害虫駆除方法及び装置
【課題】地中に埋設したシロアリ駆除装置の位置とシロアリの出現の検出を簡単確実に行うことの出来るシステムの提供。
【解決手段】害虫駆除システム20は、領域又は建物22の周りに設置された害虫駆除装置110を備える。装置110は各々、餌部材と、通信回路とを備える。通信回路は、餌状況を表示する情報と、害虫駆除装置110の各々の特徴的な標識とを伝送する受動型RFタグの形態である。通信回路を介して害虫駆除装置110の位置を探知し且つ害虫駆除装置110と接続し得るように携帯型の探知器30が設けられている。害虫駆除装置110から収集された情報を収集するデータ収集装置40を代替的又は追加的に利用可能である。餌部材は、目標とする種の害虫の餌消費振舞いを表示する磁気符号を提供し得るように磁気構成要素を備えてもよい。この装置は、必要に応じて、害虫の振舞いを表示し且つ予測する1つ又は2つ以上の環境センサを備える。
【解決手段】害虫駆除システム20は、領域又は建物22の周りに設置された害虫駆除装置110を備える。装置110は各々、餌部材と、通信回路とを備える。通信回路は、餌状況を表示する情報と、害虫駆除装置110の各々の特徴的な標識とを伝送する受動型RFタグの形態である。通信回路を介して害虫駆除装置110の位置を探知し且つ害虫駆除装置110と接続し得るように携帯型の探知器30が設けられている。害虫駆除装置110から収集された情報を収集するデータ収集装置40を代替的又は追加的に利用可能である。餌部材は、目標とする種の害虫の餌消費振舞いを表示する磁気符号を提供し得るように磁気構成要素を備えてもよい。この装置は、必要に応じて、害虫の振舞いを表示し且つ予測する1つ又は2つ以上の環境センサを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、害虫駆除技術、より具体的に且つ非限定的には、1つ又は2つ以上の種類の害虫から保護すべき領域の周りにて隔てられた多数の害虫駆除装置からデータを収集する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
地中シロアリは、木製構造体に甚大な損害を与える可能性のある、特に問題となる種類の害虫である。シロアリを除去し且つ昆虫及び非昆虫の種類の双方のその他の有害な害虫を除去するため色々な方法が提案されている。1つの方法において、害虫駆除は、保護すべき領域内に化学的殺虫剤を全体的に施すことによるものである。しかし、環境的規制の結果、この方法は、望ましくないものとなりつつある。
【0003】
最近、殺虫化学薬剤を目標に向けて集中的に供給することを可能にすべく改良が為されている。スーの米国特許第5,815,090号はその一例である。シロアリの駆除を目的とする別の例は、インディアナ州、インディアナポリス、9330ジオンヴァイルロードに本社があるダウ・アグロサイエンスズのセントリコン(SENTRICON)(登録商標名)システムである。このシステムにおいて、各々がシロアリの食用材料を有する多数の装置を保護すべき住宅の周りの地中に配置する。これらの装置は、害虫駆除サービス員がシロアリの有無について日常的に検査し、各装置と関係した特徴的なバーコードラベルを基準にして検査データを記録する。所定の装置内にシロアリが発見されたならば、シロアリの巣に持ち帰ってその群体を全滅させることを目的とする遅速効果のある殺虫剤を保持する餌を配置する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,815,090号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
不都合なことに、これらの装置は、配置後、その位置を探知することが難しいことがしばしばあり、その結果、検査作業に過剰な時間を消費することになる。金属製装置の場合、それら装置の位置探知を速くするため、金属製の検知装置が利用されることがある。しかし、このようにして、装置を検知することを妨げるであろう、非常に多数の金属物が家及びその他の構造体の周りに埋め込まれている。更に、装置を金属検知装置にて容易に検知することができない程度までそれら装置を非金属材料にて製造することが望ましいことが
更に、害虫の活動に関するデータを収集するための代替的な技術も望まれる。例えば、害虫駆除サービスによりデータを収集するのに必要な時間を短くすることが望ましい。また、データを収集する技術の信頼性を高め且つより広汎な害虫の活動データを得ることも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの形態は、特徴的な害虫駆除技術を含む。別の形態において、選んだ1つ又は2つ以上の害虫の種を検知し且つ全滅させるための特徴的な害虫駆除装置が提供される。本明細書で使用するように、「害虫駆除装置」とは、広く、1つ又は2つ以上の種の害虫を感知し、検知し、監視し、餌でおびき寄せ、給餌し、毒を与え、すなわち全滅させるために使用される任意の装置を広く意味するものとする。更に別の形態において、特徴的な害虫駆除装置の位置を探知する技術が提供される。
【0007】
本発明の更に別の形態は、特徴的な害虫駆除システムを含む。このシステムは、多数の害虫駆除装置と、害虫駆除装置からデータを収集する探知器とを含む。この探知器は、害虫駆除装置の各々と個々に無線通信を行い得る形態とされた携帯型の形態とすることができる。
【0008】
本発明の別の形態は、励起信号に応答可能な受動型RF通信回路のような、特徴的な無線通信能力を備える害虫駆除装置を含む。この装置は、オプション的に、能動型の無線通信回路を含んでいる。
【0009】
本発明の害虫駆除装置の更に別型式のものは、装置を特徴的に識別する信号を提供する通信回路を含む。更に、この通信回路は、装置と関係した害虫の活動を示す信号を伝送することができる。
【0010】
本発明の1つの代替的な形態において、害虫駆除装置は、少なくとも一部分が磁気材料で出来た特徴的な監視餌を含む。更なる代替例において、害虫駆除装置は、1つ又は2つ以上の相応する環境の特徴に関するデータを収集するため1つ又は2つ以上の環境センサを含む。
【0011】
本発明の追加的な形態、特徴、特色及び目的は、図面及び本明細書の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による第1の型式の害虫駆除システムの概略図である。
【図2】作動中の図1のシステムの選択した要素の図である。
【図3】害虫の活動を監視し得るように図1のシステム内で使用可能な本発明による第1の型式の害虫駆除装置の分解組立図である。
【図4】図4と同様の害虫駆除装置の分解組立図である。
【図5】図1のシステムの選択した回路図である。
【図6】図1のシステムにて行うことのできる本発明の過程の一例のフローチャートである。
【図7】本発明による第2の型式の害虫駆除装置の分解組立図である。
【図8】図7と同様の害虫駆除装置の分解組立図である。
【図9】図7及び図8の害虫駆除装置を含む、本発明による第2の型式の害虫駆除システムのブロック図である。
【図10】図7及び図8の害虫駆除装置を含む本発明による第3の型式の害虫駆除システムの概略図である。
【図11】図9又は図10のシステムにて行うことのできる本発明の過程の一例のフローチャートである。
【図12】本発明による第4の型式の害虫駆除システムの概略図である。
【図13】本発明による第3の型式の害虫駆除装置を含む第5の型式の害虫駆除システムの概略図である。
【図14】本発明による第4の型式の害虫駆除装置を含む第6の型式の害虫駆除システムの概略図である。
【図15】図14のシステムにて行うことのできる本発明の過程の一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の原理の理解を促進する目的にて、次に図面に図示した実施の形態に関して説明し、その説明のため特定の用語を使用する。しかし、これにより本発明の範囲を何ら限定することを意図するものではないことを理解すべきである。説明した実施の形態の任意の変更及び更なる改変例並びに本明細書に記載した本発明の原理の任意の更なる適用例は、本発明が関係する技術分野の当業者に通常、案出されるであろうと考えられる。
【0014】
図1には、本発明の1つの実施の形態の害虫駆除システム20が図示されている。システム20は、地中シロアリのような害虫に起因する損害から建物22を保護し得るように配置されている。システム20は、建物22の周りに配置された多数の害虫駆除装置110を含む。図1において、明確化のため、幾つかの装置110のみが参照番号で特定的に表示してある。システム20は、また、装置110に関する情報を収集し得るように探知器30も含む。探知器30により装置110から収集されたデータは通信インターフェース部41を介してデータ収集装置(DCU)40内に収集される。
【0015】
図2を更に参照すると、システム20の作動の特定の特徴が図示されている。図2において、無線通信技術を使用して少なくとも一部分が地面G内に配置された害虫駆除装置110を探知するために探知器30を作動させる害虫駆除サービス員Pが図示されている。この例において、探知器30は、設置した装置110との無線通信を確立し得るように地面Gを掃引するのに便宜な携帯型の形態にて図示されている。システム20の追加的な特徴及びその作用は、図5及び図6に関して説明するが、図3及び図4の分解組立図を参照しつつ、1つの代表的な害虫駆除装置110に関する第一の更なる詳細について説明する。
【0016】
図3及び図4に示すように、害虫駆除装置110は、害虫の活動監視アセンブリ130を備えている。監視アセンブリ130は、各々が害虫の選択した1つ又は2つ以上の種に対する餌材料から出来た2つの餌部材132を含んでいる。例えば、餌部材132の各々は、かかる害虫の好む食物である材料から形成することができる。地中シロアリに関する一例において、餌部材132の各々は、殺虫剤成分を含まない柔軟な木ブロックの形態をしている。シロアリに対する他の例において、餌部材132は、最初に殺虫剤を含み、木以外の組成又はこれら特徴の組合せ体を備えている。害虫駆除装置110がシロアリ以外の種類の害虫を対象とする更に別の例において、餌部材132の相応して相違する組成が典型的に使用される。
【0017】
監視アセンブリ130は、また、支持部材134も備えている。支持部材134は、細長い中央の接続部分137により基部138に接続されたハンドル136を備えている。支持部材134は、また、接続部分137とハンドル136との間に頚部分139も備えている。典型的に、支持部材134は、監視アセンブリ130がさらされる可能性がある害虫が顕著に消費したり又は変位させることがない材料で出来ている。地中シロアリを対象とする一例において、支持部材134は、ポリプロピレンのような重合系樹脂化合物で出来ている。
【0018】
監視アセンブリ130は、害虫センサ150を更に備える。害虫センサ150は、餌部材132の1つと支持部材134との間に配置された感知部材151を備える。感知部材151は導電性経路154を保持する基板152を備える。経路154は電気的に隔離した2つの接点156にて終端している。部材151の基板152は、食餌する害虫により消費され又は変位されるように配置された材料で形成されている。1又は2つ以上の害虫が基板152を消費し且つ/又は変位させる結果、経路154の導通性は最終的に失われる。この導電性が失われたことを害虫が存在することの指標として利用することができる。これに代えて、基板152は、餌部材132のある程度の消費が導電性経路154を開放するのに十分な力を加えるように基板152を餌部材132に対して方向決めしてもよい。地中シロアリに適することが判明した1つの例において、基板152は、シロアリにより容易に変位される、独立気泡構造のような非食物の基板で出来ており、基板152に付与された導電性材料により導電性経路154が画成される。別の例において、基板152は、標的とする害虫が食物として好む1つ又は2つ以上の型式の材料を含むことができる。更に別の例において、食物及び非食物材料の組合せ体を利用することができる。
【0019】
害虫感知部材151は、支持部材134の一側部に対向する位置に配置され、餌部材132の1つは他方の側に対向する位置に配置されている。残りの餌部材132は、支持部材134と接触した側部に対向する害虫感知部材151の側部に対向する位置に配置されている。餌部材132、害虫感知部材151及び支持部材134は、接着剤により共に接着するか、又は当業者に案出されるであろう別の方法により共に接続することができる。
【0020】
監視アセンブリ130は、また、支持ディスク140も備えている。支持ディスク140は、支持部材134の頚部分139に係合し且つ餌部材132及び感知部材151を基部138とディスク140との間にて保持し得るようにスロット142を画成する。典型的に、ディスク140は、また、監視アセンブリ130がさらされる害虫が実質的に消費したり、また、変位させることがない材料で出来ている。ディスク140は面144を画成する。
【0021】
ディスク140の面144は、監視アセンブリ130の回路基板164を支持する。基板164に取り付けられた多数の構成要素165により無線通信回路160が画成される。構成要素165は、無線周波数(RF)帯域内で作動可能なアンテナコイル162と、アンテナコイル162に電気的に接続された1つ又は2つ以上のその他の構成要素とを備えている。通信回路160は、通路154との導電性ループを形成し得るように各々がセンサ150の接点156のそれぞれの1つと電気的に接続する一対の導体166を含む。全体として、通信回路160及びセンサ150の通路154は、図5に関して以下により詳細に説明する、害虫監視回路169として設計されている。
【0022】
第1に、図4をより具体的に参照すると、害虫駆除装置110は、また、ハウジング170を備える。ハウジング170は、端部分171bと反対側の端部分171aを有する。端部分171bは、図2に図示するように、装置110を地中に配置するのを助けるテーパ−付き端部175を有する。テーパ−付き端部175は穴(図示せず)迄延在する。ハウジング170は、端部分171aにより画成された開口部178を通じて害虫の活動監視アセンブリ130を受け入れるチャンバ172を画成する。ハウジング170により画成された多数のスロット174がチャンバ172と接続している。スロット174は、シロアリがチャンバ172に入り且つチャンバ172から出るのを許容し得るように配置されている。ハウジング170は、多数の突出しフランジを有し、その突出しフランジの幾つかは、装置110を地中に配置するのを助け得るように図4に参照番号176a、176b、176cで表示していある。
【0023】
キャップ180は、監視アセンブリ130をチャンバ172内で固着し得るように配置されている。キャップ180は、通路179のような、ハウジング170により画成された構造体に取り外し可能に係合する突起(図示せず)を含むことができる。典型的に、ハウジング170及びキャップ180は、害虫による損害及び装置110がさらされる環境に対する抵抗性のある材料で出来ている。地中シロアリに適した1つの例において、ハウジング170及びキャップ180は熱硬化性又は熱可塑性の重合系樹脂で出来ている。
【0024】
図5には、代替的に、無線通信サブシステム120として設計された装置110の監視回路169及び探知器30の通信回路31が更に図示されている。通信回路160は、サブシステム120の回路169内に含められている。通信回路160は、センサ150の通路154に電気的に接続されたセンサ状態検知器163を画成する。通路154は、図5にスイッチとして概略図的に図示されている。従って、センサ状態検知器163は、励起されたとき、2つの状態状況信号を提供するよう作動可能である。この場合、一方の状態は開放しすなわち電気的に遮断した通路154を表わし、他方の状態は電気的に閉じたすなわち連続的な通路154を表わす。通信回路160は、また、装置110に対し相応する識別信号を発生させる識別コード167も含んでいる。識別コード167は、所定の多数ビット二進コードの形態、又は当業者により案出されるであろうその他の形態とすることができる。1つの実施の形態において、識別コード167は、製造時にプログラム化した一組みの集積回路ヒューズにより画成される。別の実施の形態において、識別コード167は一組みの調節可能なマイクロスイッチにより画成される。検知器163、コード167又はその双方は、通信回路160の補助集積回路とし又は当業者により案出されるであろうその他の形態とすることができる。
【0025】
通信回路160は、外部励起か又は励起信号により励起される能動型RFトランスポンダーとして作用可能である。同様に、回路160の検知器163及びコード167の機能部分は、この励起信号により作動される。励起信号による励起に応答して、通信回路160は、検知器163により決定された餌の状況と、識別コード167により決定された装置の識別信号と相応する変調RF形態にて情報を伝送する。ロウエの米国特許第5,764,138号は、通信回路160を提供すべく利用することのできる受動型のRFタグ技術に関する追加的な背景情報を提供しその内容の全体は参考として引用し、本明細書に含めてある。1つの実施の形態において、通信回路160は、単一の半導体チップの上で集積化されている。例えば、アリゾナ州85224−6199チャンドラ、2355ウエストチャンドラ通りに本社を有するマイクロチップ・テクノロジーズ・インコーポレーテッドが販売する集積回路モデル番号MCRF−202を利用して通信回路160を提供することができる。その他の実施の形態において、全体的に又は別個に通信回路160を提供するため1つ又は2つ以上の構成要素を異なる配置にて利用することができる。
【0026】
1つの代替的な形態において、通信回路160は、餌状態信号又は識別信号の一方のみを伝送することができるが、その双方を伝送することはできない。更なる実施の形態において、装置110に関する異なる可変情報を餌状態又は装置の識別情報と共に又はこの情報無しにて伝送することができる。別の代替例において、通信回路160は、それ自体の内部電源を有する、選択的に又は恒久的に「能動型」の性質とすることができる。更に別の代替的な実施の形態において、装置110は、能動型回路及び受動型回路の双方を含むようにしてもよい。
【0027】
図5のサブシステム120は、探知器30の通信回路31も図示している。探知器30は、各々制御装置36と作用可能に接続されたRF励起回路32及びRFレシーバ(RXR)34とを含む。探知器30は回路32、34に対する別個のコイルを備える状態で図示されているが、その他の実施形態において、その双方に対し同一のコイルを使用することができる。制御装置36は探知器30の入力/出力(I/O)ポート37及び記憶装置38に作用可能に接続されている。探知器30は、典型的に、電気化学電池又はその電池のバッテリ(図示せず)の形態をした、回路31を励起するそれ自体の電源(図示せず)を備えている。制御装置38は、1つ又は2つ以上の構成要素で構成することができる。1つの実施例において、制御装置36は、記憶装置38に装填した命令を実行するプログラム化可能なマイクロプロセッサ利用型である。その他の実施例において、制御装置36は、プログラム化可能なデジタル回路の代替例又は追加として、アナログ計算回路、ハードワイヤードステートマシン論理、又はその他の型式の装置により画成することができる。記憶装置38は、揮発性又は不揮発性型の1つ又は2つ以上のソリッドステート半導体構成要素を含むことができる。これと代替的に又は追加的に、記憶装置38は、フロッピー(登録商標)ディスク又はハードディスクドライブ又はCDROMのような電磁又は光学的記憶装置を1つ又は2つ以上含むようにしてもよい。1つの実施例において、制御装置36、I/Oポート37及び記憶装置38は、同一の集積回路チップ上に集積状態で設けられている。
【0028】
I/Oポート37は、図1に図示するように、探知器30からのデータをデータ収集装置40に送る形態とされている。図1を更に参照しつつ、データ収集装置40の更なる特徴について説明する。装置40のインターフェース部41は、I/Oポート37を介して探知器30と通信可能な形態とされている。装置40は、装置110に関して探知器30から得られた情報を記憶し且つ処理するためプロセッサ42及び記憶装置44を更にそなえている。プロセッサ42及び記憶装置44は、制御装置36及び記憶装置38についてそれぞれ説明したものと同様の方法にて種々の形態とすることができる。更に、インターフェース部41、プロセッサ42及び記憶装置44は同一の集積回路チップ上に集積状態で設けることもできる。
【0029】
1つの実施の形態において、装置40は、探知器30と相互に接続し得るようにされ、また、探知器30からデータを受け取り且つそのデータを記憶し得るようにプログラム化されたラップトップパーソナルコンピュータの形態にて提供される。別の実施の形態において、装置40は、探知器30に対して遠方の位置に配置することができる。この実施の形態の場合、1つ又は2つ以上の探知器30は、電話システムのような確立した通信媒体又はインターネットのようなコンピュータ回路網を介して装置40と通信する。更に別の実施の形態において、当業者により案出されるであろうように、探知器30、データ収集装置40、及び装置110に対して異なるインターフェース部及び通信技術を使用することができる。
【0030】
全体として、図1乃至図5を参照しつつ、システム20の特定の作動上の特徴について更に説明する。典型的に、探知器30は、装置110が探知器30の所定の距離範囲内にあるとき、装置110の回路169を励起させるのに適したRF信号を励起回路32が発生させ得るように配置されている。1つの実施の形態において、制御装置36は、周期的に、この励起信号の発生を自動的に促し得るように配置されている。別の実施の形態において、励起信号は、オペレータが探知器30(図示せず)に接続されたオペレータ制御装置を介して促すことができる。かかるオペレータによる促進作用は、自動的な促進作用の代替例として、又は追加的な促進モードの何れかとすることができる。探知器30は、必要に応じてオペレータに対し検知状況を提供し得るように、従来型式の視覚的又は聴覚的インジケータ(図示せず)を含むことができる。
【0031】
装置110は、探知器30が所定の距離内の装置110に対し励起信号を伝送するとき、探知器30に対し餌状況及び識別符号の情報を伝送する。探知器30のRFレシーバ回路34は、装置110から情報を受け取り且つ制御装置36による操作及び記憶装置38への記憶のための調整及びフォーマット化に適した信号を提供する。装置110から受け取ったデータは、I/Oポート37をインターフェース部41に作用可能に接続することにより、データ収集装置40に伝送することができる。
【0032】
図6のフローチャートを更に参照すると、本発明の更なる別実施例のシロアリ駆除過程220が図示されている。この過程220の段階222において、多数の害虫駆除装置110が保護すべき領域に対して隔てた関係に設置されている。非限定的な一例として、図1は、保護すべき建物22の周りに配置された多数の装置110の1つの可能な分布状態の概略図を示す。これら装置の1つ又は2つ以上を図2に装置110の幾つかについて図示するように、地中に少なくとも一部分、配置することができる。
【0033】
過程220について、地中シロアリが食物として好み、又、殺虫剤を含まない監視用型式のものとして餌部材132を形成し、装置110を最初に設置する。シロアリの群が一度び食物源への経路を確立したならば、これらのシロアリは、この食物源に戻る傾向があることが分かった。その結果、装置110は、建物22のような、保護すべき領域又は構造体の付近に存在するであろう全てのシロアリに対するかかる経路を確立し得るように監視する形態にて最初に配置する。
【0034】
一度び所定位置に配置したならば、段階224にて、装置110のマップを作成する。このマップは設置した装置110に対するコード化した符号に相応する標識を含む。一例において、これらの符号は各装置110に独得のものとする。次に、過程220の害虫監視ループ230が、段階226に入るようにする。段階226において、設置した装置110は、周期的にその位置を探知し、探知器30によりそれぞれの無線通信回路160を探知することによりデータを各装置110から取り込む。このデータは、餌状況及び識別情報に相応する。このようにして、視覚的に検査するため、装置110の各々を掘り出し又は開放することを必要とせずに、所定の装置110内の害虫の活動を容易に検知することができる。更に、かかる無線通信技術は、長期間の保存のためデータ収集装置40内にダウンロードすることのできるエレクトロニクスデータベースを確立し且つ構築することを可能にする。
【0035】
また、時間の経過と共に、地中害虫監視装置110は、移動し勝ちであり、時として、地中に更に深く押し込まれることがあるため、その位置を探知することが難しくなる可能性があることを理解すべきである。更に、地中の監視装置110は、その周囲の植物の成長により隠れる可能性がある。1つの実施の形態において、探知器30及び多数の装置110は、探知器30が最寄りの装置110とのみ通信するように配置されている。この技術は、探知器30と装置110の各々との間の通信距離及び装置110の互いの位置を適宜に選ぶことにより実現することができる。従って、個々の各装置110と順次に通信し得るように地面に沿った経路を走査し又は掃引するため探知器30を使用することができる。かかる実施の形態の場合、探知器30により、装置110の各々に設けられた無線通信サブシステム120は、より制限された視覚的又は金属検知方法と異なり、設置後、所定の装置110の位置をより確実に探知するための方法及びその手段を提供する。実際上、この位置探知方法は、各装置及び/又は段階224にて発生されたマップの特徴的な標識と組み合わせて利用して、段階226にて1つの箇所に対してより迅速に対処することができる。更なる実施の形態において、この位置探知作業は、所定の装置の位置をより正確に探知することを助けるべく探知器30(図示せず)に対しオペレータ制御の通信距離調節機能を提供することにより、更に向上させることができる。しかし、その他の実施の形態において、識別信号又は調整マップを伝送することを含まない無線通信技術により装置110を点検することができる。更に、代替的な実施の形態において、探知器30によって装置110の位置を探知することは望ましくない。
【0036】
次に、過程220は、調整器228の作用に入る。調整器228は、破損した経路154に相応する任意の状況信号は、シロアリの活動を示すかどうか試験する。調整器228の試験の結果が否であるならば、次に、監視ループ230は、段階226に戻って、再度、探知器30により装置110を監視する。ループ230は、このようにして、多数回、繰り返すことができる。典型的に、ループ230の反復率は、数日又は数週間程度とし、また、変更が可能である。調整器228の試験結果が是であるならば、次に、過程220は段階240へと進む。段階240において、害虫駆除サービス員は検知された害虫の付近に殺虫剤を含んだ餌を配置する。一例において、この殺虫剤の配置は、サービス員がキャップ180を除去し、ハンドル136により害虫活動監視アセンブリ130をハウジング170から引き抜くことができる。次に、餌部材132が殺虫剤を含む点を除いて、害虫の活動監視アセンブリ130と実質的に同一とすることができる再配置装置を設置する。次に、キャップ180をハウジング170に係合させ、新たなアセンブリをチャンバ172内で固着する。この方法は、監視作動モードから絶滅作動モードまで装置110の形態を変更するものである。
【0037】
他の実施の形態において、再配置装置が通信回路の異なる形態を含むか又は通信回路が全く存在しないようにすることができる。別の代替例において、1つ又は2つ以上の餌部材132を、オプション的にセンサ150を交換することにより、既存の害虫感知装置に殺虫剤が追加される。更に別の実施の形態において、監視アセンブリ130を除去し又は除去せずに、殺虫剤入り餌又はその他の材料が追加される。更に別の実施の形態において、害虫の活動に対して設置した装置110に隣接して設置された異なる装置内に殺虫剤が提供される。段階240の殺虫剤配置作業中、可能な限り多数のシロアリを装置110の付近に戻し又は保つことが好ましく、この位置にて、害虫の活動が検知され、殺虫剤をその他の群の部材に供給するため巣への確立した経路が直ちに利用可能な経路として役立ち得るようにすることができる。
【0038】
段階240の後、監視ループ250は段階242に入る。段階242において、装置110の周期的な点検を続行する。1つの実施の形態において、殺虫剤入り餌に相応する装置110の検査は、害虫駆除サービス員が視覚的に行う一方、監視モード中の他の装置110の検査は、探知器30にて通常、続行される。その他の実施の形態において、視覚的な検査は、毒入り餌部材132を有する形態とされた害虫の活動監視アセンブリ130を使用して、エレクトロニクス監視により補助し、又はこのエレクトロニクス監視により置換することができ、又はこのような方法を組み合わせて行うことができる。1つの代替例において、経路154は、殺虫剤入り餌を監視し得るように変更し、この経路が、典型的に、監視モードに対する経路の形態に対してより多量の餌が消費される迄、典型的に破壊されず開放した回路を提供し得るようにする。更に別の代替例において、殺虫剤入り餌は、通常、検査することができず、その代わり、シロアリが殺虫剤を消費するとき、シロアリが混乱する虞れを少なくし得るように単独にて残しておくことができる。
【0039】
段階242の後、調整器244は、過程220を続行すべきか否かについて作用する。調整器244の試験結果が是であるならば、すなわち、過程220を続行すべきであるならば、次に、調整器246の作用へと進む。調整器246において、より多くの殺虫剤入り餌を設置する必要があるかどうかを判断する。害虫の活動が既に検知された装置に対し消費された餌を補給するためより多くの餌を必要とするか、又は監視モードのままである装置110に対し新たに検知された害虫の活動に相応して殺虫剤入り餌を設置する必要がある。調整器246の試験結果が是であるならば、次に、追加の殺虫剤入り餌を設置すべく、ループ252は段階240に戻る。調整器246を介して判断されたように追加の餌が不要であるならば、次に、ループ250は、段階242を繰り返し得るように戻る。調整器244の試験結果が否でない限り、このようにしてループ250、252が繰り返される。ループ250、252の反復率、及びこれに相応して段階242を順次実行する間の間隔は、数日又は数週間程度とし且つ変更が可能である。調整器244の試験結果が否であるならば、次に、段階260において装置110の位置を探知し且つ除去し、過程220は終了する。
【0040】
1つの代替的な過程において、段階242において追加的な害虫の活動を監視することは望ましくない。その代わり、監視装置に対し検知することができず、又は段階242の一部として監視装置を除去することができる。別の代替例において、監視モードの形態とされた装置110を再配置し、その数を増やし又はその数を少なくすることができる。
【0041】
図7及び図8には本発明の別の代替的な実施の形態の害虫駆除装置310が図示されており、この場合、図1乃至図6に関して上述した特徴と同様の部分は同様の参照番号で表示される。装置310は受動型感知装置330を含む。感知装置330は、上述したように、2つの餌部材132と、支持部材334と、感知部材351を有するセンサ350と、受動型RFトランスポンダ360とを備える。図3及び図4に関して監視アセンブリ130について上述したように、餌部材132の間にて部材134、151を組み立てる場合と同様の方法にて、部材334、351が餌部材132の間にて組み立て得るように配置されている。
【0042】
感知部材351は、基板352と、導電性経路354とを備える。経路354は、基板352に接続され且つアセンブリ130の経路154に関して説明した方法にて容易に破壊して開放回路を形成し得るようにすることができる。経路354は、害虫が破壊する前に、閉じた導電性部分を形成し得るように受動型RFトランスポンダ360に電気的に接続されている。トランスポンダ360は、無線通信回路160と同一の形態とすることができる。トランスポンダ360は、図7及び図8に、センサ350と一体の封入した形態にて図示されている。
【0043】
図8を特に参照すると、ハウジング170内に取り付けられた感知装置330が図示されている。更に、トランスポンダ360の周りに取り付けられた回路ハウジング270が図示されている。装置310は、能動型回路370を更に備えている。回路370は、探知回路380と、能動型無線通信回路390とを備えている。探知回路380は、回路基板384の外周に巻かれたアンテナコイル382を備えている。探知回路380は、基板384に取り付けられたコイル382を含む構成要素385から成っている。通信回路390は、トランスミッタ/レシーバ(TXR/RXR)の形態をしており且つ探知回路380に電気的に接続されている。通信回路390は、基板394に取り付けられた構成要素395から成っている。構成要素395は、釦形形状の電気化学電池又はかかる電池のバッテリのような電源396を含む。通信回路390は、別個のアンテナを含み又は1つ又は2つ以上の探知回路380のアンテナを使用することができる。図8に図示した装置310の構成要素385、395は単に一例にしか過ぎず、外観の異なる構成要素をより多数又はより少数含むことができることを理解すべきである。
【0044】
基板384、394は、感知装置330のトランスポンダ360の上方にてハウジング270内に積重ねた配置状態で組み立てられている。全体として、害虫感知装置330(トランスポンダ360を含む)及び能動型回路370は、監視装置345を画成する。キャップ180は、上述したように作用して、監視装置345をハウジング170内にて取り外し可能に包み込む。
【0045】
図9を参照すると、本発明の別の実施の形態の通信装置320がブロック図の形態で図示されている。この場合、同様の部品は上述したのと同一の参照番号で表示する。システム320は、上述した探知器30と、典型的な害虫駆除装置310の監視装置345と、データ収集装置340とを備えている。トランスポンダ360は、概略図的に図示したセンサ350の経路354にスイッチにより接続され、監視アセンブリ130に関して説明した仕方で害虫の活動感知ループを提供する。探知回路380は、励起回路381と、レシーバ(RXR)回路383とを含む。回路381、383は、探知器30の回路32、34と同等の形態とすることができる。同様に、回路381、383の各々が異なる回路を有する状態で図示されている、その他の実施の形態にて共通のコイルを使用することができる。回路380は、能動型無線通信回路390の内部電源396によって励起される(図8参照)。回路380、通信回路390、又はその双方は、以下に説明する装置310が作動するための制御装置又はその他の論理装置を含むことができる。
【0046】
データ収集装置340はプロセッサ342に作用可能に接続された能動型トランスミッタ/レシーバ348を含む。プロセッサ342は、記憶装置344に作用可能に接続されている。プロセッサ342及び記憶装置344は、システム20のプロセッサ42及び記憶装置44とそれぞれ同一とすることができる。データ収集装置340は又上述したように、探知器30のI/Oポート37と相互に接続するインターフェース部41を備えている。1つの実施の形態において、データ収集装置340は、多数の装置310からデータを収集し得るように害虫駆除サービス用に設けられた特別な処理装置の形態をしている。別の実施の形態において、データ収集装置340は、上述した特徴を提供し得るように1つ又は2つ以上の特別な構成要素を有するラップトップコンピュータの形態にて設けられる。
【0047】
全体として、図7及び図9を参照すると、システム320を作動させる1つの過程は、装置110に関して説明した仕方にて多数の害虫駆除装置310を設置することを含む。一度び設置したならば、装置310は、多数のモードにて探知可能であるように配置される。1つのモードにおいて、受動型トランスポンダ360は、装置110について説明したように探知器30により励起される。従って、探知器30は、装置の識別符号及び餌状況を表わす情報を受け取る。この情報は、探知器30からデータ収集装置40又は340にダウンロードすることができる。
【0048】
別の作動モードにおいて、トランスポンダ360は、装置310に搭載した位置探知回路380により探知される。このモードの場合、データ制御装置340がトランスミッタ/レシーバ348から装置345の通信回路390に探知命令を送るとき、位置探知が開始される。トランスミッタ/レシーバ348は、各装置310に特有の命令を送ることができ、所定の装置310の通信回路390は、その他の装置310に対する命令を無視し且つそれ自体の命令に応答し得る形態とされている。これらの命令は、装置310の各トランスポンダ360に特有の識別コードに従って決定することができる。
【0049】
通信回路390が的確な命令を一度び受けたならば、該通信回路は、相応する励起回路381を作動させてRF励起信号を発生させる。この励起信号は、受動型トランスポンダ360を作動させ、RF伝送を介して餌状況及び識別情報を送る。レシーバ回路383は、トランスポンダ360から伝送信号を受け取り且つその信号を通信回路390に送る。通信回路390は、レシーバ回路383により送られた情報を受け取り且つその情報をRF通信の形態にてデータ収集装置340に伝送する。トランスミッタ/レシーバ348は、装置310から伝送された情報を受け取る。トランスミッタ/レシーバ348は、その情報をそのRF形態からプロセッサ342により操作し且つ記憶装置344に記憶させるのに適した形態に変換する。本明細書にて使用するように、トランスミッタ/レシーバ(TXR/RXR)は、トランシーバのような、1つ又は2つ以上の回路構成要素を共有するトランスミッタ及びレシーバを広く意味し、又は独立的な伝送及び受信回路としてそれぞれ設けられたものを意味するものとする。
【0050】
図10を参照すると、本発明の更に別の実施の形態のシステム420が図示されている。この場合、同様の部品には、上述したのと同様の参照番号が使用されている。システム420は、地面G内に設置された多数の装置310と、図10に概略的に図示するように建物422を保護するための多数の地上装置410とを備えている。装置410の各々は、ハウジング170と比較して建物422内に配置するのにより適した、異なるハウジング内に装置345を含んでいる。システム420は、データ収集装置340を有する車両430を更に備えている。
【0051】
全体として、図9及び図10を参照すると、図11のフローチャートには、本発明の更なる実施の形態のシロアリ駆除過程520が図示されている。過程520の段階522において、図10に概略図的に図示するように、建物422内及びその周囲に多数の装置310及び410が設置される。段階524において、装置の識別符号に特有の装置310、410のマップが作成される。監視ループ530は段階526に入る。段階526にて、車両430は、設置した装置310及び410の所定の通信距離内に配置されている。次に、データ収集装置340を作動させ、設置した装置310、410の各々に対し相応する情報を送り、その箇所における各装置に関する情報を遠隔的にダウンロードする。データ収集装置340のプロセッサ342はこの情報を評価する。この評価に従って、調整器528は、害虫が検知されたかどうかを試験する。調整器528にて害虫が何ら検知されなかったならば、ループ530は周期的な監視を続行すべく段階526に戻る。典型的に、所定の箇所に対し段階526の作業の間に数日又は数週間経過し、また、ループ530の反復周期は変更可能である。従って、車両430は、段階526の周期的な点検の間、その他の組の害虫検知装置を検査すべく他の箇所に移動させることができる。
【0052】
調整器528にて害虫の活動が検知されたならば、段階532にて探知器30により個々の装置310、410の位置を探知することができる。段階540の過程220に関して説明したように、害虫の活動が表示される箇所にて殺虫剤入り餌が設置される。段階542において、車両430により周期的な遠隔位置探知が再開される。次に、調整器544を作用させる。調整器544は、過程520を続行させるべきかどうかを試験する。過程520を続行すべき場合、調整器546を作用させる。調整器546は、過程220の調整器246と同様に、より多くの殺虫剤入り餌が必要とされるかどうかを試験する。より多くの餌が不要であるならば、ループ550は、段階542に戻って装置310、410の遠隔監視を続行する。より多くの殺虫剤入り餌が必要であるならば、次に、ループ552は、段階540に戻って殺虫剤入り餌を配置する。段階532の場合と同様に、装置310、410の位置を感知し且つ調整器546を介してより多くの餌が必要であることが表示された時、探知器30にて個々に探知する。典型的に、ループ550、552は、段階540、542を実施する間、相応する間隔にて数日又は数週間程度繰り返される。
【0053】
調整器544の試験結果が否であるならば、段階560にて装置310、410の位置を探知し且つ除去する。段階560にて、探知器30を使用して装置310、410の位置を探知することができる。次に、過程520は終了する。
【0054】
害虫除去サービス員が車両430から離れることを必要とせずに、過程520は監視ループ530、550の作業を容易にすることを理解すべきである。実際上、1つの代替的な実施の形態において、車両430を目標とする箇所の脇を移動する間に、段階526、542において位置探知を行うことができ、殺虫剤入り餌の供給又は補給といったような、個々の装置のサービスの必要性を決定し且つ別個に計画することができる。
【0055】
図12は本発明の更に別の実施の形態のシステム620を示す。この場合、上述したものと同様の参照番号は同様の部品を表示する。図12には、システム620の建物622が概略図的に図示されている。システム620はまた、建物を害虫から保護し得るように建物622に対して選択した位置に配置された装置310、410を含む。システム620は、建物622内に配置されたデータ収集装置340を更に含む。データ収集装置340は、通信チャネル650を介してデータ収集箇所640と接続している。チャネル650は、電話線、インターネットのようなコンピュータ回路又は当業者により案出されるであろうその他の型式の通信チャネルとすることができる。システム620は、例えば、過程220又は520に従って作動可能である。データ制御装置340をデータ収集装置640に接続すれば、害虫除去サービス員が装置310、410を周期的に探知するために移動することが不要となる。その代わり、チャネル650を介してデータ収集装置340に送られた適当な命令により位置探知を適時に促すことができる。この位置探知の結果をデータ収集箇所640に報告し且つ評価して、個々の装置310、410のサービスが表示されたときのみ害虫駆除サービス員が出向くよう設定することができる。個々のサービスが表示されたならば、そのデータを使用して何れの装置310、410がサービスを必要としているのかを決定することができる。サービスを必要とする装置310、410の位置を探知することが困難であるならば、過程220に関して説明した仕方により目標とする装置310、410の位置を決定するため探知器30を使用することができる。
【0056】
図13には、本発明の更に別の実施の形態の害虫駆除システム720が図示されている、この場合、上述したものと同様の部品は同様の参照番号で表示する。システム720は、探知器730と害虫駆除装置710とを備えている。害虫駆除装置710は、害虫が消費し且つ/又は害虫により変位されるように配置された害虫監視部材732を含む。一例において、部材732は、シロアリの場合、木のような害虫食餌可能な材料734と、材料734における被覆の形態の磁気材料736とを含む餌の形態とされている。磁気材料736は、材料734として作用する木髄に付与された磁気インク又は塗料とすることができる。その他の実施例において、材料734は、地中シロアリの場合、独立気泡構造のような典型的に、標的とする害虫により除去し又は変位される、木以外の物質にて形成することができる。更に別の実施例において、材料734は、食物及び食物以外の構成要素で形成することができる。
【0057】
装置710は、磁気符号センサ790に電気的に接続された無線通信回路780を更に備えている。センサ790は、磁気材料736により発生された磁界の変化に基づく抵抗の変化を検知し得るように部材732に対し所定の方向に固定された一連の磁気レジスタ794を備えている。かかる変更は、例えば、害虫により部材732が消費され、変位され又はその他の方法で部材732から除去されるようなときに生じる。センサ790は、部材732の磁気符号を特徴付ける手段を提供する。代替的な実施の形態において、センサ790は、単一の磁気レジスタに基づくものとし、又はホール効果センサ又はリラクタンス利用の感知装置のような代替的な型式の磁界感知装置とすることができる。
【0058】
センサ790からの磁界情報は通信回路780により可変データとして伝送することができる。回路780は、通信回路160について説明したように、特徴的な装置の識別符号及び/又は別個の餌状況信号を更に伝送することができる。回路780、センサ790又はその双方は、受動型又は能動型の性質とすることができる。
【0059】
探知器730は、装置710の回路780と無線通信を行うよう作動可能な通信回路735を含む。1つの実施の形態において、回路780及びセンサ790は、受動型であり、回路780は、RFタグの形態とされている。この実施の形態の場合、通信回路735は、装置710と無線通信を行い得るように探知器30の回路32、34と同等の形態とされている。その他の実施の形態において、装置710は、装置310と同様の仕方にて、受動型トランスポンダと、搭載型探知器と、能動型通信回路とを含み得るようにすることができ、又は、完全に能動型とすることができる。これら代替例の場合、探知器730がこれに相応して作用可能とされ、探知器730に代えてデータ収集装置を使用し又はその双方の方法の組み合せを利用することができる。
【0060】
探知器730は、餌状況及び識別情報に加えて又はこれに代えて磁気符号情報を受け取り、操作し且つ記憶可能な形態とされる点を除いて、制御装置36、I/Oポート37及び探知器30の記憶装置38と同一である制御装置731と、I/Oポート737と、記憶装置738とを備えている。害虫の消費振舞いを特徴付けるため、磁気符号情報を評価することが可能であることを理解すべきである。この振舞いは、餌の補給の必要性及び害虫の食餌パターンに関する予測を確立すべく使用することができる。
【0061】
図14は本発明の更に別の実施の形態のシステム820を示す。システム820は、害虫駆除装置810と、データ収集器830とを備えている。装置810は、対象とする害虫が消費し且つ/又は変位させ得るように配置された監視部材832を備えている。部材832は、その全体に亙って磁気材料836が分散されたマトリックス834を含む。材料836は、マトリックス834内の粒子数として概略図的に表示される。マトリックス834は、食物組成、非食物組成又はこれらの組み合せを有するようにすることができる。
【0062】
また、装置810は、通信回路880と、該通信回路に電気的に接続されたセンサ回路890とを備えている。回路890は、消費され、変位され又はその他の方法で部材832から除去されたとき、材料836により発生された磁界の変化を検知すべく部材832に対して固定された一連の磁気レジスタ894を有している。
【0063】
回路890は、温度、湿度及び大気圧力をそれぞれ検知し得る形態とされた多数の環境(ENV)センサ894a、894b、894cを更に備えている。これらのセンサ894、894a、894b、894cは、基板838に接続されており、又、関係した装置と適合可能なデジタル又はアナログ形態の何れかの信号を提供することができる。これに相応して、回路890は、センサ894a、894b、894cからの信号を調整し且つその形態を設定し得る形態とされている。また、回路890は、磁気レジスタ894により、検知された磁気符号に相応する信号を調整し且つその形態を設定する。回路890により提供された感知した情報は、通信回路880によりデータ収集器830に伝送される。通信回路880は、装置110、310、410に関して説明したように、別個の餌状況情報と、装置の標識との何れか一方、又はその双方を備えることができる。回路880及び回路890は、各々、受動型とし又は能動型とし、或いは、その双方の組み合わせとし、データ収集器830は選択した方法に従って、通信可能であるようにされている。
【0064】
RFタグ技術に基づく回路880の能動型の実施の形態の場合、その制御装置が回路890により提供された感知情報の異なる形態を操作し且つ記憶し得るように配置される点を除いて、データ収集器830は、探知器30と同一の形態とされている。別の実施の形態において、データ収集器830は、回路880の能動型トランスミッタ/レシーバの形態と通信すべく標準的な能動型トランスミッタ/レシーバの形態とすることができる。更に別の実施の形態において、データ収集器830及び装置810は、データの交換を容易にし得るように硬線接続のインターフェース部により接続されている。
【0065】
図15のフローチャートには、本発明の更に別の実施の形態の過程920が図示されている。過程920の段階922において、データは、1つ又は2つ以上の装置810から収集される。段階924において、装置810から収集されたデータは、センサ894a、894b、894cにより決定された環境条件及び装置810の位置に対して分析される。次に、段階926における分析に基づいて害虫の振舞いが予測される。段階926の予測に従って、1つ又は2つ以上の追加的な装置の設置を含むことができる措置が段階928にて採られる。
【0066】
次に、ループ930は段階932に入る。段階932において、装置810からのデータの収集は、データ収集器830により続行し、害虫の振舞いの予測は段階934にて正確なものとされる。次に、制御は調整器936へと進み、この調整器936は、過程920を続行すべきかどうかを試験する。過程920を続行するならば、ループ930は、段階932に戻る。過程920が調整器936の試験に従って終了すべきであるならば、この過程は停止する。
【0067】
段階928と関係して追加的に又は代替的に行うことのできるその他の措置の例は、害虫が所定の領域内で広がる方向をより正確に決定するため害虫の振舞いパターンを付与することを含む。従って、この予測に基づく警告を提供することができる。また、害虫駆除システムの宣伝及び販促は、過程920に基づいて、最も利益を受ける可能性のある箇所を重点的に行うことができる。更に、本発明による1つ又は2つ以上の実施の形態に従った害虫駆除サービスの需要が季節によって変動するかどうかを決定するためこの情報を評価することができる。これに応じて、装置又は人のような、害虫駆除リソースの割り振りを調整することができる。更に、害虫駆除装置を配置するときの効率を向上させることができる。また、過程920は、1つ又は2つ以上の装置810に加えて、代替的に、1つ又は2つ以上の装置110、310、410、710により行ってもよいことを理解すべきである。
【0068】
他の代替的な実施の形態において、装置110、310、410、710、810及び相応する探知器及びデータ収集装置は、当業者により案出されるような他の色々なシステムの組み合わせにて使用することができる。又、装置110、310、410、710、810に対する餌は、シロアリに適した食餌可能な形態にて供給することができるが、異なる種類の害虫、昆虫又は非昆虫を駆除し得るように選んだ種類の餌を選択し且つ装置のハウジング及びその他の特徴を異なる種類の害虫の監視及び全滅に適するように調整することができる。更に、装置110、310、410、710、810に対する餌は、実質的に害虫が消費しない目標とする種の害虫を攻撃し得るように選択した材料とすることができる。1つの代替的な1つ又は2つ以上の害虫駆除装置は、目標とする害虫により変位され又は変更される非植物材料を含む。非限定的な一例として、この型式の材料は、消費可能な餌部材が存在し又は存在せずに非消費可能な感知部材の基板を形成し得るように使用することができる。更なる代替例において、本発明による1つ又は2つ以上の害虫駆除装置は、ハウジング170(及び相応するキャップ180)のようなハウジングが存在しない。その代わり、この実施の形態の場合、ハウジングの中身を地面内に直接配置し又は当業者が案出されるであろうその他の方法で配置し且つ利用することができる。また、本発明の害虫駆除装置の任意のものは、代替的に、餌の消費又は感知部材の変位により導体が移動し、開放回路を作動させることなく、害虫の活動の表示として導電性ループを閉じるようにすることができる。
【0069】
無線通信技術に基づく害虫駆除装置は、オプション的に、硬線接続通信ポートを含むことができる。硬線接続した通信は、無線通信が局部的な条件により妨げられ又は当業者に案出されるように、診断目的のために無線通信の代替的手段として使用することができる。更に、本発明の精神から逸脱せずに、過程220、520及び過程920は、色々な段階、工程により実行することができ、調整器の最順序化、変更、再配置、置換、省略、複数化、組み合わせ又はその他の過程への追加を行うことが可能である。
【0070】
本発明の別の実施の形態は、少なくとも1つの種の害虫に対する少なくとも1つの餌部材と、装置に関する情報を伝送し得るように無線励起信号に応答可能な受動型RF通信回路とを備えている。更なる実施の形態において、各々が励起信号に応答可能な受動型RF通信回路を含む、1つ又は2つ以上の害虫から保護すべき領域内で互いに隔てられるように多数の害虫駆除装置が配置されている。
【0071】
本発明の更に別の実施の形態は、害虫駆除装置を少なくとも一部分、地中に設置することを含む。この装置は通信回路を含み且つ害虫駆除装置から無線伝送信号を受け取ることにより設置した後にその位置が探知される。
【0072】
更に別の実施の形態において、各々が無線通信回路を有する、建物を1つ又は2つ以上の種の害虫から保護し得るように複数の害虫駆除装置が設置される。第一の害虫駆除装置から無線伝送により情報を受け取り得るように携帯型の探知器が配置され、その探知器の位置は、第二の害虫駆除装置から無線伝送により情報を受け取り得るように変化させる。該第二の害虫駆除装置は第一の害虫駆除装置から隔てられている。また、探知器からデータを受け取り得るようにデータ収集装置を含むこともできる。
【0073】
本発明の更なる実施の形態は、磁気材料の構成要素を有する害虫食餌可能な餌部材を含む害虫駆除装置を備えている。この構成要素は磁界を提供する。この磁界は、害虫が食餌可能な餌部材の消費に応答して変化する。この装置は、その磁界が変化するとき、その磁界に相応する監視信号を発生させる作動可能な監視回路を更に備えている。
【0074】
更なる実施の形態において、害虫駆除装置は、少なくとも1つの種の害虫用の餌部材と、装置の識別コード及び餌の消費情報を伝送し得るように作動可能な通信回路とを備えている。
【0075】
更に、別の実施の形態において、害虫駆除装置は、環境センサと、センサにより検知された環境の特徴及び餌の状況に相応する情報を通信する作動可能な回路とを有する害虫餌パッケージ体を備えている。
【0076】
本発明の1つの追加的な実施の形態は、各々が餌と、無線通信回路とを含む1つ以上又は2つ以上の種の害虫から建物を保護する複数の害虫駆除装置を設置することと、各々が異なる1つの害虫駆除装置に相応する複数の識別信号を受け取る無線通信装置により装置の位置を探知することとを含む。
【0077】
本明細書に記載した全ての刊行物、特許及び特許出願は、その各々の刊行物、特許又は特許出願が具体的に参考として本明細書に記載されているかのように本明細書に加え且つその全体を引用してある。本発明は図面及び上記の説明にて詳細に図示し且つ説明したが、これは単に一例にしか過ぎず、性質を何ら限定するものではなく、好ましい実施の形態のみを図示し且つ記載したものであり、特許請求の範囲により規定される本発明の精神に属する全ての変更、均等物及び改変例は保護の対象に含めることを望むものである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、害虫駆除技術、より具体的に且つ非限定的には、1つ又は2つ以上の種類の害虫から保護すべき領域の周りにて隔てられた多数の害虫駆除装置からデータを収集する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
地中シロアリは、木製構造体に甚大な損害を与える可能性のある、特に問題となる種類の害虫である。シロアリを除去し且つ昆虫及び非昆虫の種類の双方のその他の有害な害虫を除去するため色々な方法が提案されている。1つの方法において、害虫駆除は、保護すべき領域内に化学的殺虫剤を全体的に施すことによるものである。しかし、環境的規制の結果、この方法は、望ましくないものとなりつつある。
【0003】
最近、殺虫化学薬剤を目標に向けて集中的に供給することを可能にすべく改良が為されている。スーの米国特許第5,815,090号はその一例である。シロアリの駆除を目的とする別の例は、インディアナ州、インディアナポリス、9330ジオンヴァイルロードに本社があるダウ・アグロサイエンスズのセントリコン(SENTRICON)(登録商標名)システムである。このシステムにおいて、各々がシロアリの食用材料を有する多数の装置を保護すべき住宅の周りの地中に配置する。これらの装置は、害虫駆除サービス員がシロアリの有無について日常的に検査し、各装置と関係した特徴的なバーコードラベルを基準にして検査データを記録する。所定の装置内にシロアリが発見されたならば、シロアリの巣に持ち帰ってその群体を全滅させることを目的とする遅速効果のある殺虫剤を保持する餌を配置する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,815,090号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
不都合なことに、これらの装置は、配置後、その位置を探知することが難しいことがしばしばあり、その結果、検査作業に過剰な時間を消費することになる。金属製装置の場合、それら装置の位置探知を速くするため、金属製の検知装置が利用されることがある。しかし、このようにして、装置を検知することを妨げるであろう、非常に多数の金属物が家及びその他の構造体の周りに埋め込まれている。更に、装置を金属検知装置にて容易に検知することができない程度までそれら装置を非金属材料にて製造することが望ましいことが
更に、害虫の活動に関するデータを収集するための代替的な技術も望まれる。例えば、害虫駆除サービスによりデータを収集するのに必要な時間を短くすることが望ましい。また、データを収集する技術の信頼性を高め且つより広汎な害虫の活動データを得ることも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの形態は、特徴的な害虫駆除技術を含む。別の形態において、選んだ1つ又は2つ以上の害虫の種を検知し且つ全滅させるための特徴的な害虫駆除装置が提供される。本明細書で使用するように、「害虫駆除装置」とは、広く、1つ又は2つ以上の種の害虫を感知し、検知し、監視し、餌でおびき寄せ、給餌し、毒を与え、すなわち全滅させるために使用される任意の装置を広く意味するものとする。更に別の形態において、特徴的な害虫駆除装置の位置を探知する技術が提供される。
【0007】
本発明の更に別の形態は、特徴的な害虫駆除システムを含む。このシステムは、多数の害虫駆除装置と、害虫駆除装置からデータを収集する探知器とを含む。この探知器は、害虫駆除装置の各々と個々に無線通信を行い得る形態とされた携帯型の形態とすることができる。
【0008】
本発明の別の形態は、励起信号に応答可能な受動型RF通信回路のような、特徴的な無線通信能力を備える害虫駆除装置を含む。この装置は、オプション的に、能動型の無線通信回路を含んでいる。
【0009】
本発明の害虫駆除装置の更に別型式のものは、装置を特徴的に識別する信号を提供する通信回路を含む。更に、この通信回路は、装置と関係した害虫の活動を示す信号を伝送することができる。
【0010】
本発明の1つの代替的な形態において、害虫駆除装置は、少なくとも一部分が磁気材料で出来た特徴的な監視餌を含む。更なる代替例において、害虫駆除装置は、1つ又は2つ以上の相応する環境の特徴に関するデータを収集するため1つ又は2つ以上の環境センサを含む。
【0011】
本発明の追加的な形態、特徴、特色及び目的は、図面及び本明細書の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による第1の型式の害虫駆除システムの概略図である。
【図2】作動中の図1のシステムの選択した要素の図である。
【図3】害虫の活動を監視し得るように図1のシステム内で使用可能な本発明による第1の型式の害虫駆除装置の分解組立図である。
【図4】図4と同様の害虫駆除装置の分解組立図である。
【図5】図1のシステムの選択した回路図である。
【図6】図1のシステムにて行うことのできる本発明の過程の一例のフローチャートである。
【図7】本発明による第2の型式の害虫駆除装置の分解組立図である。
【図8】図7と同様の害虫駆除装置の分解組立図である。
【図9】図7及び図8の害虫駆除装置を含む、本発明による第2の型式の害虫駆除システムのブロック図である。
【図10】図7及び図8の害虫駆除装置を含む本発明による第3の型式の害虫駆除システムの概略図である。
【図11】図9又は図10のシステムにて行うことのできる本発明の過程の一例のフローチャートである。
【図12】本発明による第4の型式の害虫駆除システムの概略図である。
【図13】本発明による第3の型式の害虫駆除装置を含む第5の型式の害虫駆除システムの概略図である。
【図14】本発明による第4の型式の害虫駆除装置を含む第6の型式の害虫駆除システムの概略図である。
【図15】図14のシステムにて行うことのできる本発明の過程の一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の原理の理解を促進する目的にて、次に図面に図示した実施の形態に関して説明し、その説明のため特定の用語を使用する。しかし、これにより本発明の範囲を何ら限定することを意図するものではないことを理解すべきである。説明した実施の形態の任意の変更及び更なる改変例並びに本明細書に記載した本発明の原理の任意の更なる適用例は、本発明が関係する技術分野の当業者に通常、案出されるであろうと考えられる。
【0014】
図1には、本発明の1つの実施の形態の害虫駆除システム20が図示されている。システム20は、地中シロアリのような害虫に起因する損害から建物22を保護し得るように配置されている。システム20は、建物22の周りに配置された多数の害虫駆除装置110を含む。図1において、明確化のため、幾つかの装置110のみが参照番号で特定的に表示してある。システム20は、また、装置110に関する情報を収集し得るように探知器30も含む。探知器30により装置110から収集されたデータは通信インターフェース部41を介してデータ収集装置(DCU)40内に収集される。
【0015】
図2を更に参照すると、システム20の作動の特定の特徴が図示されている。図2において、無線通信技術を使用して少なくとも一部分が地面G内に配置された害虫駆除装置110を探知するために探知器30を作動させる害虫駆除サービス員Pが図示されている。この例において、探知器30は、設置した装置110との無線通信を確立し得るように地面Gを掃引するのに便宜な携帯型の形態にて図示されている。システム20の追加的な特徴及びその作用は、図5及び図6に関して説明するが、図3及び図4の分解組立図を参照しつつ、1つの代表的な害虫駆除装置110に関する第一の更なる詳細について説明する。
【0016】
図3及び図4に示すように、害虫駆除装置110は、害虫の活動監視アセンブリ130を備えている。監視アセンブリ130は、各々が害虫の選択した1つ又は2つ以上の種に対する餌材料から出来た2つの餌部材132を含んでいる。例えば、餌部材132の各々は、かかる害虫の好む食物である材料から形成することができる。地中シロアリに関する一例において、餌部材132の各々は、殺虫剤成分を含まない柔軟な木ブロックの形態をしている。シロアリに対する他の例において、餌部材132は、最初に殺虫剤を含み、木以外の組成又はこれら特徴の組合せ体を備えている。害虫駆除装置110がシロアリ以外の種類の害虫を対象とする更に別の例において、餌部材132の相応して相違する組成が典型的に使用される。
【0017】
監視アセンブリ130は、また、支持部材134も備えている。支持部材134は、細長い中央の接続部分137により基部138に接続されたハンドル136を備えている。支持部材134は、また、接続部分137とハンドル136との間に頚部分139も備えている。典型的に、支持部材134は、監視アセンブリ130がさらされる可能性がある害虫が顕著に消費したり又は変位させることがない材料で出来ている。地中シロアリを対象とする一例において、支持部材134は、ポリプロピレンのような重合系樹脂化合物で出来ている。
【0018】
監視アセンブリ130は、害虫センサ150を更に備える。害虫センサ150は、餌部材132の1つと支持部材134との間に配置された感知部材151を備える。感知部材151は導電性経路154を保持する基板152を備える。経路154は電気的に隔離した2つの接点156にて終端している。部材151の基板152は、食餌する害虫により消費され又は変位されるように配置された材料で形成されている。1又は2つ以上の害虫が基板152を消費し且つ/又は変位させる結果、経路154の導通性は最終的に失われる。この導電性が失われたことを害虫が存在することの指標として利用することができる。これに代えて、基板152は、餌部材132のある程度の消費が導電性経路154を開放するのに十分な力を加えるように基板152を餌部材132に対して方向決めしてもよい。地中シロアリに適することが判明した1つの例において、基板152は、シロアリにより容易に変位される、独立気泡構造のような非食物の基板で出来ており、基板152に付与された導電性材料により導電性経路154が画成される。別の例において、基板152は、標的とする害虫が食物として好む1つ又は2つ以上の型式の材料を含むことができる。更に別の例において、食物及び非食物材料の組合せ体を利用することができる。
【0019】
害虫感知部材151は、支持部材134の一側部に対向する位置に配置され、餌部材132の1つは他方の側に対向する位置に配置されている。残りの餌部材132は、支持部材134と接触した側部に対向する害虫感知部材151の側部に対向する位置に配置されている。餌部材132、害虫感知部材151及び支持部材134は、接着剤により共に接着するか、又は当業者に案出されるであろう別の方法により共に接続することができる。
【0020】
監視アセンブリ130は、また、支持ディスク140も備えている。支持ディスク140は、支持部材134の頚部分139に係合し且つ餌部材132及び感知部材151を基部138とディスク140との間にて保持し得るようにスロット142を画成する。典型的に、ディスク140は、また、監視アセンブリ130がさらされる害虫が実質的に消費したり、また、変位させることがない材料で出来ている。ディスク140は面144を画成する。
【0021】
ディスク140の面144は、監視アセンブリ130の回路基板164を支持する。基板164に取り付けられた多数の構成要素165により無線通信回路160が画成される。構成要素165は、無線周波数(RF)帯域内で作動可能なアンテナコイル162と、アンテナコイル162に電気的に接続された1つ又は2つ以上のその他の構成要素とを備えている。通信回路160は、通路154との導電性ループを形成し得るように各々がセンサ150の接点156のそれぞれの1つと電気的に接続する一対の導体166を含む。全体として、通信回路160及びセンサ150の通路154は、図5に関して以下により詳細に説明する、害虫監視回路169として設計されている。
【0022】
第1に、図4をより具体的に参照すると、害虫駆除装置110は、また、ハウジング170を備える。ハウジング170は、端部分171bと反対側の端部分171aを有する。端部分171bは、図2に図示するように、装置110を地中に配置するのを助けるテーパ−付き端部175を有する。テーパ−付き端部175は穴(図示せず)迄延在する。ハウジング170は、端部分171aにより画成された開口部178を通じて害虫の活動監視アセンブリ130を受け入れるチャンバ172を画成する。ハウジング170により画成された多数のスロット174がチャンバ172と接続している。スロット174は、シロアリがチャンバ172に入り且つチャンバ172から出るのを許容し得るように配置されている。ハウジング170は、多数の突出しフランジを有し、その突出しフランジの幾つかは、装置110を地中に配置するのを助け得るように図4に参照番号176a、176b、176cで表示していある。
【0023】
キャップ180は、監視アセンブリ130をチャンバ172内で固着し得るように配置されている。キャップ180は、通路179のような、ハウジング170により画成された構造体に取り外し可能に係合する突起(図示せず)を含むことができる。典型的に、ハウジング170及びキャップ180は、害虫による損害及び装置110がさらされる環境に対する抵抗性のある材料で出来ている。地中シロアリに適した1つの例において、ハウジング170及びキャップ180は熱硬化性又は熱可塑性の重合系樹脂で出来ている。
【0024】
図5には、代替的に、無線通信サブシステム120として設計された装置110の監視回路169及び探知器30の通信回路31が更に図示されている。通信回路160は、サブシステム120の回路169内に含められている。通信回路160は、センサ150の通路154に電気的に接続されたセンサ状態検知器163を画成する。通路154は、図5にスイッチとして概略図的に図示されている。従って、センサ状態検知器163は、励起されたとき、2つの状態状況信号を提供するよう作動可能である。この場合、一方の状態は開放しすなわち電気的に遮断した通路154を表わし、他方の状態は電気的に閉じたすなわち連続的な通路154を表わす。通信回路160は、また、装置110に対し相応する識別信号を発生させる識別コード167も含んでいる。識別コード167は、所定の多数ビット二進コードの形態、又は当業者により案出されるであろうその他の形態とすることができる。1つの実施の形態において、識別コード167は、製造時にプログラム化した一組みの集積回路ヒューズにより画成される。別の実施の形態において、識別コード167は一組みの調節可能なマイクロスイッチにより画成される。検知器163、コード167又はその双方は、通信回路160の補助集積回路とし又は当業者により案出されるであろうその他の形態とすることができる。
【0025】
通信回路160は、外部励起か又は励起信号により励起される能動型RFトランスポンダーとして作用可能である。同様に、回路160の検知器163及びコード167の機能部分は、この励起信号により作動される。励起信号による励起に応答して、通信回路160は、検知器163により決定された餌の状況と、識別コード167により決定された装置の識別信号と相応する変調RF形態にて情報を伝送する。ロウエの米国特許第5,764,138号は、通信回路160を提供すべく利用することのできる受動型のRFタグ技術に関する追加的な背景情報を提供しその内容の全体は参考として引用し、本明細書に含めてある。1つの実施の形態において、通信回路160は、単一の半導体チップの上で集積化されている。例えば、アリゾナ州85224−6199チャンドラ、2355ウエストチャンドラ通りに本社を有するマイクロチップ・テクノロジーズ・インコーポレーテッドが販売する集積回路モデル番号MCRF−202を利用して通信回路160を提供することができる。その他の実施の形態において、全体的に又は別個に通信回路160を提供するため1つ又は2つ以上の構成要素を異なる配置にて利用することができる。
【0026】
1つの代替的な形態において、通信回路160は、餌状態信号又は識別信号の一方のみを伝送することができるが、その双方を伝送することはできない。更なる実施の形態において、装置110に関する異なる可変情報を餌状態又は装置の識別情報と共に又はこの情報無しにて伝送することができる。別の代替例において、通信回路160は、それ自体の内部電源を有する、選択的に又は恒久的に「能動型」の性質とすることができる。更に別の代替的な実施の形態において、装置110は、能動型回路及び受動型回路の双方を含むようにしてもよい。
【0027】
図5のサブシステム120は、探知器30の通信回路31も図示している。探知器30は、各々制御装置36と作用可能に接続されたRF励起回路32及びRFレシーバ(RXR)34とを含む。探知器30は回路32、34に対する別個のコイルを備える状態で図示されているが、その他の実施形態において、その双方に対し同一のコイルを使用することができる。制御装置36は探知器30の入力/出力(I/O)ポート37及び記憶装置38に作用可能に接続されている。探知器30は、典型的に、電気化学電池又はその電池のバッテリ(図示せず)の形態をした、回路31を励起するそれ自体の電源(図示せず)を備えている。制御装置38は、1つ又は2つ以上の構成要素で構成することができる。1つの実施例において、制御装置36は、記憶装置38に装填した命令を実行するプログラム化可能なマイクロプロセッサ利用型である。その他の実施例において、制御装置36は、プログラム化可能なデジタル回路の代替例又は追加として、アナログ計算回路、ハードワイヤードステートマシン論理、又はその他の型式の装置により画成することができる。記憶装置38は、揮発性又は不揮発性型の1つ又は2つ以上のソリッドステート半導体構成要素を含むことができる。これと代替的に又は追加的に、記憶装置38は、フロッピー(登録商標)ディスク又はハードディスクドライブ又はCDROMのような電磁又は光学的記憶装置を1つ又は2つ以上含むようにしてもよい。1つの実施例において、制御装置36、I/Oポート37及び記憶装置38は、同一の集積回路チップ上に集積状態で設けられている。
【0028】
I/Oポート37は、図1に図示するように、探知器30からのデータをデータ収集装置40に送る形態とされている。図1を更に参照しつつ、データ収集装置40の更なる特徴について説明する。装置40のインターフェース部41は、I/Oポート37を介して探知器30と通信可能な形態とされている。装置40は、装置110に関して探知器30から得られた情報を記憶し且つ処理するためプロセッサ42及び記憶装置44を更にそなえている。プロセッサ42及び記憶装置44は、制御装置36及び記憶装置38についてそれぞれ説明したものと同様の方法にて種々の形態とすることができる。更に、インターフェース部41、プロセッサ42及び記憶装置44は同一の集積回路チップ上に集積状態で設けることもできる。
【0029】
1つの実施の形態において、装置40は、探知器30と相互に接続し得るようにされ、また、探知器30からデータを受け取り且つそのデータを記憶し得るようにプログラム化されたラップトップパーソナルコンピュータの形態にて提供される。別の実施の形態において、装置40は、探知器30に対して遠方の位置に配置することができる。この実施の形態の場合、1つ又は2つ以上の探知器30は、電話システムのような確立した通信媒体又はインターネットのようなコンピュータ回路網を介して装置40と通信する。更に別の実施の形態において、当業者により案出されるであろうように、探知器30、データ収集装置40、及び装置110に対して異なるインターフェース部及び通信技術を使用することができる。
【0030】
全体として、図1乃至図5を参照しつつ、システム20の特定の作動上の特徴について更に説明する。典型的に、探知器30は、装置110が探知器30の所定の距離範囲内にあるとき、装置110の回路169を励起させるのに適したRF信号を励起回路32が発生させ得るように配置されている。1つの実施の形態において、制御装置36は、周期的に、この励起信号の発生を自動的に促し得るように配置されている。別の実施の形態において、励起信号は、オペレータが探知器30(図示せず)に接続されたオペレータ制御装置を介して促すことができる。かかるオペレータによる促進作用は、自動的な促進作用の代替例として、又は追加的な促進モードの何れかとすることができる。探知器30は、必要に応じてオペレータに対し検知状況を提供し得るように、従来型式の視覚的又は聴覚的インジケータ(図示せず)を含むことができる。
【0031】
装置110は、探知器30が所定の距離内の装置110に対し励起信号を伝送するとき、探知器30に対し餌状況及び識別符号の情報を伝送する。探知器30のRFレシーバ回路34は、装置110から情報を受け取り且つ制御装置36による操作及び記憶装置38への記憶のための調整及びフォーマット化に適した信号を提供する。装置110から受け取ったデータは、I/Oポート37をインターフェース部41に作用可能に接続することにより、データ収集装置40に伝送することができる。
【0032】
図6のフローチャートを更に参照すると、本発明の更なる別実施例のシロアリ駆除過程220が図示されている。この過程220の段階222において、多数の害虫駆除装置110が保護すべき領域に対して隔てた関係に設置されている。非限定的な一例として、図1は、保護すべき建物22の周りに配置された多数の装置110の1つの可能な分布状態の概略図を示す。これら装置の1つ又は2つ以上を図2に装置110の幾つかについて図示するように、地中に少なくとも一部分、配置することができる。
【0033】
過程220について、地中シロアリが食物として好み、又、殺虫剤を含まない監視用型式のものとして餌部材132を形成し、装置110を最初に設置する。シロアリの群が一度び食物源への経路を確立したならば、これらのシロアリは、この食物源に戻る傾向があることが分かった。その結果、装置110は、建物22のような、保護すべき領域又は構造体の付近に存在するであろう全てのシロアリに対するかかる経路を確立し得るように監視する形態にて最初に配置する。
【0034】
一度び所定位置に配置したならば、段階224にて、装置110のマップを作成する。このマップは設置した装置110に対するコード化した符号に相応する標識を含む。一例において、これらの符号は各装置110に独得のものとする。次に、過程220の害虫監視ループ230が、段階226に入るようにする。段階226において、設置した装置110は、周期的にその位置を探知し、探知器30によりそれぞれの無線通信回路160を探知することによりデータを各装置110から取り込む。このデータは、餌状況及び識別情報に相応する。このようにして、視覚的に検査するため、装置110の各々を掘り出し又は開放することを必要とせずに、所定の装置110内の害虫の活動を容易に検知することができる。更に、かかる無線通信技術は、長期間の保存のためデータ収集装置40内にダウンロードすることのできるエレクトロニクスデータベースを確立し且つ構築することを可能にする。
【0035】
また、時間の経過と共に、地中害虫監視装置110は、移動し勝ちであり、時として、地中に更に深く押し込まれることがあるため、その位置を探知することが難しくなる可能性があることを理解すべきである。更に、地中の監視装置110は、その周囲の植物の成長により隠れる可能性がある。1つの実施の形態において、探知器30及び多数の装置110は、探知器30が最寄りの装置110とのみ通信するように配置されている。この技術は、探知器30と装置110の各々との間の通信距離及び装置110の互いの位置を適宜に選ぶことにより実現することができる。従って、個々の各装置110と順次に通信し得るように地面に沿った経路を走査し又は掃引するため探知器30を使用することができる。かかる実施の形態の場合、探知器30により、装置110の各々に設けられた無線通信サブシステム120は、より制限された視覚的又は金属検知方法と異なり、設置後、所定の装置110の位置をより確実に探知するための方法及びその手段を提供する。実際上、この位置探知方法は、各装置及び/又は段階224にて発生されたマップの特徴的な標識と組み合わせて利用して、段階226にて1つの箇所に対してより迅速に対処することができる。更なる実施の形態において、この位置探知作業は、所定の装置の位置をより正確に探知することを助けるべく探知器30(図示せず)に対しオペレータ制御の通信距離調節機能を提供することにより、更に向上させることができる。しかし、その他の実施の形態において、識別信号又は調整マップを伝送することを含まない無線通信技術により装置110を点検することができる。更に、代替的な実施の形態において、探知器30によって装置110の位置を探知することは望ましくない。
【0036】
次に、過程220は、調整器228の作用に入る。調整器228は、破損した経路154に相応する任意の状況信号は、シロアリの活動を示すかどうか試験する。調整器228の試験の結果が否であるならば、次に、監視ループ230は、段階226に戻って、再度、探知器30により装置110を監視する。ループ230は、このようにして、多数回、繰り返すことができる。典型的に、ループ230の反復率は、数日又は数週間程度とし、また、変更が可能である。調整器228の試験結果が是であるならば、次に、過程220は段階240へと進む。段階240において、害虫駆除サービス員は検知された害虫の付近に殺虫剤を含んだ餌を配置する。一例において、この殺虫剤の配置は、サービス員がキャップ180を除去し、ハンドル136により害虫活動監視アセンブリ130をハウジング170から引き抜くことができる。次に、餌部材132が殺虫剤を含む点を除いて、害虫の活動監視アセンブリ130と実質的に同一とすることができる再配置装置を設置する。次に、キャップ180をハウジング170に係合させ、新たなアセンブリをチャンバ172内で固着する。この方法は、監視作動モードから絶滅作動モードまで装置110の形態を変更するものである。
【0037】
他の実施の形態において、再配置装置が通信回路の異なる形態を含むか又は通信回路が全く存在しないようにすることができる。別の代替例において、1つ又は2つ以上の餌部材132を、オプション的にセンサ150を交換することにより、既存の害虫感知装置に殺虫剤が追加される。更に別の実施の形態において、監視アセンブリ130を除去し又は除去せずに、殺虫剤入り餌又はその他の材料が追加される。更に別の実施の形態において、害虫の活動に対して設置した装置110に隣接して設置された異なる装置内に殺虫剤が提供される。段階240の殺虫剤配置作業中、可能な限り多数のシロアリを装置110の付近に戻し又は保つことが好ましく、この位置にて、害虫の活動が検知され、殺虫剤をその他の群の部材に供給するため巣への確立した経路が直ちに利用可能な経路として役立ち得るようにすることができる。
【0038】
段階240の後、監視ループ250は段階242に入る。段階242において、装置110の周期的な点検を続行する。1つの実施の形態において、殺虫剤入り餌に相応する装置110の検査は、害虫駆除サービス員が視覚的に行う一方、監視モード中の他の装置110の検査は、探知器30にて通常、続行される。その他の実施の形態において、視覚的な検査は、毒入り餌部材132を有する形態とされた害虫の活動監視アセンブリ130を使用して、エレクトロニクス監視により補助し、又はこのエレクトロニクス監視により置換することができ、又はこのような方法を組み合わせて行うことができる。1つの代替例において、経路154は、殺虫剤入り餌を監視し得るように変更し、この経路が、典型的に、監視モードに対する経路の形態に対してより多量の餌が消費される迄、典型的に破壊されず開放した回路を提供し得るようにする。更に別の代替例において、殺虫剤入り餌は、通常、検査することができず、その代わり、シロアリが殺虫剤を消費するとき、シロアリが混乱する虞れを少なくし得るように単独にて残しておくことができる。
【0039】
段階242の後、調整器244は、過程220を続行すべきか否かについて作用する。調整器244の試験結果が是であるならば、すなわち、過程220を続行すべきであるならば、次に、調整器246の作用へと進む。調整器246において、より多くの殺虫剤入り餌を設置する必要があるかどうかを判断する。害虫の活動が既に検知された装置に対し消費された餌を補給するためより多くの餌を必要とするか、又は監視モードのままである装置110に対し新たに検知された害虫の活動に相応して殺虫剤入り餌を設置する必要がある。調整器246の試験結果が是であるならば、次に、追加の殺虫剤入り餌を設置すべく、ループ252は段階240に戻る。調整器246を介して判断されたように追加の餌が不要であるならば、次に、ループ250は、段階242を繰り返し得るように戻る。調整器244の試験結果が否でない限り、このようにしてループ250、252が繰り返される。ループ250、252の反復率、及びこれに相応して段階242を順次実行する間の間隔は、数日又は数週間程度とし且つ変更が可能である。調整器244の試験結果が否であるならば、次に、段階260において装置110の位置を探知し且つ除去し、過程220は終了する。
【0040】
1つの代替的な過程において、段階242において追加的な害虫の活動を監視することは望ましくない。その代わり、監視装置に対し検知することができず、又は段階242の一部として監視装置を除去することができる。別の代替例において、監視モードの形態とされた装置110を再配置し、その数を増やし又はその数を少なくすることができる。
【0041】
図7及び図8には本発明の別の代替的な実施の形態の害虫駆除装置310が図示されており、この場合、図1乃至図6に関して上述した特徴と同様の部分は同様の参照番号で表示される。装置310は受動型感知装置330を含む。感知装置330は、上述したように、2つの餌部材132と、支持部材334と、感知部材351を有するセンサ350と、受動型RFトランスポンダ360とを備える。図3及び図4に関して監視アセンブリ130について上述したように、餌部材132の間にて部材134、151を組み立てる場合と同様の方法にて、部材334、351が餌部材132の間にて組み立て得るように配置されている。
【0042】
感知部材351は、基板352と、導電性経路354とを備える。経路354は、基板352に接続され且つアセンブリ130の経路154に関して説明した方法にて容易に破壊して開放回路を形成し得るようにすることができる。経路354は、害虫が破壊する前に、閉じた導電性部分を形成し得るように受動型RFトランスポンダ360に電気的に接続されている。トランスポンダ360は、無線通信回路160と同一の形態とすることができる。トランスポンダ360は、図7及び図8に、センサ350と一体の封入した形態にて図示されている。
【0043】
図8を特に参照すると、ハウジング170内に取り付けられた感知装置330が図示されている。更に、トランスポンダ360の周りに取り付けられた回路ハウジング270が図示されている。装置310は、能動型回路370を更に備えている。回路370は、探知回路380と、能動型無線通信回路390とを備えている。探知回路380は、回路基板384の外周に巻かれたアンテナコイル382を備えている。探知回路380は、基板384に取り付けられたコイル382を含む構成要素385から成っている。通信回路390は、トランスミッタ/レシーバ(TXR/RXR)の形態をしており且つ探知回路380に電気的に接続されている。通信回路390は、基板394に取り付けられた構成要素395から成っている。構成要素395は、釦形形状の電気化学電池又はかかる電池のバッテリのような電源396を含む。通信回路390は、別個のアンテナを含み又は1つ又は2つ以上の探知回路380のアンテナを使用することができる。図8に図示した装置310の構成要素385、395は単に一例にしか過ぎず、外観の異なる構成要素をより多数又はより少数含むことができることを理解すべきである。
【0044】
基板384、394は、感知装置330のトランスポンダ360の上方にてハウジング270内に積重ねた配置状態で組み立てられている。全体として、害虫感知装置330(トランスポンダ360を含む)及び能動型回路370は、監視装置345を画成する。キャップ180は、上述したように作用して、監視装置345をハウジング170内にて取り外し可能に包み込む。
【0045】
図9を参照すると、本発明の別の実施の形態の通信装置320がブロック図の形態で図示されている。この場合、同様の部品は上述したのと同一の参照番号で表示する。システム320は、上述した探知器30と、典型的な害虫駆除装置310の監視装置345と、データ収集装置340とを備えている。トランスポンダ360は、概略図的に図示したセンサ350の経路354にスイッチにより接続され、監視アセンブリ130に関して説明した仕方で害虫の活動感知ループを提供する。探知回路380は、励起回路381と、レシーバ(RXR)回路383とを含む。回路381、383は、探知器30の回路32、34と同等の形態とすることができる。同様に、回路381、383の各々が異なる回路を有する状態で図示されている、その他の実施の形態にて共通のコイルを使用することができる。回路380は、能動型無線通信回路390の内部電源396によって励起される(図8参照)。回路380、通信回路390、又はその双方は、以下に説明する装置310が作動するための制御装置又はその他の論理装置を含むことができる。
【0046】
データ収集装置340はプロセッサ342に作用可能に接続された能動型トランスミッタ/レシーバ348を含む。プロセッサ342は、記憶装置344に作用可能に接続されている。プロセッサ342及び記憶装置344は、システム20のプロセッサ42及び記憶装置44とそれぞれ同一とすることができる。データ収集装置340は又上述したように、探知器30のI/Oポート37と相互に接続するインターフェース部41を備えている。1つの実施の形態において、データ収集装置340は、多数の装置310からデータを収集し得るように害虫駆除サービス用に設けられた特別な処理装置の形態をしている。別の実施の形態において、データ収集装置340は、上述した特徴を提供し得るように1つ又は2つ以上の特別な構成要素を有するラップトップコンピュータの形態にて設けられる。
【0047】
全体として、図7及び図9を参照すると、システム320を作動させる1つの過程は、装置110に関して説明した仕方にて多数の害虫駆除装置310を設置することを含む。一度び設置したならば、装置310は、多数のモードにて探知可能であるように配置される。1つのモードにおいて、受動型トランスポンダ360は、装置110について説明したように探知器30により励起される。従って、探知器30は、装置の識別符号及び餌状況を表わす情報を受け取る。この情報は、探知器30からデータ収集装置40又は340にダウンロードすることができる。
【0048】
別の作動モードにおいて、トランスポンダ360は、装置310に搭載した位置探知回路380により探知される。このモードの場合、データ制御装置340がトランスミッタ/レシーバ348から装置345の通信回路390に探知命令を送るとき、位置探知が開始される。トランスミッタ/レシーバ348は、各装置310に特有の命令を送ることができ、所定の装置310の通信回路390は、その他の装置310に対する命令を無視し且つそれ自体の命令に応答し得る形態とされている。これらの命令は、装置310の各トランスポンダ360に特有の識別コードに従って決定することができる。
【0049】
通信回路390が的確な命令を一度び受けたならば、該通信回路は、相応する励起回路381を作動させてRF励起信号を発生させる。この励起信号は、受動型トランスポンダ360を作動させ、RF伝送を介して餌状況及び識別情報を送る。レシーバ回路383は、トランスポンダ360から伝送信号を受け取り且つその信号を通信回路390に送る。通信回路390は、レシーバ回路383により送られた情報を受け取り且つその情報をRF通信の形態にてデータ収集装置340に伝送する。トランスミッタ/レシーバ348は、装置310から伝送された情報を受け取る。トランスミッタ/レシーバ348は、その情報をそのRF形態からプロセッサ342により操作し且つ記憶装置344に記憶させるのに適した形態に変換する。本明細書にて使用するように、トランスミッタ/レシーバ(TXR/RXR)は、トランシーバのような、1つ又は2つ以上の回路構成要素を共有するトランスミッタ及びレシーバを広く意味し、又は独立的な伝送及び受信回路としてそれぞれ設けられたものを意味するものとする。
【0050】
図10を参照すると、本発明の更に別の実施の形態のシステム420が図示されている。この場合、同様の部品には、上述したのと同様の参照番号が使用されている。システム420は、地面G内に設置された多数の装置310と、図10に概略的に図示するように建物422を保護するための多数の地上装置410とを備えている。装置410の各々は、ハウジング170と比較して建物422内に配置するのにより適した、異なるハウジング内に装置345を含んでいる。システム420は、データ収集装置340を有する車両430を更に備えている。
【0051】
全体として、図9及び図10を参照すると、図11のフローチャートには、本発明の更なる実施の形態のシロアリ駆除過程520が図示されている。過程520の段階522において、図10に概略図的に図示するように、建物422内及びその周囲に多数の装置310及び410が設置される。段階524において、装置の識別符号に特有の装置310、410のマップが作成される。監視ループ530は段階526に入る。段階526にて、車両430は、設置した装置310及び410の所定の通信距離内に配置されている。次に、データ収集装置340を作動させ、設置した装置310、410の各々に対し相応する情報を送り、その箇所における各装置に関する情報を遠隔的にダウンロードする。データ収集装置340のプロセッサ342はこの情報を評価する。この評価に従って、調整器528は、害虫が検知されたかどうかを試験する。調整器528にて害虫が何ら検知されなかったならば、ループ530は周期的な監視を続行すべく段階526に戻る。典型的に、所定の箇所に対し段階526の作業の間に数日又は数週間経過し、また、ループ530の反復周期は変更可能である。従って、車両430は、段階526の周期的な点検の間、その他の組の害虫検知装置を検査すべく他の箇所に移動させることができる。
【0052】
調整器528にて害虫の活動が検知されたならば、段階532にて探知器30により個々の装置310、410の位置を探知することができる。段階540の過程220に関して説明したように、害虫の活動が表示される箇所にて殺虫剤入り餌が設置される。段階542において、車両430により周期的な遠隔位置探知が再開される。次に、調整器544を作用させる。調整器544は、過程520を続行させるべきかどうかを試験する。過程520を続行すべき場合、調整器546を作用させる。調整器546は、過程220の調整器246と同様に、より多くの殺虫剤入り餌が必要とされるかどうかを試験する。より多くの餌が不要であるならば、ループ550は、段階542に戻って装置310、410の遠隔監視を続行する。より多くの殺虫剤入り餌が必要であるならば、次に、ループ552は、段階540に戻って殺虫剤入り餌を配置する。段階532の場合と同様に、装置310、410の位置を感知し且つ調整器546を介してより多くの餌が必要であることが表示された時、探知器30にて個々に探知する。典型的に、ループ550、552は、段階540、542を実施する間、相応する間隔にて数日又は数週間程度繰り返される。
【0053】
調整器544の試験結果が否であるならば、段階560にて装置310、410の位置を探知し且つ除去する。段階560にて、探知器30を使用して装置310、410の位置を探知することができる。次に、過程520は終了する。
【0054】
害虫除去サービス員が車両430から離れることを必要とせずに、過程520は監視ループ530、550の作業を容易にすることを理解すべきである。実際上、1つの代替的な実施の形態において、車両430を目標とする箇所の脇を移動する間に、段階526、542において位置探知を行うことができ、殺虫剤入り餌の供給又は補給といったような、個々の装置のサービスの必要性を決定し且つ別個に計画することができる。
【0055】
図12は本発明の更に別の実施の形態のシステム620を示す。この場合、上述したものと同様の参照番号は同様の部品を表示する。図12には、システム620の建物622が概略図的に図示されている。システム620はまた、建物を害虫から保護し得るように建物622に対して選択した位置に配置された装置310、410を含む。システム620は、建物622内に配置されたデータ収集装置340を更に含む。データ収集装置340は、通信チャネル650を介してデータ収集箇所640と接続している。チャネル650は、電話線、インターネットのようなコンピュータ回路又は当業者により案出されるであろうその他の型式の通信チャネルとすることができる。システム620は、例えば、過程220又は520に従って作動可能である。データ制御装置340をデータ収集装置640に接続すれば、害虫除去サービス員が装置310、410を周期的に探知するために移動することが不要となる。その代わり、チャネル650を介してデータ収集装置340に送られた適当な命令により位置探知を適時に促すことができる。この位置探知の結果をデータ収集箇所640に報告し且つ評価して、個々の装置310、410のサービスが表示されたときのみ害虫駆除サービス員が出向くよう設定することができる。個々のサービスが表示されたならば、そのデータを使用して何れの装置310、410がサービスを必要としているのかを決定することができる。サービスを必要とする装置310、410の位置を探知することが困難であるならば、過程220に関して説明した仕方により目標とする装置310、410の位置を決定するため探知器30を使用することができる。
【0056】
図13には、本発明の更に別の実施の形態の害虫駆除システム720が図示されている、この場合、上述したものと同様の部品は同様の参照番号で表示する。システム720は、探知器730と害虫駆除装置710とを備えている。害虫駆除装置710は、害虫が消費し且つ/又は害虫により変位されるように配置された害虫監視部材732を含む。一例において、部材732は、シロアリの場合、木のような害虫食餌可能な材料734と、材料734における被覆の形態の磁気材料736とを含む餌の形態とされている。磁気材料736は、材料734として作用する木髄に付与された磁気インク又は塗料とすることができる。その他の実施例において、材料734は、地中シロアリの場合、独立気泡構造のような典型的に、標的とする害虫により除去し又は変位される、木以外の物質にて形成することができる。更に別の実施例において、材料734は、食物及び食物以外の構成要素で形成することができる。
【0057】
装置710は、磁気符号センサ790に電気的に接続された無線通信回路780を更に備えている。センサ790は、磁気材料736により発生された磁界の変化に基づく抵抗の変化を検知し得るように部材732に対し所定の方向に固定された一連の磁気レジスタ794を備えている。かかる変更は、例えば、害虫により部材732が消費され、変位され又はその他の方法で部材732から除去されるようなときに生じる。センサ790は、部材732の磁気符号を特徴付ける手段を提供する。代替的な実施の形態において、センサ790は、単一の磁気レジスタに基づくものとし、又はホール効果センサ又はリラクタンス利用の感知装置のような代替的な型式の磁界感知装置とすることができる。
【0058】
センサ790からの磁界情報は通信回路780により可変データとして伝送することができる。回路780は、通信回路160について説明したように、特徴的な装置の識別符号及び/又は別個の餌状況信号を更に伝送することができる。回路780、センサ790又はその双方は、受動型又は能動型の性質とすることができる。
【0059】
探知器730は、装置710の回路780と無線通信を行うよう作動可能な通信回路735を含む。1つの実施の形態において、回路780及びセンサ790は、受動型であり、回路780は、RFタグの形態とされている。この実施の形態の場合、通信回路735は、装置710と無線通信を行い得るように探知器30の回路32、34と同等の形態とされている。その他の実施の形態において、装置710は、装置310と同様の仕方にて、受動型トランスポンダと、搭載型探知器と、能動型通信回路とを含み得るようにすることができ、又は、完全に能動型とすることができる。これら代替例の場合、探知器730がこれに相応して作用可能とされ、探知器730に代えてデータ収集装置を使用し又はその双方の方法の組み合せを利用することができる。
【0060】
探知器730は、餌状況及び識別情報に加えて又はこれに代えて磁気符号情報を受け取り、操作し且つ記憶可能な形態とされる点を除いて、制御装置36、I/Oポート37及び探知器30の記憶装置38と同一である制御装置731と、I/Oポート737と、記憶装置738とを備えている。害虫の消費振舞いを特徴付けるため、磁気符号情報を評価することが可能であることを理解すべきである。この振舞いは、餌の補給の必要性及び害虫の食餌パターンに関する予測を確立すべく使用することができる。
【0061】
図14は本発明の更に別の実施の形態のシステム820を示す。システム820は、害虫駆除装置810と、データ収集器830とを備えている。装置810は、対象とする害虫が消費し且つ/又は変位させ得るように配置された監視部材832を備えている。部材832は、その全体に亙って磁気材料836が分散されたマトリックス834を含む。材料836は、マトリックス834内の粒子数として概略図的に表示される。マトリックス834は、食物組成、非食物組成又はこれらの組み合せを有するようにすることができる。
【0062】
また、装置810は、通信回路880と、該通信回路に電気的に接続されたセンサ回路890とを備えている。回路890は、消費され、変位され又はその他の方法で部材832から除去されたとき、材料836により発生された磁界の変化を検知すべく部材832に対して固定された一連の磁気レジスタ894を有している。
【0063】
回路890は、温度、湿度及び大気圧力をそれぞれ検知し得る形態とされた多数の環境(ENV)センサ894a、894b、894cを更に備えている。これらのセンサ894、894a、894b、894cは、基板838に接続されており、又、関係した装置と適合可能なデジタル又はアナログ形態の何れかの信号を提供することができる。これに相応して、回路890は、センサ894a、894b、894cからの信号を調整し且つその形態を設定し得る形態とされている。また、回路890は、磁気レジスタ894により、検知された磁気符号に相応する信号を調整し且つその形態を設定する。回路890により提供された感知した情報は、通信回路880によりデータ収集器830に伝送される。通信回路880は、装置110、310、410に関して説明したように、別個の餌状況情報と、装置の標識との何れか一方、又はその双方を備えることができる。回路880及び回路890は、各々、受動型とし又は能動型とし、或いは、その双方の組み合わせとし、データ収集器830は選択した方法に従って、通信可能であるようにされている。
【0064】
RFタグ技術に基づく回路880の能動型の実施の形態の場合、その制御装置が回路890により提供された感知情報の異なる形態を操作し且つ記憶し得るように配置される点を除いて、データ収集器830は、探知器30と同一の形態とされている。別の実施の形態において、データ収集器830は、回路880の能動型トランスミッタ/レシーバの形態と通信すべく標準的な能動型トランスミッタ/レシーバの形態とすることができる。更に別の実施の形態において、データ収集器830及び装置810は、データの交換を容易にし得るように硬線接続のインターフェース部により接続されている。
【0065】
図15のフローチャートには、本発明の更に別の実施の形態の過程920が図示されている。過程920の段階922において、データは、1つ又は2つ以上の装置810から収集される。段階924において、装置810から収集されたデータは、センサ894a、894b、894cにより決定された環境条件及び装置810の位置に対して分析される。次に、段階926における分析に基づいて害虫の振舞いが予測される。段階926の予測に従って、1つ又は2つ以上の追加的な装置の設置を含むことができる措置が段階928にて採られる。
【0066】
次に、ループ930は段階932に入る。段階932において、装置810からのデータの収集は、データ収集器830により続行し、害虫の振舞いの予測は段階934にて正確なものとされる。次に、制御は調整器936へと進み、この調整器936は、過程920を続行すべきかどうかを試験する。過程920を続行するならば、ループ930は、段階932に戻る。過程920が調整器936の試験に従って終了すべきであるならば、この過程は停止する。
【0067】
段階928と関係して追加的に又は代替的に行うことのできるその他の措置の例は、害虫が所定の領域内で広がる方向をより正確に決定するため害虫の振舞いパターンを付与することを含む。従って、この予測に基づく警告を提供することができる。また、害虫駆除システムの宣伝及び販促は、過程920に基づいて、最も利益を受ける可能性のある箇所を重点的に行うことができる。更に、本発明による1つ又は2つ以上の実施の形態に従った害虫駆除サービスの需要が季節によって変動するかどうかを決定するためこの情報を評価することができる。これに応じて、装置又は人のような、害虫駆除リソースの割り振りを調整することができる。更に、害虫駆除装置を配置するときの効率を向上させることができる。また、過程920は、1つ又は2つ以上の装置810に加えて、代替的に、1つ又は2つ以上の装置110、310、410、710により行ってもよいことを理解すべきである。
【0068】
他の代替的な実施の形態において、装置110、310、410、710、810及び相応する探知器及びデータ収集装置は、当業者により案出されるような他の色々なシステムの組み合わせにて使用することができる。又、装置110、310、410、710、810に対する餌は、シロアリに適した食餌可能な形態にて供給することができるが、異なる種類の害虫、昆虫又は非昆虫を駆除し得るように選んだ種類の餌を選択し且つ装置のハウジング及びその他の特徴を異なる種類の害虫の監視及び全滅に適するように調整することができる。更に、装置110、310、410、710、810に対する餌は、実質的に害虫が消費しない目標とする種の害虫を攻撃し得るように選択した材料とすることができる。1つの代替的な1つ又は2つ以上の害虫駆除装置は、目標とする害虫により変位され又は変更される非植物材料を含む。非限定的な一例として、この型式の材料は、消費可能な餌部材が存在し又は存在せずに非消費可能な感知部材の基板を形成し得るように使用することができる。更なる代替例において、本発明による1つ又は2つ以上の害虫駆除装置は、ハウジング170(及び相応するキャップ180)のようなハウジングが存在しない。その代わり、この実施の形態の場合、ハウジングの中身を地面内に直接配置し又は当業者が案出されるであろうその他の方法で配置し且つ利用することができる。また、本発明の害虫駆除装置の任意のものは、代替的に、餌の消費又は感知部材の変位により導体が移動し、開放回路を作動させることなく、害虫の活動の表示として導電性ループを閉じるようにすることができる。
【0069】
無線通信技術に基づく害虫駆除装置は、オプション的に、硬線接続通信ポートを含むことができる。硬線接続した通信は、無線通信が局部的な条件により妨げられ又は当業者に案出されるように、診断目的のために無線通信の代替的手段として使用することができる。更に、本発明の精神から逸脱せずに、過程220、520及び過程920は、色々な段階、工程により実行することができ、調整器の最順序化、変更、再配置、置換、省略、複数化、組み合わせ又はその他の過程への追加を行うことが可能である。
【0070】
本発明の別の実施の形態は、少なくとも1つの種の害虫に対する少なくとも1つの餌部材と、装置に関する情報を伝送し得るように無線励起信号に応答可能な受動型RF通信回路とを備えている。更なる実施の形態において、各々が励起信号に応答可能な受動型RF通信回路を含む、1つ又は2つ以上の害虫から保護すべき領域内で互いに隔てられるように多数の害虫駆除装置が配置されている。
【0071】
本発明の更に別の実施の形態は、害虫駆除装置を少なくとも一部分、地中に設置することを含む。この装置は通信回路を含み且つ害虫駆除装置から無線伝送信号を受け取ることにより設置した後にその位置が探知される。
【0072】
更に別の実施の形態において、各々が無線通信回路を有する、建物を1つ又は2つ以上の種の害虫から保護し得るように複数の害虫駆除装置が設置される。第一の害虫駆除装置から無線伝送により情報を受け取り得るように携帯型の探知器が配置され、その探知器の位置は、第二の害虫駆除装置から無線伝送により情報を受け取り得るように変化させる。該第二の害虫駆除装置は第一の害虫駆除装置から隔てられている。また、探知器からデータを受け取り得るようにデータ収集装置を含むこともできる。
【0073】
本発明の更なる実施の形態は、磁気材料の構成要素を有する害虫食餌可能な餌部材を含む害虫駆除装置を備えている。この構成要素は磁界を提供する。この磁界は、害虫が食餌可能な餌部材の消費に応答して変化する。この装置は、その磁界が変化するとき、その磁界に相応する監視信号を発生させる作動可能な監視回路を更に備えている。
【0074】
更なる実施の形態において、害虫駆除装置は、少なくとも1つの種の害虫用の餌部材と、装置の識別コード及び餌の消費情報を伝送し得るように作動可能な通信回路とを備えている。
【0075】
更に、別の実施の形態において、害虫駆除装置は、環境センサと、センサにより検知された環境の特徴及び餌の状況に相応する情報を通信する作動可能な回路とを有する害虫餌パッケージ体を備えている。
【0076】
本発明の1つの追加的な実施の形態は、各々が餌と、無線通信回路とを含む1つ以上又は2つ以上の種の害虫から建物を保護する複数の害虫駆除装置を設置することと、各々が異なる1つの害虫駆除装置に相応する複数の識別信号を受け取る無線通信装置により装置の位置を探知することとを含む。
【0077】
本明細書に記載した全ての刊行物、特許及び特許出願は、その各々の刊行物、特許又は特許出願が具体的に参考として本明細書に記載されているかのように本明細書に加え且つその全体を引用してある。本発明は図面及び上記の説明にて詳細に図示し且つ説明したが、これは単に一例にしか過ぎず、性質を何ら限定するものではなく、好ましい実施の形態のみを図示し且つ記載したものであり、特許請求の範囲により規定される本発明の精神に属する全ての変更、均等物及び改変例は保護の対象に含めることを望むものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が無線通信回路を有する複数の害虫駆除装置を設置することと、
第一の害虫駆除装置から無線通信により情報を受け取り得るように携帯型探知器を位置決めすることと、
第二の害虫駆除装置から無線通信により情報を受け取り得るように携帯型探知器の位置を変更することと、前記第二の害虫駆除装置が前記第一の害虫駆除装置から隔たられるようにすることとを備える、方法。
【請求項2】
請求項1の方法において、前記第一の害虫駆除装置からの情報及び前記第二の害虫駆除装置からの情報をデータ収集装置に伝送することを更に備える、方法。
【請求項3】
請求項1の方法において、第三の害虫駆除装置と通信し得るように探知器を再位置決めすることを更に備える、方法。
【請求項4】
請求項1の方法において、害虫駆除装置が餌部材を備え、前記第一の害虫駆除装置からの前記情報が、害虫駆除装置の標識と、餌状況の表示とを含む、方法。
【請求項5】
請求項1の方法において、前記害虫駆除装置の少なくとも1つにおける前記無線通信回路が受動型RFトランスミッタを含む、方法。
【請求項6】
請求項1の方法において、前記設置が、前記害虫駆除装置の少なくとも1つを少なくとも部分的に地中に配置することと、前記害虫駆除装置の位置を探知器との無線通信を通じて探知することとを更に備える、方法。
【請求項7】
請求項1の方法において、前記設置が、前記害虫駆除装置の第一のものを少なくとも部分的に地中に配置することと、前記第一の害虫駆除装置がシロアリに対する監視餌部材と共に設置されることと、
前記探知器により得られた前記第一の害虫駆除装置に関する情報から監視餌部材の少なくとも部分的な消費を検知することと、
該検知に応答してシロアリに対する殺虫剤入り餌部材を設置することとを更に備える、方法。
【請求項8】
請求項1の方法において、前記害虫駆除装置の各々が、1つ又は2つ以上の種の害虫に対する食餌可能な餌部材を含み、前記害虫駆除装置の各々から得られた餌状況の情報を探知器により評価し、何れの害虫駆除装置が1つ又は2つ以上の種の害虫を誘引するかを識別することと、前記評価に基づいて1つ又は2つ以上の種の害虫の更なる振舞いを予測することとを更に備える、方法。
【請求項9】
各々が1つ又は2つ以上の種の害虫に対する餌と、無線通信回路とを含む複数の害虫駆除装置を設置することと、
前記害虫駆除装置を無線通信装置により探知することと、前記無線通信装置が、各々前記探知中、害虫駆除装置の異なる1つに相応する複数の識別信号を受け取ることとを備える、方法。
【請求項10】
請求項9の方法において、前記無線通信装置により前記害虫駆除装置の各々から害虫の活動状況の情報を受け取ることを更に備える、方法。
【請求項11】
請求項10の方法において、前記無線通信装置から前記データ収集装置にデータを伝送することを更に備える、方法。
【請求項12】
請求項9の方法において、前記無線通信装置が携帯型の無線探知器の形態である、方法。
【請求項13】
請求項12の方法において、前記探知器により前記害虫駆除装置の各々の位置を探知することを更に備える、方法。
【請求項14】
請求項12の方法において、前記無線通信回路が、該無線通信装置からの励起信号に応答可能な受動型RFトランスポンダを含み、該受動型RFトランスポンダが、識別信号及び害虫の活動を表示する状況信号のそれぞれ1つを送る、方法。
【請求項15】
請求項9の方法において、前記害虫駆除装置の各々が、温度、湿度及び大気圧力の少なくとも1つを測定するセンサを備える、方法。
【請求項16】
請求項15の方法において、前記害虫駆除装置の各々に対するセンサからのデータを前記無線通信装置に送ることと、該データを害虫駆除装置内で害虫の活動と比較することと、該比較に基づいて害虫の振舞いを予測することとを更に備える、方法。
【請求項17】
請求項9の方法において、前記害虫駆除装置の少なくとも1つに対する前記餌が、該餌の消費に相応する磁気符号を提供するように作動可能な磁気材料を含む、方法。
【請求項18】
請求項17の方法において、害虫の餌消費の振舞いを評価し得るように前記磁気符号を監視することを更に備える、方法。
【請求項19】
請求項9の方法において、前記害虫駆除装置の各々の前記餌が、地中シロアリにより食餌可能であるように選ばれ、前記設置が、害虫駆除装置の少なくとも一部を少なくとも部分的に地中に配置することを含む、方法。
【請求項20】
請求項9の方法において、該害虫駆除装置の各々に対する前記餌が害虫の活動監視型式のものであり、
前記探知器により得られたデータから害虫駆除装置の少なくとも1つに対する餌の少なくとも部分的な消費を検知することと、
該検知に応答して殺虫剤入り餌部材を設置することとを備える、方法。
【請求項1】
各々が無線通信回路を有する複数の害虫駆除装置を設置することと、
第一の害虫駆除装置から無線通信により情報を受け取り得るように携帯型探知器を位置決めすることと、
第二の害虫駆除装置から無線通信により情報を受け取り得るように携帯型探知器の位置を変更することと、前記第二の害虫駆除装置が前記第一の害虫駆除装置から隔たられるようにすることとを備える、方法。
【請求項2】
請求項1の方法において、前記第一の害虫駆除装置からの情報及び前記第二の害虫駆除装置からの情報をデータ収集装置に伝送することを更に備える、方法。
【請求項3】
請求項1の方法において、第三の害虫駆除装置と通信し得るように探知器を再位置決めすることを更に備える、方法。
【請求項4】
請求項1の方法において、害虫駆除装置が餌部材を備え、前記第一の害虫駆除装置からの前記情報が、害虫駆除装置の標識と、餌状況の表示とを含む、方法。
【請求項5】
請求項1の方法において、前記害虫駆除装置の少なくとも1つにおける前記無線通信回路が受動型RFトランスミッタを含む、方法。
【請求項6】
請求項1の方法において、前記設置が、前記害虫駆除装置の少なくとも1つを少なくとも部分的に地中に配置することと、前記害虫駆除装置の位置を探知器との無線通信を通じて探知することとを更に備える、方法。
【請求項7】
請求項1の方法において、前記設置が、前記害虫駆除装置の第一のものを少なくとも部分的に地中に配置することと、前記第一の害虫駆除装置がシロアリに対する監視餌部材と共に設置されることと、
前記探知器により得られた前記第一の害虫駆除装置に関する情報から監視餌部材の少なくとも部分的な消費を検知することと、
該検知に応答してシロアリに対する殺虫剤入り餌部材を設置することとを更に備える、方法。
【請求項8】
請求項1の方法において、前記害虫駆除装置の各々が、1つ又は2つ以上の種の害虫に対する食餌可能な餌部材を含み、前記害虫駆除装置の各々から得られた餌状況の情報を探知器により評価し、何れの害虫駆除装置が1つ又は2つ以上の種の害虫を誘引するかを識別することと、前記評価に基づいて1つ又は2つ以上の種の害虫の更なる振舞いを予測することとを更に備える、方法。
【請求項9】
各々が1つ又は2つ以上の種の害虫に対する餌と、無線通信回路とを含む複数の害虫駆除装置を設置することと、
前記害虫駆除装置を無線通信装置により探知することと、前記無線通信装置が、各々前記探知中、害虫駆除装置の異なる1つに相応する複数の識別信号を受け取ることとを備える、方法。
【請求項10】
請求項9の方法において、前記無線通信装置により前記害虫駆除装置の各々から害虫の活動状況の情報を受け取ることを更に備える、方法。
【請求項11】
請求項10の方法において、前記無線通信装置から前記データ収集装置にデータを伝送することを更に備える、方法。
【請求項12】
請求項9の方法において、前記無線通信装置が携帯型の無線探知器の形態である、方法。
【請求項13】
請求項12の方法において、前記探知器により前記害虫駆除装置の各々の位置を探知することを更に備える、方法。
【請求項14】
請求項12の方法において、前記無線通信回路が、該無線通信装置からの励起信号に応答可能な受動型RFトランスポンダを含み、該受動型RFトランスポンダが、識別信号及び害虫の活動を表示する状況信号のそれぞれ1つを送る、方法。
【請求項15】
請求項9の方法において、前記害虫駆除装置の各々が、温度、湿度及び大気圧力の少なくとも1つを測定するセンサを備える、方法。
【請求項16】
請求項15の方法において、前記害虫駆除装置の各々に対するセンサからのデータを前記無線通信装置に送ることと、該データを害虫駆除装置内で害虫の活動と比較することと、該比較に基づいて害虫の振舞いを予測することとを更に備える、方法。
【請求項17】
請求項9の方法において、前記害虫駆除装置の少なくとも1つに対する前記餌が、該餌の消費に相応する磁気符号を提供するように作動可能な磁気材料を含む、方法。
【請求項18】
請求項17の方法において、害虫の餌消費の振舞いを評価し得るように前記磁気符号を監視することを更に備える、方法。
【請求項19】
請求項9の方法において、前記害虫駆除装置の各々の前記餌が、地中シロアリにより食餌可能であるように選ばれ、前記設置が、害虫駆除装置の少なくとも一部を少なくとも部分的に地中に配置することを含む、方法。
【請求項20】
請求項9の方法において、該害虫駆除装置の各々に対する前記餌が害虫の活動監視型式のものであり、
前記探知器により得られたデータから害虫駆除装置の少なくとも1つに対する餌の少なくとも部分的な消費を検知することと、
該検知に応答して殺虫剤入り餌部材を設置することとを備える、方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−46095(P2010−46095A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271179(P2009−271179)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【分割の表示】特願2004−133789(P2004−133789)の分割
【原出願日】平成11年7月21日(1999.7.21)
【出願人】(501035309)ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー (197)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【分割の表示】特願2004−133789(P2004−133789)の分割
【原出願日】平成11年7月21日(1999.7.21)
【出願人】(501035309)ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー (197)
【Fターム(参考)】
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