説明

容器およびアプリケータアセンブリ

【課題】分配される組成物の取扱いを容易にするアプリケータおよび容器のアセンブリの提供。
【解決手段】容器およびアプリケータのアセンブリは、柄および分配用先端を有するアプリケータと、該アプリケータの少なくとも一部を脱離可能に受容するチャンバを有する容器とを含む。該容器は、該先端の側面部に沿ってチャンバ内で延在する、複数の突起を有する内表面を有する。該突起は、該先端全体にわたる組成物の分布を容易にし、また、組成物が他の領域に過って移動することを防止する助けとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器と、作業部位に組成物を塗布するためのアプリケータとを含む、包装されたアセンブリに関する。本発明は、また、組成物を分配する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表面に組成物を塗布するためのアプリケータは、様々な医療、工業、および家庭用途に広範に使用されている。このようなアプリケータの典型例には、全体的にスティック状の形状を有するブラシおよび綿棒が挙げられる。比較的安価なアプリケータは、1回使用した後に、捨てることができるという点で、使用者には大変便利である。
【0003】
ある場合には、使い捨てアプリケータは、閉鎖され、密封される容器に個々に包装される。個々に包装されるアプリケータは、使用の準備をする際、アプリケータがパッケージから取り出される時まで、アプリケータの滅菌性を保証することができるため、医療および歯科治療で有利である。既知の包装されたアプリケータの例には、2枚のプラスチック又は紙製フィルム間に収納されている綿棒、およびプラスチックチューブ又はケーシング内に収納されている綿棒が挙げられる。
【0004】
当該技術分野で既知の、別の種類の使い捨てアプリケータは、フロリダ州オーランドのマイクロブラシ社(Microbrush Corporation of Orland,Florida)から「マイクロブラシ(Microbrush)」の商品名で入手可能である。このアプリケータは、外側先端に連結されている長い柄(handle)を有する。この先端は、組成物を塗布部位に広げることを容易にする多数の小さい繊維でフロック加工されている。柄は、直径が小さい可撓性の部分を含み、この部分は、降伏点を過ぎて所望の角度方向に曲がり、特定の場合に、例えば、アクセスが制限されている領域に組成物を塗布することが必要な時に、組成物をつけることを容易にすることができる。
【0005】
幾つかの処置では、アプリケータで塗布される組成物は、バルク容器で提供される。このような場合、使用者は、アプリケータの綿棒又はブラシ先端を少量の組成物で被覆するため、その先端を直接、容器に浸漬することを選択してもよい。次いで、組成物を先端から表面に移すため、先端を容器から取り出して所望の表面全体にわたって動かす。
【0006】
しかし、アプリケータ先端をバルク容器に直接浸漬する実施方法は、患者間の相互汚染の可能性があるため、多くの医療および歯科用途では満足の行くものではない。例えば、アプリケータが歯の構造体表面に接着剤を塗布する歯科処置で使用される場合、アプリケータが口腔内で最初に使用された後、バルク容器に戻されると、従事者は、感染性の病気を患者から患者に知らずに移す可能性がある。相互汚染の問題は、追加の組成物が必要な場合には、新しいアプリケータを使用することで回避できるが、このような実施方法は、追加の費用が掛かり、また、包装された新しいアプリケータを使用するのに、それを持ってきて、開封し、準備するための一定の時間が必要である。
【0007】
前述の相互汚染の問題は、分配ウェル(well)又はパッドを使用することにより回避できる。例えば、歯科処置では、少量の組成物をバルク容器からウェル又はパッドに分配し、次いでアプリケータの先端を使用して、組成物をウェル又はパッドから患者の歯の構造体に移す。このような実施方法により、アプリケータをバルク容器に戻す必要がないため、患者間の相互汚染の問題が回避できる。処置が完了すると、ウェル又はパッドは捨てられるか、又は洗浄して再使用される。
【0008】
近年、一定量の組成物を予め供給された先端を有する、包装された使い捨てアプリケータへの関心が高まっている。これらの予め包装されたアプリケータは、そうでない場合に、バルク容器、および分配ウェル又はパッドの取扱いに関わる時間が回避できるという点で大変有利である。更に、このような包装されたアプリケータは、汚れる、又は危険だと考えられる組成物と共に使用される場合、特に有利である。
【0009】
包装された綿棒アセンブリの一例が、米国特許第4,952,204号明細書に記載されており、これは、一定量の組成物を予め供給された綿の芽状部分(cotton bud)を有する、綿棒を含む。綿棒は、プラスチックスリーブ内に収納されている。このプラスチックスリーブは、一端に直径が比較的小さい円筒状の柄部分を有し、他端に直径が十分に大きい貯蔵器部分を有し、直径が小さい部分と直径がより大きい部分との間に複合形状の移行部分を有する。この特許は、直径がより大きい貯蔵器部分と移行部分の交差部でスリーブが圧搾される場合、貯蔵器部分を取り出す際に、スリーブの材料は、折れたり、亀裂が入ったり、又は裂け、綿棒が使用されるように露出されることを示す。
【0010】
「包装されたアプリケータアセンブリ(Packaged Applicator Assembly)」と題される出願人らの係属中の出願である、2000年2月23日に提出された米国特許第09/512,509号明細書は、アプリケータおよびキャップを含むアセンブリを記載しており、アプリケータは可撓性部分を含む。キャップがアプリケータから脱離される時、可撓性部分は、特にアクセスが制限されている領域で、アプリケータの使用を容易にするように弓形に曲げられる。その出願に記載される発明のある実施形態では、キャップは全体的にほぼ円筒状の形状を有し、組成物がアプリケータの先端で分配され、塗布されるようにリザーバを提供する。任意選択的に、リザーバは、キャップに組成物を保持することを容易にする、合成スポンジなどの圧縮性の多孔質材料を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第4,952,204号明細書
【特許文献2】米国特許第09/512,509号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前述の特許出願に記載される発明は、当該技術分野における大変な進歩であるが、アプリケータおよび容器の製造および使用が向上するように、この課題分野では引き続き改善を行う必要がある。このような改善は、アセンブリの総費用を顕著に増大させることなく、アプリケータの取扱い、および組成物の分配を容易にすることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、分配される組成物の取扱いを容易にするアプリケータおよび容器アセンブリに関する。容器は、複数の突起を有する粗面を含み、これは、アプリケータの先端全体にわたる組成物の均一な分布を改善する傾向がある。その結果、その後の先端から塗布部位への組成物の転移が向上する。
【0014】
更に詳細には、本発明は、一実施形態では、柄および分配用先端を含むアプリケータを備えるアプリケータアセンブリに関する。先端は、側面部および外側端部を有する。アセンブリは、また、アプリケータの少なくとも一部を脱離可能に受容する容器を含む。容器は、先端の側面部に沿って延在する内表面を有し、内表面は複数の突起を有する。
【0015】
本発明の別の実施形態は、組成物の分配方法に関する。この方法は、容器およびアプリケータを含むアセンブリを用意する工程を備え、この容器は、複数の突起を有する壁部分を有する。該方法は、また、組成物を突起に塗布する工程、および組成物を突起に接触させながらアプリケータの先端を突起全体にわたって動かす工程を備える。該方法は、先端を容器から引き抜く工程を更に含む。
【発明の効果】
【0016】
突起を有する表面は、組成物を保持する傾向がある。その結果、組成物は、容器が逆さになった時、容器からあまり流出しない可能性がある。更に、突起は、所望する時に、追加量の組成物で先端を再び濡らすことを容易にする。
【0017】
本発明の更なる詳細は、特許請求の範囲の特徴に定義されている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に従って構成される、アプリケータアセンブリの斜視図である。
【図2】図1に表されるアプリケータアセンブリの側面断面図である。
【図3】アセンブリの容器が、アセンブリのアプリケータから脱離された後の、図1および図2に表されるアプリケータアセンブリの側面断面図である。
【図4】容器の後部端部の方を望む、図1〜3に示される容器単独の拡大端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態に従って構成される容器およびアプリケータアセンブリは、図1〜4において、遍く、参照符号10で示されている。簡潔には、アセンブリ10は、アプリケータ12および容器14を含む。容器14は、アプリケータ12の前方端部を最初に受容する内部空洞、又はチャンバ16を含む。
【0020】
アプリケータ12は、外側の柄18、および柄18と一体に連結されている長いシャフト20(図2および図3)を有する。シャフト20は、また、柄18から遠い位置にある先端22を含む。任意選択的に、図2および図3に表されるように、先端22は、ほぼ球状の形状を有するが、他の形状も可能である。
【0021】
必要ではないが、好ましくは、先端22は、組成物が塗布される表面全体にわたり組成物を広げることを容易にする粗面を有する。粗面は、組成物と適合性があり、受ける表面に組成物を分布させる機能をする、任意の好適な構造体で作製される材料を備えてもよい。好適な材料は、ブラシの役割をし、且つ、先端22の全体又は一部だけに適用される小さい剛毛、又は繊維を含む。
【0022】
任意選択的に、繊維は、フロック加工プロセスにより、先端22に適用することができる。フロック加工は、当該技術分野で既知の任意の技術により実施することができる。好ましくは、フロック加工繊維は、組成物で有利に満たすことができる小さい隙間空間を画定し、少量の組成物を保持および保留し、目的の表面に効率的に塗布する。好ましくは、表面が不規則であるか、粗いか、又は平滑であるかに関わらず、繊維は、表面に組成物を比較的均一に塗布することも可能にし、組成物をブラシと同じ方法で塗布する。歯科処置で使用される場合、外向きに延在する繊維により、歯の窩洞の側面および垂下する表面、並びに歯の窩洞の底部に、組成物を容易に塗布することができる。
【0023】
あるいはまた、表面全体にわたり組成物を広げることを容易にするため、他の種類の材料が先端22に適用されてもよい。このような他の材料の例には、ポリウレタンフォーム、又は合成スポンジなどの開放セルフォーム材料などが挙げられる。好適な材料の追加の例には、ガーゼ製などの織布、又は不織布などが挙げられる。また、先端22の一部として一体形成される微小構造表面などの、微小構造表面を用いることもできる。
【0024】
アプリケータ12のシャフト20は、また、先端22と柄18との間に位置する可撓性部分24を含む。可撓性部分24は、指圧により、その降伏点を過ぎて多数の角度方向のいずれか1方向に変形可能である。可撓性部分24は曲げられると、最初の真直ぐな方向まで戻ることなく、曲げの方向に実質的に自己維持する。特に、可撓性部分24が弾性材料で作製されている場合は、幾分、その最初の真直ぐな位置まで戻ることが可能であるが、可撓性部分24は、曲げる圧力が解放された後、曲がっている角度方向と概ね同じ方向を向いたままであることが好ましい。
【0025】
可撓性部分24の作製方法の1つは、シャフト20の曲げを容易にするのに役立つ、1つ以上の溝の提供を含む。図面に示されている例では、可撓性部分24は、シャフト20の周りに線を描く1つの溝を含む。溝は、シャフト20の、およびアセンブリ10の縦軸に垂直な方向を向いている基準面にある。しかし、曲げを容易にする、一連の溝、他の形状の断面積が小さい部分、又は関節式の接合部の使用を含む、他の構成も可能である。
【0026】
図面に示される実施形態では、シャフト20は、可撓性部分24と先端22との間に位置するテーパの付いた部分26を有する。テーパの付いた部分26は、ほぼ円錐台の形状を有し、特定の用途に使用される場合、先端22に隣接する領域に有利に隙間を提供する。例えば、先端22が、垂下する歯の表面に歯科組成物を塗布するのに使用される場合、テーパの付いた部分26は、その垂下する表面の裏の領域で組成物を塗布することを容易にする。
【0027】
容器14のチャンバ16は、容器14がアプリケータ12に連結されている時、先端22、可撓性部分24、およびテーパの付いた部分26を取囲む。容器14は、当該技術分野で既知の、任意の好適な脱離可能な連結部により、アプリケータ12に連結される。好適な脱離可能な連結部の一例は、弱線(line of weakness)28(図1および図2)であり、これは、可撓性部分24に隣接する部位で、アセンブリ10の周りに線を描く。
【0028】
好ましくは、弱線28は、容器14が最初、アプリケータ12に結合している、断面の厚さが小さい折れやすい領域である。例えば、弱線28は、アセンブリ10の縦軸に垂直な基準面でアセンブリ10の周りに線を描く溝であってもよい。しかし、最初、容器14をアプリケータ12にしっかり連結した状態に保持する接着剤、ネジ式結合、摩擦嵌合、又は感圧テープを含む、他の脱離可能な連結も可能である。
【0029】
チャンバ16は、テーパの付いた部分26に沿って弱線28から前方に延在する第1のほぼ円筒状の区画と、テーパの付いた部分26の前方部分に沿って、並びに先端22に沿って第1の区画から容器の前方端部に延在する、第2の区画とを含む。
【0030】
複数の突起を有する内部の粗面30は、チャンバ16の第2の区画に面する。必要ではないが、好ましくは、粗い内表面30は、第2のチャンバ区画の長さ全体に沿って延在する壁部分の一部である。第2のチャンバ区画の前面端部を画定する、容器14の前面内壁は、任意選択的に平滑である。
【0031】
内表面30の突起は、チャンバ16内の組成物の保持を容易にし、所望する時に先端22を組成物で濡らすことを向上させるのに役立つ任意の好適な幾何学的形態であってよい。内表面30の好適な幾何学的形態の一例は、図4の拡大端面図に示されている。図4では、突起は、対照的な放射状の配列に配置され、アセンブリ10の縦軸に平行な基準面で延在する、一連のリブ32を備える。溝は、隣接するリブ32の各対の間に位置する。溝は、並列した毛管として機能し、組成物の閉じ込めと送達を制御する。
【0032】
他の多数の好適な突起の幾何学的形態も可能である。例えば、突起は、アセンブリ10の縦軸に垂直な基準面で延在する、一連の環状のリブを含んでもよい。あるいはまた、突起は、一連の釘、円錐、ピラミッド、先端を切ったピラミッド、丸い隆起、又は他の種類の間隔を空けて配置された突起を備えてもよい。突起は、アンダーカットされた部位を任意選択的に含んでもよく、例えば、マッシュルーム形の突起、又は釘の頭の形の釘によって提供されてもよい。表面30は、前記の任意の組合せを含んでもよい。しかし、前述のリブ32の方が、実質的に製造は難しくない。
【0033】
任意選択的に、粗面30は、米国特許第5,514,120号明細書およびWO99/65704に記載の型と類似の微小構造表面である。
【0034】
使用に際して、アセンブリ10は使用者に掴まれ、好ましくは一方の手で容器14を、もう一方の手で容器14に隣接する、シャフト20を取囲むカラー34を掴まれる。4つの放射状に延在するウイング36は、容器14の把持を容易にする。次に、アプリケータ12および容器14は、可撓性部分24後方のアプリケータ12の縦軸が、容器14の縦軸と同一直線上の位置から容器14の縦軸に対してゼロでない角度の方向に動くように、互いに対して弓形に動かされる。この曲げる動きの間に、弱線28は、周りに線を描いている長さの全部、又は少なくとも一部に沿って破壊する。アプリケータ12に対して容器14を曲げるこのような動きは、可撓性部分24の曲げも引き起こす。
【0035】
次いで、容器14をアプリケータ12の長さに沿った方向に動かして、柄18から離し、先端22の覆いを取る。容器14が取外される時、曲げる動きの間に降伏点を過ぎて動いた可撓性部分24は、容器14がアプリケータ12から分離された後、図3に表すように、変形して曲がった方向を向いたままである。生じた角度方向に使用者が満足しない場合は、容器14は、更に曲げるために一時的にアプリケータ12に再び入れることができる。その結果、先端22および先端22の組成物は、更に曲げるどのような動きの間にも、使用者の指、又は他の任意の構造体に接触する必要がない。
【0036】
図1および図2は、最初に見えるアセンブリ10を表し、図3は、容器14がアプリケータ12から脱離され、シャフト20が可撓性部分24の部位で曲げられた後のアセンブリ10を表す。理解され得るように、アプリケータ12の曲げは、容器14の脱離および取外しと同時に実施できる。このような構成は、容器14の取外し後にアプリケータ12を曲げる別々の段階が通常は必要とされないという点で、使用者にとって時間の節約になる。
【0037】
更に、容器14の脱離と同時のアプリケータ12の曲げは、先端22、テーパの付いた部分26、可撓性部分24、又は先端22の組成物の汚染を心配することなく、アプリケータ12が任意の所望の角度方向に曲げられることを可能にする。このような構成により、可撓性部分24を曲げるために、覆いを取った先端22を一方の手で掴む必要がなく、又は可撓性部分24を曲げるために、ある他の表面に先端22を押付ける必要がない。先端22および組成物は、所望の角度方向が得られるまで、容器14で安全に覆われたままである。
【0038】
図4に示されるリブ32および隣接する溝は、アセンブリ10が開けらる前に、組成物を先端22に隣接する位置に保持するのに役立つ。その結果、先端22は、保管中、および使用前に、アセンブリ10の方向に関わらず、組成物で飽和された状態を維持する可能性がある。先端22がチャンバ16から引き抜かれる時、アプリケータ12は、直ちに使用する準備が整っており、組成物が先端22の全側面部に沿って均一に分布する確率が増大する。
【0039】
更に、突起は、所望する時に、先端22を再び濡らすことを容易にする。例えば、最初に先端22に保持されている組成物が作業部位に移され、使用者が追加量の組成物が必要であると決定する場合、先端22を容器14に再び入れ、リブ32と接触する位置に動かすことができる。先端22がリブ32に沿って動く時、先端22を再び効率的に濡らすように、組成物はリブ32から先端22に移される。
【0040】
突起の別の利点は、組成物が先端22に移される時まで、組成物は粗面30と接触した状態を維持する傾向があることである。組成物がアプリケータ12の他の領域に、例えば、可撓性部分24に沿った領域、テーパの付いた部分26、又はチャンバ16の第1の区画に流れることが妨げられる。アプリケータ12から分離した後、容器14が逆さになった場合、突起は、容器14に組成物を保持することも助ける。このような構成は、組成物が使用者の指と接触したり、又はその他洗浄を必要とするよごれた状態を作り出す可能性を減少させる。更にこのような構成は、必要に応じて、先端22を再び濡らすために追加の組成物が確実に利用可能であることを助ける。
【0041】
アセンブリ10を作製する現在のところ好ましい方法は、容器14とカラー34を1つの一体の構成要素として射出成型すると同時に、弱線28を形成する、最初の工程を含む。容器14、カラー34、およびアプリケータ12に好適な材料は、充填されたポリプロピレンである。任意選択的に、容器14の内側部分に提供されるリブ32は、前述の参照文献に記載のものなどの微小構造製造技術により作製される。
【0042】
次に、一定量の組成物を容器14に、内表面30と接触する領域に入れる。この目的のため、細く中空の分配プローブをチャンバ16内に、プローブの出口がリブ32に隣接するような方向で入れてもよい。組成物は、容器14の他の内部表面を回避するように、プローブを通して表面30に導かれる。
【0043】
その後、アプリケータ12は、容器14およびカラー34のアセンブリ内に配置される。好適なアプリケータ12は、前述の銘柄「マイクロブラシ(Microbrush)」のアプリケータである。先端22を内表面30に隣接する位置に移動させるのに十分な距離で、アプリケータ12をチャンバ16に移動させる。
【0044】
次に、アプリケータ12をカラー34に結合させる。好ましくは、この結合は流体シールを含む。好適な結合技術の例には、加圧嵌合、接着結合、超音波結合、又はこれらの任意の組合せなどが挙げられる。任意選択的に、米国特許第4,997,500号明細書に記載の方法などの、プラスチック部品を一緒に溶接するための摩擦熱を発生させるような方法で、加圧嵌合アセンブリ技術を実施することができる。アプリケータは、スピン溶接技術によりカラーに結合されてもよい。
【0045】
スピン溶接技術の一例は、アプリケータ12を静止状態に保持しながら、容器をその縦軸の回りに迅速に回転させることにより実施される。容器14をカラー34と共に回転させる時、カラー34の内表面と、シャフト20の外部の隣接する表面との間で摩擦が作り出され、シャフト20およびカラー34の合成樹脂材料が軟化する。十分な量の摩擦が作り出されると、容器14およびカラー34の回転運動を停止させ、プラスチックを冷却させる。プラスチックが冷却されると、しっかりしたスピン溶融接合部が、カラー34とシャフト20の下にある部分との間で確立される。
【0046】
様々な代替の構成も可能である。例えば、前述のカラーは、アプリケータのシャフトがその長さ全体に沿って取囲まれるように、更に長くすることができる。また、容器およびアプリケータは、共に、図面に示されるもの以外の形状を有してもよい。例えば、容器は、比較的硬い射出成型される下部構成要素と、アプリケータを露出するために下部構成要素から剥離される可撓性フィルムで作製される上部カバーとを有する、平坦で全体が長方形の形状を有することができる。
【0047】
更に、アプリケータ内の組成物は、使用直前まで混合されない、2種類以上の成分で作製されてもよい。一例として、折れやすい連結部により、一方の成分は、最初、もう一方の成分から分離されていてもよい。任意選択的に、アプリケータは、折れやすい連結部を破壊するのに使用されてもよい。2成分の混合は、粗面全体にわたり起こることが好ましい。任意選択的に、成分のうち1つは粉体である。
【0048】
他の多数の変形も可能である。同様に、本発明は、前述の特定の構成および方法に限定されると考えられるべきではなく、前述の公正な特許請求の範囲、並びにその同等物によってのみ限定されると考えられるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柄並びに側面部および外側端部を備えた分配用先端を有するアプリケータと、
前記アプリケータの少なくとも一部を脱離可能に受容する容器と、
を備えるアプリケータアセンブリであって、前記容器が、前記先端の側面部に沿って延在する内表面を有し、前記内表面が複数の突起を有する、アプリケータアセンブリ。
【請求項2】
前記突起が、前記容器の縦軸に略平行な方向に延在する一連のリブを含む、請求項1に記載のアプリケータアセンブリ。
【請求項3】
前記突起が、リブ、釘、円錐、ピラミッド、先端を切ったピラミッド、および隆起の少なくとも1つを含む、請求項2に記載のアプリケータアセンブリ。
【請求項4】
前記突起が、少なくとも1つのアンダーカットされた領域を含む、請求項3に記載のアプリケータアセンブリ。
【請求項5】
前記内表面が前記先端を取囲む、請求項1に記載のアプリケータアセンブリ。
【請求項6】
前記先端が粗面を有する、請求項1に記載のアプリケータアセンブリ。
【請求項7】
前記先端の粗面が、繊維、剛毛、多孔質材料、微小構造表面、布帛およびガーゼの少なくとも1つを含む、請求項6に記載のアプリケータアセンブリ。
【請求項8】
前記内表面で受入れられる組成物を含む、請求項1に記載のアプリケータアセンブリ。
【請求項9】
前記組成物が歯科組成物である、請求項8に記載のアプリケータアセンブリ。
【請求項10】
前記歯科組成物が、歯科プライマ、歯科接着剤、歯科エンチャント又は歯科シーラントである、請求項9に記載のアプリケータアセンブリ。
【請求項11】
前記アプリケータが前記容器内に受容されるときに前記柄が該容器から突出する、請求項1に記載のアプリケータアセンブリ。
【請求項12】
前記アプリケータが前記容器内に受容されるときに、前記アセンブリが前記アプリケータと前記容器との間に流体抵抗シールを含む、請求項1に記載のアプリケータアセンブリ。
【請求項13】
前記アプリケータが弱線により前記容器に脱離可能に連結されている、請求項1に記載のアプリケータアセンブリ。
【請求項14】
前記弱線が、厚さの小さい折れやすい領域である、請求項13に記載のアプリケータアセンブリ。
【請求項15】
前記アプリケータが、前記先端と前記柄との間に位置する可撓性部分を含む、請求項1に記載のアプリケータアセンブリ。
【請求項16】
前記アプリケータおよび前記容器が細長い、請求項1に記載のアプリケータアセンブリ。
【請求項17】
前記容器が中空かつ略円筒状の形状を有する、請求項16に記載のアプリケータアセンブリ。
【請求項18】
前記容器が、第1の区画と、横方向の断面積が前記第1の区画の横方向の断面積より小さい第2の区画とを有するチャンバを有し、前記内表面が前記第2の区画に沿って延在する、請求項17に記載のアプリケータアセンブリ。
【請求項19】
前記内表面が、前記第2の区画の縦軸に略平行な方向に延在する一連の溝を含む、請求項18に記載のアプリケータアセンブリ。
【請求項20】
容器およびアプリケータを含み、前記容器が複数の突起を備えた壁部分を有する、アセンブリを用意する工程と、
組成物を前記突起に塗布する工程と、
前記突起に前記組成物を接触させながら、前記アプリケータの先端を前記突起全体にわたって動かす工程と、
前記先端を前記容器から引き抜く工程と、
を備える、組成物の分配方法。
【請求項21】
前記アプリケータと前記容器との間の折れやすい連結部を破壊する工程を含む、請求項20に記載の組成物の分配方法。
【請求項22】
容器およびアプリケータを含むアセンブリを用意する工程が、前記容器を射出成型する工程を含む、請求項20に記載の組成物の分配方法。
【請求項23】
前記組成物と更に接触させるため、前記先端を容器の内側の位置に戻す工程を含む、請求項20に記載の組成物の分配方法。
【請求項24】
容器およびアプリケータを含むアセンブリを用意する工程が、前記容器と前記アプリケータとの間にシールを構成する工程を含む、請求項20に記載の組成物の分配方法。
【請求項25】
容器およびアプリケータを含むアセンブリを用意する工程が、前記容器と前記アプリケータとの間に折れやすい連結部を設ける工程を含む、請求項20に記載の組成物の分配方法。
【請求項26】
前記容器から前記先端を引き抜く工程の前に、前記容器と前記アプリケータとの間の折れやすい連結部を破壊する工程を含む、請求項25に記載の組成物の分配方法。
【請求項27】
前記アプリケータから容器を脱離させる工程と、前記容器が前記アプリケータから脱離されるときに前記アプリケータのシャフトを曲げる工程とを含む、請求項20に記載の組成物の分配方法。
【請求項28】
前記アプリケータから前記容器を脱離させる工程が、前記容器と前記アプリケータとの間の折れやすい連結部を破壊する工程を含む、請求項27に記載の組成物の分配方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−240801(P2009−240801A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−155256(P2009−155256)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【分割の表示】特願2002−583018(P2002−583018)の分割
【原出願日】平成14年1月30日(2002.1.30)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】