説明

密閉構造を有する容器

【課題】内容物が外部に露出されることを極力防止する自動密閉構造を持つ容器を提供する。
【解決手段】中空管状のケースによって構成され、その先端にノズルが出没するノズル孔が形成され、後端にカートリッジが挿入される挿入孔が形成されている軸と;前記軸の長さ方向に沿って前後に移動するカートリッジと;前記カートリッジのタンク部内で前後に移動することなく回転可能なように、その端部が前記タンク部の突条と係合し、先端側開放されている管状のスクリューレバーと;前記スクリューレバー内に収容され、先端には前記カートリッジの内径に対応する外径である内容物移動部が形成され、後端は前記スクリューレバーの内側面と係合する形状のピストンと;前記スクリューレバーと一体的に移動する前記カートリッジの前後移動に従って、前記ノズル孔を気密に開閉する乾燥防止部とを備えることを特徴とする容器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動密閉構造を持ち、流動体を収容する容器に関し、より詳しくはピストン機構によってカートリッジから押し出される液状のゲルが、吐出口に設けられたシャッターが開いている時にだけ吐出されるようにする密閉構造を有する容器に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品容器は、内容物の揮発及び変質を防止し、その保存性を高めるために、外部との遮断及び内容物の密閉性が重要である。
【0003】
これに関連し、化粧品を吐出するノズル出没式容器は、別にふたを開閉する不便さなしに使うことができる利点があるが、ノズルが出没するノズル孔が容器の片方の端部に穿設されているから、非揮発性物質のみに適用可能な欠点がある。
【0004】
一方、揮発性の高い液状化粧品などは、ふたを開閉させる不便さだけでなく、ノズルが空気中に開放された状態で長期間放置される場合、ゲルなどがノズルにこびりくつことになって、容器の寿命を短縮させるか、容器を毀損させる可能性があり、その有効成分が変質して、内容物である化粧品の性能を低下させることになる。
【0005】
よって、多くの出願人が液状や半液状で揮発性や非揮発性の化粧品に適用できる容器において、化粧品の乾燥を防止するとともにノズルを保護することができる特別な技術に関する多くの研究を行っている。
【0006】
この一例として、特許文献1に記載の乾燥防止用キャップを備えた化粧道具は、乾燥防止用キャップをケースの開口部に備え、非使用時にはキャップがケースの開口部を密閉し、使用時には片手でケースの上端に備えられたプッシュボタンを押して、キャップを回転させながらブラシなどの塗布手段をケースの外部に突出させることで、片手ですべての動作ができるようにする化粧道具である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国実用新案第20−2009−0001610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述した先行技術では、ブラシなどを保護するためのケースであるので、液状の化粧品を密閉するように収容して、ノズルを出没させて使うのには限界がある。
【0009】
本発明は前記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、乾燥防止部によってノズルが非接触式で出没しながらも気密維持機能を果たすことができ、別に蓋を設けなくてもノズルにおける液状成分の乾燥を防止することができるとともに、ノズルを物理的に安全に保護することができ、使用が簡便な密閉構造を有する容器を提供することである。
【0010】
また、本発明の他の目的は、カートリッジのピストン機構によって液状成分が押し出されて、定量で吐出されるようにする密閉構造を有する容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記のような本発明の目的は、中空管状のケースによって構成され、その先端にノズルが出没するノズル孔が形成され、後端にカートリッジが挿入される挿入孔が形成されている軸と;前記挿入孔から前記軸の内部に挿入され、前記軸の長さ方向に沿って前後に移動するカートリッジと;前記カートリッジのタンク部内で前後に移動することなく回転可能なように、その端部が前記タンク部の突条と係合し、先端側開放されている管状のスクリューレバーと;前記スクリューレバー内に収容され、先端には、前記カートリッジの内径に対応する外径であり、前記カートリッジの内部に収容される内容物移動部が形成され、後端は、前記スクリューレバーの内側面と係合する形状のピストンと;前記カートリッジと前記軸の間に設けられ、前記スクリューレバーと一体的に移動する前記カートリッジの前後移動に従って、前記ノズル孔を気密に開閉する乾燥防止部とを備えることを特徴とする容器によって達成される。
【0012】
また、本発明によれば、前記軸は、その側面に形成されている楕円形回転レバー孔の側方に、前記軸の長さ方向に沿って並べて配置される第1固定孔と第2固定孔を有し、前記カートリッジは、前記タンク部の側面から突出し、前記第1固定孔と第2固定孔とに拘束及び離脱する係止突起、及び、前記係止突起の側方に前記軸の回転レバー孔と略同一の形状の回転レバー孔を有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明によれば、前記係止突起は、前記第1固定孔と前記第2固定孔とに拘束及び離脱が容易となるように、前記カートリッジの側面に形成された弾性を有する自由端によって構成されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明によれば、前記軸は、前記第1固定孔に拘束された前記係止突起を前記第1固定孔から容易に離脱するように、前記第1固定孔の位置に延伸する自由端に形成されているリターンスイッチをさらに有し、前記リターンスイッチは、手で押された場合、前記軸の内部に曲がり、前記第1固定孔に拘束されている係止突起がカートリッジの内部に曲がるように押し込むことによって、前記係止突起を前記第1固定孔から離脱させることを特徴とする。
【0015】
また、本発明によれば、前記リターンスイッチは、その押し込みが容易になるように、外側表面に突出するプッシュ部を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明によれば、前記カートリッジは、前記係止突起の対向側に、自由端を有するガイド突起を有し、前記軸は、前記ガイド突起が挿入されることによって、前記ガイド突起を拘束するガイド孔を、前記ガイド突起に対応する位置に有し、これによって、前記カートリッジを軸方向に沿って前後に直線的に移動するようにガイドすることを特徴とする また、本発明によれば、前記カートリッジは、前記ガイド突起の自由端が内部に曲がるための空間を形成するテンション溝を、その内面に有することを特徴とする。
【0017】
また、本発明によれば、前記カートリッジは、その後端に前記スクリューレバーを収容し、先端に内容物を収容する大径のタンク部と;前記タンク部より小径で、後端側に内容物移動部を収容し、先端側に内容物を収容する連結部と;前記連結部より小径で、その先端が前記ノズルと結合されるノズル延長軸部とを有することを特徴とする。
【0018】
また、本発明によれば、前記ピストンは、その前方への移動によって、カートリッジ内部に残った内容物を押し出すように、前記内容物移動部との接触部に、前記カートリッジの内壁に密着するOリングを有することを特徴とする。
【0019】
また、本発明によれば、前記スクリューレバーの後端側には、前記ピストンの移動によって形成される空間に空気が出入りするための通気孔が形成されていることを特徴とする。
【0020】
また、本発明によれば、前記連結部の内壁に軸方向に形成されている溝は、十字形の前記内容物移動部の突条部と噛み合い、前記スクリューレバーの内壁面に形成されているネジ山は、前記ピストンに形成されているネジ山と噛み合うことによって、前記スクリューレバーの回転によって、前記ピストンが直線的に移動することを特徴とする。
【0021】
また、本発明によれば、前記連結部の内壁に形成されているネジ山は、前記内容物移動部に形成されているネジ山と噛み合い、前記スクリューレバーの内壁面に長さ方向に形成されているリブは、前記ピストンの長さ方向に形成されているリブと噛み合うことによって、前記スクリューレバーの回転によって、前記ピストンが回転しながら前後に移動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明の自動密閉構造を持つワンタッチ式ゲル容器は、乾燥防止部によって化粧品の外部への露出をできるだけ防止することで、化粧品の保存力を高めて、揮発を少なくすることができる。
【0023】
また、別に蓋などを使わなくても、ノズルにおける液状成分の乾燥を防止することができるとともに、ノズルを物理的に安全に保護することができ、使用が簡便である。
【0024】
さらに、カートリッジのピストン装置によって液状成分が押し出されて定量で吐き出されるようにすることで、使用者が所望の量のみ使うことができるので、化粧品を節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】先行技術による乾燥防止用キャップを備えた化粧道具の斜視図である。
【図2】本発明の自動密閉構造を持つワンタッチ式ゲル容器の全体分解斜視図である。
【図3】図2に示す軸の斜視図である。
【図4】図2に示すカートリッジの斜視図である。
【図5】図2に示すスクリューレバーの断面図である。
【図6】本発明の自動密閉構造を持つワンタッチ式ゲル容器の閉状態を示す右側面図である。
【図7】本発明の自動密閉構造を持つワンタッチ式ゲル容器の閉状態を示す横断面図である。
【図8】本発明の自動密閉構造を持つワンタッチ式ゲル容器の閉状態を示す底面図である。
【図9】本発明の自動密閉構造を持つワンタッチ式ゲル容器の閉状態を示す縦断面図である。
【図10】本発明の自動密閉構造を持つワンタッチ式ゲル容器の開放状態を示す右側面図である。
【図11】本発明の自動密閉構造を持つワンタッチ式ゲル容器の開放状態を示す横断面図である。
【図12】本発明の自動密閉構造を持つワンタッチ式ゲル容器の開放状態を示す底面図である。
【図13】本発明の自動密閉構造を持つワンタッチ式ゲル容器の開放状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施例による自動密閉構造を持つワンタッチ式ゲル容器について添付図面に基づいてより詳細に説明する。
【0027】
図2は本発明の自動密閉構造を持つワンタッチ式ゲル容器の全体分解斜視図、図3は図2に示すボディー部の斜視図である。
【0028】
また、図4は図2に示すカートリッジ部分の斜視図、図5は図2に示すスクリューレバーの断面図である。
【0029】
また、図6〜図9は本発明の自動密閉構造を持つワンタッチ式ゲル容器の閉状態を示す側面図、断面図及び底面図、図10〜図13は本発明の自動密閉構造を持つワンタッチ式ゲル容器の開状態を示す側面図、断面図及び底面図である。
【0030】
図2に示すように、本発明の自動密閉構造を持つワンタッチ式ゲル容器は、軸100、カートリッジ200、スクリューレバー300、ピストン400、ノズル500、及び吐出口の開閉のための乾燥防止部で構成される。
【0031】
乾燥防止部は、スプリング50、Oリング60、ホルダー70、リンク80、ボール型ドア90及びこれらの間に介在されるパッキングで構成され、これは本出願人によって出願され大韓民国において登録された大韓民国特許登録第10−0817202号に記載された乾燥防止部を備えた出没式筆記具において軸のノズル孔を気密に開閉するための装置と同様の構成を有し、その詳細な構成及びメカニズムの説明は省略する。
【0032】
以下、乾燥防止部は、軸100の方向に挿入されたカートリッジ200と、このカートリッジ200を弾性力によって元の位置に復元させるように結合されたスプリング50と、軸100の内部に装着されて気密状態を維持しつつスライド可能に結合されたOリング60と、このOリング60の内側に軸方向に一側端部を挿入させて、軸100の内部に装着されるホルダー70と、このホルダー70の内部にスライド可能に結合されたリンク80と、このリンク80の平行ピン82がピンスリット92に結合され、リンク80のスライド直線往復移動に対応して有限な大きさの所定の回転角だけ回転するように、軸100の内部に装着されたボール型ドア90とから構成され開閉機構である。
【0033】
すなわち、本発明の乾燥防止部によって、使用者は本発明の軸100を片手で掴んだ後、親指などで容器上端のプッシュ部にあたるスクリューレバーを押すとき、スクリューレバー及びカートリッジに連動するボール型ドア90が開放方向に+90度だけ回転しながら貫通通路をノズルの軸方向に一致させるように回転するとともに軸100のノズル孔11を開放させる。
【0034】
その後、ノズルは500、ボール型ドア90の貫通通路を通してノズル孔11の外部に突出することにより使用可能な状態になる。
【0035】
これと反対に、使用者がリターンスイッチを押したとき、カートリッジがリターンスイッチによって軸から抜け出し、内装スプリング50の弾性反発力によってボール型ドア90は閉方向に−90度だけ回転しながら貫通通路をノズルの軸方向に垂直に回転するとともに、軸100のノズル孔11を閉じ、突出したノズルが元の位置、つまり軸100の内部に没入する。
【0036】
この際、ノズルの突出方向を前進方向とし、その反対の没入方向を後進方向とする。
【0037】
また、軸100のノズル孔方向を前方とし、その反対方向を後方とする。
【0038】
図2及び図3に示すように、軸100は一つの一体ケースであり、中空の管状の形状を持つ。
【0039】
軸100は、プラスチック素材から射出成型されるかモールド成型で製作可能であり、軸100はプラスチック素材の一般的な特性、つまり弾性、可撓性、伸縮性のいずれか一つ以上を持つ。
【0040】
軸100は、円錐状をした一端にノズル孔11が形成されており、下記の構成要素を挿入できる内径を持つ挿入孔12が他端に形成されている。
【0041】
軸100は、挿入孔12が形成された他端側の両側面に一対の長円形の回転レバー孔101が形成されている。
【0042】
回転レバー孔101は、後述するカートリッジ200及びスクリューレバー300が軸100の内部に挿入された状態で、これらのカートリッジ200及びスクリューレバー300が露出するように開口形態を持ち、特にスクリューレバー300は軸100の内部に拘束された状態で回転レバー孔101から溝が形成された側面を露出させて回転可能である。
【0043】
回転レバー孔101の間の軸100の一側面には、リターンスイッチ102と第1固定孔103と第2固定孔104とが形成され、回転レバー孔101の間の軸100の他側面の第1固定孔103と対向する位置にはガイド孔105が形成されている。
【0044】
第1固定孔103と第2固定孔104は、後述するカートリッジの係止突起201がカートリッジの前進及び後進によって、いずれか一方に拘束されるように形成された孔である。
【0045】
すなわち、第2固定孔104はカートリッジが後進した状態で係止突起201が係合するように軸100の他側端に形成され、第1固定孔103はカートリッジが前進した状態で係止突起が係合するように第2固定孔104と同一直線上で第2固定孔104の前方に形成されている。
【0046】
リターンスイッチ102は、その自由端が第1固定孔103の前方から伸びるように側面に形成されている。
【0047】
したがって、リターンスイッチ102は、軸100の側面を基準として内外に弾性的に曲げることができる。特に、リターンスイッチ102を押すことによって、リターンスイッチ102が軸100の内部に曲がるようにして、第1固定孔103に拘束されている、自由端が形成された係止突起200を離脱させる役割を果たす。
【0048】
したがって、リターンスイッチ102は、押し込みがより容易になるように、リターンスイッチ102上に突出するプッシュ部が形成されることが好ましい。
【0049】
リターンスイッチ102及び固定孔103、104と対向する軸100の側面には、ガイド孔105が形成されている。
【0050】
ガイド孔105は、後述するカートリッジのガイド突起202を拘束し、前進及び後進の移動をガイドするための孔である。
【0051】
このために、ガイド孔105は、軸100の長さ方向に沿った直線的に、軸100の側面に垂直に形成されている貫通孔である。
【0052】
図2及び図4に示すように、カートリッジ200は、カートリッジ孔242とノズル500の間で直径が段差をなして小さくなるように、最大直径のタンク部243、このタンク部243と比べて小径の連結部244、及びこの連結部244と比べて小径のノズル延長軸部245が一体型に構成されている。
【0053】
また、ノズル延長軸部245の外表面とノズル500の内表面にはそれぞれ複数のネジ山が形成されており、これらネジ山が噛み合ってカートリッジ200とノズル500とを堅く結合させ、両者をより確実に密閉する。
【0054】
カートリッジ200は、軸100のカートリッジ挿入孔12を通して結合された後、前述したような出没メカニズムによって、使用者がノズルを軸100のノズル孔11に対して突出または没入させるように軸心方向に沿って有限な所定のストローク範囲内で往復移動させることができ、ストロークの両端で、カートリッジ200を一時的に停止することができる。
【0055】
このために、カートリッジ200には係止突起201とガイド突起202が側面に形成されている。
【0056】
係止突起201は、カートリッジ200が前進及び後進の直線的な移動しながら、軸100の第1固定孔103と第2固定孔104に係合するように、タンク部243の外表面に自由端の突起が形成されている。
【0057】
すなわち、係止突起201も、リターンスイッチ102と同様に、タンク部243の側面の内外に柔軟に弾性的に曲がることができ、特に第1固定孔103に拘束された状態でリターンスイッチ102が係止突起201を押せば、係止突起201がタンク部243の内側に曲がって第1固定孔103から離脱する。
【0058】
また、ガイド突起202は係止突起201と対向するカートリッジ200の側面に自由端の突起が形成されており、ガイド孔105に拘束されてカートリッジ200が前進及び後進の直線的な移動をする。
【0059】
タンク部243も、軸100の回転レバー孔101と同様に、一対の回転レバー孔203が形成されている。
【0060】
回転レバー孔203は、軸100の回転レバー孔101と略同一形状を持ち、略同一位置に形成されているので、カートリッジ200が軸100の内部で前進することによって、回転レバー孔101、203が互いに一致して重なる。
【0061】
また、タンク部243は、その内側面のガイド突起202及び係止突起201の位置にタンク部243の長さ方向に沿ってテンション溝204が形成されているので、タンク部243の内部にスクリューレバー300が収容されても、ガイド突起202と係止突起201のような自由端が充分に柔軟に内側に曲がる空間を提供する。
【0062】
また、カートリッジ200はその内部にゲル状の内容物が充填されており、ピストン400によって内容物が連結部244を通じてノズル500まで移動する。
【0063】
より具体的には、カートリッジ200のタンク243部は、タンク部243の回転レバー孔の先端からノズル延長軸部245の先端まで内容物が充填されるように、タンク部243の回転レバー孔101の先端において円周方向に形成されている突条部207とスクリューレバー300の突条部307が水密を保持しながら噛み合っている。
【0064】
連結部244は、その内壁が軸の長さ方向に沿って溝が形成されており、これは後述する内容物移動部409の突条部と噛み合うことにより、内容物移動部409とこれと一体的に連結されているピストン400がスクリューレバー300と一緒に回転せずに直線的に移動するようにしている。
【0065】
以下、ピストン400がスクリューレバー300と螺合するとともに、連結部244との溝と内容物移動部409の突条部との結合によって、直線移動だけ行う場合を実施例として説明しているが、これに限定されず、スクリューレバー300のリブとの結合及び連結部244のネジ山との螺合によって直線的に回転移動も可能である。
【0066】
すなわち、ピストン400の直線に移動しつつ回転するために、ピストン400にリブが形成され、これに対応するようにスクリューレバー300の内壁面にもリブが形成され、これらのリブ同士が噛み合うようにし、内容物移動部409にネジ山が形成され、これに対応するように連結部244の内壁面にもネジ山が形成され、これらのネジ山が噛み合うようにすることで、スクリューレバー300を回転させることによってピストンが回転しつつ、ネジ山によって前進することになる。
【0067】
図2及び図5に示すように、スクリューレバー300は、カートリッジ200のタンク部243の内側に収容されるように、一側が開放した管状であり、ピストン400が挿入されるピストン挿入部305の端部に突条部207に対応する同一形状の突条部307が形成され、これら突条部207、307が噛み合うことにより、前進及び後進の運動をせずに、スクリューレバー300が回転できるようにする。
【0068】
スクリューレバー300は、その内側にネジ山302が形成され、これが後述するピストン400に形成されているネジ山と噛み合い、回転運動によってピストンを前進又は後進させる。
【0069】
また、スクリューレバー300は、他方の端部(ピストン400が挿入されない端部)に通気孔306が形成されているので、スクリューレバー300の内部の空間においてピストンの移動に伴って空気が出入する通気口の役割を果たす。
【0070】
スクリューレバー300はその外表面に長さ方向に延伸する溝が形成されているので、手によってスクリューレバー300を回転する際に、手との摩擦力を増大させてより効率的な回転できるようにする。
【0071】
図2に示すように、ピストン400はスクリューレバー300の内部に収容され、ピストン400の一端には、スクリューレバー300のネジ山302と噛み合う形状を持つネジ山402が形成されている。
【0072】
また、ピストン400の他端には、連結部244の内部に収容されるように、連結部244の内径に相当する外径を持つ内容物移動部409が設けられており、これらの間に付着された凹凸を有するOリング407がタンク部243の内壁に密着した状態で前進移動しながらタンク部243の内壁のゲル状の残余内容物をすべて吐出させる。
【0073】
内容物移動部409は断面が十字形の中実棒で、連結部244に形成された溝と噛み合うことにより、内容物移動部409(すなわち、ピストン400)が、スクリューレバー300の回転の際に、一緒に回転せずに、直線的に移動する。
【0074】
また、内容物移動部409は、連結部244の溝との隙間で内容物が移動するようにし、ピストン400が押し出す内容物を連結部244を通じてノズル500に導く。
【0075】
ノズル500の内部には、ノズル延長軸部245のネジ山と結合する形状のネジ山が形成されており、ノズル延長軸部245との固く結合することによって、ノズル500とカートリッジ200との間の水密を維持しながら、連結部244から導かれるゲル状の内容物が吐出する。
【0076】
図6〜図9は、本発明の自動密閉構造を持つワンタッチ式ゲル容器の組立状態(閉状態)における側面図、横断面図、底面図及び縦断面図である。
【0077】
これらの図に示すように、ピストン400のネジ山とかみ合っているスクリューレバー300はカートリッジ孔242を通じてカートリッジ200の内部に挿入されることにより、内容物移動部409は連結部244の内部に挿入され、スクリューレバー300とタンク部243の突条部307、207が噛み合う。
【0078】
カートリッジ200に内容物が充填された状態で、ピストン400の端部はスクリューレバー300の一端、つまり空気循環孔306側の端部に接している。
【0079】
したがって、スクリューレバー300はカートリッジ200の内部で軸を中心として回転することができ、ピストン400はスクリューレバー300とかみ合っているネジ山によって回転しながら前進移動する。もちろん、ピストン400は前進してから後進することができるが、内容物をカートリッジから押し出す役割を有するので、ピストン400が後進して内容物を逆流させる必要はない。
【0080】
また、ノズル500はノズル延長軸部245と螺合して堅固に固定されている。
【0081】
また、カートリッジ200のタンク部243と連結部244の間に形成されている段差部からスプリング50、Oリング60、ホルダー70、リンク80、及びボール型ドア90でなる乾燥防止部が順に位置する。
【0082】
また、内容物を収容するカートリッジ200は、軸100の挿入孔12を通じて、軸100の内部に収容されている。
【0083】
この際、ホルダー70とスプリング50の間にはOリング60が介在し、さらに、軸のノズル孔11とボール型ドア90の間にはゴムパッキングが介在することで、これらの各要素の間の水密性を向上させている。
【0084】
また、カートリッジ200の係止突起201は第2固定孔104に拘束されており、ガイド突起202はガイド孔105内を移動可能に拘束されている。
【0085】
これにより、軸100の回転レバー孔101はカートリッジ200の回転レバー孔203とずれた位置に位置し、回転レバー孔101を通じてスクリューレバー300の側面の一部が露出される。
【0086】
この状態で、図10〜図13に示す開状態になるように、スクリューレバー300の後側端部を手で押せば、係止突起201が内部に曲がりながら第2固定孔104から離脱し、スクリューレバー300と一体的に噛み合っているピストン400及びカートリッジ200がノズル方向に前進しながらスプリング50を収縮させる。
【0087】
スクリューレバー300が前進するにつれて、ガイド突起202が拘束されているガイド孔105に沿ってカートリッジ200は前進し、カートリッジ200の係止突起201が第1固定孔103に拘束されることによって前進が停止する。
【0088】
これにより、カートリッジ200の係止突起201が第2固定孔104から離脱して第1固定孔103に拘束されるまで、乾燥防止部が開動作を行うことにより、ボール型ドア90は90度回転し、ボール型ドア90によって閉じられていた軸100のノズル孔11が開放され、カートリッジ200の前進によって開放されたノズル孔11からノズル500が突出する。
【0089】
同時に、カートリッジ200の前進によって軸100の回転レバー孔101とカートリッジ200の回転レバー孔203が互いに一致するように位置し、スクリューレバー300の側面の露出面積が最大になる。
【0090】
このような状態で、突出したノズル500から内容物を吐き出すために、スクリューレバー300を回転させれば、ピストン400とスクリューレバー300との螺合によって、ピストン400がスクリューレバー300の内側ネジ山に沿って前進する。ピストン400の前進によりカートリッジ200のタンク部243に充填されている内容物が押し出され、内容物移動部409及び連結部244を通じてノズル500から吐出される。
【0091】
内容物を所要量だけ吐き出した後、さらにノズルを軸100の内部に没入させるために、軸100のリターンスイッチ102を押せば、リターンスイッチ102の押圧力を受けたカートリッジ200の係止突起201がさらに内側で曲がりながら第1固定孔103を離脱し、これにより収縮状態のスプリング50の復元力によってカートリッジ200、ピストン400、及びスクリューレバー300が一体的に後進する。
【0092】
これにより、カートリッジ200の係止突起201が第1固定孔103から離脱して第2固定孔104に再び拘束されるまで乾燥防止部が閉動作を行うことにより、ボール型ドア90は90度回転し、軸100のノズル孔11がボール型ドア90によって閉じられる。そして、カートリッジ200との後進によって閉じられたノズル孔の内部にノズル500が没入する。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、ピストン装置によってカートリッジから押し出される液状のゲルが吐出口のシャッターが開状態にだけ吐き出されるようにする自動密閉構造を持つワンタッチ式ゲル容器に適用可能である。
【符号の説明】
【0094】
50 スプリング
60 Oリング
70 ホルダー
80 リンク
90 ボール型ドア
100 軸
101 回転レバー孔
102 リターンスイッチ
103 第1固定孔
104 第2固定孔
105 ガイド孔
200 カートリッジ
201 係止突起
202 ガイド突起
203 回転レバー孔
204 テンション溝
207 突条部
300 スクリューレバー
305 ピストン挿入部
306 通気孔
307 突条部
400 ピストン
402 ネジ山
407 Oリング
409 内容物移動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空管状のケースによって構成され、その先端にノズルが出没するノズル孔が形成され、後端にカートリッジが挿入される挿入孔が形成されている軸と;
前記挿入孔から前記軸の内部に挿入され、前記軸の長さ方向に沿って前後に移動するカートリッジと;
前記カートリッジのタンク部内で前後に移動することなく回転可能なように、その端部が前記タンク部の突条と係合し、先端側開放されている管状のスクリューレバーと;
前記スクリューレバー内に収容され、先端には、前記カートリッジの内径に対応する外径であり、前記カートリッジの内部に収容される内容物移動部が形成され、後端は、前記スクリューレバーの内側面と係合する形状のピストンと;
前記カートリッジと前記軸の間に設けられ、前記スクリューレバーと一体的に移動する前記カートリッジの前後移動に従って、前記ノズル孔を気密に開閉する乾燥防止部とを備えることを特徴とする容器。
【請求項2】
前記軸は、その側面に形成されている楕円形回転レバー孔の側方に、前記軸の長さ方向に沿って並べて配置される第1固定孔と第2固定孔を有し、
前記カートリッジは、前記タンク部の側面から突出し、前記第1固定孔と第2固定孔とに拘束及び離脱する係止突起、及び、前記係止突起の側方に前記軸の回転レバー孔と略同一の形状の回転レバー孔を有することを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記係止突起は、前記第1固定孔と前記第2固定孔とに拘束及び離脱が容易となるように、前記カートリッジの側面に形成された弾性を有する自由端によって構成されることを特徴とする請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記軸は、前記第1固定孔に拘束された前記係止突起を前記第1固定孔から容易に離脱するように、前記第1固定孔の位置に延伸する自由端に形成されているリターンスイッチをさらに有し、
前記リターンスイッチは、手で押された場合、前記軸の内部に曲がり、前記第1固定孔に拘束されている係止突起がカートリッジの内部に曲がるように押し込むことによって、前記係止突起を前記第1固定孔から離脱させることを特徴とする請求項3に記載の容器。
【請求項5】
前記リターンスイッチは、その押し込みが容易になるように、外側表面に突出するプッシュ部を有することを特徴とする請求項4に記載のゲル容器。
【請求項6】
前記カートリッジは、前記係止突起の対向側に、自由端を有するガイド突起を有し、
前記軸は、前記ガイド突起が挿入されることによって、前記ガイド突起を拘束するガイド孔を、前記ガイド突起に対応する位置に有し、
これによって、前記カートリッジを軸方向に沿って前後に直線的に移動するようにガイドすることを特徴とする請求項2に記載の容器。
【請求項7】
前記カートリッジは、前記ガイド突起の自由端が内部に曲がるための空間を形成するテンション溝を、その内面に有することを特徴とする請求項6に記載の容器。
【請求項8】
前記カートリッジは、
その後端に前記スクリューレバーを収容し、先端に内容物を収容する大径のタンク部と;
前記タンク部より小径で、後端側に内容物移動部を収容し、先端側に内容物を収容する連結部と;
前記連結部より小径で、その先端が前記ノズルと結合されるノズル延長軸部とを有することを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項9】
前記ピストンは、その前方への移動によって、カートリッジ内部に残った内容物を押し出すように、前記内容物移動部との接触部に、前記カートリッジの内壁に密着するOリングを有することを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項10】
前記スクリューレバーの後端側には、前記ピストンの移動によって形成される空間に空気が出入りするための通気孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項11】
前記連結部の内壁に軸方向に形成されている溝は、十字形の前記内容物移動部の突条部と噛み合い、前記スクリューレバーの内壁面に形成されているネジ山は、前記ピストンに形成されているネジ山と噛み合うことによって、前記スクリューレバーの回転によって、前記ピストンが直線的に移動することを特徴とする請求項8に記載の容器。
【請求項12】
前記連結部の内壁に形成されているネジ山は、前記内容物移動部に形成されているネジ山と噛み合い、前記スクリューレバーの内壁面に長さ方向に形成されているリブは、前記ピストンの長さ方向に形成されているリブと噛み合うことによって、前記スクリューレバーの回転によって、前記ピストンが回転しながら前後に移動することを特徴とする請求項8に記載の容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−126452(P2012−126452A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292212(P2010−292212)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(505071712)モリス コーポレーション (12)
【氏名又は名称原語表記】MORRIS CORPORATION
【住所又は居所原語表記】952,Dohwa−dong,Nam−gu,Inchon−shi,402−060,Korea
【Fターム(参考)】