説明

容器

本発明は、少なくとも1層の紙層(3)と、さらに付加層(4)を有する容器壁(4)から成る、食料品を収容するための容器(1)に関する。この容器(1)はその上端部(6)に容器開口(7)を備え、その容器開口に対向する下端部において閉じられている。少なくとも容器壁は、接合されて連続状の容器壁を形成する平面状切片(9)から作製される。少なくとも1個の覗き窓(10)が容器壁に作製され、この窓は透明あるいは半透明の窓フィルム(11)によって密封される。容器壁は覗き窓(10)の部位において少なくとも部分的に湾曲され、覗き窓をシールする窓フィルムが紙層に対して熱シールされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1層の紙層とさらに1層の付加層から成る容器壁を有する食料品用収容容器に関する。この容器は、その上端に容器開口をもち、該開口に対向する下端部において閉じられている。少なくとも前記容器壁は、接合されると連続状の容器壁を形成する平面状の切片から作製される。容器壁中には少なくとも1個の覗き窓が作製され、この覗き窓は透明あるいは半透明の窓薄片で塞がれている。
【背景技術】
【0002】
ほぼ立方形の液体容器は公知である。このような液体容器には平坦な側壁が含まれており、この側壁中には容器の縦方向へ延びる窓が形成されている。この窓は容器中へ充填される液体の充填水準をモニターするために用いられている。このような容器の紙層は比較的剛性のあるボール紙から成り、その内層上には樹脂材料から成る防液体性の薄膜あるいは薄片がさらに用いられている。前記窓はこの比較的剛性のある層の中心に形成され、前記防液体性薄片によって容器内面上において塞がれている。
【0003】
さらに他の立方形容器として、米、ヌードル、小麦粉、砂糖等の乾燥食品を収容する容器も公知である。これらの容器においては窓が平坦な側壁中に設けられ、この窓は通常その窓部分へ内部から薄片が接着されて塞がれる。
【0004】
これら公知の容器においては、前述された紙層は常に比較的剛性であり、特にボール紙材料で作製される。このような紙層が用いられる場合、紙層の対応する折り目が組み合わされて容器の上面及び下面が作製され、さらに周方向に配置される側面によって比較的高い剛性が付与される。窓薄片は、このような組合せ型容器だけにおいて用いられ、対応する窓を覆って窓からの液体あるいは乾燥食品の漏出を完全に防止する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記容器を、同様に極めて薄い紙層を用いて、かつ立体的容器を作製するために対応するカップへさらに折り畳みあるいは折り畳み線を設けることなく、前記窓を有する容器の安定性を十分に保持することができる容器へと改善することを目的とする。本目的は特許請求の範囲の請求項1項に限定された特徴によって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に従った容器は、容器壁が窓の部分において少なくとも部分的に湾曲されることを顕著な特徴としている。この湾曲によって、剛性を増大させることができ、最終容器製品に十分な安定性を与えることが可能である。この場合、安定性をさらに高めるため、窓密封のための窓薄片は紙層と共に熱シールされる。このような熱シールによって、窓薄片と紙層の密な接触が得られ、これによって壁の湾曲及び容器壁への付加的剛性付与に加え、最終的に容器へさらなる安定性が付与される。
【0007】
本発明の特徴によれば、容器壁の極めて薄い容器へ上記窓を設け、さらに食品を容器開口から取り出すために十分な剛性及び安定性を容器へ付与することが可能となる。
【0008】
さらに、容器の湾曲部分に窓を設け及び窓薄片を熱シールすることにより、少なくともこの部分において容器の形状安定性が保持される。本発明の特徴によらなければ、このような容器はその形状で例えば容器へ内容物を詰め、あるいは貯蔵することなしには十分な安定性を得ることは不可能である。
【0009】
さらに、窓部分において容器壁を湾曲させることによって、容器の円周方向及び縦方向に十分な安定性が得られる。
【0010】
本発明に従えば、少なくとも窓縁部分において窓薄片が紙層へ熱シールされさえすれば、安定性は十分である。かかる熱シールを少なくとも窓縁部全体に沿って行うことにより窓を十分にシールすることが可能である。窓縁部の外側、あるいは窓からさらに離れた部分において、窓薄片と紙層間へ他の結合手段を用いることも可能である。
【0011】
紙層の特に外面を簡略な方法でガス及び液体に対して密にするため、さらに別の金属層、特にアルミニウム層を用いることも可能である。このような層は製造及び紙層への固定が容易である。前記金属層は特に紙層の各外面上へコーティングされる。前記金属層に加え、あるいは金属層に置換えて、紙層それぞれの内面へ樹脂層をさらなる層としてコーティングすることも可能である。かかる樹脂層は、例えばポリエチレン、あるいはポリプロピレン、塩化ポリビニル、ポリスチレン、その他の樹脂を用いて形成される。
【0012】
前記さらに別の層のそれぞれは、特にバリヤとして、すなわちガス及び液体の各濃度に関して用いられる。さらに上記金属層は、中へ巻かれ、折り畳まれ、あるいは他の方法で形成された開口縁部をもつ縁部の形成に有用である。前記金属層によって容器の引裂き開封部分を支えることも可能である。紙層は主として容器を安定化するために用いられ、通常前記さらに別の層よりも厚く形成される。
【0013】
容器上端の容器開口は開口縁部で囲まれる。簡単な実施態様においては、この開口縁部は上端の二次元的カットによって形成可能である。かかる開口縁部は、この部分において液体との接触がないか、あるいは接触が僅かであると予測されるならば、別個の処理が行なわれていない単純なカット縁であってもよい。
【0014】
前記開口縁部あるいは枠部を、折り畳み、中へ巻き込み、あるいは容器壁の特性を全く変えずに他の形状とすることも可能である。このように開口縁部を加工することにより、容器開口部分における容器の剛性がさらに高められる。さらに、開口枠部をこのように加工することにより、開口への蓋、薄片あるいは他のカバー部材の固定を簡略化することも可能となる。
【0015】
なお、前記開口枠縁部の加工を容器への食品の充填後に実施することも可能である。
【0016】
簡略かつ十分な方法で厚い金属層と紙層を互いに接合するため、適合する接着剤を用いてこれら層を特に積層に接合することが可能である。このような積層接合を行なうことにより、互いに接合される両層の作製とそれに付随する容器の切断が簡略化される。
【0017】
容器の形状及び充填される食品量によっては、例えば金属層あるいは樹脂層を紙層の特定部分だけにそれぞれ与えて該紙層と接合させることが可能である。両層から成る切片の製造を簡略化するため、これら層は通常相互に一致する、すなわち互いを覆い合うように同一寸法である。
【0018】
窓部分においては、前記さらに別のなる層によって窓を取り囲む紙層の各自由縁部が覆われ、あるいは前記さらに別の層が、窓部位において、周囲を紙層の内面あるいは外面まで覆っているならばさらに有利である。
【0019】
通常、容器の縦方向へ延びる折り畳み縁部によって容器へ付加的な剛性が付与される。しかしながら、本発明に従って、このような折り畳み縁部を用いず、また容器を実質的に回転対称とすることが可能である。このことは、容器断面が円形あるいは卵形であってもよいことを意味している。本発明によれば、対応する補強あるいは折り畳み縁部はもはや不要である。
【0020】
本発明に従って窓の密度を十分とし、またさらに安定性を得るためには、窓薄片が窓と幾何学的形状において類似していれば十分である。このことは、窓薄片が窓と実質的に同一の幾何学的形状をもち、窓枠部と紙層との間の熱シールが窓枠部に沿ってできる程度に窓薄片の寸法がより大きいことを意味する。この熱シールは通常、窓薄片と紙層との間に深い接合が得られるように、熱及び圧力を加えて実施される。
【0021】
さらに窓薄片は、紙薄片内面上、さらなる層としての樹脂層外面上、さらなる層としての金属層外面上、すなわち容器外面上、及び紙層とさらなる層との間の窓枠部に沿った部分においも熱シールによって接合可能であることから、それら部位上へ熱シールされると考えられる。
【0022】
また、1個のみの窓薄片を数個の窓に対してシーリング接合することも可能である。熱シールはすべての窓を取り囲む部分に沿って実施でき、また各窓の枠部について個別に実施することも可能である。
【0023】
さらに、窓薄片を紙層内面のほぼ全体上において熱シールすることも可能である。この方法によれば、小さな窓薄片をカップの各窓へ設けずに済むことから製造が簡略化される。このような実質的に3層、すなわち金属層、紙層及び窓薄片から成る切片の作製は1種のラミネート中において実施でき、また特に単一加工工程において実施可能である。
【0024】
窓薄片としては、紙層へ接合された後でも特に透明な、あるいは少なくとも半透明な種々材料を用いることが可能である。また、これらの材料は熱シールに適するものでなければならない。このような材料の例として、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ポリビニル、ポリスチレン、ポリアミド、PET等を挙げることができる。
【0025】
特に一切片である容器壁を簡略な方法で作製するため、カップの容器壁との接合は加熱及び/または加圧し、及び/または接着剤を用いて行なうことが可能である。前記切片それ自体の接合は種々方法によって実施可能である。
【0026】
本発明の一実施態様によれば、前記切片同士は互いにぶつかるように配置された切片の縁相互に沿って接合される。
このように配置することにより、重なり合いがなく、また容器壁の厚さが容器壁の周辺に沿って極めて一定となるため、容器外面がかなり平滑となる。前記切片同士の接合の簡略な実施態様としては、例えば容器の縦方向に延びる重なり合い部分に沿って切片を接合する構成がある。この重なり合い部分には通常窓薄片は含まれず、互いに上記のように配置され接合されたこれら層は紙及び金属から成っている。これら層とカップとの接合は、上述したように接着剤により、あるいは付加的に加熱及び/または加圧することによって実施される。
【0027】
このような容器及び特に容器壁からの食品の取り出しを最適化するため、前記切片の対応縁部を液密性とすることも可能である。このようこのような液密処理は、例えば窓周囲の縁部、開口枠部を形成する縁部、さらに容器内部にある縁部に対しても行なうことが可能である。このような液体に対する密度は適当なシーリング部材をコーティングすることにより、あるいはさらに樹脂材料から成るフィルムまたは薄片を用いることによって得ることが可能である。特に、このような樹脂薄片を用いて窓薄片外側の紙層を液密的手法で被覆することが可能である。また、樹脂材料から成るこの薄片を紙層と窓薄片との間へ取り付けることも可能である。この場合、窓薄片と樹脂層間においては熱シールの実施が可能である。
【0028】
容器の視感的外観を向上させるため、金属層の外面へプリント処理が可能である。このプリント処理を行なって内容物表示あるいは宣伝目的に利用することも可能である。さらに、光学的効果をさらに高めることができる立体効果をもつプリント処理を行なうことも可能である。このような立体効果を持つプリント法の例としてホログラムがある。
【0029】
前記プリント処理は容器外面のどの部分にも実施でき、窓あるいは窓薄片へのプリント処理も可能である。窓へ直接プリント処理する簡単な例としては、目盛り等の形態で充填レベルを示すマーキングがある。プリントによるグラフ作成あるいは着色に関する限定は実質的になく、特に金属薄片はプリント処理に適する。
【0030】
窓部分に食品の少なくとも一部が取り出された後に初めて見えるようになるプリントを行なえばさらに有利な特徴となる。例えば、窓への前記プリントが容器中の食品の色と同じであれば、食品が取り出されて初めて目に見えるようになる。このようなプリント処理は、驚かせる効果、あるいは1種の宝くじ的効果を与えるために利用可能である。
【0031】
容器は種々形状に作製可能である。第一の形状として、例えば食品であるアイスクリーム用ワッフル等を置くための円錐形がある。ワッフルに代えて、アイスクリームよりも堅いチョコレートあるいは他材料から成る食用に適するアイスクリーム用クラッディングにも使用可能である。クラッディング等を先に容器中へ入れ、あるいは詰めてから、そこへアイスクリームを詰め込むことが可能である。この場合、容器は実質的にワッフルあるいはチョコレートクラッディングの単なる包みとして用いられる。
【0032】
容器のさらに他の形状として、同様にほぼ円錐形をした圧迫することによって凹ませることができる容器がある。このような圧迫して凹ませることができる容器の下端部には、通常容器下端を同時にプレスし、さらに容器壁同士を接合させて作製される尾状の延長部分が設けられる。容器壁をさらに手で凹ませることにより、容器内容物をこの尾状の端部の方から上部容器開口を通して取り出すことが可能である。
【0033】
さらに、容器をほぼカップ状に作製して、冷し、あるいは温めたドリンクに用いることも可能である。このようなカップ状容器においては、閉じられた下端部に底部インサートを含ませ、このインサート及び容器開口を閉じることができる蓋を少なくとも一部が透明な材料を用いて作製することが可能である。このような底部インサートの使用及び底部インサートと底壁との接合は公知である。
【0034】
この底部インサート及び/または蓋が同様に透明材料から作製されているならば、前記窓に加え、これらを容器内部を調べるために利用することが可能である。
【0035】
容器形状とは別に、上記容器が段積み可能かつ段積み取外し可能であれば長所となると考えられる。
【0036】
前記窓が容器のほぼ全高に沿って該容器を調べるために用いられる場合、その窓を容器のほぼ縦方向へ延ばすことが可能である。これにより、特に容器内からの食品の取り出しによる充填レベルの減少を調べることが可能となる。さらに、表示されている食品の量が実際に入っているかを確認することも可能である。
【0037】
1個あるいは複数の窓を種々の幾何学的形状に形状化して種々方法で配置することが可能である。窓形状の例としては、角をなす形状、特に四角形、卵形、円形、ほぼ菱形、その他を挙げることができる。これら窓のうちの数個を容器の円周方向及び/または縦方向へ並べ及び/またそれぞれ他の上方へ配置することが可能である。また、1容器に異なる幾何学的形状をもつ窓を組み合わせて配置することも可能である。例えば、窓を容器の上端あるいは下端へ向かって縦方向に半径が減少する円形窓等の特殊な幾何学的パターンに配置し、また窓によって何らかの顔を作ったり、あるいは子供が知っている絵姿となるように配置することも可能である。
さらに別の窓形状として、容器の縦軸に沿ってほぼ螺旋状に延びる窓としてもよい。この場合にも容器へ数個の窓を配置することが可能である。
【0038】
本発明の一実施態様によれば、食品を容器から容器開口を通して取り出すことが可能である。この場合、まず開口付近に取り付けられた蓋を取り外すことが必要とされよう。
【0039】
前記蓋は、蓋に付随する柄を使うことにより、容器壁を破損することなく取り外すことができる。また、容器壁に引裂き線が形成された容器壁上側部分を蓋と一緒に取り外すことも可能である。この引裂き線は種々方法で作成可能である。一例として容器壁の素材を薄くする方法がある。
【0040】
このような引裂き線部分における引裂きを簡単にするため、引裂き線へ柄を設けることも可能である。引裂き線は窓の上側及び/または下側枠部に沿って延ばしてもよい。これにより、引裂き線は窓薄片の縁まで形成される。このような形成は、数個の窓が互いの上側へ螺旋状あるいは別の形状で配置される場合であっても有効である。
このように窓部位へ引裂き線を配置することは、引裂き線の柄が窓薄片へ取り付けられ、あるいは柄が窓薄片で形成される場合にはさらに有利に実施可能である。これにより、容器壁の各部位が引裂き用の柄によって取り除かれ、食品を取り出すために引裂き線または線に沿って容器壁へ接合された窓薄片及び容器内部へアクセスすることが十分可能となる。
【0041】
本発明は、上述した容器を製造するための前記平面状切片を提供することも目的としている。
かかる切片を用いる場合、窓は実質的に2つの異なる方法によって作製され、かつ窓薄片を用いて密閉される。
【0042】
本発明の第一の実施態様では、切片は紙層及び金属層だけから作製される。窓薄片貼り付け前の切片へ、1個あるいは複数の窓が切断法あるいは打抜き法を用いて作製される。前記切片は単一の切片である必要はなく、数個の切片が互いに隣接して対応的に配列された切片ウェブであってもよい。対応する窓の作製後においてのみ、窓薄片は加熱及び/または加圧によって貼り付けられ、次いで紙層内部へ熱シールされる。
【0043】
本発明のさらに別の実施態様においては、窓薄片の貼り付け後に紙層及び金属層だけを切断あるいは打抜くことにより窓を作製することが可能である。この場合、前記切断あるいは打抜きは、後に容器の外面となる切片側から行なわれる。得られる切り取り部分は、容器壁、あるいは金属層及び紙層それぞれ内にのみ形成され、紙層へ熱シールされた窓薄片中には形成されていない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下に、本発明に従った有利な実施態様ついて添付図面を参照しながら説明する。
【0045】
図1は本発明に従った容器1の第一の実施態様の透視側面図である。この容器はほぼ円錐形を呈し、かつその下端部8には容器壁5をプレス処理することによって形成される平坦にプレスされた尾状部33が備えられている。この尾状部33は容器1の柄として利用される。容器1の中に充填された食品は、尾状部33から容器1の上端6にある容器開口7の方へ容器1を押し潰すことによって押し出すことが可能である。
【0046】
容器1には、容器1の容器壁5中に円周方向に少なくとも部分的に延びるベルト状の窓10が含まれている。
【0047】
容器開口7は図示された例においては外側へ放射状に丸められている開口枠部13によって囲まれている。
【0048】
図2には、本発明に従った容器1の第二の実施態様が透視側面図で図示されている。この容器は図1に示した容器とは異なり、その下端部8に尾状部33はない。容器中には、図1に類似した食品2が充填レベル28まで詰め込まれている。食品2の部位には5個の窓10が配列されている。これらの窓は円形を呈し、容器の縦方向23に下端部8に向かって半径を減じながら形成されている。これらの窓は容器壁5中に互いの上方へ垂直に配列されている。
【0049】
また別の実施態様では、図2に示した容器1において、容器壁5において円周方向24に窓を見ることができるようにさらに窓10を配列することが可能である。このような配列は例えば90°あるいは180°程度ずらして行なわれる。
【0050】
図3〜8には本発明に従った容器1の別の実施態様が示され、これら実施態様による容器は図1の容器1とは形状、配列及び窓10の数において異なっている。各図において、同一部分には同一符号が用いられており、各図については部分的にしか説明されていない。
【0051】
図3に示した実施態様では、ほぼ四角形を呈した2つの窓10が傾斜した状態で互いに平行に容器2の縦方向23に対して垂直に配置されている(図2参照)。下端部8へ近い方に配置された窓は円周方向24に関して長さが短く作製されている。
【0052】
図4では、ほぼ台形を呈する窓10が容器壁5中に設けられている。この窓は非平行側において容器の円錐形状と平行となるように広がり、他方台形の平行側は円周方向24(図2参照)へ延びている。
【0053】
図4に示された実施態様では、蓋22が容器開口7中へ挿入されている。この蓋には縁に沿って上方へ延びる縁フランジが備えられ、この縁フランジは容器壁5の内面へ接着されている。
【0054】
図5では、容器の縦方向へ延びる卵形を呈した窓10が示されている。容器1のさらに別の外層4の外面20上には目盛り34が窓10の横に近接してプリントされている(図9と合わせて参照)。このプリントは窓10へ直接処理することも可能である。
【0055】
図5に示した実施態様においては、図4に類似した蓋22が与えている。この蓋は前述した蓋とは縁フランジが、内側に折り曲げられた開口縁部13と内面14との間に配置されて保持される点で異なっている。
【0056】
図6では、窓は容器の縦方向23に沿って延びる螺旋形状に作製されている。
【0057】
図7に従った実施態様では、窓はほぼ円周方向24へ延び、また重なりあい部分17から、また容器1の上端部6及び下端部8からも離れている(図1及び2と合わせて参照)。重なり合い部分17は、容器1の互いに一部が重ねて置かれ重なり合う部分によって形成される(図12と合わせて参照)。この重なり合う部分17においては、切片はそれ自体と接合される。このような接合を行なうため、接着剤を付加的に処理してもよい。この接合は重なり合い部分を加熱及び/または加圧することによっても得ることが可能である。
【0058】
上記重複部分を用いて接合する代わりに、平面状切片9の対応する側縁15及び16(図12参照)をこれら側縁同士の接触部を使って接合することも可能である。
【0059】
図7に示した実施態様において、容器壁5には外面に触れる状態の引裂き柄27が備えられている。この柄と容器外面上にある平面状切片の可視状態の縁部15との間には、容器1を開ける際に容器壁の引裂きを補助する切欠き35が設けられている。このような引裂き動作は引裂き線25、26それぞれによって補助され、この引裂きはこれら引裂き線25、26にほぼ沿って行なわれる。
【0060】
図7では、上側引裂き線26は開口枠部13と窓10の上縁との間を該開口枠部13に対して平行に延びている。第二の引裂き線25は対応切欠き35から一定角度で底側へまず向かってから窓10のほぼ下縁まで延び、この部分において窓薄片10の下縁部はシールされ(図9と合わせて参照)、そしてこの窓薄片を用いて引裂き線25が決められる。
【0061】
容器壁5を薄くすることにより、あるいは容器壁の対応する層を部分的に切断することにより他に引裂き線25、26を作製することも可能である。
【0062】
図8では、容器1には上方へ一定角度で延びる蓋柄29が付いた平坦な蓋22が備えられている。この蓋22は開口枠部13の自由端へ被せられてそこに固定される。
【0063】
図8に示された窓10はそれぞれ異なる形状を呈している。これらの窓は顔のように配列されている。
【0064】
図9は図1中の実線IX−IXに沿った断面図である。
この断面図は特に窓10を通過したものである。容器壁5は特に2層から成っている。内層3は紙層であり、外層4は金属層、特にアルミニウム層である。これら層3及び4は通常、図12に従った切片9において互いに覆い合うように互いに一致している。これら層は接着剤を用い、さらに加熱及び/または加圧することによって互いに接合され、とりわけ積層される。
【0065】
前記金属層4の外面20にはプリント処理を行なうことが可能である。このプリントは宣伝広告目的及び容器1の内容物表示に利用可能である。さらに、このプリントに立体的効果をもたせ、ホログラム化し、あるいは単色あるいは多色とすること等も可能である。
【0066】
前記プリント処理を窓10へ行なうことも可能であり、このようなプリント処理によれば、例えば容器1中の食品が取り出されて該食品の量が窓10よりも下になった時だけ見えるようになる。このようなプリント処理は、例えばプリントの色と中に詰められた食品の色を同一とするような形態で実施される。
【0067】
容器1の内面14上あるいは窓10の枠部位の紙層3上には、透明あるいは半透明の窓薄片11が取り付けられる。この薄片は熱シール部分32中の紙層3の内面14へ前記枠に沿ってシールされる。窓10は金属層4及び紙層3の切断縁部30、31によって取り囲まれている。
なお、金属層4は紙層3の対応切断縁部の周囲をほぼ内面14上まで延びていてもよい。
【0068】
図10には、図1に示した実線X−Xに沿った断面図が示されている。容器開口7部分において、開口枠部30は外側へ放射状に巻かれ、この部位における容器壁5は紙層3と金属層4から成っている。開口枠部30を巻くことによっても、対応する容器壁5の防液体性等の特性になんら変化は起こらない。
【0069】
図11には、別の実施態様としてのほぼカップ形状を呈した容器1が図示されている。この容器には容器1の高さのほぼ全域に亘り一定角度で延びる窓10が設けられている。
【0070】
容器1はその下端8において容器開口7に対向して位置する底部インサート21によって閉じられている。このような底部インサートには通常底面36から上方へ垂直に延びる縁フランジ37が備えられている。この縁フランジ37は上方へ折り畳まれた容器壁5の壁枠と容器壁5の内面14との間に挟まれ、その間に密封的に保持されている。
【0071】
図12は、図2〜8に従った実施態様の各形状における平面状切片9の一実施態様を示した上面図である。なお、図1〜11に従った実施態様における各平面状切片については自明である。
【0072】
図9に従った平面状切片には左側縁部15及び右側縁部16、さらに上側縁部18及び下側縁部19が含まれている。左側縁部15及び右側縁部16は既に述べたように接合部あるいは重なり合い部分17として用いられる(図7参照)。
【0073】
切片9の上側縁部18によって対応する開口縁部13が形成される(図11参照)。この開口縁部を巻き(図10と合わせて参照)、折り畳み、あるいは他の形状に作製することが可能である。
【0074】
切片9においては、3個の窓10が互いにほぼ平行に配列されている。これらの窓は窓枠部12に沿って紙層3の内面14に対して熱シールされた対応窓薄片11によってシールされる。
【0075】
図示された実施態様においては、窓10のための窓薄片11と、第二の窓10のための別の窓薄片11とが用いられている。また、それぞれの窓10に対して対応する窓薄片11を別々に用い、あるいは1個のみの窓薄片11をすべての窓10に対して用いることも可能である。窓10の部域内及びその窓枠部12に沿って、少なくとも熱シールが対応熱シール部位中において行われる。
また、前記窓薄片11を紙層3の内面全体に沿って延ばし、窓10の外側の紙層3上へ熱シールすることも可能である。
【0076】
図12に従った窓の1個へ窓薄片を取り付けることから、窓薄片11と窓10は形状的に同一であってもよい。このことは、窓薄片と窓の幾何学的形状は同一であるが、窓薄片11を窓10上へ延ばし、窓の窓枠部12に沿って熱シールできるように、窓薄片11の寸法は窓よりも大きいことを意味している。
【0077】
図12には、対応する切欠き35を有する引裂き柄27が示されている(図7も参照)。
【0078】
本発明に従ったすべての実施態様では、窓10は容器1の湾曲した容器壁5の部分に配置されている(図1〜8、11及び12参照)。容器1の安定性及び剛性は容器壁5が湾曲しているゆえに、たとえ薄い層であっても、特に紙層3と金属層4が共に薄い場合であっても十分高くなっている。このような容器は、例えば食品の詰め込むために及び容器を取扱い及び保存するために利用可能である。これらの安定性及び剛性は窓薄片11を熱シールすることによってさらに向上する。これら熱シールされた窓薄片は容器薄片11の湾曲部分においても対応する窓10と類似した状態で延びている。さらに、窓薄片11の対応する縁部は引裂き線25、26として利用可能である(図7を合わせて参照)。従って、容器壁5中に引裂き線25,26を別個に設けることは不要である。
【0079】
容器1の図示された実施態様はすべてほぼ回転対称である。しかしながら、特に図1に従った容器1に見られるように、容器断面が卵形であれば押し潰しが容易であることから、容器断面を卵形とすることも可能である。
【0080】
次に、図12に従った切片9及び容器形状の他の実施態様に用いる類似の切片に関して、製造方法が実質的に2つあることについて述べる。
【0081】
第一の製造例に従って、紙層3及び金属層4を備える容器壁5が積層される。この積層中、対応する窓10あるいはそれら窓のいくつかは切断あるいは打抜きによって作製される。次いで、単一あるいは複数の窓が、窓薄片を熱シールによって取り付けることにより、窓枠部に沿ってぴったりと閉じられる。
【0082】
第二の製造例では、紙層3、金属層4及び窓薄片11から成る容器壁の形態とされた各切片9が用いられる。すなわち、対応する窓10がキスカット(kiss−cut)法を用いて切断あるいは打抜きによって作製される。この方法では窓は紙層及び金属層にのみ作製され、他方窓薄片はこの方法では扱われない。
【0083】
窓薄片には種々樹脂、特に透明あるいは半透明の熱可塑性樹脂が使用可能である。その一例としてポリエチレンを挙げることができる。
【0084】
種々の実施態様に従った底部インサート21あるいは蓋22の少なくとも一部を透明あるいは半透明に作製することも可能である。かかる構成により、容器1の内容物を容器開口7から、あるいは容器の底を通して底側から調べることも可能となる。
【0085】
本発明のさらに別の実施態様に従って、引裂き柄27(例えば図12参照)を紙層3及び金属層4から作製せずに、窓薄片11の延長部分として具現化することも可能である。かかる構成により、容器壁の窓薄片11の縁部によって画定される引裂き線25,26に沿った引裂きが簡略化される。
【0086】
このように作製された引裂き柄は、例えば互いに接合された切片9の側縁15及び16間を通って容器1の外面まで導かれる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明に従った容器の第一の実施態様の透視側面図である。
【図2】本発明に従った容器の別の実施態様を図1と同様に示した透視側面図である。
【図3】本発明に従った特殊な窓形状をもつさらに別の容器の側面図である。
【図4】さらに別の実施態様による別の形状の窓をもつ容器を示した図である。
【図5】さらに別の実施態様による別の形状の窓をもつ容器を示した図である。
【図6】さらに別の実施態様による別の形状の窓をもつ容器を示した図である。
【図7】さらに別の実施態様による別の形状の窓をもつ容器を示した図である。
【図8】さらに別の実施態様による別の形状の窓をもつ容器を示した図である。
【図9】図1の実線IX−IXに沿った断面図である。
【図10】図1の実線X−Xに沿った断面図である。
【図11】本発明に従ったカップ様容器の第一の実施態様の透視側面図である。
【図12】図2〜8に示した本発明に従った容器の平面状切片を示す上面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一枚の紙層(3)及びさらに別の一枚の層(4)から成る容器壁(5)を備えた食品収納用の容器であって、該容器は上端(6)に容器開口(7)を備え、かつ容器開口に対向する端部が閉じられており、少なくとも該容器壁(5)は二次元的切片(9)で形成され、該切片(9)はそれ自身へと接続されて一枚の連続的な容器壁を形成し、該容器壁(5)は少なくとも一つの窓(10)を有し、該窓は透明又は半透明の窓薄片(11)によって閉じられており、容器壁(5)は窓(10)の部分において少なくとも部分的に湾曲され、及び窓薄片は窓(10)をシールするために紙層(3)と熱シールされることを特徴とする容器(1)。
【請求項2】
窓薄片(11)及び紙層(3)が少なくとも窓縁部(12)の部分において互いに熱シールされることを特徴とする請求項1項記載の容器。
【請求項3】
前記さらに別の層(4)が金属層、特にアルミニウム層であることを特徴とする請求項1または2項記載の容器。
【請求項4】
容器開口(7)は、切片(9)の上縁部で形成された開口縁部(13)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の容器。
【請求項5】
前記開口縁部(13)が、容器壁(5)の特性を実質的に変化させることなく、巻き込まれ、折り畳まれ、あるいはフランジ形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の容器。
【請求項6】
前記さらに別の層(4)及び紙層(3)が接着剤を用いて互いに接合され積層されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の容器。
【請求項7】
前記さらに別の層(4)及び紙層(3)の形態が互いにほぼ一致することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の容器。
【請求項8】
容器(1)がほぼ回転対称であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の容器。
【請求項9】
窓薄片(11)が窓(10)と幾何学的図形においてほぼ同一であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の容器。
【請求項10】
単一の窓薄片(11)が数個の窓(10)に対してシーリングされることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の容器。
【請求項11】
窓薄片(11)が紙層(3)内面のほぼ全体に対して熱シールされることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の容器。
【請求項12】
窓薄片(11)がポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、塩化ポリビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリアミド(PA)等、特に熱可塑性樹脂から成ることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の容器。
【請求項13】
切片(9)それ自体の接合が加熱及び/または加圧、及び/または接着剤を用いてなされることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の容器。
【請求項14】
切片(9)それ自体の接合が側縁部(15,16)の接合部に沿って行なわれることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の容器。
【請求項15】
切片(9)それ自体の接合が特に容器の縦方向に延びる重なり合い部分(17)に沿って行なわれることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の容器。
【請求項16】
切片(9)の縁部(15,16,18,19)が液密性であることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の容器。
【請求項17】
金属層(4)の外面(20)上にプリント処理が為されることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の容器。
【請求項18】
前記プリントが立体効果を有することを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の容器。
【請求項19】
前記プリントがホログラムであることを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の容器。
【請求項20】
前記プリント処理が窓(10)に対して行なわれることを特徴とする請求項1〜19のいずれかに記載の容器。
【請求項21】
窓のプリントが食品の少なくとも一部が取り出された後に見えるようになることを特徴とする請求項1〜20のいずれかに記載の容器。
【請求項22】
容器(1)の閉じられた端部(8)に底部インサート(21)が含まれ、このインサート及び容器開口(7)を閉じるための蓋(22)が特に少なくとも部分的に透明な材料から作製されることを特徴とする請求項1〜21のいずれかに記載の容器。
【請求項23】
容器(1)が段積み可能であり、かつ段積み解消可能であることを特徴とする請求項1〜22のいずれかに記載の容器。
【請求項24】
窓(10)が容器のほぼ縦方向(23)に延びていることを特徴とする請求項1〜23のいずれかに記載の容器。
【請求項25】
窓(10)が角をなす形状、特に四角形、あるいは卵形、ほぼ円形、ほぼ菱形、台形、あるいはその他類似の形状に作製されることを特徴とする請求項1〜24のいずれかに記載の容器。
【請求項26】
2個の窓(10)が容器の円周方向(24)に並べて配列され、及び/または容器の縦方向(23)に一方の上方へ他方が配列されることを特徴とする請求項1〜25のいずれかに記載の容器。
【請求項27】
窓(10)が容器の縦方向(23)の周りにほぼ螺旋状に作製されることを特徴とする請求項1〜26のいずれかに記載の容器。
【請求項28】
容器(1)に少なくとも1つの引裂き線(25、26)が含まれることを特徴とする請求項1〜27のいずれかに記載の容器。
【請求項29】
引裂き線(25,26)に引裂き柄(27)が備えられることを特徴とする請求項1〜28のいずれかに記載の容器。
【請求項30】
引裂き線(25,26)が窓(10)の上側枠部及び/または下側枠部にほぼ沿って延びていることを特徴とする請求項1〜29のいずれかに記載の容器。
【請求項31】
引裂き柄(27)が窓薄片(11)へ設けられ、かつ窓薄片から作製可能であることを特徴とする請求項1〜30のいずれかに記載の容器。
【請求項32】
引裂き線が窓薄片(11)の少なくとも1つの縁に沿って延びていることを特徴とする請求項1〜31のいずれかに記載の容器。
【請求項33】
前記さらに別の層(4)が特に液密性樹脂層であることを特徴とする請求項1〜32のいずれかに記載の容器。
【請求項34】
請求項1〜33のいずれかに記載の容器(1)を製造するための切片(9)。
【請求項35】
窓薄片(11)の取付けに先立って、窓(10)が切断あるいは打抜きによって作製されることを特徴とする請求項34項記載の切片。
【請求項36】
窓(10)が、窓薄片(11)の取付け後に、紙層(3)及び金属層(4)だけの切断あるいは打抜きによって作製されることを特徴とする請求項34項記載の切片。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公表番号】特表2007−537939(P2007−537939A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−517081(P2007−517081)
【出願日】平成17年5月18日(2005.5.18)
【国際出願番号】PCT/EP2005/005406
【国際公開番号】WO2005/113347
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(503168533)
【氏名又は名称原語表記】SEDA S.P.A.
【Fターム(参考)】