説明

実装体及びその製造方法

【課題】全体の大きさの小型化と高性能化を、従来よりも低コストで実現可能で、しかも、多品種少量生産製品や多品種小ロット生産量製品の迅速対応化が可能な実装体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】実装チップ11ijと、この実装チップ11ijの上面側に設けられたチップ収納凹部の内部に、上面がこの実装チップ11ijの上面と同一レベルとなるように埋め込まれた機能素子チップ21,31,41と、この機能素子チップ21,31,41のこの上面を含んで、この実装チップ11ijのこの上面の上に設けられた上面側配線用絶縁膜111と、この上面側配線用絶縁膜111上に配置され、この機能素子チップ21,31,41と電気的に接続された上面側実装配線57,56,52,53,58とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はLSIチップやMEMSチップ等の多様なチップを搭載可能な実装体に係り、特に、多品種少量製品に好適な実装体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
性能向上、高付加価値のために、LSI単体やマイクロ・エレクトロ・メカニカル・システムズ(MEMS)単体を組み合わせて一緒にしたモジュール或いはシステムが実用化されている。現状のモジュールは、セラミック構造等の多層積層基板に、LSI単体やMEMS単体のベアチップをハンダボールかワイヤーボンドを用いて実装している。
【0003】
しかしながら、新規製作のLSIは高値であり、LSIが手に入りにくいいため、従来、少量生産のモジュールが低コストで製作できないという問題点があった。又、LSI単体やMEMS単体のベアチップをハンダボールかワイヤーボンドを用いて実装する手法では、配線が長くなり、抵抗素子や容量素子の取り付けで寄生インピーダンスが増大し、高周波特性を下げるので、高周波用の実装に向かないという問題点があった。このため、大量生産のモジュールは出回っているが、多品種少量のモジュールは安く供給されていないというのが現状である。
【0004】
従来の多品種少量生産や多品種小ロット生産は、頻繁に生産ラインの段取り換えを行わなければならないので通常はコスト高となる問題点があった。しかしながら、多品種少量生産や多品種小ロット生産はLSIやMEMS等の機能デバイスの製造メーカにとってはどうしても達成しなければならない最重要課題である。なぜなら、多品種・短納期・低価格要求は、競合他社との競争の要であり企業の存続にかかわる問題であるからである。たとえ製品差別化ができたとしても、タイムリーに顧客に製品を届けることができなければ競合他社に負けることになる。このように、多品種少量生産や多品種小ロット生産ができるかできないかは企業の存続、盛衰を決める事項であるが、従来、LSIやMEMS等の機能デバイスの多品種少量生産や多品種小ロット生産の有効な手法がなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記問題点を鑑み、本発明は、全体の大きさの小型化と高性能化を、従来よりも低コストで実現可能で、しかも、多品種少量生産製品や多品種小ロット生産量製品の迅速対応化が可能な実装体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、(a)実装チップと、(b)この実装チップの上面側に設けられたチップ収納凹部の内部に、上面が実装チップの上面と同一レベルとなるように埋め込まれた機能素子チップと、(c)この機能素子チップの上面を含んで、実装チップの上面の上に設けられた上面側配線用絶縁膜と、(d)この上面側配線用絶縁膜上に配置され、機能素子チップと電気的に接続された上面側実装配線とを備える実装体であることを要旨とする。
【0007】
本発明の第2の態様は、(a)上面が、複数のチップ領域を割り当て可能な面積を有する基板用ウェハの上面側に、チップ収納凹部を形成する工程と、(b)チップ収納凹部の内部に、上面が基板用ウェハの上面と同一レベルとなるように機能素子チップを埋め込む工程と、(c)この機能素子チップの上面を含んで、基板用ウェハの上面の上に上面側配線用絶縁膜を形成する工程と、 (d)この上面側配線用絶縁膜上に、機能素子チップと電気的に接続される上面側実装配線を形成する工程と、(e)チップ領域毎に、を複数のチップ領域を分割して、基板用ウェハから複数の実装チップを切り出して実装体とする工程とを含む実装体の製造方法であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、全体の大きさの小型化と高性能化を、従来よりも低コストで実現可能で、しかも、多品種少量生産製品や多品種小ロット生産量製品の迅速対応化が可能な実装体及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る実装体の概略を説明するための、模式的な断面図である。
【図2】第1の実施の形態に係る実装体の製造方法の概略を説明するための模式的な工程断面図である(その1)。
【図3】図2に示した工程断面図に対応する上面図(平面図)である(図3のIIIA−IIIA方向から見た断面図が図2(d)である。)。
【図4】図4(a)〜(c)は、図2に示した工程断面図に対応する工程で用いられるハードウェアライブラリーを例示する模式図で、図4(d)は、図2に示した工程断面図に対応する工程における、基板用ウェハ上の全体のレイアウトを説明する上面図(平面図)である。
【図5】第1の実施の形態に係る実装体の製造方法の概略を説明するための模式的な工程断面図である(その2)。
【図6】図5に示した工程断面図に対応する上面図(平面図)である(図6のVIA−VIA方向から見た断面図が図5である。)。
【図7】図5に示した工程断面図に対応する工程における、基板用ウェハ上の全体のレイアウトを説明する上面図(平面図)である。
【図8】第1の実施の形態に係る実装体の製造方法の概略を説明するための模式的な工程断面図である(その3)。
【図9】第1の実施の形態に係る実装体の製造方法の概略を説明するための模式的な工程断面図である(その4)。
【図10】図9に示した工程断面図に対応する上面図(平面図)である(図10のXA−XA方向から見た断面図が図9である。)。
【図11】第1の実施の形態に係る実装体の製造方法の概略を説明するための模式的な工程断面図である(その5)。
【図12】第1の実施の形態に係る実装体の製造方法の概略を説明するための模式的な工程断面図である(その6)。
【図13】図12に示した工程断面図に対応する工程が終了した後の封止キャップ基板と実装チップとの関係を説明する上面図(平面図)である。
【図14】図14(a)は、第1の実施の形態に係る実装体に搭載する機能素子チップ(LSIチップ)が、LSI用半導体ウェハの表面にグリッド状に設定されたダイシングラインに沿って、多数のチップとして切り出されることを説明する模式的な上面図(平面図)で、図14(b)は、多数切り出されタ機能素子チップの内の一つについて、その概略の構造を説明するための、模式的な断面図である。
【図15】図15(a)は、第1の実施の形態に係る実装体に搭載する他の機能素子チップ(MEMSリレー)が、MEMSデバイス用ウェハの表面にグリッド状に設定されたダイシングラインに沿って、多数のチップとして切り出されることを説明する模式的な上面図(平面図)で、図15(b)は、多数切り出されタ機能素子チップの内の一つについて、その概略の構造を説明するための、模式的な断面図である。
【図16】図16(a)は、第1の実施の形態に係る実装体に搭載する更に他の機能素子チップ(貫通配線部品)が、MEMS関連部品用ウェハの表面にグリッド状に設定されたダイシングラインに沿って、多数のチップとして切り出されることを説明する模式的な上面図(平面図)で、図16(b)は、多数切り出されタ機能素子チップの内の一つについて、その概略の構造を説明するための、模式的な断面図である。
【図17】第1の実施の形態に係る実装体に搭載する更に他の機能素子チップ(多層配線部品)の概略の構造を説明するための、模式的な断面図である。
【図18】第1の実施の形態に係る実装体に搭載する更に他の機能素子チップ(L−C−R受動素子回路)の概略の構造を説明するための、模式的な断面図である。
【図19】第1の実施の形態に係る実装体に搭載する更に他の機能素子チップ(立体構造部品)の概略の構造を説明するための、模式的な断面図である。
【図20】本発明の第2の実施の形態に係る実装体の製造方法の概略を説明するための模式的な工程断面図である(その1)。
【図21】第2の実施の形態に係る実装体の製造方法の概略を説明するための模式的な工程断面図である(その2)。
【図22】本発明の第3の実施の形態に係る実装体の製造方法の概略を説明するための模式的な工程断面図である(その1)。
【図23】第3の実施の形態に係る実装体の製造方法の概略を説明するための模式的な工程断面図である(その2)。
【図24】本発明の第4の実施の形態に係る実装体の概略を説明するための、模式的な断面図である。
【図25】第4の実施の形態に係る実装体の製造方法の概略を説明するための模式的な工程断面図である(その1)。
【図26】第4の実施の形態に係る実装体の製造方法の概略を説明するための模式的な工程断面図である(その2)。
【図27】第4の実施の形態に係る実装体の製造方法の概略を説明するための模式的な工程断面図である(その3)。
【図28】第4の実施の形態に係る実装体の製造方法の概略を説明するための模式的な工程断面図である(その4)。
【図29】第4の実施の形態に係る実装体の製造方法の概略を説明するための模式的な工程断面図である(その5)。
【図30】第4の実施の形態に係る実装体の製造方法の概略を説明するための模式的な工程断面図である(その6)。
【図31】第4の実施の形態に係る実装体の製造方法の概略を説明するための模式的な工程断面図である(その7)。
【図32】本発明の第4の実施の形態の変形例に係る実装体の製造方法の概略を説明するための模式的な工程断面図である。
【図33】本発明の第5の実施の形態に係る実装体の概略を説明するための、模式的な断面図である。
【図34】第5の実施の形態に係る実装体の製造方法の概略を説明するための模式的な工程断面図である(その1)。
【図35】第5の実施の形態に係る実装体の製造方法の概略を説明するための模式的な工程断面図である(その2)。
【図36】本発明の第5の実施の形態の変形例に係る実装体の製造方法の概略を説明するための模式的な工程断面図である。
【図37】本発明の第6の実施の形態に係る実装体の概略を説明するための、模式的な断面図である。
【図38】第6の実施の形態に係る実装体の製造方法の概略を説明するための模式的な工程断面図である(その1)。
【図39】第6の実施の形態に係る実装体の製造方法の概略を説明するための模式的な工程断面図である(その2)。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、図面を参照して、本発明の第1〜第6の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、特に、断面図の表示で、半導体からなる機能素子チップの内部に、それぞれの半導体領域を矩形な領域で示しているが、現実の製造プロセスを考慮すれば、それぞれの半導体領域を示す矩形領域の角部が丸みを帯びる場合がある。よって、以下の図面は、それらの丸みを帯びた形状を、便宜上、簡略化して矩形で示していると解釈してもよい。
【0011】
即ち、当業者に周知のように、半導体基板の内部に特定の半導体領域をp型若しくはn型の不純物の熱拡散で形成する場合は、通常ガウス分布や補誤差関数分布になり得るので、熱プロセスを伴う場合には、完成品を示す断面図においては、横方向の拡散速度と深さ方向への拡散速度に起因して、底部周辺が丸みを帯びた舟形形状等の拡散領域になり得るものであり、完成品においては図示したようなボックス型のプロファイルとは異なる形状に仕上がる場合があることに留意されたい。
【0012】
又、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。又、以下に示す第1〜第6の実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0013】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る実装体は、図1に示すように、実装チップ11ijと(添え字のi,jは、それぞれ、基板用ウェハの表面に割り当てられるチップ領域のレイアウトで決まる整数である。)、実装チップ11ijの内部に設けられた、複数のチップ収納凹部の内部にそれぞれ配置された、機能素子チップ21,31,41と、機能素子チップ21の上に設けられた多層配線層の内の最上層の配線225a,225c、機能素子チップ31の上に設けられた多層配線層の内の最上層の配線314a,314bi,314c、機能素子チップ41の上に設けられた配線層の内の最上層の配線442,441とを、相互に電気的に接続する上面側実装配線56,52,53を備える。
【0014】
機能素子チップ21の底面と、左側のチップ収納凹部の底部の上面との間には導電性ペースト等の接着層176が、機能素子チップ41の底面と、右側のチップ収納凹部の底部の上面との間には、接着層177が介在することにより、機能素子チップ21は左側のチップ収納凹部に固定され、機能素子チップ41は右側のチップ収納凹部に固定されている。配線225a,225c、配線314a,314bi,314c、及び配線442,441の上には、上面側配線用絶縁膜111が設けられ、この上面側配線用絶縁膜111に開口されたコンタクトホールを介して、配線225a,225c、配線314a,314bi,314c、及び配線442,441と、上面側実装配線57,56,52,53,58とが電気的に接続されている。電気的な接続を達成するために、配線225a,225c、配線314a,314bi,314c、及び配線442,441の上のコンタクトホールには、それぞれコンタクトプラグ601,602,324a,324b,324c,603,604が埋め込まれている。
【0015】
実装チップ11ijの裏面には、下面側配線用絶縁膜112が設けられ、下面側配線用絶縁膜112に開口されたコンタクトホールを介して、機能素子チップ31の裏面側の最下層の裏面配線317a,317bi,317cと、下面側実装配線61,62,63とが電気的に接続されている。電気的な接続を達成するために、裏面配線317a,317bi,317cの上(図1において下側)のコンタクトホールには、それぞれコンタクトプラグ327a,327bi,327cが埋め込まれている。
【0016】
機能素子チップ21,31,41のそれぞれの上に設けられた多層配線や、更にその上の上面側実装配線51,52,53,……,57,58等は、実装チップ11ijの周辺部に設けられた樹脂12ijを接着層として用いて、実装チップ11ijの上に封止キャップチップ13ijを接合して、実装チップ11ijとの封止キャップチップ13ijとの間を密閉空間として、封止されている。図1に示すように、封止キャップチップ13ij は、封止キャップチップ131ijと、封止キャップチップ131ijの上面のキャップ絶縁膜132と、封止キャップチップ131ijの下面にキャップ絶縁膜133とで構成されている。
【0017】
実装チップ11ijとしては、厚さ450μm〜1200μm程度のシリコン(Si)等の半導体チップが例示できるが、必ずしも半導体チップに限られるものではない。例えば、半導体チップ以外に、セラミック、樹脂又は耐熱ガラス等の高比抵抗材料チップ、半絶縁性材料チップ若しくは絶縁体材料チップが採用可能である。半導体チップの具体例としては、従来のLSI等と同様な、厚さ450μm〜1000μm程度で、直径100mmφ〜300mmφの半導体ウェハを20mm×20mm〜50mm×50mm程度の所望の大きさのチップ領域として切り出した半導体チップが実装チップ11ijとして採用可能である。
【0018】
複数の機能素子チップ21,31,41のそれぞれとしては、能動的な機能素子及び受動的な機能素子が採用可能である。能動的な機能素子としては、トランジスタ、サイリスタやダイオード等の半導体個別素子(ディスクリート素子)やLSI等の半導体集積回路等の半導体関連デバイス、及びMEMSセンサ、MEMSリレー、MEMSスキャナ等のMEMS関連デバイスが含まれ得る。半導体個別素子(ディスクリート素子)には、発光ダイオード(LED)や半導体レーザダイオード(LD)等の半導体発光素子や、電力用半導体素子が含まれ得る。なお、複数の機能素子チップのいずれかに、発光素子が含まれる場合は、封止キャップチップ13ij を構成する封止キャップチップ131ij、キャップ絶縁膜132、キャップ絶縁膜133の材料等は、実装される発光素子の光学的特性を考慮して設計され、選定されることは勿論である。
【0019】
一方、受動的な機能素子としてはインダクタンス(L)素子、容量(C)素子、抵抗(R)素子等の受動素子、若しくはこれら内の複数の受動素子の組み合わせからなる受動素子回路、更には配線回路等のMEMS関連部品が含まれる。配線回路としては、貫通配線部品、多層配線部品や立体構造部品等のMEMS関連部品が含まれる。
【0020】
図1では、両側のチップ収納凹部の深さが等しく、中央のチップ収納凹部の深さがチップ両側のチップ収納凹部よりも深い貫通孔となっているが、例示にすぎず、チップ収納凹部の深さは、それぞれのチップ収納凹部に収納される機能素子チップ21,31,41のそれぞれの厚さと、これらの機能素子チップ21,31,41の上に設けられる表面配線や表面構造の厚さとの総和を考慮して、設計して決めればよい。したがって、チップ両側のチップ収納凹部の深さが異なっていても構わないし、図1に例示したように、中央のチップ収納凹部が貫通孔である必要は必ずしもない。ただし、実装チップ11ijの厚さを450μm〜1200μm程度に選んだ場合は、非貫通孔(有底凹部)としてのチップ収納凹部の深さは、実装チップ11ijの厚さより浅く設定されるのは勿論であり、有底のチップ収納凹部に収納される機能素子チップの厚さは、実装チップ11ijの厚さを考慮して、例えば、厚さ50μm〜350μm程度に設定される。
【0021】
機能素子チップ21,31,41のそれぞれの詳細は、図14,図16,図15を用いて後述するが、機能素子チップ31ijの上面には上面保護絶縁膜321が、機能素子チップ31ijの下面には下面保護絶縁膜323が形成され、上面保護絶縁膜321、機能素子チップ31ij及び下面保護絶縁膜323を貫通する貫通孔を介して、貫通配線311a,311bi,311cが設けられている。よって、貫通配線311a,311bi,311cを介して、機能素子チップ31ijの上面の表面配線314a,314bi,314cと機能素子チップ31ijの下面(裏面)の裏面配線317a,317bi,317cとがそれぞれ独立した経路で、互いに電気的に接続される。これにより、裏面配線317a,317bi,317cが、機能素子チップ21,31,41のそれぞれに設けられた電気配線への入出力端子として機能できる。即ち、機能素子チップ31ijの下面(裏面)に設けられた裏面配線317a,317bi,317Cが、第1の実施の形態に係る実装体の入出力端子となることができる。
【0022】
第1の実施の形態に係る実装体によれば、図1に示すように上面側実装配線51,52,53、……,57,58のパターンを微細化できるので、実装体の全体の大きさを従来のパッケージやモジュールよりも小型化し、寄生インピーダンスを最小化することにより、高周波特性を改善できる。しかも、第1の実施の形態に係る実装体によれば、従来よりも低コストで、実装体を製造することが可能であり、更に、多品種小量製品や多品種小ロット製品の迅速対応化が可能である。
【0023】
−−第1の実施の形態に係る実装体の製造方法−−
図2〜図13を用いて、本発明の第1の実施の形態に係る実装体の製造方法を説明する。なお、以下に述べる実装体の製造方法は、一例であり、この変形例を含めて、これ以外の種々の製造方法により、実現可能であることは勿論である:
(イ)先ず、図2(a)、図2(b)、図2(c)にそれぞれ断面図を示すように、機能素子2,3,4を予め用意されたハードウェアライブラリーから選択する(図4(a)、図4(b)、図4(c)参照。)。本発明の第1の実施の形態に係る実装体では、機能素子2として半導体集積回路等の半導体関連デバイス、機能素子3として貫通配線部品をなすMEMS関連部品、機能素子4としてMEMSリレーであるMEMS関連デバイスの場合で説明するが、これらの機能素子2,3,4に限定されるものではない。機能素子2,4は能動的な機能素子の例であり、機能素子3は受動的な機能素子の例である。図3(a)、図3(b)、図3(c)は、それぞれ図2(a)、図2(b)、図2(c)の断面図に対応する上面図である。図4(a)に示すように、機能素子2は半導体関連デバイスライブラリー(ハードウェアライブラリー)2aとして多数用意された機能素子2-1,2-2,2-3,……の内の一つの機能素子として採用し、図4(b)に示すように、機能素子3はMEMS関連部品ライブラリー(ハードウェアライブラリー)3aとして多数用意された機能素子3-1,3-2,3-3,3-4,3-5,……の内の一つの機能素子として採用し、図4(c)に示すように、機能素子4は、MEMS関連デバイスライブラリー(ハードウェアライブラリー)4aとして多数用意された機能素子4-1,4-2,4-3,4-4,4-5,……の内の一つの機能素子として採用するようにすれば、多品種小量製品の迅速対応化が可能である。図4(a)、図4(b)、図4(c)では3つのハードウェアライブラリー2a,3a,4aが例示的に示されているが、多品種小量製品の迅速対応のためには、更に多くのハードウェアライブラリーを用意しておけばよいことは勿論である。
【0024】
(ロ)一方、基板用ウェハ11Wを用意し、この基板用ウェハ11Wの表面(上面)上に、フォトレジストを塗布し、ステップ・アンド・リピート方式又はステップ・アンド・スキャン方式によるフォトリソグラフィ技術によりフォトレジストを、逐次露光して、その後同時に現像することで、基板用ウェハ11Wの表面にマトリクス状に2次元配置された各チップ領域の中央部に貫通孔開口用のパターンを形成する。次いで、このフォトレジストをマスクにして基板用ウェハ11Wをイオンミリングや反応性イオンエッチング(RIE)法等でエッチングして、基板用ウェハ11Wの上面から下面まで貫通する、貫通孔11bpを各チップ領域のそれぞれの中央部に開口する。基板用ウェハ11Wとしては、入手の容易性から、例えば、50〜1000Ωcm程度の(100)面を主表面とするp型シリコンウェハ等の半導体ウェハが例示できるが、必ずしも半導体ウェハに限られるものではない。例えば、半導体ウェハ以外に、セラミック基板、樹脂基板又は耐熱ガラス基板等の高比抵抗基板、半絶縁性基板若しくは絶縁体基板が採用可能であるが、後述するように、フォトリソグラフィ技術等の半導体プロセス技術を適用する上で、セラミック基板、樹脂基板又は耐熱ガラス基板等の他の基板も、半導体ウェハと同様な100mmφ〜300mmφの円盤状のウェハ形状であることが好ましい。
【0025】
(ハ)貫通孔11bpを開口したフォトレジストを除去し、新たなフォトレジストを塗布し、ステップ・アンド・リピート方式等による貫通孔11bpの位置を囲むように位置合わせしたフォトリソグラフィ技術により、新たなフォトレジストを逐次露光することで、チップ収納凹部開口用のパターンを基板用ウェハ11Wの表面に形成する。次いで、この新たなフォトレジストをマスクにして基板用ウェハ11WをイオンミリングやRIE法等でエッチングして、図2(d)に示すように、基板用ウェハ11Wの上面から内部に向かうチップ収納凹部2h,4hを形成する。このチップ収納凹部の中央の底面には、既に、基板用ウェハ11Wの下面まで貫通する貫通孔11bpがチップ収納凹部3hとして設けられている。図4(d)に示したように、ステップ・アンド・リピート方式等でエッチング用マスクのパターンを形成しているので、実際には基板用ウェハ11Wの表面に2次元配置された各チップ領域のそれぞれに、複数のチップ収納凹部2hij,3hij,4hijが形成される(添え字のi,jは、それぞれ、基板用ウェハ11Wの表面に割り当てられるチップ領域のレイアウトで決まる整数であるが、図4(d)では添え字を省略して表示している。)。例えば150mmφの基板用ウェハ11Wであれば、20mm×30mmのチップ領域が、図4(d)に示すように、基板用ウェハ11Wの表面に20個割り当てられるが、チップ領域の面積を小さくすれば、20個以上の配置が可能であることは勿論である。図2(d)はチップ収納凹部2h、4hの深さが等しく、チップ収納凹部3hの深さがチップ収納凹部2h、4hよりも深い貫通孔となっているが、例示にすぎず、チップ収納凹部2h、4hの深さが異なっていても構わないし、チップ収納凹部3hが貫通孔である必要は必ずしもないが、図2(a)、図2(b)、図2(c)の断面図に示されるような、機能素子2,3,4の厚さを考慮して決めればよい。チップ収納凹部2h,3h,4hの平面パターン上の大きさも、図3(a)、図3(b)、図3(c)にそれぞれ示した上面図に対応して図3(d)に示すようなトポロジーで、予め設計しておけばよい。なお、先にチップ収納凹部2h、4hを形成して、後で、貫通孔11bpを開口し、チップ収納凹部3hとする手順でもよい。
【0026】
(ニ)そして、チップ収納凹部2hの底部の上面に、導電性ペースト等の接着層176を塗布し、チップ収納凹部4hの底部の上面に、導電性ペースト等の接着層177を塗布した後、図2(a)、図2(b)、図2(c)にそれぞれ断面図を示した機能素子2,3,4を、それぞれ、図2(d)に示したチップ収納凹部2h,3h,4hの内部に収納する。図5及び図6は、機能素子2,3,4が、それぞれチップ収納凹部2h,3h,4hの内部に収納した状態を示すが、図5の断面図で模式的に示したように、機能素子チップ21の底面と、チップ収納凹部2hの底部の上面との間には、接着層176が、機能素子チップ41の底面と、チップ収納凹部4hの底部の上面との間には、接着層177が介在することにより、機能素子チップ21は、チップ収納凹部2hに固定され、機能素子チップ41は、チップ収納凹部4hに固定される。図示を省略しているが、機能素子チップ31の側面の下部と、チップ収納凹部3hの側壁(内壁)との間にも接着層を介在させ、機能素子チップ31をチップ収納凹部3hに固定してもよく、或いは、機能素子チップ31をチップ収納凹部3hの内部に収納した際に、常に締めしろができる、はめあい公差となるように、機能素子チップ31の外径と、チップ収納凹部3hの内径を選んでおいて、基板用ウェハ11Wを加熱した状態で低温の機能素子チップ31を挿入して焼きばめ類似のはめあいをしてもよい。或いは、機能素子チップ31の外径にテーパを持たせて、機能素子チップ31の下部がチップ収納凹部3hに挿入されたときに、奥の方(基板用ウェハ11Wの底面側)で締めしろができるようにして圧入してもよい。はめあい公差は、日本規格協会の「JISハンドブック」のJISB0401−1986等を参照に決めることができる。実際には基板用ウェハ11Wの表面には複数のチップ領域が2次元配置されているので、図7に示すように、複数のチップ領域に対応する複数のチップ収納凹部2hij,3hij,4hijのそれぞれに、機能素子2ij,3ij,4ijが収納される(添え字のi,jは、それぞれ、基板用ウェハ11Wの表面に割り当てられるチップ領域のレイアウトで決まる整数である。)。
【0027】
(ホ)その後、図8に示すように、チップ収納凹部2h,3h,4hの内部に収納された機能素子2,3,4の上に上面側配線用絶縁膜111を、基板用ウェハ11Wの裏面側に下面側配線用絶縁膜112を形成する。上面側配線用絶縁膜111及び下面側配線用絶縁膜112としては、感光性ドライフィルム等の樹脂層の他、真空蒸着法、スパッタリング法、塗布ガラスの塗布法若しくは低温CVDで形成した酸化膜層等の絶縁膜でも構わない。低温CVDとしては、TEOS(オルトケイ酸テトラエチル:Tetraethylorthosilicate;Si(OC254),TMOS(オルトケイ酸テトラメチル:Tetramethoxysilane;Si(OCH34 ),TPOS(テトラプロポキシシラン:Tetrapropoxysilane;Si(OC374 )、或いはDADBS(ジアセトキシ・ジターシャリーブトキシシラン:Diacetoxyditertiarybutoxysilane;(C49 O)2 Si−(OCOCH32 )等の有機シリコンソースを原料とした有機シリコン系CVDが採用可能である。塗布ガラスの塗布法としては、いわゆるSOG(Spin-on-glass:スピン・オン・グラス)法と称せられる方法が採用可能である。SOG法はアセトン,キシレン等の溶剤にポリシロキサン等を溶かした樹脂ガラスをスピンナー等を用いて塗布し、80℃〜100℃のプリベークで溶剤を取り除き、SiO2 膜を形成する方法である。樹脂ガラスについては特公昭58−51422号公報、米国特許3985597号公報,4004044号公報等に記載されている。又、これらの樹脂ガラスは市販されており、例えばAllied Signal-Accuspin 418/720,Allied Signal-Accuglass T-11/T-14,Dow-Corning 805,Owens-Illinois650,General Electric SR125/SR124 等を用いればよい。
【0028】
(ヘ)上面側配線用絶縁膜111として感光性ドライフィルムを用いた場合は、この感光性ドライフィルムに対し、直接、逐次露光することで、基板用ウェハ11Wの上に割り当てられた各チップ領域のそれぞれにおいて、感光性ドライフィルムに機能素子2の最上層の配線225a,225c、機能素子3の最上層の配線314a,314bi,314c、機能素子4の最上層の配線442,441の一部をそれぞれ露出するコンタクトホールを開口する。上面側配線用絶縁膜111として、SOG法等による絶縁膜を形成した場合は、上面側配線用絶縁膜111上に、フォトレジストを塗布し、フォトレジストを、逐次露光することで、コンタクトホール開口用のパターンを形成する。次いで、このフォトレジストをマスクにして上面側配線用絶縁膜111をRIE法等でエッチングして、各チップ領域のそれぞれにおいて、上面側配線用絶縁膜111に、配線225a,225c、配線314a,314bi,314c、及び配線442,441の一部をそれぞれ露出するコンタクトホールを開口する。コンタクトホールの開口後、上面側配線用絶縁膜111の上に、真空蒸着法、スパッタリング法等の周知の手法を用いてアルミニウム(Al)やAl合金等の金属膜を全面に堆積する。そして、 金属膜上に、フォトレジストを塗布し、フォトレジストを、逐次露光することで、複数の機能素子2,3,4の相互を電気的に接続する実装配線形成用のパターンを形成する。次いで、このフォトレジストをマスクにして金属膜をRIE法等でエッチングして、各チップ領域のそれぞれにおいて、金属膜をパターニングして、図9に示すような、配線225a,225c、配線314a,314bi,314c、及び配線442,441にそれぞれ接続される上面側実装配線57,56,52,53,58を形成する。この際、上面側実装配線57,56,52,53,58と同一の金属膜によって、配線225a,225c、配線314a,314bi,314c、及び配線442,441の上のコンタクトホールには、それぞれコンタクトプラグ601,602,324a,324b,324c,603,604が埋め込まれる。なお、先に配線225a,225c、配線314a,314bi,314c、及び配線442,441の上のコンタクトホールに、高融点金属のコンタクトプラグ601,602,324a,324b,324c,603,604を埋め込んだ後、化学的機械研磨(CMP)等により、上面側配線用絶縁膜111の上面とコンタクトプラグ601,602,324a,324b,324c,603,604の上面が同一平面となるように平坦化した後、AlやAl合金等の金属膜を全面に堆積し、その後、フォトリソグラフィ技術とRIE法等により、金属膜をパターニングして、図9に示すように、コンタクトプラグ601,602,324a,324b,324c,603,604にそれぞれ接続される上面側実装配線57,56,52,53,58を形成してもよい。図10は、図9の平面図に対応する上面図(平面図)であるが、機能素子2と機能素子3との間、及び機能素子3と機能素子4との間には、図9に示した上面側実装配線56,52,53以外に、上面側実装配線51,52,54,55が形成されていることが分かる。逐次露光して、微細なパターンの上面側実装配線51,52,53、……,57,58を形成できるので、実装体を小型化し、高周波特性を改善できる。なお、真空蒸着法、スパッタリング法等により堆積した1μm以下の厚さの金属膜を用いて上面側実装配線51,52,53、……,57,58のパターンを形成した後、電解メッキ等により上面側実装配線51,52,53、……,57,58の厚さを10μm以上まで厚くして、電流容量を増大してもよい。
【0029】
(ト)下面側配線用絶縁膜112として感光性ドライフィルムを用いた場合は、上面側と同様に、感光性ドライフィルムに対し、直接、逐次露光することで、基板用ウェハ11Wの上に割り当てられた各チップ領域のそれぞれにおいて、機能素子3の最下層の裏面配線317a,317bi,317cの一部をそれぞれ露出するコンタクトホールを開口する。下面側配線用絶縁膜112として、SOG法等による絶縁膜を形成した場合は、上面側と同様に、下面側配線用絶縁膜112上に、フォトレジストを塗布し、フォトレジストを、逐次露光することで、コンタクトホール開口用のパターンを形成する。次いで、このフォトレジストをマスクにして下面側配線用絶縁膜112をRIE法等でエッチングして、各チップ領域のそれぞれにおいて、下面側配線用絶縁膜112に、裏面配線317a,317bi,317cの一部をそれぞれ露出するコンタクトホールを開口する。コンタクトホールの開口後、上面側と同様に、下面側配線用絶縁膜112の上に、真空蒸着法、スパッタリング法等の周知の手法を用いてAlやAl合金等の金属膜を全面に堆積する。そして、 金属膜上に、フォトレジストを塗布し、フォトレジストを、逐次露光することで、機能素子3に電気的な入出力を行う実装配線形成用のパターンを形成する。次いで、このフォトレジストをマスクにして金属膜をRIE法等でエッチングして、各チップ領域のそれぞれにおいて、金属膜をパターニングして、図9に示すような、裏面配線317a,317bi,317cにそれぞれ接続される下面側実装配線61,62,63を形成する。この際、下面側実装配線61,62,63と同一の金属膜によって、裏面配線317a,317bi,317cの上のコンタクトホールには、それぞれコンタクトプラグ327a,327bi,327cが埋め込まれる。なお、先に裏面配線317a,317bi,317cの上のコンタクトホールに、高融点金属のコンタクトプラグ327a,327bi,327cを埋め込んだ後、CMP等により、下面側配線用絶縁膜112の下面とコンタクトプラグ327a,327bi,327cの下面が同一平面となるように平坦化した後、AlやAl合金等の金属膜を全面に堆積し、その後、フォトリソグラフィ技術とRIE法等により、金属膜をパターニングして、図9に示すように、コンタクトプラグ327a,327bi,327cにそれぞれ接続される下面側実装配線61,62,63を形成してもよい。上面側と同様に、真空蒸着法、スパッタリング法等により堆積した1μm以下の厚さの金属膜を用いて下面側実装配線61,62,63のパターンを形成した後、電解メッキ等により下面側実装配線61,62,63の厚さを10μm以上まで厚くして、電流容量を増大してもよい。
【0030】
(チ)一方、基板用ウェハ11Wと同一の100mmφ〜300mmφの円盤状のキャップ用ウェハ131Wを用意する。キャップ用ウェハ131Wとしては、半導体ウェハ以外に、セラミック基板、樹脂基板又は耐熱ガラス基板等の高比抵抗基板、半絶縁性基板若しくは絶縁体基板が採用可能である。キャップ用ウェハ131Wとしてシリコンウェハを採用した場合は、キャップ用ウェハ131Wを熱酸化して一方の面に熱酸化膜からなるキャップ絶縁膜132、他方の面に熱酸化膜からなるキャップ絶縁膜133を形成することができる。そして、図11に示すように、各チップ領域のそれぞれにおいて、封止用の樹脂12ijのパターンをステップ・アンド・リピート方式等による逐次露光を利用して形成し、封止キャップ基板13を形成する。この封止キャップ基板13の封止用の樹脂12ijのパターンを、基板用ウェハ11Wの各チップ領域のそれぞれに位置合わせする。基板用ウェハ11Wとキャップ用ウェハ131Wの外形サイズを同一にしておき、基板用ウェハ11Wとキャップ用ウェハ131Wのそれぞれにオリエンテーションフラット等の位置合わせ用切り欠き部を設けておけば、封止キャップ基板13の封止用の樹脂12ijのパターンと、基板用ウェハ11Wの各チップ領域のそれぞれとは、簡単に位置合わせ可能であり、図12に示すように、機能素子2,3,4や上面側実装配線51,52,53、……,57,58等は、樹脂12ijのパターンを接着層として用いて、基板用ウェハ11Wとキャップ用ウェハ131Wとの間の空間に密閉され、封止される。
【0031】
(リ)機能素子2,3,4等が基板用ウェハ11Wとキャップ用ウェハ131Wとの間の空間に、封止用の樹脂12ijによって封止された後、図4(d)や図7に示したように、基板用ウェハ11Wの表面にグリッド状に設定されたダイシングラインG11に沿ってダイヤモンドブレード等のダイシング手段により、各チップ領域に設定されたチップサイズに切り分ければ、本発明の第1の実施の形態に係る実装体が完成する。基板用ウェハ11Wとキャップ用ウェハ131Wとを一体としてダイシング手段により、所定のチップサイズに切り出す際に、予め、キャップ用ウェハ131Wにダイシング用の溝を形成しておいて、ダイシング用の溝に沿ってダイシング手段を作用させれば、キャップ用ウェハ131Wや封止用の樹脂12ijに対する機械的な負荷が軽減され、ダイシング工程の歩留まりが向上する。図13に示す第1の実施の形態に係る実装体の上面図(平面図)は、キャップ用ウェハ131Wにダイシング用の溝を予めスリット状に設けていたため、実装チップ11の上面の上面側配線用絶縁膜111が封止キャップ基板13の上面のキャップ絶縁膜132の外側に露出しているが、封止キャップ基板13と実装チップ11とが同一サイズになるように切り出しても構わない。図13に示す上面図(平面図)では、矩形の実装チップ11の4隅に補強用樹脂101a,102a;101b,102b;101c,102c;101d,102dが形成されている。
【0032】
第1の実施の形態に係る実装体の製造方法によれば、従来よりも低コストで、実装体を製造することが可能であり、更に、多品種小量製品や多品種小ロット製品の迅速対応化が可能である。通常、一つの生産ラインで多くの種類の製品を生産する、いわゆる混合(混流)生産をすれば、段取り替えが多くなり、段取り替えが多くなることにより、それだけ時間もかかり納期が長くなってしまう。しかしながら、上記のような第1の実施の形態に係る実装体の製造方法によれば、予め、多数のハードウェアライブラリーを用意しておき、図4に示すような、基板用ウェハ11Wを用意し、この基板用ウェハ11Wの表面(上面)上に、ステップ・アンド・リピート方式等により、逐次露光することにより、多品種小量生産や多品種小ロット生産が可能になり、多品種小量製品の迅速対応ができる。
【0033】
特に、第1の実施の形態に係る実装体の製造方法において、基板用ウェハ11W上に、多品種の製品を小ロット毎にグループ分けして同時に配置すれば、1ロットの製造工程で、実質的に複数のロットの製造工程を、一度に実現でき、短納期となる。多種類の製品を小ロットずつ生産すれば、それだけ多種類の製品を早く顧客に届けることができるので、工業的に極めて重要な効果を奏するものである。
【0034】
従来の多品種小ロット生産は、頻繁に生産ラインの段取り換えを行わなければならないので通常はコスト高となる問題点があったが、基板用ウェハ11W上に、複数の小ロットをグループ分けして配置することにより、生産ラインの段取り換えの時間を短縮し、製造コストを下げることができる。このように、第1の実施の形態に係る実装体の製造方法によれば、顧客の多品種・短納期・低価格の要求を満たし、同時に売上増加、低コストという製造側の要求も満たすことができ、又、生産管理も容易になり、歩留まりが向上する。
【0035】
−−ハードウェアライブラリーの内容の例1(能動素子)−−
例1-1(LSIチップ):
本発明の第1の実施の形態において、ハードウェアライブラリーとして用意される機能素子2は、例えば、図14(b)に示すように、厚さ50μm〜350μmの第1導電型(p型)の半導体基板(Si基板)である機能素子チップ21ijと、機能素子チップ21ijの上部の表面近傍に埋め込まれた第2導電型(n型)の半導体領域211を備えるLSIチップである(添え字のi,jは、それぞれ、図14(a)に示すLSI用半導体ウェハ21Wの表面に割り当てられるチップ領域のレイアウトで決まる整数である。)。半導体領域211は、例えばMOSトランジスタのソース領域若しくはドレイン領域である。LSIチップとしては、多数の第1導電型(p型)及び第2導電型(n型)の半導体領域が、機能素子チップ21ijの表面近傍に埋め込まれているが、図14(b)においては、便宜上、1個の半導体領域211のみを模式的に図示している。半導体領域211の上には高融点金属のシリサイドからなるコンタクト領域221a,221b,221cが設けられている。機能素子チップ21ijの上面にはシリコン酸化膜(SiO2)からなるフィールド絶縁膜212が形成され、フィールド絶縁膜212中に設けられたコンタクトプラグ222a,222b,222cがそれぞれコンタクト領域221a,221b,221cに接続されている。フィールド絶縁膜212の上面には、第1層の表面配線223a,223bが設けられ、第1層の表面配線223a,223bがそれぞれコンタクトプラグ222a,222b,222cに接続されることにより、第1層の表面配線223a,223bがそれぞれ、半導体領域211に電気的に接続されている。第1層の表面配線223a,223bの上にはSiO2からなる層間絶縁膜213が形成され、層間絶縁膜213中に設けられたコンタクトプラグ224a,224cがそれぞれ第1層の表面配線223a,223bに接続されている。層間絶縁膜213の上面には、第2層の表面配線(最上層の表面配線)225a,225cが設けられ、第2層の表面配線225a,225cがそれぞれコンタクトプラグ224a,224cに接続されることにより、第2層の表面配線225a,225cがそれぞれ、第1層の表面配線223a,223bに接続され、更に、第1層の表面配線223a,223bが半導体領域211に電気的に接続されている。図14(b)では、第2層の表面配線が、最上層の表面配線になっているが、図面を簡略化(模式化)しているための便宜上の表現であり、周知のように、実際のLSIチップであれば、7層〜8層以上の多層配線構造が、機能素子チップ21ij上に設けられている。
【0036】
図14(b)に例示した機能素子チップ21ijは、図14(a)に示すようなLSI用半導体ウェハ21Wを用意し、このLSI用半導体ウェハ21Wの表面上に、ステップ・アンド・リピート方式等により、逐次露光して、マトリクス状に2次元配置された各チップ領域の内の一つのチップ領域として、LSI用半導体ウェハ21Wから分割され、切り出すことが可能である。図14(a)では、約144個程度のチップ領域が、LSI用半導体ウェハ21Wの表面に割り当てられた例を示しているが例示であり、チップ領域の面積を小さくすれば、或いは、LSI用半導体ウェハ21Wの外形を大きくすれば、145個以上の配置が可能であり、逆に、チップ領域の面積を大きくすれば、或いは、LSI用半導体ウェハ21Wの外形を小さくすれば、143個以下になることは勿論である。即ち、図14(b)に示す機能素子チップ21ijは、最終パッシベーションの処理がなされた後、LSI用半導体ウェハ21Wの表面にグリッド状に設定されたダイシングラインG21に沿ってダイヤモンドブレード等のダイシング手段により、各チップ領域に設定されたチップサイズに切り分けて得られる。第1の実施の形態に係る機能素子2によれば、図14(a)に示すように、チップ数が多くとれるので、ウェハコストが高くても、1個あたりのチップコストを極めて安くすることができ、しかも高い性能のチップを実現できる。
【0037】
なお、図1に示す実装チップ11ijの厚さを450μm〜600μm程度に選んだ場合は、機能素子チップ21ijを非貫通孔(有底凹部)としてのチップ収納凹部に収納させるためには、機能素子チップ21ijの厚さを、実装チップ11ijの厚さを考慮して、厚さ50μm〜350μm程度に設定するのが好ましいので、ダイシング後に機能素子チップ21ijの厚み調整を行う場合もある。
【0038】
又、上記において、機能素子チップ21ijはLSIチップであるとして、例示的に説明したが、LSIチップ以外のトランジスタ、サイリスタやダイオード等の半導体個別素子(ディスクリート素子)を組み込んだチップであってもよい。更に、ダイオードの範疇ではあるが、機能素子チップ21ijとしては、発光ダイオード(LED)や半導体レーザダイオード(LD)等の半導体発光素子も含まれ得るし、半導体個別素子(ディスクリート素子)としては電力用半導体素子が含まれ得る。
【0039】
例1-2(MEMSリレー):
本発明の第1の実施の形態において、ハードウェアライブラリーとして用意される機能素子4は、例えば、図15(b)に示すように、厚さ50μm〜350μmの第1導電型(p型)の半導体基板(Si基板)である機能素子チップ41ijと(添え字のi,jは、それぞれ、図15(a)に示すMEMSデバイス用ウェハ41Wの表面に割り当てられるチップ領域のレイアウトで決まる整数である。)、機能素子チップ41ijの上面に設けられたSiO2膜等からなる下地絶縁膜411と、下地絶縁膜411の上に一方の端部(固定端)を固定し、対向する他方の端部(自由端)を可動として、自由端側の可動接点でオン・オフのスイッチング動作を行うように、温度変化とともに湾曲する片持ち梁部(423,424)とを備えるMEMSリレーである。
【0040】
図15(b)において、下地絶縁膜411の上面の中央部から左側方向に向かう領域には、導体層からなる自由端側配線層431が設けられ、自由端側配線層431の右側には金属からなる自由端側固定接点層433が配置され、自由端側配線層431の左側には自由端側固定接点層433と同一の金属からなるスぺーサ配線層432が設けられている。そして、スぺーサ配線層432の上には、柱状の自由端側外部電極としての配線442が設けられている。
【0041】
一方、図15(b)において、下地絶縁膜411の上面の右側には、スぺーサ絶縁膜412と、スぺーサ絶縁膜412の上に設けられた自由端側配線層431と同一の金属からなるスぺーサ金属層421と、スぺーサ金属層421の上に設けられた自由端側固定接点層433と同一の金属からなる固定端接続層422が配置されている。そして、固定端接続層422側の端部を固定端として、片持ち梁部(423,424)が固定端接続層422を介して、機能素子チップ41ijの上面側に固定されている。この片持ち梁部(423,424)は、異なる熱膨張係数を有した金属からなる導体層423及び424を積層したものであり、「バイメタル」を構成しているビームである。片持ち梁部(423,424)の固定端とは反対側の端部が自由端となり、この自由端側の自由端側固定接点層433に対向する位置において、下層側の導体層423の下面に、金属からなる自由端側可動接点層426が配置されている。片持ち梁部(423,424)の固定端側では、上層側の導体層424にコンタクト電極層425が電気的に低抵抗で接続するように設けられ、このコンタクト電極層425の上に、自由端側外部電極としての配線442よりは短い柱状の固定端側外部電極としての配線441が設けられている。
【0042】
片持ち梁部(423,424)を構成する金属の熱膨張係数の関係を、下層側の導体層423の熱膨張係数が上層側の導体層424の熱膨張係数より小さくなるように、金属材料を選定しておけば、片持ち梁部(423,424)の自由端側可動接点層426は、片持ち梁部(423,424)の温度が所定の温度を超えたときに自由端側固定接点層433に接触し、「オン」状態となり、片持ち梁部(423,424)の温度が所定の温度を下回ったとき(常温状態を含む)に自由端側可動接点層426と自由端側固定接点層433との接触が解除され、「ノーマリオフ」状態となるように設定できる。
【0043】
逆に、片持ち梁部(423,424)を構成する金属の熱膨張係数の関係が、下層側の導体層423熱膨張係数が上層側の導体層424の熱膨張係数より大きくなるように、金属材料を選定しておけば、所定の温度以下(常温状態を含む)で、片持ち梁部(423,424)の自由端側可動接点層426が自由端側固定接点層433に接触して「ノーマリオン」状態であり、片持ち梁部(423,424)の温度が所定の温度を越えたときに自由端側可動接点層426と自由端側固定接点層433との接触が解除され、「オフ」状態となるように設定できる。実際には、このような片持ち梁部(423,424)のオン/オフ状態を確実なものにするため、片持ち梁部(423,424)及びその関連する部分となるスぺーサ絶縁膜412、スぺーサ金属層421、固定端接続層422等の厚さ、幅などの寸法と、構成材料及び上記の「所定の温度」との間に特定の関係をもたせて設計すればよい。
【0044】
例えば、熱膨張係数が大きな導体層として銅(Cu)を、熱膨張係数が小さな導体層として、ニッケル(Ni)を選んでバイメタルを構成してもよく、熱膨張係数が大きな導体層としてアルミニウム(Al)を、熱膨張係数が小さな導体層として、不純物をドープした多結晶シリコン(ドープドシリコン)を選んでバイメタルを構成してもよい。又、一方の導体層としてドープドシリコン等のシリコン(Si)層を用いる場合は、Si層の内部に拡散により抵抗層を構成しておいて、バイメタルを加熱するマイクロヒータとして用いてもよい。図15(b)の構造で、下層側の導体層423をSi層とし、上層側の導体層424をAl等の金属層とした場合で、Si層の抵抗が問題となる場合は、下層側の導体層423を貫通するコンタクトプラグを設けて、上層側の導体層424と自由端側可動接点層426とを接続するようにしてもよい。
【0045】
図15(b)に例示した機能素子チップ41ijは、図15(a)に示すようなMEMSデバイス用ウェハ41Wを用意し、このMEMSデバイス用ウェハ41Wの表面上に、逐次露光して、マトリクス状に2次元配置された各チップ領域の内の一つのチップ領域として、MEMSデバイス用ウェハ41Wから分割され、切り出すことが可能である。又、MEMSデバイス用ウェハ41Wは、半導体ウェハに限られるものではなく、半導体ウェハ以外に、セラミック基板、樹脂基板又は耐熱ガラス基板等の高比抵抗基板、半絶縁性基板若しくは絶縁体基板等の種々の基板が、その目的に応じて、採用可能である。更に、図15(a)に図示したチップ領域の数や分割のトポロジーは例示であり、チップ領域の面積を小さくすれば、或いは、MEMSデバイス用ウェハ41Wの外形を大きくすれば、図示の数以上の配置が可能であり、逆に、チップ領域の面積を大きくすれば、或いは、MEMSデバイス用ウェハ41Wの外形を小さくすれば、図示の数以下になることは勿論である。即ち、図15(b)に示す機能素子チップ41ijは、最終パッシベーションの処理がなされた後、MEMSデバイス用ウェハ41Wの表面にグリッド状に設定されたダイシングラインG41に沿ってダイヤモンドブレード等のダイシング手段により、各チップ領域に設定されたチップサイズに切り分けて得られる。第1の実施の形態に係る機能素子4によれば図15(a)に示すように、チップ数が多くとれるので、ウェハコストが高くても、1個あたりのチップコストを極めて安くすることができ、しかも高い性能のチップを実現できる。
【0046】
なお、図1に示す実装チップ11ijの厚さを450μm〜600μm程度に選んだ場合は、機能素子チップ41ijを非貫通孔(有底凹部)としてのチップ収納凹部に収納させるためには、機能素子チップ41ijの厚さを、実装チップ11ijの厚さを考慮して、厚さ50μm〜350μm程度に設定するのが好ましいので、ダイシング後に機能素子チップ41ijの厚み調整を行う場合もある。
【0047】
又、上記において、機能素子チップ41ijはMEMSリレーであるとして、例示的に説明したが、MEMSリレー以外のMEMSセンサやMEMSスキャナ等のMEMS関連デバイスを組み込んだチップであってもよい。
【0048】
−−ハードウェアライブラリーの内容の例2(受動素子)−−
例2−1(貫通配線部品):
本発明の第1の実施の形態において、ハードウェアライブラリーとして用意される機能素子3は、図16(b)に示すように、機能素子チップ31ijと、機能素子チップ31ijの内部に設けられた複数の貫通孔の内部にそれぞれ配置された、複数の貫通配線311a,311bi,311cとを備える貫通配線部品である(添え字の,jは、それぞれ、図16(a)に示すMEMS関連部品用ウェハ31Wの表面に割り当てられるチップ領域のレイアウトで決まる整数である。)。機能素子チップ31ijには、半導体基板、セラミック基板、樹脂基板又は耐熱ガラス基板等の高比抵抗基板、半絶縁性基板若しくは絶縁体基板等が、機能素子3の使用目的に応じて、任意に選択することが可能である。
【0049】
詳細には、機能素子チップ31ijの上面には熱酸化で形成したSiO2膜からなる上面保護絶縁膜321が形成され、機能素子チップ31ijの下面には熱酸化で形成したSiO2膜からなる下面保護絶縁膜323が形成されているので、複数の貫通孔は、上面保護絶縁膜321、機能素子チップ31ij及び下面保護絶縁膜323を貫通して設けられており、複数の貫通配線311a,311bi,311cの長さは、上面保護絶縁膜321、機能素子チップ31ij及び下面保護絶縁膜323のそれぞれの厚さの総和に等しい長さを、機能素子チップ31ijの表面び垂直方向に有している。複数の貫通配線311a,311bi,311cのそれぞれは、柱状に一体成形された導体棒でも、貫通配線311a,311bi,311cに挿入可能な外径を有する複数の導体球、又は複数の導体棒等を互いに熱圧着や溶融により接続した連続体でも構わない。
【0050】
貫通配線311a,311bi,311cのそれぞれの上及び貫通配線311a,311bi,311cのそれぞれの上端部を囲む上面保護絶縁膜321の上には、それぞれ円板状の金属層からなるコンタクト端子(ランド)312a,312bi,312cが設けられている。コンタクト端子312a,312bi,312c及びコンタクト端子312a,312bi,312c周辺の上面保護絶縁膜321上面にはSiO2膜等の絶縁膜からなる上部層間絶縁膜322が形成され、上部層間絶縁膜322中に設けられたコンタクトプラグ313a,313bi,313cがそれぞれコンタクト端子312a,312bi,312cに接続されている。上部層間絶縁膜322の上面には、表面配線(最上層の表面配線)314a,314bi,314cが設けられ、表面配線314a,314bi,314cがそれぞれコンタクトプラグ313a,313bi,313cに接続されることにより、表面配線314a,314bi,314cがそれぞれ、貫通配線311a,311bi,311cの上端部に電気的に接続されている。
【0051】
一方、貫通配線311a,311bi,311cのそれぞれの下及び貫通配線311a,311bi,311cのそれぞれの下端部を囲む下面保護絶縁膜323の下には、それぞれ円板状の金属層からなるコンタクト端子(ランド)315a,315bi,315cが設けられている。コンタクト端子315a,315bi,315c及びコンタクト端子315a,315bi,315c周辺の下面保護絶縁膜323下面にはSiO2膜等の絶縁膜からなる下部層間絶縁膜324が形成され、下部層間絶縁膜324中に設けられたコンタクトプラグ316a,316bi,316cがそれぞれコンタクト端子315a,315bi,315cに接続されている。下部層間絶縁膜324の下面には、裏面配線(最下層の裏面配線)317a,317bi,317cが設けられ、裏面配線317a,317bi,317cがそれぞれコンタクトプラグ316a,316bi,316cに接続されることにより、裏面配線317a,317bi,317cがそれぞれ、貫通配線311a,311bi,311cの下端部に電気的に接続されている。これにより、貫通配線311a,311bi,311cを介して、表面配線314a,314bi,314cと裏面配線317a,317bi,317cとが電気的に接続される。
【0052】
図16(b)に例示した機能素子チップ31ijは、図16(a)に示すようなMEMS関連部品用ウェハ31Wを用意し、このMEMS関連部品用ウェハ31Wの表面上に、逐次露光して、マトリクス状に2次元配置された各チップ領域の内の一つのチップ領域として、MEMS関連部品用ウェハ31Wから分割され、切り出すことが可能である。図16(a)に図示したチップ領域の数や分割のトポロジーは例示であり、チップ領域の面積を小さくすれば、或いは、MEMS関連部品用ウェハ31Wの外形を大きくすれば、図示したチップ領域の数以上の配置が可能であり、逆に、チップ領域の面積を大きくすれば、或いは、MEMS関連部品用ウェハ31Wの外形を小さくすれば、図示したチップ領域の数以下になることは勿論である。即ち、図16(b)に示す機能素子チップ31ijは、最終パッシベーションの処理がなされた後、MEMS関連部品用ウェハ31Wの表面にグリッド状に設定されたダイシングラインG31に沿ってダイヤモンドブレード等のダイシング手段により、各チップ領域に設定されたチップサイズに切り分けて得られる。第1の実施の形態に係る機能素子3によれば、図16(a)に示すように、チップ数が多くとれるので、ウェハコストが高くても、1個あたりのチップコストを極めて安くすることができ、しかも高い性能のチップを実現できる。
【0053】
又、上記において、機能素子チップ31ijは貫通配線部品のチップであるとして、例示的に説明したが、貫通配線部品のチップに限定されるものではなく、貫通配線部品のチップ以外に、L,C,R素子等の受動素子のチップ、若しくは、図18に示すようなL,C,R素子等の組み合わせからなる受動素子回路のチップ、更には種々の配線回路のチップ等のMEMS関連部品のチップが含まれる。配線回路のチップとしては、図17に示すような多層配線部品のチップや図19に示すような立体構造部品のチップ等でもよい。図17〜図19に例示した機能素子3を含めて、種々の機能素子を機能素子ライブラリーとして予め用意しておくことにより、小量多品種のオーダーメードの高性能モジュール等が、迅速に且つ安価に製造可能となる。
【0054】
なお、機能素子チップ31ijが貫通配線部品のチップ以外の場合は、図1に示す実装チップ11ijの厚さを450μm〜600μm程度に選んだ場合は、機能素子チップ31ijを非貫通孔(有底凹部)としてのチップ収納凹部に収納させることになるので、機能素子チップ31ijの厚さを、実装チップ11ijの厚さを考慮して、厚さ50μm〜350μm程度に設定するのが好ましくなる。この場合は、ダイシング後に機能素子チップ31ijの厚み調整の工程が必要になる場合もある。
【0055】
例2−2(多層配線部品):
MEMS関連部品のチップとして、ハードウェアライブラリーに用意される機能素子3の他の構造例として、例えば、図17に示すような多層配線部品のチップが採用可能である。図17に示す多層配線部品としての機能素子3は、厚さ50μm〜350μmの第1導電型(p型)の半導体基板(Si基板)である機能素子チップ31ijと、機能素子チップ31ijの上面に設けられたSiO2膜等の絶縁膜からなるフィールド絶縁膜331と、フィールド絶縁膜331の上面に設けられた第1層の表面配線351a,351b,351c,351dと、第1層の表面配線351a,351b,351c,351dの上に設けられたSiO2膜等の絶縁膜からなる第1の層間絶縁膜332と、第1の層間絶縁膜332の上面に設けられた第2層の表面配線353a,353b,353c,353dと、第2層の表面配線353a,353b,353c,353dの上に設けられたSiO2膜等の絶縁膜からなる第2の層間絶縁膜333と、第2の層間絶縁膜333の上面に設けられた第3層の表面配線355a,355dとを備える。第2層の表面配線353a,353b,353c,353dがそれぞれコンタクトプラグ352a,352b,352c,352dに接続されることにより、第2層の表面配線353a,353b,353c,353dがそれぞれ、第1層の表面配線351a,351b,351c,351dに接続されている。更に、第3層の表面配線355a,355dがそれぞれコンタクトプラグ354a,354b,354dに接続されることにより、第3層の表面配線355a,355dがそれぞれ、第2層の表面配線353a,353b,353c,353dに接続されている。図17では、第3層の表面配線355a,355dが、最上層の表面配線になっているが、図面を簡略化(模式化)しているための便宜上の表現であり、4層以上の多層配線構造であっても構わないことは勿論である。
【0056】
図17に示す機能素子チップ31ijは、図14(a)に示したのと同様に、MEMS関連部品用ウェハ31Wを用意し、このMEMS関連部品用ウェハ31Wの表面上に、逐次露光して、マトリクス状に2次元配置された各チップ領域の内の一つのチップ領域として、MEMS関連部品用ウェハ31Wから分割して切り出せばよい。又、必要に応じて、ダイシング後に機能素子チップ31ijの厚み調整を行えばよい。
【0057】
例2−3(L−C−R受動素子回路):
MEMS関連部品のチップとして、ハードウェアライブラリーに用意される機能素子3の更に他の構造例として、例えば、図18に示すようなL−C−R受動素子回路のチップが採用可能である。図18に示すL−C−R受動素子回路としての機能素子3は、厚さ50μm〜350μmの第1導電型(p型)の半導体基板(Si基板)である機能素子チップ31ijと、機能素子チップ31ijの上面に設けられたSiO2膜等の絶縁膜からなるフィールド絶縁膜331と、フィールド絶縁膜331の上面に設けられた第1のキャパシタ電極層341と抵抗配線層334と、第1のキャパシタ電極層341と抵抗配線層334の上に設けられたSiO2膜等の絶縁膜からなる第1の層間絶縁膜332と、第1の層間絶縁膜332の上面に設けられた第2層の表面配線343a,343b及び第2のキャパシタ電極層343d、第2層の表面配線343a,343b及び第2のキャパシタ電極層343dの上に設けられたSiO2膜等の絶縁膜からなる第2の層間絶縁膜333と、第2の層間絶縁膜333の上面に設けられた第3層の表面配線345a,345b,345c,345dとを備える。第2層の表面配線343a,343bがそれぞれ第1の層間絶縁膜332中に設けられたコンタクトプラグ342a,342bに接続されることにより、第2層の表面配線343aと第2層の表面配線343bとの間に、抵抗配線層334が接続されている。そして、第3層の表面配線345a,345bがそれぞれ第2の層間絶縁膜333中に設けられたコンタクトプラグ344a,344bに接続されることにより、第3層の表面配線345aと第3層の表面配線,345bとの間に、抵抗配線層334が接続され、抵抗体Rを構成している。
【0058】
一方、第2のキャパシタ電極層343dが第1の層間絶縁膜332をキャパシタ絶縁膜として挟んで第1のキャパシタ電極層341と対向することにより、第2のキャパシタ電極層343dと第1のキャパシタ電極層341との間に容量Cが構成される。そして、第3層の表面配線345c,345dがそれぞれ第2の層間絶縁膜333中に設けられたコンタクトプラグ344c,344dに接続され、コンタクトプラグ344cが第1の層間絶縁膜332中に設けられたコンタクトプラグ342cに接続されることにより、第3層の表面配線345cと第3層の表面配線との間に容量Cが構成される。
【0059】
図18では、インダクタンス(L)の図示を省略しているが、例えば、最上層の表面配線になっている第3層の表面配線345a,345b,345c,345dの内のいずれかを円形、渦巻き状、メアンダライン状等の形状にすることによりインダクタンス(L)を実現できる。又、図18に示す機能素子チップ31ijは、図14(a)に示したのと同様に、MEMS関連部品用ウェハ31Wを用意し、このMEMS関連部品用ウェハ31Wの表面上に、逐次露光して、マトリクス状に2次元配置された各チップ領域の内の一つのチップ領域として、MEMS関連部品用ウェハ31Wから分割して切り出せばよい。又、必要に応じて、ダイシング後に機能素子チップ31ijの厚み調整を行えばよい。
【0060】
例2−4(立体構造部品):
MEMS関連部品のチップとして、ハードウェアライブラリーに用意される機能素子3の更に他の構造例として、例えば、図19に示すような段差配線346を有する立体構造部品のチップも採用可能である。図19に示す立体構造部品としての機能素子3は、厚さ50μm〜350μmの第1導電型(p型)の半導体基板(Si基板)である機能素子チップ31ijと、機能素子チップ31ijの上部に設けられた凹部31sと、機能素子チップ31ijの上面から凹部31sの表面にかけて設けられたSiO2膜等の絶縁膜からなるフィールド絶縁膜335と、フィールド絶縁膜335の上面に沿って、機能素子チップ31ijの上面側から凹部31sの側面を経て、凹部31sの底面にかけて設けられた段差配線346とを備える。更に、凹部31sの右側の機能素子チップ31ijの上面に位置するフィールド絶縁膜335の上には、上面配線347が、段差配線346とは、電気的に独立して設けられている。
【0061】
図19に示す機能素子チップ31ijも、図14(a)に示したのと同様に、MEMS関連部品用ウェハ31Wを用意し、このMEMS関連部品用ウェハ31Wの表面上に、逐次露光して、マトリクス状に2次元配置された各チップ領域の内の一つのチップ領域として、MEMS関連部品用ウェハ31Wから分割して切り出せばよい。又、必要に応じて、ダイシング後に機能素子チップ31ijの厚み調整を行えばよい。
【0062】
本発明の第1の実施の形態に係る実装体は、サイズの小型化と高性能化を達成が可能であると同時に、図14〜図19に例示した機能素子3を含めて、種々の機能素子をハードウェアライブラリー(機能素子ライブラリー)として予め用意しておくことにより、オーダーメードによる小量多品種の高性能モジュール等を、迅速に且つ安価に製造できる。
【0063】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態に係る実装体では、図1に示したように、両側のチップ収納凹部の深さが等しく、中央のチップ収納凹部の深さがチップ両側のチップ収納凹部よりも深い貫通孔となっている例を示したが、図21(b)に例示したような有底の凹部のみとし、貫通孔がないトポロジーでも構わない。
【0064】
即ち、本発明の第2の実施の形態に係る実装体は、図21(b)に示すように、実装チップ11ijと(添え字のi,jは、それぞれ、基板用ウェハの表面に割り当てられるチップ領域のレイアウトで決まる整数である。)、実装チップ11ijの上部に設けられたチップ収納凹部11sと、実装チップ11ijの上面からチップ収納凹部11sの表面にかけて設けられたSiO2膜等の絶縁膜からなる上面保護絶縁膜113と、上面保護絶縁膜113の表面に沿って、実装チップ11ijの上面側からチップ収納凹部11sの側面を経て、チップ収納凹部11sの底面にかけて設けられた段差配線であるカソード配線115と、チップ収納凹部11sの右側の実装チップ11ijの上面に位置する上面保護絶縁膜113の上に、カソード配線115とは電気的に独立して設けられたアノードランド配線116と、チップ収納凹部11sの底面においてカソード配線115にカソード電極512を接続した面発光レーザLDijと、面発光レーザLDijの最上層に位置するアノード電極531を囲み、アノードランド配線116及びカソード配線115の上に設けられた第1層間絶縁膜120aと、第1層間絶縁膜120a上に設けられ、アノード電極531とアノードランド配線116とを相互を電気的に接続するアノード接続配線532(図21(b)では、その一部の図示を省略している。)と、アノード接続配線532の上に設けられた第2層間絶縁膜120bと、第2層間絶縁膜120b上に設けられ、第1層間絶縁膜120aと第2層間絶縁膜120bからなる複合膜を貫通するコンタクトホールを介して、アノードランド配線116及びカソード配線115に接続される実装配線122b,122aとを備える。第2層間絶縁膜120bが、本発明の上面側配線用絶縁膜として機能している。実装配線122bとアノードランド配線116との電気的な接続、及び実装配線122aとカソード配線115との電気的な接続を、それぞれ達成するために、アノードランド配線116及びカソード配線115の上のコンタクトホールには、それぞれコンタクトプラグ121b,121aが埋め込まれている。
【0065】
面発光レーザLDijは、図21(a)に模式的にその断面図を示すように、カソード電極(n側電極)512と、カソード電極512にオーミック接続するようにカソード電極512の上に設けられた第2導電型(n型)のカソードコンタクト層521と、カソードコンタクト層521の上に設けられたn側ブラッグ反射膜層522と、n側ブラッグ反射膜層522の上に、両側を電流制限領域513で囲まれて設けられた活性層(発光層)523と、活性層523の上に設けられたp側ブラッグ反射膜層524と、p側ブラッグ反射膜層523の上に設けられた第1導電型(p型)のアノードコンタクト層525と、アノードコンタクト層525の上にリング状に設けられ、アノードコンタクト層525にオーミック接続するアノード電極531とを備える。アノード電極531は、断面図上では、2つに分離して表現されているが、紙面の手前と奥で連続している。電流制限領域513はイオン注入で高比抵抗化した半導体層でも、酸化膜やポリイミド膜等の絶縁膜でも構わない。そして、面発光レーザLDijの底面のカソード電極512と、チップ収納凹部の底部の上面との間には導電性ペースト等の接着層178が介在することにより、面発光レーザLDijはチップ収納凹部に固定されている。実装チップ11ijの裏面には、下面保護絶縁膜114が設けられている。
【0066】
実装チップ11ijとしては、厚さ450μm〜1200μm程度のシリコン(Si)等の半導体チップが例示できるが、必ずしも半導体チップに限られるものではない。例えば、半導体チップ以外に、セラミック、樹脂又は耐熱ガラス等の高比抵抗材料チップ、半絶縁性材料チップ若しくは絶縁体材料チップが採用可能である。半導体チップの具体例としては、従来のLSI等と同様な、厚さ450μm〜1000μm程度で、直径100mmφ〜300mmφの半導体ウェハを20mm×20mm〜50mm×50mm程度の所望の大きさのチップ領域として切り出した半導体チップが実装チップ11ijとして採用可能である。
【0067】
第1の実施の形態に係る実装体では、図1に示したように、実装チップ11ijを貫通する機能素子チップ31ijの貫通孔に貫通配線311a,311bi,311cが設けられ、貫通配線311a,311bi,311cを介して、実装チップ11ijの上面の表面配線314a,314bi,314cと実装チップ11ijの下面(裏面)の裏面配線317a,317bi,317cとがそれぞれ独立した経路で、互いに電気的に接続することにより、裏面配線317a,317bi,317cが、第1の実施の形態に係る実装体の入出力端子として機能していたが、第2の実施の形態に係る実装体には貫通配線がないので、実装チップ11ijの上面側の第1層間絶縁膜120aと第2層間絶縁膜120bからなる複合膜上に設けられた実装配線122b,122aが、実装体の入出力端子として機能する。
【0068】
第2の実施の形態に係る実装体によれば、図21(b)に示すように実装配線122b,122aのパターンを微細化できるので、実装体の全体の大きさを従来のパッケージやモジュールよりも小型化し、寄生インピーダンスを最小化することにより、高周波特性を改善できる。しかも、第2の実施の形態に係る実装体によれば、従来よりも低コストで、実装体を製造することが可能であり、更に、多品種小量製品や多品種小ロット製品の迅速対応化が可能である。
【0069】
−−第2の実施の形態に係る実装体の製造方法−−
図20〜図21を用いて、本発明の第2の実施の形態に係る実装体の製造方法を説明する。なお、以下に述べる実装体の製造方法は、一例であり、この変形例を含めて、これ以外の種々の製造方法により、実現可能であることは勿論である:
(イ)先ず、基板用ウェハ11Wを用意し、この基板用ウェハ11Wの表面(上面)上に、フォトレジストを塗布し、ステップ・アンド・リピート方式等によるフォトリソグラフィ技術によりフォトレジストを、逐次露光することで、基板用ウェハ11Wの表面にマトリクス状に2次元配置された各チップ領域にチップ収納凹部開口用のパターンを形成する。次いで、このフォトレジストをマスクにして基板用ウェハ11WをRIE法等でエッチングして、基板用ウェハ11Wの上面から内部に向かうチップ収納凹部11sを形成する。図4(d)に示したのと同様に、ステップ・アンド・リピート方式等でエッチング用マスクのパターンを形成しているので、実際には基板用ウェハ11Wの表面に2次元配置された各チップ領域のそれぞれに、チップ収納凹部11sが形成される。例えば150mmφの基板用ウェハ11Wであれば、20mm×30mmのチップ領域が、図4(d)に示したのと同様に、基板用ウェハ11Wの表面に20個割り当てられるが、チップ領域の面積を小さくすれば、20個以上の配置が可能であることは勿論である。チップ収納凹部11sの開口に用いたフォトレジストを除去後、基板用ウェハ11Wの全面を熱酸化し、図20に示すように、各チップ領域において、基板用ウェハ11Wの上面からチップ収納凹部11sの表面に渡るSiO2膜の上面保護絶縁膜113及び基板用ウェハ11Wの下面に下面保護絶縁膜114を形成する。
【0070】
(ロ)次に、上面保護絶縁膜113の上に、スパッタリング法等の指向性の低い手法でAlやAl合金等の金属膜を、チップ収納凹部11sの側面にも十分堆積するように形成する。そして、この金属膜上に、フォトレジストを塗布し、ステップ・アンド・リピート方式等によりフォトレジストを、逐次露光することで、各チップ領域毎に、アノード/カソード配線形成用のパターンを形成する。次いで、このフォトレジストをマスクにして金属膜をRIE法等でエッチングして、各チップ領域のそれぞれにおいて、金属膜をパターニングしてアノード/カソード配線を得る。即ち、図20(b)に示すように、上面保護絶縁膜113の表面に沿って、基板用ウェハ11Wの上面側からチップ収納凹部11sの側面を経て、チップ収納凹部11sの底面にかけての段差配線としてカソード配線115をパターニングし、同時に、チップ収納凹部11sの右側の基板用ウェハ11Wの上面に位置する上面保護絶縁膜113の上に、カソード配線115とは電気的に独立してアノードランド配線116をパターニングする。なお、チップ収納凹部11sの側面へのフォトリソグラフィ技術が困難な場合は、チップ収納凹部11sの側面が基板用ウェハ11Wの上面に対して直角よりも小さな角度で交わるようにテーパ状側壁を有するようにしてもよい。又、チップ収納凹部11sの側面が、基板用ウェハ11Wの上面に対して直角である垂直側壁の場合は、互いに異なる斜め方向からの露光を交互に行う2重露光をしてもよく、図27を用いて後述するようなプレスによる金属膜の折り曲げ加工を用いてもよい。
【0071】
(ハ)そして、チップ収納凹部11sの底部の上面に、導電性ペースト等の接着層178を塗布した後、図21(a)に断面図を示した面発光レーザLDijを、チップ収納凹部11sの内部に収納する。面発光レーザLDijの底面側のカソード電極512とチップ収納凹部11sの底部の上面との間には、接着層178が介在することにより、面発光レーザLDijはチップ収納凹部11sに固定される。実際には、基板用ウェハ11Wの表面には複数のチップ領域が2次元配置されているので、図7に示したのと同様に、複数のチップ領域に対応する複数のチップ収納凹部11sに、面発光レーザLDijがそれぞれ収納され、2次元配置される(添え字のi,jは、基板用ウェハ11Wの表面に2次元的に割り当てられるチップ領域のレイアウトで決まる整数である。)。
【0072】
(ニ)その後、チップ収納凹部11sの内部に収納された面発光レーザLDijの上に第1層間絶縁膜120aを形成する。第1層間絶縁膜120aとしては、感光性ドライフィルム等の樹脂層の他、真空蒸着法、スパッタリング法、塗布ガラスの塗布法(SOG法)若しくは低温CVDで形成した酸化膜層等の絶縁膜でも構わない。第1層間絶縁膜120aとして感光性ドライフィルムを用いた場合は、この感光性ドライフィルムに対し、直接、逐次露光することで、基板用ウェハ11Wの上に割り当てられた各チップ領域において、感光性ドライフィルムに面発光レーザLDijの最上層の配線であるアノード電極531の一部をそれぞれ露出するコンタクトホールを開口する。第1層間絶縁膜120aとして、SOG法等による絶縁膜を形成した場合は、第1層間絶縁膜120a上に、フォトレジストを塗布し、フォトレジストを、逐次露光することで、コンタクトホール開口用のパターンを形成する。次いで、このフォトレジストをマスクにして第1層間絶縁膜120aをRIE法等でエッチングして、各チップ領域において、第1層間絶縁膜120aに、アノード電極531の一部をそれぞれ露出するコンタクトホールを開口する。コンタクトホールの開口後、第1層間絶縁膜120aの上に、真空蒸着法、スパッタリング法等の周知の手法を用いてAlやAl合金等の金属膜を全面に堆積する。そして、 金属膜上に、フォトレジストを塗布し、フォトレジストを、逐次露光することで、面発光レーザLDijのアノード電極531とアノードランド配線116とを相互を電気的に接続するアノード接続配線532形成用のパターンを形成する。次いで、このフォトレジストをマスクにして金属膜をRIE法等でエッチングして、各チップ領域において、金属膜をパターニングして、アノード電極531とアノードランド配線116とを相互を電気的に接続するアノード接続配線532を形成する。
【0073】
(ホ)その後、アノード接続配線532の上に上面側配線用絶縁膜として第2層間絶縁膜120bを形成する。第2層間絶縁膜120bとしては、感光性ドライフィルム等の樹脂層の他、真空蒸着法、スパッタリング法、SOG法若しくは低温CVDで形成した酸化膜層等の絶縁膜でも構わない。第2層間絶縁膜120bとして感光性ドライフィルムを用いた場合は、この感光性ドライフィルムに対し、直接、逐次露光することで、基板用ウェハ11Wの上に割り当てられた各チップ領域において、感光性ドライフィルムにアノードランド配線116及びカソード配線115の一部をそれぞれ露出するコンタクトホールを開口する。第2層間絶縁膜120bとして、SOG法等による絶縁膜を形成した場合は、第2層間絶縁膜120b上に、フォトレジストを塗布し、フォトレジストを、逐次露光することで、コンタクトホール開口用のパターンを形成する。次いで、このフォトレジストをマスクにして第1層間絶縁膜120aと第2層間絶縁膜120bからなる複合膜をRIE法等で貫通するようにエッチングして、各チップ領域において、第1層間絶縁膜120aと第2層間絶縁膜120bからなる複合膜にアノードランド配線116及びカソード配線115の一部をそれぞれ露出するコンタクトホールを開口する。コンタクトホールの開口後、アノードランド配線116及びカソード配線115のそれぞれの上部の一部に設けられたコンタクトホールに、コンタクトプラグ121b,121aを埋め込こみ、コンタクトプラグ121b,121aの上端と第2層間絶縁膜120bの上面が平坦になるようにCMP等の平坦化処理を行う。平坦化処理後、第2層間絶縁膜120bの上に、真空蒸着法、スパッタリング法等の周知の手法を用いてAlやAl合金等の金属膜を全面に堆積する。そして、 金属膜上に、フォトレジストを塗布し、フォトレジストを、逐次露光することで、実装配線形成用のパターンを形成する。次いで、このフォトレジストをマスクにして金属膜をRIE法等でエッチングして、各チップ領域において、金属膜をパターニングして、図21(b)に示すように、アノードランド配線116及びカソード配線115に、コンタクトプラグ121b,121aを介して接続される実装配線122b,122aを形成する。
【0074】
(ヘ)実装配線122b,122aの上をパッシベーション膜や封止用の樹脂によって保護した後、或いは図1と同様にキャップ用ウェハで封止して保護した後、図4(d)や図7に示したのと同様に、基板用ウェハ11Wの表面にグリッド状に設定されたダイシングラインG11に沿ってダイヤモンドブレード等のダイシング手段により、各チップ領域に設定されたチップサイズに切り分ければ、本発明の第2の実施の形態に係る実装体が完成する。
【0075】
第2の実施の形態に係る実装体の製造方法によれば、従来よりも低コストで、実装体を製造することが可能であり、更に、多品種小量製品や多品種小ロット製品の迅速対応化が可能である。
【0076】
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態に係る実装体では、図1に示したように、両側のチップ収納凹部の深さが等しく、中央のチップ収納凹部の深さがチップ両側のチップ収納凹部よりも深い貫通孔となっている3つのチップ収納凹部を有する例を示し、第2の実施の形態に係る実装体では、図21(b)に例示したような有底の凹部のみが存在して貫通孔がないトポロジーを示したが、逆に、有底の凹部がなく、貫通孔のみが存在するトポロジーでも構わない。
【0077】
即ち、本発明の第3の実施の形態に係る実装体は、図23(b)に示すように、実装チップ11ijと(添え字のi,jは、それぞれ、基板用ウェハの表面に割り当てられるチップ領域のレイアウトで決まる整数である。)、実装チップ11ijの中央部に設けられた上面から下面まで貫通する円筒状の貫通孔11tpの内部に収納された円柱状の貫通配線部品チップ61ijとを備える。
【0078】
貫通配線部品チップ61ijの上面には上面保護絶縁膜612が、貫通配線部品チップ61ijの下面には下面保護絶縁膜613が形成され、上面保護絶縁膜612、貫通配線部品チップ61ij及び下面保護絶縁膜613を貫通する貫通孔を介して、貫通配線611が設けられている。貫通配線611の上端には、貫通配線611よりも外径の大きな円板状の金属層からなる上面ランド(コンタクト端子)621が上面保護絶縁膜612上まで延在して設けられ、貫通配線611の下端には、貫通配線611よりも外径の大きな円板状の金属層からなる下面ランド(コンタクト端子)622が下面保護絶縁膜613の下面まで延在して設けられている。よって、貫通配線611を介して、貫通配線部品チップ61ijの上面の上面ランド621と貫通配線部品チップ61ijの下面(裏面)の下面ランド622とが互いに電気的に接続される。
【0079】
図23(b)では、配線用絶縁膜や配線用絶縁膜に設けられる実装配線の図示を省略しているが、第1の実施の形態に係る実装体と同様に、上面ランド621の上に、上面側配線用絶縁膜を設け、この上面側配線用絶縁膜上に上面側実装配線をパターニングし、上面側配線用絶縁膜に開口されたコンタクトホールを介して、上面ランド621と上面側実装配線とを電気的に接続することができる。電気的な接続を達成するために、上面ランド621の上のコンタクトホールには、それぞれコンタクトプラグを埋め込めばよい。同様に、下面ランド622の下に、下面側配線用絶縁膜を設け、この下面側配線用絶縁膜下に下面側実装配線をパターニングし、下面側配線用絶縁膜に開口されたコンタクトホールを介して、下面ランド622と下面側実装配線とを電気的に接続することができる。電気的な接続を達成するために、下面ランド622の下のコンタクトホールには、それぞれコンタクトプラグを埋め込めば、下面側実装配線と上面側実装配線とが貫通配線611を介して接続される。よって、第3の実施の形態に係る実装体によれば、下面ランド622に接続される下面側実装配線を実装チップ11ijの上面側において、上面側実装配線に接続される電気配線や電気回路等への入出力端子として機能させることが可能である。
【0080】
実装チップ11ijとしては、厚さ450μm〜1200μm程度のシリコン(Si)等の半導体チップが例示できるが、必ずしも半導体チップに限られるものではない。例えば、半導体チップ以外に、セラミック、樹脂又は耐熱ガラス等の高比抵抗材料チップ、半絶縁性材料チップ若しくは絶縁体材料チップが採用可能である。半導体チップの具体例としては、従来のLSI等と同様な、厚さ450μm〜1000μm程度で、直径100mmφ〜300mmφの半導体ウェハを20mm×20mm〜50mm×50mm程度の所望の大きさのチップ領域として切り出した半導体チップが実装チップ11ijとして採用可能である。
【0081】
第3の実施の形態に係る実装体によれば、上面ランド621に接続される上面側実装配線(図示省略。)や下面ランド622に接続される下面側実装配線(図示省略。)のパターンを微細化できるので、実装体の全体の大きさを従来のパッケージやモジュールよりも小型化し、寄生インピーダンスを最小化することにより、高周波特性を改善できる。しかも、第3の実施の形態に係る実装体によれば、従来よりも低コストで、実装体を製造することが可能であり、更に、多品種小量製品や多品種小ロット製品の迅速対応化が可能である。
【0082】
−−第3の実施の形態に係る実装体の製造方法−−
図22〜図23を用いて、本発明の第3の実施の形態に係る実装体の製造方法を説明する。なお、以下に述べる実装体の製造方法は、一例であり、この変形例を含めて、これ以外の種々の製造方法により、実現可能であることは勿論である:
(イ)先ず、基板用ウェハ11Wを用意し、この基板用ウェハ11Wの表面(上面)上に、フォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術によりフォトレジストを、逐次露光することで、基板用ウェハ11Wの表面にマトリクス状に2次元配置された各チップ領域の中央部に貫通孔開口用のパターンを形成する。次いで、このフォトレジストをマスクにして基板用ウェハ11WをイオンミリングやRIE法等でエッチングして、基板用ウェハ11Wの上面から下面まで貫通する、貫通孔11tpを各チップ領域のそれぞれの中央部に開口する。基板用ウェハ11Wとしては、入手の容易性から、例えば、50〜1000Ωcm程度の(100)面を主表面とするp型シリコンウェハ等の半導体ウェハが例示できるが、必ずしも半導体ウェハに限られるものではない。例えば、半導体ウェハ以外に、セラミック基板、樹脂基板又は耐熱ガラス基板等の高比抵抗基板、半絶縁性基板若しくは絶縁体基板が採用可能であるが、後述するように、フォトリソグラフィ技術等の半導体プロセス技術を適用する上で、セラミック基板、樹脂基板又は耐熱ガラス基板等の他の基板も、半導体ウェハと同様な100mmφ〜300mmφの円盤状のウェハ形状であることが好ましい。
【0083】
(ロ)そして、貫通孔11tpの内周面に導電性ペースト等の接着層を塗布した後、貫通孔11tpの中に貫通配線部品チップ61ijを挿入し、貫通配線部品チップ61ijの外周面と貫通孔11tpの内周面との間に介在した接着層により、貫通配線部品チップ61ijを貫通孔11tpに固定する。或いは、貫通配線部品チップ61ijを貫通孔11tpの内部に収納した際に、常に締めしろができる、はめあい公差となるように、貫通配線部品チップ61ijの外径と、貫通孔11tpの内径を選んでおいて、基板用ウェハ11Wを加熱した状態で低温の貫通配線部品チップ61ijを挿入して焼きばめ類似のはめあいをしてもよい。或いは、貫通配線部品チップ61ijの外径にテーパを持たせて、貫通配線部品チップ61ijの下部が貫通孔11tpに挿入されたときに、奥の方(基板用ウェハ11Wの底面側)で締めしろができるようにして圧入してもよい。実際には基板用ウェハ11Wの表面には複数のチップ領域が2次元配置されているので、図7に示したのと同様に、複数のチップ領域に対応する複数の貫通孔11tpのそれぞれに、貫通配線部品チップ61ijが収納される(添え字のi,jは、それぞれ、基板用ウェハ11Wの表面に割り当てられるチップ領域のレイアウトで決まる整数である。)。
【0084】
(ハ)その後、貫通孔11tpの内部に収納された貫通配線部品チップ61ijの上に上面側配線用絶縁膜を、基板用ウェハ11Wの裏面側に下面側配線用絶縁膜を形成する。上面側配線用絶縁膜及び下面側配線用絶縁膜としては、感光性ドライフィルム等の樹脂層の他、真空蒸着法、スパッタリング法、SOG法若しくは低温CVDで形成した酸化膜層等の絶縁膜でも構わない。上面側配線用絶縁膜として感光性ドライフィルムを用いた場合は、この感光性ドライフィルムに対し、直接、逐次露光することで、基板用ウェハ11Wの上に割り当てられた各チップ領域のそれぞれにおいて、感光性ドライフィルムに貫通配線部品チップ61ijの上面ランド621の一部をそれぞれ露出するコンタクトホールを開口する。上面側配線用絶縁膜として、SOG法等による絶縁膜を形成した場合は、上面側配線用絶縁膜上に、フォトレジストを塗布し、フォトレジストを、逐次露光することで、コンタクトホール開口用のパターンを形成する。次いで、このフォトレジストをマスクにして上面側配線用絶縁膜をRIE法等でエッチングして、各チップ領域のそれぞれにおいて、上面側配線用絶縁膜に、上面ランド621の一部をそれぞれ露出するコンタクトホールを開口する。コンタクトホールの開口後、上面側配線用絶縁膜の上に、真空蒸着法、スパッタリング法等の周知の手法を用いてアルミニウム(Al)やAl合金等の金属膜を全面に堆積する。そして、 金属膜上に、フォトレジストを塗布し、フォトレジストを、逐次露光することで、上面ランド621に電気的に接続される上面側実装配線形成用のパターンを形成する。次いで、このフォトレジストをマスクにして金属膜をRIE法等でエッチングして、各チップ領域のそれぞれにおいて、金属膜をパターニングして、上面ランド621にそれぞれ接続される上面側実装配線を形成する。この際、上面側実装配線と同一の金属膜によって、上面ランド621の上のコンタクトホールには、コンタクトプラグが埋め込まれる。なお、先に上面ランド621の上のコンタクトホールに、高融点金属のコンタクトプラグを埋め込んだ後、CMP等により、上面側配線用絶縁膜の上面とコンタクトプラグの上面が同一平面となるように平坦化した後、AlやAl合金等の金属膜を全面に堆積し、その後、フォトリソグラフィ技術とRIE法等により、金属膜をパターニングして、コンタクトプラグに接続される上面側実装配線を形成してもよい。逐次露光して、微細なパターンの上面側実装配線を形成できるので、実装体を小型化し、高周波特性を改善できる。
【0085】
(ニ)下面側配線用絶縁膜として感光性ドライフィルムを用いた場合は、上面側と同様に、感光性ドライフィルムに対し、直接、逐次露光することで、基板用ウェハ11Wの上に割り当てられた各チップ領域において、貫通配線部品チップ61ijの下面ランド622の一部を露出するコンタクトホールを開口する。下面側配線用絶縁膜として、SOG法等による絶縁膜を形成した場合は、上面側と同様に、下面側配線用絶縁膜上に、フォトレジストを塗布し、フォトレジストを、逐次露光することで、コンタクトホール開口用のパターンを形成する。次いで、このフォトレジストをマスクにして下面側配線用絶縁膜をRIE法等でエッチングして、各チップ領域において、下面側配線用絶縁膜に、下面ランド622の一部を露出するコンタクトホールを開口する。コンタクトホールの開口後、上面側と同様に、下面側配線用絶縁膜の上に、真空蒸着法、スパッタリング法等の周知の手法を用いてAlやAl合金等の金属膜を全面に堆積する。そして、 金属膜上に、フォトレジストを塗布し、フォトレジストを、逐次露光することで、貫通配線部品チップ61ijに電気的な入出力を行う下面側実装配線形成用のパターンを形成する。次いで、このフォトレジストをマスクにして金属膜をRIE法等でエッチングして、各チップ領域において、金属膜をパターニングして、下面ランド622に接続される下面側実装配線を形成する。この際、下面側実装配線と同一の金属膜によって、下面ランド622の上のコンタクトホールには、コンタクトプラグが埋め込まれる。なお、先に下面ランド622の上のコンタクトホールに、高融点金属のコンタクトプラグを埋め込んだ後、CMP等により、下面側配線用絶縁膜の下面とコンタクトプラグの下面が同一平面となるように平坦化した後、AlやAl合金等の金属膜を全面に堆積し、その後、フォトリソグラフィ技術とRIE法等により、金属膜をパターニングして、コンタクトプラグに接続される下面側実装配線を形成してもよい。
【0086】
(ホ)上面側実装配線の上、及び下面側実装配線の下をパッシベーション膜や封止用の樹脂によって保護した後、或いは図1と同様に、上面側実装配線側をキャップ用ウェハで封止して保護した後、図4(d)や図7に示したのと同様に、基板用ウェハ11Wの表面にグリッド状に設定されたダイシングラインG11に沿ってダイヤモンドブレード等のダイシング手段により、各チップ領域に設定されたチップサイズに切り分ければ、本発明の第3の実施の形態に係る実装体が完成する。
【0087】
第3の実施の形態に係る実装体の製造方法によれば、従来よりも低コストで、実装体を製造することが可能であり、更に、多品種小量製品や多品種小ロット製品の迅速対応化が可能である。
【0088】
(第4の実施の形態)
第1の実施の形態に係る実装体では、図1に示したように、両側のチップ収納凹部の深さが等しく、中央のチップ収納凹部の深さがチップ両側のチップ収納凹部よりも深い貫通孔となり、実装チップ11ijを貫通する貫通配線部品チップとして機能素子チップ31ijが用いられ、機能素子チップ31ijの貫通孔に貫通配線311a,311bi,311cが設けられることにより、貫通配線311a,311bi,311cを介して、実装チップ11ijの上面の表面配線314a,314bi,314cと実装チップ11ijの下面(裏面)の裏面配線317a,317bi,317cとを、それぞれ独立した経路で互いに電気的に接続し、裏面配線317a,317bi,317cを、第1の実施の形態に係る実装体の入出力端子として機能させていたが、実装チップ11ij自身が貫通配線を作り込んでいれば、機能素子チップ31ijのような貫通配線部品チップは不要となる。
【0089】
即ち、本発明の第4の実施の形態に係る実装体に用いる実装チップ11ij(添え字のi,jは、それぞれ、基板用ウェハの表面に割り当てられるチップ領域のレイアウトで決まる整数である。)の上面には、図24に示すように、上面保護絶縁膜117が設けられ、実装チップ11ijの下面には下面保護絶縁膜118が形成されているが、実装チップ11ijの周辺部に、上面保護絶縁膜117、実装チップ11ij及び下面保護絶縁膜118を貫通する複数の貫通孔が設けられ、この複数の貫通孔を介して、複数の貫通配線161a,161b,……が実装チップ11ijを貫通するように設けられている。
【0090】
図24において左側の周辺部近傍に位置する貫通配線161aの上端には貫通配線161aより外径の大きな円板状の金属からなる上面ランド162aが上面保護絶縁膜117上まで延在して設けられ、貫通配線161aの下端には貫通配線161aより外径の大きな円板状の金属からなる下面ランド163aが下面保護絶縁膜118の下面まで延在して設けられている。右側の周辺部近傍に位置する貫通配線161bの上端には貫通配線161bより外径の大きな円板状の金属からなる上面ランド162bが上面保護絶縁膜117上まで延在して設けられ、貫通配線161bの下端には貫通配線161bより外径の大きな円板状の金属からなる下面ランド163bが下面保護絶縁膜118の下面まで延在して設けられている。よって、貫通配線161aを介して、実装チップ11ijの上面の上面ランド162aと実装チップ11ijの下面(裏面)の下面ランド163aとが電気的に接続され、貫通配線161bを介して、実装チップ11ijの上面の上面ランド162bと実装チップ11ijの下面(裏面)の下面ランド163bとが、貫通配線161aの経路とは、独立に、電気的に接続されている。このように、実装チップ11ij自身が複数の貫通配線161a,161bを作り込んでいるので、第4の実施の形態に係る実装体では、図24に例示したように、有底の凹部であるチップ収納凹部のみが存在して、貫通配線部品チップを収納するためのチップ収納凹部としての貫通孔がないトポロジーである。
【0091】
そして、本発明の第4の実施の形態に係る実装体は、図24において左側の上面ランド162aの上に下地金属膜166aを介して一方の端部を固定し、他方の端部の下地金属膜166aの下面を、チップ収納凹部の底面に設けられたパッド配線164の上面に接合させた、エヤーギャップ部を有するビーム状の段差配線である上面側実装配線167aと、図24において右側の上面ランド162bの上に下地金属膜166bを介して固定された上面側実装配線167bとを備える。そして、本発明の第4の実施の形態に係る実装体は、更に、チップ収納凹部の底部に位置する上面側実装配線167aの上面に選択的に設けられた導電性ペースト等の接着層179と、接着層179に底面側のカソード電極512を接続して、チップ収納凹部の内部に収納され固定された面発光レーザLDijと、両端に設けたコンタクトバンプ137ij,138ijを介して、面発光レーザLDijの最上層の配線として機能しているアノード接続配線532と上面側実装配線167bとを電気的に接続するアノード配線136ijと、下面に樹脂12ijのパターンを有し、面発光レーザLDij、アノード配線136ijや上面側実装配線167a,167b等を、樹脂12ijのパターンを接着層として用いて、基板用ウェハ11Wとキャップ用ウェハ135との間の空間を密閉し、封止する封止キャップチップ135ijとを備える。面発光レーザLDijは、既に図21(a)を用いて説明したのとほぼ同様な構造であるが、カソード電極(n側電極)512と、カソード電極512にオーミック接続するようにカソード電極512の上に設けられた第2導電型(n型)のカソードコンタクト層521と、カソードコンタクト層521の上に設けられたn側ブラッグ反射膜層522と、n側ブラッグ反射膜層522の上に、両側を電流制限領域513で囲まれて設けられた活性層(発光層)523と、活性層523の上に設けられたp側ブラッグ反射膜層524と、p側ブラッグ反射膜層523の上に設けられた第1導電型(p型)のアノードコンタクト層525と、アノードコンタクト層525の上にリング状に設けられ、アノードコンタクト層525にオーミック接続するアノード電極531とを備える。そして、アノード電極531は、その周囲をアノード絶縁膜511で囲まれ、アノード電極531とアノード絶縁膜511の上には、最上層の配線として、アノード電極531に接続されるアノード接続配線532が設けられている。
【0092】
図24では、実装チップ11ijの下面保護絶縁膜118側に設けられる実装配線の図示を省略しているが、第1の実施の形態に係る実装体と同様に、同様に、下面ランド163a,163b,……の下に、下面側配線用絶縁膜を設け、この下面側配線用絶縁膜下に下面側実装配線をパターニングし、下面側配線用絶縁膜に開口されたコンタクトホールを介して、下面ランド163a,163b,……と下面側実装配線とを電気的に接続することができる。電気的な接続を達成するために、下面ランド163a,163b,……の下のコンタクトホールには、それぞれコンタクトプラグを埋め込めば、下面側実装配線と上面側実装配線とが複数の貫通配線161a,161b,……を介して接続される。よって、第4の実施の形態に係る実装体によれば、下面ランド163a,163b,……に接続される下面側実装配線を実装チップ11ijの上面側に実装される面発光レーザLDijの入出力端子として機能させることが可能である。
【0093】
実装チップ11ijとしては、厚さ450μm〜1200μm程度のシリコン(Si)等の半導体チップが例示できるが、必ずしも半導体チップに限られるものではない。例えば、半導体チップ以外に、セラミック、樹脂又は耐熱ガラス等の高比抵抗材料チップ、半絶縁性材料チップ若しくは絶縁体材料チップが採用可能である。半導体チップの具体例としては、従来のLSI等と同様な、厚さ450μm〜1000μm程度で、直径100mmφ〜300mmφの半導体ウェハを20mm×20mm〜50mm×50mm程度の所望の大きさのチップ領域として切り出した半導体チップが実装チップ11ijとして採用可能である。封止キャップチップ135ij を構成する材料は、実装される面発光レーザLDijの発光波長を考慮して、発光波長に対して透明な材料となるように設計され選定されているので、封止キャップチップ135ijを介して、面発光レーザLDijの出力光を有効に取り出すことができる。
【0094】
第4の実施の形態に係る実装体によれば、上面ランド621に接続される上面側実装配線167a,167b,……、及び下面ランド163a,163b,……に接続される下面側実装配線(図示省略。)のパターンを微細化できるので、実装体の全体の大きさを従来のパッケージやモジュールよりも小型化し、寄生インピーダンスを最小化することにより、面発光レーザLDijの高周波特性を改善でき、又、従来よりも低コストで、実装体を製造することが可能である。
【0095】
図24に示す模式図では、面発光レーザLDijを実装する場合を例示的に説明したが、第4の実施の形態に係る実装体が実装する対象となる素子は、面発光レーザLDijに限定されるものではなく、面発光レーザLDij以外の多品種の素子が実装可能である。よって、第4の実施の形態に係る実装体によれば、多品種小量製品や多品種小ロット製品の迅速対応化が可能である。
【0096】
−−第4の実施の形態に係る実装体の製造方法−−
図25〜図27を用いて、本発明の第4の実施の形態に係る実装体の製造方法を説明する。なお、以下に述べる実装体の製造方法は、一例であり、この変形例を含めて、これ以外の種々の製造方法により、実現可能であることは勿論である:
(イ)先ず、基板用ウェハ11Wを用意し、この基板用ウェハ11Wの表面(上面)上に、フォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術によりフォトレジストを、逐次露光して、基板用ウェハ11Wの表面にマトリクス状に2次元配置された各チップ領域の周辺部に貫通孔開口用のパターンを形成する。次いで、このフォトレジストをマスクにして基板用ウェハ11WをイオンミリングやRIE法等でエッチングして、基板用ウェハ11Wの上面から下面まで貫通する、複数の貫通孔11pa,11pb,…を各チップ領域のそれぞれの周辺部に開口する。複数の貫通孔11pa,11pb,…の開孔に用いたフォトレジストを除去し、新たなフォトレジストを基板用ウェハ11Wの上面上に塗布し、フォトリソグラフィ技術により新たなフォトレジストを、逐次露光して、基板用ウェハ11Wの表面にマトリクス状に2次元配置された各チップ領域の中央部にチップ収納凹部開口用のパターンを形成する。次いで、この新たなフォトレジストをマスクにして基板用ウェハ11WをRIE法等でエッチングして、図25(a)に示すように、基板用ウェハ11Wの上面から内部に向かうチップ収納凹部11sを各チップ領域の中央部に形成する。基板用ウェハ11Wとしては、入手の容易性から、例えば、50〜1000Ωcm程度の(100)面を主表面とするp型シリコンウェハ等の半導体ウェハが例示できるが、必ずしも半導体ウェハに限られるものではない。例えば、半導体ウェハ以外に、セラミック基板、樹脂基板又は耐熱ガラス基板等の高比抵抗基板、半絶縁性基板若しくは絶縁体基板が採用可能であるが、後述するように、フォトリソグラフィ技術等の半導体プロセス技術を適用する上で、セラミック基板、樹脂基板又は耐熱ガラス基板等の他の基板も、半導体ウェハと同様な100mmφ〜300mmφの円盤状のウェハ形状であることが好ましい。
【0097】
(ロ)チップ収納凹部11sのエッチング後にチップ収納凹部11sの形成に用いた新たなフォトレジストを除去し、基板用ウェハ11Wの表面の全面を熱酸化し、複数の貫通孔11pa,11pb,……の内壁を含めて基板用ウェハ11Wの全面に厚さ50〜350nmのシリコン酸化膜を形成することにより、基板用ウェハ11Wの上面に上面保護絶縁膜117を形成し、基板用ウェハ11Wの下面に下面保護絶縁膜118を形成する(なお、複数の貫通孔11pa,11pb,……の内壁に形成される酸化膜は、便宜上、その図示を省略している。)。その後、銅(Cu)板等の金属製の底板を、基板用ウェハ11Wの下面に接する。その後、Cuの電解メッキによりCuの金属膜を、複数の貫通孔11pa,11pb,……の内部の底板の上に堆積する。更に、引き続き、Cuの電解メッキを継続し、厚メッキにより、複数の貫通孔11pa,11pb,……の内部を埋め戻し、更に、複数の貫通孔11pa,11pb,……の上端から基板用ウェハ11Wの上面上にまではみ出すまで、厚メッキを継続する。その後、厚メッキにより基板用ウェハ11Wの上面にまではみ出したCuの金属膜を、CMP法等によって、基板用ウェハ11Wの上面が露出するまで除去すれば、図25(b)に示すように、基板用ウェハ11Wの上面の上面保護絶縁膜117が、複数の貫通孔11pa,11pb,……の上端を含めて平坦化され、基板用ウェハ11Wの下面の下面保護絶縁膜118が、複数の貫通孔11pa,11pb,……の下端を含めて平坦化され、複数の貫通孔11pa,11pb,……の内部に貫通配線161a,161b,……が形成される。なお、複数の貫通配線161a,161b,……のそれぞれは、予め柱状に成形して用意された導体棒を複数の貫通孔11pa,11pb,……の内部に導入して形成してもよく、或いは、貫通配線161a,161b,……に挿入可能な外径を有する複数の導体球、又は複数の導体棒等を用意し、これらの複数の導体球、又は複数の導体棒等を複数の貫通孔11pa,11pb,……の内部に導入後に、互いに熱圧着や溶融により接続して形成しても構わない。
【0098】
(ハ)その後、上面保護絶縁膜117の上に、真空蒸着やスパッタリング法等により、AlやAl合金等の金属膜を、チップ収納凹部11sの内部を含めて堆積させる。そして、この金属膜上に、第3のフォトレジストを塗布し、第3のフォトレジストを、逐次露光して、各チップ領域毎に、ランド/パッド配線形成用のパターンを形成する。次いで、この第3のフォトレジストをマスクにして金属膜をRIE法等でエッチングして、各チップ領域のそれぞれにおいて、金属膜をパターニングしてランド/パッド配線を得る。即ち、図25(c)に示すように、チップ収納凹部11sの底面の上面保護絶縁膜117の上にパッド配線164を形成すると同時に、図25(c)において左側の貫通配線161aの上端には貫通配線161aより外径の大きな円板状の金属からなる上面ランド162aを、上面保護絶縁膜117上まで延在して設け、図25(c)において右側の貫通配線161bの上端には貫通配線161bより外径の大きな円板状の金属からなる上面ランド162bを、上面保護絶縁膜117上まで延在して設ける。その後、基板用ウェハ11Wの下面が上になるように、基板用ウェハ11Wを裏返しにして、下面保護絶縁膜118の上に、真空蒸着やスパッタリング法等により、AlやAl合金等の金属膜を堆積させる。そして、この金属膜上に、第4のフォトレジストを塗布し、第4のフォトレジストを、逐次露光して、各チップ領域毎に、下面ランド配線形成用のパターンを形成する。次いで、この第4のフォトレジストをマスクにして金属膜をRIE法等でエッチングして、各チップ領域のそれぞれにおいて、金属膜をパターニングして下面ランド配線を得る。即ち、図25(c)において左側の貫通配線161aの下端には貫通配線161aより外径の大きな円板状の金属からなる下面ランド163aを、下面保護絶縁膜118の下まで延在して設け、図25(c)において右側の貫通配線161bの下端には貫通配線161bより外径の大きな円板状の金属からなる下面ランド163bを、下面保護絶縁膜118の下まで延在して設ける。
【0099】
(ニ)そして、その後、基板用ウェハ11Wの上面の上面保護絶縁膜117が上になるように、基板用ウェハ11Wの表裏を戻して、上面ランド162a,162b,……の上に、図25(d)に示すように、架橋絶縁膜119を形成する。架橋絶縁膜119としては、基板用ウェハ11Wの上面側に設けられたチップ収納凹部11sの内部を空洞として、架橋絶縁膜119がチップ収納凹部11sに蓋をするように架橋する必要があるので、適度な剛性を有する感光性ドライフィルムが好ましい。この感光性ドライフィルムからなる架橋絶縁膜119に対し、直接、逐次露光することで、基板用ウェハ11Wの上に割り当てられた各チップ領域において、架橋絶縁膜119に上面ランド162a,162b,……の上部の一部を露出するコンタクトホールを開口する。このコンタクトホールに、真空蒸着法、スパッタリング法等の周知の手法を用いて、モリブデン(Mo),ニッケル(Ni)等の高融点金属のコンタクトプラグ165a,165b,……を埋め込む。コンタクトプラグ165a,165b,……をコンタクトホールに埋め込んで、コンタクトプラグ165a,165b,……を、それぞれ上面ランド162a,162b,……に接続した後、CMP法等により、コンタクトプラグ165a,165b,……の上端と架橋絶縁膜119の上面が平坦になるよう平坦化する。その後、図25(e)に示すように、コンタクトプラグ165a,165b,……の上端と架橋絶縁膜119の上面に、真空蒸着法、スパッタリング法等の周知の手法を用いてニッケル(Ni)等の下地金属膜166を0.05〜0.3μm程度の厚さで全面に堆積する。
【0100】
(ホ)この下地金属膜166の上に、厚さ5〜15μm程度の感光性ドライフィルムからなるダマシン配線用絶縁膜168を形成する。この感光性ドライフィルムからなるダマシン配線用絶縁膜168に対し、直接、逐次露光することで、基板用ウェハ11Wの上に割り当てられた各チップ領域において、ダマシン配線用絶縁膜168に実装配線形成用のダマシン溝を形成する。そして、このダマシン溝にNi、銅(Cu)、金(Au)等の金属を埋め込み、CMP法等により上面を平坦化して、図25(f)に示すように、上面側実装配線167a及び167bのパターンを形成する。上面側実装配線167a及び167bに用いる金属としては、下地金属膜166との密着性がよく、且つ下地金属膜166とエッチング特性の異なる金属が好ましい。その後、図25(g)に示すように、感光性ドライフィルムからなるダマシン配線用絶縁膜168を溶剤で溶かし、下地金属膜166の一部を露出させる。更に、露出した下地金属膜166を上面側実装配線167a及び167bのパターンをマスクとして選択的にエッチング除去し、架橋絶縁膜119の一部を露出させる。そして、更に、感光性ドライフィルムからなる架橋絶縁膜119を溶剤で溶かし、図25(h)に示すような、上面ランド162aの上の端部を固定端として片持ち梁状に固定された上面側実装配線167aと、上面ランド162b上に固定された上面側実装配線167bのパターンを形成する。
【0101】
(ヘ)一方、図27(a)に示すような先端に凸部を有するマイクロ金型をプレスヘッド95として、予め用意しておく。図27(a)に示すプレスヘッド95の凸部の先端を、片持ち梁状に固定された上面側実装配線167aの自由端側に押し当て、上面側実装配線167aを折り曲げ、図27(b)に示すように、上面側実装配線167aの自由端側の下地金属膜166の下面を、チップ収納凹部11sの底面に設けられたパッド配線164の上面に接合させて、エヤーギャップ部を有するビーム状の段差配線を形成する。プレスヘッド95によるプレス工程は、各チップ領域毎に逐次行ってもよく、図27(a)に示すような凸部を基板用ウェハ11Wの全面に、各チップ領域に位置合わせして複数個配列したプレスヘッド95を用意して、一括処理してもよい。
【0102】
(ト)そして、図28(b)に示すように、チップ収納凹部11sの底部に位置する上面側実装配線167aの上面に、導電性ペースト等の接着層179を選択的に塗布する。そして、図28(a)に断面図を示した面発光レーザLDijを、図28(b)に示すチップ収納凹部11sに位置合わせし、図29に示すように、面発光レーザLDijをチップ収納凹部11sの内部に収納し、固定する。面発光レーザLDijの底面側のカソード電極512とチップ収納凹部11sの底部の上面との間に接着層179が介在することにより、面発光レーザLDijはチップ収納凹部11sに固定される。実際には、基板用ウェハ11Wの表面には複数のチップ領域が2次元配置されているので、図7に示したのと同様に、複数のチップ領域に対応する複数のチップ収納凹部11sに、面発光レーザLDijがそれぞれ収納され、2次元配置される(添え字のi,jは、基板用ウェハ11Wの表面に2次元的に割り当てられるチップ領域のレイアウトで決まる整数である。)。
【0103】
(チ)一方、図30(a)に示すように、基板用ウェハ11Wと同一の100mmφ〜300mmφの円盤状のキャップ用ウェハ135を用意する。キャップ用ウェハ135としては、半導体ウェハ以外に、セラミック基板、樹脂基板又は耐熱ガラス基板等の高比抵抗基板、半絶縁性基板若しくは絶縁体基板が採用可能である。キャップ用ウェハ135としてシリコンウェハを採用した場合は、キャップ用ウェハ135を熱酸化して一方の面に熱酸化膜からなる絶縁膜、他方の面に熱酸化膜からなる絶縁膜を形成してもよい。そして、各チップ領域のそれぞれにおいて、アノード配線136ij、及びアノード配線136ijの両端に設けたコンタクトバンプ137ij,138ijのパターンを逐次露光を利用して形成する。更に、図30(a)に示すように、封止用の樹脂12ijのパターンを逐次露光を利用して形成し、封止キャップ基板を形成する。この封止キャップ基板のアノード配線136ij及び樹脂12ijのパターンを、基板用ウェハ11Wの各チップ領域のそれぞれに位置合わせする。基板用ウェハ11Wとキャップ用ウェハ135の外形サイズを同一にしておき、基板用ウェハ11Wとキャップ用ウェハ135のそれぞれにオリエンテーションフラット等の位置合わせ用切り欠き部を設けておけば、封止キャップ基板のアノード配線136ij及び樹脂12ijのパターンと、基板用ウェハ11Wの各チップ領域のそれぞれとは、簡単に位置合わせ可能であり、図31に示すように、面発光レーザLDij、アノード配線136ijやその他の実装配線等は、樹脂12ijのパターンを接着層として用いて、基板用ウェハ11Wとキャップ用ウェハ135との間の空間に密閉され、封止される。
【0104】
(リ)面発光レーザLDij等が基板用ウェハ11Wとキャップ用ウェハ135との間の空間に、封止用の樹脂12ijによって封止された後、図31に示したように、基板用ウェハ11Wの表面にグリッド状に設定されたダイシングラインCLj-1,CLj,……に沿ってダイヤモンドブレード等のダイシング手段により、各チップ領域に設定されたチップサイズに切り分ければ、図24に示したような、本発明の第4の実施の形態に係る実装体が完成する。
【0105】
第4の実施の形態に係る実装体の製造方法によれば、従来よりも低コストで、実装体を製造することが可能であり、更に、多品種小量製品や多品種小ロット製品の迅速対応化が可能である。特に、逐次露光して、微細なパターンの上面側実装配線を形成できるので、実装体を小型化し、高周波特性を改善できる。
【0106】
なお、上記の第4の実施の形態に係る実装体の製造方法では、面発光レーザLDijを実装する場合を例示的に説明したが、面発光レーザLDijに限定されるものではなく、面発光レーザLDij以外の多品種の素子が実装可能であるので、第4の実施の形態に係る実装体の製造方法によれば、多品種小量製品や多品種小ロット製品の迅速対応化が可能である。
【0107】
(第4の実施の形態の変形例)
図24を用いて説明した実装チップ11ijは、実装チップ11ijの周辺部に、上面保護絶縁膜117、実装チップ11ij及び下面保護絶縁膜118を貫通する複数の貫通孔が設けられ、この複数の貫通孔を介して、複数の貫通配線161a,161b,……が実装チップ11ijを貫通するように設けられている構造を例示したが、実装チップ11ijを貫通する貫通孔の位置は、周辺部近傍に限定されるものではなく、実装体の設計仕様により、任意の位置に選定可能であり、例えば、図32に示すように、実装チップ11ijの中央部に位置しても構わない。又、チップ収納凹部の底部に、貫通孔が設けられ、この貫通孔を介して、貫通配線が実装チップ11ijを貫通するように設けられていても構わない。実装チップ11ijの中央部において、実装チップ11ij自身が貫通配線を作り込んでいれば、機能素子チップ31ijのような貫通配線部品チップは不要となることは、図24を用いた実装体と同様である。更に、チップ収納凹部の側壁は垂直側壁に限定されず、図32に示すようなテーパ形状の側壁を有するメサ型(船型)の断面形状の船型チップ収納凹部でも構わない。
【0108】
即ち、図32に示すように、本発明の第4の実施の形態の変形例に係る実装体に用いる実装チップを切り出す基板用ウェハ上に割り当てられたチップ領域11CAij(添え字のi,jは、それぞれ、基板用ウェハの表面に割り当てられるチップ領域のレイアウトで決まる整数である。)のそれぞれの中央部に船型チップ収納凹部が設けられている。そして、それぞれのチップ領域11CAijの上面側には、図32に示すように、上面保護絶縁膜119aが設けられ、チップ領域11CAijの下面には下面保護絶縁膜119bが形成されているが、船型チップ収納凹部の底部の中央に、上面保護絶縁膜119a、チップ領域11CAij及び下面保護絶縁膜119bを貫通する貫通孔が設けられ、この貫通孔を介して、貫通配線172がチップ領域11CAijを貫通するように設けられている。
【0109】
貫通配線172の上端には貫通配線172より外径の大きな円板状の金属からなる上面ランド171が上面保護絶縁膜119aの内部に埋め込まれるようにして設けられ、貫通配線172の下端には貫通配線172より外径の大きな円板状の金属からなる下面ランド173が下面保護絶縁膜119bの下面まで延在して設けられている。よって、貫通配線172を介して、チップ領域11CAijの上面の上面ランド171とチップ領域11CAijの下面(裏面)の下面ランド173とが電気的に接続されている。このように、チップ領域11CAij自身が船型チップ収納凹部の底部の中央部に貫通配線172を作り込んでいるので、第4の実施の形態の変形例に係る実装体では、図32に例示したように、有底の凹部であるチップ収納凹部のみが存在して、貫通配線部品チップを収納するためのチップ収納凹部としての貫通孔がないトポロジーである。
【0110】
そして、本発明の第4の実施の形態の変形例に係る実装体に用いる実装チップの基礎となるチップ領域11CAijは、図32において船型チップ収納凹部の左側に位置するチップ領域11CAijの上面から、船型チップ収納凹部の底面に向かって、船型チップ収納凹部の側壁に沿って設けられた段差配線である実装配線174を備える。
【0111】
−−第4の実施の形態の変形例に係る実装体に用いるチップ領域の製造方法−−
図32(a)及び(b)を用いて、本発明の第4の実施の形態の変形例に係る実装体に用いる実装チップの基礎となるチップ領域11CAijの製造方法を説明する。なお、以下に述べるチップ領域11CAijの製造方法は、一例であり、この変形例を含めて、これ以外の種々の製造方法により、実現可能であることは勿論である:
(イ)先ず、基板用ウェハを用意し、この基板用ウェハの表面(上面)上に、フォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術によりフォトレジストを、逐次露光して、基板用ウェハの表面にマトリクス状に2次元配置された各チップ領域11CAijの中央部にチップ収納凹部開口用のパターンを形成する。次いで、このフォトレジストをマスクにして基板用ウェハをRIE法等でエッチングして、基板用ウェハの上面から内部に向かう船型チップ収納凹部を各チップ領域11CAijの中央部に形成する。基板用ウェハとしては、入手の容易性から、例えば、50〜1000Ωcm程度の(100)面を主表面とするp型シリコンウェハ等の半導体ウェハが例示できるが、必ずしも半導体ウェハに限られるものではない。例えば、半導体ウェハ以外に、セラミック基板、樹脂基板又は耐熱ガラス基板等の高比抵抗基板、半絶縁性基板若しくは絶縁体基板が採用可能であるが、後述するように、フォトリソグラフィ技術等の半導体プロセス技術を適用する上で、セラミック基板、樹脂基板又は耐熱ガラス基板等の他の基板も、半導体ウェハと同様な100mmφ〜300mmφの円盤状のウェハ形状であることが好ましい。
【0112】
(ロ)そして、船型チップ収納凹部の開孔に用いたフォトレジストを除去し、新たなフォトレジストを基板用ウェハの上面上に塗布し、フォトリソグラフィ技術により新たなフォトレジストを、逐次露光して、基板用ウェハの表面にマトリクス状に2次元配置された各チップ領域11CAijの船型チップ収納凹部の底部の中央に貫通孔開口用のパターンを形成する。次いで、このフォトレジストをマスクにして基板用ウェハをイオンミリングやRIE法等でエッチングして、基板用ウェハの上面から下面まで貫通する、貫通孔を各チップ領域11CAijのそれぞれの船型チップ収納凹部の中央に開口する。
【0113】
(ハ)船型チップ収納凹部のエッチング後に、船型チップ収納凹部の形成に用いた新たなフォトレジストを除去し、基板用ウェハの表面の全面を熱酸化し、貫通孔の内壁を含めて基板用ウェハの全面に厚さ50〜350nmのシリコン酸化膜を形成することにより、基板用ウェハの上面に上面保護絶縁膜119aを形成し、基板用ウェハの下面に下面保護絶縁膜119bを形成する。その後、Cu板等の金属製の底板を、基板用ウェハの下面に接する。その後、Cuの電解メッキによりCuの金属膜を、貫通孔の内部の底板の上に堆積する。更に、引き続き、Cuの電解メッキを継続し、厚メッキにより、貫通孔の内部を埋め戻し、更に、貫通孔の上端から船型チップ収納凹部の底部にまではみ出すまで、厚メッキを継続し貫通配線172を形成する。その後、厚メッキにより船型チップ収納凹部の底部にまではみ出した貫通配線172の上端部を、イオンミリング法等によって、貫通配線172の上端部の周辺の上面保護絶縁膜119aの一部や基板用ウェハの一部を除去しながら、エッチバックする。このエッチバックにより、貫通配線172の上端部は、最初に形成された貫通孔の深さより短くなり、貫通配線172の上端部の周辺の上面保護絶縁膜119aの一部と基板用ウェハの一部がエッチングされて、貫通配線172の上端部の周辺にランド形成用凹部ができる。なお、貫通配線172のそれぞれは、予め柱状に成形して用意された導体棒を貫通孔の内部に導入して形成してもよく、或いは、貫通配線172に挿入可能な外径を有する複数の導体球、又は複数の導体棒等を用意し、これらの複数の導体球、又は複数の導体棒等を貫通孔の内部に導入後に、互いに熱圧着や溶融により接続して形成しても構わない。
【0114】
(ニ)その後、上面保護絶縁膜119aの上に、真空蒸着やスパッタリング法等により、AlやAl合金等の金属膜を、船型チップ収納凹部の内部を含めて堆積させる。そして、この金属膜上に、第3のフォトレジストを塗布し、第3のフォトレジストを、逐次露光して、各チップ領域11CAij毎に、上面ランド形成用のパターンを形成する。次いで、この第3のフォトレジストをマスクにして金属膜をRIE法等でエッチングして、各チップ領域11CAijのそれぞれにおいて、金属膜をパターニングして上面ランド171を得る。即ち、図32(a)に示すように、船型チップ収納凹部の底面の貫通配線172の上端には貫通配線172より外径の大きな円板状の金属からなる上面ランド171が、上面保護絶縁膜119aの内部に埋め込まれるようにして設けられる。その後、基板用ウェハの下面が上になるように、基板用ウェハを裏返しにして、下面保護絶縁膜119bの上に、真空蒸着やスパッタリング法等により、AlやAl合金等の金属膜を堆積させる。そして、この金属膜上に、第4のフォトレジストを塗布し、第4のフォトレジストを、逐次露光して、各チップ領域11CAij毎に、下面ランド配線形成用のパターンを形成する。次いで、この第4のフォトレジストをマスクにして金属膜をRIE法等でエッチングして、各チップ領域11CAijのそれぞれにおいて、金属膜をパターニングして下面ランド173を得る。即ち、図32(a)において左側の貫通配線172の下端には貫通配線172より外径の大きな円板状の金属からなる下面ランド173を、下面保護絶縁膜119bの下まで延在して設ける。
【0115】
(ホ)そして、その後、基板用ウェハの上面の上面保護絶縁膜119aが上になるように、基板用ウェハの表裏を戻して、船型チップ収納凹部の内面を含む基板用ウェハの上面の全面に、真空蒸着法、スパッタリング法等の周知の手法を用いてNi等の下地金属膜を0.05〜0.3μm程度の厚さで全面に堆積する。そして、この下地金属膜の上に、第5のフォトレジストを塗布し、第5のフォトレジストを、逐次露光して、図32(a)に示すように、上面ランド171の上にのみ下地金属膜166を残す。更に、図32(a)に示すように、船型チップ収納凹部に蓋をするように架橋して上面側配線用絶縁膜169を形成する。上面側配線用絶縁膜169としては、基板用ウェハの上面側に設けられた船型チップ収納凹部の内部を空洞として、架橋する必要があるので、適度な剛性を有する感光性ドライフィルムが好ましい。この感光性ドライフィルムからなる上面側配線用絶縁膜169に対し、直接、逐次露光することで、上面側配線用絶縁膜169に実装配線形成用のダマシン溝を形成する。そして、このダマシン溝にNi、Cu、Au等の金属を埋め込み、CMP法等により上面を平坦化して、図32(a)に示すように、実装配線174のパターンを形成する。
【0116】
(ヘ)その後、感光性ドライフィルムからなる上面側配線用絶縁膜169を溶剤で溶かし、船型チップ収納凹部の左側に凸部として位置するチップ領域11CAijの上面から、船型チップ収納凹部の中央に向かって、凸部側の端部を固定端として片持ち梁状に固定された実装配線174のパターンを形成する。そして、図27(a)に示したのと同様な先端に凸部を有するマイクロ金型をプレスヘッドを用いて、片持ち梁状に固定された実装配線174の自由端側を底部に向かって押し下げ、実装配線174を折り曲げ、図32(b)に示すように、実装配線174の自由端側の下面を、船型チップ収納凹部の底面に設けられた下地金属膜166の上面に接合させて、船型チップ収納凹部の側壁に沿ってテーパ状に延在する段差配線を形成する。
【0117】
図32(b)に示すチップ領域11CAijが完成した後は、既に図28〜図31を用いて説明したのと同様に、船型チップ収納凹部の底部に位置する実装配線174の上面に、導電性ペースト等の接着層を塗布し、面発光レーザ等の種々の素子を実装配線174上に搭載すればよい。更に、封止キャップ基板を用いて、実装配線174上に搭載した素子を密閉し、封止すればよい。そして、封止工程の後、ダイヤモンドブレード等のダイシング手段により、各チップ領域11CAijに設定されたチップサイズに切り分ければ、本発明の第4の実施の形態の変形例に係る実装体が完成する。
【0118】
このように、第4の実施の形態の変形例に係る実装体の製造方法によれば、従来よりも低コストで、実装体を製造することが可能であり、更に、多品種小量製品や多品種小ロット製品の迅速対応化が可能である。特に、逐次露光して、微細なパターンの上面側実装配線を形成できるので、実装体を小型化し、高周波特性を改善でき、従来よりも低コストで、実装体を製造することが可能であり、多品種小量製品や多品種小ロット製品の迅速対応化が可能である。
【0119】
なお、図32に示した本発明の第4の実施の形態の変形例に係る構造において、図24を用いて説明した実装チップ11ijと同様に、実装チップの周辺部に、更に、上面保護絶縁膜119a、実装チップ及び下面保護絶縁膜119bを貫通する貫通孔を設け、この貫通孔を介して、貫通配線が実装チップを貫通するように設けてもよい。このようにすれば、例えば、船型チップ収納凹部の底部の中央に設けられた貫通孔を介した貫通配線172をカソード配線、実装チップの周辺部に設けられた貫通孔を介した貫通配線をアノード配線とする入出力配線等の、多様なトポロジーの入出力配線を構成可能である。
【0120】
(第5の実施の形態)
第1の実施の形態に係る実装体では、図1に示したように、両側に深さの等しいチップ収納凹部2h、4hが2つあり、これらの2つのチップ収納凹部2h、4hの中央に、貫通孔となっているチップ収納凹部3hを設け、3つのチップ収納凹部2h、3h、4hが連続して一体の凹部となっている構造例を示したが、複数のチップ収納凹部は独立して設けられてもよく、図33に例示したような互いに深さの異なる有底の凹部のみとし、貫通孔がないトポロジーでも構わない。
【0121】
即ち、本発明の第5の実施の形態に係る実装体は、図33に示すように、実装チップ11ijと(添え字のi,jは、それぞれ、基板用ウェハの表面に割り当てられるチップ領域のレイアウトで決まる整数である。)、実装チップ11ijの上部に、深さが異なって、独立に形成された2つのチップ収納凹部と、実装チップ11ijの上面から2つのチップ収納凹部の表面にかけて設けられたSiO2膜等の絶縁膜からなる上面保護絶縁膜119aと、上面保護絶縁膜119aの表面に沿って、実装チップ11ijの上面側から浅いチップ収納凹部の側面を経て、浅いチップ収納凹部の底面にかけて設けられた段差配線であるカソード配線171と、浅いチップ収納凹部の右側の実装チップ11ijの上面に位置する上面保護絶縁膜119aの内部に埋め込まれ、カソード配線171とは電気的に独立して設けられたアノードプラグ(アノード配線)172と、深いチップ収納凹部11drの底部の上面に、導電性ペースト等の接着層173介して接着されたLSIチップである機能素子2と、浅いチップ収納凹部11srの底部の上面に、導電性ペースト等の接着層174を介して接着された面発光レーザLDijと、機能素子2及び面発光レーザLDijの上に設けられた上面側配線用絶縁膜169と、上面側配線用絶縁膜169に設けられたコンタクトホールを介して、機能素子2の最上層の配線225a,225c、面発光レーザLDijの最上層のアノード接続配線532、アノードプラグ172にそれぞれ接続される実装配線175a,175b,175c,175dとを備える。面発光レーザLDijは、既に図21(a)を用いて説明したのとほぼ同様な構造であるが、カソード電極(n側電極)512と、カソード電極512にオーミック接続するようにカソード電極512の上に設けられた第2導電型(n型)のカソードコンタクト層521と、カソードコンタクト層521の上に設けられたn側ブラッグ反射膜層522と、n側ブラッグ反射膜層522の上に、両側を電流制限領域513で囲まれて設けられた活性層(発光層)523と、活性層523の上に設けられたp側ブラッグ反射膜層524と、p側ブラッグ反射膜層523の上に設けられた第1導電型(p型)のアノードコンタクト層525と、アノードコンタクト層525の上にリング状に設けられ、アノードコンタクト層525にオーミック接続するアノード電極531とを備える。そして、アノード電極531は、その周囲をアノード絶縁膜511で囲まれ、アノード電極531とアノード絶縁膜511の上には、最上層の配線として、アノード電極531に接続されるアノード接続配線532が設けられている。
【0122】
実装チップ11ijとしては、厚さ450μm〜1200μm程度のシリコン(Si)等の半導体チップが例示できるが、必ずしも半導体チップに限られるものではない。例えば、半導体チップ以外に、セラミック、樹脂又は耐熱ガラス等の高比抵抗材料チップ、半絶縁性材料チップ若しくは絶縁体材料チップが採用可能である。半導体チップの具体例としては、従来のLSI等と同様な、厚さ450μm〜1000μm程度で、直径100mmφ〜300mmφの半導体ウェハを20mm×20mm〜50mm×50mm程度の所望の大きさのチップ領域として切り出した半導体チップが実装チップ11ijとして採用可能である。
【0123】
第5の実施の形態に係る実装体によれば、図33に示すように実装配線175a,175b,175c,175dのパターンを微細化できるので、実装体の全体の大きさを従来のパッケージやモジュールよりも小型化し、寄生インピーダンスを最小化することにより、高周波特性を改善できる。しかも、第5の実施の形態に係る実装体によれば、従来よりも低コストで、実装体を製造することが可能であり、更に、多品種小量製品や多品種小ロット製品の迅速対応化が可能である。
【0124】
−−第5の実施の形態に係る実装体の製造方法−−
図34〜図35を用いて、本発明の第5の実施の形態に係る実装体の製造方法を説明する。なお、以下に述べる実装体の製造方法は、一例であり、この変形例を含めて、これ以外の種々の製造方法により、実現可能であることは勿論である:
(イ)先ず、基板用ウェハ11Wを用意し、この基板用ウェハ11Wの表面(上面)上に、フォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術によりフォトレジストを、逐次露光して、基板用ウェハ11Wの表面にマトリクス状に2次元配置された各チップ領域にチップ収納凹部開口用のパターンを形成する。次いで、このフォトレジストをマスクにして基板用ウェハ11WをRIE法等でエッチングして、図34(a)に示すように、基板用ウェハ11Wの上面から内部に向かう深いチップ収納凹部11dr及び浅いチップ収納凹部11srを形成する。ステップ・アンド・リピート方式等でエッチング用マスクのパターンを形成しているので、実際には基板用ウェハ11Wの表面に2次元配置された各チップ領域のそれぞれに、深いチップ収納凹部11dr及び浅いチップ収納凹部11srが周期的に形成される。例えば150mmφの基板用ウェハ11Wであれば、20mm×30mmのチップ領域が、図4(d)に示したのと同様なレイアウトで、基板用ウェハ11Wの表面に20個割り当てられるが、チップ領域の面積を小さくすれば、20個以上の配置が可能であることは勿論である。深いチップ収納凹部11dr及び浅いチップ収納凹部11srの開口に用いたフォトレジストを除去後、基板用ウェハ11Wの全面を熱酸化し、図34(b)に示すように、各チップ領域において、基板用ウェハ11Wの上面から深いチップ収納凹部11dr及び浅いチップ収納凹部11srの表面に渡るSiO2膜の上面保護絶縁膜119a及び基板用ウェハ11Wの下面に下面保護絶縁膜119bを形成する。
【0125】
(ロ)次に、上面保護絶縁膜119aの上に第2のフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術により第2のフォトレジストを、逐次露光して、各チップ領域にアノードビア開口用のパターンを形成する。次いで、この第2のフォトレジストをマスクにして上面保護絶縁膜119aをRIE法等でエッチングして、上面保護絶縁膜119aにアノードプラグ埋め込み用ビアを形成する。このアノードプラグ埋め込み用ビアに、真空蒸着法、スパッタリング法等の周知の手法を用いて、チタン(Ti),Mo,Ni等の高融点金属のアノードプラグ172を埋め込む。アノードプラグ172をアノードプラグ埋め込み用ビアに埋め込んだ後、CMP法等により、アノードプラグ172の上端と上面保護絶縁膜119aの上面が平坦になるよう平坦化する。その後、上面保護絶縁膜119aの上に、スパッタリング法等の指向性の低い手法でAlやAl合金等の金属膜を、深いチップ収納凹部11dr及び浅いチップ収納凹部11srの側面にも十分堆積するように形成する。そして、この金属膜上に、第3のフォトレジストを塗布し、第3のフォトレジストを、逐次露光して、各チップ領域毎に、アノード/カソード配線形成用のパターンを形成する。次いで、この第3のフォトレジストをマスクにして金属膜をRIE法等でエッチングして、各チップ領域のそれぞれの浅いチップ収納凹部11srにおいて、金属膜をパターニングしてカソード配線を得る。即ち、図34(c)に示すように、上面保護絶縁膜119aの表面に沿って、基板用ウェハ11Wの上面(凸部)側から浅いチップ収納凹部11srの側面を経て、浅いチップ収納凹部11srの底面にかけての段差配線としてカソード配線171をパターニングする。なお、浅いチップ収納凹部11srの側面へのフォトリソグラフィ技術が困難な場合は、図32に示したように、浅いチップ収納凹部11srの側面が基板用ウェハ11Wの上面に対して直角よりも小さな角度で交わるようにテーパ状側壁を有するようにしてもよい。又、浅いチップ収納凹部11srの側面が、基板用ウェハ11Wの上面に対して直角である垂直側壁の場合は、互いに異なる斜め方向からの露光を交互に行う2重露光をしてもよく、図27を用いて説明したようなプレスによる金属膜の折り曲げ加工を用いてもよい。
【0126】
(ハ)そして、深いチップ収納凹部11drの底部の上面に、導電性ペースト等の接着層173を、浅いチップ収納凹部11srの底部の上面に、導電性ペースト等の接着層1784塗布する。その後、図35(d)に示すように、LSIチップである機能素子2を深いチップ収納凹部11drの内部の位置に位置合わせし、面発光レーザLDijを浅いチップ収納凹部11srの内部の位置に位置合わせする。その後、図35(e)に示すように、LSIチップである機能素子2を深いチップ収納凹部11drの内部に収納し、面発光レーザLDijを浅いチップ収納凹部11srの内部に固定する。機能素子2の底面と深いチップ収納凹部11drの底部の上面との間には、接着層173が介在することにより、機能素子2は深いチップ収納凹部11drに固定され、面発光レーザLDijの底面側のカソード電極512と浅いチップ収納凹部11srの底部の上面との間には、接着層178が介在することにより、面発光レーザLDijは浅いチップ収納凹部11srに固定される。実際には、基板用ウェハ11Wの表面には複数のチップ領域が2次元配置されているので、図7に示したのと同様なレイアウトで、複数のチップ領域に対応する複数の深いチップ収納凹部11drに、機能素子2がそれぞれ収納され、複数の浅いチップ収納凹部11srに、面発光レーザLDijがそれぞれ収納されて、2次元配置される(添え字のi,jは、基板用ウェハ11Wの表面に2次元的に割り当てられるチップ領域のレイアウトで決まる整数である。)。
【0127】
(ニ)その後、深いチップ収納凹部11drの内部に収納された機能素子2及び浅いチップ収納凹部11srの内部に収納された面発光レーザLDijの上に上面側配線用絶縁膜169を形成する。上面側配線用絶縁膜169としては、感光性ドライフィルム等の樹脂層の他、真空蒸着法、スパッタリング法、SOG法若しくは低温CVDで形成した酸化膜層等の絶縁膜でも構わない。上面側配線用絶縁膜169として感光性ドライフィルムを用いた場合は、この感光性ドライフィルムに対し、直接、逐次露光して、各チップ領域のそれぞれにおいて、感光性ドライフィルムに機能素子2の最上層の配線225a,225cの一部、及び面発光レーザLDijの最上層の配線であるアノード接続配線532の一部、更には、アノードプラグ172の一部をそれぞれ露出するコンタクトホールを開口する。上面側配線用絶縁膜169として、SOG法等による絶縁膜を形成した場合は、上面側配線用絶縁膜169上に、フォトレジストを塗布し、フォトレジストを、逐次露光して、コンタクトホール開口用のパターンを形成する。次いで、このフォトレジストをマスクにして上面側配線用絶縁膜169をRIE法等でエッチングして、各チップ領域のそれぞれにおいて、上面側配線用絶縁膜169に、配線225a,225cの一部、アノード接続配線532の一部及びアノードプラグ172の一部をそれぞれ露出するコンタクトホールを開口する。コンタクトホールの開口後、上面側配線用絶縁膜169の上に、真空蒸着法、スパッタリング法等の周知の手法を用いてAlやAl合金等の金属膜を全面に堆積する。そして、 金属膜上に、フォトレジストを塗布し、フォトレジストを、逐次露光して、配線225a,225c,アノード接続配線532及びアノードプラグ172に電気的に接続される実装配線形成用のパターンを形成する。次いで、このフォトレジストをマスクにして金属膜をRIE法等でエッチングして、各チップ領域のそれぞれにおいて、金属膜をパターニングして、図33に示すような、配線225a,225c、アノード接続配線532、アノードプラグ172にそれぞれ接続される実装配線175a,175b,175c,175dを形成する。
【0128】
(ホ)実装配線175a,175b,175c,175dの上をパッシベーション膜や封止用の樹脂によって保護した後、或いは図1と同様にキャップ用ウェハで封止して保護し後、図4(d)や図7に示したのと同様に、基板用ウェハ11Wの表面にグリッド状に設定されたダイシングラインG11に沿ってダイヤモンドブレード等のダイシング手段により、各チップ領域に設定されたチップサイズに切り分ければ、本発明の第5の実施の形態に係る実装体が完成する。
【0129】
第5の実施の形態に係る実装体の製造方法によれば、従来よりも低コストで、実装体を製造することが可能であり、更に、多品種小量製品や多品種小ロット製品の迅速対応化が可能である。
【0130】
(第5の実施の形態の変形例)
第1の実施の形態に係る実装体では、図1に示したように、実装チップ11ijを貫通する機能素子チップ31ijの貫通孔に貫通配線311a,311bi,311cが設けられ、貫通配線311a,311bi,311cを介して、実装チップ11ijの上面の表面配線314a,314bi,314cと実装チップ11ijの下面(裏面)の裏面配線317a,317bi,317cとがそれぞれ独立した経路で、互いに電気的に接続することにより、裏面配線317a,317bi,317cが、第1の実施の形態に係る実装体の入出力端子として機能していたが、第5の実施の形態に係る実装体には貫通配線がないので、実装チップ11ijの上面側の上面側配線用絶縁膜169上に設けられた実装配線175a,175b,175c,175dが、実装体の入出力端子として機能する。
【0131】
これに対し、本発明の第5の実施の形態の変形例に係る実装体に用いる実装チップ11ijは、図36に示すように、実装チップ11ijの周辺部に、上面保護絶縁膜119a、実装チップ11ij及び下面保護絶縁膜119bを貫通する複数の貫通孔が設けられ、この複数の貫通孔を介して、複数の貫通配線181a,181b,181c,……が実装チップ11ijを貫通するように設けられている。そして、図36において左側の周辺部近傍に位置する貫通配線181aの上端には貫通配線181aより外径の大きな円板状の金属からなる上面ランド183aが上面保護絶縁膜119a上まで延在して設けられ、貫通配線181aの下端には貫通配線181aより外径の大きな円板状の金属からなる下面ランド182aが下面保護絶縁膜119bの下面まで延在して設けられている。
【0132】
又、深いチップ収納凹部11drと浅いチップ収納凹部11srの間に位置する貫通配線181bの上端には貫通配線181bより外径の大きな円板状の金属からなる上面ランド183bが上面保護絶縁膜119a上まで延在して設けられ、貫通配線181bの下端には貫通配線181bより外径の大きな円板状の金属からなる下面ランド182bが下面保護絶縁膜119bの下面まで延在して設けられている。更に、図36において右側の周辺部近傍に位置する貫通配線181cの上端には貫通配線181cより外径の大きな円板状の金属からなる上面ランド183cが上面保護絶縁膜119a上まで延在して設けられ、貫通配線181cの下端には貫通配線181cより外径の大きな円板状の金属からなる下面ランド182cが下面保護絶縁膜119cの下面まで延在して設けられている。
【0133】
よって、本発明の第5の実施の形態の変形例に係る実装体においては、貫通配線181aを介して、実装チップ11ijの上面の上面ランド183aと実装チップ11ijの下面(裏面)の下面ランド182aとが電気的に接続され、貫通配線181bを介して、実装チップ11ijの上面の上面ランド183bと実装チップ11ijの下面(裏面)の下面ランド182bとが、貫通配線181aの経路とは、独立に、電気的に接続され、実装チップ11ijの上面の上面ランド183cと実装チップ11ijの下面(裏面)の下面ランド182cとが、貫通配線181a,181bの経路とは、独立に、電気的に接続されている。
【0134】
図36では、実装チップ11ijの下面保護絶縁膜119b側に設けられる実装配線の図示を省略しているが、第1の実施の形態に係る実装体と同様に、同様に、下面ランド182a,182b,182c,……の下に、下面側配線用絶縁膜を設け、この下面側配線用絶縁膜下に下面側実装配線をパターニングし、下面側配線用絶縁膜に開口されたコンタクトホールを介して、下面ランド182a,182b,182c,……と下面側実装配線とを電気的に接続することができる。電気的な接続を達成するために、下面ランド182a,182b,182c,……の下のコンタクトホールには、それぞれコンタクトプラグを埋め込めば、下面側実装配線と上面側実装配線とが複数の貫通配線181a,181b,181c,……,……を介して接続される。他は図33に示した構造とほぼ同様であるので、重複した説明を省略する。
【0135】
図36に示す第5の実施の形態の変形例に係る実装体によれば、下面ランド182a,182b,182c,……に接続される下面側実装配線を実装チップ11ijの上面側に実装される機能素子2及び面発光レーザLDijの入出力端子として機能させることが可能である。
【0136】
(第6の実施の形態)
本発明の第6の実施の形態に係る実装体は、図37に示すように、第1の実施の形態で説明した実装チップ11ijとして示した構造の下部を、研削及び研磨等で除去して、チップの厚さを薄くして上層基板を構成し、この薄くした上層基板の下面に下面側実装配線151b,151d,151e,151g,151hを形成している。そして、この上層基板の下面側実装配線151b,151d,151e,151g,151hと、下層基板となるULSIチップ14の上面側の上層基板接続配線(ランド)146b,146d,146e,146g,146h,……とを、バンプ147b,147d,147e,147g,147h,……を用いて電気的に接続した縦方向に積層した3次元構造のマルチ・チップ・モジュールである。
【0137】
図37に示す3次元構造のマルチ・チップ・モジュールを構成する上層基板となる実装チップ11ijは、添え字のi,jが示すとおり、基板用ウェハの表面にマトリクス状に割り当てられたチップ領域の一つとして切り出されたチップであり、第1の実施の形態で説明したのと同様に、実装チップ11ijの内部に設けられた、複数のチップ収納凹部の内部に、機能素子2,3,4がそれぞれ収納されている。機能素子2を構成する機能素子チップ21の上に設けられた多層配線層の内の最上層の配線225a,225c、機能素子3を構成する機能素子チップ31の上に設けられた多層配線層の内の最上層の配線314a,314bi,314c、機能素子4を構成する機能素子チップ41の上に設けられた配線層の内の最上層の配線442,441とは、上面側実装配線56,52,53によって相互に電気的に接続されている。具体的には、配線225a,225c、配線314a,314bi,314c、及び配線442,441の上には、上面側配線用絶縁膜111が設けられ、この上面側配線用絶縁膜111に開口されたコンタクトホールを介して、配線225a,225c、配線314a,314bi,314c、及び配線442,441と、上面側実装配線57,56,52,53,58とが電気的に接続されている。電気的な接続を達成するために、配線225a,225c、配線314a,314bi,314c、及び配線442,441の上のコンタクトホールには、それぞれコンタクトプラグ601,602,324a,324b,324c,603,604が埋め込まれている。
【0138】
第1の実施の形態とは異なり、マルチ・チップ・モジュールの上層基板となる実装チップ11ijの裏面には、機能素子2を構成する機能素子チップ21の底面、機能素子3を構成する機能素子チップ31の切断面、機能素子4を構成する機能素子チップ41の底面が露出し、これらの機能素子チップ21の底面、機能素子チップ31の切断面、機能素子チップ41の底面を被服するように、下面側配線用絶縁膜153が設けられ、下面側配線用絶縁膜153の下面には下面側実装配線151b,151d,151e,151g、151h,……が設けられている。下面側配線用絶縁膜153に開口されたコンタクトホールを介して、機能素子チップ31を貫通する貫通配線311aと、下面側実装配線151dとが、貫通配線311biと、下面側実装配線151eとが、貫通配線311cと下面側実装配線とが電気的に接続されている。なお、図37に示す断面図では接続関係が示されていないが、下面側配線用絶縁膜153の下面には他の下面側実装配線151b,151hが配置され、紙面の奥(若しくは手前)で、機能素子チップ31を貫通する他の貫通配線に、それぞれ独立した配線として電気的に接続されている。電気的な接続を達成するために、貫通配線311a,311bi,311cの直下のコンタクトホールには、それぞれコンタクトプラグ152a,152bi,152cが埋め込まれている。図37に示す断面図上で図示を省略した、他の貫通配線の直下にも、同様に、コンタクトホールが設けられ、それぞれのコンタクトホールには、それぞれコンタクトプラグが埋め込まれている。下面側実装配線151b,151d,151e,151g、151h,……が、第6の実施の形態に係る3次元構造のマルチ・チップ・モジュールを構成する上層基板の入出力配線として機能している。
【0139】
一方、第6の実施の形態に係る3次元構造のマルチ・チップ・モジュールを構成する下層基板は、図37に示すように、厚さ600μm〜1000μmの第1導電型(p型)の半導体基板(Si基板)であるULSIチップ14と、ULSIチップ14の上部の表面近傍に埋め込まれた多数の第2導電型(n型)の半導体領域141a,141b,141c,……を備える。半導体領域141a,141b,141c,……は、例えばMOSトランジスタのソース領域若しくはドレイン領域である。ULSIチップ14としては、多数の第1導電型(p型)及び第2導電型(n型)の半導体領域が、ULSIチップ14の表面近傍に埋め込まれているが、図37においては、便宜上、1個の半導体領域141a,141b,141c,……のみを模式的に図示している。又、周知のようにMOSトランジスタのソース領域やドレイン領域はpウェルやnウェルに形成されるが、pウェルやnウェル等の表示や素子分離領域の表示等も、省略している。
【0140】
周知のように、実際のULSIチップは、7層〜8層以上の層間絶縁膜からなる多層配線構造が設けられているが、図37に例示するマルチ・チップ・モジュールを構成する下層基板となるULSIチップ14では、素子分離絶縁膜として機能するシリコン酸化膜(SiO2)からなるフィールド絶縁膜を含めて、層間絶縁膜の多層構造をまとめて多層積層絶縁膜149として模式的に表示している。そして、図37に示した下層基板としてのULSIチップ14の例では、半導体領域141a,141b,141c,……の上には高融点金属のシリサイドからなるコンタクト領域142a,142b,142c;142d,142e,142f;142g,142h,142iが設けられ、このコンタクト領域142a,142b,142c;142d,142e,142f;142g,142h,142iを含むように、ULSIチップ14の上面には多層積層絶縁膜149が形成されている。図37において、多層積層絶縁膜149を構成する絶縁膜中、最下層の絶縁膜中に設けられたコンタクトプラグ143a,143b,143c;143d,143e,143f;143g,143h,143iがそれぞれコンタクト領域142a,142b,142c;142d,142e,142f;142g,142h,142iに接続されている。多層積層絶縁膜149の上面には、第1層の表面配線144a,144b,144d,144e,144g,144hが設けられ、第1層の表面配線144a,144b,144d,144e,144g,144hがそれぞれコンタクトプラグ143a,143b,143c;143d,143e,143f;143g,143h,143iに接続されることにより、第1層の表面配線144a,144b,144d,144e,144g,144hがそれぞれ、半導体領域141a,141b,141c,……に電気的に接続されている。第1層の表面配線144a,144b,144d,144e,144g,144hの上には多層積層絶縁膜149を構成する2層目の絶縁膜となる層間絶縁膜((図37の例では最上層の絶縁膜)が形成され、最上層の層間絶縁膜中に設けられたコンタクトプラグ145a,145b,145d,145e,145g,145hがそれぞれ第1層の表面配線144a,144b,144d,144e,144g,144hに接続されている。最上層の層間絶縁膜の上面には、第2層の表面配線(最上層の表面配線)となる上層基板接続配線146a,146b,146d,146e,146g,146h,……が設けられ、上層基板接続配線146a,146b,146d,146e,146g,146h,……がそれぞれコンタクトプラグ145a,145b,145d,145e,145g,145hに接続されることにより、上層基板接続配線146a,146b,146d,146e,146g,146h,……がそれぞれ、第1層の表面配線144a,144b,144d,144e,144g,144hに接続され、更に、第1層の表面配線144a,144b,144d,144e,144g,144hが半導体領域141a,141b,141c,……に電気的に接続されている。図37では、上層基板接続配線146a,146b,146d,146e,146g,146h,……が、最上層の表面配線になっているが、図面を簡略化(模式化)しているための便宜上の表現であり、上述したように、実際のULSIチップであれば、7層〜8層以上の多層配線構造が設けられているのであるから、実際には、図37に模式的に例示した下層基板となるULSIチップ14では、上層基板に接続するためのバンプ147b,147d,147e,147g,147h,……が配置されるランドとなる上層基板接続配線146a,146b,146d,146e,146g,146h,……と第1層の表面配線144a,144b,144d,144e,144g,144hとの間には、多数の表面配線層が存在する。
【0141】
なお、図示を省略しているが、第1の実施の形態の図1に示したのと同様に、3次元構造のマルチ・チップ・モジュールを構成する上層基板では、機能素子チップ21,31,41のそれぞれの上に設けられた多層配線や、更にその上の上面側実装配線51,52,53,……,57,58等は、樹脂を接着層として用いて、実装チップ11ijの上に封止キャップチップを接合して、実装チップ11ijとの封止キャップチップとの間を密閉空間として、封止した構造を、上層基板として用いても構わない。上層基板として機能する実装チップ11ijとしては、第1の実施の形態で説明したとおり、半導体チップや、セラミック、樹脂又は耐熱ガラス等の高比抵抗材料チップ、半絶縁性材料チップ若しくは絶縁体材料チップ等が採用可能である。
【0142】
第6の実施の形態に係る実装体としての3次元構造のマルチ・チップ・モジュールによれば、図37に示すように、上層基板の上面側実装配線51,52,53、……,57,58のパターンを微細化できるので、上層基板の全体の大きさを従来のパッケージやモジュールよりも小型化し、寄生インピーダンスを最小化することにより、高周波特性を改善するとともに、上層基板と下層基板とを、バンプ147b,147d,147e,147g,147h,……を用いて最短距離で電気的に接続して、縦方向に積層しているので、マルチ・チップ・モジュールの全体としても、寄生インピーダンスが抑制され、マルチ・チップ・モジュールの全体としての高周波特性が高い。しかも、上層基板と下層基板とを縦方向に積層した3次元構造の実装体(マルチ・チップ・モジュール)によれば、従来のマルチ・チップ・モジュールより小型化が容易であり、低コストでマルチ・チップ・モジュールを製造することが可能であり、更に、多品種小量製品や多品種小ロット製品の迅速対応化が可能なマルチ・チップ・モジュールを提供できる。
【0143】
−−第6の実施の形態に係るマルチ・チップ・モジュールの製造方法−−
図38〜図39を用いて、本発明の第6の実施の形態に係る実装体であるマルチ・チップ・モジュールの製造方法を説明する。なお、以下に述べるマルチ・チップ・モジュールの製造方法は、一例であり、この変形例を含めて、これ以外の種々の製造方法により、実現可能であることは勿論である:
(イ)先ず、上層基板を作製するための基板用ウェハ11Wを用意し、この基板用ウェハ11Wの表面(上面)上に、フォトレジストを塗布し、フォトレジストを逐次露光して、チップ収納凹部開口用のパターンを基板用ウェハ11Wの表面に形成する。次いで、このフォトレジストをマスクにして基板用ウェハ11WをイオンミリングやRIE法等でエッチングして、基板用ウェハ11Wの上面から内部に向かうチップ収納凹部を形成する。そして、チップ収納凹部の底部の上面に、導電性ペースト等の接着層176,170,177を塗布し、機能素子2,3,4を、それぞれ、図38(a)に示すようにチップ収納凹部の内部に収納する。その後、チップ収納凹部の内部に収納された機能素子2,3,4の上に上面側配線用絶縁膜111を形成する。上面側配線用絶縁膜111としては、感光性ドライフィルム等の樹脂層の他、真空蒸着法、スパッタリング法、SOG法若しくは低温CVDで形成した酸化膜層等の絶縁膜でも構わない。
【0144】
(ロ)上面側配線用絶縁膜111として感光性ドライフィルムを用いた場合は、この感光性ドライフィルムに対し、直接、逐次露光して、基板用ウェハ11Wの上に割り当てられた各チップ領域のそれぞれにおいて、感光性ドライフィルムに機能素子2の最上層の配線225a,225c、機能素子3の最上層の配線314a,314bi,314c、機能素子4の最上層の配線442,441の一部をそれぞれ露出するコンタクトホールを開口する。上面側配線用絶縁膜111として、SOG法等による絶縁膜を形成した場合は、上面側配線用絶縁膜111上に、フォトレジストを塗布し、フォトレジストを、逐次露光して、コンタクトホール開口用のパターンを形成する。次いで、このフォトレジストをマスクにして上面側配線用絶縁膜111をRIE法等でエッチングして、上面側配線用絶縁膜111に、配線225a,225c、配線314a,314bi,314c、及び配線442,441の一部をそれぞれ露出するコンタクトホールを開口する。コンタクトホールの開口後、上面側配線用絶縁膜111の上に、真空蒸着法、スパッタリング法等の周知の手法を用いて金属膜を全面に堆積する。そして、 金属膜上に、フォトレジストを塗布し、フォトレジストを、逐次露光して、複数の機能素子2,3,4の相互を電気的に接続する実装配線形成用のパターンを形成する。次いで、このフォトレジストをマスクにして金属膜をRIE法等でエッチングして、金属膜をパターニングして、図38(a)に示すような、配線225a,225c、配線314a,314bi,314c、及び配線442,441にそれぞれ接続される上面側実装配線57,56,52,53,58を形成する。この際、上面側実装配線57,56,52,53,58と同一の金属膜によって、配線225a,225c、配線314a,314bi,314c、及び配線442,441の上のコンタクトホールには、それぞれコンタクトプラグ601,602,324a,324b,324c,603,604が埋め込まれる。
【0145】
(ハ)その度、基板用ウェハ11Wの下部を、機能素子2,3,4の底部が露出するまで、研削及びCMP等の研磨を用いて除去し、図38(b)に示すように、基板用ウェハ11Wの厚さを薄くして上層基板に必要な厚さにする。そして、基板用ウェハ11Wの表裏を逆にするように、裏返し、露出した機能素子2,3,4の底部の上に、下面側配線用絶縁膜153を形成する。下面側配線用絶縁膜153としては、感光性ドライフィルム等の樹脂層の他、真空蒸着法、スパッタリング法、SOG法若しくは低温CVDで形成した酸化膜層等の絶縁膜が使用可能である。下面側配線用絶縁膜153として感光性ドライフィルムを用いた場合は、上面側と同様に、感光性ドライフィルムに対し、直接、逐次露光して、機能素子3の貫通配線311a,311bi,311cをそれぞれ露出するコンタクトホールを開口する。下面側配線用絶縁膜153として、SOG法等による絶縁膜を形成した場合は、上面側と同様に、下面側配線用絶縁膜153上に、フォトレジストを塗布し、フォトレジストを、逐次露光して、コンタクトホール開口用のパターンを形成する。次いで、このフォトレジストをマスクにして下面側配線用絶縁膜153をRIE法等でエッチングして、下面側配線用絶縁膜153に、貫通配線311a,311bi,311cをそれぞれ露出するコンタクトホールを開口する。コンタクトホールの開口後、上面側と同様に、下面側配線用絶縁膜153の上に、真空蒸着法、スパッタリング法等の周知の手法を用いて金属膜を全面に堆積する。そして、 金属膜上に、フォトレジストを塗布し、フォトレジストを、逐次露光して、下面側実装配線形成用のパターンを形成する。次いで、このフォトレジストをマスクにして金属膜をRIE法等でエッチングして、金属膜をパターニングして、図39(a)に示すような、貫通配線311a,311bi,311cにそれぞれ接続される下面側実装配線151d,151e,151gを形成する。なお、図39(a)に示す断面図では接続関係が示されていないが、下面側配線用絶縁膜153の下面には他の下面側実装配線151b,151hが配置され、紙面の奥(若しくは手前)で、機能素子チップ31を貫通する他の貫通配線に、それぞれ独立した配線として電気的に接続されている。この際、下面側実装配線151b,151d,151e,151g,151hと同一の金属膜によって、貫通配線311a,311bi,311c,……の直下のコンタクトホールには、それぞれコンタクトプラグ152a,152bi,152c,……が埋め込まれる。
【0146】
(ニ)上面側実装配線57,56,52,53,58の上をパッシベーション膜や封止用の樹脂によって保護した後、或いは図1と同様にキャップ用ウェハで封止して保護した後、基板用ウェハ11Wの表面にグリッド状に設定されたダイシングラインG11に沿ってダイヤモンドブレード等のダイシング手段により、各チップ領域に設定されたチップサイズに切り分ければ、上層基板が完成する。そして、最上層に、上層基板接続配線146a,146b,146d,146e,146g,146h,……を備えたULSIチップ14を下層基板として用意する。この下層基板の上層基板接続配線146a,146b,146d,146e,146g,146h,……をそれぞれランドとして、図39(b)に示すように、上層基板接続配線146b,146d,146e,146g,146h,……のそれぞれの上に、上層基板との電気的接続を達成するためのバンプ147b,147d,147e,147g,147h,……を配置する。そして、バンプ147b,147d,147e,147g,147h,……を介して、上層基板と下層基板とを接続すれば、図37に示すようなマルチ・チップ・モジュールが完成する。
【0147】
第6の実施の形態に係るマルチ・チップ・モジュールの製造方法によれば、従来よりも低コストで、マルチ・チップ・モジュールを製造することが可能であり、更に、多品種小量製品や多品種小ロット製品の迅速対応化が可能である。特に、第6の実施の形態に係るマルチ・チップ・モジュールの製造方法において、上層基板を製造する基板用ウェハ11Wに、多品種の製品を小ロット毎にグループ分けして同時に配置すれば、1ロットの製造工程で、実質的に複数のロットの上層基板の製造工程を、一度に実現でき、短納期で上層基板が製造できる。多種類の上層基板を小ロットずつ生産すれば、それだけ多種類の製品を早く顧客に届けることができるので、工業的に極めて重要な効果を奏するものである。このように、第6の実施の形態に係るマルチ・チップ・モジュールの製造方法によれば、顧客の多品種・短納期・低価格の要求を満たし、同時に売上増加、低コストという製造側の要求も満たすことができ、又、生産管理も容易になり、歩留まりが向上する。
【0148】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は第1〜第6の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0149】
例えば、既に述べた第6の実施の形態においては、第1の実施の形態で説明した実装チップ11ijとして示した構造のチップの厚さを薄くして上層基板を構成し、この薄くした上層基板の下面に下面側実装配線151b,151d,151e,151g,151hを形成し、下層基板となるULSIチップ14の上面側の上層基板接続配線(ランド)146b,146d,146e,146g,146h,……とを、バンプ147b,147d,147e,147g,147h,……を用いて電気的に接続して縦方向に積層したが、下層基板として上層基板と同様な、第1の実施の形態で説明した実装チップ11ijを薄くした構造のチップを用いれば、貫通配線311a,311bi,311c,……によって、上層基板と下層基板の接続ができるので、3層以上に積層したマルチ・チップ・モジュールが簡単に実現可能である。
【0150】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に記載された発明特定事項によってのみ定められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0151】
本発明の実装体は、携帯電話、高精細デジタルTV、3D−TV、4−10Gビット光通信モジュール等のIT産業の技術分野を始め、半導体産業やMEMS産業から得られるデバイスを取りいれた全産業用モジュールの技術分野に利用可能である。更に、環境保護や、安全・安心環境センシング、或いは、安全・安心社会のワイヤレスセンシング等の技術分野に利用可能である。特に食品・医療・プラント等の技術分野において、高信頼性を有するLSI単体、MEMS単体等の機能素子をコンパクトに搭載したモジュールやシステムが提供できる。更には、健康、福祉、環境等の技術分野を快適にするLSI単体、MEMS単体等の機能素子をコンパクトに搭載したモジュールやシステムが提供できる。又、工場、ビル、オフィース、家等を高効率にするLSI単体、MEMS単体等の機能素子をコンパクトに搭載したモジュールやシステムが提供できる。
【符号の説明】
【0152】
ij,3ij,4ij,2,3,4…機能素子
2a,3a,4a…ハードウェアライブラリー
2hij,3hij,4hij,2h,3h,4h,11dr,11sr,11s…チップ収納凹部
11ij…実装チップ
11pa,11pb,11tp…貫通孔
11…実装チップ
11CAij…チップ領域
11W…基板用ウェハ
12ij…樹脂
13ij…封止キャップチップ
13…封止キャップ基板
14…ULSIチップ
21ij,31ij,41ij,21,31,41…機能素子チップ
21W…LSI用半導体ウェハ
31s…凹部
31W…MEMS関連部品用ウェハ
41W…MEMSデバイス用ウェハ
51,52,53,54,55,56,57,58,167a,167b,…上面側実装配線
61ij…貫通配線部品チップ
61,62,63,151b,151d,151e,151g,151h,…下面側実装配線
95…プレスヘッド
101a,102a…補強用樹脂
111,169…上面側配線用絶縁膜
112,153…下面側配線用絶縁膜
113,117,119a,321,612…上面保護絶縁膜
114,118,119b,119c,323,613…下面保護絶縁膜
115,171…カソード配線
116…アノードランド配線
119,169…架橋絶縁膜
120a…第1層間絶縁膜
120b…第2層間絶縁膜(上面側配線用絶縁膜)
121b,121a,143a,143b,143c,145a,145b,145d,145e,145g,145h,152a,152bi,152c,165a,165b,222a,222b,222c,224a,224c,313a,313bi,313c,316a,316bi,316c,327a,327bi,327c,342a,342b,342c,344a,344b,344c,344d,352a,352b,352c,352d,354a,354b,354d,601,602,324a,324b,324c,603,604…コンタクトプラグ
122b,122a,174,175a,175b,175c,175d…実装配線
131ij,135ij…封止キャップチップ
131W…キャップ用ウェハ
132,133…キャップ絶縁膜
135…キャップ用ウェハ
136ij…アノード配線
137ij,138ij…コンタクトバンプ
141a,141b,141c,211…半導体領域
142a,142b,142c,221a,221b,221c…コンタクト領域
144a,144b,144d,144e,144g,144h,223a,223b,225a,225c,314a,314bi,314c,343a,343b,345a,345b,345c,345d,351a,351b,351c,351d,353a,353b,353c,353d,355a,355d…表面配線
146a,146b,146d,146e,146g,146h,…上層基板接続配線
147b,147d,147e,147g,147h,…バンプ
149…多層積層絶縁膜
161a,161b,181a,181b,181c,311a,311bi,311c,611…貫通配線
163a,163b,173,182a,182b,182c,622…下面ランド
162a,162b,171,183a,183b,183c,621…上面ランド
164…パッド配線
166,166a,166b…下地金属膜
168…ダマシン配線用絶縁膜
213…層間絶縁膜
172…アノードプラグ
172,173,174,176,170,177,178,179…接着層
212,331,335…フィールド絶縁膜
225a,225c,314a,314bi,314c,442,441…配線
312a,312bi,312c,315a,315bi,315c…コンタクト端子
317a,317bi,317c…裏面配線
322…上部層間絶縁膜
324…下部層間絶縁膜
332…第1の層間絶縁膜
333…第2の層間絶縁膜
334…抵抗配線層
341…第1のキャパシタ電極層
343d…第2のキャパシタ電極層
346…段差配線
347…上面配線
411…下地絶縁膜
412,421…スペーサ金属層
422…固定端接続層
423,424…導体層
425…コンタクト電極層
426…自由端側可動接点層
431…自由端側配線層
432…スーサ配線層
433…自由端側固定接点層
511…アノード絶縁膜
512…カソード電極
513…電流制限領域
521…カソードコンタクト層
522…n側ブラッグ反射膜層
523…活性層
523…p側ブラッグ反射膜層
524…p側ブラッグ反射膜層
525…アノードコンタクト層
531…アノード電極
532…アノード接続配線
11,G21,G31,G41…ダイシングライン
LDij…面発光レーザ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実装チップと、
該実装チップの上面側に設けられたチップ収納凹部の内部に、上面が前記実装チップの上面と同一レベルとなるように埋め込まれた機能素子チップと、
該機能素子チップの前記上面を含んで、前記実装チップの前記上面の上に設けられた上面側配線用絶縁膜と、
該上面側配線用絶縁膜上に配置され、前記機能素子チップと電気的に接続された上面側実装配線
とを備えることを特徴とする実装体。
【請求項2】
前記実装チップの上面側には、複数の前記チップ収納凹部が設けられ、複数の前記チップ収納凹部の内部に、それぞれの上面が前記実装チップの上面と同一レベルとなるように複数の機能素子チップが埋め込まれていることを特徴とする請求項1に記載の実装体。
【請求項3】
複数の前記チップ収納凹部の内、少なくとも一つが、前記実装チップを貫通する貫通孔であり、該貫通孔の内部に前記機能素子チップとして貫通配線を内蔵した貫通部品が収納
されていることを特徴とする請求項2に記載の実装体。
【請求項4】
前記チップ収納凹部が、前記実装チップを貫通する貫通孔であり、該貫通孔の内部に前記機能素子チップとして貫通配線を内蔵した貫通部品が収納されていることを特徴とする請求項1に記載の実装体。
【請求項5】
前記実装チップの前記下面の下に設けられた下面側配線用絶縁膜と、
該下面側配線用絶縁膜の下面に配置され、前記貫通配線と電気的に接続された下面側実装配線
とを、更に備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の実装体。
【請求項6】
前記下面側実装配線に電気的に接続される下層基板を更に備え、
前記実装チップが上層基板として、前記下層基板の上に積層されることを特徴とする請求項5に記載の実装体。
【請求項7】
前記実装チップの上面側を、前記実装チップの間に空隙を有して覆う封止キャップチップと、
前記実装チップの周辺において、前記実装チップと前記封止キャップチップとを接続し、前記空隙を密閉空間として封止する樹脂
とを、更に備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の実装体。
【請求項8】
上面が、複数のチップ領域を割り当て可能な面積を有する基板用ウェハの前記上面側に、チップ収納凹部を形成する工程と、
前記チップ収納凹部の内部に、上面が前記基板用ウェハの上面と同一レベルとなるように機能素子チップを埋め込む工程と、
該機能素子チップの前記上面を含んで、前記基板用ウェハの前記上面の上に上面側配線用絶縁膜を形成する工程と、
該上面側配線用絶縁膜上に、前記機能素子チップと電気的に接続される上面側実装配線を形成する工程と、
前記チップ領域毎に、前記を複数のチップ領域を分割して、前記基板用ウェハから複数の実装チップを切り出して実装体とする工程
とを含むことを特徴とする実装体の製造方法。
【請求項9】
前記チップ収納凹部の内部に埋め込まれる機能素子チップが、予めハードウェアライブラリーとして、他品種用意されていることを特徴とする請求項8に記載の実装体の製造方法。
【請求項10】
前記実装チップの周辺に配置された封止用の樹脂を接着材として、前記実装チップの上面側を、前記実装チップの間に空隙を有するように封止キャップチップで覆い、前記実装チップ、前記封止キャップチップ及び前記樹脂で前記空隙を密閉空間として封止する工程を更に含むことを特徴とする請求項8又は9に記載の実装体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【公開番号】特開2012−4314(P2012−4314A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−137560(P2010−137560)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【出願人】(302000081)株式会社メムス・コア (19)