説明

容器密閉アセンブリのための顎部密封

容器リップ(5)を挟む密封プラグ(24)および密封スカート(20)を備えたネジを切られた密閉部材を具備する容器密閉アセンブリ。前記スカートはおよびプラグは、容器リップと吻合する密封リブ(21、22、26、27)を有する。前記リブは、密閉部材の基部(3)からの縦軸方向の距離が実質的に等しい位置にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器密閉アセンブリのための改善された密封に関する。本発明は、例えば炭酸飲料および非炭酸飲料用容器の如き実質的に気密であり且つ液漏れしない形式の容器の密封に特に有用である。
【背景技術】
【0002】
ビンの頸部に再締め付け可能なスクリュー栓を備えたガラス製、紙製、ボ−ル紙製、金属製またはプラスチック製の飲料容器はよく知られている。このようなスクリュー栓密閉アセンブリを有する容器は、初期輸送時および貯蔵時ならびにビンの頸部に密閉部材が再締め付けされたならば内容物の一部を消費した後にも、気密であり且つ液漏れしない密封が飲料の品質を維持するものであることが望まれる。
現状のある種の容器および密閉アセンブリは、密閉キャップの基部内に弾性体のライナーを使用している。このライナーは、キャップがビンの頸部に固く締め付けられるとビンの頸部のリップに押し付けられ、柔らかく変形可能なライナーと容器のリップとの間の圧縮により堅固な密閉を与える。残念ながら、ライナーを製造して密閉キャップの中に挿入することは、他と比較すると余分の工程を要する。さらに、ライナーは過剰の圧力が加えられるともろくなりあるいは損傷を受けるので、このような密閉部材は、容器の頸部に締め付けすぎないように注意を要する。
密閉キャップの基部から下方に突出している円筒状のプラグ状密栓を有し、該プラグがビンのリップに近いビンの頸部の内表面との間に防護接触を形成するようなものも知られている。このようなプラグ状密栓により効果的な密封をなすためには、キャップの基部が変形し、そしてプラグを放射状に外側に向かって押し広げ、容器の頸部とともに堅固な密封吻合を形成するよう、キャップが容器の頸部に非常に固く捻じ込まれることが必要である。このようなキャップは、特に子供や老年者ユーザーにより、締め付け不足となることが非常によくある。さらに、効果的な密封力は、キャップ上および頸部のネジの勾配が緩く、キャップに加わる締栓トルクが、容器のリップと密閉部材の基部との間の非常に強い下方向への密封力となるときにのみ実現可能である。
【0003】
WO02/42171には、一端の開口部および該開口部を囲んで伸びるリップを規定する側壁を有する容器頸部、ただし該側壁のリップ近傍の内表面は内側に傾斜している;該頸部のための密閉部材、この密閉部材は基部およびスカート部を有する;頸部上の第一のネジ山;密閉部材のスカート部の内側上の第二のネジ山;該第一および第二のネジ山は、ユーザーが頸部上でキャップを回転することにより、密閉部材を頸部上の密封位置に締め付け、取り外しそして再締め付けすることが可能なように配置されている;密閉部材の基部から内側に、密閉部材のスカート部と実質的に同心に伸びる密封プラグ、この密封プラグはその外表面に複数の環状密封リブを有し、該リブは密閉部材が容器頸部に締め付けられたときに容器の頸部の内表面と吻合する;密封プラグと密閉部材のスカート部との間にある少なくとも一つの可撓性の密封フィン、このフィンは容器リップと吻合する;および、密閉部材のスカート部の内表面上の少なくとも一つの環状密封リブ、このリブは密閉部材が容器頸部上に締め付けられたときに容器のリップ近傍の頸部の外表面と吻合する、を有してなる容器密閉アセンブリが記載されている。
【0004】
FR−A−2327930には、容器頸部;頸部のための密閉部材;密閉部材および頸部上の、互いに咬合しうるネジ山;および密閉部材の基部から伸び、容器頸部に挿入されるための密封プラグを有してなる容器密閉アセンブリが記載されている。この密封プラグは、その外表面に二つの環状の密封リブを有し、該リブは密閉部材が容器頸部に締め付けられたときに容器頸部の内表面と吻合する。該アセンブリはさらに、密閉部材の基部から密封プラグと密閉部材のスカート部との間に突出する可撓性の密封フィンを有し、該フィンは密閉部材が容器頸部に締め付けられたときに容器のリップと吻合する。
密閉キャップ上にリブを有するプラグを備えたその他の密閉アセンプリは、DE−A−4207997、WO99/44896、US−A−3944104、FR−A−2340865、WO2005/058720およびGB−A−2022063に記載されている。
未だにスクリュー栓の容器および密閉部材の構成には、ライナーを必要とせずに、そして容器頸部と密閉部材との間に軸方向の強い密閉力を必要とせずに、効果的な密封を提供することを可能とすべき要請がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、一端の開口部および該開口部を囲んで広がるリップを規定する側壁を有する容器頸部;該頚部のための密閉部材、この密閉部材は基部およびネジを切られたスカート部を備える;頚部上の第一のネジ山;密閉部材のネジを切られたスカート部の内表面上の第二のネジ山;該第一および第二のネジ山は、ユーザーが頸部上でキャップを回転することにより、密閉部材を頸部上の密封位置に締め付け、取り外しそして再締め付けすることが可能なように配置されている密閉部材内側の基部から密閉部材のネジを切られたスカート部と実質的に同心状に伸びる密封プラグ、この密封プラグはその外表面に縦軸方向に間隔を置いて配置された二つまたはそれ以上の環状密封リブを有し、該リブは密閉部材が容器頸部に締め付けられたときにリップ近傍の容器頸部の内表面と吻合する、を有してなる容器密閉アセンブリを提供するものである。上記密閉部材はさらに、密閉部材の基部から密封プラグおよび密閉部材のネジを切られたスカート部の中間に、密封プラグおよび密閉部材のネジを切られたスカート部と実質的に同心状に伸びる密封スカート、この密封スカートはその内表面に縦軸方向に間隔を置いて配置された二つまたはそれ以上の環状密封リブを有し、該リブは密閉部材が容器頸部に締め付けられたときにリップ近傍の容器頸部の外表面と吻合する;ここで、密封プラグ上の密封リブのうちの二つは、使用時に密封スカート上にある環状の密封リブのうちの二つと密閉部材の基部からの距離が実質的に同じとなるように配置されており、これにより、容器頚部のリップは、密閉部材が容器頚部の密閉位置にあるときに縦軸方向に間隔を置いた二つまたはそれ以上の位置において密封プラグおよび密封スカート上の密封リブに挟まれる、を有する。
【発明の効果】
【0006】
この密封プラグ、密封スカートおよび密封リブの創造的な構成は新規であり、少ない密封力で驚くべくほどに向上された密封を与える。
本発明の密閉アセンブリは、モールド成型されたプラスチック製またはガラス製の炭酸飲料用ビンの如き炭酸飲料用容器に好適に適用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
容器リップは、容器頚部からの容易且つ快適な飲用を可能とすべく丸まっていることが好ましく、より好ましくはその断面が完全に丸くなっている(すなわち半球状である)ことが好ましい。本発明のさらなる利点は、密封手段が効果的なので、完全に丸くなった容器リップにおいて耐圧密封が得られることである。環状の密封リブによる環状の密封締め付けのうちの少なくとも一つは、容器頚部の丸まった部分を両側から挟むようになされることが好ましい。すなわち、密封プラグおよび密封スカート上の対応する密封リブが、頚部頂部近傍のリップの丸まった表面と吻合する。
本発明の利点は、頚部の縦軸方向と実質的に平行な内壁を有する従来の容器頚部上に効果的な耐圧密封を得られることである。しかしながら、ある実施態様では、容器頚部の内側密封表面は、内側に傾いていてもよい。すなわち、頚部の内直径は、リップからの距離が増大するに連れて小さくなっていてもよい。この態様においては、頚部の内部は実質的に裁頭円錐形の表面形状を逆さまにした形状であることが好ましい。容器頚部の内側の密封表面の傾きは、頚部の縦軸から約1°〜約10°であることが好ましく、より好ましくは約2°〜約6°である。この傾きは、頚部の内壁に対するプラグの効果的な密封をアシストすることができる。
【0008】
密封プラグは筒状であることが好ましく、より好ましくは円筒状であり、典型的には密閉部材の基部から下方に垂直に突出しており、好ましくはネジ切りされたスカートと実質的に同心状であり、密閉部材の縦軸と同軸である。密封プラグの高さは、好ましくは約1mm〜約5mmであり、例えば約1.5mm〜約2.5mmである。密封プラグは、通常は密閉キャップと一体としてモールド成型される。密封プラグの筒状の壁の平均厚さは約0.5mm〜約2mmであることが好ましく、例えば約0.7〜約1.2mmである。このことにより、密封プラグは軽度の弾性および所望の密封機能のための強度を有することとなる。
好ましくは密封プラグの外表面は、密閉部材の基部から内側に傾いていることができ、例えば容器頚部内部の任意的な内側への傾きと実質的に相補的であることができる。この傾きの平均角度は、頚部の縦軸から約1°〜約10°であることが好ましく、より好ましくは2°〜6°である。
【0009】
本発明のアセンブリにおける容器の密閉部材は、さらに環状の密封スカートを有する。この密封スカートは、容器頚部外側のネジと咬合するネジを切られた密閉スカートと離隔し、半径方向に間隔を空けている。密封スカートは、実質的に筒状であることが好ましく、より好ましくは円筒状であり、密閉部材の基部の密閉スカートおよび密封プラグの中間から下方に突出している。密封スカートは、ネジを切られたスカートおよび密封プラグと同心状であり、密閉部材の縦軸と同軸であることが好ましい。密封プラグの高さは、好ましくは約1mm〜約5mmであり、例えば約1.5mm〜約2.5mmである。ある実施態様における密封プラグの高さは、密封プラグの高さと実質的に同じである。密封スカートは、通常は密閉キャップの基部と一体としてモールド成型される。密封スカートの筒状の壁の平均厚さは、好ましくは約0.5mm〜約2mmであり、例えば約0.7mm〜約1.2mmである。このことにより、密封スカートは軽度の弾性および所望の密封機能のための強度を有することとなる。
【0010】
本発明のアセンブリは、さらに、密閉プラグの外表面上に、容器頚部の内表面と吻合する二つまたはそれ以上の環状の密封リブ、および密閉スカートの内表面上に、容器頚部の外表面と吻合する二つまたはそれ以上の環状の密封リブを有する。これら密封スカート上のさらなる環状密封リブのうちの二つまたはそれ以上は、それぞれ、密封プラグ上の環状の密封リブの二つまたはそれ以上と、密閉部材の基部から実質的に同じ高さに位置する。このことにより、密閉部材が頚部上の密封位置にあるときにこれらは協働して、容器頚部上の垂直方向に離隔した二つまたはそれ以上の位置において対称的な密封締め付けがなされることとなる。すなわち、これらリブは、容器リップの頂部より下の二つまたはそれ以上の垂直高さにおいて、対称的な密封締め付けをなす。
密封プラグおよび/または密封スカート上に二つの密封リブが存在することが好ましいが、ある実施態様では3〜10個のリブ、さらには4〜6個のリブが存在することが好ましい。
【0011】
少なくとも一つの密封リブは、密閉キャップを縦軸方向の断面で観察したときに、実質的に三角形、例えば実質的に正三角形の断面を有することが好ましい。このことにより、密封力が密封リブの頂点に集中し、密封効果を最大化することができる。少なくとも一つの密封リブは、10〜500マイクロメートルの範囲の高さを有していることが好ましく、より好ましくは50〜250マイクロメートルである。この高さは、キャップを縦軸方向の断面で観察したときに、密封プラグまたは密封スカートの近接する表面上に密封リブが突出した最大距離として定義される。このような微小な密封リブは、密封力を集中し、容器頚部の実質的に滑らかな密封表面上に効果的な密封を達成するために特に効果的である。さらに、このような微小のリブは、高速のキャップ成型装置によりモールド成型すること、およびモールド成型後に装置のモールドマンドレルから離型することが特に容易である。
【0012】
密封プラグおよび密封スカート上に複数の密封リブを用いることのさらなる利点は、複数の密封リブは、密封を最適化するために二つ以上の寸法を有することができる点である。例えば、密閉部材の基部に最も近い密封リブのサイズを、密閉部材の基部から離れた密封リブのサイズよりも大きくすることができる。このことにより、密閉部材の基部に最も近い(すなわち、容器のリップに最も近い)密封リブは、密閉部材の基部から最も遠い密封リブよりも余計に変形しうることとなる。
密封プラグおよび密封スカートは、容器頚部をグリップするための対称的な顎部を規定するような側面を有することが好ましい。環状の密封リブは、縦軸方向の断面において顎の「歯」のように見える。対応する密封スカートの最低部および密封プラグの密閉部材の基部から最遠部は、密封スカートおよび密封プラグのそれぞれが密閉部材の頚部をグリップするさらなる環状の密封リブを与えるような側面を有することが好ましい。
密封プラグおよび密封スカート上に、それぞれが半径方向に自在に曲がることができる対称的に配置された環状のリブを複数用いることにより、密閉部材への過剰の力を加えることなく、また密閉部材の基部に密封ライナーを必要とせずに、容器頚部と密閉部材との間に耐圧密封を形成することを可能とする。
【0013】
本発明の容器密閉アセンブリは、締め付けおよび再締め付けが迅速且つ容易なネジ構成とともに使用することが特に好適である。該ネジ構成は、容器頸部上における、360°以下、より好ましくは180°以下、最も好ましくは約90°の単一の滑らかな密閉部材の回転により、締め付けそして再締め付けすることができるものである。
【0014】
第一および第二ネジは、二地点開始ネジまたは三地点開始ネジ、そしてより好ましくは四地点開始ネジの如き複数地点開始ネジであることが好ましい。このことによりユーザーはネジの開始点を探すためのキャップを回転をより少なくできることとなり、頚部上への密閉部材の締め付けがさらに促進される。ネジは、実質的に自由滑動ネジまたは平行ネジであることが好ましい。すなわち、密閉部材およびキャップ上のネジは、密閉部材およびキャップ上のネジセグメント間に妨害となる接触をせずに、互いに自由にスライドして通過するものである。
第一および第二ネジは、連続した螺旋状ネジであることが好ましい。すなわち、これらのネジは、密閉部材を頚部上に締め付けるために密閉部材の段階的動作を必要とする差込式のネジではなく、実質的に全部にわたって90°未満のネジ勾配を有する連続した螺旋状のネジ軌道を規定するものである。ネジは、好ましくは5°〜15°、より好ましくは10°〜20°の平均ネジ勾配を有する。キャップを頚部上に完全に締め付けた位置から完全に外れた位置までの、頚部上におけるキャップの最低垂直移動距離は、典型的には約2mm〜約10mmであり、例えば約4mm〜約8mmである。
【0015】
急勾配のネジは、使用しやすく、また不正開封防止リングが密閉部材のスカートからより確実に離れる利点を有する。しかしながら、このような急勾配のネジは、密閉部材に比較的小さい回転力が働くだけで、密閉部材に下方への力がかかる結果になることが理解されよう。本発明の密封構成の特徴は、従前の密封構成におけるように密閉部材に強い下方への力が加わることがなくとも、信頼性のある耐圧密封を得られるという点である。
【0016】
本発明のアセンブリの利点は、密封プラグと密封スカートとの間にWO02/42171に記載されたようなさらなる環状の可撓性密封フィンがなくとも耐圧密封を得られる点である。しかしながら、ある実施態様では、本発明のアセンブリの密閉部材は、密封プラグと密封スカートとの間に、密閉部材が容器頚部上に締め付けられたときに容器のリップと吻合する一つまたはそれ以上の環状の可撓性の密封フィンを有していてもよい。この密封フィンは、その基部を密閉部材の基部内の密封スカートおよび密封プラグの間に有していてもよく、あるいは密封スカートまたは密封プラグの基部から下方に内側もしくは外側に向かって伸びていてもよい。
【0017】
密閉部材は、密閉部材を周りに同心状に伸びる二つの密封フィンを有することが好ましい。二つの密封フィンは、リップ上に均衡のとれた密封締め付けをなすように、容器のリップの両側に実質的に対称的に配置されることが好ましい。この実施態様では、容器密閉アセンブリは密閉部材の基部の密封プラグと密封スカートとの間から下方且つ内側に延びる第二の密封フィンを有する。第一および第二の密封フィンは、容器のリップの両側を、好ましくは実質的に対称的且つ均衡するように封じる。第一および第二のフィンは、密閉部材が容器頚部上へ締め付けられたときにそれぞれ反対の方向へ曲がることができる。この二元的な動作により、少なくとも一つ、そして通常は双方の密封フィンがリップ上に確実に耐圧密閉を形成することとなる。
密封フィンの高さは、その基部における幅よりも大きいものであることが好ましい。密封フィンの断面は、二等辺三角形の形状であることが好ましい。少なくとも一つの密封フィンは、高さ1〜4mmであることが好ましい。
【0018】
少なくとも一つの密封フィンは、密閉部材が容器頚部上で締め付けられたときに、停止面(stop surface)に接することが好ましい。二つの可撓性のフィンが、容器リップの両側に上記したような密封を形成し、完全に締め付けられ耐圧位置において密封フィンのそれぞれと接触する密封プラグおよび密封スカートの基部により二つの停止面が形成されることが好ましい。
容器および密閉部材は容器頚部および密閉部材上に、さらに、所定の最小開封トルクがかからない限り頚部上で完全に締め付けられた位置から密閉部材が緩むことを防止しまたは妨げるための相補的な係止用部位を有することが好ましい。例えば係止用部位は、容器頚部または密閉部材のスカート部の少なくとも一つの上にある縦長の係止用リブ、ならびに頚部および密閉部材のスカート部の他方の上にある相補的な係止用斜面であることができる。この係止用リブは、密閉部材が容器頸部上で完全に締め付けられたときに係止用斜面の保持縁に接する。
【0019】
ある実施態様では、密閉部材が容器頸部上で上記完全に咬合したときに、第一および第二の係止用凸部(サイドキャッチ)は、第一および/または第二のネジセグメントと高さ位置が重なり合う。換言すると、第一および第二の係止用凸部はネジの完全に上方または下方にあるのではなく(ここで、上および下とは、アセンブリの縦軸に沿った相対位置をいう。)、少なくとも一部はネジの領域の範囲内にある。サイドキャッチは、ネジの終端部に隣接して位置することが好ましい。このことにより、ネジアセンブリの全体を、縦軸(垂直)方向によりコンパクトに形成することが可能になり、従ってアセンブリを製造するために必要な成型材料の総量およびアセンブリの占める空間を減少することができる。このことはまた、ある実施態様における頚部のネジを、頚部から直接飲用するのにより適するように製造することを可能とする。
【0020】
第一および第二の係止用部位は、典型的には密閉部材が容器上で完全に締め付けられたときのネジの下端部近傍に位置する。好ましくは、第一および/または第二の係止用凸部は、上記の如く密閉部材が容器上で完全に締め付けられたときの第一および第二のネジ山の下端よりも下には伸びていないことが好ましい。「下端」とは、頸部ネジのうち、容器頸部の開口部から最も遠い部分を意味する。このようなアセンブリにおいて、係止用凸部はネジの上または下ではなく、円周上において、実質的に完全に、複数のネジの隙間に位置することが好ましい。頸部の係止用凸部は好ましくは下端部で輪縁または肩部(この肩部は、例えば不正開封防止バンドを保持するために使用される)と結合しておらず、従って係止用凸部の柔軟性が向上し、「クリック音がしたら密閉」のための音が増強される。
【0021】
前記したところに加えて、頸部および/または密閉部材上の相補的な係止用凸部の少なくとも一つ、好ましくは双方が、ネジ山から実質的に離隔していることが好ましく、これにより突出部はネジゼグメントとは独立の柔軟性を持ち、頸部上で密閉部材が完全に締め付けられた状態に達したときに、パチッとはまり、明確に聞こえる音を発する。一般に、完全に締め付けられる位置が近づくと、密閉部材のスカートの第二の係止用部位のうち直径方向で最も内側の点は、容器頸部の第一の係止用部位のうち直径方向で最も外側の点に乗り上げる。例えばアセンブリを開けるときなど密閉部材が締め付けられた位置から離れると、第二の係止部材は、第一の係止部材の最高点を乗り越えて元に戻る。
【0022】
頸部および/または密閉部材上の相補的な係止用凸部の少なくとも一つ、好ましくは双方の縦方向(すなわち、密閉アセンブリの回転軸に沿った方向)の長さは、約1mm〜約6mm、例えば約2mm〜約4mmである。頸部および/または容器上の相補的な係止用凸部の少なくとも一つ、好ましくは双方の高さは、約0.25mm〜約2mm、例えば約0.5mm〜約1.5mmである。どのような場合であっても、係止用凸部の高さは、対応するネジ山の平均高さよりも低い。頸部および/または密閉部材上の相補的な係止用凸部の少なくとも一つ、好ましくは双方は、最大幅(すなわち、頸部または密閉部材のスカートの円周周りの幅)が約0.5mm〜約3mm、例えば約1mm〜約2mmである。頸部および/または密閉部材上の相補的な係止用凸部の少なくとも一つ、好ましくは双方は、その最大高さの最大幅に対する割合が、少なくとも約0.5であり、より好ましくは少なくとも1であり、例えば約1〜約5である。
【0023】
好ましい実施態様では、第一の係止用凸部は、第一のネジ山の上端部と縦方向における高さ位置では重なり合い且つ円周方向では離隔した場所に位置する。他の実施態様では、第二の係止用凸部は、第二のネジ山の下端部と縦方向における高さ位置では重なり合い且つ円周方向では離隔した場所に位置する。後者の態様は、第一の係止用凸部が容器頸部の開口部から遠く離れた場所にあることとなるため好ましい。これらの実施態様において、凸部と対応するネジ山との円周上の離隔距離は、典型的には約1mm〜約10mm、例えば約1mm〜約4mmである。これらの実施態様において、円周方向に離隔した係止用凸部は、アセンブリの各部分が捻じ込まれて一緒になったときにアセンブリの他の部分のネジ山と接する。すなわち、円周方向に離隔した凸部は、密閉部材または頸部上のネジ軌道の一部をなすものといえる。例えば、容器頸部上の相対的に短いネジ山のためのネジ軌道を規定する密閉部材のスカート上の相対的に長いネジ山があるとき、密閉部材のスカート上の係止用凸部は、密閉部材のスカート上の相対的に長いネジ山の下端部から離隔しておりしたがって密閉部材が頸部に装着されるときには先ずネジ軌道の開始点においてその延長部分を規定し、次いで頸部上のネジ山に沿って進行する。係止用凸部を利用して頸部または密閉部材上のネジ軌道のうちの一つの延長部分を形成する上記方法は、ネジと重なり合う大きな係止用凸部に起因する問題点を解決し、しかもネジの滑動を妨げることがない。係止用凸部は一般に、頸部または密閉部材のうちの1つのネジ軌道のいわば延長線のようにその線上に位置する。
【0024】
本発明のアセンブリは、容器頸部および密閉部材上に相補的な係止用凸部を1組を超えて有することができる。頸部および密閉部材のスカート周りで円周方向に離隔した上記の如き相補的な組を少なくとも2組有することが好ましい。通常、各ネジの開始部分ごとに少なくとも1組を持つことができ、頸部および密閉部材のスカート周りに例えば4組を持つことができる。
【0025】
頸部および密閉部材のスカート上の係止用凸部は、密閉部材が容器頸部上で完全に締め付けられ密封位置にあるときに互いに接触するような円周上の位置にあることが好ましい。すなわち、密閉部材上の凸部は、上記の完全に締め付けられ密封位置にあるときに、対応する容器頸部の凸部の片面側に乗り上げて、反対側の面と接触して静止する。このことにより、密封位置に締め付けられたときに、密封部分からの漏洩を引き起こすキャップの遊びが確実になくなる。密封位置に締め付けられ、凸部が接触しているとき、接触している凸部に弾性力を及ぼすべく、密閉部材のスカートおよび/または凸部が依然として少し歪んでいることが好ましい。弾性力は接触により増幅され、密閉部材と頸部との間に締栓方向のトルクを生じ、密閉部材を完全に締め付けられた密封位置に押し込む。このことにより、たとえ密閉部材が堅く締め付けられていないときでも、自動的に容器頸部および密閉部材のそれぞれの密封面が確実に互に押し付けられることとなる。さらに、係止用凸部相互の作用および密閉部材のスカートの半径方向への歪みによって円周周りの密封位置のより広い範囲にわたって効果的な密封が達成されるため、係止用凸部はアセンブリ成形の際の相当に悪いレベルの製造誤差でも許容される。
密閉部材を密封位置に押し込むという係止用凸部の利点は、WO93/01098に詳しく述べられている。同公報の内容のすべては、本願に引用され援用される。
【0026】
本発明の相補的な係止用部位は、上記の如く密閉部材を完全に締め付けられた密封位置に押し込むことのほか、数々のその他の重要な利点を与える。第一に、係止用部位は密閉部材が容器頸部上の完全に咬合した密封位置から、容器内部からの圧力により不意に外れることを防止する。係止用部位は、密閉部材が自然に緩まる危険を伴わずにより急な勾配のネジや自由滑動(平行)ネジの使用を可能にする。より急な勾配のネジを使用する回転は、密閉部材を外し、再び締めることを容易にする。
いくつかの実施態様では、本発明の係止用部位は、容器頸部上で密閉部材が完全に咬合して密封位置に達したときに、「カチッ」という音を発してもよい。これにより、密閉部材が完全に締め付けられた(密封された)位置にあることを、使用者に積極的に知らしめることができる。この機構はまた、容器と密閉部材との間に効果的な気密密封に達するための適度の圧縮力を与えることを確実にする。
【0027】
本発明の容器密閉アセンブリは、さらに、容器頸部および密閉スカートのうちの1つに突出した停止面を有しているのが好ましい。この停止面は、容器頸部または密閉部材の他方上の第二の停止部位またはネジセグメントと接することにより、密閉部材を容器頸部上で所定の密封角度位置を越えて締め過ぎることを防止する。係止手段とともに停止手段により、密閉部材は本発明の密封手段によって耐圧密封を得るのに正確に正しい程度に確実に捻じ込まれることとなる。
【0028】
本発明のアセンブリに好適な係止および停止手段は、WO91/18799およびWO95/05322およびWO2005/058720に詳細に記載されている。これら公報の関係部分は本明細書に明示的に加入され、援用される。
容器密閉アセンブリは、不正開封防止機構を備えることが好ましい。防止機構は、一つまたはそれ以上の破壊可能なブリッジにより、当初は容器の密閉部材のスカートの下端に連結されて一体に成型されている不正開封防止リングからなることが好ましい。密閉部材が頚部から最初に外されたとき、不正開封防止リングは容器頸部上に、好ましくはネジの下方の容器頚部上に形成された環状の残存リップの下半分とともに受け面(abutment)によって残存する。
【0029】
ある実施態様では、不正開封防止リングは、残存リップの下方に残存する、一体に成型された複数の可撓性の半径内側方向を向いた残存タブからなる。この実施態様では、ラチェット式の凸部を容器頸部上、環状の残存リップの下方に設置してもよい。ラチェット式凸部は容器頸部周りの円周上に間隔を開けて配置され、容器頸部上の不正開封防止リングを緩める方向に回すことを防止し、頚部から不正開封防止リングが離脱するのを助ける。これらの実施態様の不正開封防止機構の構造および作用は、我々の国際公開第WO94/11267号に記載され、特許請求されている。同公開の内容のすべては本願に加入され、参照される。
【0030】
容器頸部上に密閉部材を密封位置に締め付けるのに要するトルクは、1.2Nm未満であることが好ましく、より好ましくは1Nm未満であり、最も好ましくは約0.7〜約0.9Nmである。このトルクは、(もし存在するならば)相補的な係止手段を密封位置で咬合させるために必要であるか、あるいはそうでなければ通常の炭酸飲料の圧力差において実質的にガス漏れを避けるのに要する力である。
アセンブリの、完全に締め付けられた位置における容器頚部および密閉部材の間の少なくとも一つの環状表面周りの密封圧力は、好ましくは約0℃〜約40℃の温度範囲、約0〜約1.2MPaゲージ(175psig)の圧力範囲、すなわち炭酸飲料に要求される温度および圧力の最大範囲をカバーする範囲にわたって、少なくとも約7MPa(1,000psi)を達成することが好ましく、少なくとも約10.5Mpa(1,500psi)を達成することが好ましい。アセンブリは、上記の温度および圧力範囲のすべてにわたって上記のような環状密封を、少なくとも二つ有することが好ましい。
【実施例】
【0031】
本発明の実施態様につき、以下の図面を参照しつつ実施例の方式によってさらに説明する。
【0032】
図1を参照すると、このアセンブリは、容器頚部1および密閉部材2からなる。密閉部材2は、基部3および外側のネジを切られたスカート4からなる。容器頚部1は、丸まった、滑らかな表面のリップ5で終わっている。従来技術の密閉アセンブリにおいては、このリップが、図1の従来技術部分において斜線を付した弾性ライナー6とともに耐圧密封を形成する。
容器頚部1は、射出成型によるポリエチレンテレフタレート(PET)で形成されている。密閉部材2は、ポリエチレンから、同様に射出成型により一体物として成型されている。頚部1および密閉部材2は、我々の国際特許出願EP−A−1446332に詳細が記載された如き耐圧安全機構を備えた、一体成型の、高速回転の急な傾斜のネジを有する。前記出願の内容のすべては、本願に明示的に加入され、参照される。
要するに、スカート部16の内部上には、図1に鎖線で示したように、二つの部分10、11からなる第一ネジセグメントの四つにより構成される四地点開始の第一のネジ山がある。これらネジセグメントは、スカート周りに合わせて約170°伸び、隣接するネジセグメントはスカートの円周上で重複している。実質的に連続したほぼ螺旋状のネジ間隙がスカート4上の第一ネジセグメントの重複領域の間隙に規定される。
【0033】
容器頚部10は、それぞれが容器頚部周りに約20°伸びる実質的に連続的な螺旋ネジである短い第二ネジセグメント8の四つからなる第二のネジ山を有する。
このアセンブリの重要な特徴は、密閉部材のスカート上のネジセグメントの上面の形状にある。これについてはEP−A−1446332にさらに詳細に記載されている。
密閉部材のスカート上のネジセグメントも、我々の国際公開第WO95/05322号に記載され、特許請求された如きものと同様の耐圧安全機構を備える。要するに、ネジ部11の上面にステップ9を有する。ステップ9は、頚部のネジセグメント8の終端部と接触し、そして頚部のネジセグメント8がスカートのネジの上面と接しているとき、すなわち密閉部材に容器頚部から外れる軸方向に正味の力が働いているときに、密閉部材2が頚部1から緩むことを防止する。この接触は、容器内部からの排出ガス圧力が実質的になくなって、密閉部材が落下してネジ8がステップ9との接触から外れるまで、密閉部材がさらに緩むことを防止する。スカートのネジセグメント11の、ステップ9に隣接する上面領域は、約6度の低い傾斜を有し、容器内部の高圧によって耐圧安全機構が乗り越えてしまう危険を減少する。
【0034】
容器および密閉部材のアセンブリは、さらに容器頚部および密閉部材上に、最小の開栓トルクを加えられない限り密閉部材が容器頚部上に完全に咬合した位置から緩むことを防止する、相補的な係止用部位を有する。この係止用部位は、密閉部材のスカート16の内側の円周上に等間隔で配置されている四つの係止用リブ13および容器頚部の円周上に等間隔に配置されている四つの保持斜面からなる。この斜面は、放射方向に傾斜した外表面12、および密閉部材が容器頸部上で完全に咬合したときに密閉部材上のリブ13が接する放射方向に突出した保持縁14からなる。この相補的な係止用部位は、我々の国際公開第WO91/18799号に記載された如きものであることができる。前記出願の内容のすべては、本願に明示的に加入され、参照される。相補的な係止用部位は、可聴の「クリック」音により、密封位置に達したときにユーザーに合図する。相補的係止用部位は、密閉部材が「逆進して外れること(backing−off)」を食い止め、特に容器の内容物が加圧されているときの急な傾斜のネジに有利である。
【0035】
スカートのネジ部10は、その一端に、頚部のネジセグメント8の終端部が接触して最初に停止し、頚部上で密閉部材を締め過ぎることを防止する、上方に突出した停止用肩部18を有する。
容器密閉アセンブリは、さらに不正開封防止機構を備える。この防止機構は、はじめは容器の密閉部材2のスカート4と一体物として成型され、破壊可能なブリッジによりスカートに結合されている不正開封防止リング15からなる。不正開封防止リング15は、一体成型された複数の可撓性の半径内側方向を向いた残存タブ16を有する。環状の保持リップ17は、容器頚部1上に形成される。
【0036】
図2および3を参照すると、密閉部材は、円筒状の密封プラグ24を有する。密閉部材はさらに、密封プラグと実質的に同心であり(密閉部材の基部から測定した)高さが等しい円筒状の密封スカート20を有する。密封プラグ24および密封スカート20は、容器リップ5の近傍の容器頚部の両側25、29に接触して密封すべく、ネジを切られたスカート4と同心であり、ネジを切られたスカート4の内側に位置する。
密封スカート20は、その半径方向内側上に、実質的に三角形の断面の二つの小さな環状密封リブ21、22を有する。円筒状の密封プラグは、密封プラグ24の半径方向外側表面に突出する二つの環状密封リブ26、27を有する。環状密封リブ26、27の寸法は、密封スカート上の密封リブ21、22の寸法と同じであるかまたはこれよりも小さい。環状密封リブ26、27は、密封スカート20上のそれぞれ対応する環状密封リブ21、22と、密閉部材2の基部上の高さが実質的に同じところに位置する。
【0037】
密封プラグおよび密封スカート上の環状密封リブは、実質的に二等辺三角形の断面を有し、応力のかかっていない状態で約150マイクロメートルの高さを有する。しかしながら、これらは容器頚部のより硬い材料(ガラスまたはPET)に押し付けられたときに変形し、耐圧密封を形成する。密封リブの小さな寸法により、密封を形成するために密封プラグに実質的に力を加えなくとも耐圧密封を実現することができることとなる。
使用時に、密閉部材は図3に示した如く容器頸部に締め付けられる。密封スカート20および密封プラグ24の双方とも、半径方向に少し変形して密封リップと吻合する。密封スカートおよびプラグ上の環状密封リブは、密封リップ5の反対側25、29と吻合し、垂直方向に離隔した二つの位置でこれらの間にリップを挟み、密封リブに圧力を集中することにより高度に効果的な密封を形成する。上方の密封リブ22、27は、WO02/42171に記載された可撓性の密封フィンに代わって容器頚部の丸まったリップ5を両側から挟みつける。
【0038】
図4を参照すると、密閉部材の密封領域がより詳細に示されている。密封スカート20が、その半径方向内側の表面上に、断面が実質的に三角形である二つの同心状密封リブ21、22を有していることが分かる。これに加えて、密封スカート20の下端30は、リップ5近傍の容器頚部外側表面25に集中された力を加え、密封をもたらすためのさらなる同心状密封リブ31を有する。密封プラグ24の下端は、密閉部材の基部上に縦軸方向に同一の距離をおいて位置し、密封スカートの対応する外形と正確に対応して容器頚部に両側からさらなる挟み付け(pinch across)をする、さらなる同心状の密封リブ32を有する。これらの総合により、容器頚部の頂部をグリップする実質的に対称的な密封顎部を与える効果を与える。
【0039】
図5の実施態様を参照すると、密封スカートおよび密封プラグは、容器リップ近傍の容器頚部上部を密封する顎部を形成すべく、図4の態様と同様の特徴を有している。しかしながら、顎部の外形は若干異なっており、密封スカートおよび密封リブのそれぞれにおけるさらなる同心状密封リブ37、39の角度はより鈍角である。さらなる同心状密封リブ37、38のこの特徴は、ある種の容器頚部形状に好適であり、また密閉部材の成型を容易にするというある種の利点を提供することができる。
【0040】
図6を参照すると、密封スカートおよび密封プラグは、容器リップ近傍の容器頚部の側壁を密封する顎部を形成すべく、図4の態様と同様の特徴を有している。しかしながら、顎部の特徴は若干異なっており、密封スカートおよび密封リブのそれぞれにおけるさらなる同心状密封リブ42、44の角度はより鋭角である。さらなる同心状密封リブ42、44のこの特徴は、容器頚部の両側の面にさらなる密封リブが接触する一点に、局在する高い密封圧力を加えるのに適する。
【0041】
図7を参照すると、容器頚部および密閉部材の基本的な外形は図2および3の実施態様として上述したところと同様である。特に、密閉部材50は外側に、容器頚部60上の相補的なネジと咬合するネジを切られた密閉スカート51を有する。図7の密閉部材は、さらにネジを切られたスカート51と同心であり、ネジを切られたスカート51よりも少し内側に、容器リップ近傍の容器頚部外側表面に密封接触するための円筒状の密封スカート52を有する。密封スカート52は、その半径方向内側上に、断面が実質的に三角形であり、高さが約100マイクロメートルである、二つの同心状密封リブ54、55を有する。
【0042】
図7の態様の容器の密閉部材50は、さらに密封スカート52と実質的に同心であり(密閉部材の基部から測定した)高さが等しい円筒状密封プラグ53を有する。二つの環状リブ56、57は、密封プラグの半径方向外側の表面上にあり、環状リブ56、57の寸法は、密封スカート上の密封リブの寸法と同じであるかあるいはこれに近い値である。密封スカートおよび密封プラグ上の環状密封リブは、それぞれ密閉部材の基部上側の実質的に同じ高さに位置する。
これらに加えて図7および8のアセンブリにおける密閉部材は、さらに密閉部材50の基部から密封スカート52および密封プラグ53の中間に同心状に伸びる比較的薄い壁の円筒状突起形状の二つの密封フィン58、59を有する。密閉部材の基部からの密封フィン58、59の高さは、密封スカートおよび密封プラグの高さの約半分である。
【0043】
使用時には、図8に示した如く、容器頚部上に密閉部材が締め付けられる。密封スカート52および密封プラグ53の双方は、容器頚部60のリップに吻合すべく、半径方向に少し曲がることができる。密封スカートおよび密封フラグ上の環状密封リブは、頚部リップ近傍の頚部の両側に吻合し、垂直に離隔した二つの位置でリップを挟み、密封リブの地点に集中した圧力により、高度に効果的な密封を形成する。加えて、密封フィン58、59が密封スカートおよび密封プラグの間で容器リップと接触し、さらなる密封を形成する。
【0044】
図9を参照すると、容器頚部および密閉部材の基本的な特徴は図2および3の実施態様として上述したところと同様であるから、再度の言及はしない。図9のアセンブリは、密閉部材が締められて密封位置にあるときにこれが緩まること(逆進して外れること)を妨げる係止用部位の構成において基本的に異なる。
要するに、係止用部位は、容器頚部63の円周上に等間隔に配置された四つの第一係止用凸部62および密閉スカート65の内側の円周上に等間隔に配置された四つの第二係止用凸部64からなる。容器頚部上の凸部62は、容器頚部から直接飲用する人々に最も気付かれにくい位置である短いネジセグメント66の下方に位置する。密閉スカート65上の係止用凸部64は、スカート上のネジ68の下端と同じ高さで約2mm離間して位置する。密閉スカート上の係止用凸部64は、密閉部材のネジ68により規定される螺旋状ネジ軌道の延長線を形成し、キャップが頚部上に締め付けられるときに、頚部上の短いネジセグメント66は密閉部材上の係止用凸部64を滑らかに通過することができる。
【0045】
係止用凸部62、64のそれぞれは、その長軸が密閉アセンブリの軸方向に平行な実質的に三角プリズム形状である。各係止用凸部の高さは約1.5mmであり、基部の幅は約1.5mmである。このことにより、凸部は、永久的な変形をせずに互いにパチンと乗り越え合うのに十分な強度を有することとなる。
密閉スカート上の各ネジセグメント68は、容器頸部上で密閉部材が完全に締め付けられたときに頚部上の短いネジセグメント66のうちの一つの第二の端部が接し、頚部上における密閉部材の締め過ぎを防止する、縦軸方向の停止面を規定する縦軸方向上方に突出した部位70を有する。
【0046】
本発明のアセンブリの密封の構成は、密封を強化する高いトルクまたは緩い勾配のネジを必要とせずに密閉部材を容器頚部上に締め付けそして再締め付けすることを可能にする。本発明のアセンブリは、炭酸飲料容器が通常遭遇する温度および圧力のすべての範囲にわたって高い密封圧力を有する少なくとも二つの環状密封を持つものであることが理解されよう。さらに、密閉部材は、頚部から直接飲用することを容易にする丸まったリップを有するガラス製容器頚部およびプラスチック製容器頚部の如き丸まった頂部リップを有する容器頚部に好適であることが理解されよう。密閉キャップ内部に柔らかい密封ライナーを使用することの欠点は除去された。本発明の密閉部材は、特に、効果が損なわれまたは減殺することなしに、繰り返し容器頸部に締め付けることができる。
上記の実施態様は、実施例としてのみ記載されたものである。添付した特許請求の範囲の射程内に他の多くの実施態様があることは、当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】容器頚部(正面図)および頸部の密封位置に締め付けられた密閉部材(断面図)であって、密閉部材の左側が密封ライナーを有する従来技術を示し、密閉部材の右側が本発明の密封手段を示す比較図である。
【図2】図1に示した本発明の容器密閉アセンブリの密閉部材を容器頚部から緩めたものにつき、操作領域を断面とした一部断面の詳細な縦段面図である。
【図3】図1に示した本発明の容器密閉アセンブリの密閉部材を容器頚部上で密封位置に締めたものにつき、操作領域を断面とした一部断面の詳細な縦段面図である。
【図4】図2および図3の実施態様の容器密閉部材の密封領域を見通す一部縦断面拡大図である。
【図5】本発明のさらなる実施態様の密閉部材の密封領域を見通す、図4と類似の一部縦断面図である。
【図6】本発明のさらなる実施態様の密閉部材の密封領域を見通す、図4と類似の一部縦断面図である。
【図7】密閉部材を容器頚部から緩めた本発明のさらなる実施態様の密閉部材の密封領域を見通す一部縦断面図である。
【図8】密閉部材を容器頚部(鎖線で示した)上に完全に締めた図7の実施態様を見通す一部縦断面図である。
【図9】本発明のさらなるアセンブリの容器頚部(正面図および一部断面図)および頚部の密封位置に締め付けられた密閉部材(断面図)を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端の開口部および該開口部を囲んで広がるリップを規定する側壁を有する容器頸部;
概頚部のための密閉部材、この密閉部材は基部およびネジを切られたスカート部を備える;
頚部上の第一のネジ山;
密閉部材のネジを切られたスカート部の内表面上にある第二のネジ山;
該第一および第二のネジ山は、ユーザーが頸部上でキャップを回転することにより、密閉部材を頸部上の密封位置に締め付け、取り外しそして再締め付けすることが可能なように配置されている;
密閉部材内側の基部から、密閉部材のスカート部と実質的に同心に伸びる密封プラグ、この密封プラグはその外表面に縦軸方向に間隔を置いて配置された二つまたはそれ以上の環状密封リブを有し、該リブは密閉部材が容器頸部に締め付けられたときにリップ近傍の容器頸部の内表面と吻合する;および
密閉部材の基部から密封プラグおよび密閉部材のネジを切られたスカート部の中間に、密封プラグおよび密閉部材のネジを切られたスカート部と実質的に同心状に伸びる密封スカート、この密封スカートはその内表面に縦軸方向に間隔を置いて配置された二つまたはそれ以上の環状密封リブを有し、該リブは密閉部材が容器頸部に締め付けられたときにリップ近傍の容器頸部の外表面と吻合する;
ここで、密封プラグ上の密封リブのうちの二つは、使用時に密封スカート上にある環状の密封リブのうちの二つと密閉部材の基部からの距離が実質的に同じとなるように配置されており、これにより、容器頚部のリップは、密閉部材が容器頚部の密閉位置にあるときに縦軸方向に間隔を置いた二つまたはそれ以上の位置において密封プラグおよび密封スカート上の密封リブに挟まれる、を有する
からなる容器密封アセンブリ。
【請求項2】
密封リブのうちの少なくとも一つが、実質的に三角形の断面形状を有するものである、請求項1に記載の容器密閉アセンブリ。
【請求項3】
密封リブのうちの少なくとも一つの高さが、10〜250マイクロメートルの範囲である、請求項1に記載の容器密閉アセンブリ。
【請求項4】
容器のリップが、縦軸方向の断面において丸まっているものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の容器密閉アセンブリ。
【請求項5】
密封プラグおよび密封スカート上の環状密封リブのうちの少なくとも一つが、上記の丸まった容器リップを両側から挟み付けるものである、請求項4に記載の容器密閉アセンブリ。
【請求項6】
密封プラグおよび密封スカートの密閉部材の基部からの高さが実質的に等しいものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の容器密閉アセンブリ。
【請求項7】
密封プラグおよび密封スカートが、容器頚部をグリップするための対称的な顎部を規定する特徴を有するものである、請求項6に記載の容器密閉アセンブリ。
【請求項8】
対応する密封スカートの下端および密閉部材の基部からの密封プラグの末端が、密封スカートおよび密封プラグのそれぞれに容器頚部をグリップするさらなる環状密封リブを与える特徴を有するものである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の容器密閉アセンブリ。
【請求項9】
密閉部材が、360°以下、好ましくは180°以下、より好ましくは約90°の単一の滑らかな回転により、容器頚部上に締め付けおよび再締め付け可能なものである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の容器密閉アセンブリ。
【請求項10】
第一および第二のネジが、複数地点開始ネジである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の容器密閉アセンブリ。
【請求項11】
第一および第二のネジが、実質的に連続した螺旋状ネジである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の容器密閉アセンブリ。
【請求項12】
容器および密閉部材が、さらに容器頚部および密閉部材上に、所定の最小開栓トルクがかからない限り密閉部材が容器頸部上で完全に締め付けられた位置から緩むことを防止しまたは妨げるための相補的な係止用部位を有するものである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の容器密閉アセンブリ。
【請求項13】
上記相補的な係止用凸部が、容器頚部およびネジを有する密閉スカート上の第一および第二の係止用凸部からなり、前記第一係止用凸部が第一のネジ山の上端部と縦方向における高さ位置では重なり合い且つ円周方向では離隔した位置にあるか、あるいは前記第二係止用凸部が第二のネジ山の下端部と縦方向における高さ位置では重なり合い且つ円周方向では離隔した場所に位置にあり、前記第一または第二の係止用凸部が頚部上または密閉部材上のネジセグメントによって規定されるネジ軌道の延長線を規定するものである、請求項12に記載の容器密閉アセンブリ。
【請求項14】
容器頚部および密閉スカートのうちのどちらか一方に、さらに、容器頸部または密閉部材の他方上の第二の停止部位またはネジセグメントと接し、密閉部材を容器頸部上で所定の密封角度位置を越えて締め過ぎることを防止するための突出した停止面を有するものである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の容器密閉アセンブリ。
【請求項15】
密閉部材を容器頚部上の密閉位置に締め付けるために要するトルクが約0.7Nm〜約0.9Nmである、請求項1〜14のいずれか一項に記載の容器密閉アセンブリ。
【請求項16】
アセンブリが、完全に密閉した位置における容器頚部および密閉部材の間の環状表面のうちの少なくとも一つの周りに少なくとも7MPa(1,000psi)の密封圧力を達成するものである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の容器密閉アセンブリ。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか一項に記載の容器密閉アセンブリからなる飲料容器。
【請求項18】
炭酸飲料容器である、請求項17の飲料容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−516623(P2009−516623A)
【公表日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540700(P2008−540700)
【出願日】平成18年11月21日(2006.11.21)
【国際出願番号】PCT/GB2006/004345
【国際公開番号】WO2007/057706
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(500159532)ビーソン アンド サンズ リミテッド (5)
【Fターム(参考)】