説明

害虫忌避剤

【課題】ヒトに対して不快感を与える虫、殊に蚊を効果的かつ簡易に防除する害虫忌避剤及び忌避方法の提供。
【解決手段】次式(1):


〔式中、R1は水素原子またはメチル基を表わし、R2はメチル基またはCH=CR2122(式中、R21及びR22は独立して、水素原子、メチル基または塩素原子を表わす。)で示される基を表わし、R3は水素原子、メチル基またはメトキシメチル基を表わす。〕
で示される少なくとも1種のエステル化合物が、吸油能10ml/100g以下の担体に担持されてなる害虫忌避剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、害虫忌避剤、特に蚊等の飛翔性昆虫や不快昆虫の忌避剤及び忌避方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に園芸作業や草地、林間、水辺など屋外における作業では、防虫対策が必要である。特に蚊は刺咬部位が掻痒を伴うことから、屋外作業時にこれを効果的に排除することが望ましい。また、光に誘引される飛翔性昆虫及びその他の昆虫等の節足動物も、実質的な害はなくとも多くの人に不快感を与えるものであり、例えば、野外におけるイベントやレクリエーションなど、人々が一定時間、屋外で過ごす場合には、少なくとも一定の時間、効果的に排除することが望ましい。
【0003】
従来、これらの害虫の駆除・忌避方法としては、蚊取り線香やマット剤やこれに代わる液剤などが用いられているが、近年害虫の新たな駆除・忌避方法としてピレスロイド化合物を担体に担持させた薬剤担持体を環境の固相面上に散布する屋外飛翔性害虫の防除方法が提案されている(特許文献1:特開2002−234804号公報)。しかし、この文献では、担体としてセルロースビーズを用いた薬剤担持体を地面に散布して蚊を防除する例で、9m2程度の領域を保護するためにその周囲40m2に数kgもの薬剤担持体を散布している。すなわち、薬剤担持体散布により一定の広がりを有する平面(及びその上の空間)での蚊等の害虫による被害から保護することが現実にはいかに困難かを示す結果となっている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−234804号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術の問題を解消し、一定の広がりを有する領域において、害虫、特に蚊等の飛翔性昆虫や不快昆虫、あるいは昆虫以外の節足動物の排除を実現する薬剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意検討した結果、既知の他のピレスロイド化合物より、常温における高い蒸散活性を有する特定構造の化合物に着目した。そして、これを従来は考慮されていなかった低吸油性の担体と担持させることにより、一定の広がりを有する平面(及びその上の空間)において害虫を排除する効果に優れた害虫忌避剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の忌避剤及び忌避方法を提供する。
〔1〕 式(1):
【化1】

〔式中、R1は水素原子またはメチル基を表わし、R2はメチル基または−CH=CR2122(式中、R21及びR22は独立して、水素原子、メチル基または塩素原子を表わす。)で示される基を表わし、R3は水素原子、メチル基またはメトキシメチル基を表わす。〕
で示される少なくとも1種のエステル化合物が、吸油能10ml/100g以下の担体に担持されてなる害虫忌避剤。
〔2〕 さらに殺虫化合物を含む前記1に記載の害虫忌避剤。
〔3〕 担体が、害虫忌避剤中の該担体に担持されるエステル化合物の担持量V0と、該害虫忌避剤を3日間蒸散条件下に放置した後の該担体に担持されるエステル化合物の担持量V3において、
【数1】

となる徐放能を有する担体である前記1または2に記載の害虫忌避剤。
〔4〕 担体が、粒径0.1〜10mmの粒子である前記1〜3のいずれかに記載の害虫忌避剤。
〔5〕 エステル化合物の担持割合が、担体に対して0.001〜5質量%である前記1〜4のいずれかに記載の害虫忌避剤。
〔6〕 担持方法が、担体への含浸または担体表面への塗布もしくは吹き付けである前記1〜5のいずれかに記載の害虫忌避剤。
〔7〕 担体が無機物質である前記1〜6のいずれかに記載の害虫忌避剤。
〔8〕 無機物質が炭酸カルシウム粒子である前記7に記載の害虫忌避剤。
〔9〕 無機物質が珪石粒子である前記7に記載の害虫忌避剤。
〔10〕 無機物質が珪砂粒子である前記7に記載の害虫忌避剤。
〔11〕 エステル化合物が、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートである前記1〜10のいずれかに記載の害虫忌避剤。
[12] 前記請求項1〜11のいずれかに記載の害虫忌避剤を内部がエチレンービニルアルコール共重合体またはポリアクリロニトリルのいずれかでできたフィルムからなる包装体に入れた害虫忌避剤。
[13] 前記1〜12のいずれかに記載の害虫忌避剤の有効量を屋外領域に散布する害虫忌避方法。
[14] 散布量が対象屋外領域1m2あたり1〜150gである前記13に記載の害虫忌避方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の忌避剤(以下、本忌避剤)は常温において使用可能であり、熱源やファン等の揮発装置を必要としない。また、一定の広がりを有する平面(及びその上の空間)において害虫を忌避する効果に優れており、さらに、本発明で用いる担体は、自然環境中にもともと存在するものまたは速やかに分解され環境に負荷をかけない物質を主体とするため、人体や環境への影響も殆ど有しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本忌避剤は、次式(1):
【化2】

で示される少なくとも1種のエステル化合物と吸油能10ml/100g以下の担体とを含む。
上記式中、R1は水素原子またはメチル基を表わし、R2はメチル基または−CH=CR2122(式中、R21及びR22は独立して、水素原子、メチル基または塩素原子を表わす。)で示される基を表わし、R3は水素原子、メチル基またはメトキシメチル基を表わす。
【0010】
式(1)で示されるエステル化合物は、EP0060617号明細書、特開2000−63329号公報、特開2001−11022号公報、特開平7−17916号公報等に記載された化合物であり、例えば該公報に記載された方法で製造することができる。
式(1)で示されるエステル化合物には不斉炭素に基づく異性体が存在し、また炭素−炭素二重結合に基づく異性体が存在する場合があるが、本発明には活性な異性体のいずれをも使用することができる。
【0011】
このようなエステル化合物の例としては、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 2,2,3−トリメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−2,2,3−トリメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 1R−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(以下、化合物Aと記す場合もある。)及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート等が挙げられる。
【0012】
なお、上記化合物Aは、25℃における蒸気圧が1.96×10-3Paと、ピレスロイド化合物としては比較的高い。また、各種汎用の溶剤中、酸性、アルカリ性水溶液中でも安定している。さらに屋外での使用を考慮した場合、太陽光線下での安定性が重要であるが、化合物Aは、太陽光の下でも非常に安定していることが示されている。
【0013】
本発明で用いる担体は、吸油能10ml/100g以下の担体である。ここで、吸油能とは、亜麻仁油を滴下した際、試料が亜麻仁油を吸収しなくなる時点までの滴下量を指す。試料が亜麻仁油を吸収しなくなった時点は、試料が粒子状の場合、試料粒子に吸収されずに粒子間に残った、あるいは粒子表面に溢出した亜麻仁油の存在が明確になった時点(粉体ではJIS K−5101。顆粒では粒子どうしの付着が明確になった時点)を観察することにより判定できる。
【0014】
忌避剤を用いる目的や態様にもよるが、担体は、害虫忌避剤中の該担体に担持される式(1)で示されるエステル化合物の担持量V0と、該害虫忌避剤を3日間蒸散条件下に放置した後の該担体に担持される式(1)で示されるエステル化合物の担持量V3において、
【数2】

となる徐放能を有する担体であることが好ましい。ここで、担持量は所定質量の試料を直径14cmのシャーレに均一になるように撒き、30℃の恒温槽に保管した後に減少した有効成分質量として規定される。上記値が0.5以上であることが好ましく、0.7以上がより好ましい。これらの条件を満たす物質を式(1)で示されるエステル化合物の担体として用いることにより、少ない施用量で十分な効果を挙げることが可能になった。
【0015】
また、密閉条件で本忌避剤を50℃、3週間保存した場合に、式(1)で示されるエステル化合物の残存率(3週間後の式(1)で示されるエステル化合物の含有量/実験開始時の式(1)で示されるエステル化合物の含有量)は50%以上の安定性を示すことが好ましく、60%以上であることがより好ましい。
【0016】
本発明の担体は、好ましくは、粒子状である。その種類、形状、表面性状にも依存するが、例えば、吸油能が10ml/100g以下の粒子を粒径0.1〜10mmの非多孔質粒子とすることにより実現され得る。粒子の粒径は0.1mm未満でも利用できるが、微細過ぎると風に舞い上げられて人体等の動物に吸い込まれたり、周辺環境に飛散するおそれがある。一方、粒子の粒径は10mm超過でも利用できるが、粗大すぎると体積当たりの効率が悪くなり、大量の忌避剤を散布する必要が生じる。また、使用後に粗大な忌避剤が環境中に残存することになり好ましくない。一般には0.3〜5mm程度の粒子が好ましく、0.5〜3mm程度の粒子がより好ましい。
【0017】
本発明の担体は、無機物質でも有機物質でもよい。好ましい無機固体担体の例としては、火山岩または変性岩起源の農園芸用顆粒土、陶石粒、炭酸カルシウム等の無機塩類が挙げられる。園芸用等に慣用されているカガライト、園芸用や内装壁材等として慣用されている石川ライト、軽量気泡コンクリート等に用いる材料としてよく知られている伊豆珪石、パーライト等が挙げられる。これらは市販の原料物質をそのまま、あるいは適当な粒度に破砕、磨砕、篩別することにより得ることができる。なお、伊豆珪石は静岡県賀茂郡西伊豆町宇久須(伊豆半島西海岸)の伊豆珪石鉱山から産出される珪石であり、母岩が安山岩等の火山砕屑岩からなり、火山性の熱水、憤気、温泉などの熱水変質作用を受け変質したものである。石川ライトとカガライトは軽石の一種である。上記の条件を満たすものであれば、他の火山岩、砕屑岩等も利用できるが、ここに挙げた材料は、いずれも農園芸で使用される物質であり、環境等に残留しても有害な影響が少ない。また、炭酸カルシウム粒は石灰岩、大理石を粉砕し篩で必要な粒度としたものを用いることができる。炭酸カルシウム粒子、破砕した珪石や珪砂(合わせて珪石粒子ともいう。)が好適に用いられる。有機担体の例としては、グラニュー糖、生分解性ポリ乳酸、ポリマービーズ等が挙げられる。
【0018】
なお、一般には、上記式(1)で示されるエステル化合物を担体に担持させようとする場合、吸油能力が高く吸着率が高い物質(例えば、セピオライト、ゼオライト等の粘土鉱物)を用いることが考えられるが(例えば、上述の特許文献1では鉱物材料は用いていないが、吸油性材料が好ましいと記載している。)、本発明では、上記のように低吸油能で、特に揮散率条件を満たすことにより優れた効果を実現する。
【0019】
上記の担体に上記式(1)で示されるエステル化合物を担持させる方法は特に限定されないが、例えば、上記化合物またはこれを含む溶液を含浸し、または担体表面に塗布もしくは吹き付けることで実施できる。本発明の忌避剤における上記化合物の含有量は担体に対し0.001〜5質量%が好ましい。好適な含有量は、担体と式(1)で示されるエステル化合物の親和性、忌避剤において目標とする揮散量、揮散時間等により決定される。なお溶液作成に用いることができる溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、へキサン、ケロシン、パラフィン、ラノリン誘導体、石油ベンジン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル等のエステル類、アセトニトリル等のニトリル類、界面活性剤であるポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレン脂肪酸アルコールエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。
【0020】
本忌避剤は、さらに殺虫化合物を含んでもよい。
【0021】
これらの殺虫化合物の例としては、以下のものを挙げることができる。
アレスリン;3−アリル−2−メチルシクロペンタ−2−エン−4−オン−1−イル dl−シス/トランス−クリサンテマート、
dl・d−T80−アレスリン;3−アリル−2−メチルシクロペンタ−2−エン−4−オン−1−イル d−シス/トランス−クリサンテマート、
dl・d−T−アレスリン;3−アリル−2−メチルシクロペンタ−2−エン−4−オン−1−イル d−トランス−クリサンテマート、
d・d−T−アレスリン;d−3−アリル−2−メチルシクロペンタ−2−エン−4−オン−1−イル d−トランス−クリサンテマート、
d・d−T80−プラレトリン;d−2−メチル−4−オキソ−3−プロパルギルシクロペント−2−エニル d−シス/トランス−クリサンテマート、
レスメトリン;5−ベンジル−3−フリルメチル dl−シス/トランス−クリサンテマート、
dl・d−T80−レスメトリン;5−ベンジル−3−フリルメチル d−シス/トランス−クリサンテマート、
エンペントリン;1−エチニル−2−メチルペント−2−エニル d−シス/トランス−クリサンテマート、
テラレスリン;2−アリル−3−メチル−2−シクロペンテン−1−オン−4−イル−2,2,3,3,テトラメチル−シクロプロパンカルボキシラート、
フタルスリン;N−(3,4,5,6−テトラヒドロフタリミド)−メチルdl−シス/トランス−クリサンテマート、
dl・d−T80−フタルスリン;N−(3,4,5,6−テトラヒドロフタリミド)−メチル d−シス/トランス−クリサンテマート、
フラメトリン;5−(2−プロパギル)−3−フリルメチル クリサンテマート、
ペルメトリン;3−フェノキシベンジル dl−シス/トランス−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシラート、
フェノトリン;3−フェノキシベンジル d−シス/トランス−クリサンテマート、
イミプロスリン;2,4−ジオキソ−1−(プロプ−2−イニル)−イミダゾリジン−3−イルメチル(1R)−シス/トランス−クリサンテマート、
フェンバレレート;α−シアノ−3−フェノキシベンジル−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチレート、
【0022】
シペルメトリン;α−シアノ−3−フェノキシベンジル dl−シス/トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、
シフェノトリン;α−シアノ−3−フェノキシベンジル d−シス/トランス−クリサンテマート、
エトフェンプロックス;2−(4−エトキシフェニル)−2−メチルプロピル−3−フェノキシベンジルエーテル、
テフルスリン;2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシラート、
フェンプロパトリン;α−シアノ−3−フェノキシベンジル シス/トランス−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシラート、及び
フェンフルスリン;2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル−dl−シス/トランス 3−(2,2−ジクロロビニル)2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシラート等のピレスロイド化合物。
【0023】
ピレスロイド化合物以外の例としては、例えば、オキサジアゾール系殺虫剤、ネオニコチノイド系殺虫剤、カーバメート系殺虫剤、フェニルピラゾール系殺虫剤等を挙げることができる。オキサジアゾール系殺虫剤の例としては
メトキサジアゾン;5−メトキシ−3−(2−メトキシフェニル O−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H))−オン、
が挙げられ、ネオニコチノイド系殺虫剤の例としては、
イミダクロプリド;1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イリデンアミン、
アセタミプロリド;(E)N1−〔(6−クロロ−3−ピリジル)メチル〕−N2−シアノ−N1−メチルアセトアミジン、
ジノテフラン;(RS)−1−メチル−2−ニトロ−3−(テトラヒドロ−3−フリルメチル)グアニジン、
クロチアニジン;(E)−1−(2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジン、及び
チアメトキサム;3−(2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イルメチル)−5−メチル−1,3,5−オキサジアジン−4−イリデン(ニトロ)アミン等が挙げられ、カーバメート系殺虫剤の例としてはプロポキサーが挙げられ、フェニルピラゾール系殺虫剤の例としてはフィプロニルが挙げられる。
【0024】
また、商品性を高めるために、動物性、植物性の天然香料、炭化水素、アルコール、フェノール、アルデヒド、ケトン、ラクトン、オキシド、エステル類等の人工香料、天然精油、他の忌避化合物及び/またはその成分を含んでもよい。このような化合物の例としては、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、オイゲノール、メチルオイゲノール、ゲラニオール、シンナミックアルデヒド、リナロール、ペリラアルデヒド、ネペタリック酸、メチルヘプテノン、デシルアルデヒド、ミルセン、酢酸ゲラニオール、チモール、リモネン、シオネール、ピネン、シメン、テルピネン、サビネン、エレメン、セドレン、エレモール、ビドロール、セドロール、ヒノキチオール、ツヤプリシン、トロポロイド、ヒノキチン、ツヨプセン、ボルネオール、カンフェン、テルピネオール、テルピニルエステル、ジペンテン、ファランドレン、シネオール、カリオレフィン、バニリン、フルフラール、フルフリルアルコール、ピノカルベオール、ピノカルボン、ミルテノール、ベルベノン、カルボン、オイデスモール、ピペリトン、ツエン、ファンキルアルコール、メチルアンスラニレート、ビサボレン、ベルガプトール、ノニルアルデヒド、ノニルアルコール、ヌートカトン、オクチルアルデヒド、酢酸リナリル、酢酸ゲラニル、ネロリドール、オシメン、アンスラニル酸メチル、インドール、ジャスモン、ニーム、ベンツアルデヒド、プレゴン、樟脳類及びN,N−ジエチルトルアミド及び上記の異性体及び/または誘導体が挙げられる。
【0025】
また、以上の他、各種添加物を配合してもよい。例えば、酸化防止剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、顔料等を任意の比で配合することができる。また本忌避剤を少なくとも内面がエチレン−ビニルアルコール共重合体かポリアクリロニトリルからなる包装体に入れて密封することにより薬剤の揮散を完全に抑制できる。
【0026】
本発明は、前記のいずれかに記載の害虫忌避剤を屋外領域に散布し、式(1)で示されるエステル化合物を自然蒸散させることにより一定時間、害虫を排除する害虫忌避方法を含む。散布量は、気温等の気象条件、害虫排除が求められている時間、対象害虫の種類、対象領域の広さ等にもよるが、典型的には式(1)で示されるエステル化合物を保持した害虫忌避剤を対象領域1m2あたり1〜150gを散布することが好ましく、より好ましくは対象領域1m2あたり5〜100g、さらに好ましくは10〜50gを散布する。有効な持続時間は、通常の農園芸作業やレクリエーションに要する程度の時間であり、散布量や天候等にもよるが、3〜48時間程度である。本願の忌避剤の効果は散布後、数分から十数分、遅くとも数十分から現われる。
【0027】
本忌避剤の対象害虫は、ピレスロイド系化合物が適用可能なすべての害虫を含む。なお、特に断らない限り、本願では、害虫は衛生害虫のみならず、不快昆虫及び昆虫以外の節足動物をも含む。これらの害虫の例としては、ハエ、アブ、カ、チョウバエ、ユスリカ等の双翅目;ハチ、アリ等の膜翅目;ハムシ、コガネムシ、ハネカクシ、カナブン、カミキリモドキ等の鞘翅目;ガ等の鱗翅目;ウンカ、アブラムシ、カメムシ等の半翅目等、ダンゴムシ等の等脚目等が挙げられるが、これらの害虫に限定されるものではない。
【実施例】
【0028】
次に、本発明を製造例、試験例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、以下の例において、吸油能の測定は、JIS K−5101に準じて行ない、エルレンマイヤーフラスコに試料100gを入れて亜麻仁油を滴下し、粒子どうしの付着が明確になった時点までの滴下量(ml)によって規定した。
【0029】
実施例1(製造例1)
炭酸カルシウム破砕粒(三共精粉(株)製、粒径分布:0.3〜0.5mm;平均粒径:0.4mm;吸油量:0.5ml/100g)99.596kgに、化合物A(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート)0.104kgを含むノルマルパラフィンM(新日本石油化学(株)製)溶液0.404kgを投入し、V字混合機で30分混合し、室温で1時間放置することにより、炭酸カルシウム破砕粒に対し、0.1質量%の化合物Aを含浸させた本発明忌避剤(1)を得た。
【0030】
実施例2(製造例2)
製造例1に記載の本発明忌避剤(1)50kgに更に炭酸カルシウム破砕粒50kgを加えV字混合機で30分混合後室温で2時間放置することにより、炭酸カルシウム破砕粒に対し、0.05質量%の化合物Aを含浸させた本発明忌避剤(2)を得た。
【0031】
実施例3(製造例3)
珪石破砕粒(東海工業(株)製、粒径分布:0.3〜0.5mm;平均粒径:0.4mm;吸油量:5ml/100g)99.596kgに、化合物A0.104kgを含むノルマルパラフィンM(新日本石油化学(株)製)溶液0.404kgを投入し、V字混合機で30分混合し、室温で1時間放置することにより、珪石破砕粒に対し、0.1質量%の化合物Aを含浸させた本発明忌避剤(3)を得た。
【0032】
実施例4(製造例4)
製造例3に記載の本発明忌避剤(3)50kgに更に珪石破砕粒50kgを加えV字混合機で30分混合後室温で2時間放置することにより、珪石破砕粒に対し、0.05質量%の化合物Aを含浸させた本発明忌避剤(4)を得た。
【0033】
実施例5(製造例5)
硅砂5号(ネオライト興産(株)、粒径分布:0.3〜0.5mm;平均粒径:0.4mm;吸油量:0.5ml/100g)99.596kgに、化合物A0.104kgを含むノルマルパラフィンM(新日本石油化学(株)製)溶液0.404kgを投入し、V字混合機で30分混合し、室温で1時間放置することにより、硅砂5号粒に対し、0.1質量%の化合物Aを含浸させた本発明忌避剤(5)を得た。
【0034】
実施例6(製造例6)
製造例5に記載の本発明忌避剤(5)50kgに更に硅砂5号粒50kgを加えV字混合機で30分混合後室温で2時間放置することにより、硅砂5号粒に対し、0.05質量%の化合物Aを含浸させた本発明忌避剤(6)を得た。
【0035】
実施例7(製造例7)
軽石(石川ライト工業(株)製:石川ライト3号、粒径分布:0.6〜1.2mm;平均粒径:0.9mm;吸油量:8ml/100g)0.5kgに、化合物A0.5gを含むアイソパーM(エクソン化学(株)製)溶液10mlを投入し、十分に撹拌後、更に0.5kgの石川ライト3号を加えて十分に撹拌後、室温で3時間放置することにより、0.05質量%の化合物Aを含浸させた本発明忌避剤(7)を得た。
【0036】
実施例8(製造例8)
軽石(石川ライト工業(株)製:石川ライト6号)粒径分布:0.25〜0.10mm;平均粒径:0.18mm;吸油量:9ml/100g)0.5kgに、化合物A0.5gを含むアイソパーM溶液10mlを投入し、十分に撹拌後、更に0.5kgの石川ライト6号を加えて十分に撹拌後、室温で3時間放置することにより、0.05質量%の化合物Aを含浸させた本発明忌避剤(8)を得た。
【0037】
比較例1(比較製造例)
セピオライト破砕粒(ネオライト興産(株)、粒径分布:0.5〜1.7mm;平均粒径:1.1mm;吸油量:35ml/100g)10kgに、化合物A5gを含むノルマルパラフィンM(新日本石油化学(株)製)溶液0.015kgを投入し、V字混合機で30分混合し、室温で3時間放置することにより、セピオライト破砕粒に対し、0.05質量%の化合物Aを含浸させた比較忌避剤(1)を得た。
【0038】
実施例9(試験例1)
製造例1に記載の本発明忌避剤(1)100gを入れた三方袋(横10cm×縦14cm、内面がエチレンービニルアルコール共重合体フィルム(厚さ30μ)、外面がポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12ミクロン))から10g取り出し、約0.34m3(底面:0.7m×0.7m、高さ0.7m)の試験室内の床に均一に散布した。5分後にヒトスジシマカ(Aedes albopictus)の雌成虫25頭を放した。30分後に供試したヒトスジシマカがノックダウンしている数を調べたところ、25頭全頭がノックダウンしていた。
【0039】
実施例10(試験例2)
製造例2に記載の本発明忌避剤(2)100gを入れた三方袋(横10cm×縦14cm、内面がエチレンービニルアルコール共重合体フィルム(厚さ30μ)、外面がポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12ミクロン))から10g取り出し、約0.34m3(底面:0.7m×0.7m、高さ0.7m)の試験室内の床に均一に散布した。5分後にヒトスジシマカ(Aedes albopictus)の雌成虫25頭を放した。30分後に供試したヒトスジシマカがノックダウンしている数を調べたところ、25頭全頭がノックダウンしていた。
【0040】
実施例11(試験例3)
製造例3に記載の本発明忌避剤(3)100gを入れた三方袋(横10cm×縦14cm、内面がエチレンービニルアルコール共重合体フィルム(厚さ30μ)、外面がポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12ミクロン))から10g取り出し、約0.34m3(底面:0.7m×0.7m、高さ0.7m)の試験室内の床に均一に散布した。5分後にヒトスジシマカ(Aedes albopictus)の雌成虫25頭を放した。30分後に供試したヒトスジシマカがノックダウンしている数を調べたところ、25頭全頭がノックダウンしていた。
【0041】
実施例12(試験例4)
製造例4に記載の本発明忌避剤(4)100gを入れた三方袋(横10cm×縦14cm、内面がエチレンービニルアルコール共重合体フィルム(厚さ30μ)、外面がポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12ミクロン))から10g取り出し、約0.34m3(底面:0.7m×0.7m、高さ0.7m)の試験室内の床に均一に散布した。5分後にヒトスジシマカ(Aedes albopictus)の雌成虫25頭を放した。30分後に供試したヒトスジシマカがノックダウンしている数を調べたところ、25頭全頭がノックダウンしていた。
【0042】
実施例13(試験例5)
製造例5に記載の本発明忌避剤(5)100gを入れた三方袋(横10cm×縦14cm、内面がエチレンービニルアルコール共重合体フィルム(厚さ30μ)、外面がポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12ミクロン))から10g取り出し、約0.34m3(底面:0.7m×0.7m、高さ0.7m)の試験室内の床に均一に散布した。5分後にヒトスジシマカ(Aedes albopictus)の雌成虫25頭を放した。30分後に供試したヒトスジシマカがノックダウンしている数を調べたところ、25頭全頭がノックダウンしていた。
【0043】
実施例14(試験例6)
製造例6に記載の本発明忌避剤(6)100gを入れた三方袋(横10cm×縦14cm、内面がエチレンービニルアルコール共重合体フィルム(厚さ30μ)、外面がポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12ミクロン))から10g取り出し、約0.34m3(底面:0.7m×0.7m、高さ0.7m)の試験室内の床に均一に散布した。5分後にヒトスジシマカ(Aedes albopictus)の雌成虫25頭を放した。30分後に供試したヒトスジシマカがノックダウンしている数を調べたところ、25頭全頭がノックダウンしていた。
【0044】
実施例15(試験例7)
製造例7に記載の本発明忌避剤(7)100gを入れた三方袋(横10cm×縦14cm、内面がエチレンービニルアルコール共重合体フィルム(厚さ30μ)、外面がポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12ミクロン))から10g取り出し、約0.34m3(底面:0.7m×0.7m、高さ0.7m)の試験室内の床に均一に散布した。5分後にヒトスジシマカ(Aedes albopictus)の雌成虫25頭を放した。30分後に供試したヒトスジシマカがノックダウンしている数を調べたところ、25頭全頭がノックダウンしていた。
【0045】
実施例16(試験例8)
製造例8に記載の本発明忌避剤(8)100gを入れた三方袋(横10cm×縦14cm、内面がエチレンービニルアルコール共重合体フィルム(厚さ30μ)、外面がポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12ミクロン))から10g取り出し、約0.34m3(底面:0.7m×0.7m、高さ0.7m)の試験室内の床に均一に散布した。5分後にヒトスジシマカ(Aedes albopictus)の雌成虫25頭を放した。30分後に供試したヒトスジシマカがノックダウンしている数を調べたところ、25頭全頭がノックダウンしていた。
【0046】
比較例2(比較試験例1)
比較製造例に記載の比較忌避剤(1)10gを約0.34m3(底面:0.7m×0.7m、高さ0.7m)の試験室内の床に均一に散布した。5分後にヒトスジシマカ(Aedes albopictus)の雌成虫25頭を放した。30分後に供試したヒトスジシマカがノックダウンしている数を調べたところ、1頭もノックダウンしていなかった。
【0047】
実施例17(試験例9)
製造例1に記載の本発明忌避剤(1)100gを入れた三方袋(横10cm×縦14cm、内面がエチレンービニルアルコール共重合体フィルム(厚さ30μ)、外面がポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12ミクロン))から70g取り出し、約5.8m3(底面:1.8m×1.8m、高さ1.8m)の試験室内の床に均一に散布した。5分後にヒトスジシマカ(Aedes albopictus)の雌成虫25頭を放した。30分後に供試したヒトスジシマカがノックダウンしている数を調べたところ、25頭全頭がノックダウンしていた。
【0048】
実施例18(試験例10)
製造例2に記載の本発明忌避剤(2)100gを入れた三方袋(横10cm×縦14cm、内面がエチレンービニルアルコール共重合体フィルム(厚さ30μ)、外面がポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12ミクロン))から70g取り出し、約5.8m3(底面:1.8m×1.8m、高さ1.8m)の試験室内の床に均一に散布した。5分後にヒトスジシマカ(Aedes albopictus)の雌成虫25頭を放した。30分後に供試したヒトスジシマカがノックダウンしている数を調べたところ、25頭全頭がノックダウンしていた。
【0049】
実施例19(試験例11)
製造例3に記載の本発明忌避剤(3)100gを入れた三方袋(横10cm×縦14cm、内面がエチレンービニルアルコール共重合体フィルム(厚さ30μ)、外面がポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12ミクロン))から70g取り出し、約5.8m3(底面:1.8m×1.8m、高さ1.8m)の試験室内の床に均一に散布した。5分後にヒトスジシマカ(Aedes albopictus)の雌成虫25頭を放した。30分後に供試したヒトスジシマカがノックダウンしている数を調べたところ、25頭全頭がノックダウンしていた。
【0050】
実施例20(試験例12)
製造例4に記載の本発明忌避剤(4)100gを入れた三方袋(横10cm×縦14cm、内面がエチレンービニルアルコール共重合体フィルム(厚さ30μ)、外面がポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12ミクロン))から70g取り出し、約5.8m3(底面:1.8m×1.8m、高さ1.8m)の試験室内の床に均一に散布した。5分後にヒトスジシマカ(Aedes albopictus)の雌成虫25頭を放した。30分後に供試したヒトスジシマカがノックダウンしている数を調べたところ、25頭全頭がノックダウンしていた。
【0051】
実施例21(試験例13)
製造例5に記載の本発明忌避剤(5)100gを入れた三方袋(横10cm×縦14cm、内面がエチレンービニルアルコール共重合体フィルム(厚さ30μ)、外面がポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12ミクロン))から70g取り出し、約5.8m3(底面:1.8m×1.8m、高さ1.8m)の試験室内の床に均一に散布した。5分後にヒトスジシマカ(Aedes albopictus)の雌成虫25頭を放した。30分後に供試したヒトスジシマカがノックダウンしている数を調べたところ、25頭全頭がノックダウンしていた。
【0052】
実施例22(試験例14)
製造例6に記載の本発明忌避剤(6)100gを入れた三方袋(横10cm×縦14cm、内面がエチレンービニルアルコール共重合体フィルム(厚さ30μ)、外面がポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12ミクロン))から70g取り出し、約5.8m3(底面:1.8m×1.8m、高さ1.8m)の試験室内の床に均一に散布した。5分後にヒトスジシマカ(Aedes albopictus)の雌成虫25頭を放した。30分後に供試したヒトスジシマカがノックダウンしている数を調べたところ、25頭全頭がノックダウンしていた。
【0053】
実施例23(試験例15)
製造例7に記載の本発明忌避剤(7)100gを入れた三方袋(横10cm×縦14cm、内面がエチレンービニルアルコール共重合体フィルム(厚さ30μ)、外面がポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12ミクロン))から70g取り出し、約5.8m3(底面:1.8m×1.8m、高さ1.8m)の試験室内の床に均一に散布した。5分後にヒトスジシマカ(Aedes albopictus)の雌成虫25頭を放した。30分後に供試したヒトスジシマカがノックダウンしている数を調べたところ、25頭全頭がノックダウンしていた。
【0054】
実施例24(試験例16)
製造例8に記載の本発明忌避剤(8)100gを入れた三方袋(横10cm×縦14cm、内面がエチレンービニルアルコール共重合体フィルム(厚さ30μ)、外面がポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12ミクロン))から70g取り出し、約5.8m3(底面:1.8m×1.8m、高さ1.8m)の試験室内の床に均一に散布した。5分後にヒトスジシマカ(Aedes albopictus)の雌成虫25頭を放した。30分後に供試したヒトスジシマカがノックダウンしている数を調べたところ、25頭全頭がノックダウンしていた。
【0055】
比較例3(比較試験例2)
比較製造例に記載の比較忌避剤(1)70gを約5.8m3(底面:1.8m×1.8m、高さ1.8m)の試験室内の床に均一に散布した。5分後にヒトスジシマカ(Aedes albopictus)の雌成虫25頭を放した。30分後に供試したヒトスジシマカがノックダウンしている数を調べたところ、1頭もノックダウンしていなかった。
【0056】
実施例25(試験例17)
製造例1で得られた本発明忌避剤(1)を、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)が生息している菜園ないし芝生20m2に25g/m2の施用量で散布し、その上で10人の作業者が5時間程度過ごし、ヒトスジシマカ雌成虫による刺咬数を調べた。対照区としては本発明忌避剤(1)を散布していない菜園ないし芝生での作業者によるヒトスジシマカ雌成虫による刺咬数を調べた。その結果、本発明忌避剤(1)を散布していない場合は作業者全員にヒトスジシマカ雌成虫に数箇所の刺された痕が認められたが、本発明忌避剤(1)を散布した菜園ないし芝生で作業した場合には、5名は刺咬痕は認められず、残り5名も1〜2箇所の刺咬痕が認められた程度であった。
【0057】
実施例26(試験例18)
製造例1で得られた本発明忌避剤(1)を、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)が生息している菜園ないし芝生20m2に50g/m2の施用量で散布し、その上で10人の作業者が5時間程度過ごし、ヒトスジシマカ雌成虫による刺咬数を調べた。対照区としては本発明忌避剤(1)を散布していない菜園ないし芝生での作業者によるヒトスジシマカ雌成虫による刺咬数を調べた。その結果、本発明忌避剤(1)を散布していない場合は作業者全員にヒトスジシマカ雌成虫に数箇所の刺された痕が認められたが、本発明忌避剤(1)を散布した菜園ないし芝生で作業した場合には、7名は刺咬痕は認められず、残り3名も1〜2箇所の刺咬痕が認められた程度であった。
【0058】
実施例27(試験例19)
製造例1で得られた本発明忌避剤(1)を、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)が生息している菜園ないし芝生20m2に75g/m2の施用量で散布し、その上で10人の作業者が5時間程度過ごし、ヒトスジシマカ雌成虫による刺咬数を調べた。対照区としては本発明忌避剤(1)を散布していない菜園ないし芝生での作業者によるヒトスジシマカ雌成虫による刺咬数を調べた。その結果、本発明忌避剤(1)を散布していない場合は作業者全員にヒトスジシマカ雌成虫に数箇所の刺された痕が認められたが、本発明忌避剤(1)を散布した菜園ないし芝生で作業した場合には、10名全てに刺咬痕は認められなかった。
【0059】
実施例28(試験例20)
製造例2で得られた本発明忌避剤(2)を、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)が生息している菜園ないし芝生20m2に25g/m2の施用量で散布し、その上で10人の作業者が5時間程度過ごし、ヒトスジシマカ雌成虫による刺咬数を調べた。対照区としては本発明忌避剤(2)を散布していない菜園ないし芝生での作業者によるヒトスジシマカ雌成虫による刺咬数を調べた。その結果、本発明忌避剤(2)を散布していない場合は作業者全員にヒトスジシマカ雌成虫に数箇所の刺された痕が認められたが、本発明忌避剤(2)を散布した菜園ないし芝生で作業した場合には、3名は刺咬痕は認められず、残り7名も1〜2箇所の刺咬痕が認められた程度であった。
【0060】
実施例29(試験例21)
製造例2で得られた本発明忌避剤(2)を、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)が生息している菜園ないし芝生20m2に50g/m2の施用量で散布し、その上で10人の作業者が5時間程度過ごし、ヒトスジシマカ雌成虫による刺咬数を調べた。対照区としては本発明忌避剤(2)を散布していない菜園ないし芝生での作業者によるヒトスジシマカ雌成虫による刺咬数を調べた。その結果、本発明忌避剤(2)を散布していない場合は作業者全員にヒトスジシマカ雌成虫に数箇所の刺された痕が認められたが、本発明忌避剤(2)を散布した菜園ないし芝生で作業した場合には、4名は刺咬痕は認められず、残り6名も1〜2箇所の刺咬痕が認められた程度であった。
【0061】
実施例30(試験例22)
製造例2で得られた本発明忌避剤(2)を、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)が生息している菜園ないし芝生20m2に75g/m2の施用量で散布し、その上で10人の作業者が5時間程度過ごし、ヒトスジシマカ雌成虫による刺咬数を調べた。対照区としては本発明忌避剤(2)を散布していない菜園ないし芝生での作業者によるヒトスジシマカ雌成虫による刺咬数を調べた。その結果、本発明忌避剤(2)を散布していない場合は作業者全員にヒトスジシマカ雌成虫に数箇所の刺された痕が認められたが、本発明忌避剤(2)を散布した菜園ないし芝生で作業した場合には、8名は刺咬痕は認められず、残り2名も1〜2箇所の刺咬痕が認められた程度であった。
【0062】
実施例31(試験例23)
製造例5で得られた本発明忌避剤(5)を、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)が生息している菜園ないし芝生20m2に25g/m2の施用量で散布し、その上で10人の作業者が5時間程度過ごし、ヒトスジシマカ雌成虫による刺咬数を調べた。対照区としては本発明忌避剤(5)を散布していない菜園ないし芝生での作業者によるヒトスジシマカ雌成虫による刺咬数を調べた。その結果、本発明忌避剤(5)を散布していない場合は作業者全員にヒトスジシマカ雌成虫に数箇所の刺された痕が認められたが、本発明忌避剤(5)を散布した菜園ないし芝生で作業した場合には、3名は刺咬痕は認められず、残り7名も1〜2箇所の刺咬痕が認められた程度であった。
【0063】
実施例32(試験例24)
製造例5で得られた本発明忌避剤(5)を、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)が生息している菜園ないし芝生20m2に50g/m2の施用量で散布し、その上で10人の作業者が5時間程度過ごし、ヒトスジシマカ雌成虫による刺咬数を調べた。対照区としては本発明忌避剤(5)を散布していない菜園ないし芝生での作業者によるヒトスジシマカ雌成虫による刺咬数を調べた。その結果、本発明忌避剤(5)を散布していない場合は作業者全員にヒトスジシマカ雌成虫に数箇所の刺された痕が認められたが、本発明忌避剤(5)を散布した菜園ないし芝生で作業した場合には、3名は刺咬痕は認められず、残り7名も1〜2箇所の刺咬痕が認められた程度であった。
【0064】
実施例33(試験例25)
製造例5で得られた本発明忌避剤(5)を、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)が生息している菜園ないし芝生20m2に75g/m2の施用量で散布し、その上で10人の作業者が5時間程度過ごし、ヒトスジシマカ雌成虫による刺咬数を調べた。対照区としては本発明忌避剤(5)を散布していない菜園ないし芝生での作業者によるヒトスジシマカ雌成虫による刺咬数を調べた。その結果、本発明忌避剤(5)を散布していない場合は作業者全員にヒトスジシマカ雌成虫に数箇所の刺された痕が認められたが、本発明忌避剤(5)を散布した菜園ないし芝生で作業した場合には、8名は刺咬痕は認められず、残り2名も1〜2箇所の刺咬痕が認められた程度であった。
【0065】
実施例34(試験例26)
製造例6で得られた本発明忌避剤(6)を、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)が生息している菜園ないし芝生20m2に25g/m2の施用量で散布し、その上で10人の作業者が5時間程度過ごし、ヒトスジシマカ雌成虫による刺咬数を調べた。対照区としては本発明忌避剤(6)を散布していない菜園ないし芝生での作業者によるヒトスジシマカ雌成虫による刺咬数を調べた。その結果、本発明忌避剤(6)を散布していない場合は作業者全員にヒトスジシマカ雌成虫に数箇所の刺された痕が認められたが、本発明忌避剤(6)を散布した菜園ないし芝生で作業した場合には、3名は刺咬痕は認められず、残り7名も1〜2箇所の刺咬痕が認められた程度であった。
【0066】
実施例35(試験例27)
製造例6で得られた本発明忌避剤(6)を、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)が生息している菜園ないし芝生20m2に50g/m2の施用量で散布し、その上で10人の作業者が5時間程度過ごし、ヒトスジシマカ雌成虫による刺咬数を調べた。対照区としては本発明忌避剤(6)を散布していない菜園ないし芝生での作業者によるヒトスジシマカ雌成虫による刺咬数を調べた。その結果、本発明忌避剤(6)を散布していない場合は作業者全員にヒトスジシマカ雌成虫に数箇所の刺された痕が認められたが、本発明忌避剤(6)を散布した菜園ないし芝生で作業した場合には、4名は刺咬痕は認められず、残り6名も1〜2箇所の刺咬痕が認められた程度であった。
【0067】
実施例36(試験例28)
製造例6で得られた本発明忌避剤(6)を、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)が生息している菜園ないし芝生20m2に75g/m2の施用量で散布し、その上で10人の作業者が5時間程度過ごし、ヒトスジシマカ雌成虫による刺咬数を調べた。対照区としては本発明忌避剤(6)を散布していない菜園ないし芝生での作業者によるヒトスジシマカ雌成虫による刺咬数を調べた。その結果、本発明忌避剤(6)を散布していない場合は作業者全員にヒトスジシマカ雌成虫に数箇所の刺された痕が認められたが、本発明忌避剤(6)を散布した菜園ないし芝生で作業した場合には、7名は刺咬痕は認められず、残り3名も1〜2箇所の刺咬痕が認められた程度であった。
【0068】
比較例4(比較試験例3)
ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)が生息している菜園ないし芝生20m2で、市販のファン式リストバンドタイプの携帯式虫除け装置を左腕に装着した10人の作業者が5時間程度過ごし、ヒトスジシマカ雌成虫による刺咬数を調べた。その結果、作業者全員の手足のいずれかにヒトスジシマカ雌成虫による刺咬痕が認められた。
本発明忌避剤は、着装して携帯するファン式の製品と比較して、いずれも蚊による刺咬痕を減少させるのに有意な効果があり、特に不快感については遥かに効果があるという作業者の意見が多かった。これは直接散布することで、化合物Aが広範囲に揮散し、散布空間への蚊の侵入を阻止する効果を示し得るのに対しファン式の製品は効果の及ぶ範囲がスポットに限定されるためと考えられる。
【0069】
実施例37(試験例29)
製造例1に記載の本発明忌避剤(1)70gを約5.8m3(底面:1.8m×1.8m、高さ1.8m)の試験室内の床に均一に散布した。5分後にユスリカ成虫25頭を放した。30分後に供試したユスリカがノックダウンしている数を調べたところ、25頭全頭がノックダウンしていた。
【0070】
実施例38(試験例30)
製造例2に記載の本発明忌避剤(2)70gを約5.8m3(底面:1.8m×1.8m、高さ1.8m)の試験室内の床に均一に散布した。5分後にユスリカ成虫25頭を放した。30分後に供試したユスリカがノックダウンしている数を調べたところ、25頭全頭がノックダウンしていた。
【0071】
実施例39(試験例31)
製造例1に記載の本発明忌避剤(1)70gを約5.8m3(底面:1.8m×1.8m、高さ1.8m)の試験室内の床に均一に散布した。5分後にオオチョウバエ成虫30頭が入ったネット袋(16メッシュ、直径20cm、高さ30cm)を吊るした。120分後に供試したオオチョウバエがノックダウンしている数を調べたところ、30頭全頭がノックダウンしていた。
【0072】
実施例40(試験例32)
製造例2に記載の本発明忌避剤(2)70gを約5.8m3(底面:1.8m×1.8m、高さ1.8m)の試験室内の床に均一に散布した。5分後にオオチョウバエ成虫30頭が入ったネット袋(16メッシュ、直径20cm、高さ30cm)を吊るした。120分後に供試したオオチョウバエがノックダウンしている数を調べたところ、30頭全頭がノックダウンしていた。
【0073】
実施例41(試験例33)
製造例1に記載の本発明忌避剤(1)70gを約5.8m3(底面:1.8m×1.8m、高さ1.8m)の試験室内の床に均一に散布した。5分後にプラスチックリングを床面中央に置き、そのなかにクロヤマアリ成虫10頭を放した。10分後に供試したクロヤマアリ成虫がノックダウンしている数を調べたところ、10頭全頭がノックダウンしていた。
【0074】
実施例42(試験例34)
製造例2に記載の本発明忌避剤(2)70gを約5.8m3(底面:1.8m×1.8m、高さ1.8m)の試験室内の床に均一に散布した。5分後にプラスチックリングを床面中央に置き、そのなかにクロヤマアリ成虫10頭を放した。10分後に供試したクロヤマアリ成虫がノックダウンしている数を調べたところ、10頭全頭がノックダウンしていた。
【0075】
実施例43(試験例35)
製造例1に記載の本発明忌避剤(1)70gを約5.8m3(底面:1.8m×1.8m、高さ1.8m)の試験室内の床に均一に散布した。5分後にプラスチックリングを床面中央に置き、そのなかにワラジムシ成虫10頭を放した。10分後に供試したワラジムシ成虫がノックダウンしている数を調べたところ、10頭全頭がノックダウンしていた。
【0076】
実施例44(試験例36)
製造例2に記載の本発明忌避剤(2)70gを約5.8m3(底面:1.8m×1.8m、高さ1.8m)の試験室内の床に均一に散布した。5分後にプラスチックリングを床面中央に置き、そのなかにワラジムシ成虫10頭を放した。10分後に供試したワラジムシ成虫がノックダウンしている数を調べたところ、10頭全頭がノックダウンしていた。
【0077】
担体の選定
種々の担体について上記製造例と同様に化合物Aを含有する製剤を製造し、屋内及び屋外において蚊に対する効果等を調べた。各担体の吸油能と合わせ結果を次表に示す。炭酸カルシウム〜石川ライト6号までは上記実施例に記載した例である。その他の試験例は、0.05質量%の化合物Aを含浸させた忌避剤における結果であり、符号は、◎は効果が顕著であること、○は有意の効果があること、△は効果がある可能性があること、×は効果が認められないことを示す。また、安定性は密閉条件で本忌避剤を50℃、3週間保存した場合に、有効成分の残存率(3週間後の有効成分含有量/実験開始時の有効成分含有量)が50%以上である場合に○で示した。
【0078】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0079】
本薬剤を吸着した担体を自然環境中の固相面に散布することにより、ヒトに不快感を与える害虫、殊に蚊、ユスリカ、アリ、ダンゴムシ、ワラジムシ、チョウバエ等を防除する効果が示された。本方法は、常温で揮散しやすい薬剤とこれをより効果的に蒸散する低吸油能の担体と組み合わせたことにより優れた効果を奏する。本願で用いる式(1)で示されるエステル化合物は、長期にわたって使用されており、節足動物以外の生物に対する毒性が低いため、様々な態様、例えば、農園芸作業、屋外イベント、レクリエーション施設等での利用が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1):
【化1】

〔式中、R1は水素原子またはメチル基を表わし、R2はメチル基または−CH=CR2122(式中、R21及びR22は独立して、水素原子、メチル基または塩素原子を表わす。)で示される基を表わし、R3は水素原子、メチル基またはメトキシメチル基を表わす。〕
で示される少なくとも1種のエステル化合物が、吸油能10ml/100g以下の担体に担持されてなる害虫忌避剤。
【請求項2】
さらに殺虫化合物を含む請求項1に記載の害虫忌避剤。
【請求項3】
担体が、害虫忌避剤中の該担体に担持されるエステル化合物の担持量V0と、該害虫忌避剤を3日間蒸散条件下に放置した後の該担体に担持されるエステル化合物の担持量V3において、
【数1】

となる徐放能を有する担体である請求項1または2に記載の害虫忌避剤。
【請求項4】
担体が、粒径0.1〜10mmの粒子である請求項1〜3のいずれかに記載の害虫忌避剤。
【請求項5】
エステル化合物の担持割合が、担体に対して0.001〜5質量%である請求項1〜4のいずれかに記載の害虫忌避剤。
【請求項6】
担持方法が、担体への含浸または担体表面への塗布もしくは吹き付けである請求項1〜5のいずれかに記載の害虫忌避剤。
【請求項7】
担体が無機物質である請求項1〜6のいずれかに記載の害虫忌避剤。
【請求項8】
無機物質が炭酸カルシウム粒子である請求項7に記載の害虫忌避剤。
【請求項9】
無機物質が珪石粒子である請求項7に記載の害虫忌避剤。
【請求項10】
無機物質が珪砂粒子である請求項7に記載の害虫忌避剤。
【請求項11】
エステル化合物が、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートである請求項1〜10のいずれかに記載の害虫忌避剤。
【請求項12】
前記請求項1〜11のいずれかに記載の害虫忌避剤を内部がエチレン−ビニルアルコール共重合体またはポリアクリロニトリルのいずれかでできたフィルムからなる包装体に入れた害虫忌避剤。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載の害虫忌避剤の有効量を屋外領域に散布する害虫忌避方法。
【請求項14】
散布量が対象屋外領域1m2あたり1〜150gである請求項13に記載の害虫忌避方法。

【公開番号】特開2008−110958(P2008−110958A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−86976(P2007−86976)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(390006596)住友化学園芸株式会社 (10)
【出願人】(390000527)住化ライフテク株式会社 (54)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】