説明

容器

【課題】店頭陳列時には説明書き面、効能書き面、或いは宣伝広告面を見せて陳列出来、使用時には加飾面を見せて高級感を与えることが出来、開封後であっても容器内部に埃等が侵入し難い容器を提供する。
【解決手段】平板状の底板2と、一部に係止溝3aが形成された前面板3と、後面板4と、一対の側面板5と、天部に開口部9を形成すると共に、容器1の内側に凸状に湾曲され且つ上方に凸状の天片6aを有する梁板6と、天片6aに対応して湾曲されオーバーラップして当接し得る蓋板7と、係止溝3aに係止し得る係止舌片8aを有し、ジッパ部8bを開放して前面板3に接着された接着部8cと分離して係止溝3aを露出させると共に、蓋板7をヒンジ部10として回動可能に開放し得る操作板8とを有して箱型に構成された容器1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店頭陳列時には説明書き面、効能書き面、或いは宣伝広告面を見せて陳列出来、使用時には加飾面を見せて高級感を与えることが出来、開封後であっても容器内部に埃等が侵入し難い容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、底板と天板を外方に突出するように円弧状に湾曲させて内容物の収納部を形成し、該天板に蓋板が当接する容器が特開2003−146323号公報(特許文献1)により提案されている。このような容器では内容物の収納部の上面が完全に開放されておらず部分的に天板により被覆された状態となっているので、内容物を保持しやすく開封した際に内容物が溢れ出すことがないとしている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−146323号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述の特許文献1の容器では、底板と天板の両方が外方に突出するように円弧状に湾曲しているため据え置き型の容器としては姿勢が不安定であり、店頭の陳列姿勢が制限されるという問題がある。従って、店頭陳列時には説明書き面、効能書き面、或いは宣伝広告面を見せて陳列し、使用時には加飾面を見せて高級感を与えるという使い分けが出来ないという問題があった。
【0005】
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、店頭陳列時には説明書き面、効能書き面、或いは宣伝広告面を見せて陳列出来、使用時には加飾面を見せて高級感を与えることが出来、開封後であっても容器内部に埃等が侵入し難い容器を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための本発明に係る容器の第1の構成は、平板状の底板と、前記底板に接続され、一部に係止溝が形成された平板状の前面板と、前記底板に接続される平板状の後面板と、前記底板に接続される一対の側面板と、前記前面板に接続され、天部に収納物を取り出す開口部を形成すると共に、容器の内側に向かって凸状に湾曲され且つ容器の上方に向かって凸状に湾曲された天片を有する梁板と、前記後面板に接続され、前記梁板の天片の湾曲形状に対応して容器の内側に向かって凸状に湾曲され且つ容器の上方に向かって凸状に湾曲され、該天片上にオーバーラップして当接し得る蓋板と、前記蓋板に接続されると共に前記前面板の一部に形成された係止溝に係止し得る係止舌片を有し、前記前面板に一部が接着され、ジッパ部を開放して前記前面板に接着された接着部と分離して前記前面板の一部に形成された係止溝を露出させると共に、前記蓋板を前記後面板との接続部をヒンジ部として回動可能に開放し得る操作板とを有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る容器の第2の構成は、前記第1の構成において、前記梁板は、一部が前記容器の内側に向かって凸状に湾曲される天片の湾曲線に沿って折曲されて平板状でなる前記側面板の外側にオーバーラップして接着され、他の一部が折曲されて前記後面板の内面に接着されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る容器の第3の構成は、前記第1、第2の構成において、前記前面板、前記梁板、前記蓋板及び前記操作板のそれぞれの表面が加飾面とされ、前記底板及び前記後面板のぞれぞれが説明書き面、効能書き面、或いは宣伝広告面の何れかとされたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る容器の第1の構成によれば、蓋板が容器の内側に向かって凸状に湾曲され且つ容器の上方に向かって凸状に湾曲された梁板の天片上にオーバーラップして当接し得るためジッパ部を開放した開封後であっても容器内部に埃等が侵入し難い。
【0010】
また、本発明に係る容器の第2の構成によれば、一対の平板状の側面板の外側に梁板の一部が容器の内側に向かって凸状に湾曲される天片の湾曲線に沿って折曲されてオーバーラップして接着されたことで、梁板の天片と側面板との間に隙間が出来ず容器内部に埃等が侵入し難い。また、梁板の天片の剛性を確保することが出来る。
【0011】
また、本発明に係る容器の第3の構成によれば、店頭陳列時には底板或いは後面板の説明書き面、効能書き面、或いは宣伝広告面を見せて陳列出来、使用時には前面板、梁板、蓋板及び操作板のそれぞれの表面が加飾面となり高級感を与えることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図により本発明に係る容器の一実施形態を具体的に説明する。図1は本発明に係る容器の構成を示す正面図、平面図及び側面図、図2は本発明に係る容器の構成を示す斜視図、図3は本発明に係る容器のジッパ部を開放して蓋板を開放した様子を示す斜視図、図4は店頭陳列時に容器の底板或いは後面板の説明書き面、効能書き面、或いは宣伝広告面を見せて陳列した場合の一例を示す斜視図、図5及び図6はそれぞれ本発明に係る容器の裏面及び表面から見た展開図である。
【0013】
図1〜図6において、容器1は平板状の底板2と、該底板2に接続され、一部に係止溝3aが形成された平板状の前面板3と、底板2に接続される平板状の後面板4と、底板2に接続される一対の側面板5と、前面板3に接続され、天部に収納物を取り出す開口部9を形成すると共に、容器1の内側に向かって凸状に湾曲され且つ該容器1の上方に向かって凸状に湾曲された天片6aを有する梁板6と、後面板4に接続され、梁板6の天片6aの湾曲形状に対応して容器1の内側に向かって凸状に湾曲され且つ容器1の上方に向かって凸状に湾曲され、該天片6a上にオーバーラップして当接し得る蓋板7と、該蓋板7に接続されると共に前面板3の一部に形成された係止溝3aに係止し得る係止舌片8aを有し、前面板3に一部が接着され、ジッパ部8bを開放して前面板3に接着された接着部8cと分離して前面板3の一部に形成された係止溝3aを露出させると共に、蓋板7を後面板4との接続部をヒンジ部10として回動可能に開放し得る操作板8とを有して箱型に構成されている。
【0014】
梁板6は、その一部となる閉塞片6bが容器1の内側に向かって凸状に湾曲される天片6aの湾曲線6cに沿って折曲されて平板状でなる側面板5の外側にオーバーラップして接着され、他の一部となる接着片6dが折曲されて後面板4の内面に接着される。尚、各図中の斜線部は接着部を示す。
【0015】
尚、前面板3の両端部及び後面板4の両端部には容器1を組み立てた際に該容器の内側に折り曲げられる舌片3b,4aが設けられている。図5の破線は容器1を組み立てる際の谷折り線であり、図6の破線は山折り線である。
【0016】
前面板3、梁板6、蓋板7及び操作板8のそれぞれの表面が加飾面とされ、底板2及び後面板4のぞれぞれが説明書き面、効能書き面、或いは宣伝広告面の何れかとされている。
【0017】
このような構成により、蓋板7が容器1の内側に向かって凸状に湾曲され且つ該容器1の上方に向かって凸状に湾曲された梁板6の天片6a上にオーバーラップして当接し得るためジッパ部8bを開放した開封後であっても容器1内部に埃等が侵入し難い。
【0018】
また、一対の平板状の側面板5の外側に梁板6の一部である閉塞片6bが容器1の内側に向かって凸状に湾曲される天片6aの湾曲線6cに沿って折曲されてオーバーラップして接着されたことで、梁板6の天片6aと側面板5との間に隙間が出来ず容器1内部に埃等が侵入し難い。また、梁板6の天片6aの剛性を確保することが出来る。
【0019】
また、店頭陳列時には底板2或いは後面板4の説明書き面、効能書き面、或いは宣伝広告面を見せて陳列出来、使用時には前面板3、梁板6、蓋板7及び操作板8のそれぞれの表面が加飾面となり高級感を与えることが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明の活用例として、店頭陳列時には説明書き面、効能書き面、或いは宣伝広告面を見せて陳列出来、使用時には加飾面を見せて高級感を与えることが出来、開封後であっても容器内部に埃等が侵入し難い容器に適用出来る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る容器の構成を示す正面図、平面図及び側面図である。
【図2】本発明に係る容器の構成を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る容器のジッパ部を開放して蓋板を開放した様子を示す斜視図である。
【図4】店頭陳列時に容器の底板或いは後面板の説明書き面、効能書き面、或いは宣伝広告面を見せて陳列した場合の一例を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る容器の裏面から見た展開図である。
【図6】本発明に係る容器の表面から見た展開図である。
【符号の説明】
【0022】
1…容器
2…底板
3…前面板
3a…係止溝
3b…舌片
4…後面板
4a…舌片
5…側面板
6…梁板
6a…天片
6b…閉塞片
6c…湾曲線
6d…接着片
7…蓋板
8…操作板
8a…係止舌片
8b…ジッパ部
8c…接着部
9…開口部
10…ヒンジ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の底板と、
前記底板に接続され、一部に係止溝が形成された平板状の前面板と、
前記底板に接続される平板状の後面板と、
前記底板に接続される一対の側面板と、
前記前面板に接続され、天部に収納物を取り出す開口部を形成すると共に、容器の内側に向かって凸状に湾曲され且つ容器の上方に向かって凸状に湾曲された天片を有する梁板と、
前記後面板に接続され、前記梁板の天片の湾曲形状に対応して容器の内側に向かって凸状に湾曲され且つ容器の上方に向かって凸状に湾曲され、該天片上にオーバーラップして当接し得る蓋板と、
前記蓋板に接続されると共に前記前面板の一部に形成された係止溝に係止し得る係止舌片を有し、前記前面板に一部が接着され、ジッパ部を開放して前記前面板に接着された接着部と分離して前記前面板の一部に形成された係止溝を露出させると共に、前記蓋板を前記後面板との接続部をヒンジ部として回動可能に開放し得る操作板と、
を有することを特徴とする容器。
【請求項2】
前記梁板は、一部が前記容器の内側に向かって凸状に湾曲される天片の湾曲線に沿って折曲されて平板状でなる前記側面板の外側にオーバーラップして接着され、他の一部が折曲されて前記後面板の内面に接着されることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記前面板、前記梁板、前記蓋板及び前記操作板のそれぞれの表面が加飾面とされ、前記底板及び前記後面板のぞれぞれが説明書き面、効能書き面、或いは宣伝広告面の何れかとされたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−87838(P2008−87838A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−272521(P2006−272521)
【出願日】平成18年10月4日(2006.10.4)
【出願人】(000157348)丸三産業株式会社 (15)
【Fターム(参考)】