説明

対話型学習ツール

【課題】
バーコードを、より有用で娯楽性のあるシンプルな印刷シートを作るのに使用した、対話型学習ツールを提供する。
【解決手段】
シート(16)は犬の画像など人が認識できる画像(12)と2次元バーコード(20)などの機械可読な図形も備えている。電子読取機(22)で図形をスキャンし、例えば「dog」などの単語を発音した音声(32)を再生する。綴り「D−O−G」などのアルファベット文字は2次元バーコード上に直接印刷される。2次元バーコードは順方向に読み込んで英単語「dog」を発音することができ、また逆方向にスキャンしてそのスペイン語訳語「perro」などの単語を発音することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本やその他の出版物の単語を発音するための対話型学習ツールに関し、特に対話型学習ツールの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
初歩的な学習おもちゃの1つとして、各ページに絵が描かれておりその絵の下にバーコードがついている本がある。子供がバーコードを「スキャン」すると、電子回路がその単語の発音又は音声を発する。このシステムは、外国語を教えたり、絵に描かれた種類の鳥の鳴き声を発したりするのにも使用できる。最も一般的なバーコードは、垂直のスペースで区切られた垂直線などの機械可読な印刷されたエレメントが約20集まって一組となっており、このバーコードは「1次元」バーコードとしばしば呼ばれている。
【0003】
別の種類のバーコードとしては「2次元」バーコードがあり、このバーコードは多数の機械可読なエレメントより成るものである。2次元バーコードの一例として、ページの一部分に印刷することができ、1ページ上のテキストを表すバーコードが米国特許第6,095,418号に開示されている。
【特許文献1】米国特許第6,095,418号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
大容量の2次元バーコードを、より有用で娯楽性のあるシンプルな印刷シートを作るのに使用できれば望ましい。
【0005】
背景技術についての上記の説明は本発明の理解の一助となることを意図したものであり、説明した構成が本願の優先日においてオーストラリアその他で共通の一般的な知識となっていることを承認したわけではないことを理解されたい。
【0006】
明細書を通して、文脈から例外であると判断される以外は、「comprise」、「comprises」又は「comprising」という言葉は、記載した要素又は要素のグループも含むことを意味し、記載していない要素や要素のグループを排除するという意味ではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの実施形態によると、本発明は単語及び/又は絵、バーコードなどの図形を印刷したページと、該図形をスキャンして図形に関係する音声を発する読取機の組合せから成っている。機械可読な図形は辞書に載っている単語を表し、電子読取機はその単語の発音の音声を発するよう構成されている。
【0008】
特に好ましい実施形態では、機械可読な図形は辞書に載っている単語を、順方向では第1言語で、逆方向で読むときには第2言語で表し、電子読取機は機械可読な図形が読まれる方向によってそれぞれの言語での単語の発音の音声を発するよう構成されている。更に好ましい形態では、その単語を第1及び/又は第2言語でバーコード上に直接印刷することができる。
【0009】
本発明の2番目の実施形態によると、本発明は単語及び/又は絵、該単語及び/又は絵が直接印刷されている2次元バーコードなどの図形を印刷したページと、該図形をスキャンして図形に関係する音声を発する読取機の組合せから成っている。機械可読な図形は辞書に載っている単語を表し、電子読取機はその単語の発音を音声として発するよう構成されている。そのため、発音が聞きたいと思う印刷された単語又は絵自体をスキャンすることになる。第2言語の学習者用に、スキャナでバーコードを順方向又は逆方向でスキャンできる組合せもある。読取機はスキャンの方向によって別の言語で単語を発音する。例えば、バーコードを順方向にスキャンすると、そのページ上の絵に対応する英単語が発音され、一方バーコードを逆方向にスキャンすると、その英単語のスペイン語訳語が発音される。そのページ上の絵が描写している状況に対応するフレーズなどを発音させることもできる。
【0010】
本発明の新規な特徴は特に添付の請求項に記載する。本発明の理解のため、以下の好ましい実施の形態を添付の図面を参照して説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は1枚の紙又はページ16上の絵12及び印刷された単語14に対応する言葉の発音を音声として再生することのできるシステム10を示す。機械可読な図形20も該ページ上に印刷されている。このシステムには図形をスキャンするスキャナ24を有する電子読取機22を備えており、スキャナ24は回路26にワイヤ又は無線若しくは赤外線などの電磁エネルギーで接続されている。回路26は電気信号をスピーカ30に伝送し、絵12及び印刷された単語14により表わされる言葉の発音を音声として再生する。図1では、漫画で音を表すのと同じ方法で、音声は吹き出し32中の単語で示してある。
【0012】
上記システム10は子供が遊びながら使用して読み方を学ぶことを意図している。子供は単語14を読んで発音し、その後スキャナ24を図形20に沿って動かしスピーカから流れる音声を聞くことで自分が正しいかどうかチェックする。絵12は少なくとも初歩段階では子供の手助けとなる。
【0013】
図2は図形20の可能な形態の1つである。図形は同一の小型バーコード40を多数有し、各バーコード40は図2に楕円で示されたエリア42に位置している(実際の図形には楕円はない)。各バーコード40は音声を発する単語を表している。図形は、図形20の2次元バーコードのバーコード上に重ねて単語14を形成する文字44も含んでいる。図形20を読み込むとき、通常スキャナは印刷された単語14に加え複数のバーコードを含む広く長いエリアをスキャンする。回路26は単語14の文字は無視し、複数のバーコードのうち1つだけの読み方を記録する。回路はスピーカに電気信号を伝送し、バーコードの1つが表す単語の音声を発する。
【0014】
音声で再生する単語を表す2次元バーコード上に音声で再生する単語14を重ねて印刷してあると、子供が単語14を含むエリアをスキャンしなければならないということをすぐに学べる利点がある。印刷された単語がそのページの別の部分にある場合、子供はページ上で単語を表す文字を探し、その単語を発音し、次に別の図形エリアをスキャンすることになる。図1では、子供は印刷された単語を読み、その単語を発音し、次に読んだエリアと同じエリアをスキャンする。その後子供は自分の発音とスピーカ30から流れる音声を比較する。1枚のページ上でスキャン可能な図形20の外側に1つ以上の単語が印刷されている場合もあり、特徴的な2次元バーコードと重ねて印刷された単語を形成する文字は、他の単語と区別しやすい。
【0015】
図1のシステム10は、大人(及び子供)に外国語を教えるのにも役立つ。図形20は順方向F又は逆方向Rにスキャンできるので、各小型バーコード40は順方向F(通常左から右)に加え、逆方向R(右から左)にもスキャンすることができる。図形を順方向Fにスキャンすると、回路26は英語の単語を発音する。図形を逆方向Rにスキャンすると、回路26はスペイン語などの第2言語の訳語を発音する。
【0016】
図3は図1と同様のシステムを示しており、相違点は英単語50とそのスペイン語訳語52がどちらも図形54上ではなく、そのページ上に印刷されている点である。印刷された単語はその単語を表す絵60の下に位置している。図形は単純な1次元バーコードである。このシステムのスキャナ62は自動スキャナであり、図形に光線スポット64(レーザーなど)を当て、図形に沿ってなぞることができる。該スキャナのボタン70を押すとスキャナが作動し、左から右にスポットをなぞる。その後回路80が英単語50、この例では「DOG」を発音する。スキャナの別のボタン72を押すとスキャナが作動し、右から左にスポットをなぞり、回路は「DOG」に相当するスペイン語「PERRO」74を発音する。図3のスキャナの代わりに図1の22の種類のスキャナを使用することもできるが、その場合図形を手動で順方向F又は逆方向Rになぞらなければならない。自動でスキャンする機能を備えたスキャナ62は図1の手動のスキャナ24より高価である。
【0017】
したがって、本発明のシステムは子供のように母国語の読み方を学ぶ人、又は年上の子供や大人のように第2言語を学ぶ人にとって、単語の読み方を学ぶ際の手助けとなるものである。本発明のシステムは、好ましくは絵と単語が印刷されたページと、1次元又は2次元バーコードの形状の図形を備えている。ページに2次元バーコードが印刷されている場合、単語はバーコード上に直接印刷できるので、バーコード上に重ねられる。1次元バーコードを使用する場合は、単語はバーコード上に重ねずに印刷する方が好ましい。どちらの場合にもバーコードを機械的に読み取るスキャナが使用され、バーコードを順方向にスキャンすると単語の発音が英語などの言語で流れ、バーコードを逆方向にスキャンすると単語の発音がスペイン語などの異なる言語で流れる。ページ上又は2次元バーコード上の文字は、ページ上及びバーコード中の個別の単語の代わりに短いフレーズでもよく、その場合「単語」はフレーズの一部となる。
【0018】
上記のいずれの実施形態にも採用できる応用例としては、回路26とスピーカ30をおもちゃの人形やおもちゃの動物に組み込む方法がある。その場合、回路26はモータを操作する制御部品を備え、発音される単語と連動して顎、頭、手足などの人形や動物のパーツを動かし、人形又は動物を生きているように動かす。読取機22は手持ち式の電子ペンの形状で、光モジュール101と、光電子変換モジュール105により接続されたコード読取変換モジュール103の形状のシリアルデータ変換モジュールとを有する。モジュール103からのシリアルデータは無線で無線伝送モジュール107に供給される。光モジュールがモジュール103で検証された適合コードをスキャンすると、モジュール107がシリアルデータを伝送する。
【0019】
回路26を組み込んだおもちゃの人形又はおもちゃの動物は、無線受信モジュール109を有し、該モジュール109は信号処理モジュール111を介してデータストレージに組み込まれた処理モジュール113に接続されている。処理モジュール113は、保存したコードをモジュール111が処理して受信したシリアルコードと比較するコンパレータを有し、保存したデータのデジタル−アナログ変換を行い、保存したコードと関連付けられた対応音声を表すアナログ信号を再生する。このアナログ信号は制御信号とともに、それぞれモジュール115の中の可聴周波増幅器及び動作制御回路に供給され、モジュール117に示した通り、スピーカは音声を発し、モータが作動しておもちゃの人形又は動物の本体の動きを制御する。上記に述べた通り、この動きはスピーカが音声を発するのに伴って話しているように見せるためおもちゃの人形又は動物の顎の動きとして表すこともできる。またそれに伴う身振りを付けるため腕の動きとして表すこともできる。
【0020】
上記のシステムは、学習教材は本、カード、ステッカーなどどんな印刷物でもよく、音声効果及び任意の動作と組み合せて、子供にとってより楽しく刺激的なものとなる。
【0021】
上記システムにおいて、スキャナ24は、家の中のほとんどのエリアをカバーする5〜8メートルの距離で信号を送信できる無線伝送モジュールを備えることもできる。この方法では、子供は部屋のどこで学習教材をスキャンしても、スキャナ24が無線範囲内にあれば、話すおもちゃ装置から音声を聞くことができる。これにより、子供にとって非常に面白い学習環境を提供することができる。
【0022】
本発明の特定の実施形態を説明し図示してきたが、当業者は改良や変更例に容易に想到することができると思われるので、本発明の改良や均等物も特許請求の範囲により保護されると解釈すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は絵及び図形を有するページと該図形をスキャンして単語を発音する電子読取機の組合せを示す概略図である。
【図2】図2は図1の図形の2次元バーコードを示す簡略化した平面図である。
【図3】図3は本発明の別の実施の形態による、絵及び図形を有するページと電子読取機の組合せの一部分を示す概略図である。
【図4】図4は本発明のシステムに採用することのできる読取機を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0024】
10 システム
12 絵
14 単語
16 ページ
20 機械可読な図形
22 電子読取機
24 スキャナ
26 回路
30 スピーカ
40 小型バーコード
44 文字
101 光モジュール
103 コード読取変換モジュール
105 光電子変換モジュール
107 無線伝送モジュール
109 無線受信モジュール
111 信号処理モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械可読な図形を含むページと、該機械可読な図形をスキャンし該図形に関係する音声に再生する電子読取機との組合せであって、
前記機械可読な図形は音声に再生しようとする単語を表わす機械可読符号を有し、前記電子読取機で前記図形をスキャンすると、音声で再生しようとする単語と同じ意味の単語が発音されるよう構成されており、
前記図形は、前記音声を再生しようとする単語の綴りであるアルファベット文字も含み、該アルファベット文字は前記電子読取機がスキャンする前記機械可読な図形の上に重ねて配置されていることを特徴とする機械可読な図形を含むページと電子読取機の組合せ。
【請求項2】
前記機械可読な図形が2次元バーコードより成り、辞書で引く単語を表す前記機械可読符号が前記2次元バーコードの一部のエリアのみを占め、前記音声で再生しようとする単語の綴りであるアルファベット文字が前記2次元バーコードの別の部分を占めていることを特徴とする請求項1に記載の機械可読な図形を含むページと電子読取機の組合せ。
【請求項3】
前記音声で再生しようとする単語の綴りであるアルファベット文字が第1言語で書かれ、単語を発音する前記音声が第2言語で再生されることを特徴とする請求項1に記載の機械可読な図形を含むページと電子読取機の組合せ。
【請求項4】
前記電子読取機が第1モードでは前記図形を第1方向にスキャンし、第2モードでは前記図形を第2方向にスキャンすることができ、
前記音声で再生しようとする単語の綴りであるアルファベット文字が第1言語で書かれ、前記電子読取機が前記第1モードで作動する時は前記音声で再生しようとする単語と同じ意味の単語を前記第1言語で発音する音声で再生し、前記電子読取機が前記第2モードで作動する時は前記音声で再生しようとする単語と同じ意味の単語を第2言語で発音する音声で再生することを特徴とする請求項1に記載の機械可読な図形を含むページと電子読取機の組合せ。
【請求項5】
ページ上に印した所定の意味及び/又は絵を表わす単語又はフレーズの綴りであるアルファベット文字と機械可読な図形との組合せであって、該組合せは前記図形をスキャンし該図形に関係する音声を発する電子読取機を備えており、
前記電子読取機は第1又は第2モードで作動して、前記図形をそれぞれ第1又は第2方向にスキャンし、
前記第1モードにおいて、前記電子読取機は前記第1方向にスキャンして、前記所定の意味を有する単語又はフレーズを第1言語で発音し、
前記第2モードにおいて、前記電子読取機は前記第2方向にスキャンして、前記所定の意味を有する単語又はフレーズを第2言語で発音することを特徴とするアルファベット文字と機械可読な図形を含むページと電子読取機との組合せ。
【請求項6】
前記アルファベット文字が前記機械可読な図形の上に重ねて配置されていることを特徴とする請求項5に記載のアルファベット文字と機械可読な図形を含むページと電子読取機との組合せ。
【請求項7】
前記電子読取機が図形をスキャンするスキャナと、単語又はフレーズを発音するスピーカの形状の音声再生部品を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の組合せ。
【請求項8】
前記スピーカがおもちゃの人形又はおもちゃの動物の中に設置されており、該おもちゃの人形又は動物の体の一部(顎や頭など)が単語又はフレーズの発音に合わせて生きているように動くことが可能な請求項7に記載の組合せ。
【請求項9】
本発明の明細書で説明した対話型学習ツール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−139826(P2008−139826A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−169241(P2007−169241)
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【出願人】(507215688)バイリンガル ソフトウェア ピーティーワイ リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】Bilingual Software Pty Ltd
【住所又は居所原語表記】11 Hamersley Street, Cottesloe, Western Australia, 6011, Australia
【Fターム(参考)】