説明

家電制御サーバおよび家電制御方法

【課題】家電制御装置が家電制御サーバへ遠隔操作要求データの問い合わせを送信するタイミングを変更し、ユーザの利便性の向上を支援する。
【解決手段】実実施の形態に係る家電制御サーバは、ユーザ端末から送信され、ユーザ宅内に設けられた家電を遠隔操作するためのデータであって、受信日時を含む遠隔操作要求データを蓄積する記憶装置と、遠隔操作要求データを読み出し、算出対象単位ごとに受信した遠隔操作要求データの数を集計し、所定数より多い場合、当該算出対象単位における問い合わせ頻度を短く設定した遠隔操作問い合わせ計画データを生成する遠隔問い合わせ計画生成手段と、遠隔操作問い合わせ計画データを送信する送信手段と、を備える。家電制御装置は、遠隔操作問い合わせ計画データの算出対象単位および頻度で、家電制御サーバに遠隔操作要求データを問い合わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、家電制御サーバおよび家電制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の情報通信の発達に伴い、家庭内の機器を制御するエコーネット(ECHONET)などの通信プロトコルが、一般的に知られている。
【0003】
このエコーネットにおいて、家電が、家電制御装置を介して、家電自身の状態を家電制御サーバにアップロードする場合がある。例えば家電制御装置は、自宅の玄関ドアが施錠されると、そのドアは施錠されたことを示す家電通知データを、家電制御サーバに送信する。家電から通知された家電通知データは、家電制御サーバに蓄積される。ユーザの端末から家電の施錠状態の問い合わせを受けると、家電制御サーバは、家電通知データを参照して、ドアの施錠状態をユーザの端末に返信することができる。
【0004】
また、エコーネットにおいて、外出中のユーザが、家電制御サーバを介して自宅の家電に制御指示を与えることにより、自宅の家電を遠隔制御することができる。
【0005】
具体的には、ユーザは、携帯電話機やコンピュータなどの情報端末から、家電制御サーバに遠隔操作要求データを送信し、家電制御サーバはその遠隔操作要求データを蓄積する。一方、自宅に設置された家電制御装置は、所定のタイミングで家電制御サーバにアクセスし、自宅の家電に対する遠隔操作要求データを問い合わせる。家電制御サーバに遠隔操作要求データが蓄積されている場合、家電制御サーバはその遠隔操作要求データを抽出し、ユーザの自宅などにある家電制御装置に送信する。家電制御装置は、遠隔操作要求データを受信すると、この遠隔操作要求データに基づいて家電を制御する。
【0006】
この際、家電制御装置は、家電制御サーバに、家電制御装置が処理するべき遠隔操作要求データを、予め定められたタイミングで問い合わせる。
【0007】
一般的に、他の機器から、ポーリング間隔、実施時刻などが設定され、その設定された情報に基づいて、ポーリングにより他の機器の状態を収集する通信制御処理装置がある(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。特許文献1に記載の通信制御処理装置は、段落番号[0057]に記載されるように、トラフィックが多くなり通信できない機器が発生する場合などに、ポーリングの間隔を長く設定する。これにより、トラフィックを軽減し、対象機器の全てと通信することができる。また特許文献2には、機器の特性に応じた時間間隔で、ポーリングすることにより、トラフィックを軽減することが開示されている。
【0008】
また、ユーザの帰宅可能時間を考慮して遠隔制御可能な家電遠隔制御システムがある(例えば、特許文献3参照。)。特許文献3に記載の家電遠隔制御システムは、所定のタイミングで、ユーザ端末にユーザの位置等を問い合わせ、ユーザの帰宅予想時刻と、家電の動作開始時刻および操作内容を決定し、家電制御機器に送信する。この際、ユーザの位置情報等に基づいて、次回、ユーザの位置を問い合わせるタイミングが決定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−65164号公報
【特許文献2】特開2004−288187号公報
【特許文献3】特開2010−288231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献1および2に記載の発明はいずれも、トラフィックを軽減するためにポーリングの間隔を長く設定するものであり、ユーザの利便性を考慮して、ポーリングの間隔を変更するものではない。特許文献3に記載の発明は、ユーザの帰宅タイミングを算出するために、ユーザの位置を問い合わせるタイミングを決定するものであるので、家電制御装置が、家電制御サーバに問い合わせるタイミングを変更するものではない。
【0011】
例えば、ユーザが、ユーザ端末を介して家電制御サーバに家電の遠隔操作要求データを送信した場合、これらの遠隔操作要求データは早急に処理されることにより、ユーザの利便性が向上すると考えられる。しかしながら、上記の特許文献に記載の発明のいずれでも、このような課題を解決するものではない。
【0012】
そこで、家電制御装置が家電制御サーバへ遠隔操作要求データの問い合わせを送信するタイミングを変更し、ユーザの利便性を向上する技術の開発が期待されている。
【0013】
本発明の目的は、家電制御装置が家電制御サーバへ遠隔操作要求データの問い合わせを送信するタイミングを変更し、ユーザの利便性の向上を支援する家電制御サーバおよび家電制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明の実施形態に係る家電制御サーバは、家電制御サーバと、家電を制御し、所定の問い合わせ頻度で家電制御サーバに遠隔操作要求データを問い合わせて取得する家電制御装置と、を備える家電制御システムに用いられる家電制御サーバである。実施の形態に係る家電制御サーバは、ユーザ端末から送信され、ユーザ宅内に設けられた家電を遠隔操作するためのデータであって、受信日時を含む遠隔操作要求データを蓄積する記憶装置と、遠隔操作要求データを読み出し、算出対象単位ごとに受信した遠隔操作要求データの数を集計し、所定数より多い場合、当該算出対象単位における問い合わせ頻度を短く設定した遠隔操作問い合わせ計画データを生成する遠隔問い合わせ計画生成手段と、遠隔操作問い合わせ計画データを送信する送信手段と、を備える。家電制御装置は、遠隔操作問い合わせ計画データの算出対象単位および頻度で、家電制御サーバに遠隔操作要求データを問い合わせる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施の形態に係る家電制御システムのシステム構成と、家電制御サーバおよび家電制御装置の機能ブロックを説明する図である。
【図2】実施の形態に係る家電制御システムにおける処理の概要を説明するシーケンス図である。
【図3】実施の形態に係る家電制御サーバで記憶される遠隔操作要求データのデータ構造とデータの一例を説明する図である。
【図4】実施の形態に係る家電制御サーバで記憶される家電通知データのデータ構造とデータの一例を説明する図である。
【図5】実施の形態に係る家電制御サーバで記憶される遠隔操作問い合わせ計画データのデータ構造とデータの一例を説明する図である。
【図6】実施の形態に係る家電制御サーバで記憶される対象機器データのデータ構造とデータの一例を説明する図である。
【図7】実施の形態に係る家電制御サーバにおける遠隔操作問い合わせ生成手段が、遠隔操作要求データに基づいて遠隔操作問い合わせ計画データを生成する処理を説明するフローチャートである。
【図8】実施の形態に係る家電制御サーバにおける遠隔操作問い合わせ生成手段が、家電通知データに基づいて遠隔操作問い合わせ計画データを生成する処理を説明するフローチャートである。
【図9】実施の形態に係る家電制御サーバにおいて遠隔操作問い合わせ計画データを生成する際のデータを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。
【0017】
(家電制御システム)
図1に示すように、実施の形態に係る家電制御システム10は、家電制御サーバ1、家電制御装置2a、2b、2c、2d、家電3、ユーザ端末4aおよび4bを備える。ここで、家電制御装置2a、2b、2cおよび2dを特に区別しない場合、単に家電制御装置2と記載する場合がある。同様にユーザ端末4aおよび4bを特に区別しない場合、単にユーザ端末4と記載する場合がある。
【0018】
家電制御サーバ1、家電制御装置2およびユーザ端末4は、通信ネットワーク5を介して相互に通信可能に接続される。通信ネットワーク5は、例えば、インターネットなどの、相互通信可能な公衆通信ネットワークである。
【0019】
家電制御サーバ1は、記憶装置120、中央処理制御装置110および通信制御装置130を備える一般的なコンピュータに、所定の処理を実行するためのプログラムがインストールされることにより実現される。家電制御サーバ1は、通信制御装置130を介して通信ネットワーク5に接続する。
【0020】
家電制御サーバ1は、ユーザ端末4から遠隔操作要求データを受信すると、記憶装置120の遠隔操作要求データ記憶部121に記憶する。家電制御装置2から、当該家電制御装置2宛の遠隔操作要求データの問い合わせを受けると、家電制御サーバ1は、記憶装置120から当該家電制御装置2宛の遠隔操作要求データ121aを抽出し、家電制御装置2に送信する。家電制御装置2は、受信した遠隔操作要求データに従って、家電3を制御する。また家電制御サーバ1は、家電制御装置2から送信された家電通知データ122aを受信すると、記憶装置120の家電通知データ記憶部122に蓄積する。
【0021】
ここで、遠隔操作要求データ121aは、ユーザ端末4が、このユーザ宅内の家電3を遠隔操作るためのデータである。例えば、ユーザの識別子やユーザの識別子に対応する家電制御装置2の識別子、制御対象の家電種別、制御のための操作種別などのデータを含む。操作種別は例えば、ユーザ宅内の「エアコンを19時に28度で設定」したり、「ドアの施錠確認」したりするためのデータである。
【0022】
実施の形態に係る家電制御サーバ1は、特に、家電制御装置2が遠隔操作要求データを問い合わせるタイミングを示す遠隔操作問い合わせ計画データ123aを生成する。生成された遠隔操作問い合わせ計画データ123aは、家電制御装置2に送信される。家電制御装置2は、受信した遠隔操作問い合わせ計画データに基づいて、家電制御サーバ1に当該家電制御装置2宛の遠隔操作要求データを問い合わせる。
【0023】
家電通知データ122aは、家電3の状態などが、家電制御装置2から家電制御サーバ1に通知されたデータである。例えば、ユーザの識別子やユーザの識別子に対応する家電制御装置2の識別子、制御対象の家電種別、通知のための通知内容などのデータを含む。通知内容は例えば、ユーザ宅内の「消費電力は○○」、「ドアは施錠された」などを示すデータである。
【0024】
ユーザ端末4は、ユーザの利用する情報機器であって、例えば携帯電話機、スマートフォン、パソコンなどである。ユーザ端末4には例えばブラウザがインストールされる。ユーザ端末4を家電制御サーバ1に接続すると、遠隔操作要求データを入力するための画面がユーザ端末4に表示される。ユーザは、この画面に、ユーザの識別子やユーザの識別子に対応する家電制御装置2の識別子、制御対象の家電種別、制御のための動作内容などを入力する。ユーザによって入力された各種データを、ユーザ端末4は、遠隔操作要求データとして家電制御サーバ1に送信する。
【0025】
家電制御装置2は、ユーザ宅内に設置され、ユーザ宅内の家電3を制御する。家電制御装置2は、コントローラ210、メモリ220および通信制御装置230を備える一般的な情報機器である。家電制御装置2は、通信制御装置230を介して、通信ネットワーク5に接続する。
【0026】
家電制御装置2は、特に、所定の問い合わせ頻度で家電制御サーバ1に遠隔操作要求データ221aを問い合わせて取得する。家電制御装置2は、家電制御サーバ1から遠隔操作要求データ221aを取得する。家電制御装置2は、遠隔操作要求データ221aで指定された頻度で、家電制御サーバに、遠隔操作要求データを問い合わせる。
【0027】
家電制御装置2は、家電制御サーバ1から遠隔操作要求データを受信すると、受信した遠隔操作要求データに従って、ユーザ宅内の家電3を制御する。また、所定のタイミングで、ユーザ宅内の家電3の状態を取得し、家電制御サーバ1にユーザ宅内の家電3について家電通知データを送信する。
【0028】
家電3は、例えば家庭内に設置される家電機器である。家電3は、例えば、のエアコン、電気錠、インターホンなどである。
【0029】
図1に示す例では、家電制御システム10は、ユーザ端末4を2つ備え、家電制御装置2を4つ備える場合を説明するが、この数に限られない。また、各家電制御装置2に、複数の家電3が接続されても良い。
【0030】
図2を参照して、実施の形態に係る家電制御システムの処理の概要を説明する。図2に示す家電3は玄関ドアであって、例えば、ユーザが自宅を出て、玄関ドアを施錠した場合を説明する。
【0031】
まずステップS1においてユーザが玄関ドアを施錠したことを検知すると、ステップS2において、家電3は、その旨を家電制御装置2に送信する。ステップS3において家電制御装置2は、家電通知データとして、玄関ドアが施錠されたことを家電制御サーバ1に送信する。家電制御サーバ1は、受信した家電通知データを、ステップS4において家電通知データ記憶部122に記憶する。
【0032】
一方、ステップS5において、ユーザ端末4において遠隔操作を要求のためのデータが入力されると、ステップS6においてユーザ端末4は、遠隔操作要求データを家電制御サーバ1に送信する。家電制御サーバ1は、受信した遠隔操作要求データを、ステップS4において遠隔操作要求データ記憶部121に記憶し、家電制御装置2から遠隔操作要求データの問い合わせを待機する。
【0033】
家電制御装置2は、遠隔操作問い合わせ計画データ123aを参照し、遠隔操作問い合わせ計画データ123aで定められたタイミングで、家電制御サーバ1に遠隔操作データを問い合わせる。この遠隔操作問い合わせ計画データ123aは、後述するように家電制御サーバ1で生成され、家電制御サーバ1から家電制御装置2に送信されたデータである。
【0034】
家電制御サーバ1は、家電制御装置2から遠隔操作問い合わせを受信すると、遠隔操作要求データ記憶部121のデータを読み出し、当該家電制御装置2に送信するべき遠隔操作要求データを取得する。さらに家電制御サーバ1は、必要に応じて遠隔操作問い合わせ計画データ123aを取得する。家電制御サーバ1はステップS9において、取得した遠隔操作要求データおよび遠隔操作問い合わせ計画データ123aを家電制御装置2に送信する。
【0035】
ステップS9において家電制御装置2は、遠隔操作問い合わせ計画データ221aを受信すると、ステップS10において受信した遠隔操作問い合わせ計画データ221aをメモリ220の遠隔操作問い合わせ計画データ記憶部123に記憶する。このとき、予め記憶されていた古い遠隔操作問い合わせ計画データは、新たに記憶された遠隔操作問い合わせ計画データ221aにより上書きされても良い。家電制御装置2は、次回以降、新たに受信した遠隔操作問い合わせ計画データ221aに基づいて、家電制御サーバ1に遠隔操作要求データを問い合わせる。
【0036】
家電制御装置2は、ステップS11において、ステップS9において受信した遠隔操作要求データに基づいて家電3に、遠隔操作を要求する。ステップS12において家電制御装置2は、ステップS11における家電3の遠隔操作要求に対応する遠隔操作応答を受信する。ステップS13において家電制御装置2は、ステップS9における家電3の遠隔操作要求に対応する遠隔操作応答を、家電制御サーバ1に送信する。ステップS14において家電制御サーバ1は、ステップS6における家電3の遠隔操作要求に対応する遠隔操作応答を、ユーザ端末4に送信する。
【0037】
(家電制御サーバ)
図1を参照して、家電制御サーバ1を詳述する。
【0038】
家電制御サーバ1の記憶装置120には、家電制御プログラムが記憶されるとともに、記憶装置120は、遠隔操作要求データ記憶部121、家電通知データ記憶部122、遠隔操作問い合わせ計画データ記憶部および対象機器データ記憶部を備える。家電制御プログラムが中央処理制御装置110に読み出され実行されることによって、中央処理制御装置110は、遠隔操作要求処理手段111、遠隔操作問い合わせ応答手段112および遠隔操作問い合わせ計画生成手段113を備える。
【0039】
遠隔操作要求データ記憶部121は、記憶装置120のうち、遠隔操作要求データ121a、121b、…が記憶される記憶領域である。実施の形態において、遠隔操作要求データ121a、121b、…は、ユーザ端末4から送信され、ユーザ宅内に設けられた家電3を遠隔操作するためのデータであるとともに、遠隔操作問い合わせ計画データ123aを生成するために参照されるデータである。実施の形態において、遠隔操作要求データ記憶部121に記憶される任意の遠隔操作要求データを、「遠隔操作要求データ121a」と表記する場合がある。
【0040】
遠隔操作要求データ記憶部121には、図3に示すように、遠隔操作要求データ121a、121b、…が記憶される。遠隔操作要求データ121a、121b、…は、ユーザ端末4から受信した受信日時、遠隔操作要求の対象となる家電制御装置識別子、家電識別子、家電種別、操作種別および必要なパラメータの各データを含む。ここで、遠隔操作要求データ121a、121b…は、日時、家電制御装置識別子、家電識別子および操作種別をキーに、一意に定められる。パラメータは、操作種別の項目によって、必要とされる。
【0041】
図3に示す例において、遠隔操作要求データ121aは、外出先から、鍵を施錠したか否かの確認するためのデータである。遠隔操作要求データ121bは、外出先から、エアコンを設定温度24度で稼働するためのデータである。
【0042】
家電通知データ記憶部122は、記憶装置120のうち、家電通知データ122a、122b、…が記憶される記憶領域である。実施の形態において、家電通知データ122a、122b、…は、家電制御装置2から送信され、ユーザ宅内に設けられた家電3の状態を通知するためのデータであるとともに、遠隔操作問い合わせ計画データ123aを生成するために参照されるデータである。実施の形態において、家電通知データ記憶部122に記憶される任意の家電通知データを、「家電通知データ122a」と表記する場合がある。
【0043】
家電通知データ記憶部122には、図4に示すように、家電通知データ122a、122b、…が記憶される。家電通知データ122a、122b、…は、家電制御装置から受信した受信日時、通知した家電制御装置の家電制御装置識別子、通知対象の家電の家電識別子、家電種別、通知種別およびパラメータの各データを含む。ここで、家電通知データ122a、122b、…は、日時、家電制御識別子、家電識別子および通知種別をキーに、一意に定められる。パラメータは、通知内容の項目によって必要とされる。
【0044】
図4に示す例において、家電通知データ122aは、鍵が施錠された旨を通知するためのデータである。家電通知データ122bは、消費電力モニターによって計測された消費電力を通知するためのデータである。
【0045】
遠隔操作問い合わせ計画データ記憶部123は、記憶装置120のうち、遠隔操作問い合わせ計画データ123a、123b、…を記憶する記憶領域である。遠隔操作問い合わせ計画データ123a、123b、…は、家電制御装置2ごとに生成される。実施の形態において、遠隔操作問い合わせ計画データ記憶部123に記憶される任意の遠隔操作問い合わせ計画データを、「遠隔操作問い合わせ計画データ123a」と表記する場合がある。
【0046】
遠隔操作問い合わせ計画データ123aは、所定の時間ごとに、家電制御装置2が家電制御サーバ1に遠隔操作要求データを問い合わせる頻度を対応づけたデータである。図5に示す遠隔操作問い合わせ計画データ123aは、15分間隔で定められる時間帯と、問い合わせの頻度とが対応づけられている。図5に示す例で問い合わせ頻度のデータは、「標準」あるいは「短縮」である。例えば、「標準」が5分に1回問い合わせることを示す場合、「短縮」は、3分に1回問い合わせることを示す。
【0047】
図5に示す例では、将来の日にちおよび15分間隔の時間帯をキーに、頻度を対応づけているが、この形式でなくとも良い。例えば、ユーザのライフサイクルが、月曜日から金曜日に出勤し、土曜日および日曜日が休日である場合、遠隔操作問い合わせ計画データ123aは、月曜日から金曜日までの「平日」と、土曜日および日曜日の「休日」のそれぞれについて、15分間隔ごとに頻度を対応づけても良い。また、頻度として「標準」または「短縮」を対応づけているが、家電制御装置2が家電制御サーバ1に遠隔操作要求データの問い合わせる頻度がわかれば、これ以外の表記でも良い。例えば、問い合わせ間隔として「5分」、「3分」などのデータが設定される場合も考えられる。
【0048】
対象機器データ記憶部124は、記憶装置120のうち、対象機器データ124aおよび124bを記憶する記憶領域である。対象機器データ124aは、遠隔操作要求データから遠隔操作問い合わせ計画データ123aを生成する際に用いられる。一方対象機器データ124bは、家電通知データから遠隔操作問い合わせ計画データ123aを生成する際に用いられる。実施の形態に係る家電制御サーバ1は、家電制御装置2が、遠隔操作要求データ121aを問い合わせる頻度を含む遠隔操作問い合わせ計画データ123aを生成する。そこで、対象機器データ124aおよび124bに、ユーザが遠隔操作要求することが想定される家電の情報や、遠隔操作要求の操作内容、また遠隔操作要求に関連する家電通知の通知種別などが設定される。
【0049】
対象機器データ124aは、遠隔操作問い合わせ計画データ123aを生成する際に基となる、遠隔操作要求データの集計対象の家電種別と、遠隔操作要求データの操作種別を含む。対象機器データ124aは、図6(a)に示すようなデータである。対象機器データ124aは、遠隔操作要求データの集計対象として、家電種別「エアコン」および操作種別「暖房オン」を対応づけている。この場合、エアコンの暖房オンに関する遠隔操作要求データから、遠隔操作問い合わせ計画データ123aが生成される。
【0050】
対象機器データ124aに設定される家電種別および操作種別は、例えば、即時性が要求される遠隔操作対象の家電および操作種別である。遠隔操作要求データ記憶部121から、対象機器データ124aで特定される家電種別および操作種別に関連する遠隔操作要求データを集計することにより、効率的に遠隔操作問い合わせ計画データ123aが生成される。これにより、家電制御サーバ1は、対象機器データ124aに設定された家電および遠隔操作が頻出するタイミングで、家電制御装置2による遠隔操作要求データの問い合わせ頻度を高くなるように設定することができる。
【0051】
また、対象機器データ124bは、遠隔操作問い合わせ計画データ123aを生成する際に基となる、家電通知データの集計対象の家電種別と、家電通知の通知種別を含む。対象機器データ124bは、図6(b)に示すようなデータである。対象機器データ124bは、家電通知データの集計対象として、家電種別「鍵」よび通知種別「施錠確認」を対応づけている。この場合、鍵の施錠確認に関する家電通知データから、遠隔操作問い合わせ計画データ123aが生成される。
【0052】
対象機器データ124bに設定される家電種別および通知種別は、例えば、ユーザから要求される遠隔操作対象の家電および操作種別に関連する家電および通知種別である。家電通知データ記憶部122から、対象機器データ124bで特定される家電種別および通知種別に関連する家電通知データ122aを集計することにより、効率的に遠隔操作問い合わせ計画データ123aが生成される。
【0053】
例えば、電力モニターから通知される消費電力は、記録をとるために家電制御サーバ1に送信されるデータであって、ユーザからの遠隔操作の対象にはなりにくい。一方、鍵は、ユーザが外出後に施錠状態を確認することが考えられる。従って、ユーザが施錠後、家電制御装置2が施錠確認を家電制御サーバ1に通知した後、ユーザがこの鍵の施錠状態を把握するために、遠隔操作を要求することが想定される。
【0054】
そこで、対象機器データ124bに、遠隔操作要求の対象となりうる家電種別および通知種別を設定することにより、家電制御サーバ1は、対象機器データ124bに設定された家電および通知が頻出するタイミングで、家電制御装置2による遠隔操作要求データの問い合わせ頻度を高くなるように設定することができる。
【0055】
遠隔操作要求処理手段111は、ユーザ端末4から遠隔操作要求データを受信すると、遠隔操作要求データ記憶部121に蓄積する。また遠隔操作要求処理手段111は、遠隔操作要求に対応した処理結果を、ユーザ端末4に送信する。
【0056】
遠隔操作問い合わせ応答手段112は、家電制御装置2から遠隔操作要求データの問い合わせを受けると、遠隔操作要求データ記憶部121を検索し、この家電制御装置2に送信するべき遠隔操作要求データを検索する。家電制御装置2に送信するべき遠隔操作要求データがある場合、遠隔操作問い合わせ応答手段112は、この遠隔操作要求データを家電制御装置2に送信する。このとき遠隔操作問い合わせ応答手段(送信手段)112は、当該家電制御装置2のための遠隔操作問い合わせ計画データ123aも送信する。
【0057】
ここでは、遠隔操作問い合わせ応答手段112が、遠隔操作問い合わせ計画データ123aを家電制御装置2に送信する場合を説明するが、遠隔操作問い合わせに対する応答送信と非同期に、送信手段(図示せず)が遠隔操作問い合わせ計画データ123aを家電制御装置2に送信しても良い。例えば、遠隔操作問い合わせに限らず、家電制御サーバ1が家電制御装置2にデータを送信する際に、家電制御サーバ1が、遠隔操作問い合わせ計画データ123aも併せて送信しても良い。
【0058】
遠隔操作問い合わせ計画生成手段113は、遠隔操作要求データ記憶部121および/または家電通知データ記憶部122に記憶されたデータに基づいて、遠隔操作問い合わせ計画データ123aを生成し、記憶装置120に記憶する。
【0059】
遠隔操作要求データ記憶部121のデータから生成する場合、遠隔操作問い合わせ計画生成手段113は、遠隔操作要求データ記憶部121のデータを読み出し、算出対象単位ごとに受信した遠隔操作要求データの数を集計し、所定数より多い場合、当該算出対象単位における問い合わせ頻度を短く設定した遠隔操作問い合わせ計画データ123aを生成する。
【0060】
家電通知データ記憶部122のデータから生成する場合、遠隔操作問い合わせ計画生成手段113は、家電通知データ記憶部122のデータを読み出し、算出対象単位ごとに受信した家電通知データの数を集計し、所定数より多い場合、当該算出対象単位における問い合わせ頻度を短く設定した遠隔操作問い合わせ計画データ123aを生成する。また、遠隔操作問い合わせ計画生成手段113は、遠隔操作要求データ記憶部121のデータと、家電通知データ記憶部122のデータの両方から、遠隔操作問い合わせ計画データ123aを生成しても良い。
【0061】
ここで、「算出対象単位」とは、遠隔操作問い合わせの頻度を「標準」、「短縮」などに設定する時間の単位である。図5に示す例で算出対象単位は、1日を15分間隔で区切った時間である。他にも算出対象単位は、平日および休日ごとに、それぞれ20分間隔で区切った時間、昨年の同じ日を10分間隔で区切った時間なども考えられる。
【0062】
また、対象機器データ124aに、遠隔操作要求データ121a、121b、…を集計する対象とする対象機器および操作種別が設定されている場合、遠隔操作問い合わせ計画生成手段113は、遠隔操作要求データ121a、121b、…から、対象機器データ124aに含まれる集計対象の家電種別および操作種別のデータを抽出して、遠隔操作問い合わせ計画データ123aを生成する。
【0063】
同様に、対象機器データ124bに、家電通知データ122a、122b、…を集計する対象とする対象機器および通知種別が設定されている場合、遠隔操作問い合わせ計画生成手段113は、家電通知データ122a、122b、…から、対象機器データ124bに含まれる集計対象の家電種別および通知種別のデータを抽出して、遠隔操作問い合わせ計画データ123aを生成する。
【0064】
遠隔操作問い合わせ計画生成手段113は、遠隔操作要求データ121a、121b、…のみに基づいて遠隔操作問い合わせ計画データ123aを生成しても良いし、家電通知データ122a、122b、…のみに基づいて遠隔操作問い合わせ計画データ123aを生成しても良い。また、遠隔操作問い合わせ計画生成手段113は、遠隔操作要求データ121a、121b、…と、家電通知データ122a、122b、…と、に基づいて遠隔操作問い合わせ計画データ123aを生成しても良い。
【0065】
遠隔操作問い合わせ計画生成手段113は、生成した遠隔操作問い合わせ計画データ123aを、記憶装置120の遠隔操作問い合わせ計画データ記憶部123に記憶する。
【0066】
遠隔操作問い合わせ計画生成手段113は、翌日の計画を生成する場合、過去の遠隔操作要求を受信した時刻の前後に、家電制御装置2から家電制御サーバ1に遠隔操作要求データの問い合わせする間隔を短縮した、遠隔操作問い合わせ計画データ123aを生成する。
【0067】
例えば、遠隔操作問い合わせ計画生成手段113は、予め指定された期間内の過去の遠隔操作要求データ記憶部121のデータから、遠隔操作要求が発生した時刻を抽出する。遠隔操作問い合わせ計画生成手段113は、遠隔操作要求が発生した時刻の前後は、デフォルトの時間間隔より短い時間間隔で家電制御サーバ1に問い合わせするような計画を生成する。
【0068】
また、家電通知データに基づいて、遠隔操作問い合わせ計画データ123aを生成する場合も同様である。遠隔操作問い合わせ計画生成手段113は、翌日の計画を生成する場合、過去の家電通知を受信した時刻の前後に、家電制御装置2から家電制御サーバ1に遠隔操作要求データの問い合わせする間隔を短縮した、遠隔操作問い合わせ計画データ123aを生成する。
【0069】
例えば、遠隔操作問い合わせ計画生成手段113は、予め指定された期間内の過去の家電通知データ記憶部122のデータから、家電通知を受信した時刻を抽出する。遠隔操作問い合わせ計画生成手段113は、家電通知を受信した時刻の前後は、デフォルトの時間間隔より短い時間間隔で家電制御サーバ1に問い合わせするような計画を生成する。
【0070】
図7を参照して、遠隔操作問い合わせ計画生成手段113による遠隔操作問い合わせ計画生成処理の流れを説明する。図7に示す例では、遠隔操作要求データ121a、121b、…から遠隔操作問い合わせ計画データ123aを生成する場合を説明する。
【0071】
まずステップS101において遠隔操作問い合わせ計画生成手段113は、記憶装置120の遠隔操作要求データ記憶部121から、遠隔操作要求データ121a、121b、…を読み出す。ここで、所定の家電制御装置2について遠隔操作問い合わせ計画データ123aを生成する場合、遠隔操作問い合わせ計画生成手段113は、この所定の家電制御装置2の識別子に対応づけられた遠隔操作要求データを抽出する。ステップS102において遠隔操作問い合わせ計画生成手段113はさらに、対象機器データ124aに合致する遠隔操作要求データを抽出する。
【0072】
さらにステップS103において遠隔操作問い合わせ計画生成手段123は、ステップS102で抽出された遠隔操作要求データの受信時刻に基づいて、集計対象の期間のデータを取得する。集計対象とは例えば、「直近の1ヶ月に受信したデータ」や、「昨年の同時期に受信したデータ」であって、遠隔操作問い合わせ計画データを出力する際の基準とするデータである。
【0073】
次に、各算出対象単位について、ステップS103ないしステップS105の処理を繰り返す。具体的には、ステップS103において、さらに遠隔操作問い合わせ計画生成手段113は、抽出した各遠隔操作要求データの受信時刻に基づいて、所定の算出対象単位の時間に受信した遠隔操作要求データの数を集計し、要求の頻度を算出する。
【0074】
ステップS104において遠隔操作問い合わせ計画生成手段113は、ステップS103で算出した要求の頻度が、閾値を越えたか否か判定する。この閾値は、予め設定される。閾値を越えた場合、ステップS105において当該算出対象単位について、短い問い合わせ間隔の値を設定する。遠隔操作問い合わせ計画生成手段113は、当該算出対象単位の頻度を「短縮」と設定する。一方、閾値を越えていない場合、ステップS106において当該算出対象単位について、標準の問い合わせ間隔の値を設定する。
【0075】
全ての算出対象単位についてステップS103ないしステップS106の処理が終了すると、ステップS107において遠隔操作問い合わせ計画生成手段113は、ステップS105またはステップS106で設定した問い合わせ間隔値と、算出対象単位の識別子とを対応づけて、遠隔操作問い合わせ計画データ123aを出力する。
【0076】
図7においては、遠隔操作要求データ121a、121b、…の頻度に基づいて遠隔操作問い合わせ計画データ123aを出力する場合を説明したが、家電通知データ122a、122b、…の頻度に基づいて出力する場合も、図8に示すように同様に処理される。また、遠隔操作要求データ121a、121b、…の頻度と、家電通知データ122a、122b、…の頻度と、に基づいて出力する場合も、図7および図8と同様に処理される。
【0077】
図9を参照して、遠隔操作要求データ121a、121b、…の頻度に基づいて、遠隔操作問い合わせ計画データ123aを出力する具体例を説明する。図9に示す例では、2011年3月12日以降の問い合わせの計画を、n週間分の鍵の施錠確認の遠隔操作要求データに基づいて、各曜日の7:15から7:30の問い合わせ頻度を算出し、遠隔操作問い合わせ計画データ123aを生成する場合を説明する。
【0078】
図9(a)は、遠隔操作要求データ記憶部121に記憶される遠隔操作要求データ121a、121b、…の一例である。遠隔操作問い合わせ計画生成手段113は、所定の家電制御装置2宛に受信した遠隔操作要求データのうち、集計対象となる区間に受信し、鍵の施錠確認に関する遠隔操作要求データを抽出する。
【0079】
ここで、遠隔操作問い合わせ計画生成手段113は、各曜日および15分単位ごとに受信した遠隔操作要求データの数をカウントする。図9(b)は、各曜日および15分単位ごとに受信した遠隔操作要求データの数を表している。図9(b)において、月曜日について、1週前は7:21に、2週前は7:25に、3週前は7:28に、5週前は7:22…に施錠確認の遠隔操作要求があり、n週で5回の問い合わせがあったことを示す。ここで、4週前は問い合わせが発生していない。
【0080】
このように、遠隔操作問い合わせ計画生成手段113は、n週間分の鍵の施錠確認の遠隔操作要求データに基づいて、各曜日ごとに7:15から7:30に受信した遠隔操作要求データの数をカウントする。その結果、月曜日は5回、火曜日および水曜日は2回、木曜日は4回、金曜日は3回、7:15から7:30の間に鍵の施錠確認の遠隔操作要求を受信し、土曜日および日曜日は、受信していないことがわかる。
【0081】
ここで、閾値を「3」とすると、月曜日、木曜日および金曜日は、7:15から7:30の間に鍵の施錠確認の遠隔操作要求が頻発していることになる。従って、図9(c)に示すように、遠隔操作問い合わせ計画生成手段113は、月曜日、木曜日および金曜日の7:15から7:30の間の遠隔操作の問い合わせ間隔を短縮する計画を出力する。遠隔操作問い合わせ計画生成手段113は、全ての算出対象単位について、遠隔操作要求の発生数をカウントして、遠隔操作問い合わせ計画データ123aを生成する。この計画によると、月曜日、木曜日および金曜日の7:15から7:30の間は、家電制御装置2から家電制御サーバ1への遠隔操作要求データの問い合わせ頻度が高くなる。
【0082】
家電制御サーバ1は、ユーザの行動パターンを考慮して、ユーザが遠隔操作要求を送信する可能の高い時間帯に、家電制御装置2が家電制御サーバに、頻繁に遠隔操作要求データの問い合わせをするよう制御することができる。これにより、家電制御サーバ1から家電制御装置2に、ユーザ端末4から受信した遠隔操作要求データを早くダウンロードさせることができる。また家電制御サーバ1は、ユーザの遠隔操作要求に対して迅速に処理し、ユーザ端末4に、遠隔操作要求の処理結果を早く知らせることができる。また、ユーザ端末4から遠隔操作要求データがあまり送信されない時間帯は、問い合わせ頻度を変更しないことにより、家電制御サーバ1の負荷を軽減することができる。
【0083】
家電制御サーバ1が扱う家電制御装置2の数に応じて、閾値が決定されても良い。例えば、家電制御サーバ1が扱う家電制御装置の数が多く、家電制御サーバ1の負荷が予想される場合、閾値を高めに設定する。これにより、ユーザ端末4から遠隔操作要求データが送信されそうな時間帯の家電制御装置2の問い合わせ頻度を上げつつ、家電制御サーバ1の負荷を軽減することができる。
【0084】
また、天気情報なども考慮して、遠隔操作問い合わせ計画データ123aが生成されても良い。例えば、気温の上昇が激しい場合、ユーザは帰宅時間に併せて、エアコンの冷房をオンにする遠隔操作を送信することが考えられる。従って遠隔操作問い合わせ計画生成手段113は、気温が上昇した際、ユーザの帰宅時間近辺の時間帯において、家電制御装置2の問い合わせ頻度が高くなるように、遠隔操作問い合わせ計画データ123aを生成しても良い。
【0085】
(家電制御装置)
図1を参照して、家電制御装置2を詳述する。
【0086】
家電制御装置2のメモリには、家電制御プログラムが記憶されるとともに、メモリ220は、遠隔操作問い合わせ計画データ記憶部221および制御データ記憶部222を備える。家電制御プログラムがコントローラ210に読み出され実行されることによって、コントローラ210は、計画データ取得手段211、遠隔操作問い合わせ手段212、家電操作通知手段213および家電制御手段214を備える。家電制御装置2を実現するためのプログラムは、いわゆるファームウェアであっても良い。また、コントローラ210に実現される各種手段は、ソフトウェアでなく回路プログラムによって実現されても良い。
【0087】
遠隔操作問い合わせ計画データ記憶部221は、メモリ220のうち、遠隔操作問い合わせ計画データ221aが記憶される記憶領域である。遠隔操作問い合わせ計画データ221aは、家電制御サーバ1から送信されたデータであって、図5に示す遠隔操作問い合わせ計画データ123aと同様のデータ構成およびデータの一例を備える。家電制御装置2は、遠隔操作問い合わせ計画データ221aで規定された頻度で、家電制御サーバ1に、遠隔操作要求データを問い合わせる。
【0088】
制御データ記憶部222は、メモリ220のうち、家電3を制御するための制御データ222aが記憶される記憶領域である。制御データ222aは、家電制御サーバ1から取得した遠隔操作要求データ、遠隔操作要求データに基づいて操作した結果のデータ、家電制御サーバ1に送信する家電通知データも含む。
【0089】
計画データ取得手段211は、家電制御サーバ1から遠隔操作問い合わせ計画データ221を受信し、遠隔操作問い合わせ計画データ記憶部221に記憶する。既に古い遠隔操作問い合わせ計画データが記憶されている場合、計画データ取得手段211は、新たに取得したデータで上書きする。
【0090】
遠隔操作問い合わせ手段212は、遠隔操作問い合わせ計画データ221aの算出対象単位および頻度で、家電制御サーバ1に遠隔操作要求データを問い合わせる。遠隔操作問い合わせ手段212は、遠隔操作問い合わせ計画データ221aで定められた頻度で、家電制御サーバ1に、当該家電制御装置2が取得する遠隔操作要求データがあるか否かを問い合わせ、ある場合、その遠隔操作要求データを取得し、制御データ記憶部222に記憶する。図5に示す例において、2011年3月18日の午前7時16分ないし7時半において、「短縮」が対応づけられている。遠隔操作問い合わせ手段212は、この時間帯の場合、通常の問い合わせ頻度より高い頻度で、家電制御サーバ1に問い合わせる。例えば、通常10分ごとに問い合わせるべきところ、遠隔操作問い合わせ手段212は、5分ごとに問い合わせる。
【0091】
また遠隔操作問い合わせ手段212は、遠隔操作要求データを受信すると、そのデータに基づいて家電制御手段214に家電3を制御させ、その結果を取得する。遠隔操作問い合わせ手段212は、遠隔操作要求データに対応する結果を取得すると、その結果を家電制御サーバ1に送信する。
【0092】
家電操作通知手段213は、所定のタイミングで、家電の状態を家電制御サーバ1に送信する。家電操作通知手段213は、家電の状態を、家電制御手段214を介して取得する。例えば、家電操作通知手段213は、玄関ドアが施錠されたタイミングで、家電制御サーバ1に通知する。また家電操作通知手段213は、毎日定められた時刻に、1日の消費電力を取得して家電制御サーバ1に送信する。
【0093】
家電制御手段214は、制御データ222aに基づいて、家電を制御し、その結果を取得する。例えば、制御データ記憶部222に遠隔操作要求データが記憶されている場合、家電制御手段214は、遠隔操作要求データに基づいて、家電3を操作し、その結果を取得する。例えば、鍵の施錠を確認する遠隔操作要求データの場合、家電制御手段214は、家電3である鍵の施錠状態を取得し、制御データ記憶部222に記憶する。また、暖房を設定温度24度でオンする遠隔操作要求データの場合、家電制御手段214は、家電3であるエアコンの暖房を設定温度24度で稼働させ、正常に稼働した場合、その結果を制御データ記憶部222に記憶する。
【0094】
このように実施の形態に係る家電制御システム10によれば、家電制御装置2が家電制御サーバ1へ遠隔操作要求データの問い合わせを送信するタイミングを変更し、ユーザの利便性の向上を支援することができる。
【0095】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0096】
1 家電制御サーバ
2 家電制御装置
3 家電
4 ユーザ端末
5 通信ネットワーク
110 中央処理制御装置
111 遠隔操作要求処理手段
112 遠隔操作問い合わせ応答手段
113 遠隔操作問い合わせ計画生成手段
120 記憶装置
121 遠隔操作要求データ記憶部
122 家電通知データ記憶部
123 遠隔操作問い合わせ計画データ記憶部
124 対象機器データ記憶部
210 コントローラ
211 計画データ取得手段
212 遠隔操作問い合わせ手段
213 家電操作通知手段
214 家電制御手段
220 メモリ
221 遠隔操作問い合わせ計画データ記憶部
222 制御データ記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
家電制御サーバと、前記家電を制御し、所定の問い合わせ頻度で前記家電制御サーバに遠隔操作要求データを問い合わせて取得する家電制御装置と、を備える家電制御システムに用いられる家電制御サーバであって、
ユーザ端末から送信され、ユーザ宅内に設けられた家電を遠隔操作するためのデータであって、受信日時を含む遠隔操作要求データを蓄積する記憶装置と、
前記遠隔操作要求データを読み出し、算出対象単位ごとに受信した前記遠隔操作要求データの数を集計し、所定数より多い場合、当該算出対象単位における問い合わせ頻度を短く設定した遠隔操作問い合わせ計画データを生成する遠隔問い合わせ計画生成手段と、
前記遠隔操作問い合わせ計画データを送信する送信手段と、を備え、
前記家電制御装置は、前記遠隔操作問い合わせ計画データの算出対象単位および頻度で、前記家電制御サーバに前記遠隔操作要求データを問い合わせる
ことを特徴とする家電制御サーバ。
【請求項2】
前記遠隔操作要求データはさらに、遠隔操作対象の家電の家電種別と操作種別を含み、
前記記憶装置はさらに、集計対象の家電種別および操作種別を含む対象機器データを記憶し、
前記遠隔問い合わせ計画生成手段は、前記遠隔操作要求データから、前記対象機器データに含まれる前記集計対象の家電種別および操作種別のデータを抽出して、前記遠隔操作問い合わせ計画データを生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の家電制御サーバ。
【請求項3】
家電制御サーバと、前記家電を制御し、所定の問い合わせ頻度で前記家電制御サーバに遠隔操作要求データを問い合わせて取得する家電制御装置と、を備える家電制御システムに用いられる家電制御サーバであって、
家電制御装置から送信され、ユーザ宅内に設けられた家電の状態を通知するためのデータであって、受信日時を含む家電通知データを蓄積する記憶装置と、
前記家電通知データを読み出し、算出対象単位ごとに受信した前記家電通知データの数を集計し、所定数より多い場合、当該算出対象単位における問い合わせ頻度を短く設定した遠隔操作問い合わせ計画データを生成する遠隔問い合わせ計画生成手段と、
前記遠隔操作問い合わせ計画データを送信する送信手段と、を備え、
前記家電制御装置は、前記遠隔操作問い合わせ計画データの算出対象単位および頻度で、前記家電制御サーバに前記遠隔操作要求データを問い合わせる
ことを特徴とする家電制御サーバ。
【請求項4】
前記家電通知データはさらに、通知された家電の家電種別と通知種別を含み、
前記記憶装置はさらに、集計対象の家電種別および通知種別を含む対象機器データを記憶し、
前記遠隔問い合わせ計画生成手段は、前記家電通知データから、前記対象機器データに含まれる前記集計対象の家電種別および通知種別のデータを抽出して、前記遠隔操作問い合わせ計画データを生成する
ことを特徴とする請求項3に記載の家電制御サーバ。
【請求項5】
家電制御サーバと、前記家電を制御し、所定の問い合わせ頻度で前記家電制御サーバに遠隔操作要求データを問い合わせて取得する家電制御装置と、を備える家電制御システムに用いられる家電制御方法であって、
家電制御サーバが、ユーザ端末から送信され、ユーザ宅内に設けられた家電を遠隔操作するためのデータであって、受信日時を含む遠隔操作要求データを蓄積するステップと、
前記家電制御サーバが、前記遠隔操作要求データを読み出し、算出対象単位ごとに受信した前記遠隔操作要求データの数を集計し、所定数より多い場合、当該算出対象単位における問い合わせ頻度を短く設定した遠隔操作問い合わせ計画データを生成するステップと、
前記家電制御サーバが、前記遠隔操作問い合わせ計画データを送信するステップと、
前記家電制御装置が、前記遠隔操作問い合わせ計画データの算出対象単位および頻度で、前記家電制御サーバに前記遠隔操作要求データを問い合わせるステップ
を備えることを特徴とする家電制御方法。
【請求項6】
家電制御サーバと、前記家電を制御し、所定の問い合わせ頻度で前記家電制御サーバに遠隔操作要求データを問い合わせて取得する家電制御装置と、を備える家電制御システムに用いられる家電制御方法であって、
家電制御サーバが、家電制御装置から送信され、ユーザ宅内に設けられた家電の状態を通知するためのデータであって、受信日時を含む家電通知データを蓄積するステップと、
前記家電制御サーバが、前記家電通知データを読み出し、算出対象単位ごとに受信した前記家電通知データの数を集計し、所定数より多い場合、当該算出対象単位における問い合わせ頻度を短く設定した遠隔操作問い合わせ計画データを生成するステップと、
前記家電制御サーバが、前記遠隔操作問い合わせ計画データを送信するステップと、
前記家電制御装置が、前記遠隔操作問い合わせ計画データの算出対象単位および頻度で、前記家電制御サーバに前記遠隔操作要求データを問い合わせるステップ
を備えることを特徴とする家電制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−55443(P2013−55443A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191380(P2011−191380)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】