説明

容器内のガス置換装置、及びその方法

【課題】
本発明は、可能な限り少量の不活性ガスを使用して、高いガス置換率を維持し、効率的でかつ高速で簡便な不活性ガスの置換方法、及びそのための装置を提供する。
【解決手段】
本発明は、内容物が充填され上部が開口している容器内の大気を不活性ガスで置換するための装置であって、不活性ガスの供給口を有するチェンバーの底面開口部が複数の穴を有するノズルプレートとなっており、当該ノズルプレートを搬送装置で搬送される容器の開口部上方に位置するように配置した不活性ガス供給用のチェンバーを複数個設置し、上流側のチェンバーの不活性ガスの流量が、下流側のチェンバーの不活性ガスの流量よりも大きくなるようにしたことを特徴とする容器内のガス置換装置、及びその方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物が充填され上部が開口している容器内の大気を不活性ガスで置換する方法であって、不活性ガスの供給口を有するチェンバーの底面開口部が複数の穴を有するノズルプレートで覆われた不活性ガス供給用のチェンバーを複数個用いて、不活性ガスを当該ノズルプレートから搬送装置で搬送される容器の開口部上方に噴射する際に、上流側のチェンバーの不活性ガスの流量が、下流側のチェンバーの不活性ガスの流量よりも大きくなるようにしたことを特徴とする容器内の大気を不活性ガスで置換する方法に関する。また、本発明は、内容物が充填され上部が開口している容器内の大気を不活性ガスで置換するための装置であって、不活性ガスの供給口を有するチェンバーの底面開口部が複数の穴を有するノズルプレートとなっており、当該ノズルプレートを搬送装置で搬送される容器の開口部上方に位置するように配置した不活性ガス供給用のチェンバーを複数個設置し、上流側のチェンバーの不活性ガスの流量が、下流側のチェンバーの不活性ガスの流量よりも大きくなるようにしたことを特徴とする容器内のガス置換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
容器などの内容物の酸化や変質を防止するために、容器の内部の空気を窒素や二酸化炭素等の不活性ガスに置換するガス充填包装が行われている。このガス充填包装は、一般に95%以上のガス置換率を達成することが必要とされている。ガス置換の方法としては、容器等を密閉された置換室内へ搬入し、置換室内を一旦真空状態にした後、不活性ガスを導入して容器内のガスを置換し、シールして搬出する方法が知られている。しかし、この方法では、密閉系の特殊な置換室を必要とするだけでなく、連続処理が難しく、さらに、容器内のみならず置換室内全体のガスの置換を行うために、多量の不活性ガスを浪費することになる。
このために、搬送装置で搬送中の容器開口部に直接不活性ガスを吹き付けてガス置換を行う方法が提案されてきた(特許文献1参照)。しかし、この方法でガス置換率を一定以上に保とうとすると、装置が大型化するだけでなく、不活性ガスの多くが大気中に逃げてロスが大きくなるという欠点があった。これを改良した方法としては、不活性ガスの供給口を有するチェンバーの底面開口部を多数の穴を有するノズルプレートで覆い、当該ノズルプレートを搬送装置で搬送される容器の開口部上方に位置するように配置したもの(特許文献2参照)、密封工程から搬送上流側の所定搬送区間の始端側で、斜め上方から容器の開口部に向けて噴射する不活性ガスを、搬送下流側の方向に向けて噴射することにより、密封工程に向けて共に移動する容器とフィルムの間の空間に不活性ガスを流すことによる容器のヘッドスペースの空気を不活性ガスに置換するための方法(特許文献3参照)、容器の開口部に対して斜め上方から不活性ガスを噴射する噴射ノズルにより、搬送下流側の方向に向けて不活性ガスを噴射すると共に、それよりも前に、前記の噴射ノズルよりも搬送上流側に配置された別の噴射ノズルにより、上方から容器内のヘッドスペースの空気を隈なく追い出すような方向で不活性ガスを予め噴射しておくようにしたことを特徴とするカップ容器内ヘッドスペースのガス置換方法(特許文献4参照)、移送中の容器本体を置換ガスが供給される複数のガスフローノズルが備わるヘッダで一括して覆い、前記容器本体を前記ヘッダを通過する間に渡って不活性ガス雰囲気下に置くことから成る容器のガス置換方法(特許文献5参照)、内容物入りの多数列に配列された容器の残存空間に存在する空気を不活性ガスで置き換えるガス置換方法において、各列の前記容器のガス置換のためのガス吹き込み空間を、隣接する列のガス吹き込み空間から独立させた状態でガス置換することから成る多列容器のガス置換方法(特許文献6参照)などが提案されてきている。
【0003】
これらの方法は、容器の上部が開口した状態で不活性ガスによる置換を行うものであるが、このような方法では開口部が大きく不活性ガスを噴射とフィルムによるヒートシールによる封入までの間に噴射したガスが大気中に拡散してガス置換率が低下するという問題があった。このために、食品容器のような大きな容器については、容器の開口部の一部をヒートシールした後に、残された部分から不活性ガスのノズルを挿入して不活性ガス置換を行う方法が多数提案されてきている(特許文献7−14参照)。これらの方法では、吸引用ノズルと吐出用ノズルとの2本のノズルを使用する方法や、1本のノズルを挿入して、弁の切り替えによって、空気の吸引とガスの吐出とを行う方法などが提案されている。この方法では、ガスの無駄な消失を防止し得るが、容器等の内部のみを脱気するため、大気圧で容器等が変形し易いといった問題や、容器の中に挿入したノズルが容器内に充填されている内容物によって汚染されるという問題もあった。
また、医薬品のような小さな内容物を収納した容器については、前記したような容器の開口部の一部をヒートシールしてから不活性ガスを注入するという方法は装置的に困難であるし、ノズルの汚染は製品価値を無くしてしまうことから、容器の上部が開口した状態で不活性ガスによる置換を行うことになる。この場合にはガス置換率の低下を防止するために、内容物を容器に充填する前から不活性ガスによる置換を行い、内容物の充填後にも再度、不活性ガスを注入する方法という煩雑な方法が提案されている(特許文献15参照)。
【0004】
ところで、プレススルーパック(PTP)包装体は熱可塑性樹脂のプラスチックシート又はプラスチックフィルムを熱間圧空成型又は熱間真空成型等により内容物の大きさの形状に凹設部又は小さな深絞り成型容器を作り、その凹設部又は成型容器内に錠剤、トローチ剤、カプセル剤等の医薬品製剤、あるいは固形調味料、チョコレート、キャンデー、菓子等の食品類を充填し、凹設収納部をアルミニウム箔又は薄いリジットプラスチックシート等の蓋材で密封包装したものであり医薬品の錠剤、丸剤、トローチ剤、カプセル剤等の医薬品製剤の60%〜85%程度がPTP包装と言われているように、非常に多く使用されてきている。PTP包装においても、内容物の酸化や変質を防止するために、容器の内部の空気を窒素や二酸化炭素等の不活性ガスに置換するガス充填包装が行われている。PTP包装においては、米飯や総菜などの食品用のカップに比べて開口部の面積が小さく、ノズルによる不活性ガスの注入が難しく、かつ凹部の深度が相対的に浅いために充分なガス置換率を維持することが困難となる。充分なガス置換率を確保するためには、非常に多くの不活性ガスを噴射することになり、使用する不活性ガスの多くが無為に大気中に放出され無駄になるだけでなく、不活性ガスとして二酸化炭素等を使用する場合には環境破壊の一因にもなることから、効率的な不活性ガスの充填方法の開発が望まれて来ている。
【0005】
【特許文献1】特公昭50−15432号公報
【特許文献2】特開昭63−178917号公報
【特許文献3】特開2002−29507号公報
【特許文献4】特開2002−193212号公報
【特許文献5】特開2003−312610号公報
【特許文献6】特開2004−269020号公報
【特許文献7】特開昭62−251320号公報
【特許文献8】特開昭63−281930号公報
【特許文献9】実開昭63−192210号公報
【特許文献10】特開平2−45322号公報
【特許文献11】特開平3−56216号公報
【特許文献12】特開平8−192821号公報
【特許文献13】特開平9−19391号公報
【特許文献14】特開2006−62676号公報
【特許文献15】特開2004−182273号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、可能な限り少量の不活性ガスを使用して、高いガス置換率を維持し、効率的でかつ高速で簡便な不活性ガスの置換方法、及びそのための装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、二酸化炭素による環境問題が重要視されてきている現状に鑑みて、可能な限り少量の二酸化炭素などの不活性ガスを使用して、高いガス置換率を維持することができる不活性ガスの置換方法を検討してきた。装置を大型化することなく、従来の簡便な装置により置換率を向上させるために方法を検討してきたところ、不活性ガスの流れを制御した簡便な装置により高置換率を維持することができることを見出した。
【0008】
即ち、本発明は、内容物が充填され上部が開口している容器内の大気を不活性ガスで置換するための装置であって、不活性ガスの供給口を有するチェンバーの底面開口部が複数の穴を有するノズルプレートとなっており、当該ノズルプレートを搬送装置で搬送される容器の開口部上方に位置するように配置した不活性ガス供給用のチェンバーを複数個設置し、上流側のチェンバーの不活性ガスの流量が、下流側のチェンバーの不活性ガスの流量よりも大きくなるようにしたことを特徴とする容器内のガス置換装置に関する。
また、本発明は、内容物が充填され上部が開口している容器内の大気を不活性ガスで置換する方法であって、不活性ガスの供給口を有するチェンバーの底面開口部が複数の穴を有するノズルプレートで覆われた不活性ガス供給用のチェンバーを複数個用いて、不活性ガスを当該ノズルプレートから搬送装置で搬送される容器の開口部上方に噴射する際に、上流側のチェンバーの不活性ガスの流量が、下流側のチェンバーの不活性ガスの流量よりも大きくなるようにしたことを特徴とする容器内の大気を不活性ガスで置換する方法に関する。
さらに、本発明は、前記した本発明のガス置換装置を用いて容器内の大気を不活性ガスで置換した食品や医薬品などの内容物が充填された包装体に関する。より詳細には、前記した本発明のガス置換装置を用いて、前記した本発明の方法により、容器内の大気を不活性ガスで置換した食品や医薬品などの内容物が充填された包装体に関する。
【0009】
本発明をより詳細に説明する。本発明は、以下のとおりである。
(1)内容物が充填され上部が開口している容器内の大気を不活性ガスで置換するための装置であって、不活性ガスの供給口を有するチェンバーの底面開口部が複数の穴を有するノズルプレートとなっており、当該ノズルプレートを搬送装置で搬送される容器の開口部上方に位置するように配置した不活性ガス供給用のチェンバーを複数個設置し、上流側のチェンバーの不活性ガスの流量が、下流側のチェンバーの不活性ガスの流量よりも大きくなるようにしたことを特徴とする容器内のガス置換装置。
(2)不活性ガス供給用のチェンバーが2個である前記(1)に記載の装置。
(3)上流側のチェンバーにおける不活性ガスの流量が、下流側のチェンバーの不活性ガスの流量の1.5〜4倍である前記(1)又は(2)に記載の装置。
(4)チェンバー全部の不活性ガスの流量の平均が、1.3〜3.0L/分である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の装置。
(5)チェンバーの底面開口部のノズルプレートが、容器の開口部1個当たり2個のノズルとなっている前記(1)〜(4)のいずれかに記載の装置。
(6)最も下流側のチェンバーが、容器の開口部が大気と接触するのを防止するために、容器の開口部を密閉するためのシート又はフィルムの近傍に接する遮蔽チェンバーを有している前記(1)〜(5)のいずれかに記載の装置。
(7)遮蔽チェンバーが、搬送装置による搬送方向の下流方向に不活性ガスを噴射することができるノズルを有している前記(6)に記載の装置。
(8)内容物が医薬品であり、容器がPTP容器である前記(1)〜(7)のいずれかに記載の装置。
(9)内容物が充填され上部が開口している容器内の大気を不活性ガスで置換する方法であって、不活性ガスの供給口を有するチェンバーの底面開口部が複数の穴を有するノズルプレートで覆われた不活性ガス供給用のチェンバーを複数個用いて、不活性ガスを当該ノズルプレートから搬送装置で搬送される容器の開口部上方に噴射する際に、上流側のチェンバーの不活性ガスの流量が、下流側のチェンバーの不活性ガスの流量よりも大きくなるようにしたことを特徴とする容器内の大気を不活性ガスで置換する方法。
(10)不活性ガス供給用のチェンバーが2個である前記(9)に記載の方法。
(11)上流側のチェンバーにおける不活性ガスの流量が、下流側のチェンバーの不活性ガスの流量の1.5〜4倍である前記(9)又は(10)に記載の方法。
(12)チェンバーの底面開口部のノズルプレートが、容器の開口部1個当たり2個のノズルとなっている前記(9)〜(11)のいずれかに記載の方法。
(13)前記(1)〜(8)のいずれかに記載した装置を用いて、容器内の大気を不活性ガスで置換した包装体。
(14)包装体が医薬品包装体である前記(13)に記載の包装体。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、容器中に残留している大気のような酸素を含有する気体を、窒素ガスや二酸化炭素のような不活性ガスに置換する装置、及びその方法を提供するものであり、本発明の装置は小型で、簡便で、食品や医薬品などの不活性ガスで置換することを必要とする製品に広く適用可能な汎用性のあるものである。本発明の装置は、小型で簡便であるだけでなく、極めて効率的の不活性ガスでの置換が可能であり、従来の2/3〜1/2のガス量で、置換率90%を達成することができ、長期間にわたって安定した操業が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明における「内容物が充填され上部が開口している容器」について説明する。
本発明における内容物としては、カップ麺、保存用の米飯類、冷凍食品、菓子類、お総菜などの食品類、錠剤やカプセル剤などの医薬品類などが挙げられる。容器としては、これらの内容物が収納されたカップ、皿状や凹凸状に成形された成型容器、熱可塑性樹脂のシートを熱間圧空成型や熱間真空成型等により内容物大の形状に凹設部又は小さな深絞りした成型容器(本明細書では、PTP容器と称する。)などが挙げられる。
本発明における好ましい「内容物が充填され上部が開口している容器」としては、錠剤、トローチ剤、カプセル剤などの医薬品製剤が内容物として充填されたPTP容器が挙げられる。このようなPTP容器の材質としては、透明性と成形適性が良いポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(CPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、三フッ素塩化エチレン(PCTFE)、塩化ビニルと塩化ビニリデンの複合(PVDC)などのプラスチック、アルミニウム(AL)などの金属、又はこれらの組み合わせが使用されている。本発明においては容器に材質としては、いずれのものであってもかまわないが、不活性ガスによる置換が行われている間に、容器の形状が変化しない程度の形状安定性を有するものが好ましい。
【0012】
本発明における不活性ガスとしては、製品の酸化防止、成分の分解防止、製品の腐敗防止、及び/又は、色素成分の脱色防止などのために有効なガスであって、大気中の酸素を除去置換することができるものであれば特に制限はない。好ましい不活性ガスとしては、窒素ガス、二酸化炭素ガスなどが挙げられる。本発明においてより好ましい不活性ガスとしては、窒素ガスが挙げられる。
本発明における「チェンバー」とは、密閉された箱状のものであり、上部に1個又は2個以上の不活性ガスの供給口を有し、底面に供給された不活性ガスを噴出するノズルを複数個有している。チェンバーは、プラスチックや金属などのガスバリヤー性の材料でできており、不活性ガスの供給口から供給される不活性ガスを、容器の開口部の形状に合わせて不活性ガスを噴射することができるノズルをチェンバーの底面に有している。このようなノズルを有するチェンバー底面を本明細書においては、「ノズルプレート」と称する。
本発明のチェンバーは、密閉された箱状のものであればよいが、必要によりノズルプレートの側面に不活性ガスの漏洩を防止するためのカバーを設置することもできる。このようなカバーを、容器の移動方向に沿って設けることにより、ノズルプレートと容器を移動させるための搬送装置との間の大気の流動を防止することができる。
【0013】
本発明の装置は、前記した「チェンバー」を2個以上、好ましくは2個〜5個、より好ましくは2個〜3個有することを特徴とするものである。このような各チェンバーは、それぞれ同じ形状のものであっても、それぞれが異なる形状のものであってもよい。
【0014】
本発明の好ましい態様を図1に基づいて説明する。図1は本発明の装置及び搬送装置で移動する容器の断面を示したものである。図1では、図1の矢印で示されるように、容器は搬送装置により図1の左側から右方向へ移動している。
ガス置換装置1は、チェンバー2A及びチェンバー2Bからなっており、搬送装置11によって搬送される容器10の開口部10Aの上部に設置されている。ガス置換装置1を通過した容器10は、その開口部10Aが蓋材12により密閉される。蓋材12はロール16により搬送され、容器10の開口部10Aの上部を覆い、ヒートシール機13により密閉され、ロール14及びロール15により搬送されてガス置換された製品となる。
チェンバー2A及びチェンバー2Bの上部には不活性ガスの供給口3A及び3Bをそれぞれ有しており、当該供給口3A及び3Bからそれぞれ独立して供給された不活性ガスは、それぞれのチェンバー内を不活性ガスで満たし、それぞれのチェンバー2A及び2Bの設けられた複数個のノズル4A及4Bから、それぞれ独立した流量の不活性ガスをチェンバーの下方に噴出する。
この例では、ロール16により搬送される蓋材12と、搬送装置11の下流側のチェンバー2Bとの間に、容器10の開口部10Aが大気と接触するのを防止するためのリブ5Bが設けられている。リブ5Bを設けることは必須ではないが、容器10への大気の還流を防止して、ガス置換率を維持するために設けておくことが好ましい。
【0015】
複数個のチェンバーはそれぞれ独立したチェンバーとして設置してもよいし、大きなチェンバーを、ガス透過性の少ない材料、例えば、金属材料やプラスチック材料などで仕切って、複数のチェンバーとしてもよい。
また、ノズル4A及び4Bを有するノズルプレートは、各チェンバーの底面に孔を開けることにより製造することができる。ノズル4A及び4Bは、容器10の移動方向に1個以上、好ましくは2個以上有する。好ましくは容器10の移動方向に2個〜8個、又は2個〜4個の程度有する。これらのノズルの間隔は特に制限はなく、等間隔であってもよいが、入り口及び出口付近で密に、置換装置の中央部付近では粗になるように配置させるのが好ましい。好ましい配置としては、ノズルの直径によるが、ノズルの直径の2〜6倍、好ましくは2〜4倍程度が挙げられる。例えば、ノズルの直径が2mmの場合には、ノズルの中心の間隔は、4mm〜12mm、好ましくは4mm〜8mmとなる。
さらに、ノズル4A及び4Bは、容器10が移動する方向と直角方向にも1個以上存在している。直角方向のノズルの数としては、容器の開口部1個当たり、1〜4個、好ましくは1〜3個が挙げられる。特にPTP包装の場合には、容器の開口部1個当たり2個のノズルが好ましい。
【0016】
チェンバー2A及び2Bにはそれぞれ独立して、それぞれの不活性ガス供給口3A及び3Bが一定流量の不活性ガスが供給されている。したがって、各チェンバーにおける不活性ガスの供給量はノズルの数が多くても少なくても変わらないが、ノズル数が多くなると噴出する不活性ガスの圧力が低下する。反対に、ノズル数が少なくなると噴出する圧力は高くなる。容器の底が深く、容器の底面付近まで不活性ガスを噴射する必要がある場合には、噴射の圧力が高い方が好ましいし、反対の容器の底が浅い場合には噴射の圧力はそれほど高い必要は無いことになる。
ノズルプレートにおけるノズルの数及びその位置は、容器の形状や容器に充填されている内容物との関係、及び搬送装置の搬送速度(移動速度)により適宜設定することができるが、錠剤やカプセル剤などが充填されているPTP包装においては、充填されている内容物が気流に対して比較的安定なことや、開口部の面積に比べて深さが比較的浅いことから、容器の開口部1個当たりノズルの数が2個となるようにするのが好ましい。
ノズル4A及び4Bの大きさは特に制限は無く、容器の開口部の面積に応じて適宜設定することができる。好ましい大きさとしては、容器の開口部の直径の1/10〜1/2、好ましくは1/8〜1/4程度が挙げられる。
【0017】
本発明における搬送装置としては、容器の搬送を可能とするものであれば特に制限はなく、ベルトコンベヤやチェーンコンベヤのようなコンベヤを用いてもよいし、PTP包装のようなものであればPTPシート自体を搬送装置として利用することもできる。また、搬送装置の選択により搬送装置の駆動用のローラーの形状もローラーのようなものから歯車のような形状に適宜変更することができる。図1〜図4に示した例では、搬送装置11は連続したPTPシート自体であり、これを搬送用の駆動装置14及び/又は15にかませて駆動している。
容器を搬送する搬送装置11の搬送速度としては、10〜100容器/分、好ましくは20〜80容器/分程度が挙げられる。容器の搬送速度は速い方が製造効率が上がり好ましいが、不活性ガス置換ゾーンを通過する時間が短くなり不活性ガスの置換が不充分となるので、充分なガス置換率を維持できる最大速度とするのが好ましい。本発明の装置によれば、20容器/分〜40容器/分程度の速度で、90%以上の不活性ガス置換率を維持することができる。
【0018】
図2は、本発明の装置の他の例を示すものである。図2に例示される装置は、図1に示される装置におけるリブ5Bを、遮蔽チェンバー(不活性ガス噴射副室)6Bとし、その底面には噴射ノズル7Bが設けられている。図1に示されるリブ5Bは、不活性ガスで置換された後の容器が大気と接触するのを遮断するだけであったが、図2に示される遮蔽チェンバー(不活性ガス噴射副室)6Bは、ノズル7Bが直下方向ではなく、容器10の搬送方向(図2の容器の下方の矢印方向)に傾斜して設けられており、搬送方向に沿って斜め下方に不活性ガスの一部が噴射されており、大気の侵入を積極的に遮断するように構成されている。遮蔽チェンバー(不活性ガス噴射副室)6Bはチェンバー2Bと連通しており、不活性ガス供給口3Bから供給される不活性ガスの一部がノズル7Bから容器10の搬送方向に沿って斜め下方に噴射される構造になっている。
図2に示す例では、ノズル7Bは、容器10が搬送される方向に沿って1個とされているが、これに限定されるものではなく、必要に応じて2個以上のノズル7Bを設けることもできる。
遮蔽チェンバー(不活性ガス噴射副室)6Bを設けた図2に示される装置により、チェンバー2A及びチェンバー2Bにより不活性ガスで置換された容器10内の不活性ガスが、大気により再置換されることを効率的に防止することができる。
【0019】
図3は、図2に示される本発明の装置を上方から見たものである。チェンバー2A及び2B、並びにチェンバー2Bに連通している遮蔽チェンバー(不活性ガス噴射副室)6Bは、透明なプラスチックで構成されており、ノズル4A、4B、及び7Bが設けられているノズルプレートのすぐ上方からは、ノズルプレートの下方の容器10が透けて見えている。
搬送装置11は、図3の左側から右方向に移動しており、容器10が搬送装置の移動方向に沿って搬送されている。
図3に示される例では、各チェンバー2A及び2Bは、それぞれ容器10が搬送される方向に沿って4列のノズルが設けられており、遮蔽チェンバー(不活性ガス噴射副室)6Bには1列のノズル7Bが設けられている。
そして、容器10が搬送される方向と直角の方向には、それぞれ9列のノズルがもうけられており、容器10の開口部10Aの1個当たり、3個のノズルが設けられている構造になっている。図3の例では、1列当たり3個の容器10が同時に搬送されている例である。
搬送装置11により搬送される内容物が充填された容器10は、チェンバー2Aのノズル4Aから噴射される不活性ガスに晒され、不活性ガス雰囲気の中で容器10内の大気が不活性ガスにより置換される。容器10は搬送装置11によりさらに図2及び図3の右方向に搬送され、チェンバー2Bのノズル4Bによりさらに置換され、遮蔽チェンバー(不活性ガス噴射副室)6Bのノズル7B部分を経て、容器10の開口部10Aを密閉するために、ロール12により搬送される蓋材12により覆われ、密閉のための装置であるヒートシール機13により不活性ガスで置換された容器10が密閉されて製品化される。
【0020】
図4は、さらに本発明の不活性ガス置換装置の他の例を示すものである。図4に示される装置は、図2に示した装置の上流側に酸素濃度センサー9を設けたものである。
不活性ガス置換のチェンバー2Aの上流域における酸素濃度を検出することにより、不活性ガスによる置換が確実に実行されているか否かを判定することが可能となる。
【0021】
本発明者らは、図2又は図4によって示される装置を用いて、チェンバー2A及びチェンバー2Bに不活性ガス供給口3A及び3Bから供給される不活性ガスの流量と容器10における不活性ガスの置換率を検討した。
不活性ガスとして窒素ガスを用いて、容器10として錠剤が充填されたPTP包装を用いて検討した。容器10の搬送方向に対して上流側のチェンバー2Aの不活性ガス供給口3Aと、下流側のチェンバー2Bの不活性ガス供給口3Bの、それぞれの窒素ガスの流量を変化させて、容器10における窒素ガス置換率を検討した。
不活性ガス供給口3Aと不活性ガス供給口3Bのそれぞれに供給される不活性ガスの供給量(流量(L/分))の平均流量(L/分)に対する、容器10の窒素置換率を、不活性ガス供給口3Aと不活性ガス供給口3Bの流量がほぼ同じである場合(図5のグラフにおける黒四角印(■))、不活性ガス供給口3Aの流量が不活性ガス供給口3Bの流量よりも少ない場合(図5のグラフにおける黒三角印(▲))、不活性ガス供給口3Aの流量が不活性ガス供給口3Bの流量よりも多い場合(図5のグラフにおけるバツ印(×))のそれぞれの場合について測定した。
これらの実験における3Aと3Bの窒素流量(L/分)の比(3A/3B)を次の表1に示す。
【0022】
表1
窒素ガスの流量の変化による窒素置換率の実験における比(3A/3B)の値
実験1 実験2 実験3 実験4 実験5 実験6
3A=3B 0.95 0.93 0.85 0.91 0.89 0.92
3A<3B 0.52 0.38 0.35 0.32 0.28 0.23
3A>3B 1.79 2.2 2.4 3.0 3.0 3.71
【0023】
結果を図5のグラフで示す。図5のグラフの横軸は3Aと3Bの両者の平均窒素流量(L/分)を示し、縦軸は窒素置換率(%)を示す。黒四角印(■)は3Aと3Bの流量がほぼ同じ場合(3B=3A)、黒三角印(▲)は上流側の3Aの流量が下流側の3Bよりも少ない場合(3B>3A)、バツ印(×)は上流側の3Aの流量が下流側の3Bよりも多い場合(3B<3A)をそれぞれ示す。
この結果、平均流量が2.2L/分ではいずれの場合についても90%以上の窒素置換率を維持することができるのであるが、窒素ガスの流量を少なくした場合、例えば平均窒素流量が1.6L/分となった場合には、3Aと3Bの流量がほぼ同じ場合には窒素置換率は80%以下に低下し、このことは3Aの流量に比べて3Bの流量を多くした場合であっても同様であり、窒素置換率は70%程度に急落することがわかった。即ち、従来の方法で窒素置換率を90%以上に維持しようとする場合には、平均流量は2.2L/分以上としなければならなかった。
【0024】
一方、上流側の3Aの窒素流量を、下流側の3Bよりも多くした場合(図5のグラフのバツ印(×)参照)には、平均窒素流量を1.4L/分としても、窒素置換率は90%以上を維持することができることを見出した。この場合には、平均窒素流量が、2.2L/分の半分以下である1.0L/分とした場合であっても窒素置換率は80%以上を維持することができる。即ち、供給する不活性ガスの流量を従来の方法における半分としても置換率80%以上を維持することができ、その流量を2/3としても置換率90%を維持することができる。
このように、本発明の不活性ガス置換装置では、2個以上の複数の不活性ガス供給用のチェンバーを設け、容器の搬送方向に対して上流側のチェンバーの不活性ガスの流量を大きくすることにより、従来の2/3〜1/2程度の不活性ガスの流量で置換率90%以上、又は80%以上を達成することができることが判明した。
【0025】
3Aと3Bの窒素流量(L/分)の比(3A/3B)、即ち、上流側のチェンバーにおける不活性ガスの流量が、下流側のチェンバーの不活性ガスの流量の比としては、1.5以上であれば特に制限はなく、好ましくは1.5〜4程度が挙げられる。
【0026】
さらに、本発明者らは、容器の開口部1個当たりに対するノズル数について検討した。不活性ガスとして窒素を用いて、容器10として錠剤が充填されたPTP包装を用いて検討した。1個の容器とは、PTP包装におけるひとつひとつの凹部に相当する。
本発明における容器の開口部1個当たりに対するノズル数とは、容器(PTP包装の場合にはひとつひとつの凹部)の搬送方向と直角の方向における断面での容器の開口部の最大寸法(直径)におけるノズルの数をいう。例えば、図3の場合では、ノズル数は3個となっている。
このノズル数が、3個の場合(図6)、2個の場合(図7)、及び1個の場合(図8)について、種々の搬送装置の搬送速度において、それぞれ検討した。
結果を図6〜図8のグラフで示す。各グラフの横軸は3Aと3Bの両者の平均窒素流量(L/分)を示し、縦軸は窒素置換率(%)を示す。搬送装置の搬送速度(機械スピード)は、PTP包装の21シート/分(1シート当たり凹部を2個有しているので、容器当たりとしては42個/分である。以下同じ。)の場合を黒菱形印(◆)、25シート/分の場合を黒四角印(■)、30シート/分の場合を黒三角印(▲)、35シート/分の場合をバツ印(×)、40シート/分の場合をアスタリスク印(*)で、それぞれ示す。
【0027】
ノズル数が3個の場合(図6)では、平均窒素流量が1.4L/分程度までは置換率90%以上を維持することができるものの、平均流量が1.5L/分であっても90%以下となることが発生し、また、ノズル数が1個の場合(図8)には平均流量が1.5L/分では置換率90%を達成することができるが、平均流量が1.23L/分又はそれ以下では置換率90%以上を維持することができない場合が生じてきている。
一方、ノズル数が2個の場合(図7)では、平均流量が1.2L/分までいずれの機械スピードにおいても置換率90%以上を達成することができている。平均流量が1.1L/分となった場合であっても、機械スピードが40シート/分である場合を除き置換率90%以上を達成することができている。
また、これらの検討結果によれば、ノズル数が2個の場合が、機械スピードにかかわらず安定した窒素置換率を維持することができることを示している。
【0028】
次に、図4に示す装置を用いて、操業の安定性について検討した。ノズル数は3個で、操業の環境として、25℃で60%の相対湿度の場合(図9の黒菱形印(◆))、40℃で相対湿度75%の場合(図9の黒四角印(■))で3月間連続操業を行った場合の窒素置換率の変化をグラフにして図9に示す。図9の横軸は操業期間を示し、縦軸は窒素置換率(%)を示す。
この結果、3月間の操業においても約95%以上の安定した窒素置換率を維持することができた。
次に、図4に示す装置を用いて、操業の開始時における窒素置換率の立ち上がりについて検討した。ノズル数は3個で、操業の環境は25℃で60%の相対湿度であった。
結果を図10のグラフで示す。図10の横軸は操業開始からの時間(秒又は分)を示し、縦軸は窒素置換率(%)を示す。
この結果、本発明の装置では、操業開始から10秒後には窒素置換率95%以上となり、その後は安定した窒素置換率を維持することができることがわかった。
【0029】
以上のように、本発明の不活性ガス置換装置及びそれを用いた方法は、不活性ガスの供給口を有するチェンバーの底面開口部が複数の穴を有するノズルプレートとなっているチェンバーを、搬送される容器の開口部上方に2個以上の複数個、好ましくは2個〜4個、より好ましくは2個設置することを第一の特徴とし、当該チェンバーの上流側のチェンバーの不活性ガスの流量が、下流側のチェンバーの不活性ガスの流量よりも大きくなる、好ましくは1.5倍以上、より詳細には1.5〜4倍程度になるようにしたことを第二の特徴とし、さらに、最も下流側のチェンバーには、容器の開口部が大気と接触するのを防止するために、容器の開口部を密閉するためのシート又はフィルムの近傍に接する遮蔽チェンバーを有していることを第三の特徴とするものである。さらに、ノズルプレートにおけるノズル数が、容器の開口部1個当たり2個のノズルとなっていることを第四の特徴とするものである。
【0030】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0031】
図2に示す装置に酸素センサーを設置して、錠剤のPTP包装を行った。
上流側のチェンバー2Aの窒素ガスの流量を、下流側のチェンバーの窒素ガスの流量に対して1.5〜4倍としてPTP包装を行った。
その結果、平均窒素流量が1.1L/分以上でも窒素置換率80%以上となり、1.2〜1.4L/分では90%以上の窒素置換率が達成された。
【実施例2】
【0032】
実施例1と同様にして、チェンバー2A及びチェンバー2Bにおけるノズルプレートのノズル数を3個、2個、及び1個としてPTP包装を行った。その結果、ノズル数が、容器の開口部1個当たり2個のノズルとなっている場合が窒素置換効率が良いことがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、小型で簡便で、しかも不活性ガスの置換効率に優れた不活性ガス置換装置及びその方法を提供するものであり、医薬品のPTP包装をはじめ、医薬品容器における不活性ガス置換だけでなく、各種の食品類の包装においても有用なものであり、医薬品産業、食品産業において利用可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、本発明の不活性ガス置換装置の概要を示すものである。
【図2】図2は、本発明の不活性ガス置換装置の他の例の概要を示すものである。
【図3】図3は、図2に示した本発明の不活性ガス置換装置をノズルプレートの上方から見たものである。
【図4】図4は、酸素濃度センサーを備えた本発明の不活性ガス置換装置の概要を示すものである。
【図5】図5は、上流側と下流側のチェンバーにおける不活性ガスの流量の変化と不活性ガスの置換率を測定した結果を示すグラフである。
【図6】図6は、本発明の装置のノズルプレートにおけるノズル数を3個とした場合の、種々の搬送装置の搬送速度における不活性ガスの置換率を測定した結果を示すグラフである。
【図7】図7は、本発明の装置のノズルプレートにおけるノズル数を2個とした場合の、種々の搬送装置の搬送速度における不活性ガスの置換率を測定した結果を示すグラフである。
【図8】図8は、本発明の装置のノズルプレートにおけるノズル数を1個とした場合の、種々の搬送装置の搬送速度における不活性ガスの置換率を測定した結果を示すグラフである。
【図9】図9は、本発明の装置を3月間連続操業させたときの不活性ガスの置換率を測定した結果を示すグラフである。
【図10】図10は、本発明の装置を始動したときの不活性ガスの置換率を測定した結果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0035】
1 本発明の不活性ガス置換装置
2 チェンバー
2A 上流側のチェンバー
2B 下流側のチェンバー
3 不活性ガス供給口
3A 上流側のチェンバーの不活性ガス供給口
3B 下流側のチェンバーの不活性ガス供給口
4 不活性ガスの噴射ノズル
4A 上流側のチェンバーのノズル
4B 下流側のチェンバーのノズル
5B 大気接触防止用のリブ
6B 遮蔽チェンバー(不活性ガス噴射副室)
7B 遮蔽チェンバー(不活性ガス噴射副室)のノズル
8 酸素濃度測定ゾーン
9 酸素濃度センサー
10 容器
10A 容器の開口部
11 搬送装置
12 容器の蓋材
13 ヒートシール機
14、15、16 搬送用のロール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が充填され上部が開口している容器内の大気を不活性ガスで置換するための装置であって、不活性ガスの供給口を有するチェンバーの底面開口部が複数の穴を有するノズルプレートとなっており、当該ノズルプレートを搬送装置で搬送される容器の開口部上方に位置するように配置した不活性ガス供給用のチェンバーを複数個設置し、上流側のチェンバーの不活性ガスの流量が、下流側のチェンバーの不活性ガスの流量よりも大きくなるようにしたことを特徴とする容器内のガス置換装置。
【請求項2】
不活性ガス供給用のチェンバーが2個である請求項1に記載の装置。
【請求項3】
上流側のチェンバーにおける不活性ガスの流量が、下流側のチェンバーの不活性ガスの流量の1.5〜4倍である請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
チェンバー全部の不活性ガスの流量の平均が、1.3〜3.0L/分である請求項1〜3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
チェンバーの底面開口部のノズルプレートが、容器の開口部1個当たり2個のノズルとなっている請求項1〜4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
最も下流側のチェンバーが、容器の開口部が大気と接触するのを防止するために、容器の開口部を密閉するためのシート又はフィルムの近傍に接する遮蔽チェンバーを有している請求項1〜5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
遮蔽チェンバーが、搬送装置による搬送方向の下流方向に不活性ガスを噴射することができるノズルを有している請求項6に記載の装置。
【請求項8】
内容物が医薬品であり、容器がPTP容器である請求項1〜7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
内容物が充填され上部が開口している容器内の大気を不活性ガスで置換する方法であって、不活性ガスの供給口を有するチェンバーの底面開口部が複数の穴を有するノズルプレートで覆われた不活性ガス供給用のチェンバーを複数個用いて、不活性ガスを当該ノズルプレートから搬送装置で搬送される容器の開口部上方に噴射する際に、上流側のチェンバーの不活性ガスの流量が、下流側のチェンバーの不活性ガスの流量よりも大きくなるようにしたことを特徴とする容器内の大気を不活性ガスで置換する方法。
【請求項10】
不活性ガス供給用のチェンバーが2個である請求項9に記載の方法。
【請求項11】
上流側のチェンバーにおける不活性ガスの流量が、下流側のチェンバーの不活性ガスの流量の1.5〜4倍である請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
チェンバーの底面開口部のノズルプレートが、容器の開口部1個当たり2個のノズルとなっている請求項9〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
請求項1〜8のいずれかに記載の装置を用いて、容器内の大気を不活性ガスで置換した包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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