説明

対面販売用電子秤装置

【課題】客用表示器を備えた対面販売用電子秤装置において、計量行為そのものが正確に行われていることを顧客に知らしめながら、インパクトの強いイベントを、代金精算時の顧客に対して行うことができる対面販売用電子秤装置を提供する。
【解決手段】顧客の購入する商品が計量皿7に載置されると、少なくとも計量して得た重量を表示する客用表示器A4を備え、計量して得た重量に基づき値段を算出して代金精算を行う対面販売用電子秤装置Aにおいて、商品の代金精算が行われると、所定の確率に基づいて籤引きBを行う抽選手段と、代金精算時に、表示する重量が零である場合は、抽選手段による籤引きを客用表示器A4の表示領域の広範囲に表示し、表示する重量が零でない場合は、重量と籤引きそれぞれを客用表示器A4の表示領域の所定領域に表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーマーケット等で肉、惣菜等を計量して販売する時に使用する客用表示器を備えた対面販売用電子秤装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のPOSレジスタは、顧客管理を前提として買物金額の累積額に応じてポイントを付与したり、或いは、購入金額に応じた「当たり特典」をレシートへ印字するものが知られているが、顧客にとってはある程度予測ができる範囲内の特典であったり、獲得ポイントであるため、代金精算を行う顧客へのインパクトは弱く、またイベント性も乏しいものであった。また、前記顧客管理を行うことは、店側にとっては手間と時間等が掛かるため、運用面で面倒な仕組みであった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、客用表示器を備えた対面販売用電子秤装置においては、計量法の商品量目制度は、適正な計量を実施するためには、正確な計量器の使用と共に、計量行為そのものを正確に行う必要がある。このことについて、計量法では以下のように定められている。特に、食料品、日用品等の消費生活関連物資であって、相当程度計量販売が行われている商品を特定商品と定め、これらの商品が一定の誤差の範囲内で適正に計量されることを義務付けている。
正確計量義務(計量法第10条)は、商品を計量して販売するときは、正確に計量するように努めなければならない。
内容量の明示(計量法第11条)は、計量販売を行うときは、その量目をグラムやリットル等の単位で示して販売するよう努めなければならない。
【0004】
そのため、計量行為そのものが正確に行われていることを顧客に知らしめる必要があるため、計量中の商品が計量皿に載置されている場合は、その商品が計量皿から取り除かれるまで、客用表示器に商品量目である内容量を表す数字及び文字を見易い大きさ、及び色で表記し、「内容量」、「正味量」等の字句を表示すると共に、その単位の記号は、kg、g、L、ml等、定められたものを使い表示しなければならない。
【0005】
そこで、客用表示器を備えた対面販売用電子秤装置において、計量行為そのものが正確に行われていることを顧客に知らしめながらインパクトの強いイベントを、代金精算時の顧客に対して行うことができる対面販売用電子秤装置が市場より求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平01−144981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、客用表示器を備えた対面販売用電子秤装置において、計量行為そのものが正確に行われていることを顧客に知らしめながら、インパクトの強いイベントを、代金精算時の顧客に対して行うことができる対面販売用電子秤装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために本発明の対面販売用電子秤装置は、顧客の購入する商品が計量皿に載置されると、少なくとも計量して得た重量を表示する客用表示器を備え、前記計量して得た重量に基づき値段を算出して代金精算を行う対面販売用電子秤装置において、前記商品の代金精算が行われると、所定の確率に基づいて籤引きを行う抽選手段と、前記代金精算時に、前記表示する重量が零である場合は、前記抽選手段による籤引きを前記客用表示器の表示領域の広範囲に表示し、前記表示する重量が零でない場合は、前記重量と前記籤引きそれぞれを前記客用表示器の表示領域の所定領域に表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
前記客用表示器は、電子秤装置に一体的に構成された形態に限らず、電子秤装置と別体に構成されコード等で電気的に連結された形態のものでもよい。
本発明で言う「代金精算」とは、例えば、前記顧客が購入する商品の小計を表示させる「小計」キー、或いは顧客が購入する商品の代金を精算し、レシート或いはラベルを発行させる「発行」キー(又は「会計(現計)」キー)の何れかのキーが操作されることを意味し、これらのキー操作がなされた場合に所定の確率に基づいて籤引きが行われるように構成されている。
前記所定の確率とは、籤引きした場合の「当たり」が出る確率(割合)を意味し、その確率のグループ(確率の低いグループ、確率が中位のグループ、確率が高いグループ等)が数段階にランク分けされている。
前記当選確率のランク分けとしては、例えば、購入商品の量(重量)に応じてランク分けする、或いは購入商品の粗利率(粗利金額)に応じてランク分けする等が挙げられる。
また、前記籤引き(抽選)を行うモードとしては、例えば、一般的な乱数に基づいて籤引きを行うモード、顧客が購入する商品の重量に応じた当選確率に基づいて籤引きを行うモード、顧客が購入した商品の粗利率(又は粗利金額)に応じた当選確率に基づいて籤引きを行うモード等が挙げられる。
例えば、籤引き(抽選)のモードが、顧客が購入する商品の重量に応じた当選確率に基づいて籤引きを行うモードである場合、抽選手段は、一取引の終了時に、顧客が買い上げた商品の総重量、即ち、購入商品の総重量値に応じた当選確率に基づき籤引きを行う。即ち、抽選手段は、購入商品の重量値に基づき、例えば、数段階にランク分けし、それぞれの重量ランクに対応付けて設定された当選確率(重量と確率とを比例させる等)を記憶した重量変動テーブルに基づき籤引きを行う。
【0010】
上記手段によれば、商品の購入に対し、所定の確率に基づいて籤引きが行われ、その籤引きの結果(抽選結果)が購入商品の代金精算時に、購入商品が計量皿に載置されている場合(表示する重量が零でない場合)は前記計量して得た重量と前記籤引き(籤引きの行為と結果)が、客用表示器の表示領域の所定領域に表示され、計量皿に何も載置されていない場合(表示する重量が零である場合)は前記籤引き(籤引きの行為と結果)が、客用表示器の表示領域の広範囲(表示領域の半分以上)に表示されるため、計量法の商品量目制度を守りながら、インパクトの強いイベントを顧客にアピールすることができる。
【0011】
また、顧客が購入する商品が複数品目である場合、前記顧客が購入する商品を計量して得た重量に基づいて前記重量変動テーブルから読み出した当選確率を、計量する品目毎に加算する確率変動手段を更に備え、前記抽選手段は、前記代金精算時に前記確率変動手段によって加算された当選確率に基づいて籤引きを行うようにしてもよい。
その場合は、購入商品の品目が多くなれば籤引きの当選(当たり)の確率も増加するため、更に顧客に対してイベントをアピールすることができ、顧客に大量購入の意識を与えることができる。
【0012】
また、前記籤引きを客用表示器に表示する場合、単に「当たり」、「はずれ」の文字等を表示するだけでなく、例えば、籤引き結果(抽選結果)と対応する「当たり」或いは「はずれ」の動画或いは静止画を記憶する籤引き画像記憶手段を備え、前記表示手段が、前記抽選手段の籤引き結果(抽選結果)と対応する動画或いは静止画を前記籤引き画像記憶手段より読み出して前記客用表示器に表示するようにしてもよい。
それにより、前記イベントに更に「わくわく感」をプラスして顧客にアピールすることができる。
【0013】
また、前記所定の確率として、顧客が購入する商品の粗利率に応じた当選確率を記憶する粗利変動テーブルを更に備え、前記確率変動手段は、前記顧客が購入する商品の粗利率に基づき前記粗利変動テーブルを参照して得た当選確率を前記重量テーブルから読み出した当選確率へ加算して籤引きを行うようにしてもよい。
この場合は、利益率の高い商品を購入した顧客に高い確率で「当たり」、又は特典を与えることができるので、顧客満足度を更に高めることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の対面販売用電子秤装置は、顧客が購入する商品が計量皿に載置されている場合は、客用表示器に顧客が購入する商品を計量して得た重量と、所定の確率に基づいて行った籤引きとを表示し、計量皿に何も載置されていない場合は籤引きを客用表示器の表示領域の広範囲に表示するようにしたので、計量行為そのものが正確に行われていることを顧客に知らしめながら、インパクトの強いイベントを、代金精算時の顧客に対してアピールすることができる。従って、顧客は購入商品の計量行為とその行為にともなう計量された重量の表示(重量の表示経過(変化))を目視確認することが出来るので安心して(ごまかしや偽りが無いことを確認して)買物を行なう事ができるとともに、顧客に対する販促効果を高めることができ、店の信頼度アップと来店客数の増加に貢献できる対面販売用電子秤装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る対面販売用電子秤装置の実施の形態の一例を示す外嵌斜視図。
【図2】図1に示す装置の内部構造を示す横断平面図。
【図3】同図の電気ブロック図。
【図4】メモリ(RAM)に記憶されるファイルを示し、(a)は商品データファイル、(b)は重量変動テーブルファイル、(c)は粗利変動テーブルファイル。
【図5】計量販売動作及び表示動作を示すフローチャート図。
【図6】計量販売動作における客用表示器への表示内容を示し、(a)は購入商品の計量中の表示内容、(b)は「会計(現計)」又は「発行」が操作された時の表示内容。
【図7】客用表示器へ表示される籤引きの一例を示し、(a)は計量データと籤引きが表示された例、(b)は籤引きのみが表示された例。
【図8】客用表示器に表示される籤引きに対応する動画の一例を示し、(a)はスタート動画、(b)は籤引き中動画、(c)は籤引き「当たり」用の動画、(d)は籤引き「はずれ」用の動画。
【図9】店員用操作表示手段に表示される籤引き実行中の表示画面の一例。
【図10】店員用操作表示手段に表示される籤引きの表示画面の一例を示し、(a)は当たり、(b)ははずれ。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る対面販売用電子秤装置の実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。
図1は、対面販売用電子秤装置Aの全体を示す外観図で、ケース1内に計量手段A1と印字手段A2を備え、ケース1の手前側外部に店員用操作表示手段A3が一体に設けられ、更にその店員用操作表示手段A3が配置された側と反対側には計量内容及び販売価格等を顧客へ向けて表示する客用表示器A4が配置されている。
【0017】
上記ケース1は、合成樹脂材及び金属材を用いて平面視略矩形状で、手前側の周壁と上面が開放した箱形のケース本体1aと、手前側の開放部に開閉可能に取り付けた前面部1bとで構成されている。
前記前面部1bは、幅方向の一側(図面では左側)をケース本体1aに対してピン2で回動可能に軸支し、他端はケース本体1aにマグネット3で係脱可能に係止されている。そして、この開閉回動する前面部1bの内側に印字手段A2が取り付けられ、前面部1bの外側には店員用操作表示手段A3が一体的に取り付けられており、前面部1bのピン2による軸支部と反対側の側部には、内蔵する印字手段A2で印字され発行されるラベルLの発行口18が形成されている。尚、開閉自在な前面部1bの係止手段は、マグネット3を用いた吸着構造に限らず、他の機械的な係止構造など何れでもよい。
【0018】
上記の如く構成したケース1の内部には、図2に示すように、計量手段A1を構成するロードセル4が本体の四隅である左右の上下に1個ずつ、合計4個設置され、その合計4個のロードセル4で区画された内側の上半部には前記ロードセル4から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器5が収容設置され、その側方には電源装置6、ノイズフィルター(図示省略)等が設置されている。そして、前記4個のロードセル4の上に亘ってケース1の平面形状と略同じ大きさをした計量皿7が載置されるように構成されている。つまり、各ロードセルの支点側は装置本体と連結され、作用点側は計量皿7を支持する。尚、計量手段A1を構成するロードセル4の個数は図示の4個に限定されず、1個でもよい。上記各部材はケース本体1aに形成された仕切壁で区画された空間部に収容されている。
又、ケース1内における手前側の下半部の空間部には、印字手段A2の構成部材が収容配置されている。
【0019】
印字手段A2は、プラテンローラ8、台紙巻取り軸9、前記プラテンローラ8及び台紙巻取り軸9を駆動する為のステッピングモータ10、サーマルヘッド11、ディスペンサー12、及びロール状のラベル用紙(又はレシート用紙)17をセットするためのセット軸13などを備えた今日周知のプリンタ(サーマルプリンタ)30で、そのうちステッピングモータ10及び該モータ10の回転をプラテンローラ8及び台紙巻取り軸9に伝達する動力伝達機構(図示省略)は、前面部1bの裏側下端に内方に向けて水平に固着した支持台板15上に設置し、サーマルヘッド11は前面部1bの裏側に取り付け、その他のプラテンローラ8,台紙巻取り軸9,ディスペンサー12,セット軸13は前記支持台板15に対してスライド方式で着脱自在なラベルカセット16に配置すると共に、プラテンローラ8はラベルカセット16をセットした時、前面部1b側のサーマルヘッド11と対向するように配置されている。ラベル用紙17は、帯状の台紙にラベルLが一定の間隔をおいて剥離可能に貼着され、ロール状に巻かれたものである。
【0020】
前面部1bの外側に一体的に固着される店員用操作表示手段A3は、平板状の筐体19に液晶タッチパネル(タッチキー部)20とテンキー(キー入力部)21等が配置されて構成され、そうした店員用操作表示手段A3の上部側が前面部1bの外側上部に傾動調節可能に軸支されている。
液晶タッチパネル(タッチキー部)20は、画面をタッチすることで画面に表示された部分を選択することができる。
前記液晶タッチパネル(タッチキー部)20には、図9及び図10(a),(b)に示すように、顧客が購入する商品の小計及び客側表示での籤引きの実行と同期して籤引きの進捗状況及び籤引き結果(抽選結果)が表示されるようになっている。これにより、店員も籤引き結果(抽選結果)を顧客と共に知ることができ、店員は籤引きの結果(抽選結果)に応じたサービス券や割引券や品券などの発行操作をスムーズに行うことができるという効果を奏する。
テンキー(キー入力部)21は、品番キー,数字キー,クリアキー,ゼロ/リセットキー,紙送りキー、発行キー、風袋キーなどで構成されている。
【0021】
客用表示器A4は、文字情報及び画像データ(写真、イラスト等の静止画、及び動画)を表示可能な液晶表示器22で構成されている。そして、この客用表示器A4には、前記計量手段A1で顧客が購入する商品の計量中はその計量中の重量及び計量情報を表示領域C4への表示と、その計量中の商品の商品情報を表示領域B4に表示し(図6(a)参照)、前記計量した商品を含め顧客の購入する商品の代金を精算する為の操作、例えば、小計キーを操作して仮締めする、或いは、現計(発行)キーが押されて会計精算の操作が行われると、会計精算情報(図6(b)参照)、及び籤引き(動画、静止画など)B(図7(a)、(b)参照)が表示される。尚、顧客が購入する商品が計量の必要がない定額商品である場合は、その購入商品の登録中は該商品の情報が客用表示器A4に同様に表示される。
【0022】
図3は上記した対面販売用電子秤装置の電気ブロック図で、各ブロックを制御するCPU23(演算手段)にバス24を介してROM25、RAM26(記憶手段)、計量手段A1のロードセル4はロードセルコントローラ4aを介し、店員用操作表示手段A3のテンキー(キー入力部)21はコントローラ21aを介し、店員用操作表示手段A3の液晶タッチパネル(タッチキー部)20はコントローラ20aを介し、客用表示器A4の液晶表示器22はコントローラ22aを介して接続されている。同様に、印字手段A2(プリンタ30)は印字コントローラ30aを介し、イメージスキャナ27はイメージスキャナコントローラ27aを介し、通信部28は通信コントローラ28aを介し、カードリーダ/ライタ29はI/Oコントローラ29aを介して、それぞれ接続されている。尚、前記イメージスキャナ27はコネクタを介して着脱自在に接続されている。
【0023】
上記CPU23は、ROM25の制御プログラムに従って、RAM26のワークエリアを用いて処理を行なうことにより装置の各手段を制御する。
上記ROM25には、CPU23が実行する予め決められた制御プログラムが記憶されている。
上記RAM26は、複数の記憶領域を有し、各ファイルから読み出されたデータが一時的に格納される。例えば、図4(a)に示す商品データファイル、図4(b)に示す重量変動テーブルファイル、図4(c)に示す粗利変動テーブルファイル等の領域を有している。
また、液晶タッチパネル(タッチキー部)20に表示する扱者キーに登録される商品は、RAM26の記憶領域に前記扱者キーと対応して記憶する扱者会計エリアへ記憶され、該当する扱者キーに登録された商品の会計精算がなされると会計精算が終了した扱者キーと対応する扱者会計エリアがクリアされる。
【0024】
商品データファイルは、図4(a)に示すように、商品毎に分類コード、商品番号、商品名称、産地名、単価、計量区分、規格単位、内容量等の項目から構成されている。尚、計量区分の「0」は定額(計量不要商品)、「1」は計量(要計量商品)を表す。
【0025】
重量変動テーブルは、顧客が買い上げる商品を計量して得た重量に応じた当選確率を記憶するテーブルで、図4(b)に示すように、識別コード、重量範囲、当選確率等の項目から構成されている。そして、前記籤引きの当たりが出る確率は、重量が増えるに従い増加するように設定されている。例えば、計量した商品の重量が380gであれば、識別コード[1002]の重量範囲300g〜499gの範囲内に入るため、該商品の購入に対する当選確率は10%となり、計量した商品の重量が650gであれば、識別コード[1003]の重量範囲500g〜999gの範囲内に入るため、該商品の購入に対する当選確率は20%となり、前者と比較し当たりが出る確率は倍となる。
【0026】
粗利変動テーブルは、顧客が購入する商品の粗利率又は粗利金額に応じた当選確率を記憶するテーブルで、図4(c)に示すように、識別コード、粗利範囲、当選確率等の項目から構成されている。そして、前記籤引きの当たりが出る確率は、粗利が増えるに従い増加するように設定されている。例えば、顧客が購入した商品の粗利金額が350円であれば、識別コード[2003]の粗利範囲300円〜399円の範囲内に入るため、該商品の購入に対する当選確率は10%となる。尚、図4(c)は粗利範囲を粗利金額の大小によって区分けした例である。
【0027】
顧客の商品購入に対して代金精算時に行われる抽選は、購入商品の重量に応じた確率に基づいて籤引き(抽選)を行うモード、購入商品の粗利金額に応じた確率に基づいて籤引き(抽選)を行うモード、顧客の買い上げ商品の重量に応じた確率と、顧客が購入した商品の粗利金額に応じた確率に基づいて籤引き(抽選)を行うモードの他に、一般的な乱数に基づいて籤引き(抽選)を行うモードの四つのモードを備えており、前記何れのモードに基づいて籤引き(抽選)を行うかのモード切替設定に基づき籤引き(抽選)が行われる。
前記モード切替設定は、RAM26に設定記憶され、設定コード、101:一般的な乱数に基づいて籤引きを行うモード、102:顧客が購入した商品の重量に応じた確率に基づいて籤引きを行うモード、103:顧客が購入した商品の粗利金額に基づいて籤引きを行うモード、104:顧客の買い上げ商品の重量に応じた確率と、顧客が購入した商品の粗利金額に応じた確率を加算した合算確率に基づいて籤引きを行うモード、等の何れかが設定記憶され、更に、前記四つのモードを順番に切り替えて籤引きを実行する(例えば、設定コード:000:自動切替しない、100:午前午後で籤引きモード切替、200:日替わりで籤引きモード切替、300:週替わりで籤引きモード切替等)の自動切替設定を備え、前記設定値に基づき籤引きプログラムは籤引きを行い、客用表示器A4に籤引き(動画)Bの表示を行う。
【0028】
前記各籤引き(抽選)モードの特徴は、例えば、一般的な乱数に基づいて籤引きを行うモードの場合は、顧客が購入した商品の金額や重量に関係なくランダムに籤引きが行われるので、顧客が意図して籤引きを行うことができず、予測(予想)ができないのでイベント性を高める(顧客をわくわくさせる)ことができるという効果を奏する。
また、顧客の買い上げ商品の重量に応じた確率に基づいて籤引きを行うモードは、顧客の購入重量に応じた重量変動テーブル(図4(b)参照)の確率に基づく方法で、顧客が購入した商品の総重量に対応する前記重量変動テーブルに設定されている重量範囲の当選確率を用いて籤引きを行うので、購入重量が多い顧客の当選確率を高くすることができるので、顧客に大量の商品購入の意識を与えることができる。
【0029】
また、顧客が購入した商品の粗利金額に基づいて籤引きを行うモードは、前記粗利変動テーブル(図4(c)参照)に基づいて籤引きを行うもので、顧客が購入した商品の粗利金額を計算し、該計算された粗利金額で当選確率を参照するテーブルである。例えば、顧客が購入する商品の販売価格と原価との差額を演算して粗利金額を求め、この求めた粗利金額で粗利変動テーブルを参照し、前記計算した粗利金額が前記粗利変動テーブルに設定されている粗利と対応する当選確率を前記顧客の購入重量に応じた確率に加算して最終的な当選確率を決定して籤引きを行えば、更に当選確率は高くなると共に、得られる利益の中から現顧客に相応の特典を与えるため、店としては絶対に赤字になることはなく、顧客満足度を向上させることができるという効果を奏する。
【0030】
更に、前記四つのモードを組み合わせる、あるいは、所定のルールに基づいて前記四つのモードの中からその都度一つのモードが選択されて籤引きが行われるなどすれば、更に、顧客は予測(予想)ができないイベントとなるため、顧客に対してインパクトの強いイベントとすることができ、顧客の来店頻度を高めることができるという効果を奏する。
【0031】
次に、図5のフローチャートを参照して、表示動作を説明する。この表示動作は、通常の計量販売動作、即ち、購入商品の登録モードにおいて行われるものである。
S101…顧客が購入する商品を呼び出す。液晶タッチパネル20に表示されたプリセットキー、或いは呼び出す商品の品番をテンキー(キー入力部)21で置数し、品番キーを押して顧客が購入する商品を呼び出す。
S102…商品データに設定されている計量区分に基づいて、該呼び出した商品が計量商品であるか否かが判定される。定額商品である場合は計量の必要がない(NO)ためS104へ進み、計量商品である場合(YES)はS103へ分岐する。
S103…購入商品を計量皿に載せ、商品の重量をロードセルで計測し、計量を確定させる。この時、風袋(入れ物)の重量が設定されている場合は、計量された重量より風袋重量を減算し、正味の重量として算出する。秤が安定し重量が確定したらS104へ進む。また、商品の計量中は、客用表示器A4の液晶表示器22に購入商品の情報が表示される。その表示は、例えば、図6(a)に示すように、液晶表示器22の表示画面の左側半部(表示領域B4)に産地名(岩手県産)、品名(国産牛 サーロインステーキ)、耳標番号(個体識別番号:1234567895)、単価(100g当たり:880円)等を表示し、右側半部(表示領域C4)には現在計量中の商品の計量情報(例えば、風袋:10g、重さ:500g、単価(100gにつき):880円、値段:4,400円)等が表示される。
S104…購入商品が定額商品である場合は、購入する個数を確定した後、商品をメモリ(RAM26)のワークエリアに顧客の買い上げ情報として記憶(商品登録)する。購入商品が計量商品である場合は、S103で計量された重量と商品データに設定されている単価に基づいて値段を算出し、定額商品と同様に計量された商品の重量及び値段等をメモリ(RAM26)のワークエリアに顧客の買い上げ情報として記憶(商品登録)する。
【0032】
S105…計量された商品の重量をメモリ(RAM26)のワークエリアの籤引き用重量エリアに加算する。定額商品である場合は、商品データに記憶されている内容量を前記メモリ(RAM26)のワークエリアの籤引き用重量エリアに加算する。尚、定額商品でも計量皿に載置された場合は、抽選のために計量値のみを取得し、前記メモリ(RAM26)のワークエリアの籤引き用重量エリアへ加算するようにしてもよい。また、購入商品の粗利金額の計算を行い、メモリ(RAM26)の籤引き用粗利エリアに加算する。粗利金額は、(販売単価×商品重量)−(仕入単価×商品重量)により算出する。
S106…店員用操作表示手段A3の液晶タッチパネル(タッチキー部)20に表示された「小計」(精算処理)が押されたか否かの判定を行う。「小計」或いは「加算」が押された場合(YES)には、S107へ進み、「消」等が押された場合(NO)にはS101へ戻り、購入する追加商品の呼び出しを行う。
S107…モード切替設定で設定された抽選モードの読み込みを行う(例えば、RAM26に設定コード、104:顧客の買い上げ商品の重量に応じた確率と、顧客が購入した商品の粗利金額に応じた確率を加算した合算確率に基づいて籤引きを行うモードと、設定コード、000:自動切替しないが読み込まれたとする)。
【0033】
S108…当選確率を決定する。モード切替設定に設定されている設定値に基づく籤引きモードで計算が行われる。例えば、モード切替設定が「104」に設定されている場合は、顧客の買い上げ商品の重量に応じた確率と、顧客が購入した商品の粗利金額に応じた確率を加算した合算確率に基づいて籤引きを行うモードであるので、顧客が購入する商品全ての重量が加算され記憶されている前記メモリ(RAM26)のワークエリアの籤引き用重量エリアより購入総重量に基づいて、重量変動テーブルを参照し当選確率を読み出し、メモリ(RAM26)のワークエリアの籤引き用粗利エリアより顧客が購入する商品の粗利金額に基づき粗利変動テーブルを参照し当選確率を読み出し、各々の当選確率を加算して籤引きを行う確率とする。例えば、購入する商品の総重量に基づく当選確率が20%、前記購入商品の粗利金額に基づく当選確率が10%であれば、最終的な当選確率は両方の当選確率を加算した30%となる。
S109…小計を表示する。現在顧客が購入する予定の商品の小計を算出し、客用表示器A4の液晶表示器22と店員用操作表示手段A3の液晶タッチパネル(タッチキー部)20の両方に表示する。
S110…追加キーまたは訂正キーが押されたか否かの判定。追加キーまたは訂正キーが押された場合はS101へ戻り、それ以外はS111へ進む。
S111…顧客から預かった貨幣種を、店員用操作表示手段A3の液晶タッチパネル(タッチキー部)20とテンキー(キー入力部)21とを使い金額の入力を行う。入力された金額に基づいて、顧客へ手渡す釣銭を計算し、客用表示器A4の液晶表示器22と店員用操作表示手段A3の液晶タッチパネル(タッチキー部)20へ表示する。
【0034】
S112…店員用操作表示手段A3の液晶タッチパネル(タッチキー部)20の「会計」或いは「合計(現計)」、或いはテンキー(キー入力部)21の「発行」が押されたか否かの判定を行う。顧客の会計を確定し、精算完了とするか否かの判定であり、前記何れかが押されている場合(YES)はS113へ進み、何れも押されていない場合(NO)はS101へ戻る。「会計」或いは「発行」が押されると、客用表示器A4の液晶表示器22の表示が図6(a)から図6(b)の画面に切り替わり、表示面の左側半部(表示領域B4)に会計精算情報(買い上げの商品名、お買い上げ金額、お預かり金額、お釣り等)が表示される。
S113…S108で決定した最終的な当選確率に基づいて籤引きを行う。例えば、最終的な当選確率が30%であれば、当たりが出る確率が30%のもとで籤引きが行われる。その籤引き実行中の旨が、図9に示すように、店員用操作表示手段A3の液晶タッチパネル(タッチキー部)20に表示される。
S114…客用表示器へ表示する重量が零であるか否かの判定。(所謂、計量皿に計量済みの商品が載置されているか否かの判定。)計量皿に商品が載って、計量部に荷重が掛かっておりゼロ点に戻っていない(所謂、客用表示器へ表示する重量が零以外である)場合(YES)はS116に分岐し、計量皿に商品が載ってなく、計量部に荷重が掛かっておらずゼロ点に戻っている(所謂、客用表示器へ表示する重量が零である)場合(NO)はS115へ進む。
S115…客用表示器A4の液晶表示器22の表示を、図6(b)から図7(b)に切り替える(所謂、抽選手段による籤引きを客用表示器の表示領域の広範囲に表示する)。即ち、会計精算情報(表示領域B4)及び計量情報(表示領域C4)を消し、籤引き(動画)B(図示例は「当たり」の例)(表示領域D4)のみを表示する。また、籤引きの結果は、図10(a)、(b)に示すように、店員用操作表示手段A3の液晶タッチパネル(タッチキー部)20に表示される。尚、前記客用表示器に表示する籤引きを表示する表示領域D4は、表示領域B4と表示領域C4とを合わせた1つの表示領域としているがこれに限らず、例えば、客用表示器へ表示する重量が零である場合には、表示領域C4を消して、表示領域B4を前記客用表示器の表示可能領域全域に拡張し、この表示領域B4に表示する前記籤引き(動画)Bを表示領域の広範囲に伸張して表示するようにしてもよい。
S116…客用表示器A4の液晶表示器22の表示を、図6(b)から図7(a)に切り替える。即ち、画面左側半部(表示領域B4)の会計精算情報を消して籤引き(動画)Bを表示し、右側半部(表示領域C4)の計量情報はそのまま残して表示する(所謂、重量と籤引きそれぞれを客用表示器の表示領域の所定領域に表示する)。尚、客用表示器へ表示させた重量と籤引きの表示形態(表示領域)と同じように、前記店員用操作表示手段A3側にも同様に重量と籤引きとを表示させるようにしてもよい。
S117…レシート(又はラベル)を発行する。
S118…会計精算データをメモリ(RAM26)の実績エリアへ登録(記憶)する。
【0035】
上記の計量動作において、客用表示器A4の液晶表示器22に表示される籤引きBを表す動画は、複数種類用意され、適宜選択使用される。例えば、商品が精肉である場合、鶏肉、牛肉、豚肉などに応じた図柄を用意し、顧客の購入商品に応じた図柄の動画を表示する。そして、その動画には、図8に示すように、(a)籤引き(抽選)をスタートする前に表示するスタート用動画、(b)籤引き実行中に表示する籤引き中動画、(c)籤引き結果(抽選結果:当たり)を表示する籤引き動画、(d)籤引き結果(抽選結果:はずれ)を表示する籤引き結果動画、等が挙げられ、籤引き結果動画については精肉の種類に応じて複数用意してもよい。尚、計量皿に載置された顧客が購入する商品が計量の必要がない定額商品である場合は、仮にその購入商品が計量皿に載置(仮置き)されて会計精算が行なわれたとしても、計量皿に載置されている商品の計量区分が「0」で定額(計量不要商品)であるため、S114での判定はNOの判定となり、S115へ進み客用表示器A4には図7(b)が表示される。
【0036】
上記の如く構成した対面販売用電子秤装置は、顧客の代金精算時に、顧客が購入する商品の重量に応じた当選確率に基づいて籤引きを行うモード、或いは顧客が購入した商品の粗利率(粗利金額)に応じた当選確率に基づいて籤引きを行うモード、或いは一般的な乱数に基づいて籤引きを行うモード、或いは顧客が購入する商品の重量に応じた当選確率と顧客が購入した商品の粗利率(粗利金額)に応じた当選確率を加算した合算当選確率に基づいて籤引きを行うモード等、各種の籤引きモードからモード切替設定の設定値に基づき籤引きを行い、その籤引き結果Bが客用表示器A4の液晶表示器22に表示される。そして、客用表示器A4の液晶表示器22への籤引き結果B(図6(b)参照)の表示は、計量皿に商品が載置されたままである場合(表示する重量が零でない場合)は計量皿に載置された商品の計量情報(表示領域C4)と籤引きの動画(表示領域B4)が表示され、計量皿に商品が載置されていない場合(表示する重量が零である場合)は籤引きの動画(表示領域D4)のみが表示される。従って、計量法における商品量目制度を守りながら、複数の籤引き(抽選)モードの中から選択されたモードに従って籤引きが行われるため、顧客には予測(予想)のできないインパクトの強いイベントをアピールすることができる。
【0037】
本発明の対面販売用電子秤装置は図示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内で適宜変更可能である。
(1)実施の形態では、客用表示器(液晶表示器)が秤装置のケース内に一体に組み込まれたベンチタイプを示したが、客用表示器(液晶表示器)がポール等で高い位置に配置されたエレベーテッドタイプ、或いは客用表示器(液晶表示器)が秤装置と分離し、コード等で電気的に連結された別体タイプでもよい。
(2)実施の形態では、計量手段A1を4個のロードセルで構成した例を示したが、該計量手段A1を構成するロードセルの数は4個に限らず、1個でもよいものである。
(3)実施の形態では、印字手段(プリンタ)を一体に備えた電子秤装置を示したが、印字手段は別体で、コード、ケーブル等で電気的に連結する形態でもよい。
(4)実施の形態では、客用表示器に表示する籤引きに関する動画は、購入商品と関連する図柄等を用いた例を示したが、これに限定されず、商品と全く関係ない図柄等で構成してもよい。例えば、野球ゲームの打撃シーンで、打球がスタンドに入ったホームランのシーンを「当たり」とし、三振或いは打球を守備の野手が捕ったシーンを「はずれ」としてもよい。
(5)実施の形態では、客用表示器に表示する籤引きの表示形態として動画の例を示したが、これに限定されず、表示形態は静止画でもよいものである。また、籤引き結果(抽選結果)として「当たり」を動画又は静止画で表示する場合、ファンファーレや太鼓の音(電子音)等が出力されるようにしてもよい。
(6)実施の形態では、客用表示器の表示領域へ表示する重量および籤引きをそれぞれの所定領域(所定表示面積)毎に表示する表示例を示したがこれに限らず、例えば、客用表示器の表示領域に表示する計量して得た重量と籤引きを、客用表示器の表示領域全体に占めるそれぞれの表示割合(表示面積比)を設定記憶させておき、客用表示器に表示されている重量に応じて表示を変えるようにしてもよい。例えば、表示する重量(計量して得た重量)が0gの場合には、重量の表示領域C4を全表示領域の10%、籤引きの表示領域B4を残りの90%の割合にする、或いは、重量の表示領域C4を0%、籤引きの表示領域B4を100%の割合にするなど表示領域全体に対する表示割合の設定に基づいて客用表示器へ表示する重量と籤引きの表示領域を変更出来るようにする。尚、前記表示領域B4あるいは表示領域C4のいずれかの表示領域の割合設定が100%である場合は、一方の表示領域を客用表示器へ表示する重量が零であるか否かの判定に基づいて消し、他方の表示領域の表示面積を客用表示器の表示可能領域全体に広げて表示領域D4とする方法があり、この方法を用いる場合は、他方の表示領域に表示している情報(例えば、籤引きなど)も広げるときに一緒に伸張して表示を行なうので記憶エリア(RAM)の記憶容量を節約することができ、且つ素早く動的に表示を切替えることができる。また、それ以外の方法として、前記表示領域B4と表示領域C4の表示面積を合わせ持つ表示領域D4を別途備える方法があり、この方法を用いる場合、表示領域B4、表示領域C4、表示領域D4の3つの表示領域とそれぞれの表示情報とを記憶エリア(RAM)に記憶しておき、客用表示器へ表示する重量が零であるか否かの判定に基づいて前記記憶エリア(RAM)に記憶する各表示領域とその表示情報とを選択して客用表示器へ表示をすることができるので素早く瞬時に表示切替えを行なうことができる。また、例えば、表示する重量(計量して得た重量)が0g以外の場合であってもその表示領域を変更し、例えば、重量の表示領域C4を40%、籤引きの表示領域B4を60%にする、或いは、重量の表示領域C4を30%、籤引きの表示領域B4を70%にする等の表示領域の割合を変更できるようにしてもよい。また、前記表示領域B4、C4、D4内に表示する会計情報や重量或いは籤引きを表示する表示手段は、前記表示領域B4、C4、D4内に前記会計情報や重量或いは籤引きが見易い大きさで収まるように伸縮(拡大或いは縮小)して表示する伸縮(表示倍率変更)表示機能を備える。前述のような表示領域割合設定と伸縮(表示倍率変更)表示機能を更に備えることにより、顧客が興味をしめす方の表示領域の表示割合を広く(大きく)し、計量して得た重量も顧客は目視容易であり、且つ、顧客に興味があるイベント表示をインパクトの強い大きさ(表示領域(表示面積)に応じた寸法サイズ)で表示することができるので、顧客に対しての販促効果を更に高めることができると共に、顧客は購入商品の計量行為とその行為にともなう計量された重量の表示(重量の表示経過(変化))を目視確認することが出来るので安心して(ごまかしや偽りが無いことを確認して)買物を行なう事ができるという効果を奏する。
(7)本発明における所定の確率に基づいて行われる籤引き(抽選)は、電子秤装置に設定記憶された複数の当選確率のテーブルと、籤引き(抽選)のモードから選択決定されモードに基づいて、該電子秤装置自体で行われるが、籤引き(抽選)のモードが決定された後の籤引き(抽選)の行為を、商品の購入者自身に、客用表示器(液晶タッチパネル)或いは該表示器に接続した籤引き器(マウス様操作部材)を操作してもらい、籤引きを行うようにしてもよい。この場合は、購入者自身が籤引き(イベント)に参加することになるため、イベントをさらに盛り上げることができる。
【符号の説明】
【0038】
A…対面販売用電子秤装置 A1…計量手段
A3…店員用操作表示手段 A4…客用表示器
B4…表示領域1(商品情報、会計情報、籤引き情報表示領域)
C4…表示領域2(計量して得た重量および計量情報の表示領域)
D4…表示領域3(籤引きの表示領域)
20…液晶タッチパネル(精算処理) 21…テンキー(精算処理)
23…CPU(抽選手段、表示手段) 26…RAM(記憶手段、動画記憶手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客の購入する商品が計量皿に載置されると、少なくとも計量して得た重量を表示する客用表示器を備え、前記計量して得た重量に基づき値段を算出して代金精算を行う対面販売用電子秤装置において、
前記商品の代金精算が行われると、所定の確率に基づいて籤引きを行う抽選手段と、
前記代金精算時に、前記表示する重量が零である場合は、前記抽選手段による籤引きを前記客用表示器の表示領域の広範囲に表示し、前記表示する重量が零でない場合は、前記重量と前記籤引きそれぞれを前記客用表示器の表示領域の所定領域に表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする対面販売用電子秤装置。
【請求項2】
前記所定の確率は、商品の重量に応じた当選確率が設定記憶された重量変動テーブルであって、
前記抽選手段は、顧客が購入する商品を計量して得た重量に基づいて、前記重量変動テーブルが記憶する重量と対応する当選確率を用いて籤引きを行うことを特徴とする請求項1記載の対面販売用電子秤装置。
【請求項3】
前記所定の確率は、商品毎の粗利率に応じた当選確率が設定記憶された粗利変動テーブルであって、
前記抽選手段は、顧客が購入する商品の粗利率に基づいて、前記粗利変動テーブルが記憶する粗利率と対応する当選確率を用いて籤引きを行うことを特徴とする請求項1記載の対面販売用電子秤装置。
【請求項4】
前記顧客が購入する商品が複数品目である場合、前記顧客が購入する商品を計量して得た重量に基づいて前記重量変動テーブルから読み出した当選確率、又は前記顧客が購入する商品の粗利率に基づいて前記粗利変動テーブルから読み出した当選確率を、計量する品目毎に加算する確率変動手段を更に備え、
前記抽選手段は、前記代金精算時に前記確率変動手段によって加算された当選確率に基づいて籤引きを行うことを特徴とする請求項2又は3記載の対面販売用電子秤装置。
【請求項5】
前記確率変動手段は、前記顧客が購入する商品の粗利率に基づき前記粗利変動テーブルを参照して得た当選確率を、前記重量変動テーブルから読み出した当選確率へ加算し、その加算した当選確率に基づいて籤引きを行うことを特徴とする請求項4記載の対面販売用電子秤装置。
【請求項6】
前記抽選手段による籤引きと対応する当たり或いは外れの動画或いは静止画を記憶する籤引き画像記憶手段を更に備え、
前記表示手段は、前記抽選手段による籤引きと対応する動画或いは静止画を前記籤引き画像記憶手段より読み出して前記客用表示器に表示することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の対面販売用電子秤装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−25549(P2013−25549A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159421(P2011−159421)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)
【Fターム(参考)】