説明

容器

【課題】薄いシートやラベルを貼ってある容器の蓋を開けたときに不意に破れたり、裂けたりすることを防止する。
【解決手段】固形物、ペースト状物、流動物、吸引可能物、特に食品用の容器10であって、製品収納用の容器下体部11と容器蓋として形成された容器上体部12とから成り、容器下体部11には容器開口部14を包囲する無端の縁部15があり、容器上体部12は容器開口部14の周縁をカラー状に包囲するカラー部分16とほぼ扁平の蓋部分17から構成され、容器下体部11の縁部15に分離可能に固定した容器において、カラー部分16は無負荷の端部が蓋部分17に向けられた周設の突出面を有し、突出面に蓋部分17を固定した構成を採用した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、固形物、ペースト、流動体、吸い込み可能品、特に食品用の容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の容器は公知である(EP-A-1 693309)。
【0003】
一般にこの種の容器は通常プラスティックでできており、通常公知の射出成形技術で製造される。この種或いは類似の容器は種々のサイズのものが販売されており、衛生的に、また、無菌に包装されるあらゆる製品用に多様な形状のものが使用される。そのような容器に入れて包装単位で食品店に提供される製品にたとえば各種乳製品、食肉品やソーセージ製品、野菜や果実並びに冷凍・非冷凍既製品がある。
【0004】
たとえば前記の種類の製品を衛生的に、無菌且つ気密に収納する必要があるこの種の容器は大量生産されるので、マーケット、即ち片や製品のメーカーに、片や消費者に受け入れられるようにするためには極めて廉価に製造する必要がある。更にこの種の容器には、中味、製品の組成、製品のエネルギー量に関する可能な限り完全で特別に定められたもろもろの法規をも満足する課題や製造年月日と消費期限に関する課題があり、特定国で規定しているそれ以外の、容器に収納された製品の健康障害防止に関する法規等にも十分に従わなければならない課題がある。
【0005】
以上の理由から、この種の容器には通常前記各課題と製品に関するパラメータを消費者に表示するラベルが特別に貼られる。しばしばこれらのラベルには製造者名、特に法律で保護された商標等が表示されることもあり、通常はこの種の容器に収納される多くの製品についても同様にその製品はたとえばソーセージ製品、チーズ製品或いはレバーペースト等そのものとして表示してある。
【0006】
前記特別のラベルには次に述べるような欠点がある。即ち容器の製造費が著しく高価になる。というのは容器に製品の挿入・容器の閉鎖の後に容器自体に、容器下体部に、或いは場合によっては容器の蓋と本来の容器にラベルを貼らなければならないからである。
【0007】
この種の容器の更に大きな問題は、たとえばどこででも知られているヨーグルト容器やカッテージチーズの容器では蓋がアルミニウムシートでできていて、蓋を外して容器を開けるとき、蓋は容器の縁の部分にもともとそのためにきめてある箇所では破れず、蓋自体が引き裂かれてしまうので、開いた容器は中の製品が全部は取り出されないかまたはなくなってしまっても蓋をすることさえ不可能になる。前記のように印刷されたシートが容器自体の蓋に貼ってあるこの種の容器の蓋閉めの他の様式は、開けようとするときシートが容器の本来の蓋から剥がれてしまうのが非常に大きな欠点である。即ち蓋から引き剥がされて容器蓋と容器の連結が解除されず本来の目的の容器の開口が行えない。
【0008】
公知の容器の第三の態様では、容器蓋の製造中にいわゆる「immolded label (IML)の方法によって製造された蓋が射出成形型の中で既に容器蓋の外側の閉鎖部になっているシートと連結されて容器蓋からはみ出しているシートの端部分が容器とつながるということが知られている。
【0009】
この種の容器には大きな欠点がある。即ち容器蓋の縁の部分の薄いラベルやシートが容器を開けたとき不意に破れたり、裂けたりし、その上なおもそのときシートと容器蓋との境に亀裂が入り、「immolded label (IML)の方法によって使用するにも拘わらずシートが容器蓋から不意に剥がれ、容器ははさみとかカッターなどの道具でしか開けられなくなる。このようにして開けた蓋はもはや容器中の製品がまだ完全に取り出されていないと、容器の口を完全に閉めることもできなくなることは明らかである。
【0010】
更に大きな欠点は、環境やこのような造りの容器を開けようとする消費者なりを汚染する結果になることである。
【0011】
本出願人のEP-A-1475314によって公知の容器では、従来の容器と容器蓋に関連するとして示された欠点を極めてスマートで且つ効果的な方法で直してある。
【0012】
本出願人の、各種の収納物を入れるための容器を大量に使用し且つ大量に製造するためにこの種の容器の製造にかかる費用を極めて安く抑えなければならないのは前記の通りで、それは頭書に挙げた容器と比較しても更に廉価にすることに努力した。
【0013】
費用が膨らむ要素は前記の容器、特にこの発明の目的の容器を製造するための射出成形機に用いる工具の高価な製造費である。いくつかの例外を除いていうことができるのは、射出成形型や工具の製造費は、それらの道具によって製造されるものがより簡単であるほどそれだけ安くなる。ここに完成した最終製品との関連で「簡単」というのは、工程のステップを次第に減らして製造されるにも拘わらず、各製品は完成後には極めて複雑でしかも有効な最終製品を形成することができるということである。即ち簡単な製造工具を用意し、その工具で、簡単に、場合によっては実際に高度に複雑で極めて有効な、本願発明の目的の容器である最終製品の製造を可能にすることである。
【0014】
この目的はたしかに原理的にはこの種の容器で総体的には達成されている。しかしこの種の各容器では製造時の費用効率の向上が依然として望まれている。というのはこれらの容器は頭書記載のとおり、常に使い捨てであり、製造後食品を充填した後その容器から食品を摂取してしまえば空として処理されるからである。即ちそれらの容器は一般的な家庭塵となるか或いは容器を形成している原料として物資の流通に戻されるからである。
【0015】
容器の製造、即ち容器上体部と下体部から成るこの分類に属する容器の製造の段階の他に射出成形工具の製造は費用の極めて大きな要素であって、この要素はその工具を使用して製造された容器の数量に応じて異なるが、上述のとおり最終完成費用に直接関わるものである。
【0016】
射出成形工具が簡単なものである程その製造費用は安く、射出成形工具が簡単なものであるほどこの工具で容器全体、その中でも特に容器上体部即ち蓋を形成するための工程ステップも実施が容易なのが普通で、それだけに容器や容器の構成部材も速く製造できる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】EP-A-1 693309
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
以上のことからしてこの発明の課題は、頭書に記載した構成の容器を従来のこの種の容器よりもより速く且つより簡単に製造可能にし、製造工程も少なくし、従って製造費もより廉価な容器の提供にあり、容器の良好な特性を維持し、たとえば容器の中身の特定的な使用のために最初の開口の後の閉鎖状態がその後の容器の閉鎖の際にも格別に良好な密封性を確保するものであり、原則的には最初の開口後随意に閉鎖されてまた開口可能で、容器の上体部か蓋と容器の下体部の間の密封度が低下しない容器の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記の課題は、カラー部分が無負荷の端部に蓋部分に向いた周設の突出面を有し、突出面に蓋部分を固定してあることにより解決される。
【発明の効果】
【0020】
この発明の解決策の利点はほぼ以下の点にある。即ち本来の扁平な蓋部分はこの発明でも一片であり、この発明でも蓋部分の形状の安定化を機械的に保つ支えとなっている周設のカラー部分と共に容器下体部を、即ち容器の中身を再度確実に閉じ込めることができ、しかも蓋部分に向いてカラー部分の無負荷端部にできている突出面に蓋部分を固定することによってカラー部分に蓋部分を固定することができ、この構成によって製造の一ステップにおいてカラー部分と蓋部分の製造が可能になる。
【0021】
この発明の提案の更にもう一つの大きな利点は、射出成形工具の構造にあって、固定をカラー部分の製造と同一工程で達成でき、場合によっては蓋の製造との同一の工程でも可能で、こうして相応の構成の射出成形工具を使用すればワンステップでカラー部分と蓋部分の固定も可能になる。
【0022】
この発明の解決策によって、この種の解決策の場合と同様に視覚的に認識できる情報の記録に必要な扁平な蓋部分が本来の蓋部分の機能も可視情報を供えた情報担体の機能も活かすことができる原理をこの発明の場合にも応用することができる。
【0023】
この容器の極めて有利な一構成では容器下体部の縁部の少なくとも一部分を周設フランジのように形成する。即ち事実容器下体部を一般に最も簡単な容器で、たとえば公知のいわゆるヨーグルト容器やその変形で知られているような容器でこの発明の容器の製造に使用することができる。こうして容器下体部は容器の機能、即ち前述の容器上体部と容器下体部との一体的機能を阻害することなく極めて簡単に形成することができる。
【0024】
特に有利なのは以下の構成である。即ち容器下体部の開口部に周設された容器下体部のフランジの形成時容器下体部の開口部の周縁の縁部を下底に想定する容器下体部の載置に関して下底と並行に形成する。即ち周設フランジの形成に必要なこの基本サイズ−下底−を本来の容器下体部の横断面形と無関係に常に維持する。この種の容器か容器下体部を任意の適当な横断面形に形成可能で、たとえば台形、任意角形、瓶形、深鍋形等に形成可能なことは知られている。有利なのはフランジが常に基本面に、即ちここでは下底と並行であることである。
【0025】
この発明の容器の更に有利な構成のものは蓋部分を縁部に固定して、縁部の少なくとも一部分を被うようにする。即ち蓋部分の製造材料に応じて且つ/或いは容器下体部の製造材料に応じて且つ/或いは縁に蓋部分を固定させる製造材料に応じて、必要な場合には縁部への蓋部分の固定幅をきめることができる。その場合容器の大きさに応じて縁部に固定する本来の幅も容器の大きさに従ってきめることができる。容器に収納される軽量の食品には大きな目方の物の固定幅は必要ない。
【0026】
この容器の他の有利な構成では、蓋部分が内側で突出面に固定されるので、蓋部分と縁部の連結は一製造工程でできるので有利である。というのはこれらの部分を射出可能なプラスチックで形成する場合には成形型の中で片側からのみプラスチックを射出すればよいからである。この構成には、蓋部分と縁部の固定が外からは不可視で、即ち視覚の遮蔽であり、機械的な防護にもなるのも蓋部分は引き裂きを防止されるから有利である。
【0027】
更に別の態様では蓋部分は特に外側をも突出面に固定することができる。これはたとえば望ましい場合には外から見える蓋部分の利用面を可能な限り大きくしたい場合には、固定の選択の可能性がある。というのは特定の目的には消費者に必要なだけ多くの情報が外側から見えるように蓋部分に盛ろうとするからである。このような場合にはカラー部分と連結される蓋部分の縁部が全面的に印刷に利用できる。
【0028】
蓋部分自体は容器の更に別の極めて有利な実施態様ではシート状のものから形成されている。その場合蓋部分を周設のカラー部分と一体に形成するのも有利であり、それは技術上は容器上体部全体を唯一の適合構成の射出成形型中で唯一回の射出工程で形成可能にして達成される。その場合同時に既述の「Immolded Label (IML)」の方法によって容器の中身と他の記載について外側から観察者によって認識できる可視情報を射出成形型中で容器上体部の製造中にもたらすことができる。
【0029】
また、蓋部分とカラー部分とを別個の部分とし、この二つを適当な連結技術、たとえば溶接及び/又は接着によって相互に連結するのも有利である。たしかに容器上体部のこの構成、即ち先ずそれぞれ別個に製造された蓋部分とカラー部分からなるこの構成は費用がかかるが、しかしまた場合によっては外側の基準に基づいてカラー部分と蓋部分の形成に異なる材料を用いることもできる。
【0030】
容器の縁部は特に容器自体と一体に形成してあり、容器のこの構成でこの製造過程が終了し、たとえば射出成形型中で製造され、縁部のある容器が形成されて完成する。原理的には容器下体部の縁部やその部分を再び別個の部分として形成し、容器下体部を別個の部分としてそして容器開口部に周設された縁部部材を容器下体部自体に再度連結することもできる。この種の解決策には、たとえば本来の容器下体部の原材料が容器の縁部と蓋部分の固定に必ずしも適していない場合に有利である。この実施態様の場合にはたとえば容器部材は紙及び/或いは厚紙の適当に安定している原材料で造り、別体の縁部はたとえばプラスチックで造ることができる。縁部は蓋部分にたとえば溶着、接着、超音波溶接または簡単に蓋部分の原材料と縁部材の原材料との結合によって適当に固定可能または使用可能である。
【0031】
扁平の蓋部分の厚みは容器サイズ、容器内容物、容器内の製品や容器製造に使用された原材料に応じてそれぞれ広範囲にそれぞれ選択可能である。即ちそれぞれの容器で達成しなければならない包装課題に直接合うように選択することができる。蓋部分の形成に必要な原材料の使用をできるだけ少なくするために必要ならば蓋部分を可視光線透明とするならば蓋部分の厚みを0.1〜0.3ミリメートルにするのが好都合である。
【0032】
扁平な蓋部分及び/またはカラー部分及び/または容器下体部の製造及び/または別体の容器下体部に異なる縁部が必要ならその縁部の製造には、特に射出成形可能な、たとえばポリプロピレンを使用する。しかし他の適当な、射出成形可能な、容器内の品物に影響しない、即ち組成が味などに影響しないプラスチック原材料も使用可能である。
【0033】
既述のように蓋部分の原材料は少なくとも光の可視範囲で少なくとも光透明のものを選択可能なら好都合で、これには極めて大きな利点がある、即ちそうすれば容器内の品物が容器の閉鎖状態でも外からわかる。
【0034】
カラー部分自体は容器開口部に周設された縁部に後方から分離可能に突出係合するクリップ式の連結部があると有利である。容器上体部と下体部のこの分離可能な連結に関わるのは機械的に安定な、ほぼ形状安定のカラー部分のみであって、容器上体部の製造に必要な原材料はカラー部分の形成を目的とした場合に限られ、本来の蓋部分は課題に応じて薄く、即ちシート状に造ることができる。それは容器下体部や容器下体部内にある品物を気密に封じ込める機能を十分に発揮する。
【0035】
結局カラー部分の範囲に容器下体部の縁部に向いた、断面がほぼ三角形の突出部を設けるのが極めて有利で、この突出部が容器の閉鎖状態で縁部に下から係合する。容器上体部と下体部のこのようなクリップ結合によって結合確実で且つ気密密閉閉鎖が実施され、容器の頻繁な開閉後も機械的な閉鎖確実性と外から容器内への菌の侵入回避の密閉性が継続して保証される。
【0036】
殊の外有利なのは、容器の形成を、カラー部分と蓋部分から構成される容器上体部を取り除いたとき蓋部分と縁部の連結が分離可能であり、蓋部分と周設の縁部との連結は確保されるように実施することである。蓋部分と容器下体部の周設縁の結合または固定と蓋部分とカラー部分の結合または固定はその結合強度の程度によって異なり、従ってカラー部分と蓋部分の結合は容器の重複開口後も維持され、他方蓋部分と容器の周設縁部との連結は一回または初めの分離の後は必ず遮断または解除される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は容器下体部と容器上体部から成るこの発明による容器の透視図で、容器上体部は図示上の理由で容器下体部から軽く持ち上げて離して示す。
【図2】図2は図1の線A−Bに沿う断面を示す。
【図3】図3は図2の縁部の詳細を示す。
【図4】図4は容器下体部を蓋部分に連結された容器上体部に載置した場合の断面の側面の、図1〜図3に示した縁部の切り取り部の拡大寸法図である。
【符号の説明】
【0038】
10・・・・容器
11・・・・容器下体部
12・・・・容器上体部(容器蓋)
13・・・・ウェブ(容器上体部)
14・・・・容器開口
15・・・・縁
150・・・周設フランジ
16・・・・カラー部分
160・・・カラー部分の無負荷端部
161・・・突出面
162・・・突出部
17・・・・蓋部分
18・・・・クリップ連結
180・・・突出部
19・・・・部分(クリップ連結)
24・・・・厚み
25・・・・溶着結合
26・・・・矢印
27・・・・矢印
28・・・・下底
29・・・・固定
30・・・・矢印
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
この発明を一実施例を示す以下の模式図をもとに詳説する。
初めに、ここに示した図はこの発明を図示の個々の構造のものに限定するものではないことを断っておく。反対にここに図示した構造はたとえ特許請求の範囲に記載してないものにも限定されず、すべてこの発明の一部分である。
【0040】
図1に全体を示した容器10と図2に半分を示した容器10は固形物、ペースト、流動物、吸引可能物、特に食品を収納するための容器である。しかし容器10は医療器具を無菌で収納し、或いは包帯のような医療用品またはその他の医療用小物用としても使用することができる。所望の製品を容器10に詰めて続いて気密に封鎖すると容器内の品物は無菌で保管される。
【0041】
この容器には実際の製品を収納する容器下体部がある。容器下体部11の開口部14は図1及び2に示した上部12で閉鎖される。
【0042】
容器下体部11には開口部14を取り巻く縁部があり、縁部は図1及び2に示したように容器下体部11の側壁部に対して垂直に設けてある。容器10や特に容器下体部の形は任意に形成することができるので、縁部の形成と方向の特徴は下底28に容器下体部11の載置を仮定すると容器下体部に周設された縁部15が下底28にほぼ並行していることである。図2の点線28が想定の下底を示している。容器下体部11は断面が図示の円形のみでなく、任意の他の形状たとえば直六面形或いは楕円形等にすることも可能である。
【0043】
原理上容器下体部11は一体構成として図示した態様以外に多部分から構成することもできる。たとえば縁部15とか縁部15によって形成された上部フランジ150を設けることができ、且つ図示してないが容器下体部11の残りの部分に連結することができる別の部分の形にすることもできる。換言すれば、容器下体部11は基本的には多くの部分で構成することができる。
【0044】
その他にもこの種の容器10は多くが知られているので、以下に容器下体部11の構造の形成についてこの発明の構造上の基準との関連のみについて詳記する。
【0045】
容器10には上記の下体部11の他に上体部12即ち本来の容器蓋もある。容器上体部12または容器蓋は図1〜4に示すようにカラー部分16から成り、図3と4に詳細を示してある。容器上体部12には殆ど扁平な蓋部分17もあり、これも図1〜4に示す通りである。扁平な蓋部分17は容器下体部11とカラー部分の残りの壁部と比較すると極めて薄い。以下に詳記する。
【0046】
カラー部分16は特に図1と2からわかるように一体の成形体として容器開口部14をカラー状に囲み、カラー部分16は扁平な蓋部分17のあるいわば枠である。蓋部分17には本質的に二つの部分、即ちウェブ状部19と突出部162がある。ウェブ状部は図示中容器下体部11の縁部15に対して鋭角で設けられ、突出部162も鋭角でウェブ状部19と一体に形成してある。突出部162には特に図1と3に図示したように片側(内側)と反対側(外側)に突出面161がある。ウェブ状部19はクリップ連結部18の一部分であり、容器下体部11の縁部15と周設の縁部150はクリップ連結部18のもう一方の部分をなして、これら二つの部分が共通にクリップ連結部18を形成し、縁部15と周設のフランジ150及びクリップ連結部18の範囲で容器下体部11に向けられた突出部180とが後方係合する。
【0047】
カラー部分16の部分として機能する突出部162は無負荷端部160が蓋部分17に向けれられている。カラー部分16の無負荷端部160に形成された突出面161には容器上体部12の部分である本来の蓋部分17が固定されている。蓋部分17は既に記載したようにシート状体から形成される。このシート状体は厚みが0.1〜0.3ミリメートルある。シート状体である蓋部分17は容器10の好ましい形態では一体に、即ちカラー部分16と一体に形成することができる。容器10または容器上体部12のこのような形成はただ一射出工程のみで実施することができる。
【0048】
蓋部分をシート状体にして別に製造し且つたとえば溶着または接着で周設のカラー部分16 と連結することもできる。この場合には既載のようにカラー部分160の無負荷端部に形成されたカラー部分の突出面161に蓋部分17の厚み24に合う深みを周設することができる。これを図4に拡大して明示した。図中で「内部」の、突出面161のこの深み即ち、この深みで容器10の閉鎖状態にあるような、即ち容器下体部11に載置された容器上体部12「内部」の、断面が三角形に近い仮想空間で蓋部分17を、既載の溶着及び/または接着による結合及び/或いは両方の原材料の直接の結合であろうと突出面161の深みで連結することができる。また、図示の蓋部分17を外側の突出面161にたとえばそこにも場合によっては設けることがてきる深みで固定することができる。
【0049】
前記のようにしてカラー部分16と連結されている蓋部分17は、図4に示すように、容器10が閉鎖されていると、即ち容器10を容器下体部11に取り付けてあると容器下体部11の周設縁部または周設フランジ上にある。
【0050】
容器下体部11と容器上体部12を前記のようにして製造した後容器下体部11に、容器10に入れるべき製品の製造者の所で製品が充填される。続いて容器上体部12を容器下体部に載せ、相互に押し合わせて、容器下体部11の縁部15または無負荷端部と突出部180との前記クリップ結合が容器上体部12またはカラー部分のクリップ結合部18の部分19「内」で相互に係合する。この係合は図4に矢印30で示すようにカラー部分16の僅かな弾性による変形で達成される。蓋部分17が縁部15または周設フランジ上にあると、何れの場合にもここに示した容器10の構成では、カラー部分16の無負荷端部160も図4に示したようにその間にある蓋部分17を介してやはり縁部15または周設フランジ150上にくる。
【0051】
以下に縁部15上の蓋部分17がこの縁部15の少なくとも一部分を被って縁部に接着及びまたは溶着及びまたはその他の適当な連結技術で固定される。
【0052】
続いて容器下体部11の充填と、蓋部分17と縁部15または周設フランジ150との溶着は真空下で行うことができる。
【0053】
容器下体部11から容器上体部12を外すのは使用者が指でカラー部分16の無負荷端部の下方へ、指の間に「下方に向けた」容器上体部の無負荷端部を掴んで矢印26の方へ引く。
【0054】
容器下体部11と容器上体部12を形成する原材料はたとえば適当な射出成形可能な材料、たとえばポリプロピレンでよく、弾性があるので、矢印26が示す方向にカラー部分16の無負荷端部を弾性変形させることができ、従ってこのカラー部分は容器下体部11の縁部15の周設フランジ150の無負荷端部との係合が外れ、続いて容器上体部12全体が持ち上げられ、縁部15の周設フランジ150と蓋部分17の溶着結合及び/或いは接着結合が分離する。前記溶着結合及び接着結合は開口時に縁部15の周設フランジ150と蓋部分17が損傷しないように行われる。容器上体部12を更に適度に傾けて持ち上げると、蓋部分と周設フランジの容器開口部14を巡る連結が解かれる。容器上体部12全体を外すと容器下体部11から製品を取り出すことができる。
【0055】
容器下体部に再び蓋をしようと思えば、容器上体部12を再び容器下体部11の上に置き、突出部180と容器下体部の周設フランジ150の無負荷端部とのクリップ結合18が生じるまで相互に矢印27の方向にずらす。容器下体部11の中にある製品の残りは再びほぼ密閉されて容器下体部11の中に収められる。
【0056】
シート状の蓋部分17を透明の原材料で製造すると、容器10の使用者は容器内容物が容器10の閉鎖状態でも中に収まっているのが分かり、たとえば棚或いは冷凍庫等で容器の中味の呈示に大きく役立つ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形物、ペースト状物、流動物、吸引可能物、特に食品用の容器(10)であって、製品収納用の容器下体部(11)と容器蓋として形成された容器上体部(12)とから成り、容器下体部(11)には容器開口部(14)を包囲する無端の縁部(15)があり、容器上体部(12)は容器開口部(14)の周縁をカラー状に包囲するカラー部分(16)とほぼ扁平の蓋部分(17)から構成され、蓋部分(17)をカラー部分(16)に固定し、容器下体部(11)の縁部(15)に分離可能に固定した容器において、カラー部分(16)は無負荷の端部(160)が蓋部分(17)に向けられた周設の突出面(161)を有し、突出面に蓋部分(17)を固定したことを特徴とする容器。
【請求項2】
前記容器下体部(11)の縁部(15)を少なくとも部分的に周設のフランジ(150)様式に形成したことを特徴とする、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記蓋部分(17)が縁部(15)の少なくとも一部分を被って縁部(15)に固定可能であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の容器。
【請求項4】
前記蓋部分(17)を内側で突出面(161)に固定したことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載した容器。
容器。
【請求項5】
前記蓋部分(17)を外側で突出面(161)に固定したことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載した容器。
【請求項6】
前記容器下体部(11)の縁部(15)を容器下体部(11)が下底部(28)に載置されると想定するとほぼ下底部(28)と平行に形成したことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載した容器。
【請求項7】
前記蓋部分(17)をシート状体で形成したことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載した容器。
【請求項8】
前記蓋部分(17)を周設カラー部分(16)と一体に形成したことを特徴とする、請求項7に記載した容器。
【請求項9】
前記蓋部分(17)とカラー部分(16)がそれぞれ別体であることを特徴とする、請求項7に記載した容器。
【請求項10】
前記容器をその縁部(15)と一体に形成したことを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載した容器。
【請求項11】
前記扁平な蓋部分(17)の厚み(24)を0.1〜0.3mmとしたことを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載した容器。
【請求項12】
前記カラー部分(16)にクリップ連結(18)様式で形成した部分(19)を設け、このクリップ連結様式の部分(19)が容器開口部(14)を囲繞する縁部(15)に後方から取り外し可能に係合することを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載した容器。
【請求項13】
前記カラー部分(16)のクリップ連結様式の部分(19)に容器下体部(11)の縁部(15)に向けて横断面がほぼ三角形の突出部(21)を設け、突出部(21)が容器(10)の閉鎖状態時縁部(15)の下部に係合することを特徴とする、請求項12に記載した容器。
【請求項14】
前記容器において、カラー部分(16)と扁平な蓋部分(17)とから成る容器上体部(12)を外す際扁平な蓋部分(17)と縁部(15)との連結を解除可能に構成し、扁平な蓋部分(17)と縁部(15)との連結は確実に維持されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載した容器。
【請求項15】
前記容器下体部(11)の原材料とカラー部分(16)の原材料が同一であることを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記載した容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−149930(P2010−149930A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−270486(P2009−270486)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(509327600)アルタ プラスト エービー (1)
【Fターム(参考)】