説明

寒冷気候でのターボシャフト・エンジンの始動方法とシステム

本発明によれば、寒冷気候でターボシャフト・エンジン(1)を始動するとき、この始動方法が、電動スタータ(2)により発散される熱エネルギーの少なくとも一部をターボシャフト・エンジン(1)の潤滑回路(3)の液圧流体に移動し、この潤滑回路(3)の温度調節手段(9、10)を抑制することからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は寒冷気候でのタービン・エンジンの始動方法と、特にこの方法を実施する航空機用のタービン・エンジンに関する。
【背景技術】
【0002】
タービン・エンジンを始動するため、このタービン・エンジンのシャフト(軸)に駆動トルクを与えるスタータを使用することは既知である。このような駆動トルクは上記のシャフト(軸)に課せられ、主に回転部分の空気力学的抗力と、接触部分同士間の機械的摩擦と、上記のタービン・エンジンと連携する少なくとも1つの潤滑用および/または熱調節用液圧回路の流体に浸漬されている接触部分同士間での粘性摩擦による損失の結果である全ての抵抗トルクを克服しようとするものである。スタータは徐々にタービン・エンジンを加速し、所定の回転速度に達すると、タービン・エンジンの燃焼室への燃料噴射あるいはその内での燃焼点火が開始される。ついで、もう1つの所定回転速度ではスタータの作動は停止し、タービン・エンジンは上記の燃料の燃焼によりアイドリング速度にまで加速し続ける。
【0003】
既知のスタータは空圧式タイプ(ここではタービンに圧縮空気が供給される)のものであるが、電気式タイプのものが増加している。後者の場合、これらは一般に、タービン・エンジン始動段階中ではモータとして、航空機が飛行中は発電機として作用する同期式機械である。以下では電気式タイプのスタータのみを考慮する。
【0004】
寒冷気候(例えば、周囲の温度と、タービン・エンジンと連携している液圧回路内の流体の温度が−20℃以下の時)では、上記の流体は固体となり、上記のタービン・エンジンを始動させるため電動スタータが克服しなければならない抵抗トルクを大きく増加させる。勿論、電動スタータは寒冷気候でのそのような始動操作を行うことができなければならず、これはそのパワーがそれに対して定格と定められていることを意味する。然し、寒冷気候での始動は、航空機の寿命中比較的頻繁ではない事項であることを指摘しなければならない。このことは非常に強力な、よって大抵の始動シーケンスにとっては重いスタータか、あるいは外側の熱源を用いてタービン・エンジン液圧回路を加熱する手順を用いることが必要となることを意味する。
【0005】
過剰な質量と過剰なパワーとを有する航空機の電動スタータの短所は、飛行機のシステムの電気的構造の理由で1つのタービン・エンジンにつき2つの電動スタータがあるという事実により更に悪化する。でもこうすれば、上記のタービン・エンジンは電動スタータの1つが故障しても始動できる。
【0006】
更にまた、タービン・エンジンが寒冷気候で始動されているあいだタービン・エンジンにより進展する粘性抵抗トルクは正確には予測するのが難しい。それは始動時のタービン・エンジンの流体の正確な温度とこの流体の質と特性と、接触する機械部品の周囲の温度と関連する相対的変形と、予測が難しいその他のパラメータとに依存する。だからスタータは設計マージンを組み込む抵抗トルク・カーブに基づいて定格されている。それでも、この事前の対策は、航空機が出会う可能性のある全ての寒冷気候始動場面(シナリオ)をスタータのパワーがカバーできることを保証しない。それ故に使用者は寒冷気候でエンジンを始動させようとする前に特別な手順を踏まなければならず、この手順は航空機の利用性と作用性とを阻害するとわかっており、タービン・エンジンを始動しようとする試みの失敗を防ぐことができない。
【0007】
これらの短所を解消するため、英国特許文献第2,260,577号は電動スタータを用いてタービン・エンジンを始動させる方法が記載し、このタービン・エンジンにはこれの少なくとも或る部分を潤滑するための少なくとも1つの液圧流体回路が設けられていて、この方法によれば、このタービン・エンジンが寒冷気候で始動されている時、上記の電動スタータにより生じる熱エネルギーの少なくとも幾らかがタービン・エンジン潤滑回路の液圧流体に移動するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】英国特許文献第2,260,577号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
よって、タービン・エンジン潤滑回路の液圧流体(油)は冷間始動時上記の電動スタータにより加熱され、上記の液圧流体の粘度が減少し、よってこの流体により生じる抵抗トルクを減少させる。この結果始動時間が短くなり、スタータがより小型になり、頓挫する始動の危険性も低くなる。
【0010】
本発明の目的は、タービン・エンジンが作動中これにより出される熱を除去できる温度調節手段がタービン・エンジン潤滑回路に設けられている場合上記の既知の方法を改良することである。この場合、本発明によれば、上記のタービン・エンジン潤滑回路の液圧流体の加熱を加速するため、上記のタービン・エンジン潤滑回路の温度調節手段は熱エネルギーが電動スタータからタービン・エンジン潤滑回路の液圧流体に移動するあいだ抑制される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による方法は、特に低くはない温度でも実施することはできるが、実際は、その温度が少なくともほぼ−20℃以下である時、熱エネルギーは電動スタータからタービン・エンジン潤滑回路の液圧流体へ移動する。
【0012】
通常、スタータに、このスタータの少なくとも或る部分を潤滑するための少なくとも1つの液圧流体回路を設けている場合、熱エネルギーがスタータからタービン・エンジン潤滑回路の液圧流体へ、上記のスタータ潤滑回路を介して移動させるのが望ましい。
【0013】
加えて、上記のスタータ潤滑回路に、作動中上記のスタータにより出される熱を除去できる温度調節手段を設けていれば、タービン・エンジン潤滑回路の液圧流体の加熱率に関する限り、上記スタータ潤滑回路温度調節手段は、熱エネルギが電動スタータからタービン・エンジン潤滑回路の液圧流体に移動しているあいだは抑制されるのが好ましい。
【0014】
スタータからタービン・エンジン潤滑回路の液圧流体への熱エネルギーの移動は、エンジンのタービンが始動するまで、あるいはこの液圧流体の温度がこの流体の通常粘度に対応する第1所定値に達するまで継続する。この熱エネルギーの移動が始動時まで継続されるようにしてある場合、タービン・エンジン潤滑回路の液圧流体の温度が、エンジンを損傷する危険を孕む第2所定値に達すると、上記の始動以前に上記の熱エネルギの移動を遮断できる安全特性を設けることが望ましい。
【0015】
本発明は、又、電動スタータを用いてタービン・エンジンを始動するためのシステムに関し、上記のタービン・エンジンおよびスタータは各々除熱できる温度調節手段を備えた液圧潤滑回路からなる。本発明によれば、上記のタービン・エンジンを寒冷気候でより容易に始動させるため、上記のシステムは、
− スタータ液圧潤滑回路とタービン・エンジン液圧潤滑回路との間での熱エネルギの一方向移動用制御可能な手段と、
− タービン・エンジン液圧潤滑回路とスタータ液圧潤滑回路との温度調節手段を抑制する制御可能な手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
本発明によるシステムの代替実施例では、上記タービン・エンジンの液圧潤滑回路温度調節手段の一部は、航空機が地上で停止している時、作動し、
− 上記のスタータ液圧潤滑回路それ自体は、航空機が地上で停止中作動する温度調節手段を備えず、
− 上記の熱エネルギーの一方向移動用制御可能な手段が上記のスタータ液圧潤滑回路とタービン・エンジン液圧潤滑回路温度調節手段の上記一部との間を連結し、この一部が、航空機が地上で停止している際上記のスタータ液圧潤滑回路を温度調節するのが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】タービン・エンジンとその電動スタータおよび液圧回路との既知のシステムの一例を示す略図である。
【図2】図1に示す既知のシステムを改良するための本発明の第1実施例を示す図1対応図である。
【図3】図1に示す既知のシステムを改良するための本発明の第2実施例を示す図1対応図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付図面の図により本発明がどのように実施されるかが容易に理解される。これらの図中、同一符号は同一要素を示す。
図1は、航空機(図示略)用の矩形形状のバイパス・タービン・エンジン(1)を略示する。このタービン・エンジンにはシャフト(軸)(2)が設けられており、少なくとも1つの液圧回路(3)を流通する液圧流体がここを通過する。
【0019】
図1に例示されている既知のタイプの回路(3)は加圧ポンプ(4)と、フィルター(5)と、戻しポンプ(6)と、脱気装置(7)と液圧流体(オイル)・タンク(8)とからなる。
【0020】
回路(3)はタービン・エンジン(1)の少なくとも或る部分を潤滑し、これに適切な作動温度を提供しようとするものである。よって上記の回路(3)は上記の液圧流体を冷却でき、その温度を調節できる少なくとも1つの装置からなる。描かれている例では、以下のことによりこの例が達成される。
− タービン・エンジン(1)を通過する、あるいはこれを囲む空気流(F)(冷却ファン・ストリーム(流))に液圧流体の熱エネルギーを発散できる空気/液圧流体熱交換器(9)であって、このような熱交換器は板状あるいは管状タイプのもの、あるいはまたタービン・エンジンのナセルの壁に位置する表面型タイプのものでもよい。勿論、熱交換器(9)は航空機が地上に停止中は或る点まで効果的であるが、主として動いている時に効果的である。
− そして、管(11)を流通する燃料流(C)に上記の液圧流体の熱エネルギーを発散できる燃料/液圧流体間の熱交換器(10)であって、この熱交換器(10)は、液圧流体の温度より燃料の温度が一般に低いので航空機が地上で停止中効果的である。
【0021】
更にまた、図1はスタータ/発電機タイプの電気機械(12)を矩形形状で略示し、そのシャフト(軸)(13)は上記のタービン・エンジンを始動するため(鎖線で表されている)カップリング(継ぎ手)(14)によりタービン・エンジン(1)のシャフト(軸)(2)に結合されている。上記と同様の方法で、電気機械(12)は潤滑され、その温度は少なくとも1つの液圧回路(15)内を流れている液圧流体により調節される。
【0022】
図3に例示されている既知のタイプの回路(15)は加圧ポンプ(16)と、液圧流体タンク(17)と、(上記の熱交換器(9)と同様の)空気/液圧流体熱交換器(18)と、(上記の熱交換器(10)と同様の)燃料/液圧流体熱交換器(19)とからなる。
【0023】
作動中、タービン・エンジン(1)と電気機械(12)とは回路(3)と回路(5)とにより潤滑され、温度調節されることは容易に理解される。
【0024】
本発明の目的は、先ず、寒冷気候で回路(3)の液圧流体の温度が非常に低い、特に、−20℃以下の時電気機械(12)によるタービン・エンジンの始動を改良すること、そして第2に、地上の電気機械(12)により発散される熱エネルギーを除去することである。
【0025】
図2は本発明によるシステムIの第1例を示し、このシステムIは図1のシステムの改良である。この図2は、再度、上記に記載の全ての要素(1)から(19)、FとCとを示す。
【0026】
加えて、システムIは
− 液圧回路(3)と(15)との間に位置し、回路(15)側で制御可能なバルブ(22)の制御のもとでバイパス(21)により抑制される熱交換器(20)と、
− 液圧回路(3)の要素の作用を抑制するためそれぞれ熱交換器(9)と(10)と、フィルタ(5)とに平行に取り付けられた制御可能なバイパス(23)、(24)および(25と、
− それぞれ熱交換器(18)と(19)とに平行に取り付けられて、流体回路(15)のこれらの熱交換器の作用を抑制できる制御可能なバイパス(26)と(27)とからなる。
【0027】
タービン・エンジン(1)がスタータ(12)により通常温度条件下で始動されている時は、バイパス(21)は制御可能なバルブ(22)の作用で開いており、液圧回路(3)と(15)との間には熱交換器(20)を介しての熱連結はされていない。加えて、バイパス(23)から(27)は閉じており、要素(9)、(10)、(5)、(18)および(19)は抑制されていない。熱交換器という観点からみれば、図2のシステムIは図1の既知のシステムと同じ条件にある。
【0028】
その反面、タービン・エンジン(1)が寒冷気候でスタータ(12)により始動されている時、バルブ(22)はバイパス(21)を抑制するようになされて、回路(15)の液圧流体を熱交換機(20)に通過させる。よって回路(3)の液圧流体は回路(15)のもの、即ち、スタータ(12)により発散される熱エネルギー、タービン・エンジンの始動を促進させるあるいは始動さえさせる上記ののような何かの物により加熱される。回路(3)のそのような液圧流体の加熱は、その際、要素(5)、(9)、(10)、(18)および(19)が、開放されている対応するバイパス(23)から(27)によりショート・サーキット(短絡)されるという事実により促進される。
【0029】
バイパス(21)を閉じ、バイパス(23)から(27)を開いてのこの寒冷気候始動条件は回路(3)の液圧流体の温度が所定値に達するまで、あるいはエンジン(1)が始動するまで維持され得る。
【0030】
後者の場合、万が一流体圧回路の流体の温度が上記タービン・エンジンを損傷する危険を孕む温度に達すれば、熱移動はバルブ(22)を作動させてバイパス(21)を開くことにより阻止される。加えて、バイパス(24)とあるいはバイパス(23)とはその際閉じて、対応する熱交換器(10)および(9)を作動させる。更に、同様に、熱交換器(19)とあるいは熱交換器(18)とを作動させることができるであろう。
【0031】
図3のシステムIIにより示されている本発明の実施例の代替形態では、(主として地上で停止中効果的な)熱交換器(19)とそのバイパス(27)とを除いて図2のシステムIの全ての要素が再度見られる。システムIIでは、熱交換器(20)とバイパス(21)とバルブ(22)との全アセンブリは、上で説明したように、冷間始動中流体圧回路(3)の流体を加熱するだけでなく、タービン・エンジン(1)の回路(3)の熱交換器(10)と(あるいは熱交換器(9)と)を通常温度での始動中に熱交換器(19)として作動させる。
【0032】
上記の例は、バイパス(21)および制御可能なバルブ(22)と連携する熱交換器(20)の形態の流体圧回路(15)と(3)との間での熱エネルギの一方向移動手段を記載したが、この手段は、例えば、サーモサイホン熱ダクトのようなその他のタイプの熱交換器と換えられ、よって上記の制御可能なバルブを無くすことができることは言うまでもない。加えて、この一方向移動手段を複数にしてそのシステムに故障の際の余裕を設けてもよく、そしてより効果的にするためタンク(8)に位置させるのが望ましい。
【符号の説明】
【0033】
1…タービン・エンジン、3…タービン・エンジンの液圧流体回路(潤滑回路)、9・10…エンジン潤滑回路の温度調節手段、12…電動スタータ、15…スタータの液圧流体回路(潤滑回路)、18・19…スタータ潤滑回路の温度調節手段、20・21・22…両液圧潤滑回路間での熱エネルギーの一方向移動制御手段、23・24、26・27…両液圧潤滑回路の温度調節手段を抑制する制御手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動スタータ(12)を用いて航空機のタービン・エンジン(1)を始動させる方法であって、このタービン・エンジン(1)にはこれの少なくとも或る部分を潤滑するための少なくとも1つの液圧流体回路(3)が設けられていて、この方法において、上記タービン・エンジン(1)が寒冷気候で始動されている時、上記の電動スタータ(12)により生じる熱エネルギーの少なくとも幾らかが上記タービン・エンジン(1)の潤滑回路(3)の液圧流体に移動し、
上記タービン・エンジン(1)により出される熱を除去できる温度調節手段(9・10)がタービン・エンジン(1)の潤滑回路(3)に設けられており、上記の温度調節手段(9・10)は熱エネルギーが電動スタータ(12)からタービン・エンジン(1)の潤滑回路(3)の液圧流体に移動するあいだ抑制されることを特徴とする航空機のタービン・エンジン始動方法。
【請求項2】
その温度が少なくともほぼ−20℃以下である時、熱エネルギーが電動スタータ(12)からタービン・エンジン(1)の潤滑回路(3)の液圧流体へ移動されることを特徴とする請求項1に記載した航空機のタービン・エンジン始動方法。
【請求項3】
上記のスタータ(12)の少なくとも或る部分を潤滑するための少なくとも1つの液圧流体回路(15)を設けたスタータ(12)を用いて実施され、
熱エネルギーがスタータ(12)からタービン・エンジン(1)の潤滑回路(3)の液圧流体へ、上記のスタータ(12)の潤滑回路(15)を介して移動されることを特徴とする請求項1又は2に記載した航空機のタービン・エンジン始動方法。
【請求項4】
スタータ(12)を用いて実施され、その潤滑回路(15)に、作動中上記のスタータ(12)により出される熱を除去できる温度調節手段(18・19)が設けられており、
スタータ(12)の潤滑回路(15)の温度調節手段(18・19)は、熱エネルギーが電動スタータ(12)からタービン・エンジン(1)の潤滑回路(3)の液圧流体に移動しているあいだ抑制されることを特徴とする請求項3に記載した航空機のタービン・エンジン始動方法。
【請求項5】
スタータ(12)から上記タービン・エンジン(1)の潤滑回路(3)の液圧流体への熱エネルギーの移動は、上記潤滑回路(3)の液圧流体の温度がこの流体の通常粘度に対応する第1所定値に達するまで継続することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載した航空機のタービン・エンジン始動方法。
【請求項6】
スタータ(12)から上記タービン・エンジン(1)の潤滑回路(3)の液圧流体への熱エネルギーの移動が上記のタービン・エンジン(1)が始動するまで継続されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載した航空機のタービン・エンジン始動方法。
【請求項7】
液圧流体の温度が、上記のタービン・エンジン(1)を損傷する危険を孕む第2所定値に達すれば、上記のタービン・エンジン始動以前に、スタータ(12)からタービン・エンジン(1)の潤滑回路(3)の液圧流体までの上記の熱エネルギーの移動が遮断されることを特徴とする請求項6に記載した航空機のタービン・エンジン始動方法。
【請求項8】
電動スタータ(12)を用いてタービン・エンジン(1)を始動するためのシステムであって、上記のタービン・エンジン(1)およびスタータ(12)は各々除熱できる温度調節手段(8・9、18・19)を備えた液圧潤滑回路(3・15)からなり、
− スタータ(12)の液圧潤滑回路(15)とタービン・エンジン(1)の液圧潤滑回路(3)との間での熱エネルギーの一方向移動用の制御可能な手段(20・21・22)と、
− タービン・エンジン(1)の液圧潤滑回路(3)とスタータ(12)の液圧潤滑回路(15)との温度調節手段(8・9、18・19)を抑制する制御可能な手段(23・24、26・27)とを備えていることを特徴とする航空機のタービン・エンジン始動システム。
【請求項9】
上記タービン・エンジン(1)の液圧潤滑回路(3)の温度調節手段の一部(10)は、航空機が地上で停止しているあいだ作動し、
− 上記のスタータ(12)の液圧潤滑回路(15)それ自体は、航空機が地上で停止中作動する温度調節手段を備えず、
− 上記の熱エネルギの一方向移動用の制御可能な手段(20・21・22)が上記のスタータ(12)の液圧潤滑回路(15)とタービン・エンジン(1)の液圧潤滑回路(3)の温度調節手段の一部(10)との間を連結し、航空機が地上で停止している際、この一部(10)が上記のスタータ(12)の液圧潤滑回路(15)を温度調節する
ことを特徴とする請求項8に記載した航空機のタービン・エンジン始動システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−525234(P2010−525234A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504780(P2010−504780)
【出願日】平成20年4月14日(2008.4.14)
【国際出願番号】PCT/FR2008/000514
【国際公開番号】WO2008/142287
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(509230403)エアバス・オペレーションズ (30)