説明

室内用集塵装置およびこの装置を機能させるためのプログラム

【課題】集塵装置で気流によって塵埃を集める構成において、床面に落下した塵埃の集塵が困難であったが、送風手段と集塵手段および自動移動手段の連携した動作により室内全体に循環する集塵気流を生成すると共に、床面に落下した塵埃を自動移動手段の移動により巻き上げ、かつ自動移動手段の位置情報に応じて集塵気流を生成し、この集塵気流に乗せて効率よく集塵できる集塵装置を提供することを目的とする。
【解決手段】室内に設置され風向及び風量を変化させ前記室内に気流を発生させる送風手段7と、吸引により塵埃を回収すると共に排気によって室内に気流を発生させる集塵手段8と、送風手段7及び集塵手段8の連携制御した送風動作と、室内を移動しながら床上の塵埃を舞い上げ、位置情報を集塵手段8に送信する自動移動手段21により床面に落下した塵埃も室内に循環形成させた集塵気流10に乗せて効率よく集塵することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内に気流を発生させ塵埃を自動的に集塵する室内用集塵装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の室内用集塵装置としては、例えば、送風手段と、上方に向かう排気口を有する集塵手段が室内の隅に置かれ、排気口からの排気風によって室内を循環する集塵気流を発生させ、塵埃を集塵手段に集めているものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図17は、上記特許文献1に記載された従来の室内用集塵装置を設置した室内空間を側方から見た側面図を示すもので、同図において、従来の室内用集塵装置1は、送風装置2を有しており、前面には吸気口3が設けられ、上方には排気口4が設けられている。室内用集塵装置1は、室内の隅に置かれており、排気口4から排気された空気は、室内を循環する集塵気流5を発生させる。集塵気流5は、室内の壁面に沿って上方に流れた後に天井に沿って流れ、さらに室内用集塵装置1と対向する壁面に沿って流れ、そして床面に沿って流れて吸気口3へと吸気される。この集塵気流5によって塵埃が室内用集塵装置1へと集められる。
【0004】
また、送風装置を有し切り替え可能な吸気口及び排気口を複数有する室内用集塵装置を室内に複数配置し、同期運転させることで集塵性能を高めるようにしたものもあった(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
図18は、前記特許文献2に記載された従来の他の室内用集塵装置1を室内に設置した室内空間を側方から見た側面図(下側が床面で上側が天井面)を示すものである。
【0006】
図18において、室内には複数の室内用集塵装置1が設置され、各々の室内用集塵装置1は、送風装置2を有している。また室内用集塵装置1は、床面から天井に至る高さを有しており、床面付近に吸気口3Bと排気口4Bを、天井付近に吸気口3Aと排気口4Aをそれぞれ有している。天井付近の吸気口3Aから吸気が行われると床面付近の排気口4Bから排気が行われ、逆に床面付近の吸気口3Bから吸気が行われると天井付近の排気口4Aから排気が行われる。ある室内用集塵装置1の床面付近の排気口4Bから排気を行い、他の室内用集塵装置1の床面付近の吸気口3Bから吸気を行うことで床面付近に強い集塵気流5が発生する。また吸気口3A、3Bと排気口4A、4Bを逆に切り替えることで最初の動作では集塵気流5が届かなかった家具などの陰にも集塵気流5が届きさらに塵埃を集めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭62−102839号公報
【特許文献2】特開2003−79540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記特許文献2で示された従来の室内用集塵装置1の構成では、送風装置2によって室内の上方に強制排気し、室内用集塵装置1による吸排気により、室内に形成される気流はおもに室内用集塵装置1の排気口4、4A、4B、吸気口3、3A、3B付近を流れ、天井や、室内用集塵装置1と対向する壁、床面などを流れる気流は弱く、室
内全体を流れる集塵気流が形成されにくいという課題を有していた。これは例えば送風装置を大型の物にすれば可能となるが、室内用集塵装置自体の大型化や、製造コストが高くなり現実的ではない。
【0009】
また、浮遊し空間を漂っている塵埃は、集塵気流に乗せて集塵が可能でも、集塵気流から外れ床面に落下した塵埃は、再度集塵気流に乗せることが難しく、このような塵埃の集塵は困難であった。さらに、部屋の隅、家具の配置により発生する隅部などに堆積した塵埃は、前記集塵気流に乗りにくく、このような箇所の塵埃の集塵が困難であるという課題を有していた。
【0010】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、塵埃を集めるのに適した集塵気流を室内全体に形成し、床に落下した塵埃も、集塵気流に乗せて効率よく集塵できる室内用集塵装置及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記従来の課題を解決するために、本発明の室内用集塵装置は、室内を移動する自動移動手段が、前記送風手段ならびに前記集塵手段と連携制御されて移動し、床上の塵埃を舞い上げ、自動移動手段の位置情報を基に自動移動手段の方向に集塵気流を流れるよう送風手段と、集塵手段が連携した送風動作を行い、前記送風手段および前記集塵手段により生成した集塵気流で塵埃を集塵するようにとしたものである。
【0012】
また、本発明のプログラムは、請求項1〜7のいずれか1項に記載の室内用集塵装置の機能或いは手段の少なくとも一部をコンピュータに実行させるためのもので、マイコンなどを用いて本発明の室内用集塵装置の一部あるいは全てを容易に実現することができ、経年変化等の特性の変化や動作を実現するための設定条件や定数の変更が柔軟に対応できる。また記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布が簡単に出来る。
【発明の効果】
【0013】
本発明の集塵装置は、床面に落下した塵埃を室内を自動で移動する自動移動手段により舞上げ、送風手段と、集塵手段が連携した送風動作を行い自動移動手段の位置情報を基に自動移動手段の方向に集塵気流を流すことで、自動移動手段により舞い上げられた塵埃を集塵気流に乗せ、集塵することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1における室内用集塵装置を設けた室内の斜視図
【図2】同、室内用集塵装置のブロック図
【図3】本発明の実施の形態1における自動移動手段のブロック図
【図4】同、自動移動手段の障害物検知手段の詳細構成説明図
【図5】同、室内用集塵装置の自動移動手段の動作フローチャート
【図6】同、室内用集塵装置の動作フローチャート
【図7】同、室内用集塵装置を設けた室内を示す斜視図
【図8】同、室内用集塵装置の自動移動手段の地図を示す説明図
【図9】(a)同、自動移動手段が前方に壁を検知し停止した状態(右側に壁がある場合)を示す図、(b)同、自動移動手段が前方に壁を検知し停止した状態(右側に壁が無い場合)を示す図
【図10】同、室内用集塵装置の自動移動手段のブロック図
【図11】同、室内用集塵装置を設けた室内の斜視図
【図12】同、室内用集塵装置の自動移動手段の動作フローチャート
【図13】同、室内用集塵装置の動作フローチャート
【図14】本発明の実施の形態3における室内用集塵装置の自動移動手段のブロック図
【図15】同、室内用集塵装置の自動移動手段の動作フローチャート
【図16】同、室内用集塵装置の動作フローチャート
【図17】従来の室内用集塵装置を設置した室内空間を側方から見た側面図
【図18】従来の他の室内用集塵装置を設置した室内空間を側方から見た側面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
第1の発明は、室内に設置され風向及び風量を変化させ前記室内に気流を発生させる送風手段と、吸引により前記室内の気流に乗って移動する塵埃を回収すると共に排気によって室内に気流を発生させる集塵手段と、前記送風手段ならびに前記集塵手段と連携制御され床上の塵埃を舞い上げながら室内を移動し前記送風手段ならびに前記集塵手段に自己位置を送信する自動移動手段とを備え、前記送風手段及び前記集塵手段が互いに連携制御し風向及び風量を変化させることで、それぞれの気流から集塵気流を生成すると共に集塵気流を前記自動移動手段方向に流し、床面から舞上げられた塵埃を前記集塵気流に乗せて前記集塵手段で集塵することにより、室内に浮遊する塵埃と共に、床面上の塵埃も効率よく集塵手段で集塵することができる。
【0016】
第2の発明は、第1の発明の自動移動手段は一定の移動動作を完了毎に自己位置を送信することにより、前記自動移動手段が床面を移動し床上の塵埃が舞い上げられ、一定動作の終了毎、自動移動手段が停止している状態で、自動移動手段が影響することなく、これらの舞上げた塵埃を前記送風手段および前記集塵手段により生成した集塵気流に乗せて集塵手段で集塵することができる。
【0017】
第3の発明は、第1又は第2の発明の自動移動手段は所定の動作時間毎に自己位置を送信することにより、自動移動手段が所定の動作時間で巻き上げた塵埃を落下するより以前に、より確実に前記送風手段および前記集塵手段により生成した集塵気流に乗せて集塵手段で集塵することができる。
【0018】
第4の発明は、特に第1の発明の前記送風手段は熱量の変化を検知する熱量変化検知手段を有し、また前記自動移動手段は発熱手段を有し、発熱手段より発熱を行うことで自己位置を伝達することにより、前記送風手段が簡単な構成で前記自動移動手段の自己位置を検知でき、自動移動手段の舞上げた塵埃を前記送風手段および前記集塵手段により生成した集塵気流に乗せて集塵することができる。
【0019】
第5の発明は、特に第4の発明の前記自動移動手段は塵埃を集塵する清掃手段を有し、前記発熱手段は前記自動移動手段の清掃手段を構成する電動機とすることにより、前記電動機の発熱(排気)を検知することで、容易に前記送風手段が前記自動移動手段の自己位置を検知でき、自動移動手段の舞上げた塵埃を前記送風手段および前記集塵手段により生成した集塵気流に乗せて集塵することができる。
【0020】
第6の発明は、特に第5の発明の自動移動手段は、集塵した塵埃の量を検知する塵埃検知手段を有し、前記塵埃検知手段が検知した塵埃の量が所定量以上のときに自己位置を伝達することにより、塵埃の多い領域で前記自動移動手段の舞上げた塵埃を前記送風手段および前記集塵手段により生成した集塵気流を自動移動手段の方向に流すことで、舞上げた塵埃を効率よく集塵気流に乗せて集塵することが出来る。
【0021】
第7の発明は、第6の発明の前記自動移動手段は、床上の塵埃を舞上げる舞上げ手段を有し、前記塵埃検知手段が検知した塵埃の量が所定量以上のときに舞上げ手段による舞上げ量を増加させることにより、塵埃の多い領域で効率よく床面上の塵埃を巻き上げて前記
送風手段および前記集塵手段により生成した集塵気流に乗せて集塵手段で集塵することができる。
【0022】
第8の発明は、特に第1から第7のいずれか1つの発明の室内用集塵装置の手段の全てもしくは一部としてコンピュータに機能させるためのプログラムとすることにより、マイコンなどを用いて本発明の室内用集塵装置の一部あるいは全てを容易に実現することができ、経年変化等の特性の変化や動作を実現するための設定条件や定数の変更が柔軟に対応できる。また記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布が簡単に出来る。
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。尚、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0024】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における室内用集塵装置について図1〜9を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における室内用集塵装置を設けた室内の斜視図を示すものである。
図1において、本実施の形態における室内用集塵装置は、部屋の天井付近に設けられた複数の送風手段7a、7b(送風手段7aは、部屋の手前の壁面50の上方に設置されている)と、部屋の床面付近の一角に設けた集塵手段8と、後述の自動移動手段21から構成されている。
【0025】
集塵手段8は制御部9と一体に構成され、塵埃を検知する塵埃検知手段8aを内蔵している。塵埃検知手段8aは実際にはクリーンルーム等で、使用されるパーティクルカウンタのようにレーザー光を照射し、塵埃による散乱光のレベルを認識することで吸気した空気内の塵埃の量を検知している。
【0026】
制御部9は塵埃検知手段8aの出力を基に集塵手段8の制御と後述する赤外による通信によって送風手段7a、7bの制御を行っている。図2に本発明の実施の形態1の室内用集塵装置の送風手段7と集塵手段8のブロック図を示す。
【0027】
図2に示すように、集塵手段8は塵埃検知手段8aと、第1赤外通信部82と、制御部9、第1送風部83、集塵フィルタ84、吸気ガイド85、排気ガイド86、方向制御部87を備え、制御部9は塵埃検知手段8aの出力を基に第1送風部83を制御し、集塵手段8の外部から、集塵フィルタ84、吸気ガイド85を通じて吸気が行われる。この際、集塵フィルタ84により塵埃が集塵される。さらに、吸気され集塵フィルタ84により塵埃が濾過された空気は方向制御部87、排気ガイド86を通じて室内へ排出される。
【0028】
方向制御部87はいわゆるルーバーの形状でその傾斜角を制御部9の指示により変更し排気風の方向を変更するものである。また、制御部9は第1赤外通信部82を通じて、赤外光により送風手段7a、7bに制御信号を送信する。送風手段7a、7bのそれぞれは、第2赤外通信部71と、送風制御部72と、第2送風部73を備え、送風制御部72は制御部9からの制御信号を第2赤外通信部71を通じて受信し、制御信号に応じて第2送風部73を制御し、第2送風部73の発生する風の風量、風向を変更するものである。(風量、風向の変更の詳細は図示せず)。
【0029】
また、室内には本体を走行させる走行手段27を備え部屋内を自律移動しながら清掃を行う自動移動手段21が設けられている。図3に自動移動手段21のブロック図を示す。
【0030】
図3に示すように、自動移動手段21は、障害物の有無及び距離を検知する障害物検知
手段22と、ジャイロセンサー等で構成され、本体21aの回転角度、及び本体21aの移動方向を検知する方向検知手段23と、駆動輪29の径とその回転数より自動移動手段21の移動距離を検知する距離認識手段24と、駆動輪29を駆動し従輪30とともに自動移動手段21を走行させる走行手段27と、前記方向検知手段23の方向出力と前記距離認識手段24の距離出力より自動移動手段21の位置を算出し、かつ自動移動手段21の移動軌跡を記録する位置認識手段26と、自動移動手段21の前方に設置され障害物との接触を検知する緩衝手段28と、通電時からの経過時間などの時間を計時する計時手段32と、使用者が自動移動手段21の起動及び停止または各種設定の変更等の指示を入力する設定入力手段31と、前記障害物検知手段22、方向検知手段23、距離認識手段24、位置認識手段26、緩衝手段28、設定入力手段31、計時手段32の出力を受けて前記走行手段27を制御する移動制御部25とを備えている。
【0031】
また、方向検知手段23は、角速度に比例した信号を出力するジャイロセンサー(図示せず)と、このジャイロセンサーの出力信号を積分し、角度に変換する回路(図示せず)により構成されている。
【0032】
また、自動移動手段21は、赤外光伝達部(図示せず)を備え、前記送風手段7a、7bと、集塵手段8と赤外光を用いて自動移動手段21の位置情報および制御信号のやりとりを行う。さらに本体21aの下部に水平方向を軸として回転する回転ブラシ33を有し、ブラシの先は床面に接触しており回転ブラシ33が図3の矢印方向に回転する事で床面の堆積している塵埃を舞上げるようになっている。以上のように本実施の形態では、回転ブラシにより床面の塵埃の舞上げ手段(図示せず)を構成している。
【0033】
図4は障害物検知手段22の自動移動手段の本体21aに対する詳細構成を説明する図である。図4に示すように自動移動手段の本体21a前方には超音波を送信する送信側超音波センサ22a、22b、障害物で反射した超音波の反射波を受信する受信側超音波センサ22dが配置され、さらに本体右側面には赤外線で障害物までの距離を測定する光測距センサ22f、22gが配置されており、θcは受信側超音波センサ22dの検知範囲を示している。これら送信側超音波センサ22a、22b、受信側超音波センサ22d、光測距センサ22fで障害物検知手段22を構成している。
【0034】
また、前記位置認識手段26は地図座標上に方向検知手段23により検知した自動移動手段の本体21aの回転角度(移動方向)と、距離認識手段24により検知される本体21aの移動距離により算出した本体21aの位置情報を随時記録し、本体の移動軌跡を記録する図8に示すような2次元の地図を有している。これにより、その移動軌跡が図8に示すような2次元の地図座標上に記憶されていく。図8における座標は、X,Y軸それぞれ左、上方向の移動で座標が増えていくように定義し、1座標は自動移動手段21の幅とほぼ同じ大きさ(例えば30cm)としている。
【0035】
本実施の形態では、図8に示す移動領域内の最上部のY座標値をpとおいて、以下の説明で用いるものとする。また、図1との対応は図1における自動移動手段21付近の部屋の右端隅をP0地点とし、集塵手段8が設置されている部屋の隅を図8におけるP2地点、部屋の左下隅(集塵手段8の置かれている隅の対角の位置)の場所が図8におけるP1地点になる。また、部屋内のタンス等の家具の配置情報も予め入力されている。さらに図8に示すように点線S−Sにより分けられる領域で点線S−Sの上側をゾーンA、下側をゾーンBとして認識している。また、図7に室内の斜視図を示す。図7に示すように図8の地図の点線S−Sにより分けられた領域ゾーンA、ゾーンBは、図7の一点鎖線L−Lにより分けられた領域ゾーンA、ゾーンBとなる。
【0036】
以上のように構成された本実施の形態における室内用集塵装置について、以下その動作
、作用を説明する。
【0037】
図5は、本実施の形態における室内用集塵装置の自動移動手段21の動作フロー、図6は、同室内用集塵装置の動作フローを示したものである。
図5を用いて自動移動手段21の動作について説明を行う。
【0038】
まず使用者から集塵手段8の図示していない入力設定部より動作モードが選択され、動作が開始される。動作モードは集塵手段8単独で通常の浮遊塵埃を集塵するモードや、自動移動手段21単独で床の上の集塵を行うモード、さらに集塵手段8と自動移動手段21が連携して塵埃集塵する動作モードが有る。すなわち、使用者により集塵手段8の入力設定部より集塵手段8と自動移動手段21の連携動作モードで動作を選択、起動されると集塵手段8の制御部9は第1赤外通信部82を通じて、自動移動手段21を起動し、自動移動手段21が室内の移動を開始する。
【0039】
自動移動手段21は起動後、回転ブラシ33を回転させ床面に堆積した塵埃を巻き上げながら、前進を開始し(ステップ10)、自動移動手段21前方に障害物検知手段22で障害物を所定距離以内(例えば10cm)に検知すると(ステップ11)、移動制御部25は走行手段27を制御し自動移動手段21を停止させ、ランダムな角度回転(例えば左90度)(ステップ12)を行う。このとき、移動制御部25は方向検知手段23の方向出力で本体21aの回転角を監視しながら、走行手段27により左右の駆動輪29を逆回転(例えば、左側の駆動輪29を後退、右側の駆動輪29を前進)させることで本体21aの左(反時計方向)90度回転を行う。回転終了後、部屋の大きさなどから予め設定された時間経過していなければ(ステップ13)、再度前進を開始し、自動移動手段21の前方に再度、障害物検知手段22で障害物を検知するまで直進を続ける。以降この動作を繰り返しながら、ステップ13で予め設定された時間だけ移動を行う。
【0040】
また、自動移動手段21の移動制御部25は赤外光伝達部を通じて位置認識手段26が認識する自動移動手段の本体21aの部屋における位置情報を送信する。これは図8に示すように自動移動手段21の位置から部屋のゾーンA、ゾーンBのどちらに位置するかを送信している。自動移動手段の本体21aは図5のステップ11及びステップ12で自動移動手段21の前方に障害物検知手段22で障害物を所定距離以内(例えば10cm)に検知し、停止する度に自己の位置情報を送信する。
そして集塵手段8の制御部9は、この自動移動手段21からの位置情報を第1赤外通信部82を通じて受信している。
【0041】
次に、室内用集塵装置の動作を、図6に基づいて説明する。
前記制御部9は前述のように第1赤外通信部82を通じて受信した自動移動手段21の位置情報(ゾーンA、もしくはゾーンB)を判断し(ステップ1)、位置情報がゾーンAであれば第1赤外通信部82を通じて、送風手段7aにゾーンAに対応した制御信号を送信すると共にゾーンAに対応した第1送風部83の動作を開始し、集塵手段8の外部空気の吸気が行われる。さらに送風手段7aの送風制御部72が制御部9からの制御信号を第2通信部71を通じて受信し、第2送風部73を制御し第2送風部73からゾーンAに対応した送風を開始する(ステップ2)。送風手段7bにおいても同様に制御部9からの指示によりゾーンAに対応した送風を開始する。
【0042】
ここで集塵気流10a、10bと送風手段7a、7bの設置位置と風向について説明を行う。
集塵気流10a、10bは、集塵手段8から部屋上方に排気された風が天井にあたり、その後天井に沿って部屋の集塵手段8と対向する壁に流れ、そこで壁にあたり床に向かって下降し、その後、床に沿って集塵手段8へ向かう室内を循環する流れとなる。
【0043】
送風手段7aは前記集塵気流10a、10bの天井を沿って流れるのを補助するように、部屋の壁面50の天井付近に設置され、図1の奥側から手前に向けて送風している。また送風手段7bは集塵手段8の排気風が室内全体に広がると共に、自身の送風が壁面50に当たり、壁面50に沿って床に向かって下降し、その後、床に沿って集塵手段8へ向かうように図1の集塵手段8の右側(壁面50方向)に向けて送風している。
【0044】
室内を循環する集塵気流10a、10bは集塵手段8の排気風量、風向及び送風手段7a、7bの送風風量、風向により、その流れが変化する。そのため制御部9は集塵気流10a、10bが隈無く、室内全体を流れるように集塵手段8の排気風量、風向及び送風手段7a、7bの送風風量、風向を複数のパターンで自動移動手段21の位置(位置情報)に応じて切り替えながら制御している。
【0045】
例えば自動移動手段21の位置が部屋のゾーンAであれば、集塵手段8の排気風量大、風向を真上、送風手段7aの風量小、風向を壁面50に平行、送風手段7bの風量小、風向を壁面50方向(これらの動作条件をパターンAとする。)とすると、図1の部屋の左側(図8の上側、ゾーンA)を流れる集塵気流10aが主になる。また、集塵手段8の排気風量大、風向を略右(壁面50方向)、送風手段7aの風量大、風向を壁面50に平行、送風手段7bの風量大、風向を壁面50方向(パターンB)とすると、図1の部屋のセンターより右側(図8の下側、ゾーンB)を流れる集塵気流10bが主になる。
【0046】
これらの送風パターンは送風手段7a、7bの設置した場所に於いて、送風手段7a、7bの発生する気流と集塵手段8の気流とが、互いに弱め合ったり、打ち消し合わないでかつ集塵気流10a、10bが室内の全体を流れる様に部屋の大きさ、家具のレイアウト情報により予め設定されている。
それにより制御部9によるこれらの集塵手段8、送風手段7a、7bの送風制御により室内の領域に応じて部屋を循環する気流が形成されることになる。
【0047】
次に、図6の動作フローの説明に戻り、前記制御部9は前述のように第1赤外通信部82を通じて受信した自動移動手段の本体21aの位置情報がゾーンAでない場合(従ってこの場合、ゾーンB)、制御部9は集塵手段8の排気風量、風向及び送風手段7a、7bの送風風量、風向をゾーンBに対応した設定に変更する(ステップ3)。そして、所定の時間(例えば1分)が経過したら(ステップ4)、制御部9は、自動移動手段21の動作が終了しているか否かを判定し(ステップ5)、自動移動手段21の動作が終了している場合は送風手段7a、7bと集塵手段8を停止させる(ステップ6)。自動移動手段21の動作が終了していない場合はステップ1に戻り、自動移動手段21の位置情報(ゾーンA、もしくはゾーンB)の判断を行い、ステップ1〜ステップ5までの動作を、自動移動手段21の動作の終了まで繰り返す。
【0048】
つまり、自動移動手段の本体21aの位置が部屋の領域ゾーンAに有るときは、自動移動手段21により舞上げられた塵埃を集塵するため、ゾーンAを流れるような集塵気流10aを流し、自動移動手段の本体21aの位置が部屋の領域ゾーンBに有るときは、自動移動手段21により舞上げられた塵埃を集塵するため、ゾーンBを流れるような集塵気流10bを流すことで、自動移動手段21により舞上げられた塵埃を効率よく集塵出来るようにしている。
【0049】
次に障害物検知手段22で自動移動手段21が部屋の隅部に位置することを検知した際の動作を説明する。
図9に自動移動手段21が前方に壁を検知し停止した状態を示す。図9(a)は自動移動手段21の右側面に壁が存在し、光測距センサ2fにより右側面の壁までの距離Dfが測
定できる。この測定した右側面の距離が所定距離内(例えば20cm)にある場合、自動移動手段21は図9(a)に示すように本体21aの前方とその右側面両方に壁が存在する部屋の隅や家具配置による隅部に位置していると判断し、自動移動手段21の方向転換動作(図5のステップ12)の回転時の速度を遅くして、その位置における舞上げ手段(回転ブラシ33)の動作時間を延長する。
【0050】
一方、自動移動手段の本体21aが前方に壁を検知し停止した状態で図9(b)に示すように光測距センサ2fで右側面に壁を検知できない場合(距離Dfが所定距離20cm以上)、自動移動手段の本体21aの右側面に壁が存在しないと判断し、方向転換動作(図5のステップ12)の回転時の速度は通常で舞上げ手段(回転ブラシ33)の動作時間は延長しない。
つまり、自動移動手段の本体21aは前方とその右側面両方に壁が存在する部屋の隅や家具配置による隅部においてはその場所における舞上げ手段(回転ブラシ33)の動作時間を延長し、塵埃の舞上げ量を増加させる。
【0051】
以上のように、本実施の形態においては、自動移動手段21が部屋の床面を移動し、塵埃を舞上げ、かつ、自動移動手段21の位置情報を基に集塵気流10a、10bを生成することで舞上げた塵埃を集塵気流10a、10bに乗せ、塵埃を集塵手段8で効率よく集塵することが出来る。
【0052】
また、部屋の隅や家具配置による隅部においてはその場所における舞上げ手段(回転ブラシ33)の動作時間を延長して、塵埃の舞い上げ量を増加させ床面に落下した塵埃を集塵気流10a、10bに乗せ、集塵手段8へ効率よく集塵することが出来る。
【0053】
尚、本実施の形態において2台の送風手段7a、7bと、1台の集塵手段8で構成したが、設置場所も含め上記実施の形態そのものの構成に限られるものではない。
【0054】
さらに自動移動手段の本体21aは前方に障害物を所定距離以内(例えば10cm)に検知し、停止する度に自己の位置情報を送信するとしたが、所定動作時間毎(例えば30秒)に自己の位置情報を送信しても、同様に自動移動手段21の移動により、集塵気流10a、10bに乗れずに床面に落下した塵埃も、再度、集塵気流10a、10bに乗せて、塵埃を集塵手段8で効率よく集塵することが出来る。
【0055】
また、回転ブラシ33の回転軸を水平方向を軸として回転するとしたが、本体21aの構成や舞い上げの対象とする塵埃に応じて適宜選定でき、左右又は上下方向のどちらかに傾斜させ回転ブラシ33を床面に接触させるようにしても良い。さらに自動移動手段21は前方と、その右側面両方に壁が存在する部屋の隅や家具配置による隅部において方向転換動作の回転速度を遅くして、その場所における舞上げ手段(回転ブラシ33)の動作時間を延長するとしたが、停止時間を延長して舞上げ手段の舞い上げ効果を向上するようにしても良い。
【0056】
また、障害物検知手段22は、超音波センサと光測距センサを使用するとしたが撮像手段を用いて壁や家具の判断を行っても構わない。また、一般家庭において多く設置されている空調機(エアコン)を赤外光などを用いて集塵手段8と連携させ、送風手段として構成しても構わない。
【0057】
また、本実施の形態における室内用集塵装置では、ある2つのパターンの集塵気流10a、10bのみを形成する構成としたが、部屋の領域をさらに細かく分け、それに応じた送風手段7a、7b、集塵手段8の風量及び風向を調整し、細かく分けた領域を流れ室内を循環する流れに変更し集塵の効率を高める構成としてもかまわない。
【0058】
さらに、上記実施の形態においては、制御信号の送受信を赤外光で行う構成としたが、この構成に限定するものではなく、赤外光の代わりに電波を使用した無線通信を用いても同様の効果が得られるものである。
【0059】
(実施の形態2)
図10は、本発明の実施の形態2における室内用集塵装置の自動移動手段21のブロック図である。図10において、本体21aの上部に発熱により自己位置を伝達する発熱手段34が設けられている。他の各部については実施の形態1と同じであるので説明は省略する。さらに、図11に本発明の実施の形態2における室内用集塵装置を設けた室内の斜視図を示すものである。
【0060】
図11において、本実施の形態における室内用集塵装置は、部屋の天井付近に設けられた複数の送風手段7a、7bのうち、7bに自動移動手段21の発熱手段34からの発熱を検知する熱量変化検知部11を備えたもので、他の各部については、上記実施の形態1と同じであるので説明は省略する。熱量変化検知部11は実際には熱源から発せられる赤外線を検知するサーモパイル素子を縦横にアレイ状(例えば、縦6素子×横6素子)にならべたサーモパイルアレイで構成され、室内下方を向けて配置されている。
これにより熱量変化検知部11はその取り付け位置(送風手段7b)から部屋を2次元に見渡した状態で、発熱し熱量の変化した部位の場所を検知することが出来るものである。
【0061】
以上のように構成された集塵装置について、以下その動作、作用を説明する。
図12は本実施の形態における室内集塵装置の自動移動手段の動作フロー、図13は、同室内用集塵装置の動作フローを示したものである。
尚、実施の形態1と同様の動作には同じステップ番号を用いる。
また、自動移動手段21の発熱手段34の動作が、実施の形態1と異なるのでその異なる動作部分のみ図12のフローを用いて説明を行う。
【0062】
まず、室内用集塵装置の集塵手段8を起動すると、制御部9は第1赤外通信部82を通じて、自動移動手段21を起動し、自動移動手段21が室内の移動を開始する。
自動移動手段21は起動後、移動制御部25により発熱手段34から発熱を開始する(ステップ14)。そして同時に、移動制御部25は回転ブラシ33を回転させ床面に堆積した塵埃を巻き上げながら、前進を開始する(ステップ10)。以降の動作は実施の形態1と同様であるので説明は省略する。
【0063】
また、送風手段7bは熱量変化検知部11により室内の温度の変化を監視している。
自動移動手段21の発熱手段34からの発熱を、送風手段7bの熱量変化検知部11により検知し、その検知情報を第2赤外通信部71を通じて、赤外光により集塵手段8に検知信号を送信する。集塵手段8は第1赤外通信部82を通じて、この送風手段7bの熱量変化検知部11の検知信号を受信する。熱量変化検知部11のサーモパイルアレイによる自動移動手段21の発熱手段34からの発熱の検知情報は、すなわち送風手段7bから見た時の自動移動手段21の位置に応じた信号(例えば送風手段7bから見て発熱位置(自動移動手段21)がどの方向に有るか。)となる。
【0064】
集塵手段8では送風手段7bの熱量変化検知部11が検知し、第1赤外通信部82を通じて受信した自動移動手段21の位置に応じた信号(発熱手段34の発熱位置情報)から、自動移動手段21の部屋内における位置(例えば図7における領域ゾーンAまたはゾーンBのどちらに有るか)を判定する。つまり、熱量変化検知部11が自動移動手段21の発熱手段34からの発熱を送風手段7bから見て左側に検知した場合は、自動移動手段21は図7におけるゾーンBに位置すると判定する。逆に右側に検知した場合は、自動移動
手段21は図7におけるゾーンAに位置すると判定する(ステップ21)。
【0065】
このように前記制御部9は前述のように第1赤外通信部82を通じて受信した自動移動手段21の位置情報(ゾーンA、もしくはゾーンB)を判定し、判定した自動移動手段21の位置に応じた制御を行う。つまり、判定した自動移動手段21の位置がゾーンAであれば第1赤外通信部82を通じて、送風手段7aにゾーンAに対応した制御信号を送信すると共にゾーンAに対応した第1送風部83の動作を開始し、集塵手段8の外部空気の吸気が行われる。さらに送風手段7aの送風制御部72が制御部9からの制御信号を第2通信部71を通じて受信し、第2送風部73を制御し第2送風部73からゾーンAに対応した送風を開始する(ステップ2)。送風手段7bにおいても同様に制御部9からの指示によりゾーンAに対応した送風を開始する。尚、ステップ2以降及びその他のステップにおいては実施の形態1と同様なので動作の説明は省略する。
【0066】
以上のように、本実施の形態においては、自動移動手段21が部屋の床面を移動し、塵埃を舞上げ、かつ、自動移動手段21の位置情報を基に集塵気流10a、10bを生成することで舞上げた塵埃を集塵気流10a、10bに乗せ、塵埃を集塵手段8で効率よく集塵することが出来る。
【0067】
尚、本実施の形態において自動移動手段21に発熱手段34を設け、その発熱を送風手段7の熱量変化検知部11で検知することで、集塵手段8の制御部9が自動移動手段21の位置を判定するとしたが、自動移動手段21の代わりにいわゆる自動移動掃除機用いて、その自動移動掃除機のファンモーターの発熱を送風手段7の熱量変化検知部11で検知することでもよい。
【0068】
(実施の形態3)
図14は、本実施の形態における室内用集塵装置の自動移動手段21のブロック図、図15は、同室内用集塵装置の自動移動手段の動作フローを示したものである。
図14に示すように自動移動手段21は床面の塵埃を吸引して集塵する清掃手段35を有し、前記発熱手段34は空気を吸引し塵埃を集塵するための吸引力を発生する電動機35aと、本体21a下部に設けられ前記電動機35aの吸引空気により塵埃を吸引する吸引口35bから構成されている。また、前記自動移動手段21は前記清掃手段35で集塵した塵埃の量を検知する塵埃検知手段36を備え、自動移動手段21の移動と同時に床面の塵埃を集塵するものである。
【0069】
塵埃検知手段36は実際には市販の掃除機に搭載されているものと同様に、吸引口35bから集塵した塵埃が通過する清掃手段35の一部の経路に赤外光を配し、塵埃の通過による赤外光の光量の変化で塵埃の量を検知している。
【0070】
以上のように構成された集塵装置について、以下その動作、作用を説明する。
尚、実施の形態1と同様の動作には同じステップ番号を用いる。
自動移動手段21の塵埃検知手段36の動作が、実施の形態1と異なるのでその異なる動作部分のみ図15のフローを用いて説明を行う。
【0071】
まず、室内用集塵装置の集塵手段8を起動すると、制御部9は第1赤外通信部82を通じて、自動移動手段21を起動し、自動移動手段21が室内の移動を開始する。
自動移動手段21は起動後、移動制御部25により回転ブラシ33を回転させ床面に堆積した塵埃を巻き上げつつ、さらに、清掃手段35を動作させノズル35bより塵埃を吸引しながら、前進を開始する(ステップ10)。そして塵埃検知手段36により吸引した塵埃の量を検知し予め設定された量より多ければ(ステップ15)、移動制御部25は赤外光伝達部を通じて位置認識手段26が認識する自動移動手段の本体21aの部屋における
位置情報を送信する(ステップ16)。そしてステップ11の自動移動手段21前方に障害物を存在するか否かの判断に進む。
【0072】
また、ステップ15で吸引した塵埃の量が予め設定された量より少なければ同様にステップ11の自動移動手段21前方に障害物を存在するか否かの判断に進む。ステップ11以降の動作は実施の形態1と同様であるので説明は省略する。
【0073】
集塵手段8は起動されると制御部9が第1赤外通信部82より、自動移動手段21からの位置情報の受信を待つ(ステップ31)。そして第1赤外通信部82より、自動移動手段21からの位置情報を受信すると、自動移動手段21の位置情報(ゾーンA、もしくはゾーンB)を判断し(ステップ1)、位置情報がゾーンAであれば第1赤外通信部82を通じて、送風手段7aにゾーンAに対応した制御信号を送信すると共にゾーンAに対応した第1送風部83の動作を開始し、集塵手段8の外部空気の吸気が行われる。さらに送風手段7aの送風制御部72が制御部9からの制御信号を第2通信部71を通じて受信し、第2送風部73を制御し第2送風部73からゾーンAに対応した送風を開始する(ステップ2)。
送風手段7bにおいても同様に制御部9からの指示によりゾーンAに対応した送風を開始する。
【0074】
そして前記制御部9は前述のように第1赤外通信部82を通じて受信した自動移動手段の本体21aの位置情報がゾーンAでない場合(従ってこの場合、ゾーンB)、制御部9は集塵手段8の排気風量、風向及び送風手段7a、7bの送風風量、風向をゾーンBに対応した設定に変更する(ステップ3)。尚、これ以降の動作は実施の形態1と同様であるので説明は省略する。
【0075】
以上のように、本実施の形態においては、自動移動手段21が部屋の床面を移動し、塵埃を舞上げ、さらに自動移動手段21が吸引により集塵した塵埃が予め設定された以上である場合に、ことで塵埃の多い領域で効率よく自動移動手段21が舞上げた塵埃を集塵気流10a、10bに乗せ、塵埃を集塵手段8で効率よく集塵することが出来る。
【0076】
尚、本実施の形態において自動移動手段21が吸引により集塵した塵埃が予め設定された以上である場合に自動移動手段21の位置情報を基に集塵気流10a、10bを生成し、舞上げた塵埃を集塵気流10a、10bに乗せるとしたが、集塵した塵埃が予め設定された以上である場合に例えば自動移動手段21の移動速度を落として塵埃の舞上げ量を増加させて舞上げた塵埃を集塵気流10a、10bに乗せることでも同様な効果を得ることが出来るものである。
【0077】
上記した各実施の形態1〜3における構成は、必要に応じて適宜組み合わせて使用することができるものであり、実施の形態そのものの構成に限られるものではない。
尚、上記実施の形態1、2及び3で説明した各手段や機能を、CPU(またはマイコン)、RAM、ROM、記憶・記録装置、I/Oなどを備えた電気・情報機器、コンピュータ、サーバーなどのハードリソースを協働させるプログラムの形態で実施させるようにすれば、磁気メディアや光メディアなどの記録媒体に記録したり、インターネットなどの通信回路を用いて配信したりすることができるので、新しい機能の配布・更新やそのインストール作業が簡単にできるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
以上のように、本発明にかかる室内用集塵装置及びプログラムは、気流によって比較的軽い塵埃を自動で効率よく集塵することができ、さらに一度、床に落下した塵埃も部屋内を自律移動する自動移動手段によって巻き上げて集塵気流に乗せて集塵することができる
ため、利便性の高い室内用集塵装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 室内用集塵装置
5 集塵気流
7,7a,7b 送風手段
8 集塵手段
8a 塵埃検知手段
9 制御部
10,10a,10b 集塵気流
21 自動移動手段
21a 本体
22 障害物検知手段
23 方向検知手段
24 距離認識手段
25 移動制御部
26 位置認識手段
34 発熱手段
35 清掃手段
36 塵埃検知手段
72 送風制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内に設置され風向及び風量を変化させ前記室内に気流を発生させる送風手段と、
吸引により前記室内の気流に乗って移動する塵埃を回収すると共に排気によって室内に気流を発生させる集塵手段と、
前記送風手段ならびに前記集塵手段と連携制御され床上の塵埃を舞い上げながら室内を移動し前記送風手段ならびに前記集塵手段に自己位置を送信する自動移動手段とを備え、
前記送風手段及び前記集塵手段が互いに連携制御し風向及び風量を変化させることで、それぞれの気流から集塵気流を生成すると共に集塵気流を前記自動移動手段方向に流し、前記室内の塵埃を前記集塵気流に乗せて前記集塵手段で集塵する室内用集塵装置。
【請求項2】
前記自動移動手段は、一定の領域の移動動作の完了毎に、自己位置情報を送信する請求項1に記載の室内用集塵装置。
【請求項3】
前記自動移動手段は、所定の動作時間毎に、自己位置情報を送信する請求項1に記載の室内用集塵装置。
【請求項4】
前記送風手段は、熱量の変化を検知する熱量変化検知手段を有し、また前記自動移動手段は発熱手段を有し、発熱手段より発熱を行うことで自己位置情報を伝達する請求項1〜3のいずれか1項に記載の室内用集塵装置。
【請求項5】
前記自動移動手段は、塵埃を集塵する清掃手段を有し、前記発熱手段は前記自動移動手段の清掃手段を構成する電動機とした請求項4に記載の室内用集塵装置。
【請求項6】
前記自動移動手段は、集塵した塵埃の量を検知する塵埃検知手段を有し、前記塵埃検知手段が検知した塵埃の量が所定量以上のときに自己位置を送信する請求項5に記載の室内用集塵装置。
【請求項7】
前記自動移動手段は、床上の塵埃を舞上げる舞上げ手段を有し、前記塵埃検知手段が検知した塵埃の量が所定量以上のときに舞上げ手段による舞上げ量を増加させる請求項1〜6のいずれか1項に記載の室内用集塵装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の室内用集塵装置の手段の全てもしくは一部としてコンピュータに機能させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate