説明

実験装置上の対象物を識別し、位置決めし、そして追跡するためのデバイスおよび手順

この発明は実験装置(4)のワークテーブル(3)上に位置できる対象物(2)を位置決めするか追跡するシステム(1)に関し、少なくとも、RF信号を送受信し、受信したRF信号を変換し、そして、変換された信号をコンピュータ(7)に送信する能力を持つ中央送信機(5)と、ワークテーブル(3)の表面(8)上に装着され、RF信号を送受信する能力を持つローカルユニット(6)と、位置決めされるか追跡されるべき、ローカルユニット(6)または、実験器具の物品(15)に取り付けられるべきRFIDタグ(10)と、ワークテーブル(3)と、実験装置(4)に結合でき、かつ、インターフェースを介して中央送信機(5)にリンクされるコンピュータ(7)とを備え、コンピュータ(7)は、中央送信機(5)から受信した信号を処理し、そして、中央送信機(5)を通じ、選択されたRFIDタグ(10)をアドレスするために中央送信機(5)と通信する能力を持つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、取り付けられたコンピュータ制御の無線周波識別(RFID)システムおよび無線周波識別ラベルまたは“RFIDタグ”の使用により、実験装置の対象物を、識別し、位置決めし、そして追跡するための装置および手順に関する。
【0002】
諸産業の多くの分野で、ワークステーション上のまたはそれらの間で商品を移動するために自動化システムを要求する。より特別には、これは、特定のワークステーションでの商品を走査するためのデバイスを備える各ワークステーションで商品の正確な位置決めに対する位置決めシステムに関する。例えば、薬学研究や医療診断において、いくつかのタイプの自動化システムが用いられる。これらの双方の場合で、これは、液体又は乾燥の標本を、一つの容器から別の容器兵藤するための手順の変形から常に基本的になる通常の設備に関する。更に、これらの標本は、光学測定、ピペットによる移動、洗浄、培養およびフィルタ処理のような公知の方法により試験され、処理される。
【0003】
そのような公知の自動化システムは、サンプルの移動および操作が“ワークステーション”または、特定の装置により実行される限り、同様である。これらのワークステーションは、個々に、手作業または、自動化システムに一体的に結合されて操作されるかも知れない。自動化システムでは、ユーザーは、処理のすべての個々の方法に対して、実行することや備えることは必要でない。そのような公知のシステムを結合する別の共通要素は、サンプルが標準化されたマイクロプレートでしばしば処理されるという事実がある。そのようなマイクロプレートは、すべての可能なフォーマット内で得ることができるが、典型的には、96個のサンプル容器または、中心間で9mmの間隔で、規則的な8×12個の軌跡に整列された“くぼみ”を備える。多数のくぼみ、または、この個数の一部のくぼみを有するマイクロプレートも使用される。異なるワークステーションは、マイクロプレートを搬送するために、一つ以上のロボットに結合されてもよい。直交座標システムに従って移動する一つ以上のロボットは、ワークベンチのトップで使用されてもよい。これらの座標ロボットは、プレートまたは他のサンプル容器を運び、また、液体も運ぶことができる。中央制御システムまたは、コンピュータは、これらの公知のシステムをモニターし、制御し、それの際だった利点は、ワークプロセスの完全な自動化にある。結果として、そのようなシステムは、いずれかの人が介在することを要求することなく、数時間または数日にわたって動作できる。
【0004】
通称の“プレートスタッカー”の使用は、別のタイプのロボットの使用を可能にする。従って、例えば、液体を扱うシステムや光プレートスキャンデバイスのような装填用のスタッカーは、装置の1片側に位置することができ、出力スタッカーは他の側に位置できる。マイクロプレートは、コンベアベルトまたはロボットアーム、例えば“取り上げ、そして置く”アームにより、マイクロプレートは、装填用スタッカーの入力ゾーン内に導入できる。自動化システムによるプロセスのステップの完了時、マイクロプレートは、出力スタッカーの入力ゾーン上に配置される。このようなスタッカーは、除去可能なカセットをしばしば使用し、そのため、ほぼ20個のマイクロプレートを一つのシステムから他へ一度に移動できる。これは、通常、手動により、または、接合アームロボットにより、ワークステーション間でスタッカーの移動のために実施される。そのサンプルは、スタック全体を培養器の中へ単に挿入することにより、培養され得る。プレートスタッカーは、通常のワークステーションと結合することもできる。
【0005】
より多くの自動化産業の諸分野で、これが薬学研究、医療診断または、そのような製品の製造に関係しようと、実験装置上の対象物を位置決めし、そして追跡するためのデバイスまたは手順に対する要求がある。これは、特に、液体サンプルを扱うワークステーショュンのワークテーブル上の対象物を位置決めし、かつ追跡するためのシステムまたは手順に関する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
US 6,429,016から、自動化システムにてサンプルを位置決めするか、特定のデバイスに関連して装填するためのシステムおよび手順が公知である。ワークステーション間のより大きいサンプルの移動に対する“マイクロ位置決めシステム”およびサンプルの正確な位置決めに対する“マイクロ位置決めシステム”の2部分の設備が開示される。その“マイクロ位置決めシステム”は、サンプル容器、例えばマイクロプレートを搬送しながら、追跡システムまたはレール上を、たはそれらに沿って移動するロボットに基づく。所望のワークステーションで、ワークステーションおよびサンプルホルダー間の各時間で調停する下位の“マイクロ位置決めシステム”は、ワークステーション上の予め決定された位置内のサンプルの正確な位置決めを行う。この位置は、サンプルと相互作用するため、または、サンプルへの特定のタスクを実行するために用いられるデバイスの装備(例えば、ピペット用または分配用デバイス)に対応する。ロボットが定められた目的地に達した時、それが正確な位置にあるかを調べるために、認識され、さしてチェックされる。このことは、赤外線インク、近接する無線周波、無線周波識別(RFID)、電気的接触または、1次元または2次元のキーバーコードを用いて実施される。このシステムの複雑さは、それぞれが自身の自立系のナビケーションシステムを有する対象物搬送用ロボットの個数に少なくとも部分的に関係する。ロボットがワークテーブルの表面上のトラックのシステムに沿って移動するという事実により、このシステムには制限がある。それは“トラフィック領域”であり、サンプルの処理に利用できないので、少なくともこのトラックシステムにより占有される領域の大半がアクセス不能であることを意味する。
【0007】
ドキュメントおよび他の対象物を位置決めし、そして追跡するための手順およびデバイスは、US 6,127,928で公知である。これは、オフィスのファイルのようなドキュメントや同種のものの格納位置を、自動的にかつ高速に見つける無線周波制御システムを開示する。パーソナルコンピュータ(PC)により制御される中央送信機は、ブックケース内または、引きだし内に位置する、安価に製作され、アドレス可能なローカル送信機/受信機に第1の周波数でコード化された無線周波信号(RF信号)を送信する。これらのローカルの、かつ系列的にアドレス可能な送信機は、アンテナを通じて第2の周波数でコード化されたRF信号を応答する。ローカル送信機により中継されるような同じコードを含む受動の無線周波識別(RFID)タグは、例えばファイリングキャビネットに固定され、そして、そのタグがローカル送信機のアンテナに接近して位置するなら、ローカル送信機により発生されたRF電界からのエネルギーを受信する。このアクティブにされたRFIDタグは、第2の周波数でRF信号を変調し、この変調された信号は、中央送信機により受信される。中央送信機に結合されたPCを通じて、システムは、今やイネーブルにされ、RFIDがラベル貼付されたドキュメントフォルダーの位置を、オフィス環境内の特定の引きだしまたは、特定のブックケースの棚のレベルへの決定を自動的にかつ高速に行う。しかしながら、スペシャリストは、実験装置上の対象物を識別し、位置決めし、そして追跡するように適合する方法を理解できない。
【0008】
従って、この発明の目的は、実験装置上の対象物を識別し、位置決めし、そして追跡するための代替のシステムおよび手順を提供することである。この発明の別の目的は、実験装置上の対象物を識別し、位置決めし、そして追跡するために、機能および使用の面で簡単なシステムおよび手順を提供することである。この発明の別の目的は、実験装置上の対象物を識別し、位置決めし、そして追跡するために、動作面をトラフィックエリアとして占有しないシステムおよび手順を提供することである。
【0009】
これらのおよび他の目的の解決は、独立クレームの特徴により提供される。この発明の好ましい改善および追加的な特徴は、従属クレームから明白になるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、以下の概念に基づく。
実験装置、例えばモジュール、キャリアおよび実験器具の物品は、ワークテーブル上に置かれるべきすべての対象物は、第1に、無線周波識別(RFID)ラベルまたはタグを備える。この発明によるシステムは、これらのRFIDタグをアクティブにし、そして、これらのRFIDタグから送信されたRF信号を受信するための手段を備える。
【0011】
3次元構成の少なくとも3つのRFIDタグスキャナーデバイスおよび、時間ベースの質問によるRFIDタグの識別および3次元測量を備える(よりの高価となる)位置識別システムの代わりに、一般の励起に、位置ベースの励起を組み合わせ、その後、各々の場合に、存在するRFIDタグが取得されるより簡単なシステムが提供される。提案された方法は、従って、丈夫な位置ベースの丈夫なタグ識別を容易にするのに大いに適する。
【0012】
存在するすべてのRFIDタグをアクティブにするように構成された手段が備えられ、その結果、これらのタグからのすべてのRF信号を集め、そして、ラベルされた対象物のタイプにより、グループにリストされ得る。ワークテーブル上にある各RFIDタグを個別にアクティブにでき、その結果、システムのワークテーブル上の座標格子内の各RFIDタグの現在位置を検出できるように構成された手段も備える。
【発明の効果】
【0013】
この発明により提供される利点を以下に示す。
1.ワークテーブル上のキャリアまたはラックの起こり得る誤った位置決めの取得であり、ロボットの移動または座標システムの誤った位置決めは、個別に検出される。
2.キャリアまたはラック上のマイクロプレートまたはチューブのような一般の実験器具の起こり得る誤まった位置決めの取得。
3.キャリアまたはラックの起こり得る誤った位置決めの取得(1)および、一般の実験器具の起こり得る誤まった位置の取得(2)に対応した位置および移動のリスト作成であり、これらのリストは、ロボットの移動または座標システムと独立して作成される。
4.より高いランキングの論理システムへの(3)に基づく分配の統合であり、例えば、化学的なライブラリ、スタッカー、培養器、解析マシン、円心分離機、イメージングシステムなどを備える。
5.機械的な固定ようが使用されない場合に、平坦なワークテーブルの表面上でのマイクロプレートキャリアおよびチューブラックの正確な固定。
6.機械的な固定ようが使用されない場合に、清掃および殺菌のみを要求する、完全に平坦で滑らかなワークテーブル表面を使用することの可能性。
7.マイクロプレートおよびサンプルチューブのような、一般の実験器具のようなキャリアまたはラックの位置取得および移動の空間解像度が、公知技術のシステムのものより遙かに高い。
8.公知のシステムのように、RFIDタグのローカル励起機の現在位置を知る必要がない。ローカル励起機の現在位置は、自動的に取得され得る。
9.RFIDラベル(タグ)の発明による使用は、バーコードのような他の識別システムの並行使用または同時使用と十分にコンパチブルである。
【0014】
この発明によるシステムまたは手順は、例示的な図面を参照してより詳細に説明される。これらの図面は、この発明の範囲を限定するものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
この発明にな基づく第1の実施形態では、ワークテーブル3上に位置する対象物2の位置または追跡を認識するのに役立つシステム1が提供される。そのワークテーブル3は、液体をくみ上げそして開放するためのピペット装置または、液体を測定するためのディスペンサーのようなロボットによるサンプルプロセッサ(RSP)の形態の実験装置4の一部である。そのシステム1は、無線周波信号を送受信できる少なくとも1つの中央送信機5を備える。第1の実施形態の中央送信機5は、また、受信したRF信号を変換し、そして、これらの変換された信号をシステム1のコンピュータ7に中継できる。そのシステム1は、少なくとも1つのローカルユニット6を備え、それは、ワークテーブル3の表面8に装着され、また、RF信号を送受信できる。そのシステム1は、ローカルユニット6に固定された無線周波識別(RFID)タグおよび、認識され、位置決めされ、または追跡されるべき実験器具の物品を備える。(既に注目したような)そのシステム1は、実験装置4のワークテーブル3および、実験装置4に接続でき、かつ、インターフェースを介して中央送信機5に接続されるコンピュータ7を備える。そのコンピュータ7は、中央送信機5に通信でき、中央送信機5から受信した信号を処理でき、そして、中央送信機5を通じて選択されたRFIDタグ10を呼び出すことができる。この最小の装備で、実験器具の個々の物品15(例えばマイクロプレート)および、実験器具の物品15(例えばサンプルチューブ)の現在の位置および動きは決定でき、実験器具の物品15は、取り上げができるように、個々のキャリア13またはラック14上に位置する。中央送信機5とRFIDタグ10との間の通信は、(図4Aにおける通信図に基づき)RF信号のみを用いて、第1の実施形態(詳細には示めされず)に基づき実施される。この第1の実施例の簡単な機能は、以下の第2の実施形態(図面にも示される)を読むことにより、技術者には明白になるであろう。少なくとも1つのユニークな認証を備え、および/または、認証が備えられる実験器具の物品15のタイプを与えるより多くの複雑な情報のような、より多くの情報を送信することが可能にされたRFIDタグ10は、この第1の実施形態に対して使用されなくてはならない。この最小レベルの装備で、認証および情報および実験器具の物品15の個数についての、および、個々のマイクロプレートの位置についての情報を得ることができる。しかしながら、挿入位置内の光バリアのような追加的な手段なしでは、認証のみが得られ、実験器具の物品15(例えばサンプルチューブ)の多数の物品の位置は得られない。別の開発された、それ故好ましい第2の実施形態は図1および2に示される。図1は、実験装置4のワークテーブル3の平面図を示し、この発明によるシステム1は、この発明の第2の実施形態に対応して変化する第1および第2の格子内に埋め込まれる。示された実験装置4は、ロボットによるサンプルプロセッサ(RSP)の形態であり、そして、ピペットデバイス30が本質的にワークテーブル3のワーク領域全体を横切って移動するために、ワークテーブル3およびロボットアーム29を備える。実験装置4は、液体のくみ取り、および開放のためのピペット装置または、液体を測定するためのディスペンサーの形態をとる。他のサンプルプロセッサは、マイクロプレートのごとき、実験器具の物品15に対するスタッカーまたは培養器を備え、実験器具の物品15に対するシステムを計量し、マイクロプレートまたはサンプルチューブのような、実験器具の物品15を遠心分離し、サンプルへのチェックおよび操作を実行するためのするにデバイスおよび他の器具を走査するか、イメージングする。このワークテーブル3は、縦方向(X)および横方向(Y)に延在して図示され、これらの2方向は、正確な角度を含む。与えられたワークステーションまたは、異なったワークステーションの異なる動作または格納ゾーンは、例えばプレートキャリングロボット(図2を参照)のような一つ以上のロボットハンドル器32に、または、コンベヤベルトまたはレールシステムなどのような他のロボット移送デバイスに一緒に結合できる。
【0016】
対象物2は、実験装置4のワークテーブル3上に位置するか、位置できる。この発明に関連して、そのような対象物2は、ワークテーブル3の表面に固定できるローカルユニット6を含む。ローカルユニット6は、能動化ユニット9(図1には図示せず、図2を参照)からのエネルギーを受け取り、無線周波(RF)信号を放射し、そして、多数の無線周波識別(RFID)タグ10(図2参照)を呼び出し、能動化させることができる。ここで、ローカルユニット6は、キャリア13に組み込まれ、これらのキャリア13は、実験器具の物品15に適合するラック14を備える。この発明に関連して、そのような実験器具の物品15は、サンプルチューブ内のまたは、すべての可能な寸法およびすべての可能な容積の容量のマイクロプレート(例えば好ましくは96、384または1536個のくぼみを持つ)内の液体サンプルのようなサンプルのための容器を備える。実験装置4のワークテーブル3は、ローカルユニット6を能動化させるために、少なくとも1つのアドレス可能な能動化ユニット9に装備される(図1には図示せず、図2を参照)。ワークテーブル3は、ワークテーブル表面8を格子ユニット12に分割するために設計された仮想格子11を備える。この発明の第1の変形によると、この格子11は、ワークテーブル3のカバー23内に到達するスルーホール24の配列の中心を通過するライン(図1参照)により、マークされるような直交座標システムである。仮想格子11がより小さい格子ユニット12で定義されるなら、スルーホール24間の距離は、低減される。代わりに、第2の変形によれば、格子11は、縦方向側Xおよび横方向側Yに対して傾けることができる。格子11の第2の変形の傾き角度は、好ましくは45°に等しい。別の代替例によると、格子11の2つの変形が図1の左上で示すように組み合わされてもよい。
【0017】
図示されたスルーホール24を備えた金属カバー23の変形では、対象物2は、プラスチック(または少なくともプラスチックの表面層)で作られたカバー23上に位置することができ、そのプラスチックは、スルーホール24に替えて透明部を持っても持たなくてもよい。別の可能性は、スルーホール24を持たないアルミで作られたカバー23の使用である。いずれの場合でも、ワークテーブル3の使用に附随して、清掃および殺菌動作が容易に達成されるように、ワークテーブル3の表面が可能な限り滑らかに形成される。金属、プラスチックまたはアルミのようなワークテーブル3の表面8に対し、化学的不活性材料が好ましくは与えられる。例えばスルーホール24、または代わりに光学的に透明部28に接近してプラグ25が使用されるなら、滑らかで平坦なテーブル表面8が得られるために、プラグ表面26または光学的に透明な部分の表面が、ワークテーブル3の表面8と平にすべきである。完全に平な上部表面を持つワークテーブル3が採用されるなら、ワークテーブル3のカバー23は、ローカルユニット6の能動化に使用される可能な電磁波の波長に好ましくは透明であるべきである。
【0018】
図2は、図1による実験装置のワークテーブル3の垂直部分断面を示す。実験装置4のワークテーブル3に位置してもよい対象物2を認証し、位置を決定し、そして追跡するためのシステム1を示す。このシステム1は、実験装置4の少なくとも1つのワークテーブル3、中央送信機5、少なくとも1つのローカルユニット6、コンピュータ7、少なくとも1つのアドレス可能な能動化ユニット9、RFIDタグ10および格子ユニット12からなる格子11を備える。
【0019】
対象物、キャリア13またはラック14を含む実験器具の物品15(例えばサンプルチューブまたはマイクロプレート)は、この実験装置4のワークテーブル3上に位置する。RFIDタグは、これらの対象物2であるか、これらに既に固定されている。これらのRFIDタグ10の能動化により、これらの対象物2は、識別されることができ、そして、ワークテーブル3上のそれらの現在位置を位置決めできる。もし、これらの対象物2が、移動前、または移動後に、認識され、位置決定されるなら、ワークテーブル3の表面8上の対象物2のすべての移動は、追跡され得る。このように、すべての対象物は、それらが能動化されたRFIDタグ10を担い、かつ、それらの位置が格子11にな関して確立できるので、認識でき、位置決めされ、追跡できる。
【0020】
単純なRFIDタグ10は、標準化されたRF信号が送信されることにより、イネーブルにされ得る。しかしながら、RFIDタグ10に対し、例えば、位置決めされるべき対象物のタイプを示すメッセージの形態で、個々の認証を送信できることが望ましい。特に好ましくは、特定のRFIDタグ10は、個々の(ユニークな)認証を送信し、その認証は、また、この特定のタグ10を持つ実験器具の物品15に含まれるサンプルのタイプおよび履歴を与える。特に好ましいRFIDタグ10は、現在および未来の商業的に得られるRFIDタグのすべての特性を備える。特に、重要なことは、書き換え可能なRFIDタグ10である。
【0021】
実験装置4のワークテーブル3は、ワークテーブル3の表面8を格子ユニット12(図1参照)に分割する格子11を備える。ワークテーブル3はまた、ローカルユニット6内に組み込まれる受信要素にエネルギーを送信する送信要素22を備える。これらの送信要素22は、ワークテーブル3の表面8下のそれらの位置またはそれらの配置により、格子11の格子交差点を決定する。
【0022】
第2の実施形態におけるシステム1(図4A内の第1の通信図(1)を参照)は、インターフェースを通じてコンピュータ7に接続され、無線周波(RF)信号を送受信できる中央送信機5を備える。その中央送信機5はまた、好ましくは、ワークテーブル3上に位置する少なくとも1つのローカルユニット6を制御するためにイネーブルにされる。第2の実施形態によると、これらのローカルユニット6は、ワークテーブル3の表面8に固定されるための能力を持ち、そして、少なくとも1つの能動化ユニット9からのエネルギーを受信できるようにされる。中央送信機5は、受信したRF信号を変換し、これらの変換した信号をコンピュータ7へ中継する能力を持つ。コンピュータ7は、実験装置7に接続でき、そして、インターフェースを介して中央送信機5および能動化ユニット9の双方に接続される。コンピュータ7は、中央送信機5と通信でき、中央送信機から受信した信号を処理し、そして、選択された能動化ユニットを制御する。
【0023】
実験装置4の表面8へのローカルユニットの固定は、ワークテーブル3のいずれかの変化をマークすることなく、つまり、例えば、ワークテーブル3のカバー内またはカバー上にあってもよい、例えば、いずれかのノッチ、レール、びょうまたは同種のものを用いることなく、可能である。
【0024】
本質的に平坦なワークテーブル3上へのローカルユニット6の装着は、従って、好ましくは、ローカルユニット6の一部である位置決めデバイス17によって実施される。これらの位置決めデバイス17は好ましくは、磁石または磁石デバイス20の形態をとり、それらは、永久磁石および/または電磁石を備える。位置決めデバイス17は、受信要素19および/または、マイクロ位置決め要素21を備える。そのマイクロ位置決め要素21はまた、先に装着された位置決めデバイス17と個別のローカルユニット6の中に組み込まれてもよい。ローカルユニット6はまた、RF信号を送信し、そして、ある個数のRFIDタグ10を制御し、能動化させることができる。
【0025】
上述したように、図示された実験装置4は、ロボットによるサンプルプロセッサ(RSP)の形態をとり、そのサンプルプロセッサは、ワークテーブル3およびロボットアーム29を備える。そのロボットアームでもって、ピペット用デバイス30は、ワークテーブル3の動作領域全体を実質的に移動できる。ワークテーブル3は、ここでは、縦方向(X)および横方向(Y)に延在し、これらの2つの方向は正確な角度を含む(図1参照)。ピペット用デバイス30、または、ピペット用デバイスに固定された少なくともピペットの針またはピペットのチップは、Z方向に移動でき、このZ方向は、縦方向(X)および横方向(Y)に延在に延在するワークテーブル3と本質的に垂直である。与えられたワークステーションまたは異なるワークステーションの異なる動作または格納領域は、例えば、プレート搬送ロボット(図2を参照)または、コンベアベルトやレールシステム等の他のロボット搬送デバイスのような一つ以上のロボットマニュピュレータ32で互いに結合できる。
【0026】
ローカルユニット6は、好ましくは、実験器具の物品15を受け取るように設計されたラックを備えるクキャリア13内に組み込まれる。ラックの各々は、少なくとも一つのアンテナ16内に位置する実験器具の物品15を識別するために備えられる。システム1により備えられた少なくとも1つのアドレス可能な能動化ユニットは、ローカルユニット6を機能させるために、送信要素22を通じて使用に供される。
【0027】
第2の実施形態におけるシステム1(図4Bの通信図を参照)も、インターフェースを介してコンピュータ7に接続され、そして、ワークテーブル3上の少なくとも1つのローカルユニットからRF信号を受信するためにイネーブルにされる中央送信機5を備える。更に、中央送信機5は、実験器具の物品15に固定されたRFIDタグ10からRF信号を受信できる。これらのローカルユニット6は、ワークテーブル3の表面8に固定でき、そして、能動化ユニット9からエネルギーを引き出せる。このことが起きた時、ローカルユニット6によるエネルギー引きだしは、好ましくは、ローカルユニット6の識別に結合される。特定のローカルユニット6の識別は、格子11上の特定の位置でのエネルギーの抽出に基づき、このローカルユニット6の存在を確立することにより実行できる。更に、個々の認証が実行され、このローカルユニット6は、電気回路上の変調された周波数に重なり、その電気回路を通じて、送信要素22および受信要素19を介しエネルギーがこのローカルユニット6に到達する。この周波数変調は、好ましくは、グリッド11上の特定の位置に対して典型的である。
【0028】
代替として、特定のローカルユニット6の識別は、ローカルユニット6に固定されたRFIDタグ10により発生されたRF信号の放射により実行され得る。この場合、RFIDタグ10は、送信要素22および受信要素19を通じて能動化され、これらの要素は、格子11上の特定の場所に接触して動作する。集積化されたスイッチ18は、好ましくは備えられ、そのスイッチで、ローカルユニット6のRFIDタグ10に供給されるべき能動化エネルギーが制御される。
【0029】
図3Aは、マイクロプレートに対しキャリア13の形態で作られたローカルユニットの垂直部分断面図を示す。ローカルユニット6も、図2で示し、かつ、上で述べたような位置決めデバイス17を、磁石または磁石デバイス20の形態で備える。その位置決めデバイス17は、ここでは、受信要素19および2つの磁石デバイス20を備える。
【0030】
受信要素19は、送信要素22の電界により能動化できる誘導性コイルの形態をとり、その送信要素22は、電磁石コイル(詳細には示さず)の形態をとる。各送信要素22は、ワークテーブル3の表面8下に整列され、そして、格子11に関して位置が決定される。ローカルユニット6の受信要素19が送信要素22に記録されて整列された時(図2を参照)、送信要素22の電界は、電気的誘導により、受信要素19内に電流を発生させる。この理由のために、ローカルユニット6に電流を供給するためのあらゆるソケットも備える必要がなく、そのため、ワークテーブル3の表面8を平坦に維持できる。もちろん、ワークテーブル3のカバー23または、スルーホール24を閉じる少なくともプラグは、送信要素22の電界に対して透過性でなくてはならない。
【0031】
代替として、受信要素19は、光エネルギーを受け、そして光を電気エネルギーに変換できる光学要素の形態をとることができる。この場合、ワークテーブル3のカバー23下に整列され、かつ、格子11に関して位置が決定された送信要素22は、光学要素、例えば高輝度のレーザダイオードの形態をとる。当然、ワークテーブル3のカバー23、表面層27または、スルーホール24を閉じる少なくともプラグ25は、送信要素22により放射された光に対して透過性でなくてはならない。
【0032】
受信要素19は、いずれの場合でも、好ましくは、集積化スイッチ18に接続され、その集積化スイッチ18にはアンテナ16が接続される。例えばもし、固定されたRFIDタグ10を備えるマイクロプレートが、キャリア13またはラック14上に配置されるように、アンテナ16が整列されるので、アンテナ16は、実験器具の物品15のRFIDタグに接近する。この理由のため、キャリア13を囲む受信要素19の能動化に対しては、キャリア13により受信された実験器具の物品15のRFIDタグ10の排他的な能動には、弱いRF信号であっても十分である。
【0033】
図3Bは、サンプルチューブのためにラック14の形態で作られたローカルユニット6の垂直部分断面図を示す。ローカルユニット6は、図2に示され、かつ、磁石または磁石デバイス20の形態で説明した位置決めデバイス17を備える。その位置決めデバイス17は、ここでは、受信要素19および2つの磁石20を備える。受信要素19も、好ましくは集積化スイッチ18に接続され、そのスイッチは多数のアンテナ16に接続される。
固定されたRFIDタグ10を備える多数のサンプルチューブがキャリア13またはラック14上に配置されるようにアンテナ16が整列されるので、アンテナは、実験器具の物品15のRFIDタグ10の各位置に接近して位置する。この理由のために、キャリア13の受信要素19の能動化により発生された弱いRF信号は、キャリア13上に整列された実験器具の物品15のこれらのRFIDタグ10を強力に能動化させるには十分である。集積化スイッチ18は好ましくは、特定のサンプルチューブの選択を可能にする。
【0034】
実験器具の物品15、つまり、これら実験器具の物品15に固定されたTRIDタグ10の現在位置を明確に確立するために、一つの特定の個々のRFIDタグ10がアンテナ16によりアドレスされ、そして、能動化されることが絶対的に必要である。通常、個々のRFIDタグ10と、それを能動化させるように設計されたアンテナ16との接近は、選択されたRFIDタグ10への信頼できるRF信号の送信を可能にし、その結果、存在する他のRFIDタグ10のいずれもが、この送信を認識しない。ここのRFIDタグ10および/またはアンテナ16の追加的な仕切りは、受信の信頼性を更に増す。
【0035】
単純化した図面における関心事として、図3Bでは単に4個のサンプルチューブが示される。しかしながら、1、2のような、または、これらの複数、8、12、15、24またはn個のようないずれかの一般的な個数のサンプルチューブが、対応して設計されたキャリア13またはラック14によって受け止められることができる。マイクロ位置決め要素21は、受信要素19の一部として、ローカルユニット6内に組み込むことができる。理想位置からの小さな変位をも検出するために、特別に配列された磁石や光バリアが好ましくは備えられる。受信要素19と送信要素22間の正確な配列位置からの変位の検出を実行できるために、スペシャリストなら、適したタイプのそのようなマイクロ位置決め要素21(不図示)のいかに選択するかを知っている。
【0036】
マイクロ位置決め要素21は、磁石デバイス20の一部としてローカルユニット6内に組み込むことができる。理想位置からの僅かな変位をも検出できるように、特別に配列された磁石が好ましくは備えられる。ローカルユニット6とワークテーブル3の磁石20との間の正確な整列位置からの変位の検出を実行できるように、スペシャリストなら、そのような磁石(不図示)の適したタイプの選択を知っている。
【0037】
RFIDタグ10がローカルユニット6に固定されるなら、そのローカルユニットも中央送信機5にRF信号を送信できる。アンテナ16の使用により、ローカルユニット6は、このローカルユニット6のキャリア13上に位置する実験器具の物品15の複数の選択されたRFIDタグ10を個別にアドレスし、能動化できる。
【0038】
図4Aは、この発明による第1の通信図(1)を示す。この通信図(1)は、一般的な識別のために使用され、そのため、実験装置4のワークテーブル3上の対象物2を、キャリア13、実験器具の物品15およびサンプルのクラスに副分割する。中央送信機5は、第1の通信チャンネル(c1)を用いてRF信号を送信し、そして第2の通信チャンネル(c2)を用いてRF信号を受信できる。
【0039】
この発明に関連して、“通信チャンネル”の用語は、情報の送信および/または受信に対するいずれかの想像可能な手順によるいずれかの可能な経路を意味することを理解されるべきである。この発明に関連して、“通信チャンネル”の用語は、特定の無線周波、割り当てられた対のケーブル、特定の変調スキーム(例えばRF変調、振幅変調)、または特定の帯域幅を意味することを理解されるべきである。図4Aでは、2つの形態の通信チャンネルが示され、RF信号c1およびc2と、インターフェースを介し中央送信機5およびコンピュータ7間のをリンクするケーブル(終端を共に矢印を付記)とである。
【0040】
図4Bは、この発明による第2の通信図(2)を示す。その通信図(2)は、キャリア13、実験器具の物品15およびサンプルのような実験装置4のワークテーブル3上にある対象物2の個々の識別のために使用される。中央送信機5は、第2の通信チャンネルc2を用いてRF信号を送信し、そして第3の通信チャンネルc3を用いて信号を受信する能力を持つ。第3の通信チャンネルc3は、コンピュータ7を能動化ユニット9へリンクする第1の部分と、能動化ユニット9を少なくとも1つの送信要素22に接続する第2の部分(c3a)と、ローカルユニット6を少なくとも1つの実験器具の物品15にリンクする第3の部分(c3b)を備える。
【0041】
図4Bは、様々なタイプの通信チャンネルが示される。RF信号c2およびc3、能動化ユニット9と送信要素22間のケーブルによる双方向の信号、送信要素22を介した受信要素19の能動化、および、インターフェースを通じ中央送信機5をコンピュータ7にリンクするケーブル(両端に矢印を付記)である。更に、ローカルユニット6とそのアンテナ16との間の配線および、受信要素19と、ローカルユニット6のRFIDタグ10の間の配線が示される(図4の(t)を参照)。
【0042】
ローカルユニット6のRFIDタグ10は、第1の通信チャンネル(図4A参照)c1のRF信号を受信し、それらの信号を、第2の通信チャンネル対応するc2 RF信号に変換し、そして、第2の通信チャンネルのこれらのc2 RF信号を中央送信機5に送信するローカルの送信/受信の形態をとる。
【0043】
そのローカルユニット6も好ましくは、送信要素22を通じて電流が供給されるため、および、ローカルユニット6に固定されたRFIDタグ10でRF信号を発振するためにイネーブルにされる。ローカルユニット6はまた、送信要素22を通じてアクティブにされるために、および、アンテナ16を通じて、c3b信号を、キャリア13内で受信された実験器具の物品15に固定されたRFIDタグ10に送信するために、イネーブルにされる。このRFIDタグ10に関しては、c2 RF信号を中央送信機5に送信する能力を持つ。各RFIDタグ10は、受動のRFIDタグ10であってもよく、第1の通信チャンネル上のRF信号および第3の通信チャンネル上のc3b信号を受信すると共に、第2の通信チャンネル上のc2 RF信号を送信する。
【0044】
送信要素22、能動化ユニット9およびコンピュータ7の間で第3の通信チャンネルc3が、逆方向に使用されたなら、送信機要素22は、コンピュータ7により認識され得る。個々のローカルユニット6の受信要素19は、ワークテーブル3下で、かつ、格子ユニット12に合致して配列された送信エレメント22を通じて、個々にアドレス可能である。送信要素22については、これらは、能動化ユニット9を通じて個々に制御され、アクティブにされ得る。
【0045】
ワークテーブル3を構成できる方法にいくつかの好ましい変形がある。第1の変形は、アレーに整列し、かつ、格子11に対応するスルーホール24を有する金属カバー23を備える。各々の場合、スルーホール24に接近するプラグ25下に合致して送信要素が存在する。これは、各プラグ25の表面26がワークテーブル3の表面8と平坦にされる方法で実行される。
【0046】
ワークテーブル3の第2の変形は、表面8上にプラスチックの表面層27を備え、この費用面層27は、格子11に対応するアレー内に光学的に透明な部分28を表示する。各々の場合、送信要素22は、光学的に透明な部分28の下方で、かつ、それに合致して整列される。
【0047】
ワークテーブル3の第3の変形は、アルミカバー23を備える。送信要素22は、アルミカバーの下に配列される。送信要素22の各々は、電磁石送信機として装備され、アル
ミカバーは、送信要素22の磁場に対して透過できる。
【0048】
実験装置4またはシステム1のワークテーブル3上に整列された対象物2を識別するためのこの発明による好ましい手順の適用は、第1の組みの発生情報を得るのに役立ち、以下の手順のステップを備える。
a) 認識のための全ての対象物2は、好ましくは無線周波識別(RFID)タグが備えられる。ローカルユニット6も、第3の通信チャンネルc3a(図4Bを参照)を用いて、送信要素22/受信要素19の組み合わせを通じてアドレスされ得るので、ローカルニット6にRFIDタグ10を備えることは絶対的に必要ではない。しかしながら、サンプルチューブまたはマイクロプレートの形態り実験器具の各物品15に対しては、RFIDタグ10に適用されることが不可欠である。
【0049】
b) キャリア13は、ワークテーブル3の表面8上に設置される。これらのキャリア13は、すでに、ラック14を備えるか、または、実験器具の物品15を受け取るように設計されたラックが備えられてもよい。そのような実験器具の物品15は、場合によって、キャリア13またはラック14上に位置できる。キャリア13の位置決めは、全ての場合でローカルユニット6えるが、手動により、または、実験装置4のロボットにより達成できる。実験器具の物品15の位置決めは、手動により、または、実験装置4のロボットによる自動運転により達成できる。
【0050】
c) 一般の無線周波(RF)信号の放射のための命令は、コンピュータ7により、インターフェースを通じてコンピュータに接続された中央送信機5(図4Aの双方向の矢印を参照)に送出される。この命令は、オペレータにより、または、コンピュータプログラムに対応するプログラムステップにより開始される。
【0051】
d) 要求された一般のRF信号は、第1の通信チャンネルc1を用いて中央送信機5により送信される。この送信には第1の周波数のRF信号を用いるのが望ましい。
【0052】
e) ステップ(d)で送信された一般のRF信号は、対象物2に固定されたすべてのTFIDタグ10により受信される。少なくともすべての実験器具の物品15にそのようなRFIDタグ10が備えられるため、実験器具の物品15に固定されたすべてのこれらのRFIDタグ10は、この一般の信号の受信によりアクティブにされる。ローカルユニット6もRFIDタグ10に適合されるなら、これらのRFIDタグ10も一般の信号を受信し、そして、またアクティブにされる。そのRFIDタグ10は、好ましくは、第1の周波数のRF信号を受信するように設計される。
【0053】

f) ステップ(e)にてRFIDタグ10により受信されたRF信号は変換され、その変換されたRF信号はそのRFIDタグ10により中央送信機5に、第2の通信チャンネルc2(図4Aを参照)を用いて送信される。RFIDタグ10からのRF信号が例えば、第1の周波数と異なる波長の第2の周波数で送信されてもよいように、いずれかの可能なタイプの非干渉プロトコルを使用できる。採用されたRFIDタグ10のキャパシティによれば、中央送信機に送信されたRF信号は、RFIDタグ10の存在、それ故、ローカルユニット6または実験器具の物品15の存在を単に通信する単に簡単な品号を用いてもよい。しかしながら、RFIDタグ10が送信するたてめに使用されるなら、RF信号は、タグが固定されている対象物2のタイプに関するある情報を与えるようにイネーブルされるのが好ましい。問題にする実験器具の物品15内に含まれるサンプルまたは複数のサンプルのタイプおよび履歴についての補足情報を送信するのが特に好ましい。特に好ましくは、現在および未来の商業的に得られるRFIDタグ10のすべての特性を含み、これらの中で、書き換え可能なRFIDタグ10が特に好ましい。
【0054】
g) ステップ(f)にてRFIDタグ10により送信されたRF信号は、中央送信機5により受信される。
【0055】
H) 中央送信機5は、ステップ(g)で受信した信号をデジタルデータに変換する。その中央送信機5は、第1の周波数のRF信号を送信し、そして第2の周波数のRF信号を受信する能力を持つのが好ましい。
【0056】
i) 中央送信機5は、ステップ(h)で変換されたデジタルデータをコンピュータ7に送信する。
【0057】
J) コンピュータ7は、ステップ(i)で中央送信機5により送信されたデジタルデータを送信し、そして、それらを処理する。中央送信機5により伝えられた情報、つまり、RFIDタグ10を起源とする情報に基づき、そのコンピュータは、実験装置4のワークテーブル3上にあるRFIDタグ10または対象物2の個数を確立する。このカウント動作は、非干渉プロトコルが使用されるなら、実行はかなり容易である。そのような非干渉プロトコルは、例えば、RFIDタグ10から中央送信機5にRF信号を系列的に送信するか、または、デジタルデータを中央送信機5からコンピュータ7へ系列的に伝えることであってもよい。RFIDタグ10が追加的な情報を送信するなら、コンピュータ7は、ワークテーブル3上にあるすべての対象物2のリストをコンパイルする能力を持つ。この手順の最も好ましいバーションでは、コンピュータは、ワークテーブル上にある全ての対象物2および全てのサンプルのリストをも作成する。実験装置4のワークテーブル3上に位置する対象物2の識別および位置を決めるための好ましい手順の使用は、以下の方法ステップを備える。
【0058】
k) エネルギーを選択されたローカルユニット6へ供給する命令は、この発明に基づき、コンピュータ7により、システム1の能動化ユニット9に送出される。再度、この命令は、オペレータまたは、対応するコンピュータプログラムのプログラムステップにより開始されてもよい。その能動化ユニット9は、インターフェースを通じてコンピュータ7に接続され、そして、この目的のために、第3の通信チャンネルc3aが使用される。この第3の通信チャンネルc3aは、能動化ユニット9をワークテーブル3上の全ての送信要素22にリンクするケーブルの形態をとる。送信要素22と能動化ユニット9との間を個々にケーブル接続することにより、各送信要素22は、個々にエネルギーが供給され得る。しかしながら、送信要素22またはそれらの全てのいずれかの所望される選択が同時に実行されてもよい。
【0059】
i) この発明に基づく実験装置4のワークテーブル3のカバー下に整列された送信要素22を通じて選択されたローカルユニット6は、これらの送信要素22によりエネルギーが供給される。これは、例えば、電磁石コイルまたは光学要素の形態をとる送信要素22により可能にされる。
【0060】
m) ステップ(i)でアクティブにされたローカルユニット6は、一つ以上のアンテナ16を通じて、c3b RF信号を、ローカルユニット6のキャリア13内に受け取られた実験器具の物品15に固定されたRFIDタグ10に送信する。ローカルユニット6のキャリア13内に挿入された各サンプルチューブに対し、好ましくは、アンテナ16に接近し、現在送信しているRFIDタグ10のみがアクティブにされる。この理由のために、ローカルユニット6のアンテナ16が、系列的に励起された時、サンプルチューブの単一のRFIDタグ10の各々は、個々にアクティブにされる。ローカルユニット6の集積スイッチがアンテナ6の送信ポイントを知っているので、各RFIDタグ10は、サンプルチューブ内のそれの個々のサンプルと共に、識別でき、位置決めされるか、参照される。ローカルユニット6のキャリア上に位置するマイクロプレートに対しては、対応する等価の手順が採用され得る。これはまた、一つ以上のマイクロプレートがキャリア13上に位置するかを実施する。c3b RF信号は好ましくは第1の周波数のRF信号であり、中央送信機5りよの送信されたRF信号と同じ周波数である。
【0061】
n) 送信アンテナ16に接近する実験器具の物品15に固定されたRFIDタグ10は、対応するローカルユニット6のc3b RF信号を受信する。通常、タグの能動化のために設計された選択されたアンテナに接近した個々のRFIDタグ10は、このRFIDタグへの排他的なRF信号の送信を確実とするに十分であり、またこのキャリア13上にある他のRFIDタグ10のいずれもが、この信号送信を認識しない。個々のRFIDタグ10および/またはアンテナ16の追加的な仕切り(例えばアルミ箔片の使用による)は、受信の信頼性を更に増す。その結果、これらのRF信号の受信により、一つの特定のRFIDタグ10のみが選択され、そして、個々にアクティブにされる。このRFIDタグ10は、ステップ(m)で受信されたc3b RF信号を、第2の通信チャンネルのc2 RF信号に変換し、そして、それらを中央送信機5へ送信する。そのc2 RF信号は好ましくは、RFIDタグ10により送信されたRF信号の第2の周波数に対応する第2の周波数を示す。
【0062】
o) 中央送信機5は、ステップ(n)でRFIDタグ10により送信されたこれらのc2 RF信号を受信し、そして、これらのデータをデジタルデータにし、その後、コンピュータ7へ送信するこのデータを移動する。このデータ移動は、中央送信機5をインターフェースを介してコンピュータ7にリンクさせるケーブル接続で実行される。
【0063】
p) コンピュータ7は、ステップ(o)で受信したデジタルデータを解析し、そして、ワークテーブル3上にある実験器具の物品15のX/Yマップ座標を確立する。ワークテーブル3上のX/Y座標は、格子11の格子ユニット12上に位置するローカルユニット6の現在位置により決定される。個々のZ値(または高さの値)は、ローカルユニット上に位置する実験器具の物品15の現在位置のX/Y座標マップに好ましくは追加される。マイクロプレートのスタックを受け取る“ホテル”の形態をとるキャリア13が使用されるなら、各実験器具の物品15に対するZ値または各Z値は、好ましくは、同じ方法で、X/Y分布マップに記録される。そのようなZ値の取得を可能にするために、マイクロプレートを挿入できる各階に、または、Zレベルに、アンテナ16(および必要な箇所にスクリーン)が備えられる。これらのローカルユニット6の識別は、能動化ユニット9を通じて選択的にアドレスすることにより、能動化ユニット6といくつかまたは全てのローカルユニット6との間の系列的な通信により、通信チャンネル c3b(図4Bを参照)を用いて実行される。この方法の変形として、RFIDタグ10が中央送信機5に取り付けられるなら、ローカルユニット6は、中央送信機5によりアドレスされ得る。この場合、そのようなRFIDタグ10は好ましくは、ローカルユニット6のタイプについての情報を、タグが取り付けられる物にも送信できるように、設計されるべきである。
【0064】
位置または移動の変化についての情報を得る目的のために、実験装置4のワークテーブル3上に位置する対象物2の識別および位置決定に対するこの発明に基づく手順の使用は、上述したステップ(a)から(p)のいくつか、またはそのすべての繰り替えしを備える。
【0065】
実験装置4のワークテーブル3下に配列された送信要素22を用いた、選択されたローカルユニット6の能動化は、ワークテーブル3の表面8を通じてエネルギーを伝えることのできるいずれかのシステムで実行され獲る。そのようなエネルギー転送の好ましいシステムは、電気的インダクタンス、容量性結合または光学転送の使用を含む。
【0066】
同様に、実験器具の物品15に固定されたRFIDタグ10は、そのような実験器具の物品15により占有された個々の位置をターゲットにしてエネルギーを供給できるいずれかのシステムにより励起されてもよい。そのような好ましいエネルギー転送システムは、RF信号、電気的誘導、容量性結合または光(例えば可視または赤外光)の転送の使用を含む。光転送に対し特に好ましいものは、RFIDタグ内に集積化された、または、それに機能的に結合したフォトセルに合焦する赤外光の使用である。そのような光・電RFIDタグにエネルギーを転送して、高輝度のレーザダイオードまたは、個々の実験器具の物品に導く個々の光導体が、ローカルユニットをイネーブルできるように、各実験器具の物品15に対する1つの光学要素は、励起されるべきである。ローカルユニット6上に位置するいくつかの実験器具の物品15に対して光導体が使用されるなら、励起光の個々の光波長は、各光チャンネルに対して配置されるべきである。
【0067】
光エネルギー、特に合焦した赤外光の使用の利点は、励起されるべきでない実験器具の物品15に接近した物品のRF信号に対してより容易に十分に遮蔽することである。ローカルユニットおよび実験器具の物品15上のRFIDタグ10へのエネルギー転送の混合された変形方法は、電気的誘導により励起されるが、実験器具の物品15のRFIDタグ10は、光、好ましくは合焦した赤外光により励起される。
【0068】
この発明の実知れ低の形態に対する代替として、光(例えば可視または赤外光の形態)は、スイッチング用パルスをトリカーするためにも使用できる。実施形態のこの特別の形態では、エネルギー伝達は、電気的誘導またしRF信号により達成される。個々の光パルスは好ましくは、アクティブにされるためにRFIDタグに対して照射され、そして、そのRFIDタグにリンクした対応するセンサにより検出される。これは、共通のエネルギー源が確実にされ、そして、指定された一つ以上のRFIDタグを通じた個々の応答に拘わらず、複雑な遮蔽プロトコルを備える必要がないという利点を持つ。
【0069】
ローカルユニット6を、ワークテーブル3の表面8上にそれらの位置を保つために(但し、レール、ノッチ、くぼみまたはプラグのような手段を機械的に保つ手段を使用せずに)、磁気デバイス20(図2および3を参照)が採用される。このように、ラック14を備えたキャリア13も、ワークテーブル3上の位置に維持され得る。ローカルユニット6(これは、実験器具の物品15を受け取るために、キャリア13またはラック14を備えるように設計される)の正確な位置を決定するために、特別に設計された送信要素22および受信要素19をマイクロ位置決め要素21として使用できる。この目的のために、送信および受信要素は、ミリメータまたはそれ以下の大きさの空間上の差異を検出できるように選択される。そのような高い解像度は、光バリアまたは誘導システムの使用を通じてのみ達成できる。送信要素22および受信要素は、実験装置4のワークテーブル3上に合致して、一方が他方の上に配置された時、送信要素22および受信要素は、電場ラインの極めて狭い重なりのラップを示すように、その誘導システムは、従って、送信要素22および受信要素のためのコイルを備える。能動化ユニット9は、ローカルユニット6と通信した時、ローカルユニット6のエネルギー取り込みが大きく低下するという事実により、最も僅かな変位が検出された場合でも、誤った位置を容易に検出できる。
【0070】
そのようなマイクロ位置決め要素21は、送信要素22および受信要素19の部分を形成できる。これらは、磁気デバイス20の一部として、または、ローカルユニット6内で、かつ、ワークテーブル3の表面下方の他のシステムから隔てられた異なる構成で構成することもできる。各々の場合において、マイクロ位置決め要素21の正確な位置は、好ましくは格子11および格子ユニット12に関連して決定される。
【0071】
コンピュータ7に対応するソフトウエアが備えられるなら、コンピュータは、詳細な表面マップおよび対象物2(つまり、ローカルユニット6、キャリア13およびラック14および、同様な実験器具の物品15および実験装置4のワークテーブル3上に位置するサンプル)のリストを描く能力を持つ。そのような実験装置4は、単一の器具または、サンプル(人や動物の血液または他の体液のような)を扱い、または処理するためのより高いランキングの論理システム31であってもよい。そのようなより高いランキングのシステム31は、生体的または化学的なサンプルを処理、解析、扱い、移動および格納するために必要なすべての器具およびデバイスを備えることができる。コンピュータ7は、好ましくは、ワークテーブル3の表面8上の対象物2の識別および位置に関するすべてのデジタルデータを、そのようなより高いランキングの論理システムに供給または提供する能力を持つ。そのような実験装置4は、ワークテーブル3の個々のサンプルの現在位置および移動の表示を、所望されるサンプルの処理および解析のためのより高いランキングの論理システム内へ統合できる。与えられたワークステーションのいくつかの異なる動作または格納のゾーンまたは、異なるワークステーションさえも、例えば、プレート搬送ロボット(図2参照)または、コンベアベルトやレールシステムなどのような他のロボットによる移動デバイスのような一つ以上のロボットによるマニュピュレータ32と一体に結合され得る。
【0072】
参照シンボルは、説明されていなくても、すべての図面で対応する要素を示す。図面または説明で示されたすべての理にかなった文字は、この発明の一部を構成する。商業的に利用できる多様なRFIDタグは、完全なデータ格納機能の範囲、識別性、周波数範囲、大きさ、空間的な動作ゾーンおよび、非干渉プロトコルを含む通信プロトコルを示す。この発明は、そのようなRFIDタグを使用するが、そのRFIDタグは、しかしながら、この発明の一部を構成しない。この理由のために、この発明は、特定のタイプのRFIDシステムや一つのRFID解決に制限されない。
【0073】
励起のために特定の受取人をターゲットにできる、提示された限りのこの発明の実施形態での変形では、領域内のすべてのRFIDタグ10の同時の励起に対する設備も可能である。しかし、すべてのタグが応答を出力するのが防止されるために、特定の選択が電子的な妨害に供せられてもよい。干渉による負の選択は、妨害信号をより容易に発振でき、または容易に送信でき、かつ、ターゲットにされるものよりもより正確に励起が可能であるという利点を持つ。RFIDタグからのいずれかの可能な応答は、ターゲットされた妨害により抑制される。RFIDタグ10を識別するために、通信チャンネル、特にc3aおよびc3bを逆方向に使用することも可能である。スペシャリストに対しては、ここで述べたこの発明の特性の適切な結合もこの発明の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】実験装置のワークテーブルの平面図であり、の発明によるシステムが、第2の形態の実例に基づく第1および第2の格子の変形で具体化された図。
【図2】図1による実験装置のワークテーブルに対する垂直部分断面図。
【図3A】マイクロプレートキャリアとして具体化したローカルユニットに対する垂直部分断面図。
【図3B】サンプルチューブ用のラックとして具体化したローカルユニットに対する垂直部分断面図。
【図4A】この発明による第1の通信図。
【図4B】この発明による第2の通信図。
【符号の説明】
【0075】
1:システム
2:対象物
3:ワークテーブル
4:実験装置
5:中央送信機
6:ローカルユニット
7:コンピュータ
9:能動化ユニット
10:RFIDタグ
11:格子
12:格子ユニット
13:キャリア
14:ラック
15:実験器具の物品
23:金属カバー
24:スルーホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実験装置(4)のワークテーブル(3)上に位置できる対象物(2)を位置決めするか追跡するシステム(1)であり、
a) 無線周波(RF)信号を送受信し、受信したRF信号を変換し、そして、変換された信号をコンピュータ(7)に送信する能力を持つ中央送信機(5)と、
b) ワークテーブル(3)の表面(8)上に装着され、RF信号を送受信する能力を持つローカルユニット(6)と、
c) 位置決めされるか追跡されるべき、ローカルユニット(6)または、実験器具の物品(15)に取り付けられるべき無線周波識別(RFID)タグ(10)と、
d) ワークテーブル(3)と、実験装置(4)に結合でき、かつ、インターフェースを介して中央送信機(5)にリンクされるコンピュータ(7)とを備え、
コンピュータ(7)は、中央送信機(5)から受信した信号を処理し、そして、中央送信機(5)を通じ、選択されたRFIDタグ(10)をアドレスするために、中央送信機(5)と通信する能力を持つことを特徴とするシステム(1)。
【請求項2】
実験装置(4)のワークテーブル(3)上に位置できる対象物(2)を認識し、位置決めし、または追跡するシステム(1)であり、
a) 無線周波(RF)信号を送受信し、受信したRF信号を変換し、そして、変換された信号をコンピュータ(7)に送信する能力を持つ中央送信機(5)と、
b) ワークテーブル(3)の表面(8)上に装着され、かつ、能動化ユニット(9)からエネルギーを受信し、そして、多数の無線周波識別(RFID)タグ(10)をアドレスしてアクティブにする能力を持つ少なくとも1つのローカルユニット(6)と、
c) ローカルユニット(6)をアクティブにするために、少なくとも1つの能動化ユニット(9)および、表面(8)を格子ユニット(12)に分割するように設計された格子(11)を備える、実験装置(4)のワークテーブル(3)と、
d) 識別、位置決めまたはし追跡されるべき対象物(2)に取り付けられるRFID(10)タグと、
e) 実験装置(4)に接続され、そして、インターフェースを介し中央送信機(5)および能動化ユニット(9)に接続されたコンピュータ(7)とを備え、
中央送信機から受信した信号を処理し、そして、選択された能動化ユニット(9)をアドレスするために、前記コンピュータ(7)は、中央送信機(5)と通信する能力を持つことを特徴とするシステム(1)。
【請求項3】
ローカルユニット(6)は、中央送信機(5)または能動化ユニット(9)を通じた個々の選択のために設計される請求項2記載のシステム。
【請求項4】
ローカルユニット(6)はまた、RF信号を受信し、これらの信号を変換し、そしてRF信号を送信するように設計される請求項1から3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
ローカルユニット(6)は、光エネルギーまたはスイッチングパルスを実験器具の物品(15)に送信するための少なくとも1つの光送信要素を備える請求項1から3のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
実験装置(4)は、ロボットによるサンプルプロセッサ(RSP)である請求項1から5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
ローカルユニット6は、実験器具の物品(15)の受容のためのラック(14)を持つキャリア(13)内に組み込まれ、ラック(14)の各々は、ターゲットにされた励起および実験器具の物品(15)の識別のために少なくとも1つのアンテナ(16)を備える請求項1から6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
ローカルユニット(6)は、実験器具の物品(15)の受容のためのラック(14)を持つキャリア(13)内に組み込まれ、ラック(14)の各々は、ターゲットにされた励起および実験器具の物品(15)の識別のために少なくとも1つの光源を備える請求項1から6のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
キャリア(13)はまた、ワークテーブル(3)の表面(8)上のキャリア(13)の位置決めを制御するための位置決めデバイス(17)を備える請求項7または8に記載のシステム。
【請求項10】
位置決めデバイス(17)は、ローカルユニット(6)をアクティブにするための受信要素(19)および、キャリア(13)を所定位置に保持するための磁石デバイス(20)を備える請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
位置決めデバイス(17)は、ローカルユニット(6)を認識し、アクティブにするための受信要素(19)および、キャリア(13)を所定位置に保持するための磁石デバイス(20)を備える請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
位置決めデバイス(17)は、ローカルユニット(6)をアクティブにし、認識させ、そして、ローカルユニットと通信できるように適合された受信要素(19)および、キャリア(13)を所定位置に保持するための磁石デバイス(20)を備える請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
位置決めデバイス(17)は、キャリア(13)の正確な位置を取得するためにマイクロ位置決め要素(21)を備える請求項9から12のいずれかに記載のシステム。
【請求項14】
中央送信機(5)は、第1の通信チャンネル(c1)を用いてRF信号を送信するように、かつ、設計され、第2の通信チャンネル(c2)を用いてRF信号を受信するように設計された請求項1から13のいずれかに記載のシステム。
【請求項15】
ローカルユニット(6)は、第1の通信チャンネル(c1)のRF信号を受信し、それらを第2の通信チャンネル(c2)の対応するRF信号に変換し、そして、第2の通信チャンネル(c2)のRF信号を送信する能力を持つ請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
コンピュータ(7)は、第3の通信チャンネル(c3)を用いるように設計され、この第3の通信チャンネル(c3)は、コンピュータ(7)を能動化ユニット(9)にリンクする第1の部分を備え、能動化ユニット(9)を少なくとも1つの送信要素(22)にリンクする第2の部分(c3a)を備え、更に、ローカルユニット(6)を少なくとも1つの実験器具の物品(15)にリンクする第3の部分(c3b)を備える請求項1から15のいずれかに記載のシステム。
【請求項17】
ローカルユニット(6)は、送信要素(22)の能動化に対して、および、ローカルユニット(6)に取り付けられたRFIDタグ(10)でのRF信号の送信に対して設計される請求項16記載のシステム。
【請求項18】
ローカルユニット(6)は、送信要素(22)をアクティブにするように設計され、少なくとも1つのアンテナ(16)で(c3b) RF信号をRFIDタグ(10)に送信するために装備され、これらのRFIDタグ(10)は、キャリア(13)内に受け止められた実験器具の物品(15)に取り付けられ、かつ、(c2)RF信号を中央送信機(5)へ送信するように設計される請求項16記載のシステム。
【請求項19】
ローカルユニット(6)は、少なくとも1つの送信要素および、送信要素(22)をアクティブにするために、および、(c3b) 光信号をRFIDタグ(10)に送信するために一つの光源が備えられ、これらのRFIDタグ(10)は、受光するためのフォトセルを備え、キャリア(13)により受け止められた実験器具の物品(15)に取り付けられ、かつ、(c2)RF信号を中央送信機(5)へ送信するように設計される請求項16記載のシステム。
【請求項20】
送信要素(22)、能動化ユニット(9)およびコンピュータ(7)の間で第3の通信チャンネル(c3)が逆方向に使用されるなら、送信要素(22)は、コンピュータ(7)により認識されるように設計される請求項16記載のシステム。
【請求項21】
各RFIDタグ(10)は、第1の通信チャンネル(c1)または第の通信チャンネル(c3)が使用された時にRf信号を受信するように、かつ、第2の通信チャンネル(c2)を用いてRF信号を送信するように、受動RFIDタグとして設計される請求項1から15のいずれかに記載のシステム。
【請求項22】
各ローカルユニット(6)の受信要素(19)は、格子ユニット(12)に合致して、ワークテーブル(3)下に配置された送信要素(22)を通じて、個々にアドレス可能に設計され、送信要素(22)は、自身が個々にアドレス可能であり、そして、能動化ユニット(9)によりアクティブ可能であり、そして、電磁波を送信するよう設計される請求項10から21のいずれかに記載のシステム。
【請求項23】
ワークテーブル(3)は、格子(11)に対応した配列で配列されたスルーホール(24)を持つ金属カバー(23)を示し、そして、送信要素(22)の各々は、スルーホール(24)下に、かつ、プラグ(25)に合致して整列され、各プラグ(25)は、スルーホール(24)を閉じ、そして、金属カバー(23)の表面(8)と同一面であるプラグ表面(28)を呈す請求項22記載のシステム。
【請求項24】
ワークテーブル(3)は、その表面(8)上にプラスチック表面層(27)を示し、送信要素(22)は、このプラスチック層の直下に配列される請求項22記載のシステム。
【請求項25】
ワークテーブル(3)は、アルミカバー(23)を示し、すべての送信要素は、誘導性送信機として、このアルミカバー下に配置され、アルミカバーは、これらの誘導性送信要素(22)の磁場に透過性である請求項22記載のシステム。
【請求項26】
実験装置(4)のワークテーブル(3)上の対象物(2)を識別するための手順であり、
a) 識別のために、無線周波識別(RFID)タグ(10)を備えた対象物(2)を準備するステップと、
b) ローカルユニット(6)およびラック(14)を備え、ラック(14)内に実験器具の物品(15)を備えるかまたは備えなくてもよいキャリア(13)を、ワークテーブル(3)の表面(8)上に配置するステップと、
c) コンピュータ(7)による、一般の無線周波(RF)信号の送信のための命令を、インターフェースを介してコンピュータ(7)に接続された中央送信機(5)へ送信するステップと、
d) 第1の通信チャンネル(c1)を用いて中央送信機(5)で一般のRF信号を送信するステップと、
e) 対象物(2)上のRFIDタグ(10)により、ステップ(d)からの一般のRF信号を受信するステップと、
f) ステップ(e)で受信されたRF信号を変換し、その変換されたRF信号を第2の通信チャンネル(c2)を用いて送信するステップと、
g) ステップ(f)にてRFIDタグ(10)により送信されたRF信号を中央送信機(5)により受信するステップと、
h) ステップ(g)で受信されたRF信号を、中央送信機(5)により、デジタルデータに変換するステップと、
i) ステップ(h)にて変換されたデジタルデータを、中央送信機(5)からコンピュータ(7)へ送信するステップと、
j) ステップ(i)にて中央送信機(5)により送信されたデジタルデータを受信し、そして、それらのデータをコンピュータ(7)で処理するステップとを備える手順。
【請求項27】
ステップ(i)でのデジタルデータの処理は、ワークテーブル(3)上にある対象物(2)のリストをコンパイルできるように、その対象物の分類および計数を含む請求項26記載の手順。
【請求項28】
k) 選択されたローカルユニット(6)へエネルギーの送信のために、コンピュータ(7)からの命令を能動化ユニット(9)へ送信するステップと、
能動化ユニット(9)は、インターフェースを介してコンピュータ(7)に接続され、そして、第3の通信チャンネル(c3a)が採用され、
l) 選択されたローカルユニット(6)を、実験装置(4)のワークテーブル(3)の下に配置された送信要素(22)によりアクティブにするステップと、
m) 少なくとも1つのアンテナ(16)によって(c3b)RF信号を、または(c3b)光信号を、ステップ(l)でアクティブにされたローカルユニットにより、キャリア(13)内に受け止められた実験器具の物品(15)に取り付けられた少なくとも1つのRFIDタグ(10)に送信するステップと、
n) ステップ(m)で送信された(c3b)RF信号または光信号を受信し、そしてそれらの信号を、実験器具の物品に取り付けられた少なくとも一つのRFIDタグ(10)でもって第2の通信チャンネル(c2)のRF信号に変換し、そしてこれらの(c2)信号を中央送信機へ送信するステップと、
o) ステップ(n)にて、RFIDタグ(10)により送信された(c2)RF信号を中央送信機(5)により受信し、これらのRF信号をデジタルデータに変換し、そして、これらのデジタルデータをコンピュータ(7)へ送信するステップと、
p) ステップ(o)で得られたデジタルデータを解析し、そして、コンピュータ(7)により根錬る実験器具の物品(15)のX/YまたはX/Y/Zの分布マップを描くステップとを更に備える請求項26または27記載の手順。
【請求項29】
ローカルユニット(6)はRFIDタグ(10)を備える請求項28記載の手順。
【請求項30】
ステップ(m)で受信した第3の通信チャンネル(c3b)のRFまたは光の信号の受信および、それらの信号の第2の通信チャンネル(c2)のRF信号への変換は、実験器具の物品(15)のすべてのRFIDタグ(10)およびアクティブにされたローカルユニット(6)により達成される請求項28または29記載の手順。
【請求項31】
RFIDタグ(10)を担う対象物(2)の追跡のための手順ステップのいくつか、または全てが繰り替えされる請求項28から30のいずれかに記載の手順。
【請求項32】
選択されたローカルユニット(6)の能動化は、実験装置(4)のワークテーブル(3)下に配列された送信要素(22)により、電気的誘導または光の励起を採用して、達成される請求項28記載の手順。
【請求項33】
キャリア(13)を、ラック(14)に含まれた状態で、ワークテーブル表面(8)上に保持するために磁石デバイス(20)が使用される請求項26から32のいずれかに記載の手順。
【請求項34】
ワークテーブルの表面(8)上のキャリア(13)の正確な位置を確立するため、送信要素(22)および受信要素(19)が用いられるか、磁石デバイス(20)または個別の光デバイスが用いられる請求項33記載の手順。
【請求項35】
ワークテーブルの表面(8)上の対象物(2)の位置に対応したデジタルデータは、より高いランキングの論理システムに適用可能である少なくとも請求項26から34に基づく手順の請求項1から請求項25の少なくとも1つに基づくシステムの製品。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【公表番号】特表2007−532867(P2007−532867A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506633(P2007−506633)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【国際出願番号】PCT/CH2005/000183
【国際公開番号】WO2005/098455
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(501442699)テカン・トレーディング・アクチェンゲゼルシャフト (26)
【氏名又は名称原語表記】TECAN Trading AG
【Fターム(参考)】