既存構造体に関わる問題は組み立て形態における実サイズである。小さい子供が前記空間へ物理的に出入りでき、かつ占拠できるようにするに十分大きいが、これらの構造体は社交的な遊戯に参加する可能性のある大人とか、年長の子供にとっては小さすぎることがよくある。従って、実物大サイズという定義は子供の実物大サイズまでより正確に絞られ、日常生活におけるような現実の実物大サイズではない。(レーダー(Rader)に対する)米国特許第4,629,182号(U.S.Pat.No. 4,629,182)はそのような構造体の一例である。このようなサイズ上の制限のため、子供を伴った大人は典型的には見ているだけで、遊戯には積極的に参加しない。このような欠陥により大人が子供との身体を使った遊戯に完全に参加する場合の社交的な活動を達成できる範囲が制限されている。
【0007】
既存の製品に関わる更に別の問題はこれらの構造体を製造するために使用される材料の種類からも明らかである。歴史的に、製品は、例えば、木材、アルミニウム、重量プラスチック(heavy plastic)およびその他の建築用材料のような硬直な材料で設計され、そして構成されてきた。これらの材料の多くは、遊戯構造体の構成に使用される場合固有の危険性を呈する。それらは構造的な硬直さが大き過ぎて、子供によってそれらに過度に大きな力が加えられると物理的な危害を生じうることが多い。(ウエストファール(Westphal)に対する)米国特許第5,620,396号(U.S.Pat.No. 5,620,396)に記載の玩具のトンネル構造体はこのタイプの固い表面を持つ硬直な構造の一例である。
【0008】
子供の遊戯環境に対する安全性の要件を考慮して、多くの製品は、例えば、発泡体(foam)、段ボール、ビニール、布、あるいはそれらの組み合わせのような軽量の材料を使用するという手順を採ってきた。より軽量な材料は扱いやすいが、多くは通常の、あるいはときには粗暴な遊戯において子供によって加えられる実際のかつ妥当な力に耐えることができない。このことは、インターロック装置(interlocking system)を利用しているビニール製の設計のものに対して特にいえることである。ビニールの膨らませ可能な材料によってつくられ、かつ(アダムス(Adams)に対する)米国特許第5,273,477号(U.S.Pat.No. 5,273,477)の例示において同様に説明されている実際のプロトタイプによって実証されているように、前記のビニールの膨らませ過ぎはそれを硬直にして、組み立てを困難にし、一方膨らみ不足はインターロック構造をぐらつかせる。膨らませ可能なビニール構造体内で一定の、かつ一貫した空気圧を維持するという概念はこれまでずっと実際には現実的でなかった。他方、相互接続方法を利用したその他の設計では構造的な一貫性を提供するには不十分であるコネクタとか、あるいは迅速な接続および解除を行うには厄介となる多すぎるコネクタを含みうる。(チェン(Chen)に対する)米国特許第4,708,684号(U.S.Pat. No. 4,708,684)や(リーモン(Leemon)に対する)米国特許第6,554,677号(U.S.Pat. No. 6,554,677)に記載の構造体を子供が組み立てるのに要する時間の長さがこの問題点を明らかに示している。同様に、不適切に設計されたコネクタは硬直な材料による構造において使用されているものと同様の安全上の危害を加えうる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
これらの点において、本発明によるブロックおよび構築システムは従来技術による従来の概念と設計とから実質的に逸脱し、そうすることによって主として無限の遊戯構造形態(boundless play structure configurations)を楽しみ、かつ利用するために展開されてきた優れた方法を提供する。
【0010】
従来技術の項で説明した現在利用可能な遊戯構造体における固有の欠点に鑑みて、本発明は、特殊技術によるコネクタ設計と結合した単純な基線ユニット(baseline units)に基づく無限の遊戯構造体を構築しかつ楽しむための新規な方法を可能とする設計とシステムとが利用可能とされる優れた設計を提供する。この基線ユニットの設計と多数の形態がそれによって可能とされるシステムとの両方を以下でより詳細に説明する。本発明により生じる新規な設計とそれがもたらす多数の利点とは、従来技術による遊戯構造体のいずれによっても予測されず、明らかとされず、示唆、実証、あるいは暗示すらされないことに注目すべきである。
【0011】
このことを達成するために、本発明は、小さい子供が扱うに十分軽量であり、一方設計あるいは最終の構造において無限の拡大縮小(scalability)および多能性を可能とする幾何学的形状である膨らませ可能なブロック(geometric, inflatable blocks)を必要とする。詳しくは、本発明の可能性に対する解答(key)は、軽量で膨らませ/凹ませ可能な材料の成分と、構築ユニットの構造的な強度とにある。最も重要なことは、前記解答は以下に述べる目的の各々および全てを満足させるコネクタを取り巻く最適化された特殊設計にある。無限の形態や果てしない創造性をもたらす思いもよらない運動や自由度を提供することのできる熱シールしたコネクタを利用するために基線構築ブロックユニット(baseline building block units)が設計されてきた。
【0012】
以下述べる目的は詳細説明をよりよく理解しうるために本発明の広義の特徴を概説している。以下により詳細な説明が続く。この点に関して、以下の説明と例示とは本発明によって完全に展開しうる有用性あるいは適用を決して限定するものでないことを理解すべきである。本発明はその他の実施例も可能であり、想像によってのみ限定される多数の方法によっても利用することができる。
【0013】
本発明の主要な目的は従来技術の欠点を克服しうる設計やシステムを提供することである。
【0014】
本発明の目的はビニールで製造される共通の幾何学的形状の膨らませ可能な基線構築ブロックを利用することによって遊戯構造体を構成する手段を提供することである。
【0015】
本発明の別の目的は、混雑するために不当に困難で、ごたごたし、あるいは危険な環境を逆にもたらすことなく、共通で、事実上いずれのサイズの空間においても前記遊戯構造体を構築し、そして楽しむことができるようにすることである。
【0016】
本発明の別の目的は、凹ませ、その結果必要格納空間を減らすことによって前記構造体の格納を容易にできるようにすることである。
【0017】
本発明の別の目的は、想像のみによって限定される完成構造体の多様性を可能とし、かつ促進することである。
【0018】
本発明の別の目的は、各種の砦や隠れ家を子供が夢中で構築することの背後で主たる推進力の一つとして研究されかつ認識されてきたプライバシを提供することである。同時に、ブロックが透明/半透明の性質であるため保護者は確実に子供の行動を観察することができる。
【0019】
本発明の別の目的は、例えば食料売店(food stand)、家具などのような実物サイズあるいはそれに近い構造体を使用することによって想像上の遊戯並びに実生活を擬した交遊(transactional play)を可能とすることである。
【0020】
本発明の別の目的は、子供のみならず、大人も遊戯の集まりに参加しうるようにするに十分なサイズの最終形態を提供することである。このような可能性によって、家族内や、特定の年齢群に限定されない仲間の間での社交(social interaction)が助長されうることが望まれる。
【0021】
本発明の別の目的は、空気のクッションで補われた非硬直性で軟質でかつ非磨耗性の材料を確実にするように、実証された材料(PVC)を使用することによって比較的安全な遊戯環境を提供することである。
【0022】
本発明の別の目的は、通常のおよび時には粗暴な遊戯によって加えられる妥当な力の範囲内で構造上の一貫性(integrity)と製品の耐久性とが保たれるようにする設計を創り出すことである。
【0023】
本発明の別の目的は、それぞれインタロック設計で構成されたPVCタイプの遊戯構造体の膨らませ過ぎ、および膨らませ不足に関わる組み立ての難しさや構造上の一貫性の問題を克服することである。同じ観点から、構造上の一貫性を阻害するか、あるいは組み立て工程における不当な困難さや時間のかかり過ぎを生じさせる、コネクタの過多、あるいは過少に関わる問題を克服することである。
【0024】
本発明の別の目的は、使用者の計画の意図通りに構造ユニットの部品に対して比類なき運動のし易さ、あるいは自由度を提供することによって、例えば扉とか、窓とか、パネルとか、その他のタイプの開口を備えた密閉体のような物理的構造での実物大の擬似運動を提供することである。
【0025】
本発明の別の目的は、子供が幾何学的形状の寸法、およびそれらの相互作用、組立て、および基線ユニットの組み合わせによるその他のより複雑な幾何学的形状の構成を学習する教育用装置を提供することである。このような精神においては、子供は前記の幾何学的形状の三次元の特性に対する高等認識を取得し、物理的形態における形状を操作することを学習することができるが、これは偶然にも物体とそれらの幾何学的要素を空間的および認知レベルにおいて想像する子供の能力を高めることに貢献する。
【0026】
本発明の別の目的は、その構築ブロックの形態のみならず、特に色彩と形状との組み合わせに基づいてその最終構造における目に訴える製品を創り出すことである。
【0027】
本発明の別の目的は、所望する利点を最適化し、一方低製造コストおよび大量市場消費の可能性についての要件を満足させる製品を設計することである。
【0028】
本発明のその他の目的や利点は添付図面を参照することによりそれを読む人には明らかとなる。図示された形態は本発明における形態の多様性とその利点とを全く制限するものではない。図面は例示のみが目的であって、基本的な幾何学的設計における変更は図示したものに限定されない。同様に、接続材料も例示によって限定されるのではなく、特定の形態において変更が可能である。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明の第一の局面によれば、実物大の遊戯構造体を構築するシステムが多数の膨らませ可能なブロックからつくられており、そのような各ブロックは同一である多角形の上面と多角形の底面とを含み、前記二つの面は相互に固定されて、前記面の間の中間で前記ブロックを巡る単一の継ぎ目を形成する。
【0030】
本発明の第二の局面によれば、各ブロックは更に多数のI形ビーム(I beams)を含み、該ビームは各々上縁部と底縁部とを有し、各ブロックの上縁部は前記多角形の上面に固定され、底縁部は前記多角形の底面に固定され、そのため多角形のブロックは多数の実質上の上縁部(virtual top edges)と、それに見合う数の実質上の底縁部(virtual bottom edges)とを有し、各面における前記の実質上の縁部は実質上の縁部の端(virtual edge ends)で合流する。
【0031】
本発明の第三の局面によれば、各ブロックは更に、多数のストラップコネクタ(strap connectors)と、多数のフラップコネクタ(flap connectors)とを含み、それによって2個以上のコネクタが上面において各々の実質上の縁部に近接して固定され、かつ2個以上のコネクタが底面において各々の実質上の縁部に近接して固定される。
【0032】
本発明の第四の局面によれば、ストラップコネクタとフラップコネクタとは各面における実質上の縁部の周りで交互に配置され、そのため各ストラップコネクタは別のブロックにおける対応するフラップコネクタのスリットに固定されるストラップを含む。
【0033】
本発明の第五の局面によれば、各ブロックに対して、上面と底面とは最も近い実質上の縁端から約DCの距離に中心線を位置させた端コネクタを有しており、ここで、DCは等式DC=l/(2n)によって定義され、lは実質上の縁部の長さであり、nは実質上の縁部におけるコネクタの数であり、各面の実質上の縁部における各コネクタは同じ面の実質上の縁部における最も近い他のコネクタから2*DCの距離に中心線を位置させている。
【0034】
本発明の第六の局面によれば、上面における各フラップコネクタは下面におけるフラップコネクタに隣接しており、上面における各ストラップコネクタは下面におけるストラップコネクタに隣接している。
【0035】
本発明の第七の局面によれば、各ストラップコネクタは、水平の部分と、上側の垂直部分と、下側の垂直部分とを含む十字形のマウント(cruciate mount)を含み、雄型のフックおよびループ材料の一部が上側の垂直部分に固定され、雌型のフックおよびループ材料の一部が下側の垂直部分に固定され、水平の部分は楕円形のマウントに固定されている。
【0036】
本発明の第八の局面によれば、各フラップコネクタは対応するストラップコネクタの垂直部分の幅の約125%の幅である2個以上のスリットをその中に形成しており、各フラップコネクタは更に該フラップコネクタの底縁部に近接する取付け部分を含み、これは対応する楕円形マウントに固定される。
【0037】
本発明の第九の局面によれば、各フラップコネクタの各スリットは各端で終わる針孔(needle eyes)を有している。
【0038】
本発明の第十の局面によれば、各フラップコネクタに対して、前記スリットは相互に対して平行に配置されており、各スリットと隣接するスリットとの間の距離は最上側スリットとフラップコネクタの上縁部との間の距離と等しく、更に各針孔とフラップコネクタの縁部における最も近接した点との間の距離と等しい。
【0039】
本発明の第十一の局面によれば、各フラップに対して、ビニールのフラップのいずれかの縁部からの第一のスリットの距離はフラップの第一と第二のスリットの間の間隔と概ね等しい。
【0040】
本発明の第十二の局面によれば、ブロックを完全に膨らませると、フラップの第二のスリットと基部との間の距離は、継ぎ目を接触させて第一のブロックと第二のブロックとを並置させ、各ストラップが対応するフラップと面し、各ブロックの継ぎ目を接触させるが、何らかの力で相互に押し付けけることなく、フラップを完全に広げると、各フラップは対応するストラップの基線と接触し、次に特定のストラップとフラップとに対して概ね以下の等式が適用される。
D=2*A
但し、Aはフラップの基部と対応する継ぎ目との間の距離であり、
Dはフラップの長さ=ストラップの長さ=二つの基部の間の距離である。
【0041】
本発明の第十三の局面によれば、対応する楕円形のマウントに各コネクタを固定することが熱シールによって実行され、そして各楕円形のコネクタマウントを対応するブロックに固定することが熱シールによって実行される。
【0042】
本発明の第十四の局面によれば、ブロックとフラップと十字形のマウントとはポリ塩化ビニールからつくられる。
【0043】
本発明のこれら、および更なる特徴は好適実施例を示す添付明細書および図面を参照すればよりよく理解することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
(構成要素とシステムについての概説)
さて、数葉の図面を通して同じ要素を同じ参照番号で指示している図面、特に図1Aと図1Bとを説明のために参照すれば、子供によって容易に構築することが可能で、想像によってのみ限定される形態の多様性の一例が示されている。図1Aと図1Bとにおいて、子供が好む最も一般的な遊戯構造体を作る二つの可能な形態が示されている。第一の構造体は擬似飛行機1であって、子供が離陸、航行および着陸についての想像的な遊戯に携わることができる。同様に、擬似イグロー2は何時間もの楽しみを提供し、他のいずれかの材料による手段あるいは構築方法では困難である、砦、クラブハウス、集会所などを兼ねることができる。前記構造体のサイズは8歳の少年3の実寸図面と対比すれば直ちに明らかとなる。
【0045】
(設計と配置)
さて、図2Aから図2Dまでを参照すれば、図示されているのは斜視図で示すサンプルの基線構築ブロックである。本実施例において、1ブロック当り合計16個のコネクタがある。この数は構造上の安定性、接続の容易さと迅速さ、経済性の観点、および美的感覚に関する要件を満足させる最適設計に基づいて決められる。市販されている他の製品とは異なり、この設計のものは、子供が使用するのに親しみ易くなくかつ経済的でない従来技術の特徴であるブロックの全縁部に亘る接続を必要としない。このような本設計は、所望する特徴と、比較的容易にかつ短時間で実物大の構造体を構築する過程を楽しむという所定の使用者の能力といったその他の要素との間のバランスを最適化する。
【0046】
コネクタが交互に位置された場合、追って示されるように、他のブロックとの接続性は強度および接続の一貫性の双方において最適化されることが実験によって判明している。
【0047】
引続き図2Aの上面図を参照すれば、Velcro(登録商標)によって提供されるような材料からつくられたフックおよびループストラップ組立体4は常にエアバルブ8に近接した位置に配置される。前記上面図に示す上面の周囲の周りを時計方向に進んで次のコネクタ6は必然的にビニールフラップ6である。構築された形態の安定性を最適化するためには、底面のコネクタは上面に対して適合する位置を有することになる。さて、図2Dを参照すれば、底面における対応するフックおよびループストラップは図2Aに示す上面のストラップ4の真直ぐ下方に配置されており、かつ対応するビニールフラップ6も同様に上面のビニールフラップ6の真直ぐ下方に配置されていることが判る。このような配置は、コネクタが上面縁部あるいは底面縁部のいずれかにおいて接続できるようにすることによって最大の安定性を保証する。このような設計により、2個以上の構築ブロックをいずれの縁部およびいずれの方向においても接続できるようにする。
【0048】
再び図2Aを参照すれば、ストラップとフラップとはブロックの上面の周りを時計方向に進むにつれて交互に位置していることが判る。エアバルブ8に近接した底面右隅部から始まって、ストラップ4が位置され、フラップ6が続き、次にストラップ4が来るというようにされている。このようなパターンは図4を参照すればよりよく見ることができる。図2Dおよび図4に示すように、ストラップとフラップとの間の同様の交互の配置が下面においても見られる。
【0049】
エアバルブ8は子供用の膨らませ可能な玩具の膨らませ/凹ませに通常使用されているものと類似である。膨らませが完了すると、突起のない面を形成するためにエアバルブはブロックの中へ押し込むことができる。使用者はバルブに息を吹き込むことによってブロックを膨らませてもよい。代替的な実施例では膨らませを助勢するために機械的あるいは電気的動力ポンプを提供している。
【0050】
例として長方形の平行六面体を使用している図3A,図3Bおよび図3Cを参照すれば、基線物体はI形ビーム9あるいはコイル状ビーム10の形態の内部支持層を使用することによって所望の形状を保つことができる。熱シール可能なビニールの材料物性が所与であれば、このような内部骨組みは機能的並びに美的感覚のある物体を達成することもできる。そのような内部構造は表面の膨らみを所望の仕様に保つためにも重要である。図3Cに示すブロックは図3Aに示すブロックと同様に内部支持体として内部のI形ビームを使用している。しかしながら、図3Aに示すものと相違するのは、図3Cに示すブロックは端パネルあるいは側方パネルを有していないことである。その代わりに、上側のシートと下側のシートとが典型的には熱シールによってI形ビーム9に固定される。二枚のシートは次いで、これも典型的には熱シールによって相互に接合され、そのため図3Cに示すようにブロックの周りで上側シートと下側シートとの間の中間に継ぎ目Sが形成される。
【0051】
図3Cに示す実施例における側方パネルは物理的なものでなく、「実質上(virtual)」のものである。一旦膨らむと、構造体はあたかも側方パネルが追加されたような様相を呈し、かつ作用する膨らみを形成する。同様に、図3Cに示す構造体は本実施例における「実質上のパネル(virtual panel)」によって相互に接合された縁部を多角形上面および多角形下面の周りで有するように見える。従って、図3Aと図3Bとに示す実施例における継ぎ目は図3Cに示す実施例の「実質上の縁部」v1およびv2によって取って代わられる。
【0052】
図4は図3Aおよび図3Bに示すようなブロックを使用した実施例における、本発明の基本設計要素(key design element)を示す。コネクタは交互に配置された設計パターンで位置されているのみならず、それらは上面11から底面12まで適合している。実際のプロトタイプによりこのような設計が三次元の構造体を形成するブロックの接続をより安定化しうることを実証した。この安定性は、例えば傾斜した屋根のような角度をもった構造体のためのブロックの底縁部に沿って接続したり、また平屋根を構築する場合上縁部の周りで接続できるようにすることによって達成される。後者の場合の構造においては、屋根は縁部に沿って接続されるが、また構造体がぐらつくのを阻止するためにブロックの摩擦と形状とによる作用を行使する。
【0053】
引続き図4を参照すれば、別の十字形の設計要素がコネクタに配置されている。構築のバランスと容易さとを最適化するためには、各縁部当たり最低2個のコネクタがあれば十分であることが判っている。しかしながら、基本(key)はブロックの寸法に対してコネクタの正確な位置を決定することである。詳しくは、コネクタの中心線から最も近い隅部まで測定したコネクタの距離dがブロックの横長さLの関数として決定される。本設計においては、最小のコネクタの所望数(n=2)が与えられると、前記距離13は全長をn区分に分割し、コネクタの中心線が整合する各区分の中間点を見出すことによって計算される。
【0054】
以下の寸法に関する説明の全てにおいて、実際の数字あるいは他の寸法に対するパーセントあるいは比に関わらず、適用される公差はプラスまたはマイナスの6.35ミリメートル(one quarter of an inch)である。
【0055】
このように、図4に示す本発明におけるブロックの一縁部から最初のコネクタまでの距離dは以下の式によって与えられる。
DC=L/(2n)
但し、
Lはブロックの縁部の継ぎ目の長さであり、
nはブロックの同じ縁部継ぎ目におけるコネクタの数である。
【0056】
DCは、ブロックの縁部継ぎ目から最初の、すなわち最も近いコネクタの中間点までの距離であるdに等しい。
【0057】
隣接するコネクタとブロックの上面11あるいは底面12の間の距離は常に2*DCである。
【0058】
この同じ原理は長方形の場合のようにコネクタの数がその後増える場合も適用される。例えば、設計上長方形の横長さが四角の横長さの倍数である場合、コネクタは4個となるよう2倍にすればよい。同じ設計原理が適用され、コネクタは最も近い隅部と(この場合)長方形の中心線とから同じ相対距離を保つ。この設計は同じ横長さを共有する全ての多角形にも適用され、このように本設計の範囲内での全ての多角形は過度に困難を伴うことなく本設計の範囲内でのいずれの他のブロックに対しても接続する。
【0059】
本発明の第二の実施例は図3Cに示すブロック構造を利用している。好適実施例において、一縁部当たり最低2個のコネクタがブロック間の安定し信頼しうる相互接続を提供するに十分である。しかしながら、実験によれば、隣接するブロックのコネクタ間の距離は、以下詳細に説明されるように、第一の好適実施例におけるものよりも異なる計算がなされることが判明している。
【0060】
(コネクタ組立体の詳細)
さて、コネクタの設計の詳細を参照すれば、図5A、図5Bおよび図5Cは、組み立てられるとコネクタ組立体を構成する個々の要素を示している。
【0061】
フックおよびループストラップ組立体は3個の要素を有している。第一の要素は以下雌部分14と称されるフックおよびループの組み合わせのより軟質の要素から作られている。第二の要素は以下雄部分15と称されるフックおよびループの組み合わせのより硬直性の部分(rougher part)からつくられている。
【0062】
フックおよびループ部分の取り付け部として作用するように十字形16で厚さが約0.30ミリメートルの強化ビニール片を切断することによって組立体が完成される。雄型および雌型のフックおよびループ部分はビニールの十字形ハウジング16上に熱シールされる。雌部分14は前記十字形の垂直部分の脚部分38に固定され、一方雄部分15は前記十字形の垂直部分のより短い部分39に固定され、前記十字形の水平部分40はビニールの露出部分として残す。
【0063】
前記の水平部分は実際の熱シールが行われる場所である。同じビニール材料からつくられているが、強度が倍加された別の要素は楕円形のコネクタマウント17と称される。構築ブロック上に組み立てられる場合、雌型14および雄型15のフックおよびループ要素は十字形のビニールハウジング16に熱シールされ、該ハウジングは次いで楕円形のコネクタマウント17上に熱シールされる。組立体全体は次いで最終段階として構築ブロックの上面および底面上に熱シールされる。
【0064】
このような多層による方法は製品の耐久性を高め、可能性のある誤使用や推奨された許容レベル以上を超えた引っ張り力の加え過ぎからも保護する。結果的に得られたストラップ組立体が図5Cに示されている。
【0065】
ビニールのフラップ組立体18は三層のビニール構造体である。中間層は開放したスリットに沿って熱シールされ、一方上層と底層とは縁部に沿って熱シールされている。このような設計は耐久性と誤使用に対する保護を保証する。ビニールのフラップ組立体のシールはフックおよびループストラップ組立体と同様に実行される。それはまた、楕円形のコネクタマウント17にもシールされ、該マウントは次いでブロック上にシールされる。
【0066】
図6はフックおよびループストラップ組立体の相対寸法を指示する設計の詳細を示す。これらの寸法はブロックの全体寸法および形状の関数として、かつ所望する機能と利点とに対する当該製品の最大機能を保証するよう緊密に接着する必要性とに関して決定される。図示のように長さL20を有している雌型のフックおよびループ部分14は必然的に図示のような長さL21を有する対応するビニールの十字形ハウジング16を必要とする。フックおよびループ部分が取り付けられている十字形ハウジングの部分は、軟質で柔軟性のある余分のビニール材料がフックおよびループ部分のより硬直性の縁部に沿ってクッションとして作用できるようにするために、対応するフックおよびループ部分14,15の幅と長さの125%(プラスまたはマイナス5%)を有する必要がある。もしもこれらの相対寸法が保たれないとすれば、コネクタは使用者に皮膚の摩擦を強いる可能性がある。
【0067】
同様に、長さL22を有する雄型のフックおよびループ部分15は、対応するフックおよびループ部分の長さの125%を有するビニールハウジング39の下側の垂直部分に取り付けられる。
【0068】
十字形ハウジングの水平部分40は楕円形のコネクタマウントに固定される。長さL24および幅L25を有する前記水平部分の表面の理想的には100%が、楕円形マウント内の中心を合わせた長方形36の形状で図6に示す楕円形コネクタマウント17の部分の上に熱シールされる。楕円形コネクタマウントの実際の寸法は所望するコネクタの耐久性と美観とのバランスの関数であるが、本発明においては重要ではない。
【0069】
図7はビニールのフラップの設計寸法を示す。ビニールフラップは、図6においてSWとして示されているフックおよびループストラップの幅の125%の長さを各々が有する2個のスリットを有し、接続の間ストラップのフラップへの出入りを確実に容易にする。ビニールフラップの基本設計要素はスリットの数である。第一のスリット27はビニールのフラップのいずれかの縁部からL30以上の距離を必然的に有する。第一のスリットと第二のスリット28との間の間隔は同じL30の距離である。
【0070】
最も重大な寸法は、熱シールが実行される第二のスリット28とフラップ18の基部との間の距離である。その計算はブロックの側方パネルにおける膨らみの量によって左右される。材料の特性とその構成および内部支持体のゆえに、完全に直角の隅部を有するブロックを作ることは不可能に近い。むしろ、側部が膨らむので、並置され、接触するブロックはその継ぎ目が接触しない。このような状態は、上面11が示され、図4に示す好適実施例のブロックを使用している接触状態の2個のブロックの平面図である図11を参照すれば詳しく理解することができる。前記膨らみ49の大きさは例示目的でブロックのサイズに対して相対的に誇張して示されている。
【0071】
引続き図11を参照すれば、第二のスリットとフラップの基部との間の距離の計算は以下のように行われる。
1. 側方パネルを膨らみ49の高い点において接触させてコネクタが適合するように2個のブロックを並置させる。すなわち、各ストラップは対応するフラップと面する。
2. 側方パネルを接触させるが、何ら力を加えず相互に押し付けないようにすると、完全に広がったフラップ18は対応するストラップ16の基線47から12.7ミリメートル(1/2 inch)離れるはずである。
【0072】
以下の等式が適用される。
D=A+B1+B2+C
F=D−E
但し、
A=フラップの基部41と継ぎ目線42との間の距離
B1=第一のブロックの膨らみ
B2=第二のブロックの膨らみ
C=ストラップの基部47と継ぎ目線42との間の距離
D=フラップの基部47とストラップ41との間の合計距離
E=フラップ48の先端とストラップの基部41との間の距離
F=フラップの長さL35
【0073】
一旦膨らみB1とB2との測定がなされると、DとFとが計算される。Fは最適であるフラップの長さである。
【0074】
フラップの基部とストラップとが側方の継ぎ目から25.4ミリメートル(1 inch)のところにあるサンプルブロックに対して、等式は以下のように減少される。
D=1+B1+B2+1
F=D−0.5
【0075】
この計算の方法によって、構造上の一貫性を提供するために2個の隣接するブロックが接続されると十分な摩擦があるよう確実にし、その一方、不要な欲求不満を起こさせないように、空気圧が予測された若年の使用者の引っ張り力の範囲内にあることを確実にする。
【0076】
各スリットの端は針孔29によって終わり、それがスリットにフックおよびループコネクタを通し易くする。
【0077】
第二の実施例によるブロックが使用される場合、計算は若干異なる。図11Aを参照すれば、異なる手順が使用される。2個のコネクタの基部の間の合計距離であるDを計算するには、先ず2個の隣接した膨らんだブロックを一寸接触させて位置させる。
【0078】
次に、適合するフラップの上側スリットにストラップを接続させる。接続されたブロックは、垂直に吊るされたとき上側ブロックと底側ブロックとの間に空隙がないように軽く当接すべきである。
【0079】
コネクタの基部と最も近い周囲の継ぎ目との間の距離として再定義した距離Aは以下のように計算される。
A=D/2
但し、ブロックが膨らまされたときの第二の実施例を使用して相互にブロックが接続された場合の最適な摩擦および安定性に対してはD=L21=L35である。凹まされた場合はD=Aとなる。
【0080】
図8Aから図8Cまでは接続の矯正技術を示す。図8Aに示す開放位置において、コネクタ組立体はブロックのいずれかの縁部に沿って相互に対面する。図8Bを参照すれば、フックおよびループストラップの雌側を第一のスリット27に通し、それを折り返して雄型のフックおよびループ部分15と合わせることによって接続を行うことができる。それはまた同じ方向に折り曲げることを要する。このような接続は大きな、あるいは長い壁、すなわちパネルが上面および底面の双方に接続される共平面の形態を接続するために利用される。実際のプロトタイプでの試験に基づいて、その結果得られた構造体は単品として扱うようにするに顕著な構造上の一貫性を有している。
【0081】
別の接続技術が図8Cに示されており、それは雌型のフックおよびループストラップを第二のスリット28を通して図8Bに示す第一の技術と同様に折り返すことを要する。この接続は、縁部を構造上の一貫性を高めるためにできるだけ緊密な接触状態に保つ必要があるいずれかの傾斜接続において最良に利用される。このタイプの接続は擬似傾斜屋根、壁あるいは可撓性を必要とするいずれかの面に沿って使用することができる。
【0082】
(形態およびそれらの作用)
本発明は数学や建築分野において実証されてきたように、複雑な幾何学的形状を構築するための等辺形状の能力(power of equilateral shapes)を行使する。「多角形」と本明細書において称しているこの分類内において、複数の各基部ユニットを使用して二次元あるいは三次元でより複雑な構造体を構築したり、および(または)組み合わせて多数の構造体を形成することができる。この能力に対する秘訣は前記基線ユニットの各々が設計上等辺であり、一方全ての基線構築ブロックが一つの側に対して同じ長さを共有するという事実にある。その結果得られた幾何学(geometry)では三角形は一貫して60度の角度を形成し、四角は90度、五角形は108度、六角形は120度の角度を有することになる。そのような形状は以下「正多角形」と称される。
【0083】
図9は同じ教育原理を適用し、前述した三角および四角以外の平行四辺形を形成できる態様を示す。図には三角形で構築した4個の複雑な形状が示されている。菱形と台形とはまた、例えばプリズムとかピラミッドのような更に難解な構造体を構築するための基線形状として使用することも可能である。本発明の別の基本的な設計の強みは構築ブロックを使用して諸々の角度の接続を可能としうることである。インタロック設計による形態の膨らませ可能なビニール材料からつくられた既存の製品とは異なり、本発明による交互に配置のループおよびストラップ設計は2個以上の基線構築ブロックを固定するのみならず、接続縁部がゼロから360度までに亘る角度を形成できるようにする。
【0084】
図9に示すように、2個の基線ユニットの各々の1個の縁部を接続することによって共平面構造をつくることができる。6個の基線ユニットの2個の縁部を接続することによって60度の鋭角が達成され、このように6個の3−D二等辺三角形を形成する。1個でないが、4個までの各々90度の接続角度において直交角度を形成することができる。今回は2個の基線ユニットの2個の縁部を固定することによって更に別の共平面接続をつくることができる。最後に、3個の基線ユニットの2個の縁部を整合させることによって各々120度である鈍角を形成することができる。これらのサンプルの接続によって実証可能なように、所望の角度を達成することが可能であるが、利用可能な基線構築ブロックの数によってのみ限定される。
【0085】
最後に図10は遊戯構造体の最も強力で、楽しい局面の一つを示す。特定のユニットの単一の縁部のみに沿って接続することによって、例えば扉、天窓、窓、秘密の出入口のような多数の開口を形成することが可能である。図示のように、天窓36が示すような上下方向運動も可能である。また、旋回扉37によって一般的に提供される側方運動も可能である。
【0086】
遊戯構造体を分解すべき場合、ブロック要素は内部の空気を単に解放することによって容易に凹ませることができる。凹んだビニールのブロックの格納は凹んだシートを小さい容器に単に収納することによって容易に達成することができる。更に、一方の構造体を別の構造体に変更するには、使用者は単に、あるとすれば、どのような追加の形状およびその量が必要とされるかを識別するだけである。このように、本発明は製造された物理的形態によって限定されない設計および追加における無制限の展開性を提供する。
【0087】
本構築ブロックシステムが提供する娯楽性の価値を更に高めるために、所望するデザインの完全なパターンを表示するように、カラーコード、特定のテーマおよび布製の取り外しカバー(close slip covers)を利用することができる。その他の実施例は大きな壁画を組み立てるために若者が利用しうるパズルの形態をとることができる。
【0088】
本発明によって可能とされる実物大の構造体を設計し、創成し、構築することを楽しむために、構築ブロックを膨らませ、縁部に沿って単純な接続を行うこと以上のものは必要でないことが明らかである。この製品を楽しみうる程度は、その最終形状および形態の可変性および構造体を構築することに興味をもつ誰に対しても提供するその難解さのために計り知れないものである。仕上がり形状が3品からなるトンネル、4品からなる犬小屋、開放する扉を備えた5品からなる砦、あるいは旋回開放ラッチ、扉、窓などを備えた30品からなる食料売店であるか否かを問わず、本製品は三歳から年齢を問わない大人までの遊戯者に対して構築工程,交遊および達成感からくる喜びを楽しむようにさせる。
【0089】
前述したように、基本的な構築ブロックは正多角形である、すなわち各々がそれぞれの他の辺と同じ長さを有している多数の辺を有する断面を有している。数学用語では、そのような構造体は多角形の断面を有する直円柱と称され、簡単にいって「正多角円柱」であって、これは以下使用される用語である。各多角形の辺は好適実施例におけるその他の各多角形の辺と同じ長さを有している。辺の長さは「基本辺長さ」と以下称される。
【0090】
代替的な形状バージョンには、その基本辺が最小の構築ブロックの基本辺とは相違し、その長さが以下「基本的な基本辺」長さと称される多角形円柱から構成されている別の構築ブロックが含まれる。その他の全ての構築ブロックはその長さが基本的な基本辺長さの正確な倍数である基本辺を有している。このように、長方形断面や基本的基本辺長さ「m」を有する構築ブロックも、長方形断面と基本辺長さ「2m」を有する別の構築ブロックと共に含みうる。このように、これらのより小さく、あるいは基本的な長方形ブロックの二つは正に前述したより大きな長方形ブロックの一辺と適合する必要がある。
【0091】
別の代替実施例において、本システムは正多角形である、より大きな構築ブロックを含みうる。
【0092】
特許請求の範囲に定義されている本発明の範囲から逸脱することなく本発明の範囲内で改良や修正が可能であることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1A】本発明によるブロックからつくられた玩具の飛行機を示す。
【図1B】本発明によるブロックからつくられた玩具のイグルー(igloo)を示す。
【図2A】本発明によるブロックの上面図を示す。
【図2B】本発明によるブロックの正面図を示す。
【図2C】本発明によるブロックの側面図を示す。
【図2D】本発明によるブロックの底面図を示す。
【図3A】内部のI形ビーム支持体を備えたブロックの斜視図を示す。
【図3B】内部のコイルビーム支持体を備えたブロックの斜視図を示す。
【図3C】内部のI形ビーム支持体を備え、端パネルのないブロックの斜視図を示す。
【図4】取り付けられたコネクタを示す、第一の実施例によるブロックの斜視図を示す。
【図4A】取り付けられたコネクタを示す、第二の実施例によるブロックの斜視図を示す。
【図5A】ストラップコネクタの分解図を示す。
【図5B】フラップコネクタの分解図を示す。
【図5C】並置されてブロックの面に取り付けられたストラップコネクタとフラップコネクタとを示す。
【図6】ストラップコネクタの分解図を示す。
【図7】フラップコネクタの分解図を示す。
【図8A】ストラップコネクタに近接したフラップコネクタを示す。
【図8B】フラップコネクタの上側スリットに固定されたストラップコネクタを示す。
【図8C】フラップコネクタの下側スリットに固定されたストラップコネクタを示す。
【図9A】ブロックからつくられた菱形を示す。
【図9B】ブロックからつくられた台形を示す。
【図9C】ブロックからつくられたプリズムを示す。
【図9D】ブロックからつくられたピラミッドを示す。
【図9E】ブロックからつくられた積み重ねを示す。
【図9F】ブロックからつくられた鋭角配列を示す。
【図9G】ブロックからつくられた直交配列を示す。
【図9H】ブロックからつくられた共平面対を示す。
【図10】ブロックからつくられた玩具の家を示す。
【図11】各々の膨らみを示す、接触した第一の実施例による2個のブロックを示す。
【図11A】各々の膨らみを示す、接触した第二の実施例による2個のブロックを示す。
【符号の説明】
【0094】
4 フックおよびループストラップ組立体
6 ビニールストラップ
8 エアバルブ
9 I形ビーム
10 コイル状ビーム
11 ブロックの上面
12 ブロックの底面
14 雌型コネクタ部分
15 雄型コネクタ部分
16 十字形マウント
17 コネクタマウント
18 フラップ組立体
27,28 スリット
29 針孔
38 十字形マウントの上側垂直部分
39 十字形マウントの下側垂直部分
40 十字形マウントの水平部分
49 ブロックの膨らみ
S 継ぎ目


【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の膨らませ可能なブロックからなる実物大の遊戯構造体を構築するシステムにおいて、各ブロックが更に、
a)同一の多角形上面と多角形の底面であって、前記2個の面が相互に固定されて前記面の間の中間で前記ブロックの周りを巡る単一の継ぎ目を形成する上面と底面と、
b)各々が上縁部と底縁部とを有する多数のI形ビームであって、各上縁部が前記の多角形上面に固定され、各底縁部が前記の多角形の底面に固定され、それによって多角形のブロックが多数の実質上の上縁部と、それに見合う数の実質上の底縁部とを有し、各面における前記実質上の縁部が実質上の縁端部において合流するようにする多数のI形ビームと、
c)多数のストラップコネクタと多数のフラップコネクタとであって、2個以上のコネクタが前記上面において各実質上の縁部に近接して固定され、かつ2個以上のコネクタが前記底面において各実質上の縁部に近接して固定され、前記ストラップコネクタとフラップコネクタとが各面における前記実質上の縁部の周りで交互に配置されており、各フラップコネクタが別のブロックにおける対応するフラップコネクタのスリットに固定されるストラップを含んでいる多数のストラップコネクタと多数のフラップコネクタとを含むことを特徴とする実物大の遊戯構造体を構築するシステム。
【請求項2】
各ブロックに対して、前記上面と前記底面とは最も近い実質上の縁端部から概ねDCの距離に中心線が位置している端コネクタを有し、前記DCが
DC=l/(2n)によって定義され、
lが前記実質上の縁部の長さであり、nが前記実質上の縁部におけるコネクタの数であり、
各面の実質上の縁部における各コネクタが同じ面の実質上の縁部における最も近い他のコネクタから2*DCの距離に中心線を位置させていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記上面における各フラップコネクタが前記下面におけるフラップコネクタに隣接しており、前記上面における各ストラップコネクタが前記下面におけるストラップコネクタに隣接していることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記の各ストラップコネクタが、水平部分と、上側の垂直部分と、下側の垂直部分とを含む十字形のマウントを含み、雄型のフックおよびループ材料の一部が前記の上側垂直部分に固定され、雌型のフックおよびループ材料の一部が前記下側の垂直部分に固定され、前記水平部分が楕円形のマウントに固定されることを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
各フラップコネクタが、対応するストラップコネクタの垂直部分の幅の各々約125%である2個以上のスリットをその中に形成しており、各フラップコネクタが更に前記フラップコネクタの底縁部に近接して、対応する楕円形マウントに固定される取り付け部分を含むことを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
各フラップコネクタの各スリットが各端で終わる針孔を有していることを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
各フラップコネクタに対して、前記スリットは相互に対して平行に配置されており、各スリットと隣接するスリットとの間の距離は最上側スリットと前記フラップコネクタの上縁部との間の距離に等しく、かつ更に各針孔とフラップコネクタの縁部における最も近い点との間の距離に等しいことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
各フラップに対して、ビニール製フラップのいずれかの縁部からの第一のスリットの距離は前記フラップの第一と第二のスリットの間の間隔に概ね等しいことを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
ブロックを完全に膨らませた状態で、前記フラップの第二のスリットと基部との間の距離は、
a)各ストラップが対応するフラップと直面するように、継ぎ目を接触させて第一のブロックと第二のブロックとを並置させ、
b)各ブロックの継ぎ目を接触させるが、何ら力を加え相互に押圧しないような状態で、フラップを完全に広げ、各フラップを対応するストラップの基線と接触させると、特定のストラップとフラップとに対して以下の等式が概ね適用され、
(i)D=2*A
Aはフラップの基部と対応する継ぎ目との間の距離であり、
Dはフラップ長さ=ストラップ長さ=2個の基部の間の距離であることを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
対応する楕円形のマウントに各コネクタを固定することが熱シールによって実行され、各楕円形コネクタマウントを対応するブロックに固定することが熱シールによって実行されることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記ブロック、フラップおよび十字形マウントがポリ塩化ビニールからつくられることを特徴とする請求項10に記載のシステム。


【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図4A】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図9G】
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【図9H】
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【図10】
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【図11】
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【図11A】
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