説明

家庭用薄紙収納容器

【課題】ワンタッチ操作で容器の蓋を開ける際に、その容器の姿勢を安定させることができる家庭用薄紙収納容器を実現する。
【解決手段】容器本体10の開口部10cを開閉自在とする蓋部20を有する家庭用薄紙収納容器100において、容器本体10の前面部10bに、係合解除部材14を揺動可能に軸支する挟持部12を配設し、この係合解除部材14と挟持部12を挟持した際に、係合解除部材14が揺動することに伴い蓋部20の押上突起24が押し上げられて、係止部23と係合部13の係合が解除されるとともに、ねじりコイルばね30の付勢力によって、蓋部20が容器本体10から離間する方向に回動して開く構成にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用薄紙収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家屋の床やトイレ、または人体などを拭くためのウェットシートやウェットティッシュなどの家庭用薄紙を収納する密閉容器がある。
その密閉容器における所定の係合部が指先などで押下されて、容器本体と蓋との係合が解除されることに伴い、その蓋がゴムやバネなどの弾性部材によって押し上げられて、家庭用薄紙を取り出すための開口部が現れる密閉容器が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平11−79216号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1の場合、密閉容器の係合部を押下するワンタッチ操作で蓋を開けて、容器本体の開口部から家庭用薄紙を取り出すことが可能になるが、係合部を押下する力を作用させる際に容器本体が傾いてしまったり、倒れてしまったりするという問題があった。また、弾性部材によって押し上げられた蓋の反動でその密閉容器が動いてしまったり、倒れてしまったりするという問題があった。
【0004】
本発明の目的は、ワンタッチ操作で容器の蓋を開ける際に、その容器の姿勢を安定させることができる家庭用薄紙収納容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
上部に開口部が設けられ、家庭用薄紙を内部に収納する容器本体と、
前記容器本体の第1面部側に回動可能に備えられ、前記開口部を開閉自在とする蓋部と、
前記容器本体と前記蓋部のいずれか一方に備えられ、前記容器本体と前記蓋部を離間させる方向に付勢する弾性部材と、を備える家庭用薄紙収納容器であって、
前記容器本体は前記第1面部と対向する第2面部側に、前記蓋部が有する係止部と係合する係合部を有し、
前記容器本体と前記蓋部のいずれか一方には、前記係止部と前記係合部の係合を解除するための係合解除部材と、挟持部とが備えられ、
前記係合解除部材と前記挟持部を挟持することによって、前記係合解除部材が前記係止部と前記係合部の係合を解除することを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の家庭用薄紙収納容器において、
前記係合解除部材は、前記挟持部に揺動可能に備えられており、前記係合解除部材と前記挟持部を挟持した際に、前記係合解除部材が揺動することに伴い前記係止部と前記係合部を離間させて、前記係止部と前記係合部の係合を解除することを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の家庭用薄紙収納容器において、
前記容器本体と前記蓋部は、前記容器本体側の容器ヒンジ部と前記蓋部側の蓋ヒンジ部とが連結されてなるヒンジ機構部を介して回動可能に取り付けらており、
前記容器ヒンジ部と前記蓋ヒンジ部のいずれか一方は、前記蓋部が前記容器本体から離間する方向に回動する際に、他方に摺接して摩擦力を付与する摺接部を有することを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の家庭用薄紙収納容器において、
前記容器ヒンジ部と前記蓋ヒンジ部のいずれか一方は、前記蓋部が前記容器本体から所定量回動した後に他方に接触して、前記蓋部の回動が止まるまで摺接することを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の家庭用薄紙収納容器において、
前記容器本体の前記開口部の周縁部には、前記容器本体に対し前記蓋部が閉じられた際に、前記蓋部の周縁部が嵌入する溝部が形成されており、
前記容器本体の周縁部の溝部に、前記蓋部の周縁部が嵌入した際に、前記蓋部の周縁部における当該容器の内側と、前記容器本体の周縁部との間をその周縁部全周に亘って密着させる第1環状突部が、前記容器本体と前記蓋部のいずれか一方に備えられ、前記蓋部の周縁部における当該容器の外側と、前記容器本体の周縁部との間をその周縁部全周に亘って密着させる第2環状突部が、前記容器本体と前記蓋部のいずれか一方に備えられていることを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の家庭用薄紙収納容器において、
前記第1環状突部と前記第2環状突部とは、前記容器本体の周縁部の溝部に前記蓋部の周縁部が嵌入した際に、前記蓋部を挟んで対向する位置が互いにずれていることを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の家庭用薄紙収納容器において、
前記蓋部の周縁部には、前記容器本体に対し前記蓋部が閉じられた際に、前記容器本体の前記開口部の周縁部が嵌入する溝部が形成されており、
前記蓋部の周縁部の溝部に、前記容器本体の周縁部が嵌入した際に、前記容器本体の周縁部における当該容器の内側と、前記蓋部の周縁部との間をその周縁部全周に亘って密着させる第1環状突部が、前記容器本体と前記蓋部のいずれか一方に備えられ、前記容器本体の周縁部における当該容器の外側と、前記蓋部の周縁部との間をその周縁部全周に亘って密着させる第2環状突部が、前記容器本体と前記蓋部のいずれか一方に備えられていることを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の家庭用薄紙収納容器において、
前記第1環状突部と前記第2環状突部とは、前記蓋部の周縁部の溝部に前記容器本体の周縁部が嵌入した際に、前記容器本体を挟んで対向する位置が互いにずれていることを特徴とする。
【0013】
請求項9に記載の発明は、請求項5〜8のいずれか一項に記載の家庭用薄紙収納容器において、
前記容器本体に対し前記蓋部が閉じられた際に、前記第1環状突部と前記第2環状突部が前記容器本体に対する配置は、当該容器の第2面部側より第1面部側の方が、前記容器本体の周縁部の端部からの距離が長い下方に位置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、容器本体の開口部を開閉自在とする蓋部を有する家庭用薄紙収納容器は、容器本体と蓋部のいずれか一方に、蓋部の係止部と容器本体の係合部の係合を解除するための係合解除部材と挟持部を備えており、その係合解除部材と挟持部を挟持することによって、係合解除部材が係止部と係合部の係合を解除することができる。
そして、係止部と係合部の係合が解除されると、弾性部材の付勢力によって、蓋部を容器本体から離間させる方向に回動させて、開口部を開くことができる。つまり、係合解除部材と挟持部を挟持するワンタッチ操作によって、係止部と係合部の係合を解除することにより、弾性部材の付勢力によって蓋部(開口部)を開くことができる。
従って、係止部と係合部の係合を解除するために、係合解除部材に必要な力を作用させる際に、その容器が傾いてしまったり、倒れてしまったりするようなトラブルを防ぐことができる。また、係止部と係合部の係合が解除されて、弾性部材の付勢力によって、蓋部が押し上げられて開く際に、挟持部や係合解除部材が使用者によって挟持されて保持されているので、押し上げられた蓋部の反動が大きい場合であっても、その容器が動いてしまったり、倒れてしまったりするようなトラブルを防ぐことができる。
よって、この家庭用薄紙収納容器は、ワンタッチ操作で容器の蓋部を開ける際に、その容器の姿勢を安定させることができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、係合解除部材は、挟持部に揺動可能に備えられている。そして、係合解除部材と挟持部を挟持した際に、係合解除部材が揺動することに伴い係止部と係合部を離間させて、係止部と係合部の係合を解除することができる。
従って、係合解除部材と挟持部を挟持するワンタッチ操作を行いやすく、好適に係止部と係合部の係合を解除することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、容器本体と蓋部は、容器本体側の容器ヒンジ部と蓋部側の蓋ヒンジ部とが連結されてなるヒンジ機構部を介して回動可能に取り付けられている。そして、容器ヒンジ部と蓋ヒンジ部のいずれか一方は、蓋部が容器本体から離間する方向に回動する際に、他方に摺接して摩擦力を付与する摺接部を有しているので、弾性部材の付勢力によって、蓋部が押し上げられて開く際に、摺接部が容器ヒンジ部または蓋ヒンジ部に摩擦力を付与し、蓋部が弾性部材によって押し上げられる勢いにブレーキを掛け、蓋部が回動する速度を調整することができる。
従って、押し上げられた蓋部の反動をより小さくすることができ、蓋部が開く際にその容器が動いてしまったり、倒れてしまったりするようなトラブルを防ぐことができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、容器ヒンジ部と蓋ヒンジ部のいずれか一方は、蓋部が容器本体から所定量回動した後に他方に接触して、蓋部の回動が止まるまで摺接することができる。
つまり、蓋部が開く直後には、容器ヒンジ部または蓋ヒンジ部に摺接部は接触せず、摩擦力を付与しないので、蓋部は、弾性部材の付勢力によって好適に押し上げられて開く。
そして、蓋部が所定角度回動した際に、容器ヒンジ部または蓋ヒンジ部と摺接部が接触し、摺動部が容器ヒンジ部または蓋ヒンジ部へ摩擦力の付与を開始する。そして、蓋部の回動が止まるまで、摺動部は容器ヒンジ部または蓋ヒンジ部に摺接し続けて摩擦力を付与することができるので、蓋部が弾性部材によって押し上げられる勢いにブレーキを掛け、蓋部が回動する速度を好適に調整することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、家庭用薄紙収納容器において、容器本体の周縁部の溝部に、蓋部の周縁部が嵌入した際に、蓋部の周縁部における当該容器の内側と、容器本体の周縁部との間をその周縁部全周に亘って密着させる第1環状突部が、容器本体と蓋部のいずれか一方に備えられているので、家庭用薄紙収納容器の内部の気密性を保つことができる。また、容器本体の周縁部の溝部に、蓋部の周縁部が嵌入した際に、蓋部の周縁部における当該容器の外側と、容器本体の周縁部との間をその周縁部全周に亘って密着させる第2環状突部が、容器本体と蓋部のいずれか一方に備えられているので、家庭用薄紙収納容器の内部の気密性を保つことができる。
つまり、この家庭用薄紙収納容器は、蓋部の周縁部における当該容器の内側と外側において、第1環状突部と第2環状突部がそれぞれ家庭用薄紙収納容器の気密性を保つので、より好適に家庭用薄紙収納容器の気密性を保つことが可能になる。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、第1環状突部と第2環状突部とは、容器本体の周縁部の溝部に蓋部の周縁部が嵌入した際に、蓋部を挟んで対向する位置が互いにずれているので、第1環状突部と第2環状突部が、蓋部や容器本体の周縁部に当接する際に作用する力や歪を分散させることができるので、蓋部の周縁部を溝部に嵌入しやすい。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、家庭用薄紙収納容器において、蓋部の周縁部の溝部に、容器本体の周縁部が嵌入した際に、容器本体の周縁部における当該容器の内側と、蓋部の周縁部との間をその周縁部全周に亘って密着させる第1環状突部が、容器本体と蓋部のいずれか一方に備えられているので、家庭用薄紙収納容器の内部の気密性を保つことができる。また、蓋部の周縁部の溝部に、容器本体の周縁部が嵌入した際に、容器本体の周縁部における当該容器の外側と、蓋部の周縁部との間をその周縁部全周に亘って密着させる第2環状突部が、容器本体と蓋部のいずれか一方に備えられているので、家庭用薄紙収納容器の内部の気密性を保つことができる。
つまり、この家庭用薄紙収納容器は、容器本体の周縁部における当該容器の内側と外側において、第1環状突部と第2環状突部がそれぞれ家庭用薄紙収納容器の気密性を保つので、より好適に家庭用薄紙収納容器の気密性を保つことが可能になる。
【0021】
請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、第1環状突部と第2環状突部とは、蓋部の周縁部の溝部に容器本体の周縁部が嵌入した際に、容器本体を挟んで対向する位置が互いにずれているので、第1環状突部と第2環状突部が、蓋部や容器本体の周縁部に当接する際に作用する力や歪を分散させることができるので、蓋部の周縁部を溝部に嵌入しやすい。
【0022】
請求項9に記載の発明によれば、請求項5〜8のいずれか一項に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、家庭用薄紙収納容器において、容器本体に対し蓋部が閉じられた際に、第1環状突部と第2環状突部が容器本体に対する配置は、当該容器の第2面部側より第1面部側の方が、容器本体の周縁部の端部からの距離が長い下方に位置するので、蓋部を回動させて容器本体に対して閉じる際に、その閉じられる蓋部の周縁部と先に接触しやすい第1面部の周縁部と、僅かに後にずれたタイミングで接触する第2面部の周縁部において、蓋部の周縁部や容器本体の周縁部が第1環状突部と第2環状突部とに接触するタイミングをほぼ同じタイミングとすることができ、蓋部や容器本体の周縁部が、それぞれ他方の周縁部の溝部に入りやすくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明に係る家庭用薄紙収納容器の実施形態について詳細に説明する。
【0024】
図1は家庭用薄紙収納容器100が開けられた状態を示す前方斜視図であり、図2は家庭用薄紙収納容器100が開けられた状態を示す後方斜視図である。また、図3は家庭用薄紙収納容器100が閉じられた状態を示す前方斜視図であり、図4は家庭用薄紙収納容器100が閉じられた状態を示す後方斜視図である。
図5(a)は、家庭用薄紙収納容器100の容器本体10から蓋部20を取り外した分解斜視図であり、図5(b)は、取り外された蓋部20の裏側(内面側)を示す斜視図である。
図6は、図1のVI−VI線における断面図であり、内部に複数の家庭用薄紙Pが収納されている状態を示している。
【0025】
家庭用薄紙収納容器100は、図1から図6に示すように、上部に開口部10cが設けられ、前後方向に積層された複数の家庭用薄紙Pを収納するための容器本体10と、容器本体10の第1面部としての後面部10a側に回動可能に備えられ、開口部10cを開閉自在とする蓋部20と、蓋部20に備えられ、容器本体10と蓋部20を離間させる方向に付勢する弾性部材であるねじりコイルばね30と、を備えている。
【0026】
そして、家庭用薄紙収納容器100は、容器本体10に対し蓋部20が閉じられた状態で、内部にウェットシートやウェットティッシュなどの家庭用薄紙Pを収容する筐体状の容器である。
なお、容器本体10と蓋部20は、PP(ポリプロピレン)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、PE(ポリエチレン)、PPとPEの混合体などの樹脂が、ブロー成形、射出成形(コールドランナー、ホットランナー)など一般的な製造方法によって成形される。
【0027】
容器本体10の後面部10aの開口部10c近傍には、容器ヒンジ部11が形成されており、蓋部20の後面側には、蓋ヒンジ部21が形成されている。
この容器ヒンジ部11の軸穴11aに蓋ヒンジ部21の軸突起21aを係入して、容器ヒンジ部11と蓋ヒンジ部21とを取り付けることによって、容器ヒンジ部11と蓋ヒンジ部21とが連結されてなるヒンジ機構部33が構成される。そして、このヒンジ機構部33を介して、蓋部20が容器本体10に対して回動可能に配設されている。
【0028】
また、蓋ヒンジ部21には筒部22が備えられており、その筒部22の内側にねじりコイルばね30が装着されている。このねじりコイルばね30が蓋部20を容器本体10から離間させる方向に付勢することで、蓋部20がヒンジ機構部33を軸心に回動するように押し上げられて開口部10cが開くようになっている。
【0029】
容器本体10の第2面部としての前面部10bの開口部10c近傍には、係合部13(図7参照)が形成されており、蓋部20の前面側には、係止部23が形成されている。
そして、蓋部20の前面側が容器本体10の前面部10bに接触された際に、係合部13が係止部23と係合することにより、蓋部20が容器本体10側に保持されるように、開口部10cを閉じるようになっている。
【0030】
また、容器本体10の前面部10bの外面側であって開口部10c近傍には、前方に突出する挟持部12が備えられており、挟持部12には、係合解除部材14がその配置を変更可能に軸支されて配設されている。
挟持部12は、前面部10bの外面から前方に略水平方向に延出するとともに、その先端部側が下方に略垂直方向に屈曲した後、再度前方略水平方向に屈曲する形状を有している(図7参照)。そのため、挟持部12の下面側には凹部(くびれ部分)12aが形成されることとなり、係合解除部材14と挟持部12を挟持する際に、指が挟持部12の凹部(くびれ部分)12aに引っ掛かりやすくなるので、より確実に容器本体10を固定するように保持することが可能になる。
そして、図7(a)、図7(b)に示すように、係合解除部材14と挟持部12を挟持すると、係合解除部材14の一端部14aが挟持部12に近接する方向に揺動する。このように係合解除部材14を揺動させるようにその配置を変更させると、係合解除部材14の他端部14bが蓋部20の押上突起24を押し上げて、係止部23と係合部13の係合が解除されるようになっている。
つまり、係合解除部材14と挟持部12を挟持し、係合解除部材14を揺動させることにより、係止部23と係合部13の係合を解除すると、ねじりコイルばね30の付勢力によって、蓋部20が押し上げられて開くようになっている。
【0031】
このように、家庭用薄紙収納容器100の蓋部20を開ける場合には、係合解除部材14を揺動させるように、係合解除部材14と挟持部12を挟持すればよい。
そして、係止部23と係合部13の係合を解除するために、係合解除部材14の一端部14aを挟持部12に近接させるように押し下げる勢い(力)が強い場合であっても、挟持部12や係合解除部材14が使用者によって挟持されて保持されているので、その容器が動いてしまったり、倒れてしまったりするようなトラブルを防ぐことができる。
また、係止部23と係合部13の係合が解除されて、ねじりコイルばね30の付勢力によって、蓋部20が押し上げられて開く際に、挟持部12や係合解除部材14が使用者によって挟持されて保持されているので、押し上げられた蓋部20の反動が大きい場合であっても、その容器が動いてしまったり、倒れてしまったりするようなトラブルを防ぐことができる。
【0032】
また、図6に示すように、容器本体10の底部10dは、容器本体10の前面部10b側から後面部10a側に向かって下方に傾斜しており、その底部10dには、左右方向に延在する複数の突部10eが形成されている。
底部10dの傾斜角度は、10°〜20°程度が好ましい。
また、突部10eは、1〜4mm程度の高さを有する突状体であり、前後方向に5〜15mmの間隔で形成されている。
また、容器本体10は、その前面部10b側の高さが後面部10a側の高さより低く形成されている。
【0033】
このように、容器本体10の底部10dが、容器本体10の前面部10b側から後面部10a側に向かって下方に傾斜しているため、容器本体10に収納した家庭用薄紙Pの束が後面部10aに寄り掛かるように斜めに収容しやすくなる。
家庭用薄紙Pの束が後面部10aに寄り掛かるように斜めに収容されると、複数の家庭用薄紙Pにおいて隣接する家庭用薄紙Pの上端部の高さ位置がそれぞれ異なるように収納されるので、それぞれの家庭用薄紙Pの端部を視認しやすく、掴みやすい。
また、家庭用薄紙Pの束が後面部10aに寄り掛かるように斜めに収容されていると、蓋部20が上方に開口した際に、容器内の前面側に空間が形成されるので、容器内に手や指を入れやすく、家庭用薄紙Pを取り出しやすい。特に、容器本体10における前面部10b側の高さが後面部10a側の高さより低く形成されているので、容器本体10と蓋部20の間をより広くすることができ、家庭用薄紙Pがより取り出しやすくなる。
また、容器本体10内で家庭用薄紙Pの束が前面部10b側に前傾し寄り掛かってしまうと、蓋部20を閉める際に、容器本体10と蓋部20の間に家庭用薄紙Pが挟まってしまい、蓋部20が閉めにくいトラブルが発生することがあるが、本発明の家庭用薄紙収納容器100においては、家庭用薄紙Pは後傾しているのでそのようなトラブルを防ぐことができる。
また、底部10dに形成されている複数の突部10eに、容器本体10に収納した家庭用薄紙Pの下端部が当接し引っ掛かることによって、家庭用薄紙Pが底部10dの傾斜に沿ってずれ難くなるので、容器本体10内に収納される家庭用薄紙Pの姿勢をより安定させることができる。
【0034】
また、図6から図8に示すように、容器本体10の開口部10cの周縁部4には、容器本体10に対し蓋部20が閉じられた際に、蓋部20の周縁部3が嵌入する溝部5が形成されている。
そして、容器本体10の周縁部4の溝部5に、蓋部20の周縁部3が嵌入した際に、蓋部20の周縁部3における当該容器の内側と、容器本体10の周縁部4との間をその周縁部全周に亘って密着させる第1環状突部1が、容器本体10の溝部5の内面に形成されている。また、蓋部20の周縁部3における当該容器の外側と、容器本体10の周縁部4との間をその周縁部全周に亘って密着させる第2環状突部2が、容器本体10の溝部5の内面に形成されている。
第1環状突部1の高さは0.5mmに形成され、第2環状突部2の高さは0.7mmに形成されており、それぞれ異なる高さを有している。なお、第1環状突部1と第2環状突部2の高さは同じであってもよい。
また、図8、図9に示すように、溝部5において第2環状突部2が形成されている面には、上下方向に延在し、蓋部20の周縁部3を溝部5内に案内する複数の部分リブ6が、所定間隔をあけて形成されている。
このように、容器本体10の開口部10cを閉めるように蓋部20で蓋をし、蓋部20の周縁部3が溝部5に嵌入した際に、周縁部3における当該容器の内側で第1環状突部1が容器本体10と蓋部20の間を密封し、周縁部3における当該容器の外側で第2環状突部2が容器本体10と蓋部20の間を密封することができるので、家庭用薄紙収納容器100の密閉性を向上させることができる。
【0035】
また、第1環状突部1と第2環状突部2とは、容器本体10の周縁部4の溝部5に蓋部20の周縁部3が嵌入した際に、その蓋部20を挟んで対向する位置が互いにずれており、第1環状突部1の方が第2環状突部2より開口部10cの端部側(図中、上側)に位置している。そのずれ量は、0.5mm〜1mm程度である。
このように、第1環状突部1と第2環状突部2とが蓋部20を挟んで対向する位置が互いにずれていることによって、蓋部20の周縁部3に第1環状突部1と第2環状突部2が当接する際に作用する力や歪を分散させることができるので、蓋部20の周縁部3を溝部5に嵌入しやすい。
【0036】
また、図9に示すように、第1環状突部1と第2環状突部2の容器本体10における配置は、当該容器の前面部10b側より後面部10a側の方が、容器本体10の周縁部4の端部からの距離が長い下方に位置している。なお、第1環状突部1と第2環状突部2とは、当該容器の前面部10b側より後面部10a側の方が、容器本体10の周縁部4の端部から0.4〜0.8mm程度下側に形成されている。
このように、容器本体10に対する第1環状突部1と第2環状突部2の配置が、この容器の前面部10b側と後面部10a側とでずれていることにより、ヒンジ機構部33の回動に伴って容器本体10に対し蓋部20が閉じられる際に、その閉じられる蓋部20の周縁部3と先に接触しやすい後面部10aの周縁部4と、僅かに後にずれたタイミングで接触する前面部10bの周縁部4において、蓋部20の周縁部3が第1環状突部1と第2環状突部2とに接触するタイミングをほぼ同じタイミングとすることができ、蓋部20の周縁部3が溝部5に入りやすくなっている。
【0037】
また、図5、図10に示すように、蓋ヒンジ部21に備えられている筒部22は、蓋部20(蓋ヒンジ部21)と一体成形されているので、図17に示す、従来の容器の蓋部200の蓋ヒンジ部210より、コンパクトなサイズとすることができる。
具体的には、図17(a)、(b)に示すように、従来の容器の蓋部200は、蓋ヒンジ部210に形成されている帯状の筒部用部材220aをねじりコイルばね30側に折り返し、その筒部用部材220aの先端部側を超音波シール等によって接着し固定するため、その糊代部分が必要となるので筒部220が比較的大きくなり、蓋ヒンジ部210も比較的大きなサイズとなってしまう。また、筒部220を形成するための工程数も多く煩雑な作業が必要であった。また、筒部用部材220aを折り返すと、その折り返し部分に折り返し歪がかかり、また、糊代部分にも接着による歪などがかかることにより、蓋部200や筒部220にゆがみなどが生じてしまうことがあった。
それに比べて、本発明の家庭用薄紙収納容器100の蓋部20の筒部22は、蓋部20(蓋ヒンジ部21)と一体成形されるので歪やゆがみ等の変形が生じ難く、また、その成形された筒部22にねじりコイルばね30を通して装着することができるので、その組み付け工数を削減することができる。
特に、糊代部分が不要となるため、蓋ヒンジ部21を比較的小さなサイズとすることができる。蓋部20の蓋ヒンジ部21をより小さなサイズとすることができれば、ヒンジ機構部33の回動範囲が広がり、蓋部20と開口部10cとの間をより広く開けることが可能になり、家庭用薄紙Pを取り出しやすくなる。
【0038】
また、図5、図11に示すように、容器本体10の容器ヒンジ部11には、蓋部20が容器本体10から離間する方向に回動する際に、蓋部20(蓋ヒンジ部21)に接して摩擦力を付与する摺接部15が形成されている。
特に、蓋部20が容器本体10から開く際に(図11(a)参照)、蓋部20が容器本体10から所定量(所定角度)回動した後に、蓋部20の蓋ヒンジ部21が容器本体10の容器ヒンジ部11の摺接部15に接触して(図11(b)参照)、蓋部20の回動が止まるまで摺接部15に摺接するように(図11(c)参照)、摺接部15は配設されている。
このように、蓋部20が開く直後には、蓋ヒンジ部21(蓋部20)に摺接部15は接触せず、摩擦力を付与しないので、蓋部20は、ねじりコイルばね30の付勢力によって好適に押し上げられて開く。そして、蓋部20が所定角度分回動した際(例えば、蓋部20の開口角度が60°に開くまで回動した際)に、蓋ヒンジ部21(蓋部20)と摺接部15が接触し、摺動部15が蓋ヒンジ部21(蓋部20)へ摩擦力の付与を開始する。そして、例えば、蓋部20の開口角度が70°となり、蓋部20の回動が止まるまで、摺動部15は蓋ヒンジ部21(蓋部20)に摺接し続け、摺接部15は蓋ヒンジ部21(蓋部20)に摩擦力を付与し、蓋部20がねじりコイルばね30によって押し上げられる勢いにブレーキを掛け、蓋部20が回動する速度を調整することができる。
【0039】
このように、本発明に係る家庭用薄紙収納容器100は、係合解除部材14と挟持部12を挟持するワンタッチ操作によって、係止部23と係合部13の係合を解除することにより、ねじりコイルばね30の付勢力によって蓋部20を開くことができる。
そして、蓋部20がねじりコイルばね30の付勢力によって押し上げられた際に、その付勢力の反動が大きい場合でも、挟持部12や係合解除部材14が使用者によって挟持されて保持されているので、その家庭用薄紙収納容器100が動いてしまったり、倒れてしまったりするようなトラブルを防ぎ、容器の姿勢を安定させることができる。
特に、容器本体10の摺接部15が蓋ヒンジ部21(蓋部20)に摺接することによって、摩擦力を付与し、蓋部20がねじりコイルばね30によって押し上げられる勢いにブレーキを掛け、蓋部20が回動する速度を調整することができるので、家庭用薄紙収納容器100の姿勢をより安定させることができる。
よって、家庭用薄紙収納容器100は、ワンタッチ操作で容器の蓋部を開ける際に、その容器の姿勢を安定させることができる。
【0040】
また、家庭用薄紙収納容器100は、容器本体10の底部10dに、容器の前面部10b側から後面部10a側に下る傾斜を付けることにより、内部に収納する家庭用薄紙Pの束を後面部10aに寄り掛かるように収容することが可能になる。家庭用薄紙Pの束が後面部10aに寄り掛かるように斜めに収容されると、複数の家庭用薄紙Pにおいて隣接する家庭用薄紙Pの上端部の高さ位置がそれぞれ異なるように収納されるので、それぞれの家庭用薄紙Pの端部を視認しやすく、掴みやすくなるので、容器から取り出しやすくなる。
よって、家庭用薄紙収納容器100は、家庭用薄紙Pを取り出しやすく収納することができる。
【0041】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
【0042】
例えば、図12に示すように、容器本体10に収納した家庭用薄紙Pの下端部が底部10dの傾斜に沿ってずれるようなことがない場合や、ある程度ずれても問題のない場合には、容器本体10の傾斜する底部10dに突部10eを設けなくてもよい。
【0043】
また、図13に示すように、容器本体10の前面部10bの上部側の内面において、後面部10a側に向かって突出する突出部16を形成するようにしてもよい。このような突出部16によって、容器本体10に収納した家庭用薄紙Pの上端部を後面部10a側に後傾させ、容器本体10に収納した家庭用薄紙Pの束が後面部10aに寄り掛かるように収容しやすくなる。
なお、本実施形態における突出部16は、底部10d側から開口部10c側に向かって、前後方向に拡幅する形状を有する突出部16を例に挙げ説明しているが、突出部16は、少なくとも容器本体10の前面部10bの内面の上部側に備えられていればよい。
【0044】
また、図14に示すように、容器本体10の前面部10b側の高さが後面部10a側の高さより高くてもよい。
【0045】
また、図15に示すように、容器本体10の底部10fが傾斜のない形状であってもよい。そのような場合、家庭用薄紙収納容器100(容器本体10)に収納される複数の家庭用薄紙Pが、それぞれの上下方向の幅が異なる家庭用薄紙Pが積層されているものであれば、隣接する家庭用薄紙Pの端部の高さ位置がそれぞれ異なるように収納することができる。
【0046】
また、図16(a)に示すように、第1環状突部1を蓋部20の周縁部3側に形成するようにしてもよい。
【0047】
また、図16(b)に示すように、容器本体10に対し蓋部20が閉じられた際に、容器本体10の開口部10cの周縁部4aが嵌入する溝部5aが、蓋部20の周縁部3aに形成されている場合、容器本体10の周縁部4aにおける当該容器の内側と、蓋部20の周縁部3aとの間をその周縁部全周に亘って密着させる第1環状突部1aが、蓋部20の溝部5aの内面に形成され、また、容器本体10の周縁部4aにおける当該容器の外側と、蓋部20の周縁部3aとの間をその周縁部全周に亘って密着させる第2環状突部2aが、蓋部20の溝部5aの内面に形成されていてもよい。
また、図16(c)に示すように、第1環状突部1aを容器本体10の周縁部4a側に形成するようにしてもよい。
【0048】
なお、以上の実施の形態においては、挟持部や係合解除部材を容器本体側に備える構成を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、挟持部や係合解除部材を蓋部側に備えるようにしてもよい。
【0049】
また、以上の実施の形態においては、挟持部と係合解除部材を上下方向に摘むように挟持して、係止部と係合部の係合を解除するようにしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、挟持部と係合解除部材を左右方向に摘むように挟持して、係合を解除するようにしてもよい。
【0050】
また、以上の実施の形態においては、第1環状突部と第2環状突部は容器本体や蓋部に一体成形されているものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、天然ゴム、合成ゴム、シリコンゴムなどの軟質材からなる環状突部(例えば、パッキン)を後加工により容器本体や蓋部に取り付けたり、軟質材からなる環状突部を二色成形により容器本体や蓋部に配設したりするようにしてもよい。
【0051】
また、以上の実施の形態においては、摺接部15は、容器本体10に一体成形されているものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、摩擦係数が大きい素材からなる部材を摺接部として配設してもよく、摺接部15の一部に摩擦係数が大きい素材からなる部材を配設してもよい。また、摺接部15が蓋部20(蓋ヒンジ部21)に摺接する部分の摩擦係数を大きくするように、その摺接面がザラザラする表面加工を施すようにしてもよい。
また、摺接部を蓋部側に備えるようにしてもよい。
【0052】
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係る家庭用薄紙収納容器の蓋部が開けられた状態を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る家庭用薄紙収納容器の蓋部が開けられた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る家庭用薄紙収納容器の蓋部が閉められた状態を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る家庭用薄紙収納容器の蓋部が閉められた状態を示す斜視図である。
【図5】家庭用薄紙収納容器の容器本体から蓋部を取り外した状態を示す分解斜視図(a)と、取り外された蓋部の裏側を示す斜視図(b)である。
【図6】図1のVI−VI線における断面図であり、容器内部に複数の家庭用薄紙が収納されている状態を示している。
【図7】係止部と係合部が係合している状態を示す説明図(a)と、係止部と係合部の係合が解除された状態を示す説明図(b)である。
【図8】容器本体の溝部に蓋部の周縁部が嵌入した状態を示す説明図である。
【図9】容器本体の溝部に形成された第1環状突部と第2環状突部を配置を示す説明図である。
【図10】蓋部の裏側(内面側)を示す斜視図である。
【図11】摺接部と蓋ヒンジ部との配置を示す説明図であり、蓋部が閉じられた状態(a)と、蓋部が開けられ蓋ヒンジ部が摺接部に接触した状態(b)と、蓋ヒンジ部が摺接部に接触して蓋部の回動が止まった状態(c)である。
【図12】家庭用薄紙収納容器の変形例を示す断面図である。
【図13】家庭用薄紙収納容器の変形例を示す断面図である。
【図14】家庭用薄紙収納容器の変形例を示す断面図である。
【図15】家庭用薄紙収納容器の変形例を示す断面図である。
【図16】第1環状突部や第2環状突部の配置に関する変形例を示す断面図であり、第1環状突部が蓋部、第2環状突部が容器本体に形成された場合(a)、第1環状突部と第2環状突部が蓋部に形成された場合(b)、第1環状突部が容器本体、第2環状突部が蓋部に形成された場合(c)である。
【図17】従来の蓋ヒンジ部に関する説明図であり、筒部用部材がコイルばね側に折り返される前の状態(a)と、筒部用部材が折り返されて筒部が形成された状態(b)である。
【符号の説明】
【0054】
1、1a 第1環状突部
2、2a 第2環状突部
3、3a 周縁部(蓋部の周縁部)
4、4a 周縁部(容器本体の周縁部)
5、5a 溝部
10 容器本体
10a 後面部(第1面部)
10b 前面部(第2面部)
10c 開口部
10d、10f 底部
10e 突部
11 容器ヒンジ部
11a 軸穴
12 挟持部
12a 凹部
13 係合部
14 係合解除部材
14a 一端部
14b 他端部
15 摺接部
16 突出部
20 蓋部
21 蓋ヒンジ部
21a 軸突起
22 筒部
23 係止部
24 押上突起
30 ねじりコイルばね(弾性部材)
33 ヒンジ機構部
100、100a、100b、100c、100d 家庭用薄紙収納容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に開口部が設けられ、家庭用薄紙を内部に収納する容器本体と、
前記容器本体の第1面部側に回動可能に備えられ、前記開口部を開閉自在とする蓋部と、
前記容器本体と前記蓋部のいずれか一方に備えられ、前記容器本体と前記蓋部を離間させる方向に付勢する弾性部材と、を備える家庭用薄紙収納容器であって、
前記容器本体は前記第1面部と対向する第2面部側に、前記蓋部が有する係止部と係合する係合部を有し、
前記容器本体と前記蓋部のいずれか一方には、前記係止部と前記係合部の係合を解除するための係合解除部材と、挟持部とが備えられ、
前記係合解除部材と前記挟持部を挟持することによって、前記係合解除部材が前記係止部と前記係合部の係合を解除することを特徴とする家庭用薄紙収納容器。
【請求項2】
前記係合解除部材は、前記挟持部に揺動可能に備えられており、前記係合解除部材と前記挟持部を挟持した際に、前記係合解除部材が揺動することに伴い前記係止部と前記係合部を離間させて、前記係止部と前記係合部の係合を解除することを特徴とする請求項1に記載の家庭用薄紙収納容器。
【請求項3】
前記容器本体と前記蓋部は、前記容器本体側の容器ヒンジ部と前記蓋部側の蓋ヒンジ部とが連結されてなるヒンジ機構部を介して回動可能に取り付けらており、
前記容器ヒンジ部と前記蓋ヒンジ部のいずれか一方は、前記蓋部が前記容器本体から離間する方向に回動する際に、他方に摺接して摩擦力を付与する摺接部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の家庭用薄紙収納容器。
【請求項4】
前記容器ヒンジ部と前記蓋ヒンジ部のいずれか一方は、前記蓋部が前記容器本体から所定量回動した後に他方に接触して、前記蓋部の回動が止まるまで摺接することを特徴とする請求項3に記載の家庭用薄紙収納容器。
【請求項5】
前記容器本体の前記開口部の周縁部には、前記容器本体に対し前記蓋部が閉じられた際に、前記蓋部の周縁部が嵌入する溝部が形成されており、
前記容器本体の周縁部の溝部に、前記蓋部の周縁部が嵌入した際に、前記蓋部の周縁部における当該容器の内側と、前記容器本体の周縁部との間をその周縁部全周に亘って密着させる第1環状突部が、前記容器本体と前記蓋部のいずれか一方に備えられ、前記蓋部の周縁部における当該容器の外側と、前記容器本体の周縁部との間をその周縁部全周に亘って密着させる第2環状突部が、前記容器本体と前記蓋部のいずれか一方に備えられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の家庭用薄紙収納容器。
【請求項6】
前記第1環状突部と前記第2環状突部とは、前記容器本体の周縁部の溝部に前記蓋部の周縁部が嵌入した際に、前記蓋部を挟んで対向する位置が互いにずれていることを特徴とする請求項5に記載の家庭用薄紙収納容器。
【請求項7】
前記蓋部の周縁部には、前記容器本体に対し前記蓋部が閉じられた際に、前記容器本体の前記開口部の周縁部が嵌入する溝部が形成されており、
前記蓋部の周縁部の溝部に、前記容器本体の周縁部が嵌入した際に、前記容器本体の周縁部における当該容器の内側と、前記蓋部の周縁部との間をその周縁部全周に亘って密着させる第1環状突部が、前記容器本体と前記蓋部のいずれか一方に備えられ、前記容器本体の周縁部における当該容器の外側と、前記蓋部の周縁部との間をその周縁部全周に亘って密着させる第2環状突部が、前記容器本体と前記蓋部のいずれか一方に備えられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の家庭用薄紙収納容器。
【請求項8】
前記第1環状突部と前記第2環状突部とは、前記蓋部の周縁部の溝部に前記容器本体の周縁部が嵌入した際に、前記容器本体を挟んで対向する位置が互いにずれていることを特徴とする請求項7に記載の家庭用薄紙収納容器。
【請求項9】
前記容器本体に対し前記蓋部が閉じられた際に、前記第1環状突部と前記第2環状突部が前記容器本体に対する配置は、当該容器の第2面部側より第1面部側の方が、前記容器本体の周縁部の端部からの距離が長い下方に位置することを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載の家庭用薄紙収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−112457(P2007−112457A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−303154(P2005−303154)
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】