説明

対物レンズ加温装置

【課題】対物レンズの外筒から検体の熱が奪われるのを確実に防止できる対物レンズ加温装置、対物レンズを提供する。
【解決手段】発熱体8からの発熱によって本体部7が加温される。本体部7は対物レンズ3の外筒3aの外面に密着して嵌っているので、発熱体8からの熱が本体部7を介して外筒3a全体に効率よく、且つ確実に伝達される。外筒3aに温度の低い部分ができることなく、外筒3a全体をむら無く確実に加温することができる。また、本体部7が外筒3aの外面に密着して嵌っているので、本体部7の内面と外筒3aの外面との間に全く隙間は存在せず、このため外筒3aは周辺の温度変化の影響を受けることなく、所定の温度を保つことができる。従って、対物レンズ3の外筒3aから培養液中の細胞23の熱が奪われるのを防止することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は対物レンズの加温装置に係り、特に対物レンズの可動部に装着して用いる対物レンズ加温装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
動物の人工授精のように、精子や卵子(検体)を所定温度に保ち、それを顕微鏡で観察しなくてはならない場合がある。この要求を満たすための装置として、特許文献1に示す顕微鏡観察用加温装置がある。この顕微鏡観察用加温装置は、透明加温プレートを顕微鏡のステージに装着し、スライドガラス等に載せた検体をその上に置き、透明加温プレートからの発熱により検体を加温する。さらに、温度センサによって透明加温プレートの温度を検知し、この検知情報に基づいて透明加温プレートの温度調節を行う。
【0003】
顕微鏡観察中において透明加温プレートや検体を暖めるための熱が対物レンズを伝わって逃げ、検体を所望の温度に保つことができなくなってしまう。特に、倒立顕微鏡において、高倍率で検体を観察する場合や油浸または水浸を用いる場合には、対物レンズが透明加温プレートに極端に接近したり、接触したりするため、透明加温プレートや検体の熱が対物レンズに奪われ易い。従って、透明加温プレートの温度制御のみでは、検体を所望の温度に正確に保つのが困難である。そこで、特許文献2の顕微鏡の対物レンズの鏡筒に巻きつけることができる可撓性をもつ本体部と、この本体部を対物レンズに巻き付けた状態で固定する固定手段と、本体部に設けられた発熱体とを有するレンズヒータが用いられている。
【0004】
【特許文献1】特願平6−113540(特許第2835422号)
【特許文献2】特開2002−250869号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のレンズヒータは、本体部を対物レンズの外筒(可動部)に巻き付ける構成であるため、本体部と対物レンズとの間にどうしても隙間ができてしまい、発熱体の熱が外筒全体に伝わらず、温度の低い部分ができてしまったり、周辺の温度変化の影響を受け易かったりして、対物レンズの外筒から検体の熱が奪われるのを防止するのには不十分なものであった。
本発明は上記した従来の問題点に鑑みて為されたものであり、対物レンズの外筒から検体の熱が奪われるのを確実に防止できる対物レンズ加温装置、対物レンズを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための、請求項1記載の発明は、顕微鏡の対物レンズを加温する対物レンズ加温装置であって、対物レンズの固定部に対し先端レンズの光軸方向へ動作自在に支持された可動部の外面に装着される本体部と、前記本体部に備えられた発熱体とを有する対物レンズ加温装置において、前記本体部は対物レンズの可動部の外面に嵌る形状に形成され、且つ先端レンズを露出させる上端側開口が設けられていることを特徴とする対物レンズ加温装置である。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の対物レンズ加温装置において、発熱体は本体部に埋設状に設けられていることを特徴とする対物レンズ加温装置である。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の対物レンズ加温装置において、発熱体は本体部の下面に接合して設けられていることを特徴とする対物レンズ加温装置である。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の対物レンズ加温装置において、先端側開口の内周面と対物レンズの可動部の外面とによって先端レンズを取り囲む液保持凹部を形成するとともに、本体部に設けられ前記液保持凹部から外側に流出した液を溜める液溜め凹部と、前記本体部に沿って延び、前記液保持凹部に開口する液供給路と、前記液溜め凹部に連通する液排出路と、前記液供給路に接続された液供給手段とを備え、前記液保持凹部への液浸用液の供給を可能とする対物レンズ加温装置である。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4に記載の対物レンズ加温装置において、前記液供給路が、前記本体部の厚みの内部を通ることを特徴とする対物レンズ加温装置である。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1から5に記載の対物レンズ加温装置において、本体部は弾性変形可能な材料によって構成されていることを特徴とする対物レンズ加温装置である。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1に記載の対物レンズ加温装置において、本体部は熱伝導性の高い硬質材料によって構成されていることを特徴とする対物レンズ加温装置である。
【0013】
請求項8の発明は、請求項6に記載の対物レンズ加温装置において、本体部を対物レンズの可動部に装着したときに前記可動部の外面との間をシールする環状の凸部が前記本体部に形成されていることを特徴とする対物レンズ加温装置である。
【0014】
請求項9の発明は、請求項7に記載の対物レンズ加温装置において、本体部を対物レンズの可動部に装着したときに前記可動部の外面との間をシールする弾性変形可能な材料によって構成される環状のシール部材を備えたことを特徴とする対物レンズ加温装置である。
【0015】
請求項10の発明は、顕微鏡のレボルバに固定される固定部と、前記固定部に対し先端レンズの光軸方向へ動作自在に取り付けられた可動部とを有する顕微鏡用の対物レンズにおいて、前記可動部に発熱体が備えられていることを特徴とする対物レンズである。
【0016】
請求項11の発明は、請求項10に記載した対物レンズにおいて、発熱体は可動部に埋設状に設けられていることを特徴とする対物レンズである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の対物レンズ加温装置、対物レンズによれば、対物レンズの外筒から検体の熱が奪われるのを確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の第1の実施の形態に係る対物レンズ加温装置5を図1から図4にしたがって説明する。
図1は、先端レンズ1を有する倒立型の対物レンズ3に装着する前の対物レンズ加温装置(以下、単に「加温装置」という)5の斜視図である。
対物レンズ3は可動部としての中筒3bと、この中筒3bに取り付けられた固定部としての外筒3aとを有している。外筒3aには先端レンズ1が備えられている。中筒3bは図示しない顕微鏡のレボルバに固定され、外筒3aは中筒3bに対し先端レンズ1の光軸方向へ動作自在に支持されている。
【0019】
加温装置5は、対物レンズ3の外筒3aの外面、即ち、先端レンズ1側外面に嵌合して装着される本体部7と、発熱体8(図2参照)と、液供給路としての送液チューブ9と、液排出路としての排液チューブ11と、送液チューブ9に接続される液供給手段13(図4参照)と、排液チューブ11に接続される液排出手段15(図4参照)等を備えている。
【0020】
本体部7は弾性変形可能なゴム質系材料(例えばシリコーンゴム)で形成されている。
また本体部7は、対物レンズ3の外筒3aの外面に密着して嵌るように外筒3aの外面の形状に沿った筒状(キャップ状)に形成されており、その上端部7aには先端側開口としての開口7hが形成されている。この開口7hは本体部7を外筒3aに装着すると、開口7hの内周面7cが先端レンズ1の周囲を取り囲む形状を有している。また本体部7の下端部には外側に突出する環状の液溜め凹部17が一体に形成されている。
更に本体部7の下端部には発熱体8が埋設状に設けられており、この発熱体8は本体部7の全周に渡るようにリング状に形成されている(図2参照)。発熱体8はニクロム線を電気的絶縁性と耐熱性を有する合成樹脂によって被覆して構成されている。ニクロム線には電気コード10が接続され、この電気コード10は電圧値及び電流値を制御するコントローラ12に接続されている。
【0021】
図4は、対物レンズ3を用いた検鏡状態を示している。図示しない駆動機構により対物レンズ3の光軸と直交する平面内で二次元方向又は3次元方向に移動可能なステージ19に透明プラスチック製の培養容器21が載置されている。
培養容器21は複数の収容部21a、21b、21c...を有しており、各収容部には検体である細胞23及び培養液が収容されている。
【0022】
本体部7は対物レンズ3の外筒3aに嵌められている。本体部7は外筒3aの形状に沿った筒状(キャップ状)に形成されており、しかも弾性変形可能な材料によって構成されているので、外筒3aの外面に密着する。そして、開口7hの内周面7cと外筒3aの外面とにより、先端レンズ1を取り囲む液保持凹部25が形成されている。液保持凹部25に補充された液浸用の液としての水27は表面張力により図に示すように盛り上がった状態に保持され、その上面は培養容器21の底面に接触する。
【0023】
送液チューブ9は、フレキシブル性を有する合成樹脂チューブであり、本体部7の下面からその厚み部分(肉厚内)を貫通して液保持凹部25に開口するように設けられている。
液供給手段13は、水27が収容された供給タンク29と、送液チューブ9が接続された微量定量ポンプ31と、前記微量定量ポンプ31をON・OFFする手持ちタイプのスイッチ33を備えている。
液排出手段15は、フレキシブル性を有する合成樹脂チューブである排液チューブ11が接続された吸引ポンプ35と、回収タンク37を備えている。排液チューブ11の上端部は本体部7の下面から液溜め凹部17に連通している。
本体部7の内周面には環状の凸部39が形成されており、装着したときに凸部39が外筒3aの外面に形成された環状の溝41に弾性変形して入り込むことにより、外筒3aの外面と本体部7の内面との間がシールされるようになっている。
【0024】
この加温装置5の動作を説明する。
コントローラ12を操作して発熱体8に通電し、発熱体8を発熱させる。この通電を行う際に、コントローラ12によって電圧値や電流値を制御することによって発熱体8の発熱温度を所定の値になるようにする。発熱体8からの発熱によって本体部7が加温される。本体部7は前述のように対物レンズ3の外筒3aの外面に密着して嵌っているので、発熱体8からの熱が本体部7を介して外筒3a全体に効率よく、且つ確実に伝達される。外筒3aに温度の低い部分ができることなく、外筒3a全体をむら無く確実に加温することができる。また、本体部7が外筒3aの外面に密着して嵌っているので、本体部7の内面と外筒3aの外面との間に全く隙間は存在せず、このため外筒3aの本体部7に覆われている部分は外気と完全に遮断された状態となり、周辺の温度変化の影響を受けることなく、所定の温度を保つことができる。
従って、対物レンズ3の外筒3aから培養液中の細胞23の熱が奪われるのを防止することが可能である。
【0025】
図4に示す状態、すなわち、先端レンズ1が培養容器21の収容部21bに対向した状態から観察対象を変えるべく、培養容器21と共にステージ19を左方向へ所定距離移動させると、先端レンズ1に培養容器21の収容部21cが対向する。
ステージ19の移動により、培養容器21の底面に接触している水27は引きずられるため、液保持凹部25の水27の量は減るが、観察者が適宜スイッチ33をONして水を補充することにより、液保持凹部25の水の量(液浸量)は適正に維持される。
スイッチ33をONすることによる水の補充量は均一にする必要はなく、液保持凹部25において適正量を超える余分な水は本体部7の外面を伝って流れ、液溜め凹部17に溜まる。
液溜め凹部17に溜まった水は、常時駆動される吸引ポンプ35により強制的に排出され、回収タンク37に溜められる。
【0026】
発熱体8からの発熱によって本体部7が加温されるので、液溜め凹部17に溜まった水も加温され、また送液チューブ9は、本体部7の下面からその厚み部分(肉厚内)を貫通して液保持凹部25に開口しているので、水が送液チューブ9を通過する間も加温される。従って、水が細胞23の熱を奪うのも防止することができる。
【0027】
図5に基づいて、第2の実施の形態に係る対物レンズ加温装置65を説明する。なお、第2の実施の形態において第1の実施の形態と同様の部材については、第1の実施の形態で用いた符号を付して、その説明を省略する。このことは第3、4の実施の形態においても適用する。
本体部67は熱伝導性の高い硬質材料(例えばアルミニウム合金)によって構成されており、本体部67の下面には発熱体68が接合され固定されている。この発熱体68は、第1の実施の形態に係る発熱体8と同様にニクロム線を電気的絶縁性と耐熱性を有する合成樹脂によって被覆して構成されている。発熱体68は幅広のリング状に形成され、本体部67の下面のほぼ全体を覆っている。
【0028】
また、本体部67の内周面には溝66が形成されており、この溝66には環状のシール部材69が嵌められている。このシール部材69は弾性変形可能なゴム質系材料(例えばシリコーンゴム)で形成されている。外筒3aの外面に形成された環状の溝41に弾性変形して入り込むことにより、外筒3aの外面と本体部7の内面との間がシールされている。
【0029】
この対物レンズ加温装置65では、本体部67を硬質材料によって構成したので、本体部67は高い耐久性を得ることができる。また、シール部材69は本体部67と別部材であり、シール部材69が劣化して弾性が低下した場合は、シール部材69だけを交換すればよいので経済的である。
また、発熱体68は本体部67の下面に露出する状態で備えられているので、発熱体68が故障等した場合でも、発熱体68の交換を簡単に行うことができる。
【0030】
図6、図7に基づいて、第3の実施の形態に係る対物レンズ加温装置2を説明する。
この対物レンズ加温装置2の本体部4は、実施の形態1に係る対物レンズの加温装置1と同様に対物レンズ3の外筒3aの形状に沿った筒状(キャップ状)に形成されており、しかも弾性変形可能な材料によって構成されている。ただし、加温装置1と異なり、送液チューブ9、排液チューブ11及び液溜め凹部17は備えられていない。
【0031】
本体部4には送液チューブ9、排液チューブ11が設けられていないので、加温装置1よりも上下方向に大きい寸法の発熱体8aが埋設状に設けられている。このように対物レンズ加温装置2では大型の発熱体8aを備えたので、外筒3aのより大きい面積を直接的に加温することができ、外筒3a全体をより効率よく、且つより確実に加温することが可能となる。
【0032】
図8に基づいて、第4の実施の形態に係る対物レンズ47を説明する。
本実施の形態に係る対物レンズ47は、それ自体が上述した加温装置5の機能を有していることを特徴としている。即ち対物レンズ47の外筒49aには発熱体8が埋設状に設けられている。
対物レンズ47は、先端レンズ1と、先端レンズ1を保持するレンズ保持筒としての外筒49aと、この外筒49aが光軸方向へ動作自在に取り付けられた内筒49bと、送液チューブ9と、排液チューブ11等を備えている。
対物レンズ47の先端レンズ1側の外面、即ち、外筒49aの外面には、環状の凸部51が一体に形成されており、凸部51の端面51aと外筒49aの外面とにより、先端レンズ1を取り囲む液保持凹部53が形成されている。 また、外筒49aの外面には、液溜め凹部55が一体に形成されている。
【0033】
この対物レンズ47では、発熱体8からの発熱によって外筒49aが加温される。発熱体8は外筒49aに埋設状に設けられているので、発熱体8によって外筒49aが直接加温される。このため外筒49a全体をむら無く確実に加温することができ、しかも外筒49aは周辺の温度変化の影響を受けることなく、所定の温度を保つことができる。従って、対物レンズ47の外筒49aから培養液中の細胞23の熱が奪われるのを防止することが可能である。
【0034】
送液チューブ9は外筒49aの外面に形成された細長い溝に埋設して設けられ、その上端部は凸部51に潜り込んで液保持凹部53に開口している。送液チューブ9の下端部は液溜め凹部55を貫通して微量定量ポンプ31に接続されている。なお、送液チューブ9は外筒49aの厚み内を通る構成としてもよい。
【0035】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、これらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
例えば、第4の実施の形態に係る対物レンズ47は、凸部51を設けないで、液保持凹部53が形成されない構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る対物レンズ加温装置の斜視図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1の対物レンズ加温装置の本体部を対物レンズの外筒に装着した状態の斜視図である。
【図4】検鏡状態の断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る対物レンズ加温装置の検鏡状態の断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る対物レンズ加温装置の本体部を対物レンズの外筒に装着した状態の斜視図である。ステージを移動させて観察対象を変えた場合の断面図である。
【図7】第3の実施の形態における検鏡状態の断面図である。
【図8】第4の実施の形態に対物レンズの検鏡状態の断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 先端レンズ 2、5、65 対物レンズ加温装置
3、47 対物レンズ 7、4、67 本体部 7h 開口
8、8a、68 発熱体 9 液供給路としての送液チューブ
11 液排出路としての排液チューブ 13 液供給手段
17、55 液溜め凹部 25、53 液保持凹部
39 凸部 69 シール部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顕微鏡の対物レンズを加温する対物レンズ加温装置であって、対物レンズの固定部に対し先端レンズの光軸方向へ動作自在に支持された可動部の外面に装着される本体部と、前記本体部に備えられた発熱体とを有する対物レンズ加温装置において、前記本体部は対物レンズの可動部の外面に嵌る形状に形成され、且つ先端レンズを露出させる上端側開口が設けられていることを特徴とする対物レンズ加温装置。
【請求項2】
請求項1に記載の対物レンズ加温装置において、発熱体は本体部に埋設状に設けられていることを特徴とする対物レンズ加温装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の対物レンズ加温装置において、発熱体は本体部の下面に接合して設けられていることを特徴とする対物レンズ加温装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の対物レンズ加温装置において、先端側開口の内周面と対物レンズの可動部の外面とによって先端レンズを取り囲む液保持凹部を形成するとともに、本体部に設けられ前記液保持凹部から外側に流出した液を溜める液溜め凹部と、前記本体部に沿って延び、前記液保持凹部に開口する液供給路と、前記液溜め凹部に連通する液排出路と、前記液供給路に接続された液供給手段とを備え、前記液保持凹部への液浸用液の供給を可能とする対物レンズ加温装置。
【請求項5】
請求項4に記載の対物レンズ加温装置において、前記液供給路が、前記本体部の厚みの内部を通ることを特徴とする対物レンズ加温装置。
【請求項6】
請求項1から5に記載の対物レンズ加温装置において、本体部は弾性変形可能な材料によって構成されていることを特徴とする対物レンズ加温装置。
【請求項7】
請求項1に記載の対物レンズ加温装置において、本体部は熱伝導性の高い硬質材料によって構成されていることを特徴とする対物レンズ加温装置。
【請求項8】
請求項6に記載の対物レンズ加温装置において、本体部を対物レンズの可動部に装着したときに前記可動部の外面との間をシールする環状の凸部が前記本体部に形成されていることを特徴とする対物レンズ加温装置。
【請求項9】
請求項7に記載の対物レンズ加温装置において、本体部を対物レンズの可動部に装着したときに前記可動部の外面との間をシールする弾性変形可能な材料によって構成される環状のシール部材を備えたことを特徴とする対物レンズ加温装置。
【請求項10】
顕微鏡のレボルバに固定される固定部と、前記固定部に対し先端レンズの光軸方向へ動作自在に取り付けられた可動部とを有する顕微鏡用の対物レンズにおいて、前記可動部に発熱体が備えられていることを特徴とする対物レンズ。
【請求項11】
請求項10に記載した対物レンズにおいて、発熱体は可動部に埋設状に設けられていることを特徴とする対物レンズ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−197580(P2008−197580A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−35475(P2007−35475)
【出願日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(595040205)株式会社東海ヒット (10)
【Fターム(参考)】