説明

容器用ヒートシール装置

【課題】機筐前面側に出退するトレーによって機筐内に収納した容器の上部開口部を、フィルム原反から巻きだしたフィルムでヒートシールするヒートシール装置にあっては、容器の上部開口部上へのフィルムの配置を確実かつ簡単に行える技術の開発が求められていた。
【解決手段】機筐の前面側に出退される容器受けトレー5に、容器受けトレー5に固定された前クリップブロック53との間にフィルム12を挟み込む後クリップブロック7が前後にスライド移動可能に設けられ、容器受けトレー5が機筐の前面側に突出された位置から機筐内に収納される動作によって、前後のクリップブロック53、7の間にフィルム12が挟み込まれて、容器11の開口周縁部11a上に配置されるようになっている容器用ヒートシール装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品用容器の上部開口部を開口周縁部へのフィルムを熱融着によって密閉する容器用ヒートシール装置に係り、特に、機筐側部に開口されたトレー出退口を介して機筐前面側に出退する容器受けトレーによって、フィルムの熱融着前の容器の機筐内への搬入と、機筐内にてフィルムを熱融着した容器の機筐外への搬出とを行うタイプの容器用ヒートシール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品用容器の上部開口部を開口周縁部へのフィルムを熱融着によって密閉する容器用ヒートシール装置として、機筐側部に開口されたトレー出退口を介して機筐前面側に出退する容器受けトレーによって、フィルムの熱融着前の容器を機筐内に搬入し、機筐内にてフィルムを熱融着した容器を、機筐外へ搬出するタイプのものが提供されている。
このタイプの容器用ヒートシール装置は、小型化が容易であり、設置スペースが小さくて済むことから、例えば、食品を販売する小売店の店頭等への設置に適している。
【0003】
この容器用ヒートシール装置(以下、ヒートシール装置、と略称する場合がある)としては、フィルム原反から巻きだしたフィルムを容器開口部のヒートシールに用いるタイプ(以下、巻きだしタイプ)と、容器の開口周縁部への熱融着によって容器の上部開口部を密閉できる大きさのフィルムを、ヒートシールの度に容器の上部開口部上に載せてヒートシールに用いるタイプ(以下、枚葉タイプ)とがある。
ここで、巻きだしタイプのヒートシール装置は、ヒートシール作業の度に、フィルムをフィルム原反から巻きだして使用すれば良く、枚葉タイプに比べてフィルムの扱いが楽であり、容器に対するフィルムのヒートシール位置のずれも生じにくい、等の利点がある。
巻きだしタイプのヒートシール装置は、容器を載せた容器受けトレーを機筐に収納したときに、フィルム原反から巻きだしたフィルムを容器の上部開口部上を覆うように配置する機構(以下、フィルム配置機構)を具備し、このフィルム配置機構によって容器の上部開口部上に配置したフィルムを、機筐内で昇降されるヒートシール用のヒータ盤の下降によって上から容器の開口周縁部に押し付けてヒートシールする構造のものが一般的である(例えば、特許文献1)。また、ヒータ盤を容器に向かって押し付けた際に、ヒータ盤に取り付けられているカッターがフィルムをカットする。
【特許文献1】実開平6−10107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、巻きだしタイプのヒートシール装置では、フィルム配置機構として、容器の上部開口部上へのフィルムの配置を確実かつ簡単に実現できるものが無く、その開発が求められていた。
例えば、前述の特許文献1に開示されているヒートシール装置のフィルム配置機構は、
機筐の前面側の出退口を介して機筐の前面側に出退(前後動)される容器台(容器受けトレー)に設けられており、容器台とともに前後動される。このフィルム配置機構は、フィルム原反から引き出されたフィルムの端部を、容器台後壁部と、容器台後壁部に対して開閉するフィルムキャッチャーとの間に挟み込むものである。
機筐前面側に突出させた容器台に容器を載せ、前記把手を操作してフィルム配置機構にフィルムの端部を挟み込み、該挟み込み状態を維持したまま、容器台を機筐に収納すると、容器台の移動に伴って、出退口上のフィルム案内板からフィルムが引き出され、容器台に設置した容器の上部開口部を覆うように配置される。
【0005】
上述のフィルム配置機構は、把手を操作して、容器台後壁部とフィルムキャッチャーとの間にフィルムの端部を挟み込む作業が必要である。このため、挟み込み操作が失念されたり、把手の操作ミスによってフィルムの挟み込みが不充分のまま容器台が機筐に収納されてしまう、といった不都合が発生する可能性があった。
また、フィルムによる容器開口部のヒートシール作業を行った後に、次の容器のヒートシールを行う際に、フィルムを挟み直すために、把手を操作して、容器台後壁部とフィルムキャッチャーとの間を一旦開放する必要がある。
このため、特に、容器のヒートシールを複数回連続して行うような場合には、作業効率が悪く、また、フィルムの挟み込みが不充分になる等の操作ミスも生じやすくなるといった問題がある。
【0006】
本発明は、前記課題に鑑みて、容器の上部開口部上へのフィルムの配置を確実かつ簡単に実現でき、容器の上部開口部へのフィルムの熱融着によるヒートシールを確実かつ簡単に行える容器用ヒートシール装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明では以下の構成を提供する。
請求項1に係る発明は、容器上部の開口周縁部にフィルムを熱融着して容器の上部開口部を封止する容器用ヒートシール装置であって、支持フレームによって昇降可能に支持したヒートシール用のヒータ盤の下に前記容器が搬入される容器搬入空間を確保した機体と、前記容器搬入空間に対して容器を搬入及び搬出するための容器搬入出機構と、この容器搬入出機構に設けられたフィルムクリップ機構に帯状の前記フィルムを導くためのフィルム誘導部とを具備し、前記容器搬入出機構は、前記容器が設置される容器受け部を有し、自動または手動によって前後動されることで、前記容器受け部が機体前面側に突出配置される容器脱着位置と、前記容器受け部が前記容器搬入空間に配置されるシール位置とが切り換えられる容器受けトレーと、前記容器受けトレーにおいて前記容器受け部よりも後側に設けられた前クリップブロックよりも後側にて、前記容器受けトレーあるいは前記機体に前後動可能に設けられ、前記容器受けトレーが前記容器脱着位置に配置されたときに、前記前クリップブロックとの間に前記フィルムを挿入可能な隙間を確保できる可動範囲前端位置に配置され、前記容器受けトレーを前記容器脱着位置から前記シール位置に移動したときに、前記前クリップブロックによって押圧されながら、前記可動範囲前端位置から後側へ移動される後クリップブロックと、前記後クリップブロックを前記前クリップブロックに向けて押圧して、前記後クリップブロックが、容器脱着位置からシール位置に移動される前クリップブロックに対して閉じた状態を維持したまま、前記可動範囲前端位置から前クリップブロックと一体に移動されるようにする挟持力付与手段とを具備し、前記前クリップブロックと前記後クリップブロックとが、前記容器受けトレーの前後動によって開閉し、閉じたときに前記フィルムを挟み込む前記フィルムクリップ機構を構成することを特徴とする容器用ヒートシール装置を提供する。
請求項2に係る発明は、前記挟持力付与手段がスプリングであり、前記容器受けトレーを前記シール位置から前記脱着位置に移動したときに、前記後クリップブロックが、前記スプリングの付勢力によって、前記容器受けトレーが前記シール位置にあるときの前記後クリップブロックの位置である可動範囲後端位置から前記可動範囲前端位置に移動されるようになっていることを特徴とする請求項1記載の容器用ヒートシール装置を提供する。
請求項3に係る発明は、前記後クリップブロックが、前記容器受けトレーに前後方向にスライド移動可能として取り付けられており、前記スプリングが、前記容器受けトレーに設けられているスプリング受け部と、前記後クリップブロックに設けられているスプリング受け部との間に配置されて、前記後クリップブロックを前記容器受けトレーに対して前側に付勢する圧縮コイルばねであることを特徴とする請求項2記載の容器用ヒートシール装置を提供する。
請求項4に係る発明は、前記機体に、前記後クリップブロックが後側から当接することで、前記後クリップブロックの前記可動範囲前端位置から前側への移動を規制するクリップストッパが設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の容器用ヒートシール装置を提供する。
請求項5に係る発明は、前記容器受け部が、容器が挿入される容器挿入孔が開口された枠状に形成され前記容器挿入孔の周囲に前記容器の上部開口部から外側に張り出す鍔部が載置される鍔受け台部を有する受け皿であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の容器用ヒートシール装置を提供する。
請求項6に係る発明は、前記容器受けトレーには、前記受け皿にリング状に形成されている前記鍔受け台部の内側の容器挿入孔に挿入した容器が載せられる容器リフトテーブルを昇降して容器を昇降する容器リフト機構と、前記容器リフトテーブルに載せられた容器を検出する容器検出センサとが設けられ、容器リフトテーブルが前記容器に接触しない位置に下降された状態を保ったまま前後動される前記容器受けトレーが、前記シール位置から前記容器脱着位置に移動されたときに、前記容器リフト機構が容器リフトテーブルを上昇させて、前記容器検出センサが前記受け皿に設置されている前記容器を検出してから、予め設定しておいた所定量だけ前記容器を押し上げて、容器の鍔部を受け皿の鍔受け台部から上方に離隔させるようになっていることを特徴とする請求項5記載の容器用ヒートシール装置を提供する。
請求項7に係る発明は、前記容器受けトレーが容器脱着位置に配置された状態において、前記容器検出センサが、昇降上限位置にある容器未設置の前記容器リフトテーブルに載せられた容器を検出したときに、前記容器リフト機構が、容器リフトテーブルを前記容器に接触しない位置まで下降させるようになっており、前記容器受けトレーがシール位置に移動された後、容器脱着位置に復帰するまで、容器リフトテーブルが前記容器に接触しない位置に下降された状態が保たれることを特徴とする請求項6記載の容器用ヒートシール装置を提供する。
請求項8に係る発明は、前記容器検出センサが、非接触で容器を検出する非接触センサであることを特徴とする請求項6又は7記載の容器用ヒートシール装置を提供する。
請求項9に係る発明は、前記容器搬入出機構は、前記容器受けトレーを機体の前後方向に移動させるトレー駆動機構を具備し、前記容器受けトレーが前記容器脱着位置にあるときに、前記容器検出センサが、容器未設置の前記容器リフトテーブルに載せられた容器を検出すると、容器受けトレーが前記トレー駆動機構によってシール位置に自動的に移動し、さらに、前記ヒータ盤による容器の上部の開口周縁部へのフィルムの熱融着と、この熱融着の完了後の、前記トレー駆動機構による、前記シール位置から容器脱着位置への前記容器受けトレーの移動、とが自動的に行われるようになっていることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の容器用ヒートシール装置を提供する。
請求項10に係る発明は、前記容器搬入出機構は、前記容器受けトレーを機体の前後方向に移動させるトレー駆動機構を具備し、前記容器脱着位置に配置された容器受けトレーの前記容器リフト機構の前記容器リフトテーブルに載せられた容器が前記容器検出センサで検出されている状態において、スタート信号入力用のスタート指令スイッチが操作されたときに、容器受けトレーが前記トレー駆動機構によってシール位置に移動され、前記ヒータ盤機構による容器の上部の開口周縁部へのフィルムの熱融着が完了した後に、前記トレー駆動機構によって前記容器受けトレーが前記シール位置から前記容器脱着位置に移動されるようになっていることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の容器用ヒートシール装置を提供する。
請求項11に係る発明は、前記容器搬入出機構は、前記容器受けトレーが前記容器脱着位置に配置された状態において、前記容器検出センサが、容器未設置の前記容器リフトテーブルに載せられた容器を検出したときに、自動で、前記トレー駆動機構が容器受けトレーを前記シール位置へ移動させる、自動スタート制御と、前記容器脱着位置に配置された容器受けトレーの前記容器リフト機構の前記容器リフトテーブルに載せられた容器が前記容器検出センサで検出されている状態において、スタート信号入力用のスタート指令スイッチが操作されたときに、前記トレー駆動機構が駆動されて容器受けトレーを前記シール位置に移動する、手動スタート制御とが可能であり、自動/手動切り換えスイッチの操作によって、自動スタート制御と手動スタート制御とが切り換えられることを特徴とする請求項9又は10記載の容器用ヒートシール装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、容器受けトレーが容器脱着位置からシール位置に移動されるときに、ヒートシール用のフィルムが、前後のクリップブロック間に挟み込まれ、容器受けトレーがシール位置に到達すると、前記フィルムが、容器受け部に設置されている容器上を覆うように配置される。つまり、容器受けトレーを容器脱着位置からシール位置に移動するだけで、ヒートシール用のフィルムを、容器受け部に設置されている容器上に、自動的に配置できる。
このため、例えば既述の特許文献1のように、フィルムの挟み忘れや、挟持操作ミスが生じることは無く、フィルムを容器受け部に設置されている容器上に確実に配置することができる。そもそも、容器上にフィルムを張設するための特別な作業が不要であり、極めて簡単な操作で、フィルムによる容器のヒートシールを実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施した容器用ヒートシール装置1(以下、ヒートシール装置、と略称する場合がある)について、図面を参照して説明する。
図1はヒートシール装置1の外観を示す斜視図、図2はヒートシール装置1の機筐2を示す正面図、図3〜図5はヒートシール装置1の内部構造を示す図であり、図3は容器受けトレー5を機筐2前面側に突出させた状態を示す側断面図、図4は容器受けトレー5を機筐2内に収納した状態を示す側断面図、図5はシール動作を示す側断面図、図6は図3における容器受けトレー5付近を示す拡大図、図7は図5における容器受けトレー5付近を示す拡大図、図8(a)〜(c)は容器搬入出機構3を示す平面図であって、(a)は容器受けトレー5を機筐2内に収納した状態、(b)は容器受けトレー5の前クリップブロック53と後クリップブロック7との間にフィルム12を挟み込んだ状態、(c)は容器受けトレー5を機筐2内に収納した状態、図9は容器受けトレー5に対する後クリップブロック7の設置状態(前後動する後クリップブロック7を案内する案内レール)の例を示す断面図、図10は容器リフト機構9の容器リフトテーブル91を示す平面図、図11はヒータ盤の下面図である。
【0010】
なお、図1〜図7、図9において、上側を上、下側を下として説明する。
また、図3〜図7において、右側を前、左側を後として説明する。図8(a)〜(c)においては、上側が前、下側が後である。
また、図2、図8〜図9においては、左側を左、右側を右として説明する。図10においては、下側が前、上側が後である。
【0011】
図1〜図6に示すように、ヒートシール装置1は、容器11上部の開口周縁部11aにフィルム12を熱融着して、容器11の上部開口部11bを密封するものである。
このヒートシール装置1は、箱形の機筐2に、該機筐2の前面側のトレー出退口21を介して機筐2前面側に出退する容器受けトレー5によって容器11を機筐2の内外に移動する容器搬入出機構3と、前記容器受けトレー5によって機筐2内に搬入された容器11の上部の開口周縁部11aに、容器11の上部開口部11b上に配置されたフィルム12の上からヒータ盤41を押圧して前記フィルム12を開口周縁部11aに熱融着するヒータ盤機構4とを組み込んだ概略構成になっている。
【0012】
図3に示すように、ヒータ盤機構4は、ヒータ盤41と、このヒータ盤41を昇降させるヒータ盤昇降機構42とによって構成されており、機筐2の上部に取り付けて機筐2内に設けられている。
機筐2内には、ヒータ盤機構4の下に、容器搬入出機構3によって容器11が搬入される容器搬入空間Sが確保されている。
前記機筐2は、本発明に係る支持フレームとして機能する。
ヒータ盤機構4と機筐2とは、ヒートシール装置1の機体1Aを構成する。
【0013】
フィルム12は、容器の開口部のヒートシールに用いられる周知のもので良く、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリエチレン、EVA(ethylene vinyl acetate copolymer:エチレン−酢酸ビニル共重合体)からなる3層構造のもの(PETが基材層、ポリエチレンが中間層、EVAがヒートシール用接着層)等、片面にヒートシール用接着層を有する各種構造のものを採用できる。
【0014】
機筐2の上部には、帯状のフィルム12を巻き上げたフィルム原反13を設置するフィルム原反設置部2aが設けられている。
図1、図3に例示したように、前記ヒートシール装置1では、フィルム原反13をダンボール箱等の箱形容器14に収納してなるフィルムボックス15が、機筐2の天板22上に載せられるようになっている。フィルム原反設置部2aは、天板22と、天板22上に取り付けられ、天板22上でのフィルムボックス15の位置ずれを防止する保持枠23とによって構成されている。
なお、フィルム原反設置部2aとしては、例えば、フィルム原反13を直接、回転可能に軸支する構造のものであっても良い。
また、フィルム原反設置部2aの設置位置は、機筐2上部に限定されず、適宜変更可能である。
【0015】
図3に示すように、フィルム原反13のフィルム12は、前記箱形容器14の側壁部にスリット状に開口されたフィルム引出口14aからフィルムボックス15の外側に引き出され、機筐2上部に開口されたフィルム導入口22aから機筐2内に導入され、機筐2前面側に取り付けられたフロントカバー25に沿って上下に延在するようにして機筐2内に通される。フィルム12の下端は、機筐2前面側下部に設けられているトレー出退口21に上から垂れ下げられる。
前記フロントカバー25は、機筐2の前記トレー出退口21の上側に設けられており、機筐2の前面壁を構成する。このフロントカバー25は機体1Aに対して着脱可能であり、取り外すと、機筐2前面側全体が開放されることとなり、機筐2内のメンテナンス等を容易に行える。
【0016】
このヒートシール装置1では、機筐2内に設けられたフィルム案内部材26bとフロントカバー25とが、フィルム12を、前記フィルム導入口22aから前記トレー出退口21に導くためのフィルム誘導部26を構成している。フロントカバー25もフィルム案内部材として機能している。
フィルム誘導部26によって前記フィルム導入口22a(フィルム誘導部26の始端)からトレー出退口21に導かれるフィルム12は、このフィルム誘導部26の、トレー出退口21上に位置する終端に設けられている一対のフィルム案内部材(ここではフロントカバー25下端と、該フロントカバー25下端との間に僅かな隙間を介して設けられているフィルム案内部材26b)の間に確保した隙間である下端開口部26a(図6、図7参照)からトレー出退口21に垂れ下げられる。
【0017】
(容器搬入出機構)
図6〜図8に示すように、容器搬入出機構3は、前記容器受けトレー5と、この容器受けトレー5を前後方向に移動するためのトレー駆動機構6と、前記容器受けトレー5に前後方向にスライド移動可能として取り付けられた後クリップブロック7と、この後クリップブロック7を前記容器受けトレー5に対して前側に付勢するクリップスプリング8と、前記容器受けトレー5に設けられ前記容器11を昇降する容器リフト機構9とを具備して構成されている。
【0018】
(容器受けトレー)
図6〜図8に示すように、容器受けトレー5は、枠状の可動フレーム51と、この可動フレーム51の前端部に取り付けられた受け皿52と、容器受けトレー5の前後方向において受け皿52よりも後側にて前記可動フレーム51に固定された前クリップブロック53とを具備して構成されている。
図2に示すように、この容器受けトレー5は、機筐2の左右両側(図2左右)の側壁部2bの間に設けられる。そして、可動フレーム51が、機筐2の左右両側(図2左右)の両側壁部2bの内面側(両側壁部2bの間の機筐内部空間に臨む側)にそれぞれ設けられたトレー案内レール28に案内されながら、前後方向に移動する。
【0019】
この容器受けトレー5は、可動フレーム51に取り付けられたトレー駆動モータ61(図3、図6、図7等参照)の回転駆動力によって、前記トレー案内レール28に設けられたトレーラックギア28aに噛み合わされたトレー駆動ギア62(ピニオンギア)が回転されることで前後方向に移動される。
トレー駆動モータ61、トレー駆動ギア62、トレー駆動モータ61の駆動力をトレー駆動ギア62に伝達する駆動力伝達系(図中符号63の伝達ギア63を含む)は、前記トレー駆動機構6を構成する。
図6等に例示するように、このヒートシール装置1では、トレー駆動機構6は、容器受けトレー5に設けられている。
但し、トレー駆動機構6としては、容器受けトレー5(詳細には、後述する可動フレーム51)を前後方向に移動して、容器受けトレー5をトレー出退口21から機筐2の前面側に出退できる構成であれば良く、必ずしも容器受けトレー5に設けた構成に限定されず、例えば、機筐2に取り付けたモータの駆動力によって容器受けトレー5を移動する構成のもの等であっても良い。
【0020】
図6、図8に示すように、前記受け皿52は、容器11が挿入される容器挿入孔52aが中央部に開口された枠状の部材である。
ここで採用される容器11は、上部開口部11b(より具体的には容器本体部11dの上端部)から外側に張り出すフランジ状の鍔部11cを有するものである。
容器11は、上部開口部11bが上となる向きで、容器本体部11dを受け皿52の容器挿入孔52aに挿入される。鍔部11cは、前記受け皿52において、容器挿入孔52aの周囲に突設された鍔受け台部52bに載置される。容器本体部11dを容器挿入孔52aに挿入した容器11は、鍔受け台部52bに鍔部11cが下から支承されることで、受け皿52に支持される。
容器挿入孔52aは、容器11の容器本体部11dのみが挿入可能であり、鍔部11cは容器挿入孔52aに入り込まない。
【0021】
図1に示すように、受け皿52は、円形の容器挿入孔52aを有する。鍔受け台部52bは、容器挿入孔52aの外周に沿ったリング状の突起である。但し、容器挿入孔52aの形状は容器11の形状に応じて適宜変更可能であり、例えば、四角形等であっても良い。鍔受け台部52aは、容器挿入孔52aの外周に沿った形状であれば良く、例えば、容器挿入孔52aが受け皿52に形成された四角形の開口部である場合は、この容器挿入孔52aの外周に沿った四角形枠状の突起に形成される。
【0022】
容器11の開口周縁部11aは、容器11の上端部を指し、ここでは特に、フィルム12が熱融着されるシール面を形成する部分を指す。
例えば、図6に例示した容器11の鍔部11cは、容器本体部11dの上端部の外周にフランジ状に突出しており、シール面として機能する平坦な上面11eを有し、容器11の開口周縁部11aとして機能する。
【0023】
受け皿52の鍔受け台部52bは、容器11の開口周縁部11a(詳細には、鍔部11c)を下から支承する。
図7に示すように、ヒータ盤機構4のヒータ盤41でフィルム12を開口周縁部11aに熱融着する際に、鍔受け台部52bが、ヒータ盤41からの押圧力を負担して、開口周縁部11aにフィルム12がしっかりと押さえ込まれるようにする機能を果たす。
また、図示例の容器11の鍔部11cは、外周部から下方に突出する垂下部11gを有している。図6等に示すように、この垂下部11gは、容器11の容器本体部11dを、受け皿52の鍔受け台部52bの内側の容器挿入孔52aに挿入したときに、リング状の鍔受け台部52bの外側に配置される。垂下部11gは開口周縁部として機能しない。
容器11としては、垂下部11gを有していないものも採用可能である。
【0024】
図8に示すように、容器受けトレー5の可動フレーム51は、トレー案内レール28上に載せられる左右のトレーレール51aを、複数の連結枠材51bで連結してなる、枠体である。
この可動フレーム51は、左右のトレーレール51aがトレー案内レール28に案内されながら、機筐2に対して前後方向にスライド移動する。
【0025】
受け皿52は、鍔受け台部52bが突設されている側の面(上面52c)が上となる向きで、左右のトレーレール51aに架け渡して、可動フレーム51に脱着可能に取り付けられている。
図6、図7に例示した容器受けトレー5では、受け皿52は、可動フレーム51の前端部に固定されたトレー前カバー54の後面54aに当接させて、可動フレーム51に取り付けられる。
【0026】
容器搬入出機構3は、容器受けトレー5の前後方向への移動によって、受け皿52全体が機筐2前面側(機筐2の外側)に配置される位置(図3、図6における受け皿52の位置。以下、容器脱着位置。符号5A)と、受け皿52が機筐2内で昇降されるヒータ盤41の直下に配置されるシール位置(図4、図7における受け皿52の位置。符号5B)とを切り換えることができる。
容器受けトレー5が前記トレー出退口21から機筐2の前面側に突出されて容器脱着位置に配置されると、受け皿52に対する容器11の脱着を自由に行える。
容器受けトレー5がシール位置に配置されると、トレー前カバー54によって、機筐2のトレー出退口21が閉じられる。
【0027】
(後クリップブロック・クリップスプリング)
図8(a)〜(c)、図9に示すように、容器搬入出機構3の後クリップブロック7は、受け皿52よりも後側にて容器受けトレー5の前後方向にスライド移動可能に設けられている。この後クリップブロック7は、前後方向のスライド移動によって、容器受けトレー5の前クリップブロック53に対して開閉でき、前クリップブロック53に対して閉じたときに、前クリップブロック53との間にフィルム12を挟み込むことができる。
前クリップブロック53と後クリップブロック7とは、前記容器受けトレー5の前後動によって開閉し、閉じたときに前記フィルム12を挟み込むフィルムクリップ機構を構成する。
【0028】
図6、図9に示すように、後クリップブロック7は、前クリップブロック53の後側にて、容器受けトレー5の可動フレーム51の左右のトレーレール51aに案内されて、容器受けトレー5に前後可能に設けられている。
可動フレーム51の左右のトレーレール51aは、後クリップブロック7の、可動フレーム51に対する前後方向の移動を案内する案内レールとして機能する。
図8、図9では、案内レールの具体例として、案内溝51dが前後方向に延在形成されたトレーレール51aを例示した。図8、図9に例示した構成では、後クリップブロック7は、該後クリップブロック7の左右両端に突設されているガイド用突起75を、案内溝51dに前後可能に挿入しており、ガイド用突起75が案内溝51d案内されて、可動フレーム51に対して前後方向にスライド移動するようになっている。
なお、後クリップブロック7を、可動フレーム51に対して前後方向にスライド移動可能に案内するための案内レールとしては、上述の案内溝51d付きのトレーレール51aに限定されず、例えば、案内溝付きの部材を、別途、可動フレーム51に取り付けた構成であっても良い。
【0029】
前記後クリップブロック7は、具体的には、前面側にて前クリップブロック53に対面配置される挟持板部71bを具備する後クリップ本体71と、この後クリップ本体71の左右両側(図8(a)〜(c)、図9の左右)に突設されたストッパ片72とを具備して構成されている。
後クリップ本体71は、左右のトレーレール51a上に架設状態に設けられるプレート状の本体プレート部71aと、この本体プレート部71aの前端に設けられた前記挟持板部71bとを有している。
前記ガイド用突起75は、後クリップ本体71の本体プレート部71aの左右両端部から、下方に突設されている。
【0030】
前クリップブロック53及び後クリップブロック7(詳細には後クリップ本体71)は、帯状のフィルム12の幅寸法よりも若干大きい左右方向寸法を有しており、帯状のフィルム12を挟持するための面積を充分に確保できる。
なお、図6、図7に示すように、本実施形態に係る容器搬入出機構3においては、後クリップブロック7の挟持板部71b及び前クリップブロック53の互いに対向する面に、ラバー74、53bが取り付けられ、このラバー74、53bによって、後クリップブロック7の挟持板部71b及び前クリップブロック53の互いに対向するフィルム挟持面53a、71cが形成されている。
図6、図7に例示したクリップブロック53、7では、挟持したフィルム12を、フィルム12の滑り防止用のラバー53b、74によって強固に固定できる。
但し、ラバー53b、74は省略可能である。
【0031】
前記ストッパ片72は、機筐2の両側壁部2bの内面側に突設されているクリップストッパ2cに後側から当接されることで、後クリップブロック7の機筐2前側への移動を規制する機能を果たす。
後クリップブロック7は、ストッパ片72が機筐2のクリップストッパ2cに当接する位置が、可動範囲前端位置である。
【0032】
図6、図8等に示すように、図示例の容器搬入出機構3において、クリップスプリング8は、可動フレーム51に固定されたスプリング受け壁55kと、後クリップブロック7の内の前記スプリング受け壁55kよりも前側に位置する部分との間に配置された圧縮コイルばねであり、スプリング受け壁55kに反力を取って後クリップブロック7を前側に付勢する。図6、図8等において、スプリング受け壁55kは、可動フレーム51に複数設けられている連結枠材51bの1つ(受圧用連結部材51e)に固定されている。
前記クリップスプリング8は、中心軸方向を前後方向に揃えて、容器搬入出機構3に組み込まれている。
【0033】
前記容器搬入出機構3において、具体的には、クリップスプリング8は、前記スプリング受け壁55kと、後クリップブロック7の挟持板部71bとの間に配置されている。ここで、スプリング受け壁55kと、後クリップブロック7の挟持板部71bとは、スプリング受け部として機能する。
なお、後クリップブロック7において、クリップスプリング8の前端によって押圧されるスプリング受け部は、スプリング受け壁55kよりも前側に位置する部分であれば良く、前記挟持壁部71bに限定されない。
【0034】
前記容器搬入出機構3においては、前クリップブロック53と後クリップブロック7が閉じ合わされたときに、スプリング受け壁55kと後クリップブロック7のスプリング受け部(図示例では挟持壁部71b)との間の離隔距離L(図7参照)が最大となる。
クリップスプリング8の長さ(引っ張りや圧縮といった外力が作用していない定常状態における軸方向寸法)は、前クリップブロック53と後クリップブロック7が閉じ合わされたときのスプリング受け壁55kと後クリップブロック7のスプリング受け部(図示例では挟持壁部71b)との間の離隔距離Lよりも長く、クリップスプリング8は、スプリング受け壁55kと後クリップブロック7のスプリング受け部との間に圧縮して介装してある。このため、クリップスプリング8は、圧縮状態が常時保たれており、後クリップブロック7に前後方向前側への付勢力を常時作用させる。
【0035】
容器搬入出機構3では、図3、図6、図8(a)に示すように、容器受けトレー5が容器脱着位置にあるときに、クリップスプリング8の付勢力によって、後クリップブロック7のストッパ片72が機筐2のクリップストッパ2cに押し当てられ、しかも、後クリップブロック7の後クリップ本体71(詳細には挟持板部71b)と前クリップブロック53との間に隙間Cが確保される。この隙間Cは、既述のフィルム誘導部26の下端開口部26aの真下に位置している。このため、フィルム原反13から巻き出されてフィルム誘導部26の下端開口部26aからトレー出退口21に垂れ下げられたフィルム12を、隙間Cに挿入することは容易である。
【0036】
フィルム原反13から巻き出されたフィルム12の端部を前記隙間Cに配置し、トレー駆動機構6によって、容器受けトレー5を容器脱着位置からシール位置(図4、図5、図7、図8(c)の容器受けトレー5の位置)に向かって移動すると、前クリップブロック53が後クリップブロック7に次第に接近して、後クリップブロック7の後クリップ本体71(詳細には挟持板部71b)との間にフィルム12を挟み込み(図8(b)の状態)、後クリップブロック7を押圧するようになる。このとき、フィルム12は、クリップスプリング8の付勢力によって、前後のクリップブロック53、7の間にしっかりと挟み込まれる。
【0037】
前後のクリップブロック53、7の間にフィルム12が挟み込まれた後、さらなる、容器受けトレー5の移動(前後方向後側への移動)の継続によって、容器受けトレー5と後クリップブロック7が一体となって前後方向後側へ移動する。この移動は、シール位置に到達したところで移動を停止する(図8(c)参照)。
容器受けトレー5によって押圧された後クリップブロック7が前後方向後側への移動を開始すれば、後クリップブロック7のストッパ片72が、機筐2側のクリップストッパ2cから後方へ離れることは言うまでも無い。
なお、後クリップブロック7について、容器受けトレー5がシール位置にあるときの位置が、可動範囲後端位置である。
【0038】
容器受けトレー5の移動の停止は、例えば、容器受けトレー5がシール位置に到達したことを検知するセンサ(例えば図3のトレーINセンサ502)からの検知信号によって、クリップ駆動機構6のトレー駆動モータ61の駆動を停止することによって行う。
トレー駆動モータ61としては、例えば、駆動用電流が給電されていないときに、出力軸を回転させようとする外力の作用に対して出力軸の回転を規制するブレーキ力が働く、DCモータを採用する。この場合、容器受けトレー5がシール位置に到達したことを検知したセンサからの検知信号によって、トレー駆動モータ61の駆動用電流の給電を停止することで、トレー駆動モータ61自体を、容器受けトレー5のシール位置からの位置ずれを防止する位置ずれ防止手段として機能させることができる。
また、シール位置に達した容器受けトレー5を、容器上部開口部12へのフィルム12のヒートシールが完了するまで、シール位置から位置ずれしないように停止させておくための位置ずれ防止手段としては、例えば、容器受けトレー5を磁気吸着力によって固定して移動を規制する電磁石を用いたもの等、様々なものを採用できる。
なお、容器搬入出機構には、容器受けトレー5を容器脱着位置から位置ずれしないように停止させておく位置ずれ防止手段も設ける。この位置ずれ防止手段も、容器受けトレー5を容器脱着位置から位置ずれしないように停止させておく位置ずれ防止手段と同様のものを採用できる。
【0039】
図6、図7を参照して判るように、容器受けトレー5が容器脱着位置にあるとき(図6等参照)は、容器受けトレー5がシール位置にあるときに比べて、スプリング受け壁55kと後クリップブロック7のスプリング受け部(図示例では挟持壁部71b)との間の離隔距離Lが小さくなる。これは、容器受けトレー5がシール位置から容器脱着位置に移動したときに、後クリップブロック7がストッパ2cで止められて、それ以上、前方に移動できないために、前後のクリップブロック53、7間に隙間Cが確保され、この隙間Cの形成による前後のクリップブロック53、7間の離隔距離Lcに相当する長さだけ、スプリング受け壁55kと後クリップブロック7のスプリング受け部(図示例では挟持壁部71b)との間の離隔距離Lが小さくなるためである。
【0040】
前記容器搬入出機構3では、スプリング受け壁55kと後クリップブロック7のスプリング受け部との間に圧縮介装されたクリップスプリング8の付勢力が、前後のクリップブロック53、7の間にフィルム12を挟持する挟持力として作用するため、前後のクリップブロック53、7の間にフィルム12がしっかりと挟み込まれた状態が確実に維持される。
クリップスプリング8の付勢力によって前後のクリップブロック53、7の間にフィルム12がしっかりと挟み込まれた状態は、容器脱着位置からシール位置へ容器受けトレー5を移動するときのみならず、フィルム12の熱融着による容器11のシール作業を完了した後に、シール位置から容器脱着位置へ容器受けトレー5を移動する場合でも、後クリップブロック7がクリップストッパ2cに当接するまで維持される。
【0041】
容器受けトレー5を容器脱着位置からシール位置に移動すると、フィルム12が、フィルム誘導部26の下端開口部26aから引き出され、受け皿52上に張設される。
容器脱着位置にて受け皿52に容器11を設置した容器受けトレー5をシール位置に移動すれば、フィルム12が、受け皿52に支持されている容器11の開口周縁部11a上に張設され、容器11の上部開口部11bを覆うように配置される。
【0042】
(容器リフト機構)
図6、図7に示すように、容器リフト機構9は、受け皿52の下側に設けられている。
この容器リフト機構9は、容器受けトレー5の可動フレーム51に設けられている。
【0043】
容器リフト機構9は、前記受け皿52の容器挿入孔52aに挿入された容器11が載せられる容器リフトテーブル91と、この容器リフトテーブル91を昇降するテーブル昇降機構92と、前記容器リフトテーブル91に載せられた容器11を検出する容器検出センサ93(図10参照)とを具備して構成されている。
【0044】
テーブル昇降機構92としては、例えば、図6、図7に例示したように、モータ92a(リフトテーブル昇降モータ)によって無端ベルト92bを回転駆動することで、この無端ベルト92bに連結されている容器リフトテーブル91を、上下方向に延在する昇降ガイド92cに沿って昇降する構造を採用できる。
前記無端ベルト92bは、昇降ガイド92cの上下両端付近に設置されたスプロケット92e、92fに巻き掛けられて、昇降ガイド92cに沿って上下方向に延在する部分(以下、上下延在部92g、とも言う)を有する。上下一対のスプロケット92e、92fの内、下側のスプロケット92fは、容器受けトレー5の可動フレーム51の下側に固定された昇降機構用フレーム92dに取り付けられている。
リフトテーブル昇降モータ92aの回転駆動力を無端ベルト92bに伝達する駆動力伝達プーリ92hには、無端ベルト92bの内、前記上下延在部92g以外の部分が巻き掛けられている。
図6、図7中、符号92iはテンションプーリであり、無端ベルト92bに張力を与える。
【0045】
図6、図7、図10に示すように、容器リフトテーブル91は、昇降ガイド92cに沿って昇降する昇降ブロック92jに固定されている。前記昇降ブロック92jは、無端ベルト92bの上下延在部92gに取り付けられており、モータ92aによって無端ベルト92bが回転されることで昇降される。昇降ブロック92jと一体的に、容器リフトテーブル91が昇降ガイド92cに沿って昇降される。モータ92aの回転方向の正逆選択によって、容器リフトテーブル91の昇降方向(上昇あるいは下降)を選択できる。
なお、テーブル昇降機構92としては、容器リフトテーブル91を昇降する構成であれば特に限定はなく、例えば、ラック−ピニオン機構を利用したもの等も採用できる。
【0046】
前記容器検出センサ93は、容器リフトテーブル91に取り付けられている。
この容器検出センサ93としては、例えば、光センサ等の非接触センサを採用することが好ましい。
図10は、光センサの例を示す。
図10において、光センサは、投光部93aと受光部93bとで構成されている。
投光部93aと受光部93bとは、容器リフトテーブル91の両側に対向配置されており、容器リフトテーブル91の中央部に載置された容器11によって投光部93aからの出力光が遮光されて、受光部93bからの受光信号が得られなくなることで、容器11を検出するようになっている。
なお、容器検出センサ93として採用可能な非接触センサとしては、上述したような投光部と受光部とで構成される光センサに限定されず、例えば、光電センサ(被検出物からの反射光を検出するもの等)、超音波センサ等も採用可能である。
【0047】
図6、図10等に例示した容器リフトテーブル91は、昇降ガイド92cに昇降可能に取り付けられた昇降台部91aと、この昇降台部91a上に前後方向にスライド移動可能に設けられたスライドテーブル91b(テーブル本体)とを具備して構成されている。スライドテーブル91bの位置を調整することで、受け皿52に設置される容器11の形状等に対応して、容器検出センサ93の位置を容器11の検出に適した位置に調整できる。
【0048】
(ヒータ盤機構)
図3に示すように、ヒータ盤機構4は、ヒータ盤41と、このヒータ盤41を昇降させるためのヒータ盤昇降機構42とを具備して構成されている。
ヒータ盤昇降機構42は、機筐2の上部に取り付けられている。このヒータ盤昇降機構42は、例えば、電動モータの駆動力によってヒータ盤41を昇降するもの等、周知の構成のもので良い。
ヒータ盤41は、ヒータ盤昇降機構42によって昇降上限位置から下降されることで、シール位置に配置された受け皿52に向けて上から押圧される。
【0049】
図11は、ヒータ盤41を示す下面図である。
図6、図7、図11に示すように、ヒータ盤41は、ヒータ盤昇降機構42によって昇降されるヒータ盤ベースプレート41aの下面側に、リング状の前記ヒータプレート41bと、リング状フィルム押さえ41cと、リング状カッター41dと、ストレートフィルム押さえ41eと、ストレートカッター41fとを取り付けたものである。
リング状フィルム押さえ41cと、リング状カッター41dと、ストレートフィルム押さえ41eと、ストレートカッター41fとは、ヒータ盤ベースプレート41aに固定されている。
リング状カッター41dとストレートカッター41fとは、ヒータ盤41を下降させて、シール位置に配置されている受け皿52に押し付けたときに、受け皿52上に配置されているフィルム12を切断するものである。
【0050】
ストレートフィルム押さえ41eとストレートカッター41fとは、ヒータ盤ベースプレート41aの前後方向前側の端部に固定して、左右方向に延在配置されている。ストレートフィルム押さえ41eは、ストレートカッター41fの前後方向前側にて、ストレートカッター41fに近接配置されている。
ヒータプレート41bと、リング状フィルム押さえ41cと、リング状カッター41dとは、ストレートフィルム押さえ41e及びストレートカッター41fよりも前後方向後側にて、ヒータ盤ベースプレート41aに取り付けられている。
【0051】
ヒータプレート41bと、リング状フィルム押さえ41cと、リング状カッター41dとは、同心円状に配置されている。
リング状カッター41dは、リング状のヒータプレート41bの外側に配置され、リング状フィルム押さえ41cはリング状カッター41dの外側に配置されている。
但し、図示例のヒータ盤41では、リング状フィルム押さえ41cとリング状カッター41dとは、ヒータ盤ベースプレート41aの前後方向前側端部付近で不連続になっている概略C形に形成されている。概略C形のリング状フィルム押さえ41c及びリング状カッター41dの延在方向両端は、ストレートカッター41fに近接配置されている。
【0052】
図6、図7に示すように、ヒータ盤ベースプレート41aとヒータプレート41bとの間にはコイルばね41iが介挿されており、前記ヒータプレート41bは、前記コイルばね41iの伸縮範囲によって、ヒータ盤ベースプレート41aに対して若干の上下動を許容して取り付けられている。
図6、図7に例示したヒータ盤41において、ヒータプレート41bは、ヒータ盤ベースプレート41aに形成された貫通孔であるガイドバー挿通孔41hに上下動自在に挿入されているヒータプレートガイドバー41gの下端に固定されている。
ヒータプレートガイドバー41gは、ヒータ盤ベースプレート41a上に突出された上端部に固定された抜け止め片41g1が、ヒータ盤ベースプレート41aに上から当接されることで、ヒータ盤ベースプレート41aから下への抜け落ちが規制されている。
また、図11において、符号41g2は、ヒータプレートガイドバー41gの下端にヒータプレート41bを固定する止めねじである。
【0053】
(シール工程)
このヒートシール装置1によって、未シールの容器11(フィルム12の熱融着による上部開口部11bの封止を行う前の容器11)の上部開口部11bの開口周縁部11aにフィルム12を熱融着して、上部開口部11bを封止したシール済み容器を得る動作(シール工程)は、以下の(1)〜(5)の工程で構成されている。
(1)容器脱着位置に配置された容器受けトレー5の受け皿52にセットされた容器11が、容器リフト機構9の容器検出センサ93で検出されたときに、容器リフト機構9が容器リフトテーブル91を昇降下限位置(図7に示す容器リフトテーブル91の位置)に下降させる、リフトテーブル下降工程。
(2)リフトテーブル下降工程の後、トレー駆動機構6の駆動によって、容器受けトレー5をシール位置に移動させる容器搬入工程。
(3)容器搬入工程の完了後、ヒータ盤機構4がヒータ盤41を下降させ、容器11上に、上部開口部11bを塞ぐように設けられたフィルム12を、容器11の開口周縁部11aに熱融着する(ヒートシール)するヒートシール工程。
(4)ヒートシール工程の完了後、トレー駆動機構6の駆動によって、容器受けトレー5を容器脱着位置に移動させる、容器搬出工程。
(5)容器搬出工程の完了後、容器リフト機構9が容器リフトテーブル91を昇降下限位置から上昇させ、シール済みの容器11を、鍔部11cが受け皿52の鍔受け台部52bから上方に離隔する位置に押し上げる、容器押し上げ工程。
なお、容器リフトテーブル91は、リフトテーブル下降工程にて昇降下限位置に下降されたら、ヒートシール工程及び容器搬出工程が完了するまで、昇降下限位置に配置された状態が維持される。
【0054】
(リフトテーブル下降工程)
既述のように、このヒートシール装置1では、受け皿52への容器11のセットは、容器受けトレー5が容器脱着位置にある状態で行うが、このとき(容器受けトレー5が容器脱着位置にあるとき)、容器リフト機構9は、容器リフトテーブル91を、昇降下限位置よりも上側で停止させて、未シールの容器11(フィルム12の熱融着による上部開口部11bの封止を行う前の容器11)の載置を待機する。
容器リフト機構9は、容器検出センサ93が、受け皿52にセットされた容器11を検出したときに、容器リフトテーブル91を昇降下限位置に下降させる。
【0055】
このヒートシール装置1に適用する容器11としては、開口周縁部11aを受け皿52の鍔受け台部52b上に載せたときに、容器本体部11dが受け皿52から下側に突出する高さ寸法(容器11の底部(底面)から上端までの寸法。図6中、符号H)を有するものを採用する。そして、容器リフト機構9の容器リフトテーブル91は、容器11を受け皿52にセットしたときに、容器11(詳細には容器11の底部)が載置され、容器検出センサ93で容器11を検出し得る位置で、容器11の載置を待機する。
また、このヒートシール装置1に適用される容器11としては、容器リフトテーブル91が昇降下限位置に到達したときに、鍔部11cが受け皿52の鍔受け台部52bに支持されることで、容器底部が、容器リフトテーブル91から離れ、容器検出センサ93で検出されなくなる高さ寸法(容器11の底部(底面)から上端までの寸法。図6中、符号H)を有するものが採用される。容器リフトテーブル91が昇降下限位置に到達したときに、容器リフトテーブル91が、容器11の底部から下方に離れることで、容器11の鍔部11cが受け皿52の鍔受け台部52bに確実に支持される。
【0056】
なお、このヒートシール装置1では、起動(電源ON)後、最初のシール工程を行う際には、容器リフトテーブル91は、テーブル昇降機構92による昇降上限位置に配置される。容器リフトテーブル91の昇降上限位置は、このヒートシール装置1に適用される容器11の高さ寸法が小さいものに対応できるようにする点で、出来るだけ、受け皿52に近い(上側)位置であることが好ましい。
【0057】
容器検出センサ93が受け皿52にセットされた容器11を検出し、容器リフトテーブル91が昇降下限位置に下降されると、容器11が受け皿52に支持される。つまり、容器リフトテーブル91の下降によって、容器11の開口周縁部11aが、受け皿52の鍔受け台部52b上に載せられる。
容器本体部11dの上端からの突出先端に垂下部11gが突設されている鍔部11cを有する容器11については、垂下部11gが、受け皿52の鍔受け台部52bの外側に配置されて、容器11の開口周縁部11aが受け皿52の鍔受け台部52bに載せられる。
【0058】
容器リフトテーブル91がリフト昇降下限位置まで下降されたときに、容器検出センサ93によって容器11が検出されなくなることで、容器11の底部が容器リフトテーブル91から離れたことが検知される。
【0059】
(容器搬入工程)
容器搬入工程では、リフトテーブル下降工程の完了(容器リフトテーブル91がリフト昇降下限位置に到達)後、トレー駆動機構6の駆動によって、容器受けトレー5をシール位置に移動させる。これにより、受け皿52に支持された容器11が、ヒータ盤機構4のヒータ盤41の直下に配置される。
【0060】
なお、ヒータ盤機構4は、容器脱着位置からシール位置への容器受けトレー5の移動が完了するまで、ヒータ盤41を昇降上限位置(図6に示すヒータ盤41の位置)に配置し、ヒータ盤41が、容器脱着位置からシール位置への容器受けトレー5の移動の障害にならないようにする。
ヒータ盤41の昇降上限位置は、ヒータ盤41が、容器脱着位置からシール位置への容器受けトレー5の移動によって機筐2内に引き込まれて受け皿52に設置されている容器11上に張設されるフィルム12とも干渉しない位置である。
【0061】
(ヒートシール工程)
容器搬入工程が完了(容器脱着位置から移動された容器受けトレー5がシール位置に到達)したら、ヒータ盤機構4がヒータ盤41を下降させ、容器11上に、上部開口部11bを塞ぐように設けられたフィルム12を、容器11の開口周縁部11aに熱融着(ヒートシール)する。
フィルム12の熱融着が完了したら、ヒータ盤機構4がヒータ盤41を上昇させ、昇降上限位置に停止させる。
【0062】
ヒータ盤41を下降させていくと、ヒータ盤41のリング状フィルム押さえ41cと、ストレートフィルム押さえ41eとが、フィルム12を、受け皿52との間に挟み込むようにして押さえ込むとともに、リング状カッター41dとストレートカッター41fとが受け皿52に押圧されて、フィルム12を切断する。
【0063】
リング状フィルム押さえ41cは、受け皿52上にリング状に突設されている鍔受け台部52bの外側に、鍔受け台部52bと同心円状に形成されたリング状の突条であるフィルム押さえ台部52d上に押圧されて、フィルム押さえ台部52dとの間にフィルム12を挟み込む。
ストレートフィルム押さえ41eは、受け皿52の前端部に突設されて左右に直線状に延在する突条であるフィルム押さえ台部52e上に押圧されて、フィルム押さえ台部52eとの間にフィルム12を挟み込む。
リング状カッター41dは、ヒータ盤41の下降によって、受け皿52の鍔受け台部52bとフィルム押さえ台部52dとの間の溝状の凹所52fに入り込み、フィルム12を切断(押し切り)する。
【0064】
ストレートカッター41fは、フィルム原反13から延びるフィルム12の端部を、帯状のフィルム12を横切る向き(フィルム12の長手方向に直交する方向)の切断線によって切断して、帯状のフィルム12から、容器11のヒートシールに用いる部分を分離する機能を果たす。
このストレートカッター41fは、ヒータ盤41の下降によって、フィルム押さえ台部52eの前後方向後側にフィルム押さえ台部52eに沿わせるようにして移動(下降)し、フィルム12を切断(押し切り)する。
【0065】
(容器搬出工程)
ヒートシール工程が完了したら、トレー駆動機構6の駆動によって、容器受けトレー5を容器脱着位置に移動させる。
このとき、後クリップブロック7のストッパ片72が、クリップストッパ2cに当接して、前後のクリップブロック53、7の間が開放されるまで、前後のクリップブロック53、7の間にフィルム12が挟み込まれた状態が維持される。後クリップブロック7のストッパ片72が、クリップストッパ2cに当接して、前後のクリップブロック53、7の間が開放されると、前後のクリップブロック53、7の間に隙間Cが確保される。
【0066】
(容器押し上げ工程)
容器搬出工程が完了したら(容器受けトレー5が容器脱着位置に到達)、容器リフト機構9が容器リフトテーブル91を昇降下限位置から上昇させ、シール済みの容器11を、鍔部11cが受け皿52の鍔受け台部52bから上方に離隔する位置に押し上げる。
容器リフト機構9による容器リフトテーブル91の上昇は、容器検出センサ93で容器11が検出されてから、予め設定しておいた押し上げ調整寸法だけ上の位置に到達したところで停止する。
例えば、リフトテーブル昇降モータ92aの回転角度を検出するロータリーエンコーダ等のセンサ(リフトポジションセンサ506)の計測データによって、上昇される容器リフトテーブル91の位置(上下方向の位置。高さ)を把握できるようにし、容器検出センサ93で容器11が検出されてから以降の容器リフトテーブル91の上昇量が、予め設定しておいた押し上げ調整寸法に達したところで、リフトテーブル昇降モータ92aの駆動を停止する。
但し、容器リフトテーブル91の上昇位置は、昇降上限位置より上にならないことは言うまでも無い。
なお、上昇される容器リフトテーブル91の位置(上下方向の位置。高さ)を把握するためのセンサ(リフトポジションセンサ506)としては、前述の、リフトテーブル昇降モータ92aの回転角度を検出するロータリーエンコーダに限定されず、様々なものを採用できる。
【0067】
フィルム12によるヒートシールが完了済みの容器11が、鍔部11cが受け皿52の鍔受け台部52bから、前述した押し上げ調整寸法(図6において符号Δh)だけ上方に離隔した位置に押し上げられれば、受け皿52から上への容器11の突出寸法が増大するため、受け皿52からの容器11の取り出しを非常に楽に行える。
ここで、容器検出センサ93は、受け皿52から容器11が取り出されるまで、容器11を検出しているため、ONになっている。
容器リフト機構9は、受け皿52から容器11が取り出されて、容器検出センサ93で容器11が検出されなくなっても(容器検出センサ93がOFF)、次のシール工程を行う未シールの容器11が受け皿52にセットされて容器検出センサ93で検出されるまで、容器リフトテーブル91の上下方向の位置が変わらないように停止させておく。
【0068】
容器押し上げ工程において、容器リフト機構9による容器リフトテーブル91の上昇を、容器検出センサ93で容器11が検出されてから、予め設定しておいた押し上げ調整寸法だけ上の位置に到達したところで停止する構成であれば、容器11の高さ寸法に無関係に、常に、所定の押し上げ調整寸法が得られ、押し上げ調整寸法の過不足を生じない、といった利点がある。
【0069】
容器押し上げ工程が完了すると、一連のシール工程が完了となる。
容器押し上げ工程を完了し、受け皿52からシール済み容器11を取り出した後、未シールの容器11を受け皿52にセットし、この容器11が容器検出センサ93で検出されれば、以下、上述のシール工程が実行される。
【0070】
シール工程が完了したときには、前クリップブロック53と、後クリップブロック7の後クリップ本体71(詳細には挟持板部71b)との間に隙間Cが確保される。
シール動作の完了後に、容器受けトレー5がシール位置から容器脱着位置に移動されると、フィルム誘導部26の下端開口部26aの直下に前記隙間Cが確保されるため、フィルム原反13から延びるフィルム12の、ベース盤41のストレートカッター41fによって切断された端部が前記隙間Cに入り込む。
したがって、ヒートシール装置1の動作を再スタートしたときには、容器受けトレー5がシール位置に移動されると同時に、フィルム12が、受け皿52に設置された容器11の上部開口部11b上に張設されることになる。
なお、フィルム誘導部26の下端開口部26aは、機筐2のトレー出退口21付近にあるので、本シートシール装置2の使用者等が手作業で、フィルム原反13から延びるフィルム12の端部の、前記隙間Cに対する位置修正等の作業を行うことは容易である。
【0071】
(自動/手動切り換えスイッチ)
このヒートシール装置1では、自動スタート制御、手動スタート制御といった、二つの制御モード(スタート制御モード)を切り換えることができる。
自動スタート制御は、容器受けトレー5が容器脱着位置にある状態で、容器検出センサ93で容器11が検出されたとき(容器検出センサ93がON)に、トレー駆動機構6が容器受けトレー5を機筐2内に引き込む移動を自動的に開始するものである。これは、上述のシール工程で説明したものである。
手動スタート制御は、容器脱着位置にある容器受けトレー5の受け皿52に挿入された容器11が容器検出センサ93で検出されている状態において、ヒートシール装置1の制御部16にスタート信号を入力するための手動スタートスイッチSW1(スタート指令スイッチ)が操作され、制御部16にスタート信号が入力されたときに、トレー駆動機構6が容器受けトレー5を機筐2内に引き込む移動を開始するものである。
【0072】
ここでは、手動スタートスイッチSW1の長押し(押した状態を数秒間保つ)によって、自動スタート制御と手動スタート制御とを切り換えられるようになっている。例えば、起動時に、動作制御が自動スタート制御になっているときに、手動スタートスイッチSW1の長押しによって、動作制御を手動スタート制御に切り換えることができる。手動スタート制御に切り換えた後、手動スタートスイッチSW1の長押しを行うと、動作制御が、自動スタート制御に切り替わる。つまり、長押しを行う度に、動作制御が切り換わる。
手動スタートスイッチSW1自体が、自動スタート制御と手動スタート制御とを切り換えるための自動/手動切り換えスイッチとして機能する。
但し、これに限定されず、例えば、手動スタートスイッチSW1とは別に、自動/手動切り換えスイッチを設けた構成なども採用可能である。
【0073】
図1、図2に示すように、手動スタートスイッチSW1は、機筐2の前面側に取り付けられている。
但し、これに限定されず、手動スタートスイッチ、自動/手動切り換えスイッチは、例えば、機筐2から外側に延びる電気コードに接続されたリモコンや、無線リモコン等に設けても良い。
【0074】
機筐2の前面側に設けられている運転表示ランプP1は、容器脱着位置にある容器受けトレー5の受け皿52の容器挿入孔52aに挿入された容器11が容器検出センサ93で検出されたときに点灯される。したがって、運転表示ランプP1の点灯を確認することで、容器11が、容器リフトテーブル91上に載ったことを確実に把握できる。
また、機筐2に組み込まれているスピーカP2は、異常発生を報知するための異常報知手段として機能するものである。但し、異常報知手段としては、スピーカに限定されず、例えば、異常発生時に制御部16からの出力信号によって点灯されるランプ等であっても良い。
容器検出センサ93は、制御部16に接続されており、制御部16が、容器検出センサ93からの信号に基づいて異常検知の有無を判定する、異常判定手段として機能する。
【0075】
手動スタート制御の場合は、容器脱着位置にある容器受けトレー5の受け皿52にセットした容器11が容器検出センサ93によって検出されたときに、機筐2前面側の運転表示ランプP1が点灯されることで、シール工程が可能な状態になったことを確認できる。
そして、容器検出センサ93がONの状態で、手動スタートスイッチSW1の操作によって制御部16にスタート信号を入力することで、容器リフトテーブル91の下降が開始される。以降は、前述した自動スタート制御と同様にシール工程が実行される。
手動スタート制御では、容器検出センサ93がONになったときに、直ちに、容器搬入出機構3によって容器11をシール位置へ移動する動作が開始される訳ではない。
【0076】
前記ヒートシール装置1によれば、容器受けトレー5が容器脱着位置から機筐2に収納されるシール位置に移動されるときに、ヒートシール用のフィルム12が、前後のクリップブロック53、7間に挟み込まれ、容器受けトレー5の移動によって、受け皿52に設置されている容器11上に張設される。
つまり、機筐2の前面側に突出された容器受けトレー5が機筐2内に収納される動作によって、ヒートシール用のフィルム12が、受け皿52に設置されている容器11上に、自動的に張設される。
このため、このヒートシール装置1によれば、例えば既述の特許文献1のように、フィルムの挟み忘れや、挟持操作ミスが生じることは無く、フィルムを受け皿52に設置されている容器11上に確実に配置することができる。そもそも、容器11上にフィルム12を張設するための特別な作業が不要であり、極めて簡単な操作で、フィルムによる容器のヒートシールを実現できる。
【0077】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、各種変更が可能である。
例えば、本発明は、容器受けトレーの前後動、及び/又は、ヒータ盤の昇降を、手動で行うように構成したヒートシール装置にも適用可能である。
容器受けトレーの前後動を手動で行うように構成された容器搬入出機構を採用した場合でも、容器搬入出機構はトレー駆動機構が不要であるため非常に簡単な構成で済む。この場合も、上述したように、容器受けトレーを機体前面側に突出する容器脱着位置から、機体のヒータ盤の下のシール位置に移動するだけで、前クリップブロックと後クリップブロックとで構成されるフィルムクリップ機構によって、受け皿に設置されている容器上へのフィルムの配置を自動的に実現できる。
【0078】
容器受けトレーを容器脱着位置からシール位置に移動するだけで、前クリップブロックと後クリップブロックとで構成されるフィルムクリップ機構にフィルムを挟み込むことができ、また、受け皿に設置されている容器上へのフィルムの配置(張設)を自動的に実現できる構成の容器搬入出機構としては、上述の実施形態に例示したものに限定されず、様々な構成のものを採用できる。
【0079】
(容器搬入出機構の別態様1)
図12に示すヒートシール装置101の容器搬入出機構は、機筐2に反力を取ったクリップスプリング81(コイルスプリング)によって後クリップブロック7を付勢して、後クリップブロック7と容器受けトレー5の前クリップブロック53との間にフィルム12を挟み込む挟持力を発生させるようにしたものである。
このヒートシール装置101でも、後クリップブロック7にストッパ片72を設けておき、ストッパ片72が機筐2のクリップストッパ2cに押し当てられる位置が、後クリップブロック7の可動範囲前端位置であるようにすることが好ましい。この構成の場合、ストッパ片72が機筐2のクリップストッパ2cに押し当てられて、それ以上の前側(図12右側)への移動が規制された後クリップブロック7と機筐2との間で、クリップスプリング81の圧縮状態を保つことができ、後クリップブロック7が可動範囲前端位置にあるときでも、前後のクリップブロック53、7の間で、フィルム12を挟み込んで固定する充分な強さの挟持力を確実に得られる。
但し、このヒートシール装置101では、後クリップブロック7を、クリップスプリング81の先端に連結しておき、クリップスプリング81自体を、後クリップブロック7が機筐2の前面側に抜け出ないように引き留める引留部材として機能させる構成を排除しない。
クリップスプリング81は、後クリップブロック7を前クリップブロック53に向けて押圧して、前記後クリップブロック7が、容器脱着位置からシール位置に移動される前クリップブロック53に対して閉じた状態を維持したまま、前記可動範囲前端位置から前クリップブロック53と一体に移動されるようにする挟持力付与手段として機能する。
【0080】
(容器搬入出機構の別態様2)
図13に示すヒートシール装置102の容器搬入出機構は、後クリップブロック7に組み込んだ電磁石76によって、容器受けトレー5の前クリップブロック53を磁気吸着して、前後のクリップブロック53、7の間にフィルム12を挟み込んで固定するようにしたものである。前記電磁石76は、本発明に係る挟持力付与手段として機能する。
電磁石76への給電は、例えば、後クリップブロック7の前後方向(図13左右方向)の移動を案内する案内レールを介して行う。
前クリップブロック53としては、磁気吸着可能な金属製のものを採用する。前記金属としては、鉄、フェライト等、周知のもので良い。
【0081】
図13において、符号77は電磁石76への給電をON、OFFするスイッチである。
このスイッチ77は、後クリップブロック7の前後方向の移動によって、機筐2内に設けられたスイッチ当接片78に当接することで、ON、OFFが切り換えられる。
すなわち、後クリップブロック7が、可動範囲前端位置(図13において実線で示した位置)にあるとき、スイッチ77はスイッチ当接片78よりも前側(図13中右側)に位置し、OFFになっている。
容器脱着位置(図13中、実線で示す位置)からヒータ盤機構4の下のシール位置(図13中、仮想線で示す位置)に向かって移動される容器受けトレー5によって押圧された後クリップブロック7が後側(図13中、左側)へ押し動かされると、スイッチ当接片78に当接したスイッチ77がONに切り替わる。これにより、給電された電磁石76が発生する磁力によって、前クリップブロック53が磁気吸引されて、前後のクリップブロック53、7の間にフィルム12が挟み込まれる。
容器受けトレー5を、シール位置から容器脱着位置へ移動すると、後クリップブロック7のスイッチ77がスイッチ当接片78に当接することで、スイッチ77がONからOFFに切り替わり、電磁石76への給電が停止される。これにより、前後のクリップブロック53、7の間が開放可能となり、後クリップブロック7は可動範囲前端位置に留まり、容器受けトレー5は後クリップブロック7から離れて容器脱着位置に至る。前後のクリップブロック53、7の間には、フィルム12を挿入できる隙間Cが確保される。
【0082】
図12、図13に例示したヒートシール装置101、102の容器搬入出機構は、挟持力付与手段のみが、図1〜図11を参照して説明したヒートシール装置1と異なる。
図12、図13に例示したヒートシール装置101、102の容器搬入出機構以外の構成は、図1〜図11を参照して説明したヒートシール装置1と同様のものを採用できる。
【0083】
本発明に係るヒートシール装置の機体としては、支持フレームによって、ヒートシール用のヒータ盤を昇降可能に支持したものであれば良く、容器受けトレーを収納できる機筐に限定されない。
但し、ヒータ盤の下に容器搬入空間が確保されている必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明に係るヒートシール装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図1のヒートシール装置の機筐を示す正面図である。
【図3】図1のヒートシール装置の内部構造を示す図であり、容器受けトレーを機筐前面側に突出させた状態を示す側断面図である。
【図4】図1のヒートシール装置の内部構造を示す図であり、容器受けトレーを機筐内に収納した状態を示す側断面図である。
【図5】図1のヒートシール装置の内部構造を示す図であり、シール動作を示す側断面図である。
【図6】図3における容器受けトレー付近を示す拡大図である。
【図7】図5における容器受けトレー付近を示す拡大図である。
【図8】(a)〜(c)は容器受けトレーを示す平面図であって、(a)は容器受けトレーを機筐内に収納した状態、(b)は容器受けトレーの前クリップブロックと後クリップブロックとの間にフィルムを挟み込んだ状態、(c)は容器受けトレーを機筐内に収納した状態を示す。
【図9】容器受けトレー5に対する後クリップブロック7の設置状態(前後動する後クリップブロック7を案内する案内レール)の例を示す断面図である。
【図10】図1のヒートシール装置の容器受けトレーに設けられている容器リフト機構の容器リフトテーブルを示す平面図である。
【図11】図1のヒートシール装置のヒータ盤を示す下面図である。
【図12】容器搬入出機構の別態様を示す図である。
【図13】容器搬入出機構の別態様を示す図である。
【符号の説明】
【0085】
1、101、102…容器用ヒートシール装置、11…容器、11a…開口周縁部、11b…上部開口部、11c…鍔部、12…フィルム、13…フィルム原反、2…機筐、2a…フィルム原反設置部、2c…クリップストッパ、21…トレー出退口、3…容器搬入出機構、4…ヒータ盤機構、41…ヒータ盤、5…容器受けトレー、52…受け皿、52a…容器挿入孔、52b…鍔受け台部、53…前クリップブロック、55k…スプリング受け部(スプリング受け壁)、6…トレー駆動機構、7…後クリップブロック、71b…スプリング受け部(挟持壁部)、72…ストッパ片、76…挟持力付与手段(電磁石)、8…挟持力付与手段(クリップスプリング)、81…挟持力付与手段(クリップスプリング)、9…容器リフト機構、91…容器リフトテーブル、C…隙間、S…容器搬入空間、SW1…スタート指令スイッチ(手動スタートスイッチ)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(11)上部の開口周縁部(11a)にフィルム(12)を熱融着して容器の上部開口部(11b)を封止する容器用ヒートシール装置であって、
支持フレーム(2)によって昇降可能に支持したヒートシール用のヒータ盤の下に前記容器が搬入される容器搬入空間(S)を確保した機体(1A)と、前記容器搬入空間に対して容器を搬入及び搬出するための容器搬入出機構と、この容器搬入出機構に設けられたフィルムクリップ機構に帯状の前記フィルムを導くためのフィルム誘導部(26)とを具備し、
前記容器搬入出機構は、
前記容器が設置される容器受け部(52)を有し、自動または手動によって前後動されることで、前記容器受け部が機体前面側に突出配置される容器脱着位置(5A)と、前記容器受け部が前記容器搬入空間に配置されるシール位置(5B)とが切り換えられる容器受けトレー(5)と、
前記容器受けトレーにおいて前記容器受け部よりも後側に設けられた前クリップブロック(53)よりも後側にて、前記容器受けトレーあるいは前記機体に前後動可能に設けられ、前記容器受けトレーが前記容器脱着位置に配置されたときに、前記前クリップブロックとの間に前記フィルムを挿入可能な隙間(C)を確保できる可動範囲前端位置に配置され、前記容器受けトレーを前記容器脱着位置から前記シール位置に移動したときに、前記前クリップブロックによって押圧されながら、前記可動範囲前端位置から後側へ移動される後クリップブロック(7)と、
前記後クリップブロックを前記前クリップブロックに向けて押圧して、前記後クリップブロックが、容器脱着位置からシール位置に移動される前クリップブロックに対して閉じた状態を維持したまま、前記可動範囲前端位置から前クリップブロックと一体に移動されるようにする挟持力付与手段(8、81、76)とを具備し、
前記前クリップブロックと前記後クリップブロックとが、前記容器受けトレーの前後動によって開閉し、閉じたときに前記フィルムを挟み込む前記フィルムクリップ機構を構成することを特徴とする容器用ヒートシール装置(1、101、102)。
【請求項2】
前記挟持力付与手段がスプリングであり、
前記容器受けトレーを前記シール位置から前記脱着位置に移動したときに、前記後クリップブロックが、前記スプリングの付勢力によって、前記容器受けトレーが前記シール位置にあるときの前記後クリップブロックの位置である可動範囲後端位置から前記可動範囲前端位置に移動されるようになっていることを特徴とする請求項1記載の容器用ヒートシール装置。
【請求項3】
前記後クリップブロックが、前記容器受けトレーに前後方向にスライド移動可能として取り付けられており、
前記スプリングが、前記容器受けトレーに設けられているスプリング受け部(55k)と、前記後クリップブロックに設けられているスプリング受け部(71b)との間に配置されて、前記後クリップブロックを前記容器受けトレーに対して前側に付勢する圧縮コイルばねであることを特徴とする請求項2記載の容器用ヒートシール装置。
【請求項4】
前記機体に、前記後クリップブロックが後側から当接することで、前記後クリップブロックの前記可動範囲前端位置から前側への移動を規制するクリップストッパ(2c)が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の容器用ヒートシール装置。
【請求項5】
前記容器受け部が、容器が挿入される容器挿入孔(52a)が開口された枠状に形成され前記容器挿入孔の周囲に前記容器の上部開口部(11b)から外側に張り出す鍔部(11c)が載置される鍔受け台部(52b)を有する受け皿(52)であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の容器用ヒートシール装置。
【請求項6】
前記容器受けトレーには、前記受け皿にリング状に形成されている前記鍔受け台部の内側の容器挿入孔(52a)に挿入した容器が載せられる容器リフトテーブル(91)を昇降して容器を昇降する容器リフト機構(9)と、前記容器リフトテーブルに載せられた容器を検出する容器検出センサ(93)とが設けられ、
容器リフトテーブルが前記容器に接触しない位置に下降された状態を保ったまま前後動される前記容器受けトレーが、前記シール位置から前記容器脱着位置に移動されたときに、前記容器リフト機構が容器リフトテーブルを上昇させて、前記容器検出センサが前記受け皿に設置されている前記容器を検出してから、予め設定しておいた所定量だけ前記容器を押し上げて、容器の鍔部を受け皿の鍔受け台部から上方に離隔させるようになっていることを特徴とする請求項5記載の容器用ヒートシール装置。
【請求項7】
前記容器受けトレーが容器脱着位置に配置された状態において、前記容器検出センサが、昇降上限位置にある容器未設置の前記容器リフトテーブルに載せられた容器を検出したときに、前記容器リフト機構が、容器リフトテーブルを前記容器に接触しない位置まで下降させるようになっており、
前記容器受けトレーがシール位置に移動された後、容器脱着位置に復帰するまで、容器リフトテーブルが前記容器に接触しない位置に下降された状態が保たれることを特徴とする請求項6記載の容器用ヒートシール装置。
【請求項8】
前記容器検出センサが、非接触で容器を検出する非接触センサであることを特徴とする請求項6又は7記載の容器用ヒートシール装置。
【請求項9】
前記容器搬入出機構は、前記容器受けトレーを機体の前後方向に移動させるトレー駆動機構(6)を具備し、
前記容器受けトレーが前記容器脱着位置にあるときに、前記容器検出センサが、容器未設置の前記容器リフトテーブルに載せられた容器を検出すると、容器受けトレーが前記トレー駆動機構によってシール位置に自動的に移動し、
さらに、前記ヒータ盤による容器の上部の開口周縁部へのフィルムの熱融着と、この熱融着の完了後の、前記トレー駆動機構による、前記シール位置から容器脱着位置への前記容器受けトレーの移動、とが自動的に行われるようになっていることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の容器用ヒートシール装置。
【請求項10】
前記容器搬入出機構は、前記容器受けトレーを機体の前後方向に移動させるトレー駆動機構(6)を具備し、
前記容器脱着位置に配置された容器受けトレーの前記容器リフト機構の前記容器リフトテーブルに載せられた容器が前記容器検出センサで検出されている状態において、スタート信号入力用のスタート指令スイッチ(SW1)が操作されたときに、容器受けトレーが前記トレー駆動機構によってシール位置に移動され、
前記ヒータ盤機構による容器の上部の開口周縁部へのフィルムの熱融着が完了した後に、前記トレー駆動機構によって前記容器受けトレーが前記シール位置から前記容器脱着位置に移動されるようになっていることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の容器用ヒートシール装置。
【請求項11】
前記容器搬入出機構は、
前記容器受けトレーが前記容器脱着位置に配置された状態において、前記容器検出センサが、容器未設置の前記容器リフトテーブルに載せられた容器を検出したときに、自動で、前記トレー駆動機構が容器受けトレーを前記シール位置へ移動させる、自動スタート制御と、
前記容器脱着位置に配置された容器受けトレーの前記容器リフト機構の前記容器リフトテーブルに載せられた容器が前記容器検出センサで検出されている状態において、スタート信号入力用のスタート指令スイッチ(SW1)が操作されたときに、前記トレー駆動機構が駆動されて容器受けトレーを前記シール位置に移動する、手動スタート制御とが可能であり、
自動/手動切り換えスイッチの操作によって、自動スタート制御と手動スタート制御とが切り換えられることを特徴とする請求項9又は10記載の容器用ヒートシール装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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