説明

容器の取扱い方法及びシステム

高温充填し、蓋締めし、容器内に生じた真空によって一時的な変形及び歪みが生じた複数の容器を取扱うための方法及びシステム。各容器において、一時的な変形及び歪みを容器の特定の部分に誘導し又は限定する。環状フープリングは、一時的な変形を環状フープリングの間の容器の平滑な側壁部に誘導するように備えられる。もしくは、1以上の補足的な真空パネルは、そこへ一時的な変形を限定し、又は、誘導するように備えられる。環状フープリング及び1以上の補足的な真空パネルは容器に実質的に安定した当接点を提供することが出来る。各容器の実質的に安定した接触点が他の容器の対応する実質的に安定した接触点に接触するようにして、一時的な変形を伴う容器を運搬する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して充填容器を取扱い又は運搬する方法及びシステムに関する。特に、本発明は、充填し、密封したプラスチックボトルであって、内部を真空にしたことによって変形した側部を有するものを、可動要素の作動前に、取扱い又は運搬する方法及びシステムに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明の態様は、高温充填し蓋締めした容器の冷却後であって容器の基部を作動する前の運搬において直面する問題に関するものである。当該問題は、高温の製品を冷却した結果、充填され密封された容器内で誘発された真空による容器(例えば、容器の側壁)の一時的な変形の除去に関する。例えば、真空は容器を楕円形又は他の一時的な形状にコラプス(つぶれ変形)させる原因となり得る。そのような一時的な変形は、隣接し、接触する容器の間に不安定な支持点を与えるため、容器の運搬又は輸送に於ける信頼性の問題をもたらし得る。その結果、運搬と取扱いの速さ、能率、信頼性が悪化する。
【0003】
本発明の発明者は、誘発された真空による一時的な変形に抵抗する比較的厚い側壁を設ける必要なしに、上記問題を解決する方法を特定した。特に、本発明の実施形態は、運搬又は取扱いの間、他の容器と接触する容器の部分の変形を防ぎつつ、一時的な変形を、所定の平滑な側壁部に限定する環状部を備えることにより、容器に安定した当接点を提供している。本発明の別の実施形態は、作動によって真空を恒久的に除去し又は減少させるまでの間、一時的な変形を一時的に真空を相殺する1以上の一時的な真空パネルに誘導することにより、作動前の運搬の間、容器に安定した当接点を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一つの態様において、本発明の典型的な実施形態は複数の高温充填プラスチックボトルの取扱い方法に関する。プラスチックボトルは、それぞれ、首部と、胴部と、基部とを有している。胴部は第1の凹んだフープリングと、第2の凹んだフープリングと、第1と第2の凹んだフープリングの間に配置した真空パネルの無い環状の平滑な側壁部とを有することができる。基部は、プラスチックボトルの支持面を形成することができ、作動するように形成された可動要素を備えた底端部を有することが出来る。当該方法は、プラスチックボトルの高温充填、高温充填したプラスチックボトルの蓋締め、高温充填し、蓋締めした各プラスチックボトル内の冷却による真空の創出と、一時的に変形しているプラスチックボトルの運搬と、運搬の後、運搬された各プラスチックボトルの可動要素を作動することを含むことができる。プラスチックボトル内を真空にすることは、対応するプラスチックボトルに一時的な変形をもたらす。各プラスチックボトルに一時的な変形を生じさせるのは実質的に環状の平滑な側壁部に限定し、実質的に第1の凹んだフープリング及び第2の凹んだフープリングの変形は伴わない。運搬は、各プラスチックボトルが複数の他のプラスチックボトルと接触するようにすることができ、その中で各プラスチックボトルの第1及び第2の凹んだフープリングは、プラスチックボトルが環状の平滑な側壁部における一時的な変形を伴って運ばれる間、プラスチックボトルの運搬のために安定した当接点を提供することができる。前記作動は、可動要素を第1ポジションからこの第1ポジションよりももっと容器内部の第2ポジションへ移動させることを含むことができる。前記作動は、少なくともプラスチックボトルにおける真空の一部を除去することができる。
【0005】
別の態様において、本発明の典型的な実施形態は、複数の充填容器の取扱いシステムに関する。容器はそれぞれ内容積を決める胴部と基部とを備えている。胴部は第1環状部と、第2環状部と、側壁部とを有することができる。基部は容器の支持面を形成することができ、外方へ傾向した第1ポジションから内方へ傾向した第2ポジションへ移動できるように形成された可動要素を備えた底端部を有してもよい。システムは、高温の製品で容器を満たす充填手段と、充填された容器をキャップによって蓋締めして密封する蓋締め手段と、充填し蓋締めした容器を冷却するための冷却手段と、冷却した容器を取扱うための取扱い手段と、可動要素を反転させるための反転手段とを有していてもよい。容器の冷却は、容器内に真空を創出し、その真空は一時的な容器の歪みの原因となる。一時的な歪みは、実質的に側壁部に生じ、第1環状部と第2環状部は実質的に変形に抵抗する。前記取扱いは、容器の1以上の実質的に安定した当接点が、少なくともひとつの他の容器の対応する1以上の実質的に安定した当接点に接触するように行う。1以上の実質的に安定した当接点は、それに関連した第1環状部又は第2環状部によって実現する。可動要素は外方へ傾向した第1ポジションから内方へ傾向した第2ポジションへ反転し、真空の一部を除去する。
【0006】
さらに別の態様において、本発明の典型的な実施形態は複数の充填したプラスチック容器を運搬する方法に関連する。各プラスチック容器は胴部と基部を有し、該基部は、実質的に平坦な面において容器を支持する支持面を形成しており、底端部に配置された可動要素を有している。可動要素は、容器内の真空を除去するために実質的に恒久的に移動することができる。前記方法は、高温充填し蓋締めした複数のプラスチック容器の冷却と、その容器の運搬と、運搬後に各プラスチック容器の真空パネルを作動させることを有している。冷却は高温充填し蓋締めした各容器内に真空を創出する。各真空は対応するプラスチック容器に一時的な変形をもたらし、一時的な変形は容器の予め決めておいた特定の部位に誘導される。前記運搬は、冷却した容器内の真空を一時的に相殺し、安定した当接点を維持することを含むことができる。前記作動は、可動要素を第1ポジションから第2ポジションへ移動させて真空の一部を除去することを実質的に恒久的に含むことができる。
【0007】
さらに別の態様において、本発明の典型的な実施形態は複数の高温充填プラスチックボトルの取扱い方法に関し、その中で各プラスチックボトルは首部と、胴部と、基部とを有しており、胴部は第1の凹んだフープリングと、第2の凹んだフープリングと、第1及び第2の凹んだフープリングの間に配置した真空パネルの無い環状の平滑な側壁部とを有している。基部はプラスチックボトルの支持面を形成し、作動されるように形成された可動要素を備えた底端部を有する。前記方法は、プラスチックボトルの高温充填と、高温充填したプラスチックボトルの蓋締めと、高温充填し密封した各プラスチックボトル内に冷却によって真空を創出することを含んでおり、ここで各真空は環状の平滑な側壁部における対応するペットボトルの一時的な変形をもたらし、各プラスチックボトルの一時的な変形は半コラプス状態をもたらす。前記方法は、一時的に変形した半コラプス状態のプラスチックボトルを各プラスチックボトルが他の複数のプラスチックボトルと接触するようにして運搬することを含んでおり、この中で各プラスチックボトルの第1及び第2の凹んだフープリングは、プラスチックボトルの運搬のため、プラスチックボトルを一時的な半コラプス状態で運ぶ間、実質的に安定した当接点を提供する。運搬の後、運搬された各プラスチックボトルの可動要素の作動が実施され、この中で作動は可動要素の第1ポジションから第2ポジションへの移動を含んでおり、第2ポジションは第1ポジションよりプラスチックボトルの内部にあり、作動は少なくとも真空の一部を除去する。任意的に、高温充填と、蓋締めと、真空の創出と、運搬と、作動との間、可動要素は常に上記支持面より上方にある。任意的に、可動要素の作動は機械的な装置によってなされる。任意的に、可動要素の作動は可動要素に物理的に接触することなく実現される。任意的に、真空の部分は、全ての真空である。任意的に、真空の部分は全ての真空よりも小さく、前記方法はさらに1以上の補足的な真空パネルを用いた残りの真空部分の除去を含む。任意的に、残りの真空部分は、その全部である。一つの選択肢において、可動要素の作動は全ての真空を除去しプラスチックボトル内に正の圧力をもたらす。任意的に、作動は、1以上の可動要素、及び/又は、1以上の補足的な真空パネルの移動によるプラスチックボトルの非物理的な加圧を含む。
【0008】
さらに別の態様において、本発明の典型的な実施形態は複数の充填容器の取扱いシステムを含み、容器のそれぞれは内容積を決める胴部と基部とを含んでおり、胴部は第1環状部と、第2環状部と、側壁部とを有し、基部は容器の支持面を形成しており、第1の外方へ傾向したポジションから第2の内方へ傾向したポジションへ移動できるように形成した可動要素を備えた底端部を有している。前記システムは、容器に製品を充填する充填手段を有しており、前記製品は高温であり、充填容器をキャップによって蓋締めと密封をする蓋締め手段と、充填し、蓋締めした容器を冷却する冷却手段とを有しており、前記冷却は容器内に真空を創出し、真空は一時的に容器を部分的にコラプスさせ、容器の1以上の実質的に安定した当接点が、少なくとも1つの他の容器の対応する1以上の実質的に安定した当接点と接触するように、冷却し部分的にコラプスした容器を取扱う取扱い手段を有しており、1以上の実質的に安定した当接点は、第1環状部と第2環状部のうち関連する1つによって実現しており、可動要素を第1の外方へ傾向したポジションから第2の内方へ傾向したポジションへと反転させる反転手段と有しており、反転手段は真空の一部を除去する。任意的に、真空の一部は全ての真空であって、そのような真空の全ての除去は容器を実質的にコラプスしていない状態にすることができる。任意的に、充填と、蓋締めと、冷却と、取扱いと、反転との間、可動要素は常に上記支持面より上方にある。任意的に、反転手段は、機械的な装置である。任意的に、反転手段は、全ての真空を除去し、容器内に正の圧力を生じさせる。任意的に、反転手段は可動要素に物理的に接触することなく可動要素を反転させる。任意的に、反転手段は、真空、並びに、容器及び可動要素の構成であってもよい。
【0009】
別の態様において、複数の充填したプラスチック容器の運搬方法は、プラスチック容器のそれぞれが胴部と基部とを有し、基部は実質的に平坦な面上において容器を支持する支持面を形成し、また基部はその底端部に配置された可動要素を有し、可動要素は容器内の真空を除去するため実質的に恒久的に移動可能である。前記方法は、高温充填し蓋締めした複数のプラスチック容器の冷却を含んでおり、該冷却は高温充填し蓋締めしたプラスチック容器のそれぞれの中に真空を創出し、各真空はそれぞれ対応するプラスチック容器の一部のコラプスをもたらし、それぞれのコラプス部を一時的に相殺しながらの前記プラスチック容器の運搬と、運搬後のプラスチック容器のそれぞれの可動要素の作動とを含み、作動は、可動要素が第1ポジションから第2ポジションへ実質的に恒久的に移動して真空の一部を除去することを含んでいる。任意的には、各プラスチック容器の胴部は第1環状部と、第2環状部と、2つの環状部の間の平滑な側壁とを含んでおり、ここで、プラスチック容器のコラプスする部分は、平滑な側壁であり、第1環状部と第2環状部には実質的にコラプスは生じず、ここで運搬をプラスチック容器のそれぞれが他の複数のプラスチック容器に接触するように行い、各プラスチック容器の第1及び第2環状部はプラスチック容器の運搬のために実質的に安定した当接点を提供する。任意的には、1以上の補足的な真空パネルは、運搬の間、一時的に真空を相殺する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に従った方法の典型的な態様を説明する流れ図を示している。
【図2】(a)本発明の種々の実施形態に従ったシステム及び方法によって運搬し、又は取扱う典型的な容器の上方からの正面図である。(b)(a)に示した容器の側面図である。(c)(a)に示した容器の底面図である。
【図3】(a)本発明の種々の実施形態に従ったシステム及び方法によって運搬し、又は取扱う別の典型的な容器の上方からの正面図である。(b)(a)に示した容器の側面図である。(c)(a)に示した容器の底面図である。
【図4】本発明の種々の実施形態に従ったシステムと方法により運搬し又は取扱う、さらに別の典型的な容器とキャップの側面図である。
【図5】(a)本発明の種々の実施形態に従った図2(a)と実質的に同じような容器であって、充填し蓋締めした複数の容器の運搬又は取扱いの説明図である。(b)本発明の種々の実施形態に従った図2(a)に示す容器と実質的に同じような容器であって、充填し、蓋締めし、冷却した複数の容器の運搬又は取扱いの説明図である。
【図6】(a)本発明の種々の実施形態に従った図3(a)に示す容器と実質的に同じような容器であって、充填し蓋締めした複数の容器の運搬と取扱いの説明図である。(b)本発明の種々の実施形態に従った図3(a)に示す容器と実質的に同じような容器であって、充填し、蓋締めし、冷却した複数の容器の運搬又は取扱いの説明図である。
【図7】本発明の種々の実施形態に従って一群の容器を運搬し取扱う様子を示している。
【図8】本発明の種々の実施形態に従った補足的で一時的な複数の真空パネルを有するさらに別の典型的な容器の側面図である。
【図9】(a)作動していない可動要素を有する本発明の種々の実施形態に従った容器の基部を示す断面図である。(b)作動した可動要素を有する本発明の種々の実施形態に従った容器の基部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は本発明の種々の実施形態に従った方法100の流れ図による説明図である。方法100はどのような適切な方法であってもよい。例えば、一般的に言えば、方法100は、高温充填したプラスチック容器などの、複数の充填容器の運搬又は取扱いのためのものである。方法100はS102から始まり適切な工程と作業を行う。種々の実施形態において方法はS104へ進む。
【0012】
S104はどのような適切な手段又は取扱いであってもよい。種々の実施形態において、S104は、一又は複数の容器の成形を示している。容器はどんな適切な方法によっても、どんな適切な手段によっても成形することができる。種々の実施形態において、容器は、例えば、ロータリ型ブロー成形装置を用いるブロー成形又は射出ブロー成形によって成形することができる。
【0013】
容器はどのような適切な材料から作られていてもよい。例えば、容器は本技術分野において知られているプラスチック材料から成形しても良い。容器は、例えば、一体構造であっても良く、ポリアミド(例えばナイロン)、ポリエチレン(例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE))又はポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN))等のような単層プラスチック材料から成形しても良く、それらは材料の物理的又は化学的な特性を変化させる添加剤を含んでいても良い。任意的に、容器は多層プラスチック素材から成形しても良い。その層は、どのようなプラスチック材料でも良く、未使用、再利用、リグラインド材料のいずれでも良く、容器の物理的な特性を改善するために添加物を加えたプラスチックや他の素材を含んでいても良い。上記材料に加えて、多層プラスチックによく用いられる他の素材を含み、例えば、エチレンビニルアルコール(EVOH)や、隣接して用いた際に層間剥離を生じ易い材料を互いに拘束する結合層又は接着剤であってもよい。単層又は多層材料の上には、例えば酸素バリア性を持たせるためにコーティングを施してもよい。
【0014】
容器はどのような適切な形状及び構成を有するように成形しても良い。種々の実施形態において、容器には、例えば、容器の基部の底端部から延びるおおよそ多角形、円形、又は楕円形状の突起部を形成(例えばブロー成形による)してもよい。種々の実施形態において、この突起部は、例えば、これに限られないが、真空パネルのような可動要素であってよい。任意的に、又は補足的に、突起部は容器の肩部や他の部分から突出していてもよい。突起部が容器の基部の底端部から延びる場合、容器が成形作業を終える前に、突起部は容器の中へ反転するか移動してブロー成形した容器の基部面を比較的平坦にして、容器をテーブル上で運搬することができるようにすることができる。
【0015】
図2ないし4は成形工程S104において成形することのできる容器の例を示している。図2ないし4において示す容器20、30、40は成形工程後の各形状を示している。例えば、図2ないし4において示す容器20、30、40はブロー成形作業を終えた後を示している。ここで留意すべきは、図2ないし4に示す容器は、概ね、中央の長手方向の軸線に沿った円筒状をしていることである。しかしながら、種々の実施形態に従った方法及びシステムにおいて用いられる容器は円筒形状に限られず、例えば、中央の長手方向の軸線に沿って、概して長方形、楕円形、三角形等、どのような適切な形状であってもよい。
【0016】
図2は図2(a)ないし2(c)からなる。図2(a)ないし2(c)はそれぞれ本発明の方法及びシステムの種々の実施形態によって運搬され取扱われる容器20の典型的な実施形態に対応している。図2(a)及び2(b)に示す容器20は、内容積を決める基部25と胴部23と首部22とを含んでいる。
【0017】
首部22はどのような適切な構成であっても良い。例えば、首部22は、容器を密封するためにキャップ又は蓋(不図示)を結合できる構成となっている。キャップ又は蓋は、例えば、ねじ山、スナップフィット等のどのような適切な方法によっても首部22に取外し可能に結合することができる。首部22は、首部22の全径よりも大きい径を有し、キャップ又は蓋を受け止めるリップを有していても良く、ここで当該リップはキャップ又は蓋(容易に壊れる「干渉リング」を含む)の端部に一方の側が隣接するように配置することができ、他方の側は、例えばレール運搬システムの支持部として用いることができる。首部22は、容器20を製品で満たすために、充填装置又は機械の注ぎ口を隣接させ又はわずかに内部に挿入することができる寸法にしても良い。
【0018】
胴部23はどのような適切な構成であってもよい。例えば、胴部23は、首部22から外方へ延びるテーパ−状の部分(例えば、円錐状のベルの断面を形成する。)と、第1の環状部26と、側壁部24と、第2の環状部27とともに、実質的に図2(a)及び2(b)に示すように形成されていてもよい。
【0019】
第1の環状部26と第2の環状部27は、どのような適切な構成、形状、寸法であってもよい。種々の実施形態において、第1環状部26及び第2環状部27は円形に形成することができる。任意的には、第1及び第2の環状部は凹んだフープリングとすることができる。寸法については、例えば、環状部26と27は3mmから5mmの間の高さと2mmから4mmの間の深さである。一般に、第1及び第2の環状部26、27は同じ形状と寸法である。任意的に、環状部は形状、及び/又は寸法が異なっていても良い。例えば5mmから15mmの間の高さと5mmから8mmの間の深さのより深い第1の環状部26を用いることができる。もしくは、第2環状部27を第1環状部26よりも大きい寸法とすることが出来る。図2(b)において、容器20は、第1環状部26の上部で胴部23を第1環状部26及び第2環状部27よりも大きい径にすることができる。この部分は、容器の運搬及び取扱いの間に隣接する1以上の容器と接触するような寸法にすることができる。例えば、冷却の作業又は工程の後に、第1環状部26の上にあり、第1環状部26より径の大きい胴部23の一部は1以上の他の容器の実質的に同じような部分と接触することができ、これにより運搬のために安定した接触又は当接点を提供することができる。
【0020】
第1環状部26及び第2環状部27は、互いの関係又は容器20の他の部分との関係において、胴部23に沿ったどのような適切な位置に設けることもできる。例えば、図2(a)及び2(b)に示すように、第1環状部26が側壁部24の上側に位置し、第2環状部27が側壁部24の下側に位置するように、環状部26、27は側壁部24を挟んで反対側に位置する。また、ここで留意しなければならないのは、2つの環状部が示されているが、容器は、例えば、1ヶ所、2ヶ所、3ヶ所など、どのような適切な数の環状部も有することができることである。
【0021】
側壁部24はどのような適切な形状又は構成を有していてもよい。例えば、図2(a)及び2(b)に示す側壁部24は平滑な円筒形状をしている。種々の実施形態において、側壁部24には、例えば補足的な又は小型の真空パネルなどの、いかなる真空パネルも設けられていない。任意的に、側壁部24は、グリップやリブといった補足的な特徴を有していなくても良い。種々の実施形態において、側壁部24に(形状が凸状になっているような)くびれがあっても良い。
【0022】
上述のように、第1環状部26と第2環状部27を胴部23のどのような適切な場所にも配置することができる。種々の実施形態において、第1環状部26及び第2環状部27は、側壁部24が変形したり、たわんだりすることができるように、側壁部24を挟んで互いに距離を置いているが、第1及び第2環状部の上側及び下側の環状の部分と範囲で、それぞれ、それらの形状を維持し、若しくは、変形又はたわみに実質的に抵抗する。以下にさらに詳しく説明するように、第1環状部26及び第2環状部27を、例えば側壁部24のような、容器の変形し又はたわむ部分の上側及び下側に実質的に安定した当接点を作るように形成している。運搬若しくは取扱いのため、及び更に以下に記載するように、そのような環状部26、27の構成及び柔軟な側壁部24は、容器20の側壁部24が、例えば可動要素を反転させるなど、容器の高温充填及び冷却の後のオフセット機構を用いる際の構造幾何学を要しないことを可能にしている。
【0023】
基部25は、どのような適切な構成とすることもできる。例えば、基部25は、中央の長手方向の軸線に対して概して円筒形でも、四角形でも、三角形でも良い。図2に示す基部25は、円筒形の例である。種々の実施形態において、基部25は、第2環状部27と連結された一方の端部を有し、実質的に平坦な面上に容器20を支持する支持面を形成する他方の端部を有しても良い。基部25の第2環状部27と連結する部分は、第2環状部27と第1環状部26の径よりも大きい径を有している。種々の実施形態において、基部25の第2環状部27と連結する部分の径は、実質的に第1環状部26の直ぐ上の胴部23の部分と同じ径を有していても良い。基部25のこの部分を、容器を運搬し取扱う間、1以上の隣接する容器と接触する寸法とすることができる。例えば、冷却の作業又は工程の後、第2環状部27の下の基部25の径の大きい部分は、1以上の他の容器の実質的に同じような部分と接触することができ、これにより、運搬のための安定した接触又は当接点を提供することができる。
【0024】
種々の実施形態において、基部25は、その底端部に形成した可動要素を有していてもよい。図2(c)は本発明の種々の実施形態に従った典型的な可動要素28を示している。最初に可動要素28を容器20の支持面の下に突出するように成形(例えばブロー成形)することができ、成形作業を終える前、又は終えた直後、最初に支持面の下に突出させた可動要素28を、成形の工程又は作業の後の作業又は工程のため、全体的に容器の支持面の上にあるように移動させ、又は、取扱うことができる。種々の実施形態において、可動要素28は、容器の支持面の上に移動することができ、そのため、容器の支持面は、例えば、実質的に平坦な面の容器を支持する安定した表面を有することができる。
【0025】
可動要素28はどのような適切な形状としても良い。種々の実施形態において、可動要素28は、可動要素28の再配置又は反転を可能とする折り目29を有していてもよい。成形作業の後、可動要素28を第1ポジションから第2ポジションへ動くような形状とすることもできる。種々の実施形態において、そのような動きを作動と呼ぶ。さらに、種々の実施形態において、可動要素28は、第1ポジションにおいて、可動要素の少なくとも実質的に平面的な部分は容器20の内部に対して外方へ傾向した位置にあり、また、第2のポジションにおいて、少なくともその実質的に平面的な部分は内方へ傾向した位置にあるように形成している。種々の実施形態において、外方へ傾向したポジションにおける実質的に平面的な部分は、内方へ傾向したポジションにおける実質的に平面的な部分と同一である。
【0026】
可動要素28は、容器の冷却によってもたらされた真空の力を実質的に恒久的に相殺するように形成することができる。種々の実施形態において、実質的に恒久的な相殺は、例えば、容器が消費者によって開封されるまで真空の一部を除去することを意味するものとできる。このような状況において、真空の一部は、一部の真空、全ての真空、又は、全ての真空と正の圧力の付与との和、を意味する。可動要素28は非反転部分を有していても良い。種々の実施形態において、非反転部分は、外方へ傾向したポジションから内方へ傾向したポジションへ移動する可動要素の一部と共に動くように形成してもよい。しかしながら、ここで留意すべきは、非反転部分は前記いずれのポジションにおいても概して内方へ傾向していて良いことである。
【0027】
図3は図3(a)ないし3(c)からなり、本発明の方法及びシステムの種々の実施形態によって運搬され取扱われる容器30の典型的な他の実施形態を説明している。図3(a)及び3(b)に示す容器30は、内容積を決める、首部32と、胴部33と、基部35とを含んでいる。
【0028】
首部32はどのような適切な形状をしていてもよい。種々の実施形態において、首部32は図2について上述したものと実質的に同一である。ここで留意すべきは、首部32の開口の径は図2のものと同じであってもよいし、同じでなくても良いということである。
【0029】
胴部33は、どのような適切な形状をしていてもよい。例えば、胴部33は実質的に図3(a)及び3(b)に示されているように、首部32から外方へテーパ−状の部分(例えば、概して円錐形のベルの断面を形成している)と、第1環状部36と、側壁部34と、第2環状部37とを備えるように形成してもよい。図2における胴部23とは異なり、テーパ−部(例えば首から第1環状部36へかけてのベル状の部分)は、首の長い形式の容器を形成するために、2段階の円錐断面を有することができる。
【0030】
第1環状部36及び第2環状部37は、どのような適切な構成、形状、又は寸法とすることもできる。種々の実施形態において、第1環状部36及び第2環状部37は丸みをつけることができる。任意的には、第1及び第2の環状部を凹んだフープリングとすることができる。寸法については、環状部36、37を3mmから5mmの間の高さと2mmから4mmの間の深さとすることができる。通常、第1及び第2環状部36、37は同じ形状と寸法をしている。任意的には、環状部の寸法、及び/又は形状を異ならせることが出来る。例えば、5mmから15mmの高さと5mmから8mmの深さの寸法を有するより深い第1環状部36を用いることが出来る。任意的には、第2環状部37は第1環状部36より大きい寸法を有してもよい。図3(b)において、容器30は、第1環状部36及び第2環状部37よりも径の大きい胴部33の一部分を第1環状部36の上側に有してもよい。この部分は、容器の運搬又は取扱いの間に隣接する1以上の容器と接触する寸法としてもよい。例えば、冷却作業又は工程の後、胴部33の第1環状部36より上の径の大きい部分は、1以上の他の容器の実質的に同じような部分と接触して、これにより運搬のための安定した接触又は当接点を提供するようにしても良い。任意的には、第1環状部36と第2環状部37の一つ又は両方を、容器を運搬し取扱う際に隣接する容器の対応する部分と接触する胴部33の部分から構成していても良い。
【0031】
第1環状部36及び第2環状部37を、相互の関係で、もしくは、容器30の他の部分との関係で胴部33に沿った適切な位置に配置することができる。例えば、図3(a)及び3(b)に示すように、第1環状部36は側壁部34の上に位置し、第2環状部37は側壁部34の下に位置しており、環状部36と37は側壁部34を挟んで反対側に位置している。また、ここで留意すべきは、2つの環状部は図示されているが、容器は、例えば1つ、2つ、3つなど、どのような適切な数の環状部を有しても良いことである。
【0032】
側壁部34は、どのような適切な形状又は構成をしていてもよい。例えば、図3(a)及び3(b)に示す側壁部34を平滑な円筒形とすることができる。ここで留意すべきは、側壁部34は図2(a)及び2(b)における側壁部24より短くてもよいということである。種々の実施形態において、側壁部34は、例えば、補足的な又は小型の真空パネルなどの如何なる真空パネルも有さない。任意的には、側壁部34は、例えば、リブや、グリップ等のどのような補足的な要素も有さない。種々の実施形態において、側壁部34は(形状が凸面になっているような)くびれがあっても良い。
【0033】
上記のように、第1環状部36及び第2環状部37を胴部33のどのような適切な位置に配置してもよい。種々の実施形態において、第1環状部36及び第2環状部37は、側壁部34が変形し、たわむことができるように側壁部34によって互いに間を空けているが、第1環状部の上部及び第2環状部の下部は、それぞれ実質的にそれらの形状を維持し、すなわち、実質的に変形又はたわみに抵抗する。以下にさらに詳しく説明するように、第1環状部36及び第2環状部37を、例えば側壁部34のような、変形し、又はたわむ容器部分の上部又は下部に実質的に安定した接触点を作るように形成してもよい。さらに以下に述べるように、運搬又は取扱いにおいて、そのような環状部36、37及び柔軟な側壁部34の形状は、容器30の側壁部34が、例えば真空パネルを反転させるような、容器の高温充填及び冷却後にオフセット機構を用いる際の構造幾何学を要しないことを可能とする。
【0034】
基部35はどのような適切な形状とすることもできる。例えば、基部35は、中央の長手方向の軸線の周りに概して円筒形、四角形、三角形としてもよい。図3に示す基部35は、円筒形の例である。種々の実施形態において、基部35は、第2環状部37と連結する一端と、実質的に水平な面において容器を支持する支持面を形成する他端を有することができる。基部35の第2環状部37と連結する部分は第2環状部37及び第1環状部36の径よりも大きい径を有していてよい。種々の実施形態において、基部35の第2環状部37と連結する部分の径は、第1環状部36の直ぐ上の胴部33の部分と実質的に同じ径を有していても良い。基部35のこの部分を容器の運搬及び取扱いの間に隣接する1以上の容器と接触する寸法としてもよい。例えば、冷却作業又は工程の後、第2環状部37の下のより径の大きい基部35の部分は、1以上の他の容器の実質的に同じような部分と接触しても良く、これにより、運搬のための安定した接触又は当接点を提供する。任意的には、1以上の環状部36、37は安定した接触又は当接点を有する。
【0035】
種々の実施形態において、基部35はその底端部に形成された可動要素を有してもよい。図3(c)は、本発明の種々の実施形態に従った典型的な可動要素38を示している。可動要素38は図2において上述したものと実質的に同じであっても良い。ここで留意すべきは、基部35の径は同じであっても、同じでなくてもよいことである。したがって、図3(c)における可動要素38はこの点において図2のものと異なっていても良い。
【0036】
上記図2と同様に、図3に示す容器の可動要素38を、第1ポジションにおいて、可動要素の少なくとも実質的に平坦な部分は容器30の内部に対して外方に傾向した位置にあって、第2ポジションにおいて、その少なくとも実質的に平坦な部分は内方へ傾向した位置にあるように形成してもよい。種々の実施形態において、外方へ傾向した位置の実質的に平坦な部分は、内方へ傾向した位置の実質的に平坦な部分と同一である。可動要素38は、容器の冷却によりもたらされた真空の力を実質的に恒久的に相殺する形状をしていてもよい。種々の実施形態において、実施的に恒久的な相殺は、例えば、消費者によって容器が開けられるまで真空の一部の除去を行うことを意味する。このような状況において、真空の一部は、一部の真空、全ての真空、又は、全ての真空と正の圧力の付与との和、を意味する。可動要素38は、反転しない部分を有していても良い。種々の実施形態において、反転しない部分を、外方へ傾向した位置から内方へ傾向した位置へ移動する可動要素の部分と共に移動するように形成する。しかしながら、ここで留意すべきは、反転しない部分は、上述の両ポジションにおいて概して内方へ傾向していても良いことである。
【0037】
図4は、本発明の方法及びシステムの種々の実施形態により運搬し取扱う容器40の別の典型的な実施形態を示している。図4の容器40は、内容積を決める、首部42と、胴部43と、基部45とを有することができる。胴部43は、実質的に平滑な側壁44と、第1環状部46と、第2環状部47とを有することができる。図4に示す容器40は、首部42と連結されるキャップ41とともに示されている。キャップ41は、ねじ山、スナップ結合などの、どのような適切な手段によっても首部42に連結することができる。図2及び3と異なり、図4に示す平滑な側壁44は、頂部から底部に向かって外方へテーパ−状になっている。もしくは、平滑な側壁44は頂部から底部に向かって内方へテーパ−状になっていても良い。環状部46、47は図2及び3において上述したものと機能面で実質的に同じであっても良い。特に、環状部46,47は、例えば、容器の冷却後であって容器の作動前に、生産ラインの種々の作業において隣接する他の容器と接触する容器40の運搬および取扱いのため、実質的に安定した1以上の当接点を提供することができる。環状部46、47は、例えば高温充填及び冷却作業、若しくは、高温充填又は冷却作業によって平滑な側壁部44が歪み、変形するのを制限する形状とすることもできる。ここで留意すべきは、本実施形態においては、上記第1環状部46より上の容器40の部分のみが、側壁部44よりも大きい径を有していることである。このようにして、本実施形態においては、第1環状部46の上の丸みをつけた部分だけが、他の容器とともに運搬し取扱うための実質的に安定した接触又は当接点としての役割を果たすことができる。任意的には、基部45を、他の容器と共に運搬し取扱う間、実質的に安定した接触又は当接点としての役割を果たすように、平滑な側壁部45よりも大きい径になるように設計してもよい。種々の実施形態において、平滑な側壁部44よりも径の大きい基部45を、他の容器と共に運搬し、取扱うために、唯一の接触又は当接点としての役目を果たすように設計してもよい。明確には示していないが、容器40は基部45の底端部内に包含された可動部を有してもよい。可動部は図2及び3において上述したものと実質的に同じものとすることができる。
【0038】
図2ないし4に示す容器は、例に過ぎず、本発明の種々の実施形態に従った方法とシステムによって運搬し、又は取扱うことのできる容器の形式又は形状の範囲を制限するものではない。
【0039】
図1に示す方法100に戻って、S104の後、方法100は適切な工程又は取扱いに移行する。種々の実施形態において、方法100はS106へ移行することができる。
【0040】
S106において、容器は製品で満たされる。ここで留意すべきは、S104の後、例えば、パレットによる運搬、ベルトコンベヤ、回転式の装置、及び/又は、送りねじなど、どのような適切な方法又は方法の組合せによっても容器を充填装置に移動又は運搬することができることである。充填の前及び充填の間、1以上の環状部は実質的に安定した当接点を提供することができる。すなわち、充填の前及び充填の間、環状部が運搬及び取扱い中の安定のための実施的に安定した当接点を提供して、容器を少なくとも一つの他の容器と接触する関係に置くことができる。
【0041】
製品は、例えば、容器の頂部開口部に隣接し、若しくはわずかに内部に設置すべく移動可能な一つの注ぎ口から構成される充填部、又は、複数の注ぎ口がある場合には、容器の頂部開口部にそれぞれ隣接し、もしくは、それぞれわずかに内部に配置すべく移動可能な複数の注ぎ口から構成される充填部など、どのような適切な手段によっても充填することができる。また、容器をひとつずつ続けて充填することもできるし、一群の容器を実質的に同時に充填することもできる。製品には、どのような適切な製品も含まれ、炭酸飲料、非炭酸飲料、水、茶、スポーツドリンク、乾燥製品などに限られない。種々の実施形態において、製品は高温で充填することができる。例えば、製品は約華氏185度(摂氏85度)で充填することが出来る。充填の間、底端部に可動要素を有する容器において、可動要素は容器の支持面まで延びることができるが、その下までは延びない。任意的に、底端部に可動要素を有する容器に充填している間、可動要素は全体的に支持面の上部にあってもよい。
【0042】
S106の後、方法100はどのような適切な工程又は取扱いにも移行することができる。種々の実施形態において、方法100はS108に移行してもよい。S108において、容器は蓋締めされる。キャップ又は蓋を各容器の上に配置してキャップ又は蓋と容器の首部とを適切に連結する機械的な装置など、如何なる適切な手段によっても容器を蓋締めすることができる。また、一つずつ続けて容器に蓋締めしても良いし、一群の容器に実質的に同時に蓋締めしても良い。蓋締め方法は、キャップ又は蓋と首部を形成している手段に基づいて、キャップ又は蓋を容器の首部に連結することができる。例えば、ねじ山をつけたキャップと首部の場合、蓋締め方法は、キャップを首部のねじ山に螺合するように動かす。
【0043】
蓋をかぶせる前及びその間、1以上の環状部は実質的に安定した当接点を提供することができる。すなわち、蓋をかぶせる前及びその間、そこでの容器の運搬及び取扱いの安定のため、環状部が実質的に安定した当接点を提供した状態で、容器を少なくとも一つの他の容器と接触する関係に置くことができる。加えて、蓋締め操作は実質的に気密シールを形成することができる。種々の実施形態において、高温における充填と蓋締めは、容器の一部に歪み又は変形をもたらす超過気圧を容器内にもたらす。種々の実施形態において、容器の第1及び第2の環状部を、その間に配置される側壁部にたわみ又は変形を誘導し、又は、限定するように形成する。当該変形は平滑な側壁部を外方へたわませるようなものである。種々の実施形態において、容器は、外方へたわむ際に、平滑な側壁が環状部の上部、及び/又は、下部で容器の1以上の部分の外径まで達しないように変形することができる。これにより、種々の実施形態において、環状部は平滑な側壁部の変形を制限し、隣接する他の容器の当接点と接触するため、平滑な側壁部よりも外側に実質的に安定した当接点を備えることができる。容器の変形は、形状、寸法、タイミングを予測できないものであってもよい。また、変形は容器ごとに、形状、寸法、タイミングが異なっても良い。蓋締めの間、底端部に可動要素を有する容器において、可動要素は容器の支持面まで延びても良いが、その下までは延びない。任意的に、底端部に可動要素を有する容器に蓋締めする間、可動要素は全体的に支持面の上部にある。
【0044】
S108の後、方法100はどのような適切な工程又は取扱いに移行してもよい。種々の実施形態においては、方法100はS110に移行することができる。
【0045】
S110において、充填し、蓋締めした容器内に真空が生じる。真空は、例えば冷却など、どのような適切な手段によっても生じる。例えば、容器を約又はおよそ華氏185度から約又はおよそ華氏100度まで冷却してもよい。冷却は、例えば、大気又は冷却液を高温充填された容器に吹き付けて内容物を室温に冷やす従来の冷却手段など、どのような適切な手段によっても行うことができる。種々の実施形態において、充填され、蓋締めされた容器を、冷却のために例えば水などの液体をシャワーのような方法で吹き付けるトンネル内を通過させてもよい。液体は、容器内の製品を冷やすための、どのような適切な温度であってもよい。例えば、当該液体は室温とすることができる。他の例として、液体は室温よりも低い温度とすることができる。一般に、このような状況において、およそ華氏90度から華氏100度を「室温」とみなしている。しかしながら、室温は、これらの温度、又はこれらの間の温度に限られず、室温とされるどのような適切な温度であってもよい。また、室温より低い温度は、例えば、約又はおよそ華氏75度から約又はおよそ華氏65度であってもよい。上記の室温のように、室温より低い温度は、室温より低いものとされるどのような適切な温度であってもよい。
【0046】
容器内の製品が冷えるとき、冷えた製品は、通常、収縮し、容器内に真空が生じる。本発明の状況において、冷却や他の手段によってもたらされた容器内の真空は、上述のように、およそ上記高温充填の温度から、およそ室温又は室温以下の温度まで冷やされることによって生じる。本発明は、例えば、いわゆる無限の真空のような、上記温度変化の範囲によってもたらされる範囲を実質的に超える大きさのいわば“無限”の真空を意図していない。
【0047】
真空は、例えば、引き伸し、楕円化、三角形化といった、歪み又は変形の原因になり得る。歪み又は変形は形状、寸法、タイミングを予測できないものであってもよい。また、予測できないだけでなく、容器ごとに、歪み又は変形の形状、寸法、タイミングが異なってもよい。さらに、典型的な変形又は歪みは一時的なものである。種々の実施形態において、一時的な変形又は歪みは、容器の予め予想された特定の場所に誘導される。上記のように、容器には環状部が形成され、環状部又は上側の環状部の上部、又は、下側の環状部の下部の容器部分には実質的に変形は生じず、一時的な変形は、実質的に平滑な側壁部に誘導される。このように、環状部を有する容器の実施形態において、環状部が変形又は歪みに抵抗し、一時的な変形は、実質的に容器の平滑な側壁部に限定される。環状部は、変形又は歪みに抵抗することで、運搬と取扱いにおいて終始、又は、その種々の箇所において、隣接する他の容器の対応する実質的に安定した当接点と接触する実質的に安定した当接又は接触点をそれぞれ提供することもできる。例えば、上側の環状部については、実質的に安定した当接点は、環状部の上方に位置していてもよく、下側の環状部については、実質的に安定した当接点は、この環状部の下方の容器の基部に位置していても良い。種々の実施形態において、環状部は、実質的に安定した当接又は接触点を備えることが出来る。
【0048】
別の実施形態において、冷却によってもたらされる真空を原因とする一時的な変形は、例えば、1以上の補足的な真空パネルに誘導される。図8は、例として、真空パネル80を有し、蓋締めし充填した容器の形状を示している。1以上の補足的な真空パネル80は、基部の底端部内の可動要素が作動して恒久的に真空を除去する前に容器を運搬し又は取扱う間、一時的に真空を相殺することができる。ここで留意すべきは、図8において、実質的に平滑な側壁部によって分離された上側及び下側の「凹み部」を示していることである。これらの凹み部は、実質的にこの中で記載したような第1及び第2の環状部であってもよいし、そうでなくてもよい。したがって、別の容器の実施形態は、1以上の補足的な真空パネル80のみを用いる一時的な歪み又は変形の相殺と、1以上の補足的な真空パネル80と実質的に安定した当接点を備える環状部との組合せを用いる一時的な歪み又は変形の相殺と、を提供することを意図している。ここで留意すべきは、1以上の補足的な真空パネル80は、一時的な歪み又は変形の発生を実質的に真空パネル80内に限定するため、1以上の実質的に安定した当接点を提供することができることである。
【0049】
充填と蓋締めと同様に、冷却によって真空を創り出すために、例えば、底端部内に可動要素を有する容器において、可動要素は容器の支持面まで延びることができるが、その下までは延びない。任意的に、冷却によって真空を創り出すために、例えば、底端部に可動要素を有する容器において、可動要素は全体的に支持面よりも上部にあっても良い。また、複数の容器において、容器は、どのような適切なグループ分け又は順序で、その中に誘発された真空を有してもよい。例えば、容器は、隣接する容器の1以上の実質的に安定した当接点と、それに対応する1以上の実質的に安定した当接点を接触させて、冷却手段を一列で通過してもよい。任意的に、容器は、少なくとも一つの「内側の」容器と、複数の「外側の」容器とで、特定の配列又は不規則にグループ分けされた配置で冷却手段を通過してもよい。隣接する容器は、対応する1以上の実質的に安定した当接点と接触する1以上の実質的に安定した当接点と当接することができる。種々の実施形態において、内側の容器は外側の容器よりも冷えるのが遅い。また、むらのある冷却速度によって、内側の容器の一時的な変形は、形状、寸法、タイミングが予測できず、及び/又は、外側に配置された容器の一時的な変形と異なってもよい。当然、一時的な変形が全く同じにならないことも、いくらか同じになることも、全てが同じになることもある。適切な手段による真空の創出工程S110の前、その間、及びその後、例えばベルトコンベヤなどの適切な手段によって容器を運搬し、取扱う。
【0050】
S110の後、方法100は適切な工程又は取扱いに移行することができる。種々の実施形態において、方法100はS112に移行してもよい。
【0051】
S112は、容器の運搬又は取扱いを示している。容器を適切な手段によって取扱い、運搬する。例えば、容器はベルトコンベヤによって取扱い、運搬する。種々の実施形態において、運搬している容器は、その中に生じた真空を有しており、容器は真空によって一時的に変形し又は歪む。種々の実施形態において、変形は、例えば、平滑な側壁部又は補足的な真空パネルなどの、容器の予め決められた部分に誘導され、又は、限定される。一時的な変形は、容器ごとに、形状、寸法、タイミングにおいて外側に配置された容器の一時的変形と異なり、及び/又は、外側に配置された容器から予測できなくてもよい。一時的な変形を有する容器は、複数の他の容器と接触するように運搬することができる。環状部を有する容器の種々の実施形態において、環状部は、容器の運搬又は取扱いのために、1以上の実質的に安定した当接点を提供することができる。また、1以上の環状部は1以上の実質的に安定した当接点を有していても良い。もしくは、1以上の補足的な真空パネルが1以上の実質的に安定した当接点を提供しても良い。
【0052】
また、複数の容器の場合、一時的な変形を伴う容器を適切なグループ分け又は順序において運搬し、取扱うこともできる。例えば、一時的な変形を伴う容器を、隣接する容器の実質的に安定した当接点が、これに対応する1以上の実質的に安定した当接点と接触するように一列に並べて運搬することもできる。任意的には、一時的な変形を伴う容器を、少なくとも一つの「内側の」容器と、複数の「外側の」容器とで、特定の行列又は不規則にグループ分けされた配置において運搬することができる。隣接する容器は、対応する1以上の実質的に安定した当接点に接触する1以上の実質的に安定した当接点を有することが出来る。上述のように、1以上の実質的に安定した当接点は、関連する環状部又は一時的で補足的な真空パネルによって実現される。
【0053】
充填、蓋締め、及び冷却と同様に、上記運搬のために、底端部に可動要素を有する容器において、可動要素は容器の支持面まで延び、それより下には延びない。任意的には、運搬の間、底端部に可動要素を有する容器において、可動要素は全体的に支持面の上部に位置することができる。さらに、種々の実施形態において、運搬の後、容器をパレットに積んでもよく、その中で環状部はパレットに積んだ複数の容器に支持と安定を与えることができる。
【0054】
S112の後、方法100は適切な工程又は取扱いに移行することができる。種々の実施形態において、方法100はS114に移行してもよい。
【0055】
S114は、容器内の真空の一部を減らし、除去し、又は無効にすることを示している。容器内の真空の一部の減少は、容器の一時的な変形又は歪みも減らし、もしくは除去する。種々の実施形態において、容器は実質的に充填前又は冷却前の状態に戻ることができる。容器内の真空は、どのような適切な手段によっても減らすことができる。例えば、底端部に可動要素が形成された容器においては、可動要素が移動又は作動して真空を除去することができる。種々の実施形態において、作動のために、可動要素は第1ポジションから第2ポジションへ移動することができ、ここで、第2ポジションは第1ポジションより容器の内方である。加えて、可動要素の一部又は全てを移動させることができる。さらに、種々の実施形態において、第1ポジションは、外方へ傾向したポジションにある可動部の少なくとも一部を含み、第2ポジションは、少なくとも内方へ傾向したポジションにある可動部の少なくとも一部を含むことができる。容器を作動するための可動要素の動きを可動要素の反転と呼んでも良い。
【0056】
上記のように、容器を作動させるための可動要素の移動は真空の一部を減らし、又は除去することができる。種々の実施形態において、除去又は減縮された真空の部分は真空の全てであっても良い。任意的には、除去され、もしくは減縮された真空の部分は、真空の全てが除去され、容器内に正の圧力が生じたことを意味してもよい。さらに別のオプションとして、減縮され、もしくは除去される真空の部分は、全体の真空より小さくてもよい。後者のオプションにおいて、真空の残りは、1以上の補足的な又は小型の真空パネルによって取り除かれ、減縮されてもよい。ここでいう補足的な真空パネルは、可動要素によって取り除かれない真空状態の残り部分を、実質的に恒久的に除去し、もしくは減らすことができる。
【0057】
可動要素は、例えば、機械的な手段又は空気圧による手段などの、適切な手段によって動かされる(又は、作動又は反転される。)。例えば、突き棒を可動要素を上記第1ポジションから第2ポジションへ押すように動かしても良い。種々の実施形態において、容器の真空の一部を減らす前、その間、及びその後に、容器の可動要素は、常に支持面の上方にある。任意的には、可動要素は常に支持面に又はその上方にある。
【0058】
S114の後、当該方法は適切なステップ又は取扱いに移行する。図1は、S116で終了する方法の例を示している。しかしながら、実際には、容器内の真空状態を減らした後(例えば、可動要素の作動によって)、容器は適切な工程又は取扱いに移行する。例えば、容器は次に、検査又は品質保証作業、ラベル張り作業、保管及び/若しくは出荷のためのパッケージング作業、並びに/又は、保管若しくは積み出し工程に移行することができる。
【0059】
図5(a)及び5(b)は、充填され、蓋締めされた図2(a)の容器と実質的に同じような複数の容器の運搬と取扱いを示している。
【0060】
図5(a)は、例えば、冷却によって真空が誘発される前の充填し蓋締めした容器を示している。例として、容器はベルトコンベヤ50上で運搬することができ、図5(a)は紙面上の左から右への動きを示している。3つの点「・・・」は、もっと多くの容器を両方向に配置できることを示している。さらに、図5((a)及び(b)の両方)は、一列又は行列(容器20の後ろに視界から隠れた容器がある)での運搬を示している。参照符号53は、製品の充填ラインを示しており、充填ラインは容器の形状、高温充填の温度、冷却温度、冷却速度などに基づいて適切な位置とすることができる。また、図5(a)及び5(b)において、充填高さ53は実質的に同じである。しかしながら、充填高さは図5(a)及び5(b)と異なっても、誘発された真空によって生じた容器の変形によって図5(b)の容器間で異なっても良い。
【0061】
図5(a)に見られるように、容器の環状部26は隣接する容器のために実質的に安定した当接又は接触点55を提供することができる。同様に、環状部27は隣接する容器のために実質的に安定した当接又は接触点57を提供することができる。そのような安定した当接点55、57は、高温による超過気圧によって平滑な側壁24が一時的な変形をしている隣接する容器との他の接触をすることを防ぐことができる。結果として、容器をより確実に運搬し、又は取扱うことができる。これは、運搬、及び/又は、取扱いのスピードの改善につながる。
【0062】
図5(b)は、冷却によって容器内を真空としている間の、及び/又は、その後の容器20の運搬及び取扱いの例を示している。このように、平滑な側壁部24は、真空によって一時的に歪み、又は変形することができる。例えば、平滑な側壁部24は、ポジション24aからポジション24bへ一時的に歪めることができる。上記のように、一時的な歪み又は変形は、寸法、形状、及びタイミングにおいて予測できなくてもよい。さらに、図5(b)は、各容器間で実質的に同じ変形を示しているが、容器20から容器20までの変形は、寸法、形状、タイミングにおいて異なっていても良い。
【0063】
図5(b)において、容器の環状部26は、一時的な変形を有する隣接した容器と接触する実質的に安定した当接点55を提供することができる。同様に、環状部27は、一時的な変形を有する隣接した容器と接触する実質的に安定した当接又は接触点57を提供することが出来る。そのような安定した当接点55,57は、容器内に生じた真空による平滑な側壁部24の一時的な変形を伴う隣接する容器との他の接触を防止することが出来る。その結果、一時的な変形を伴う容器をより確実に運搬し、又は、取扱うことができる。このことは、運搬、及び/又は取扱いのスピードの改善につながる。
【0064】
図6(a)及び6(b)は、充填され、蓋締めされた図3(a)の容器と実質的に同じような複数の容器を運搬し、又は、取扱う例を示している。これらの容器は図5において上述したのと実質的に同じように運搬され、取扱われる。しかしながら、図6の例においては、当接点が、容器30と同一又は同様の部分に配置され又は設けられていない。図5(a)及び5(b)と同様に、充填高さ63は図6(a)と6(b)とで実質的に同じである。しかしながら、充填高さ63は図6(a)及び6(b)と異なっていても良く、真空の誘発による容器の変形によって図6(b)の容器間で異なっていても良い。
【0065】
図7は、行列に配置された複数の容器の例を示している。行列は、例えば、1行1列行列、1行3列行列、3行3列行列など、適切な行と列の配置で、適切な寸法とすることができる。図7の例は、容器が充填、蓋締めされ、正の圧力による一時的な変形を伴って運搬されている状況、又は、容器が充填され、蓋締めされ、冷却され、容器20内の真空によって一時的な変形が生じた状況を示している。どちらの場合においても、容器20は、実質的に安定した接触又は当接点55を維持して運搬されている。種々の実施形態において、実質的に安定した当接点55は、1以上の環状部によってもたらされる。もしくは、1以上の実質的に安定した当接点55は、1以上の補足的で一時的な真空パネルによってもたらされる。
【0066】
図9(a)及び9(b)に戻り、これらの図は、可動要素28を備え、充填され、密封され、冷却された容器20の作動前(図9(a))及び作動後(図9(b))の断面を示している。ここで留意すべきは、この図においては、作動前の平滑な側壁部24のどのような一時的な変形も省略されていることである。図9(a)から分かるように、基部25は支持面90を有し、可動要素28は可動部92及び非反転部94を有することができる。図9(a)の可動要素28は、全体が支持面90の上方に位置している。可動要素28は支持面90に、又はその上部にあっても良い。ここで、図9(a)において、可動要素92は、容器20の内部に対して外方へ傾向した位置とすることができる。
【0067】
図9(b)は、作動状態における可動要素28を示している。この状態に至るには、可動部92が外方へ傾向したポジションから、内方へ傾向したポジションへ動き、これは可動要素92の反転と呼ぶことができる。非反転部94は、作動におい実質的に形状及び配置を保持したまま、上方かつ容器の内部に対して内方へ移動する。上記のように可動要素28の作動は真空状態の一部を除去することができる。種々の実施形態において、真空状態の一部の除去は、容器を充填前又は冷却前の形状に戻すことができる。
【0068】
本発明はいくつかの実施形態の組合せにおいて記載されているが、多くの代替案、修正案、及び変形例は、当該技術分野における通常の知識を有する者に明らかであろうこと又は明らかであることは、明白である。したがって、出願人は、本発明の特質と範囲に属するそのような代替案、修正案、均等物、及び、変形例を包含することを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の高温充填プラスチックボトルの取扱い方法であって、前記プラスチックボトルは、それぞれ、首部と、胴部と、基部とを有しており、前記胴部は第1の凹んだフープリングと、第2の凹んだフープリングと、前記第1及び第2の凹んだフープリングの間に配置した真空パネルの無い環状の平滑な側壁部とを有しており、前記基部は前記プラスチックボトルの支持面を形成し、被作動式可動要素を備えた底端部を有しており、
前記方法は、
前記プラスチックボトルの高温充填と、
前記高温充填したプラスチックボトルの蓋締めと、
前記高温充填し、蓋締めした各プラスチックボトル内の冷却による真空の創出とを含み、各真空は対応するプラスチックボトルの一時的な変形をもたらし、各プラスチックボトルの前記一時的な変形を実質的に前記平滑な側壁部に限定し、前記一時的な変形は形状、寸法、及びタイミングを予測できないものであり、前記第1の凹んだフープリングと前記第2の凹んだフープリングには実質的に変形が生じず、
また、前記方法は、
一時的な変形を伴う前記プラスチックボトルを、他の複数のプラスチックボトルに接触するように運搬することを含んでおり、前記プラスチックボトルの前記第1及び前記第2の凹んだフープリングは、前記平滑な側壁部に一時的な変形を伴う前記プラスチックボトルを運搬する間、前記プラスチックボトルの運搬のために実質的に安定した当接点を提供し、
また、前記方法は、
前記運搬の後、前記運搬した各プラスチックボトルの前記可動要素を作動させることを含んでおり、前記作動は、前記可動要素を第1ポジションから第2ポジションへ移動させることを含み、前記第2ポジションは前記第1ポジションよりも前記プラスチックボトルの内方にあり、前記作動は真空の少なくとも一部を除去することを特徴とするプラスチックボトルの取扱い方法。
【請求項2】
前記高温充填と、前記蓋締めと、前記真空の創出と、前記運搬と、前記作動との間、前記可動要素は常に前記支持面よりも上方にあることを特徴とする請求項1に記載のプラスチックボトルの取扱い方法。
【請求項3】
前記高温充填及び前記蓋締めに応じて、前記プラスチックボトルがそれぞれ一時的に変形し、前記一時的な変形を実質的に平滑な側壁部に限定し、前記プラスチックボトルのいかなる他の部分にも実質的な変形は無く、前記第1の凹んだフープリング及び前記第2の凹んだフープリングは、前記プラスチックボトルの変形した平滑な側壁部が他の前記プラスチックボトルに接触しないように、実質的に安定した当接点を提供することを特徴とする請求項1に記載のプラスチックボトルの取扱い方法。
【請求項4】
さらに、高温充填し、蓋締めした前記プラスチックボトルを、各プラスチックボトルが少なくとも1つの他のプラスチックボトルに接するように運搬することを有し、前記プラスチックボトルのそれぞれの前記第1および第2の凹んだフープリングは、前記プラスチックボトルの運搬のための実質的に安定した当接点を提供することを特徴とする請求項1に記載のプラスチックボトルの取扱い方法。
【請求項5】
前記真空の一部とは、全ての前記真空であることを特徴とする請求項1に記載のプラスチックボトルの取扱い方法。
【請求項6】
前記真空の一部は、全ての前記真空よりも小さく、前記方法は、さらに1以上の補足的な真空パネルを用いて残りの真空の一部を除去することを含むことを特徴とする請求項1に記載のプラスチックボトルの取扱い方法。
【請求項7】
前記残りの真空の一部は、前記残りの真空の全部であることを特徴とする請求項6に記載のプラスチックボトルの取扱い方法。
【請求項8】
前記可動要素の作動は、全ての前記真空を除去し、前記プラスチックボトル内に正の圧力を生じさせることを特徴とする請求項1に記載のプラスチックボトルの取扱い方法。
【請求項9】
前記一時的な変形を伴う前記プラスチックボトルの前記運搬は、前記プラスチックボトルを一列で運搬することを含むことを特徴とする請求項1に記載のプラスチックボトルの取扱い方法。
【請求項10】
前記一時的な変形を伴う前記プラスチックボトルの前記運搬は、行列に配置したプラスチックボトルを運搬することを含むことを特徴とする請求項1に記載のプラスチックボトルの取扱い方法。
【請求項11】
前記プラスチックボトルの行列は、内側のプラスチックボトルと外側のプラスチックボトルとを含み、前記内側のプラスチックボトルのそれぞれの前記凹んだフープリングは、少なくとも3つの他のプラスチックボトルへの実質的に安定した当接点を提供し、前記外側のプラスチックボトルのそれぞれの凹んだフープリングは少なくとも2つの他のプラスチックボトルへの実質的に安定した当接点を提供し、
前記冷却の間、前記内側のプラスチックボトルは前記外側のプラスチックボトルよりもゆっくり冷め、そして、
前記内側のプラスチックボトルの一時的な変形は、不均一な冷却スピードによって、前記外側のプラスチックボトルの一時的な変形とは異なることを特徴とする請求項10に記載のプラスチックボトルの取扱い方法。
【請求項12】
複数の充填容器の取扱いシステムであって、前記容器はそれぞれ内容積を決める胴部と基部とを有しており、前記胴部は、第1環状部と、第2環状部と、側壁部とを有しており、前記基部は、容器の支持面を形成し、第1の外方へ傾向したポジションから第2の内方へ傾向したポジションへ移動できるように形成した可動要素をその底端部に有しており、
前記システムは、
容器に製品を充填する充填手段を有しており、前記製品は高温であり、
また、前記システムは、
前記充填した容器をキャップで蓋締め及び密封する蓋締め手段と、
前記充填し、蓋締めした容器を冷却する冷却手段とを有しており、前記冷却は容器内に真空を創出し、前記真空は容器の一時的な変形をもたらし、前記一時的な変形は実質的に前記側壁部に生じ、前記第1及び第2環状部は実質的に変形に抵抗し、
また、前記システムは、
前記容器の1以上の実質的に安定した当接点が少なくとも1つの他の容器の対応する1以上の実質的に安定した当接点に接触するように、前記冷却し一時的に変形した容器を取扱う取扱い手段を有しており、前記1以上の実質的に安定した当接点を、前記第1環状部と前記第2環状部のうち関連する1つによって実現しており、
また、前記システムは、
前記第1の外方へ傾向したポジションから前記第2の内方へ傾向したポジションへ反転する反転手段を有しており、前記反転は前記真空の一部を除去することを特徴とする充填容器の取扱いシステム。
【請求項13】
前記運搬において、前記容器の運搬のための前記実質的に安定した当接点は、各容器の前記第1環状部と前記第2環状部の少なくとも一つであることを特徴とする請求項12に記載の充填容器の取扱いシステム。
【請求項14】
前記充填と、前記蓋締めと、前記冷却と、前記取扱いと、前記反転との間、前記可動要素は常に前記支持面の上方にあることを特徴とする請求項12に記載の充填容器の取扱いシステム。
【請求項15】
前記真空の一部は、全ての前記真空であることを特徴とする請求項12に記載の充填容器の取扱いシステム。
【請求項16】
前記反転手段は、全ての前記真空を除去し、前記容器内に正の圧力を生じさせることを特徴とする請求項12に記載の充填容器の取扱いシステム。
【請求項17】
前記取扱い手段は、一時的に変形した複数の前記容器を1列で取扱うことを特徴とする請求項12に記載の充填容器の取扱いシステム。
【請求項18】
前記取扱い手段は、一時的な変形を生じた複数の前記容器を取扱い、前記一時的に変形した容器を行列に配置し、少なくとも一つの内側の容器と複数の外側の容器があることを特徴とする請求項12に記載の充填容器の取扱いシステム。
【請求項19】
複数の充填したプラスチック容器の運搬方法であって、前記プラスチック容器のそれぞれは、胴部と基部とを有しており、前記基部は実質的に平坦な面において前記容器を支持する支持面を形成しており、また前記基部はその底端部に配置した可動要素を有しており、前記可動要素は前記容器内の真空を除去するために実質的に恒久的に移動可能であり、
前記方法は、
高温充填し、蓋締めした複数のプラスチック容器の冷却を含み、前記冷却は、前記高温充填し、蓋締めしたプラスチック容器のそれぞれの中に真空を創出し、前記真空はそれぞれ前記対応するプラスチック容器の一時的な変形をもたらし、前記一時的な変形を前記容器の予め決めておいた特定の部分に誘導し、
また、前記方法は、
前記容器内に生じた真空を一時的に相殺し、かつ、安定した当接点を維持しながらの前記プラスチック容器の運搬と、
前記運搬後の前記プラスチック容器のそれぞれの前記可動要素の作動とを含み、前記作動は、前記真空の一部を除去するため、前記可動要素が第1ポジションから第2ポジションへ実質的に恒久的に移動することを含むことを特徴とするプラスチック容器の運搬方法。
【請求項20】
前記プラスチック容器のそれぞれの前記胴部は、第1環状部と、第2環状部と、前記2つの環状部の間の平滑な側壁部とを含んでおり、
前記一時的な変形を実質的に平滑な側壁部に誘導し、前記第1環状部と前記第2環状部には実質的に変形はないようにし、そして
前記運搬を前記プラスチック容器のそれぞれが他の複数のプラスチック容器と接触するように行い、前記プラスチック容器の前記第1および第2環状部は、前記プラスチック容器の運搬のために実質的に安定した当接点を提供することを特徴とする請求項19に記載のプラスチック容器の運搬方法。
【請求項21】
前記一時的な変形を1以上の補足的な真空パネルに誘導し、前記1以上の補足的な真空パネルは、前記運搬の間、一時的に真空を相殺することを特徴とする請求項19に記載の複数のプラスチック容器の運搬方法。
【請求項22】
複数の高温充填プラスチックボトルの取扱い方法であって、前記プラスチックボトルは、それぞれ、首部と、胴部と、基部とを含んでおり、前記胴部は第1の凹んだフープリングと、第2の凹んだフープリングと、前記第1及び第2の凹んだフープリングの間に配置した真空パネルの無い環状の平滑な側壁部とを有しており、前記基部は前記プラスチックボトルの支持面を形成し、被作動式可動要素を備えた底端部を有しており、
前記方法は、
前記プラスチックボトルの高温充填と、
前記高温充填したプラスチックボトルの蓋締めと、
前記高温充填し、蓋締めした各プラスチックボトル内の冷却による真空の創出とを含み、各真空は前記対応するプラスチックボトルの環状の平滑な側壁部における一時的な変形をもたらし、各プラスチックボトルの一時的な変形は前記プラスチックボトルの半コラプス状態をもたらし、
また、前記方法は、
前記プラスチックボトルのそれぞれが他の複数のプラスチックボトルに接触するような前記一時的な変形をした半コラプス状態の前記プラスチックボトルの運搬を含んでおり、前記プラスチックボトルのそれぞれの前記第1及び第2の凹んだフープリングは、前記プラスチックボトルを一時的に変形した半コラプス状態で運搬する間、前記プラスチックボトルの運搬のために実質的に安定した接触点を提供し、
また、前記方法は、
前記運搬の後、前記運搬した各プラスチックボトルの前記可動要素を作動させることを含んでおり、前記作動は、前記可動要素の第1ポジションから第2ポジションへ移動させることを含み、前記第2ポジションは前記第1ポジションよりも前記プラスチックボトルの内方にあり、前記作動は少なくとも真空の一部を除去することを特徴とするプラスチックボトルの取扱い方法。
【請求項23】
前記高温充填と、前記蓋締めと、前記真空の創出と、前記運搬と、前記作動との間、前記可動要素は常に前記支持面より上方にあることを特徴とする請求項22に記載のプラスチックボトルの取扱い方法。
【請求項24】
前記可動要素の作動は機械的な装置によることを特徴とする請求項22に記載のプラスチックボトルの取扱い方法。
【請求項25】
前記可動要素の作動は、前記可動要素への物理的な接触をすることなく行うことを特徴とする請求項22に記載のプラスチックボトルの取扱い方法。
【請求項26】
前記真空の一部は、全ての前記真空であることを特徴とする請求項22に記載のプラスチックボトルの取扱い方法。
【請求項27】
前記真空の一部は全ての前記真空よりも小さく、前記方法は、さらに1以上の補足的な真空パネルを用いて残りの真空の一部を除去することを含むことを特徴とする請求項22に記載のプラスチックボトルの取扱い方法。
【請求項28】
前記残りの真空の一部は、前記残りの真空の全ての部分であることを特徴とする請求項27に記載のプラスチックボトルの取扱い方法。
【請求項29】
前記可動要素の作動は、全ての前記真空を除去し、前記プラスチックボトル内に正の圧力を生じさせることを特徴とする請求項22に記載のプラスチックボトルの取扱い方法。
【請求項30】
前記作動は、1以上の可動要素、及び/又は、1以上の補足的な真空パネルの移動による前記プラスチックボトルの非物理的な加圧を含むことを特徴とするプラスチックボトルの取扱い方法。
【請求項31】
複数の充填容器の取扱いシステムであって、前記容器のそれぞれは内容積を決める胴部と基部とを含んでおり、前記胴部は、第1環状部と、第2環状部と、側壁部とを有しており、前記基部は、容器の支持面を形成し、第1の外方へ傾向したポジションから第2の内方へ傾向したポジションへ移動できるように形成した可動要素を備えた底端部を有しており、
前記システムは、
容器に製品を充填する充填手段を有しており、前記製品は高温であり、
また、前記システムは、
前記充填した容器にキャップで蓋締めと密封する蓋締め手段と、
前記充填し、蓋締めした容器を冷却する冷却手段とを有しており、前記冷却は容器内に真空を創出し、前記真空は一時的に容器の部分的なコラプスをもたらし、
また、前記システムは、
前記容器の1以上の実質的に安定した当接点が少なくとも1つの他の容器の対応する1以上の実質的に安定した当接点と接触するように、前記冷却し部分的にコラプスした容器を取扱う取扱い手段を有しており、前記1以上の実質的に安定した当接点を、前記第1環状部と前記第2環状部のうち関連する1つによって実現しており、
また、前記システムは、
前記第1の外方へ傾向したポジションから前記第2の内方へ傾向したポジションへ反転させる反転手段を有しており、前記反転は前記真空の一部を除去することを特徴とする充填容器の取扱いシステム。
【請求項32】
前記真空の部分は、全ての前記真空であって、前記真空の全ての除去が前記容器を実質的にコラプスしていない状態にすることを特徴とする請求項31に記載の充填容器の取扱いシステム。
【請求項33】
前記充填と、前記蓋締めと、前記冷却と、前記取扱いと、前記反転との間、前記可動要素は常に前記支持面の上方にあることを特徴とする請求項31に記載の充填容器の取扱いシステム。
【請求項34】
前記反転手段は機械的な装置であることを特徴とする請求項31に記載の充填容器の取扱いシステム。
【請求項35】
前記反転手段は、全ての前記真空を除去し、前記容器内に正の圧力を生じさせることを特徴とする請求項31に記載の充填容器の取扱いシステム。
【請求項36】
前記反転手段は、前記可動要素に物理的に接触することなく、前記可動要素を反転させることを特徴とする請求項31に記載の充填容器の取扱いシステム。
【請求項37】
前記反転手段は、前記真空、並びに、前記容器及び前記可動要素の前記構成であることを特徴とする請求項31に記載の充填容器の取扱いシステム。
【請求項38】
複数の充填したプラスチック容器の運搬方法であって、前記プラスチック容器のそれぞれは、胴部と基部とを有しており、前記基部は実質的に平坦な面上において前記容器を支持する支持面を形成しており、また前記基部はその底端部に配置した可動要素を有しており、前記可動要素は前記容器内の真空を除去するために実質的に恒久的に移動可能であり、
前記方法は、
高温充填し、蓋締めした複数のプラスチック容器の冷却を含み、前記冷却は、前記高温充填し、蓋締めしたプラスチック容器のそれぞれの中に真空を創出し、前記真空はそれぞれ前記対応するプラスチック容器の一部のコラプスをもたらし、
また、前記方法は、
それぞれのコラプス部を一時的に相殺しながらの前記プラスチック容器の運搬と、
前記運搬後の前記プラスチック容器のそれぞれの前記可動要素の作動とを含み、前記作動は、前記真空の一部を除去するため、前記可動要素が第1ポジションから第2ポジションへ実質的に恒久的に移動することを含むことを特徴とするプラスチック容器の運搬方法。
【請求項39】
前記プラスチック容器それぞれの前記胴部は第1環状部と、第2環状部と、前記2つの環状部の間に配置した平滑な側壁とを含んでおり、
前記プラスチック容器のコラプスする部分は、前記平滑な側壁であり、第1環状部と第2環状部には実質的にコラプスは生じず、
前記運搬を前記プラスチック容器のそれぞれが他の複数のプラスチック容器に接触するように行い、前記プラスチック容器の前記第1および第2環状部は、前記プラスチック容器の運搬のために実質的に安定した当接点を提供することを特徴とする請求項38に記載のプラスチック容器の運搬方法。
【請求項40】
1以上の補足的な真空パネルは、前記運搬の間、前記真空を一時的に相殺することを特徴とする請求項38に記載のプラスチック容器の運搬方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−514566(P2012−514566A)
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544643(P2011−544643)
【出願日】平成22年1月4日(2010.1.4)
【国際出願番号】PCT/US2010/020045
【国際公開番号】WO2010/080731
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(502326130)グラハム パッケージング カンパニー,エル ピー (15)
【Fターム(参考)】