説明

害虫捕獲装置及び害虫捕獲装置を用いた害虫捕獲方法

【課題】
害虫捕獲装置において、粘着シートの全面で蛾などの害虫を捕獲することを解決しようとする課題とする。
【解決手段】
紫外線励起によって紫外線又は蛍光を発する物質を内部に含んだ蛍光板2と、蛍光板2の一方の面に配置された粘着シート3と、紫外線LED5が設けられた連結部材4を備えている。蛍光板2には粘着シート3が取り付けられ、この蛍光板2と粘着シート3は連結部材4の両側に各々結合されている。そして、連結部材4、蛍光板2の裏面同士を取り付けて害虫捕獲装置1を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蠅や蛾等の害虫捕獲装置、特に、紫外線LED等の光源を備えた害虫捕獲装置及びこの害虫捕獲装置を用いた害虫捕獲方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、紫外線ランプ等の紫外線光を用いて蛾等の害虫を誘引し、蛾等の害虫を粘着材に粘着して捕獲する害虫捕獲器が知られている。
【0003】
例えば、紫外線光を粘着材に照射し、粘着材が紫外線光を反射することによって粘着材面に害虫を誘引し、粘着材面で害虫を捕獲する害虫捕獲器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、紫外線光を接着剤を表面に備えたシートに照射し、該シートが紫外線光を透過させることによってシート表面に害虫を誘引し、該シート表面で害虫を捕獲する害虫捕獲器が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
特許文献1の害虫捕獲器を図9に基づいて説明する。この害虫捕獲器は、ランプ担体30に、紫外線ランプ31と、紫外線ランプ31を上方から覆うように反射板32が取り付けられ、ランプ担体30下方から、粘着材33を片面に備えた粘着部材34が吊り下げられている。紫外線ランプ31を点灯すると、紫外線光が粘着材33面に照射される。このとき、紫外線光は粘着材33面で反射され、反射された紫外線光によって蠅や蛾等の害虫が誘引され、害虫は粘着材33面に捕獲される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−168386号公報
【特許文献2】特開2008−295312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、紫外線光を粘着材面で反射する害虫捕獲器においては、紫外線ランプ31からの紫外線光を粘着材33面に照射するため、紫外線光を粘着材33面全面に均等な強さで照射することが出来ず、粘着材33面全面を害虫の捕獲に利用することができなかった。このことは、特許文献2に記載の紫外線光を透過させる害虫捕獲器においても同様のことがいえる。
【0008】
本発明は、粘着層を備えた粘着シートの全面で蛾等の害虫を捕獲することができる紫外線LED等の光源を備えた害虫捕獲装置及び害虫捕獲装置を用いた害虫捕獲方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明害虫捕獲装置は、紫外線励起によって紫外線又は蛍光を発する物質を内部に含んだ蛍光板と、蛍光板の一方の面上に配置され、基材の面に粘着層を設けて構成された粘着シートと、紫外線光源が設けられた連結部材を備え、蛍光板には粘着シートが取り付けられ、この蛍光板と粘着シートは連結部材の両側に各々結合され、この結合された連結部材、蛍光板の裏面同士を取り付けて構成さたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の害虫捕獲装置は、紫外線励起によって紫外線又は蛍光を発する物質を内部に含んだ蛍光板と、蛍光板の一方の面に配置され、基材の面に粘着層を設けて構成された粘着シートと、紫外線光源が設けられた連結部材を備え、蛍光板には粘着シートが取り付けられ、この蛍光板と粘着シートを連結部材の両側に各々結合して構成されたことを特徴とする。
【0011】
粘着シートは、磁石、又は接着剤、又は穴と突起、又はその他機械的係止手段等の取り付け手段により蛍光板に取り付けることができる。
【0012】
粘着シートは帯状であって、蛍光板面上に繰り出し可能にロールホルダーにロール状に収納することができる。
【0013】
粘着シートは蛍光板に対して、間隔を設けて配置することができる。
【0014】
本発明の害虫捕獲装置を用いた害虫捕獲方法は、害虫捕獲装置の周囲に、紫外線励起によって紫外線又は蛍光を発する物質を内部に含んだ蛍光板と、基材の面に粘着層を設けて構成された粘着シートを備えた害虫捕獲シートを設置し、害虫捕獲装置の紫外線光源から紫外線を放射することにより害虫捕獲装置と害虫捕獲シートの蛍光板内部に含まれる紫外線励起によって紫外線又は蛍光を発する物質を紫外線励起して紫外線又は蛍光を発し、この紫外線又は蛍光により害虫を誘引して害虫を害虫捕獲装置、害虫捕獲シートの粘着シートで捕獲することを特徴とする。
【0015】
害虫捕獲装置と害虫捕獲シートを交互に設置することができる。
【0016】
また、本発明の害虫捕獲装置を用いた害虫捕獲方法は、紫外線光源の周囲に、害虫捕獲装置と、紫外線励起によって紫外線又は蛍光を発する物質を内部に含んだ蛍光板と、基材の面に粘着層を設けて構成された粘着シートを備えた害虫捕獲シートを設置し、紫外線光源及び害虫捕獲装置の紫外線光源から紫外線を放射することにより害虫捕獲装置と害虫捕獲シートの蛍光板内部に含まれる紫外線励起によって紫外線又は蛍光を発する物質を紫外線励起して紫外線又は蛍光を発し、この紫外線又は蛍光により害虫を誘引して害虫を害虫捕獲装置、害虫捕獲シートの粘着シートで捕獲することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、害虫捕獲装置の紫外線光源から紫外線を放射すると、紫外線は正面に放射されるとともに、害虫捕獲装置の蛍光板内にも放射される。この紫外線により、害虫捕獲装置の蛍光板内部及び害虫捕獲シートの蛍光板内部に含んだ紫外線励起によって紫外線又は蛍光を発する物質が紫外線励起されて紫外線又は蛍光を発し、この紫外線又は蛍光は、外部に発せられる。外部に発せられた紫外線又は蛍光は、蛾等の害虫を誘引し、害虫を害虫捕獲装置、害虫捕獲シートの粘着シートで捕獲することができる。本発明は、害虫捕獲装置の蛍光板内部及び害虫捕獲シートの蛍光板内部全体に紫外線励起によって紫外線又は蛍光を発する物質を含ませることができるので、害虫捕獲装置、害虫捕獲シートの粘着シート全面で蛾等の害虫を効率よく捕獲することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(a)は、本発明の害虫捕獲装置の第1の実施形態(両面タイプ)の正面図であり、(b)は、本発明の害虫捕獲装置の両面タイプの第1の実施形態(両面タイプ)の右側面図であり、(c)は、本発明の害虫捕獲装置の第1の実施形態の変形例(片面タイプ)の右側面図である。
【図2】本発明の害虫捕獲装置に用いられる粘着シートの実施形態を示す図であり、(a)は、粘着シートの実施形態の断面図であり、(b)は、粘着層が、紫外線又は蛍光を透過させない粘着剤で形成されている場合の粘着シートの実施形態の正面図である。
【図3】(a)(b)は、本発明の害虫捕獲装置に用いられる粘着シートを、蛍光板に取り付ける手段の第1の例の正面図である。
【図4】(a)(b)は、本発明の害虫捕獲装置に用いられる粘着シートを蛍光板に取り付ける手段の第2の例の正面図である。
【図5】(a)(b)(c)は、本発明の害虫捕獲装置に用いられる粘着シートを蛍光板に取り付ける手段の第3の例の概略正面図である。
【図6】(a)は、本発明の第1の実施形態の害虫捕獲装置と共に使用される害虫捕獲シート(両面タイプ)の正面図であり、(b)は、本発明の第1の実施形態の害虫捕獲装置と共に使用される害虫捕獲シート(両面タイプ)の右側面図であり、(c)は、本発明の第1の実施形態の害虫捕獲装置と共に使用される害虫捕獲シートの変形例(片面タイプ)の右側面図である。
【図7】本発明の害虫捕獲装置を用いた害虫捕獲方法の第1の実施形態を示す説明図である。
【図8】本発明の害虫捕獲装置を用いた害虫捕獲方法の第2の実施形態を示す説明図である。
【図9】従来の従来の害虫捕獲器を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の紫外線LED等の光源を備えた害虫捕獲装置の第1の実施形態を、図1に基づいて説明する。なお、図面の説明においては、同一要素においては同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0020】
図1(a)は、本発明の紫外線LED等の光源5を備えた害虫捕獲装置1の第1の実施形態(両面タイプ)の全体を示す正面図であり、図1(b)は、本発明の紫外線LED等の光源5を両面に備えた害虫捕獲装置1の第1の実施形態(両面タイプ)の全体を示す右側面図であり、図1(c)は、本発明の紫外線LED等の光源5を片面に備えた害虫捕獲装置1の第1の実施形態の変形例(片面タイプ)の全体を示す右側面図である。
【0021】
本発明の第1の実施形態の害虫捕獲装置1は、図1(a)(b)に示すように、紫外線励起によって紫外線又は蛍光を発する物質を内部に含んだ蛍光板2と、蛍光板2の一方の面上に配置された粘着シート3と、紫外線LED5が設けられた連結部材4を備えている。連結部材4に設けられている紫外線LED5は1個でも複数個でもよい。蛍光板2には粘着シート3が取り付けられていて、この2個の蛍光板2と粘着シート3は連結部材4の両側に各々結合されている。蛍光板2と粘着シート3は連結部材4の片側にのみ結合してもよい。そして、この結合された連結部材4、蛍光板2の裏面同士を取り付けて害虫捕獲装置1が構成されている。連結部材4は、紫外線を透過する部材で形成されている。
【0022】
本発明の第1の実施形態の害虫捕獲装置1の変形例としては、図1(c)に示すように、蛍光板2と粘着シート3が、紫外線LED5が設けられた連結部材4の両側に各々結合されて構成された、紫外線LED5を片面のみに有する片面タイプのものがある。蛍光板2と粘着シート3は連結部材4の片側にのみ結合してもよい。また、蛍光板2の両側に粘着シート3を設けてもよい。
【0023】
蛍光板2は、紫外線励起によって紫外線又は蛍光を発する物質を含んでいるが、その物質としては、例えば、チオフェン誘導体(BBOT)、ベンゾ ペリレン(Benzo perylene)、ペリレン(Perylene)、エトキシ−ベンゾ キサンテン(Ethoxy-benzo xanthene)、フェニル フルオランテン(Phenyl fluoranthene)、テトラフェニル ピレン(Tetraphenyl pyrene)、テトラセン(Tetrasen)、フェニル アントラセン(Phenyl anthracene)、ジナフチル アントラセン(Dinaphthyl anthracene)、メチル アントラセン(Methyl anthracene)、アントラセン(Anthracene)、アクリジン(Acridine)などがある。
【0024】
本発明の第1の実施形態の害虫捕獲装置1に用いられる粘着シート3の実施形態を図2に基づいて説明する。図2(a)は、粘着シート3の実施形態の断面図であり、図2(b)は、粘着層7が、紫外線又は蛍光を透過させない粘着剤で形成されている場合の粘着シート3の実施形態の正面図である。
【0025】
粘着シート3は、図2(a)に示すように、基材6の一方の面に、蛾等の害虫を捕獲する粘着層7を設けて構成されている。基材6は、紫外線又は蛍光を透過する部材、例えば透明な部材、網構造を有する部材等から構成されている。これにより、紫外線又は蛍光は粘着シート3を透過することができる。粘着層7が、紫外線又は蛍光を透過させない粘着剤で形成されている場合は、図2(b)に示すように、例えば、粘着層7を格子状に形成する等して、粘着層7を粘着シート3の基材4の一面全面に設けない。粘着層7は、基材6の両面に設けてもよい。
【0026】
粘着シート3の粘着層7の表面には、不使用時にごみ等が粘着シート3表面に付着しないようにするための剥離シートを備えてもよい。また、粘着シート3の四隅の一つには、粘着シート3を剥がしやすくするための粘着力が小さい又は粘着力を有しない剥離部を設けてもよい。
【0027】
図1(a)(b)に示した本発明の第1の実施形態の害虫捕獲装置1では、蛍光板2の面上に配置された粘着シート3は、複数枚の粘着シートを剥離可能に積層して形成されている。複数枚の各粘着シート3は、各々を必要に応じて接着剤で剥離可能に接着してもよい。この粘着シート3は1枚でもよい。また、粘着シート3は帯状のものでもよい。
【0028】
本発明の第1の実施形態の害虫獲得装置1において、粘着シート3を蛍光板2に取り付ける手段を図3〜図5に基づいて説明する。
【0029】
図3(a)(b)は、粘着シート3を蛍光板2に取り付ける手段として、磁石31を用いた例を示している。図3(a)に示す例では、磁石31を粘着シート3の四隅に配置し、蛍光板2の面に強磁性体を設けるなどして、粘着シート3を蛍光板2に取り付けている。図3(b)に示す例では、蛍光板2、2の間に紫外線LED等の光源20を配置し、蛍光板2、2の面に強磁性体を設けるなどして、磁石31を粘着シート3の四隅に配置し、粘着シート3を蛍光板2に取り付けている。
【0030】
図4(a)(b)は、粘着シート3を蛍光板2に取り付ける手段として、のり等の接着剤32を用いた例を示している。図4(a)に示す例では、粘着シート3の上部のみにのり等の接着剤32を塗布しており、図4(b)に示す例では、粘着シート3の上部と下部にのり等の接着剤32を塗布している。
【0031】
図3(a)(b)、図4(a)(b)に示す例では、粘着シート3を蛍光板2に取り付ける手段として、磁石31やのり等の接着剤32を用いているが、粘着シート3に穴を設け、蛍光板2前面に突起を設け、該穴に該突起を嵌め込んで粘着シート3を蛍光板2に取り付けてもよい。また、粘着シート3を蛍光板2に取り付ける手段として、他の機械的係止手段を用いてもよい。
【0032】
図5(a)(b)(c)には、粘着シート3を帯状とし、この帯状の粘着シート3を、蛍光板2の面上に繰り出し可能にロールホルダー33、35、36にロール状に収納する例を示している。
【0033】
図5(a)に示す例では、粘着シート3を巻き取るためのロールホルダー33、34を備えている。ロールホルダー33、34間には蛍光板2が配置されている。粘着シート3はロールホルダー33にロール状に収納されており、使用時には粘着ロール3が蛍光板2の面上に繰り出され、粘着シート3の交換時は、交換部分の粘着シート3がロールホルダー34に巻き取られ、一方のロールホルダー33から新しい粘着シ−ト3が蛍光板2の面上に繰り出される。
【0034】
図5(b)に示す例では、粘着シート3を巻き取るためのロールホルダー35を備えている。ロールホルダー35の一方側には蛍光板2が配置されている。粘着シート3は、蛍光板2の周囲を一周してロールホルダー35に巻き取られている。ロールホルダー35を回転することにより、蛍光板2の前面に新しい粘着シート3が繰り出され、交換部分の粘着シート3はロールホルダー35に巻き取られる。
【0035】
図5(c)に示す例では、粘着シート3をロール状に収納するためのロールホルダー36を設けている。ロールホルダー36の一方側には蛍光板2が配置されている。粘着シート3はロールホルダー36にロール状に収納されており、使用時には粘着シート3が蛍光板2の前面に繰り出され、粘着シート3の交換時は、交換部分の粘着シート3がカットされ、一方のロールホルダー36から新しい粘着シ−ト3が蛍光板2の前面に繰り出される。粘着シート3の使用時、粘着シート3のカットされた端部は、蛍光板2に図3に示すような手段で固定されることが好ましい。
【0036】
このように構成された害虫捕獲装置1は、連結部材4に設けられた紫外線LED5から紫外線(例えば360nm〜400nmの波長を備えた紫外線)を放射すると、紫外線は正面に放射されるとともに、連結部材4を介して蛍光板2内にも放射される。蛍光板2内に放射された紫外線は、蛍光板2内に含まれている紫外線励起によって紫外線又は蛍光を発する物質を紫外線励起し、該物質は紫外線又は蛍光を発する。このように発せられた紫外線又は蛍光は、粘着シート3を透過して外部に放射され、蛾等の害虫を誘引して害虫を粘着シート3に捕獲する。このとき、蛍光板2全体に、紫外線励起によって紫外線又は蛍光を発する物質が含まれているので、粘着シート3全面で害虫を効率よく捕獲することができる。
【0037】
粘着シート3を蛍光板2に取り付ける場合、粘着シ−ト3と蛍光板2との間に隙間を設けてもよい。隙間を設けた場合、粘着シ−ト3の両面に粘着層を備えていると、粘着シート3両面で害虫を効率よく捕獲することができる。
【0038】
本発明の第1の実施形態の害虫捕獲装置1又は紫外線LED等の光源とともに用いられる害虫捕獲シート10を図6に基づき説明する。図6(a)は、害虫捕獲シート10(両面タイプ)の正面図であり、図6(b)は、害虫捕獲シート10(両面タイプ)の右側面図であり、図6(c)は、害虫捕獲シート10の変形例(片面タイプ)の右側面図である。
【0039】
本発明の第1の実施形態の害虫捕獲装置1又は紫外線LED等の光源とともに用いられる害虫捕獲シート10は、図6(a)(b)に示すように、紫外線励起によって紫外線又は蛍光を発する物質を内部に含んだ蛍光板12と、蛍光板12の一方の面に配置された粘着シート13と、連結部材14を備えている。蛍光板12には粘着シート13が取り付けられていて、この蛍光板12と粘着シート13は連結部材14の両側に各々結合されている。そして、連結部材14、蛍光板12の裏面同士を取り付けて害虫捕獲シート10が構成される。連結部材14は、紫外線を透過する部材で形成されている。
【0040】
本発明の第1の実施形態の害虫捕獲装置1又は紫外線LED等の光源とともに用いられる害虫捕獲シート10の変形例としては、図6(c)に示すように、蛍光板12と粘着シート13を連結部材14の両側に各々結合して構成された片面タイプのものがある。
【0041】
図6(a)(b)(c)で示した本発明の第1の実施形態の害虫捕獲装置1又は紫外線LED等の光源とともに用いられる害虫捕獲シート10は、連結部材14を備えているが、連結部材14はなくてもよい。
【0042】
蛍光板12は、内部に紫外線励起によって紫外線又は蛍光を発する物質を含んでいるが、その物質は、本発明の第1の実施形態の害虫捕獲装置1に用いられている物質と同じものである。
【0043】
粘着シート13は、図2に示す本発明の第1の実施形態の害虫捕獲装置1の粘着シート3と同じ構造のものである。
【0044】
本発明の害虫捕獲シート10において、粘着シート13を蛍光板12に取り付ける手段は図3〜図5に示す例と同じものである。
【0045】
本発明の害虫捕獲装置を用いた害虫捕獲方法の第1、第2の実施形態を図7、図8に基づいて説明する。
【0046】
図7に示す例では、害虫捕獲装置1と害虫捕獲シート10を(a)〜(e)に示すように交互に設置している。害虫捕獲装置1と害虫捕獲シート10の配置は、図7に示す配置関係に限定されるものではなく、害虫捕獲装置1の周囲に害虫捕獲シート10を配置するなど適宜なされるものである。
【0047】
害虫捕獲装置1の紫外線LED5から紫外線(例えば360nm〜400nmの波長を備えた紫外線)が放射されると、紫外線は正面に放射されるとともに、連結部材4を介して害虫捕獲装置1の蛍光板2内にも放射される。害虫捕獲装置1の蛍光板2内に放射された紫外線は、蛍光板2内に含まれている紫外線励起によって紫外線又は蛍光を発する物質を紫外線励起し、該物質は紫外線又は蛍光を発する。このようにして発せられた紫外線又は蛍光は、害虫捕獲装置1の粘着シート3を透過して外部に放射され、蛾等の害虫を誘引して害虫を害虫捕獲装置1の粘着シート3で捕獲する。正面に放射された紫外線は、害虫捕獲シート10の蛍光板12内に放射される。蛍光板12内に放射された紫外線は、蛍光板12内に含まれている物質を紫外線励起し、該物質は紫外線又は蛍光を発する。このようにして発せられた紫外線又は蛍光は、粘着シート13を透過して外部に放射され、蛾等の害虫を誘引して害虫を害虫捕獲シート10の粘着シート13で捕獲する。このとき、害虫捕獲装置1の蛍光板2、害虫捕獲シート10の蛍光板12全体に、紫外線励起によって紫外線又は蛍光を発する物質が含まれているので、粘着シート3、13全面で害虫を効率よく捕獲することができる。
【0048】
図7に示す例において、害虫捕獲装置1を紫外線LED等の光源としてもよい。
【0049】
図8に示す例では、害虫捕獲装置1は、光源20の四方に連続して配置している。図8に示す例の場合、光源20の間に配置される害虫捕獲装置1は、前後の光源20から紫外線が放射されることになる。光源20から放射された紫外線、害虫捕獲装置1の紫外線LEDから放射された紫外線は、害虫捕獲装置1の蛍光板12内に放射され、蛍光板2内に含まれている物質を紫外線励起し、該物質は紫外線又は蛍光を発する。このようにして発せられた紫外線又は蛍光は、粘着シート3を透過して外部に放射され、蛾等の害虫を誘引して害虫を害虫捕獲装置1の粘着シート3で捕獲する。
【0050】
図8に示す例において、光源20として害虫捕獲装置1を用いてもよいし、害虫捕獲装置1の代わりに害虫捕獲シート10を用いてもよい。また、光源20、害虫捕獲シート10、害虫捕獲装置1を共に用いてもよい。害虫捕獲装置1、害虫捕獲シート10は、屋内、屋外のあらゆるところに設置することができ、また、光源20、害虫捕獲装置1からの紫外線を害虫捕獲装置1、害虫捕獲シート10に対して上下左右あらゆる方向から放射することができるので、蛾等の害虫をあらゆる場所で効率よく捕獲することができる。
【符号の説明】
【0051】
1…害虫捕獲装置、2…蛍光板、3…粘着シート、4…連結部材、5…紫外線LED、6…基材、7…粘着層、10…害虫捕獲シート、12…蛍光板、13…粘着シート、14…連結部材、20…光源、31…磁石、32…接着剤、33、34、35、36…ロールホルダー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線励起によって紫外線又は蛍光を発する物質を内部に含んだ蛍光板と、蛍光板の一方の面上に配置され、基材の面に粘着層を設けて構成された粘着シートと、紫外線光源が設けられた連結部材を備え、蛍光板には粘着シートが取り付けられ、この蛍光板と粘着シートは連結部材の両側に各々結合され、この結合された連結部材、蛍光板の裏面同士を取り付けて構成されたことを特徴とする害虫捕獲装置。
【請求項2】
紫外線励起によって紫外線又は蛍光を発する物質を内部に含んだ蛍光板と、蛍光板の一方の面に配置され、基材の面に粘着層を設けて構成された粘着シートと、紫外線光源が設けられた連結部材を備え、蛍光板には粘着シートが取り付けられ、この蛍光板と粘着シートを連結部材の両側に各々結合して構成されたことを特徴とする害虫捕獲装置。
【請求項3】
前記粘着シートは、磁石、又は接着剤、又は穴と突起、又はその他機械的係止手段により前記蛍光板に取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の害虫捕獲装置。
【請求項4】
前記粘着シートは帯状であって、前記蛍光板の面上に繰り出し可能にロールホルダーにロール状に収納されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の害虫捕獲装置。
【請求項5】
前記粘着シートは前記蛍光板に対して、隙間を設けて配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の害虫捕獲装置。
【請求項6】
請求項1又は2記載の前記害虫捕獲装置の周囲に、紫外線励起によって紫外線又は蛍光を発する物質を内部に含んだ蛍光板と、基材の面に粘着層を設けて構成された粘着シートを備えた害虫捕獲シートを設置し、前記害虫捕獲装置の前記紫外線光源から紫外線を放射することにより前記害虫捕獲装置と前記害虫捕獲シートの前記蛍光板の内部に含まれる紫外線励起によって紫外線又は蛍光を発する前記物質を紫外線励起して紫外線又は蛍光を発し、この発せられた紫外線又は蛍光により害虫を誘引して害虫を害虫捕獲装置、害虫捕獲シートで捕獲することを特徴とする前記害虫捕獲装置を用いた害虫捕獲方法。
【請求項7】
請求項6記載の害虫を捕獲する方法であって、前記害虫捕獲装置と前記害虫捕獲シートを交互に設置したことを特徴とする請求項6記載の前記害虫捕獲装置を用いた害虫捕獲方法。
【請求項8】
紫外線光源の周囲に、請求項1又は2記載の前記害虫捕獲装置と、紫外線励起によって紫外線又は蛍光を発する物質を内部に含んだ蛍光板と、基材の面に粘着層を設けて構成された粘着シートを備えた害虫捕獲シートを設置し、前記紫外線光源及び前記害虫捕獲装置の前記紫外線光源から紫外線を放射することにより前記害虫捕獲装置と前記害虫捕獲シートの前記蛍光板の内部に含まれる紫外線励起によって紫外線又は蛍光を発する前記物質を紫外線励起して紫外線又は蛍光を発し、この紫外線又は蛍光により害虫を誘引して害虫を前記害虫捕獲装置、前記害虫捕獲シートの前記粘着シートで捕獲することを特徴とする前記害虫捕獲装置を用いた害虫捕獲方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate