説明

容器を形成して充填する装置

可塑化されたプラスチック材料の少なくとも1本のチューブが、開放された型(17)内へ押出し可能な、容器を形成して充填する装置であって、その場合に互いに分離された複数の機能通路(21、39)を有する充填装置(9)によって、少なくとも充填物質が、該当する型(17)の1つに対応づけられた充填マンドレル(11)によって、それぞれの容器内へ投入可能である、前記装置は、マンドレル−保護カバー(27)が設けられており、それが、少なくとも1つの機能空間(31、35)を有し、その機能位置において、清掃および/または滅菌および/または乾燥のために、そのそれぞれの機能空間(31、35)とそれぞれ対応づけ可能な、充填装置(9)の機能通路(21、39)との間に媒体を供給する接続が形成され、かつ容器形成と充填の間、その機能位置から遠ざけられていることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可塑化されたプラスチック材料の少なくとも1本のチューブが、開放された型内へ押出し可能である、容器を形成して充填する装置に関するものであって、その場合に、互いに分離された複数の機能通路を有する充填装置を用いて、少なくとも充填物質が、該当する型に対応づけられた充填マンドレルを用いてそれぞれの容器内へ挿入可能である。
【背景技術】
【0002】
周知の従来技術において、bottelpack(登録商標)のもとで、自動化された容器の成形(ブローまたは真空成形)、充填および閉鎖を経済的な方法で可能にする、システムが知られている。上述した容器内へ極めて敏感な製品、たとえば薬品、を充填しようとする場合に、無菌梱包のための国際的な基準が満たされなければならない。満足のゆくようにするために、既知の解決においては、組み合わされた真空−溶接工程によって、容器の所望の頭部閉鎖を形成するために、充填プロセスの終了後に移動可能な型部分が閉鎖されるまで、型は、それが充填位置へ移動された場合に、容器の開放された充填開口部の上方を無菌空気が流れて、菌の侵入に対して有効な保護を形成している、いわゆる注入無菌室(ASR)の下方にある。この種の注入無菌室と容器を無菌充填するためのその装置は、従来技術においては、たとえば特許文献1または特許文献2における形式で知られている。
【0003】
形成する場合に、国際分類に従ってクラス100に相当する、無菌性を保証するために、他の措置として、一定の順番で、各場合において形成周期の開始時に、充填装置の機能通路も、それと協働する部分も、入念な清掃と殺菌が実施される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国公開公報DE48087A1
【特許文献2】米国特許US5862840
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、清掃および滅菌工程において特に簡単で、従来技術に比較して改良された効率で実施することができる、考察される種類の装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、この課題は、その全体において特許請求項1の特徴を有する装置によって解決される。
【0007】
それによれば、本発明の特殊性は、マンドレル保護カバーが設けられており、それが、少なくとも1つの機能空間を有し、その機能位置において、清掃および/または滅菌および/または乾燥のために、そのそれぞれの機能空間とそれぞれ対応づけ可能な、充填装置の機能通路との間に媒体を供給する接続が形成され、かつ容器形成と充填の間、その機能位置から遠ざけられていることにある。それによって、充填装置のそれぞれの機能通路を介して、清掃、滅菌、冷却/乾燥などのために考えられる媒体を、保護カバー内部の1つまたは複数の機能通路内へ導入する可能性が拓かれる。換言すると、保護カバーが、清掃装置、滅菌装置および/または乾燥装置の構成要素を形成し、その装置は、形成周期を始動させるため装置を無菌状態へ移行させるために、然るべき媒体供給を介して充填装置から駆動可能である。
【0008】
合理的に形成するように設計された、装置の組立型において、少なくとも1つの充填マンドレルが、長手摺動によって選択された駆動位置へ調節可能であって、保護カバーと協働する駆動位置においては、長手部分が、機能位置にある保護カバーの少なくとも1つの機能空間内に収容されている。それによって、実施すべき清掃、滅菌または乾燥/冷却工程のために設けられた媒体が、それぞれの充填マンドレルの内部に、あるいはそれに沿って延びる、該当する機能通路を介して直接、保護カバーの内部の該当する空間内へ流入することができる。それによって、媒体によって貫流されるシステムの機能通路の清掃、滅菌および乾燥がもたらされるだけでなく、保護カバーの機能空間内に位置する充填マンドレルの外側にも、然るべき媒体が供給されるので、清掃、滅菌および乾燥の工程は、保護カバー内に収容されている、それぞれの充填マンドレル部分の外側にも作用する。
【0009】
特に好ましい実施例において、保護カバーは第1と第2の機能空間を有しており、それらは、それぞれの充填マンドレルの長手摺動の方向に互いに変位されており、かつそれら機能空間の第1のものは、それぞれの充填マンドレルの終端部分、すなわち充填する際に充填通路として用いられる、充填マンドレル内の中央に延びる機能通路の出口に位置する終端部分、を収容する。従って、充填通路を通って流れて、充填物質出口から流出する媒体によって、充填マンドレルの終端部分の回りが直接洗浄されるので、充填通路自体の無菌状態を形成する場合に、同時にそれぞれの充填マンドレルの終端部分の外側が処理される。
【0010】
好ましくは、保護カバーの第2の機能空間は、それぞれの充填マンドレルの、終端部分に連続する長手部分を収容するように定められ、かつ流入開口部を有しており、然るべき駆動位置において、かつ保護カバーの機能位置において、それぞれの充填マンドレルがその流入開口部を通って延びており、かつその流入開口部を介して、第2の機能空間と充填装置の他の機能通路との間の接続が形成可能である。この種の通路は、たとえば、チューブ形成の工程において支持空気として用いられる、滅菌空気の供給のため、あるいは冷却媒体用の供給通路として、設けることができる。保護カバーの第2の機能空間内に収容された、充填マンドレルの長手部分と、少なくとも1つのこの種の媒体供給通路との間に接続が形成されていることによって、清掃、滅菌および乾燥媒体の供給は、媒体供給通路の然るべき処理をもたらすだけでなく、保護カバーの第2の機能空間内に収容された、該当する充填マンドレルの外側にも作用する。
【0011】
それぞれの充填マンドレルが押出しヘッドを通って延びており、その押出しヘッドが、好ましくは列をなして配置された、チューブを形成する押出し流出ノズルを備えた細長い組立形状を有し、その押出し流出ヘッドに然るべき列の充填マンドレルが対応づけられている構造において、押出しヘッドが、好ましくは端面を有しており、それぞれの第2の機能空間の流入開口部を有する保護カバーの天井壁が、その機能位置においてその端面に平面的に添接する。その場合に、特に好ましい実施例においては、他の機能通路が、充填マンドレルの外側に沿って押出しヘッドを通って延びており、かつその押出しヘッドの端面において次のように開口する、すなわち添接する保護カバーの天井壁内の流入開口部を介して、他の機能通路が充填マンドレルの外側に沿って流入開口部を通して保護カバーの内部へ突出することによって、その第2の機能通路への接続が形成されるように開口する、配置がなされる。
【0012】
好ましくは、保護カバーの各機能空間は、媒体出口を有しており、その媒体出口を介して、充填装置の機能通路との接続によって供給されるそれぞれの媒体、たとえば清掃および/または滅菌媒体および/または冷却/乾燥媒体が、外部へ搬出できる。
【0013】
好ましい実施例において、保護カバーがシールドヘッドを形成し、そのそれぞれの流入開口部に第2の機能空間が接続され、その第2の機能空間は、同軸に続く第1の機能空間からシール挿入片によって分離されており、そのシール挿入片が、充填物質出口を形成する、充填マンドレルのニードル形状の終端部分が第1の機能空間内へ進入するための中央の通路を形成するように、配置をなすことができる。
【0014】
保護カバーは、その天井壁が押出しヘッドの端面に沿って摺動することによって、機能位置へ、かつ機能位置から移動できるように配置することができ、それは、保護カバーの摺動運動のために1つのリニア駆動装置しか必要とされないことによって、簡単な構造を可能にする。
【0015】
特にコンパクトな構造を特徴とする実施形態においては、充填装置は、それぞれの充填マンドレルの中央の充填通路に対応づけられた配量装置の他に、供給装置も有しており、その供給装置によって充填通路にも、その他の機能通路にも所望の処理媒体および/または作業媒体、従ってたとえば清掃媒体、滅菌媒体、乾燥媒体または冷却媒体、が選択的に供給可能である。
【0016】
特に好ましい実施例において、充填マンドレルの外部でその外側に沿って延びる少なくとも1つの機能通路に、ガス状の滅菌媒体が供給可能であって、その媒体は、チューブを形成する押出し工程の流れに沿って押出しヘッドの前側で流出可能であり、かつチューブ内側において、チューブを安定させる支持空気として用いられる。それによって、容器の成形工程前にチューブがつぶれることが防止されるだけでなく、滅菌空気がチューブ内部に滅菌室を形成する。もっと正確に言うと、チューブの内部と、充填位置に移動された場合の型は、いわゆる注入無菌室(ASR)内に位置し、その中では、組み合わされた真空−溶接工程によって容器の所望の頭部閉鎖を形成するために、充填工程の終了後に型の移動可能な頭部側板が閉鎖されるまで、滅菌空気がそれぞれの容器の開放された充填開口部の上方を流れて、菌の侵入に対する有効な保護を形成する。
【0017】
以下、図面に示す実施例を用いて、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に基づく形成装置の実施例を、著しく簡略化して、一部垂直に破断して示す全体表示であって、その場合に形成工程の内部で、この視認可能な充填マンドレルの充填ニードル形状の端部が、移動可能な型部分を備えた型内へ延びる、駆動状態が示されている。
【図2】図1に比較してやや拡大して、一部垂直断面で、押出しヘッドと付属の充填装置を備えた充填マンドレルのみを示しており、その場合に充填マンドレルは、その長手軸が保護カバー内に収容される駆動位置で示されており、その保護カバーは、押出しヘッドの機能位置においてその端面に位置している。
【図3】図2に相当する表示であるが、その場合に充填マンドレルは、押出しヘッド内へ引き込まれた駆動位置にあって、その場合に保護カバーは、その機能位置から出るように移動することができる。
【図4】図2と3に比較して著しく拡大して、部分的に破断して示す垂直断面図であって、その場合に図2に示す駆動および機能位置が図示されている。
【図5】図式的に簡略化して示す垂直断面図であって、図1におけるのと同様に、唯一の視認可能な充填マンドレルの充填位置が示されており、その外側に沿って押出しヘッドと型の間でチューブの内部に延びる無菌室が示されている。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1には、装置架台が、全体を符号1で示されている。そのベースフレーム3には、押出しヘッド5が支承されており、その押出しヘッドは、この種の装置においてそれ自体知られたやり方で、少なくとも1つの押出しノズル(図4と5内の50)を有しており、その押出しノズルから、駆動中に押出しヘッド5の端面7においてチューブ(図5内の53)が流出し、そのチューブは、押出しヘッド5へ供給される可塑化されたプラスチック材料から形成されている。たとえば、bottelpack(登録商標)方法に従って作動する装置の形式の、この種の押出し装置は、それ自体知られており、押出しヘッド5の詳細を詳しく説明することは必要とされない。ただ、注意すべきことは、少なくとも1つの充填マンドレル11を有する充填装置9が設けられており、その充填マンドレルが、押出しヘッド5内で長手方向に延びていることである。なお、図においてはそれぞれ充填マンドレル11を備えた1つの充填装置9のみが示されているが、押出しヘッド5は、好ましくは図面平面に対して垂直の方向に長く延びており、かつ図面平面に対して垂直の列内に配置された、充填マンドレル11を備えた多数の充填装置9を設けることができる。
【0020】
図示の装置においては、通常のように、それぞれの充填マンドレル11は、長手方向に、たとえばその充填装置9によって架台支持体13に走行可能に軸承されるようにして、様々な選択された駆動位置へ走行することができる。各場合において、充填マンドレル11は、クロック駆動されて、形成および充填工程と清掃、滅菌および乾燥のために必要な駆動位置へ、調節可能である。
【0021】
図1と5は、充填マンドレル11を、充填工程のために前へ送られた駆動位置で示しており、その場合に充填ニードル形状に細くなった終端部分15が、頭部側をまだ閉鎖されていない型17内へ送り込まれている。その場合にカルーセル配置の形式で、個別型部分19は、閉鎖された形成型を形成するために、仮想の円弧トラック上で互いに対をなして近づくように移動され、型を開放するために再び互いに離れるように移動される。終端部分15から充填物質を配量して放出するために、各充填マンドレル11は、図4と5に符号21で示す充填通路の形式の、中央に位置する機能通路を有している。中央の充填物質導管23から、各充填装置9の制御可能な配量ユニット25に、充填すべき製品を供給することができる。配量ユニット25は、各充填工程に必要な配量量を付属の充填通路21へクロック制御で放出する。
【0022】
図1と5とは異なり、図2から4は、形成駆動が開始される前に、準備する措置が実施される間、該当する充填マンドレル11が占める駆動位置を示している。これに関して図2と4は、型17の領域から引き戻された充填マンドレル11が、ある長手領域において保護カバー27内に収容される、駆動位置を示している。その長手領域は、図4からもっとも明らかなように、充填物質出口とそれに連続する長手部分29とを備えた充填ニードル形状の終端部分15である(図4)。終端部分15は、保護カバー27の内部の第1の機能空間31内に位置し、その場合に出口通路33が、空間31からの媒体出口を形成している。終端部分15に連続する長手部分29は、保護カバー27内で第2の機能空間35内に収容されており、そこから同様に、(図示されない)出口通路が、外部への媒体搬出を可能にする。空間31と35は、シール挿入片37によって互いに分離されており、充填マンドレル11が図2と4に示す駆動位置をとった場合に、そのシール挿入片37を通して充填ニードル形状の終端部分15が第1の空間31内へ延びる。この種の装置においてそれ自体知られたやり方で、中央の充填通路21のように、充填マンドレル11内に延びる機能通路の他に、図4と5のみに詳細に示されるような、媒体供給通路として用いられる、少なくとも1つの他の機能通路が設けられており、同図においてこの通路は、符号39で示されている。この他の機能通路39は、図4と5から明らかなように、該当する充填マンドレル11の外側に沿って、流入−供給接続端41(図5)から始まって、押出しヘッド5の端面7に設けられた出口開口部40までつながって延びている。場合によっては存在する、たとえばマンドレル冷却−入口とマンドレル冷却−出口のような、付加的な機能通路のために設けられる接続端は、図5において符号42と44で示されている。
【0023】
図2と4に示す駆動状態において、保護カバー27のフードボディ45の天井壁47は、押出しヘッド5の端面7に平面的に添接している。その場合にフードボディ445の天井壁47内の流入開口部51の端縁は、機能通路39の開口部40へ向けられているので、機能通路39は流入開口部51を介して第2の機能空間35の内部へ突出している。同時に、保護カバー27の第1の機能空間31は、終端部分15に設けられた充填物質開口部を介して充填通路21と接続されている。
【0024】
図2と4に示す駆動状態において、保護カバー27のフードボディ45の天井壁47は、押出しヘッド5の端面7に平面的に、特に、該当する押出しノズル開口部50の端縁の内部において、添接し、その押出しノズル開口部に対してフードボディは、天井壁47内に収容されたシール配置49によってシールされている。シール配置49の内部において、ボディ45の天井壁47は、流入開口部51を有しており、それを通って充填マンドレル11の長手部分29が、保護カバー27へ延びている。流入開口部51の大きさは、流入開口部51の端縁に設けられた媒体供給通路39の開口部40が、保護カバー27内の第2の機能空間35と接続されているように、定められている。同時に、保護カバー27の第1の機能空間31が、終端部分15に設けられた充填物質開口部を介して充填通路21と接続されている。
【0025】
この駆動状態において、清掃と滅菌に関わり合うすべての措置は、充填マンドレル11の通路21、39と保護カバー27の空間31および35との接続を介して実施される。その場合に、供給接続端23と通過状態に切り替えられた配量装置25を介して、充填通路21を清掃する清掃液が機能空間31内へ流入するようにすることができ、その液は、通路33を介して機能空間から流出する。媒体供給通路39と第2の機能空間35との間の接続を介して、充填装置9の供給接続端41から他の媒体供給が可能であって、それによって充填マンドレル11の長手部分29の周面側が清掃され、あるいは滅菌される。充填マンドレル11の同じ駆動位置において、かつ保護カバー27が機能位置にある場合に、充填通路21の清掃に続いて、充填装置9を介して少なくとも121℃の熱い蒸気が充填通路21を介して流入することにより、滅菌工程が導入され、その熱い蒸気は、充填通路21の内側だけでなく、保護カバー27の空間31の内部において終端部分15の外側も滅菌する。同様にして、媒体供給通路39を介して滅菌する熱い蒸気が保護カバー27の空間35内に流入することができるので、部分29の外側も滅菌される。
【0026】
次に、清掃および滅菌工程において一般的なやり方で、同じ媒体接続を介して然るべき乾燥/冷却方法を実施することができ、その場合に先行する滅菌蒸気の復水は、滅菌空気の供給によって吹き出される。
【0027】
乾燥に続いて、該当する充填マンドレル11が、図3に示す駆動位置へ引き戻されるので、保護カバー27は、図2から4に示す機能位置から離れるように移動され、その場合に保護カバー27は、たとえば、押出しヘッド5の端面7において図面平面に対して垂直の方向へ摺動される。
【0028】
保護カバー27を機能位置から遠ざけた後に、装置は、形成周期を開始する準備ができている。図1と5に示す製造相の間、充填マンドレル11の外側に沿って延びる機能通路39の開口部40が、押出しノズル開口部50から流出するチューブ52(図5)の内部に位置していることによって、機能通路39を介して供給された媒体が、チューブ52の内部へ流入する。従って、このチューブは、押出しヘッド5から型17内へ至るその推移において、閉鎖された空間を形成する。従って、機能通路39を介して滅菌空気が流入する場合に、注入無菌室53が形成され、その内部で全製造工程、すなわち、型17の該当する頭部側板の閉鎖によって実施される、充填された容器の頭部閉鎖の形成まで、が実施される。型の該当する機構は、それ自体知られているので、図面には、全体を符号17で示す型は、図式的に単純化され、従ってメイン型部分と頭部型部分の表示なしで、示されている。従って、本発明に基づく形成によって、流出開口部40を介して、供給される支持空気によるチューブの滅菌だけでなく、滅菌空気が吹き込まれることにより、滅菌ゾーンの形成も得られるので、本装置は、滅菌法(クラス100)に関する国際基準に特別な程度において適合する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可塑化されたプラスチック材料の少なくとも1本のチューブが、開放された型(17)内へ押出し可能である、容器を形成して充填する装置であって、
互いに分離された複数の機能通路(21、39)を有する充填装置(9)によって、少なくとも充填物質が、該当する型(17)に対応づけられた充填マンドレル(11)によって、それぞれの容器内へ投入可能である、ものにおいて、
マンドレルの保護カバー(27)が設けられており、
保護カバー(27)は、
少なくとも1つの機能空間(31、35)を有し、
その機能位置において、清掃および/または滅菌および/または乾燥のために、そのそれぞれの機能空間(31、35)とそれぞれ対応づけ可能な、充填装置(9)の機能通路(21、39)との間に媒体を供給する接続が形成され、かつ
容器形成及び充填の間、その機能位置から遠ざけられている、
ことを特徴とする容器を形成して充填する装置。
【請求項2】
少なくとも1つの充填マンドレル(11)が、
長手摺動によって選択された駆動位置へ調節可能であって、
駆動位置においては保護カバー(27)と協働し、長手部分(15、29)が、機能位置にある保護カバー(27)の少なくとも1つの機能空間(31、35)内に収容されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
保護カバー(27)が、第1の機能空間(31)と第2の機能空間(35)を有し、
これらの機能空間は、充填マンドレル(11)の長手摺動の方向に互いに対して離間されており、かつ
前記第1の機能空間(31)が、充填マンドレル(11)の終端部分(15)であって、充填の際に充填通路(21)として用いられ、充填マンドレル(11)内の中央に延びる機能通路の出口が設けられている終端部分(15)、を収容する、
ことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
保護カバー(27)の第2の機能空間(35)が、それぞれの充填マンドレル(11)の、終端部分(15)に連続する長手部分(29)を収容するように定められ、かつ流入開口部(51)を有しており、
保護カバー(27)が作動状態で、かつ機能位置にある場合に、前記流入開口部を通ってそれぞれの充填マンドレル(11)が延びており、前記流入開口部を介して第2の機能空間(35)と充填装置(9)の他の機能通路(39)との間の接続が形成される、
ことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
それぞれの充填マンドレル(11)が、押出しヘッド(5)を通って延びており、
前記押出しヘッド(5)が端面(7)を有し、
保護カバー(27)の、それぞれ第2の機能空間(35)の流入開口部(51)を有する天井壁(47)が、その機能位置において、前記端面(7)に平面的に添接し、かつ
他の機能通路(39)が、充填マンドレル(11)の外側に沿って押出しヘッド(5)を通って延びており、かつ、前記端面(7)において、添接する保護カバー(27)の天井壁(47)内の流入開口部(51)を介して第2の機能空間(35)への接続が形成されるように、開口している、
ことを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
保護カバー(27)の各機能空間(31、35)が、媒体出口(33)を有しており、
前記媒体出口を介して、充填装置(9)の機能通路(21、39)との接続によって供給される媒体、たとえば清掃および/または滅菌媒体および/または冷却/乾燥媒体、が外部へ搬出可能である、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
保護カバー(27)が、保護ボディ(45)を形成し、
前記保護ボディのそれぞれの流入開口部(51)に第2の機能空間(35)が接続され、
前記第2の機能空間(35)が、同軸状に続く第1の機能空間(31)からシール挿入片(37)によって分離されており、
前記シール挿入片(37)が、充填マンドレル(11)の、充填物質出口を形成する充填ニードル形式の終端部分(15)が第1の機能空間(31)内へ進入するための、中央の通路を形成している、
ことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
保護カバー(27)は、その天井壁(47)が押出しヘッド(5)の端面(7)に沿って摺動することによって、機能位置へ、かつ機能位置から移動可能である、
ことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
充填装置(9)は、それぞれの充填マンドレルの中央の充填物質通路に対応づけられた配量装置(25)の他に、供給装置(23、41)も有しており、前記供給装置によって充填物質通路(21)にも、その他の機能通路(39)にも、選択的に清掃媒体、滅菌媒体、乾燥媒体または冷却媒体が供給可能である、ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
充填マンドレル(11)の外部に位置し、充填マンドレル(11)の外側に沿って案内される流れルートを形成する、機能通路(39)に、ガス状の滅菌媒体を供給可能であって、
前記媒体が、
チューブ(52)を形成する押出し工程の流れに沿って、押出しヘッド(5)の端面(7)において流出可能であって、かつ
チューブ内側において、チューブ(52)を安定させる支持空気として用いられ、かつ
前記チューブ内に滅菌ゾーンも形成する、
ことを特徴とする請求項9に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−524840(P2011−524840A)
【公表日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−513920(P2011−513920)
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【国際出願番号】PCT/EP2009/004151
【国際公開番号】WO2009/152979
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(501455529)
【Fターム(参考)】