説明

家畜用給餌器

【課題】 給水器において常時安定した水圧を維持することができ、仔豚を効率的に生育させることができる家畜用給餌器を提供する。
【解決手段】 飼料ホッパー2から底皿12内に飼料aを落下、供給すると共に、給水パイプ11を介して給水器10から水を流出、供給する家畜用給餌器1において、畜舎内で多数の家畜用給餌器1,1,・・・に水を供給する配水パイプ47と給水パイプ11との間に水圧制御装置14を配設する。水圧制御装置14は、筐体37内にフロート40を配設した装置本体28から成り、筐体37内に貯留された水wの水位によってフロート40が上下移動し、筐体37内への水wの流入を制御する。さらに、水圧制御装置14は、装置本体28の上方部又は下方部に流量調整バルブ29,30を付設してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仔豚等の家畜に餌を与えるための家畜用給餌器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の家畜用給餌器として、図10に示すように、飼料ホッパー102、吊下部材103、作動部材104、攪拌部材105、底皿106等から構成される家畜用給餌器101が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この家畜用給餌器101は、仔豚が鼻又は口で作動部材104を押圧し、攪拌部材105を揺動することによって、飼料ホッパー102内の飼料aを攪拌し、下端の排出口から底皿106へと飼料aを円滑に落下、供給するようになっている。
【0003】
又、上記家畜用給餌器101には、飼料ホッパー102の上端部に支持部材107を配設し、この支持部材107の中央部に吊下部材103の上端部を連結すると共に、一端部に餌量調整機構108を配設してある。
そして、餌量調整機構108により支持部材107を回動させ、吊下部材103を適宜上下移動することによって、飼料ホッパー102下端の排出口の開口面積を調整し、底皿106へ落下、供給する飼料aの量を調整できるようになっている。
【0004】
又、上記家畜用給餌器101には、飼料ホッパー102の下端部外周に円環状の給水タンク109を配設し、この給水タンク109の周面に適宜間隔で給水器110を配置すると共に、上面に給水パイプ111の下端を連結してある。
そして、仔豚が給水器110を口に銜えて、その作用杆110aを揺動することによって、給水タンク109内に貯留された水を飲むことができるようになっている。
【0005】
さらに、上記家畜用給餌器101には、その上端を前記給水タンク109の周面に固着させ、その下端を前記底皿106の周面に固着させた湾曲状の仕切棒112を適宜間隔で配設してある。
そして、仔豚はこの仕切棒112で区画された空間内に頭部を突っ込んで、互いに争うことなく、食餌又は飲水できるようになっている。
【0006】
【特許文献1】登録実用新案第3019037号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来の家畜用給餌器101では、飼料ホッパー102内の飼料aは、下端の排出口から底皿106へ落下させて食餌するのに対して、給水タンク109内の水は、給水器110から流出させ直接飲水するようになっていた。
このように、飼料aと水とは別々に摂取されるようになっていたため、仔豚が頭部を上下左右に揺動することによって、底皿106内に堆積した飼料aが粉粒状となって舞い上がり、これを吸い込む仔豚に呼吸器系疾患が多発する要因となっていた。
【0008】
又、従来の家畜用給餌器101では、給水パイプ111の上端部に管径の大きい配水パイプ(図示しない)の分岐部を直接連結し、この配水パイプの基端部を畜舎全体に水を供給する給水栓(図示しない)に接続していた。
そして、畜舎内に配設した多数の家畜用給餌器101,101,・・・に水を供給するために、配水パイプ内には高い水圧を付与してあり、これによって、給水器110においても高い水圧が付与されることになった。
【0009】
このように、給水器110において高い水圧が付与されているため、仔豚が給水器110を口に銜え、作用杆110aを揺動すると、給水器110の排出口から勢い良く水が流出し、底皿106の外部に水が飛び散って、周囲を不衛生にした。
又、底皿106内に堆積した飼料aは、大分は乾燥状態である一方、一部は湿潤状態であって、仔豚の嗜好に合わない状態であったため、底皿106内にそのまま残存し、腐敗等して、無駄に消費されることも多かった。
【0010】
又、給水器110において高い水圧が付与されているため、給水器110の排出口から多量の水が流出しないように、給水器110内を貫通する通水孔の口径を1.2mm程度と小さくしなければならなかった。
そのため、口径の小さい通水孔に砂、ゴミ等が付着して目詰まりが発生し、給水器110の排出口から水が流出しなくなるという不具合も頻発していた。
【0011】
さらに、給水パイプ111の上端部に配水パイプの分岐部を直接連結してあるため、各家畜用給餌器101,101,・・・の配設位置によって個別的に、畜舎全体の使用水量が変動することによって経時的に、各給水パイプ111内の水圧が変動して、各給水器110において常時安定した水圧を維持することはできなかった。
そのため、給水器101から流出される水、又、底皿106内に供給される飼料aも、常時同様な状態に維持することができず、仔豚を効率的に生育させることができない場合も生じた。
【0012】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みて為されたものであって、その目的とするところは、仔豚に呼吸器系疾患を発症させることなく、底皿の外部に水が飛び散って、周囲を不衛生にすることなく、飼料を無駄に消費することもなく、給水器から水が流出しなくなる不具合も発生せず、給水器において常時安定した水圧を維持することができ、仔豚を効率的に生育させることができる家畜用給餌器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明は、飼料ホッパーから底皿内に飼料を落下、供給すると共に、給水パイプを介して給水器から水を流出、供給する家畜用給餌器において、畜舎内で多数の家畜用給餌器に水を配給する配水パイプと前記給水パイプとの間に水圧制御装置を配設したことを特徴とする。
【0014】
ここで、前記水圧制御装置は、筐体内にフロートを配設した装置本体から成り、筐体内に貯留された水の水位によってフロートが上下移動し、筐体内への水の流入を制御するものであることを特徴とする。
【0015】
かかる構成によれば、配水パイプ内の高い水圧は給水器において低減され、給水器における水圧は、水圧制御装置から給水器までの高低差によって決定され、常時安定した水圧を維持することができるから、仔豚が飲水する時に底皿の外部に水が飛び散って、周囲を不衛生にしたり、仔豚の嗜好に合わない状態で飼料が底皿内に残存し、腐敗等して、無駄に消費されることもない。
【0016】
又、給水器において水圧が低減されるから、給水器内を貫通する通水孔の口径を大きくすることができ、通水孔に砂、ゴミ等が付着して目詰まりが発生し、給水器の排出口から水が流出しなくなる不具合も発生しなくなる。
【0017】
又、各家畜用給餌器の配設位置によって個別的に、畜舎全体の使用水量が変動することによって経時的に、各給水パイプ内の水圧が変動することがなく、各給水器において常時安定した水圧を維持することができるから、底皿内において飼料を水と適度に混合させた粥状の液体混合飼料とすることができ、仔豚の嗜好に合わせた状態にできるため、仔豚を効率的に生育させることができる。
【0018】
さらに、底皿内において飼料を水と適度に混合させた液体混合飼料とすることができ、飼料と水とを同時に摂取することができるため、底皿内に堆積した飼料が粉粒状となって舞い上がることはなく、仔豚に呼吸器系疾患を発症させることもない。
【0019】
又、前記水圧制御装置は、前記装置本体の上方部又は下方部に流量調整バルブを付設してもよい。
【0020】
かかる構成にすれば、流量調整バルブを操作することによって、給水器に供給される水の流量を適宜調整できるから、畜舎全体の使用水量に対応させて、又、仔豚の生育状況に対応させて、水の供給量を適宜変更させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の家畜用給餌器の好適な実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0022】
本発明の家畜用給餌器1は、図1乃至9に示すように、飼料ホッパー2、案内筒体3、吊下部材4,5、作動部材6、ブリッジ防止部材7、支持部材8、餌量調整機構9、給水器10、給水パイプ11、底皿12、仕切板13、水圧制御装置14、支持板15等から構成される。
【0023】
飼料ホッパー2は、図1及び2に示すように、上半部を円筒状、下半部を逆円錐状に成形し、上面に飼料投入口を形成し、下端を飼料排出口とした本体2Aと、この本体2Aの上面に開閉自在に配設した蓋体2Bとから構成してある。
【0024】
案内筒体3は、図1、2及び5に示すように、飼料ホッパー2の下端部にその上端部をボルト等によって固定し、飼料ホッパー2の下方に連結してある。
案内筒体3は、図1及び5に示すように、上端部を逆円錐状、それより下方を円筒状に成形してあり、この円筒状部の内壁面に対して所定間隙離隔して円環状の内側壁部を形成し、円筒状部と内側壁部と上下仕切壁部とによって画成された空間部を給水タンク16としてある。
給水タンク16の外壁面には、周方向に所定間隔で給水器装着部17,17,・・・を突設してあり、給水器装着部17にはネジ孔17aを形成してある。又、給水タンク16の外壁面の適宜位置に給水パイプ11の下端部を連結してある。
【0025】
給水器10は、図6に示すように、揺動自在とした作用杆10aを有すると共に、基端部にネジ部10bを刻設してあり、図2に示すように、前記給水器装着部17のネジ孔17aに給水器10のネジ部10bを螺合させれば、給水器10を案内筒体3に装着することができる。
よって、仔豚が給水器10の作用杆10aを口に銜えて揺動すれば、給水タンク16に貯留された水は給水器10の排出口から流出されるようになっている。
【0026】
吊下部材4は、図2及び3に示すように、上端部をL型に折曲し、ナット18を固着した棒状の上側部材4Aと、下端部を鉤状に形成した棒状の下側部材4Bと、挿通孔を形成した連結部材4Cとから構成される。
そして、連結部材4Cの挿通孔に上側部材4Aの下端部と下側部材4Bの上端部とを挿通させ、ボルト19によって上側部材4A及び下側部材4Bを押圧すれば、上側部材4Aと下側部材4Bとを連結できるようになっている。
【0027】
吊下部材5は、図2及び3に示すように、上端部を鉤状に形成すると共に、下端部にはネジ部5aを刻設してある。
そして、吊下部材4の下側部材4Bの鉤状部に吊下部材5の鉤状部を掛止することによって、吊下部材4と吊下部材5とを連結するようになっている。
【0028】
作動部材6は、図2及び3に示すように、上端を開口とし、下方に拡開させた円錐台状を呈し、下端部内側に架設部材20を架け渡し、この架設部材20の中央部にネジ孔20aを穿設してある。
そして、吊下部材5のネジ部5aを架設部材20のネジ孔20aに螺合させ、さらに、ネジ部5aにナットを螺合させて締め付けて、吊下部材5の下端部に作動部材6を固定してある。
【0029】
ブリッジ防止部材7は、図2及び3に示すように、逆円錐台状を呈し、上面部及び下面部に挿通孔7a,7bを穿設してある。
そして、吊下部材5の中間部をブリッジ防止部材7の挿通孔7a,7bに挿通させ、挿通孔7a,7bの周囲を溶接等して、吊下部材5の中間部にブリッジ防止部材7を固定してある。
【0030】
支持部材8は、図2乃至4に示すように、板材を折曲して断面コ型に成形したものであり、その両端部を飼料ホッパー2の本体2Aの上端部内面にボルト等により締結し、架設してある。
そして、前記吊下部材4,5は、下述する餌量調整機構9を介して支持部材8に連結され、飼料ホッパー2内の中央部に吊下されている。
【0031】
餌量調整機構9は、図2乃至4に示すように、前記支持部材8の上面に形成した挿通孔8a、回転防止用長孔8b,8bと、吊下部材4の上端部に固着したナット18と、頭部に円管部材21を固着したボルト22と、基端部をL型に折曲し、先端部を適宜角度折曲したハンドル23と、から構成される。
そして、ボルト22を挿通孔8aに挿通させ、ナット18にボルト22のネジ部22aを螺合させ、円管部材21の貫通孔21aにハンドル23の基端部を回動自在に嵌挿してある。
【0032】
底皿12は、図1及び2に示すように、中央部を円錐台状に隆起させてあり、飼料aが中央部から周辺部に流動するようになっている。
【0033】
仕切板13は、飼料ホッパー2の本体2Aの外壁面、案内筒体3の外壁面、底皿12の内周面にボルト等によって締結、固定され、底皿12の周方向に所定間隔をおいて配設されている。
【0034】
本発明の家畜用給餌器1では、仔豚が鼻又は口で作動部材6を押圧して、吊下部材4,5及びブリッジ防止部材7を揺動することによって、飼料ホッパー2内の飼料aが攪拌され、飼料ホッパー2内にブリッジが発生しなくなるから、下端の排出口から底皿12内へと飼料aを円滑に落下、供給することができる。
【0035】
又、吊下部材4の上側部材4A、下側部材4Bを上下方向に適宜移動させると共に、餌量調整機構9によって吊下部材4,5を適宜上下移動させることによって、飼料ホッパー2下端の排出口の開口面積を調整できるから、底皿12内へ落下、供給する飼料aの量を適宜調整することができる。
【0036】
支持板15は、図7に示すように、垂直板部24、水平板部25及び傾斜板部26から成り、垂直板部24には挿通孔24a,24a,・・・を、水平板部25には挿通孔25aを、傾斜板部26に接続する取付片部27には挿通孔27a,27a,・・・を穿設してある。
そして、図8に示すように、垂直板部24を飼料ホッパー2の本体2Aの上半部に,ボルトで締結して固定し、取付片部27,27を隣接する仕切板13,13の側面部にボルトで締結して固定することによって、支持板15を設定してある。
【0037】
水圧制御装置14は、図7及び8に示すように、支持板15の水平板部25に載置し、垂直板部24にボルト等によって固定して、支持板15に設置してある。
水圧制御装置14は、図8及び9に示すように、装置本体28と、上側流量調整バルブ29と、下側流量調整バルブ30と、から構成してある。
【0038】
上側流量調整バルブ29は、筐体31内に弁体32を配置してあり、この弁体32を作用杆33によって回動操作させ、バルブの開度を調節することによって、水の流量を適宜調整できるようになっている。
下側流量調整バルブ30も、筐体34内に弁体35を配置してあり、この弁体35を作用杆36によって回動作動させ、バルブの開度を調節することによって、水の流量を適宜調整できるようになっている。
本実施例においては、上側流量調整バルブ29、下側流量調整バルブ30共に、ボールバルブを採用しているが、グローブバルブ(玉形弁)等の適宜流量調整バルブを採用してもよい。
【0039】
装置本体28は、容器38と蓋体39とから成る筐体37と、容器38内に配置されるフロート40と、から構成してある。
【0040】
容器38は、底面部の中央部に突出部41を形成してあり、その突出部41には流出孔42を形成してある。突出部41は、前記支持板15の水平板部25に形成した挿通孔25aを挿通させて下方に突出させてあり、その下端部に連結部材43を介して下側流量調整バルブ30の上端部を連結してある。
そして、下側流量調整バルブ30の下端部には接続部材44を連結してあり、この接続部材44に前記給水パイプ11の上端部を接続できるようになっている。
【0041】
蓋体39は、一端部に突出部45を形成してあり、その突出部45には流入孔46を形成してある。突出部45の上端部には上側流量調整バルブ29の下端部を連結し、上側流量調整バルブ29の上端部には、畜舎内に配設した多数の家畜用給餌器1,1,・・・に水を供給する配水パイプ47の分岐部を接続できるようになっている。
【0042】
又、蓋体39は、一端部の内壁面から下方にフロート支持部48を突設してあり、フロート支持部48に支持ピン49を配置してある。
さらに、蓋体39の中央部には、透明なプラスチック板を嵌入した監視窓50を形成してあり、この監視窓50から容器38内を視認できるようになっている。
【0043】
フロート40は、プラスチック材料から成る軽い中空成形体であって、本体部51と、支持部52と、から構成してあり、支持部52の一端部にはピン嵌挿孔52aを穿設してある。
このピン嵌挿孔52aに前記フロート支持部48に配置された支持ピン49を挿通させることによって、フロート40は支持ピン49を中心として揺動自在となっている。
【0044】
ここで、フロート40の支持部52の上面には、耐水性の高いゴム材料から成るパッキン53を固定してある。
又、前記突出部45の流入孔46内には、貫通孔54aを形成した係止部材54の上半部を嵌挿してあり、その下半部は流入孔46より下方に位置させてある。
そして、容器38内の水wが所定水位に到達すると、フロート40の支持部52に固定したパッキン53が係止部材54の貫通孔54aを閉鎖し、流入孔46より容器38内に水を流入させないようになっている。
【0045】
水圧制御装置14は、上記のような構成であるから、配水パイプ47の分岐部から上側流量調整バルブ29、蓋体39の流入孔46を流通してきた水は、係止部材54の貫通孔54aから容器38内に流入する。
容器38内に貯留している水は、容器38の流出孔42、下側流量調整バルブ30、給水パイプ11を流通して給水タンク16内に流入し、各給水器10,10,・・・にまで到達する。
【0046】
仔豚が飲水しない時には、給水器10,10,・・・から水は流出しないから、容器38内に水が徐々に貯留されていき、貯留された水の浮圧によってフロート40の本体部51が上方に移動する。
そして、フロート40の支持部52に固定したパッキン53が係止部材54の下端に当接し、貫通孔54aを閉塞すると、容器38内には水が流入しなくなる。
【0047】
仔豚が給水器10を口で銜えて、作用杆10aを揺動すると、給水器10の排出口から水が流出するが、給水器10における水圧は、水圧制御装置14の容器38から給水器10までの高低差となり、配水パイプ47内の水圧よりも相当程度低減されるから、給水器10の排出口から勢い良く水が流出して、底皿12の外部に水が飛び散って、周囲を不衛生にすることはない。
【0048】
又、給水器10における水圧は、水圧制御装置14の容器38から給水器10までの高低差となり、常時安定した水圧を維持することができるから、無駄に水を流出することもなくなり、仔豚の嗜好に合わない状態で飼料aが底皿12内に残存し、腐敗等して、無駄に消費されることもない。
【0049】
又、各家畜用給餌器1の配設位置によって個別的に、畜舎全体の使用水量が変動することによって経時的に、各給水パイプ11内の水圧が変動することもなく、各給水器10において常時安定した水圧を維持することができるから、底皿12内において飼料aを水wと適度に混合させた液体混合飼料とすることができ、仔豚の嗜好に合わせた状態にできるため、仔豚を効率的に生育させることができる。
【0050】
そして、底皿12内において飼料aを水wと適度に混合させた液体混合飼料とし、飼料aと水wとを同時に摂取することができるため、底皿12内に堆積した飼料aが粉粒状となって舞い上がることもなく、仔豚に呼吸器系疾患を発症させることもない。
【0051】
又、給水器10において水圧が低減されるから、給水器10内を貫通する通水孔の口径を大きくすることができ、通水孔に砂、ゴミ等が付着して目詰まりが発生し、給水器10の排出口から水が流出しなくなる不具合も発生しなくなる。
【0052】
水圧制御装置14は、又、装置本体28の上方部又は下方部に流量調整バルブ29,30を付設したから、流量調整バルブ29,30の作用杆33,36を回動操作させることによって、バルブの開度を調節し、給水器10に供給される水の流量を適宜調整することができるから、畜舎全体の使用水量に対応させて、又、仔豚の生育状況に対応させて、水の供給量を適宜変更することができる。
【0053】
尚、フロート40を使用した上記水圧制御装置14に代えて、ダイヤフラム、スプリング等を使用した機械的な減圧弁を水圧制御装置として採用することもできる。
【0054】
しかし、このような機械的な減圧弁は、畜舎内という劣悪な環境下では故障が発生し易く、錆等も発生して耐久性に問題があるため、保守、管理が大変であり、又、構成部品が比較的高価で、部品点数も多いため、装置自体も高価になる。
一方、フロート40を使用した水圧制御装置14は、故障が発生し難く、錆等も発生し難く、保守、管理も容易であり、構成部品が安価で、部品点数も少ないため、装置自体も安価になるので、より好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の家畜用給餌器の外観斜視図である。
【図2】本発明の家畜用給餌器の縦断面図である。
【図3】吊下部材及び餌量調整機構の縦断面図である。
【図4】餌量調整機構の斜視図である。
【図5】案内筒体の縦断面図である。
【図6】給水器の外観斜視図である。
【図7】水圧制御装置及びその支持板の外観斜視図である。
【図8】水圧制御装置の装着部近傍における外観斜視図である。
【図9】水圧制御装置の縦断面図である。
【図10】従来の家畜用給餌器の外観斜視図である。
【符号の説明】
【0056】
1 家畜用給餌器
2 飼料ホッパー
10 給水器
11 給水パイプ
12 底皿
14 水圧制御装置
28 装置本体
29 上側流量調整バルブ
30 下側流量調整バルブ
37 筐体
40 フロート
47 配水パイプ
a 飼料
w 水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飼料ホッパーから底皿内に飼料を落下、供給すると共に、給水パイプを介して給水器から水を流出、供給する家畜用給餌器において、畜舎内で多数の家畜用給餌器に水を供給する配水パイプと前記給水パイプとの間に水圧制御装置を配設したことを特徴とする家畜用給餌器。
【請求項2】
前記水圧制御装置は、筐体内にフロートを配設した装置本体から成り、筐体内に貯留された水の水位によってフロートが上下移動し、筐体内への水の流入を制御するものであることを特徴とする請求項1に記載の家畜用給餌器。
【請求項3】
さらに、前記水圧制御装置は、前記装置本体の上方部又は下方部に流量調整バルブを付設したことを特徴とする請求項2に記載の家畜用給餌器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−29306(P2008−29306A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−209262(P2006−209262)
【出願日】平成18年7月31日(2006.7.31)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成18年6月12日 インターネットアドレス「http://www.f−firm.jp」に発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2006年5月1日 株式会社 鶏卵肉情報センター発行の「月刊 養豚情報 Vol.34 No.5」に発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2006年6月1日 株式会社 鶏卵肉情報センター発行の「月刊 養豚情報 Vol.34 No.6」に発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2006年5月1日 株式会社日本畜産振興会発行の「養豚の友 通巻446号」に発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2006年6月1日 株式会社日本畜産振興会発行の「養豚の友 通巻447号」に発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成18年5月1日 チクサン出版社発行の「養豚界 第41巻第5号(通巻494号)」に発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成18年6月1日 チクサン出版社発行の「養豚界 第41巻第6号(通巻495号)」に発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成18年5月15日 アニマル・メディア社発行の「月刊 Pig Journal 5月号 (第9巻第5号)」に発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成18年6月15日 アニマル・メディア社発行の「月刊 Pig Journal 6月号 (第9巻第6号)」に発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成18年7月15日 アニマル・メディア社発行の「月刊 Pig Journal 7月号 (第9巻第7号)」に発表
【出願人】(390032263)株式会社藤井商会 (15)
【Fターム(参考)】