説明

寿命管理装置、電気製品、及び寿命管理方法

【課題】電気製品の経時劣化を把握し、電気製品が安全に作動する寿命を設けて管理する寿命管理装置、電気製品、及び寿命管理方法を提供する。
【解決手段】電気製品の寿命を管理する寿命管理装置200において、標準時の現在時刻を取得する現在時刻取得部21と、前記電気製品の寿命をあらかじめ記憶する記憶部23と、前記現在時刻取得部が取得した標準時刻と前記寿命とを比較し、前記標準時刻が前記寿命を超えていると判断した場合、寿命到達信号を出力する制御部22とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気製品の経時劣化を把握し、電気製品が安全に作動する寿命制限を設けて管理する寿命管理装置、電気製品、及び寿命管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気製品の構成部品や本体の不良を検出するためのセンサを備えたり、消耗品の使用時間をカウントして交換時期を知らせたりする機能が一部の機器では採用されている(特許文献1参照)。特許文献1に開示されている冷蔵庫では、消耗品ごとに交換時期を設定し、消耗品の使用時間をカウントして、消耗品の交換時期を使用者に知らせている。
【0003】
電気製品の長寿命化にともない、近年では電気製品の使用時間や使用回数に加え、経時劣化を計測する電気製品も登場している(特許文献2参照)。特許文献2に開示されている洗濯機では、製品の経年劣化をカウントする時計機能部と電源が供給されていないときに時計機能部を駆動させる専用電源を設けて、経時劣化を計測している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−114205号公報
【特許文献2】特開2007−289453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、使用時間や使用回数をカウントする装置では、製造後から使用開始時刻までをカウントしないため、製造日からの経時劣化を検出できない。そのため、例えば製造後長時間保管された後に使用開始された場合、使用時間や使用回数が製品寿命を検出する前に経時劣化が発生する恐れがある。特許文献1に開示されている冷蔵庫では、消耗品の使用時間や使用頻度で消耗品の交換時期を判定しているが、消耗品が製造後使用開始されるまでの経時劣化については加味されていない。
【0006】
また、特許文献2に開示されている洗濯機では、経時劣化の計測に時計機能部と専用電源とを設けているが、時間の計測処理が内部カウンタによるため、長期不使用による専用電源劣化等で内部カウンタに異常が発生した場合や、誤った時刻設定をした場合には、経時劣化の測定が正常に行われない恐れがある。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、従来とは異なるアプローチにより、電気製品の経時劣化を加味した、電気製品が安全に作動する寿命を管理する寿命管理装置、電気製品、及び寿命管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る寿命管理装置は、電気製品を構成する部品の一部又は全部の寿命を管理する寿命管理装置において、標準時刻を取得する現在時刻取得部と、前記部品の一部又は全部の寿命をあらかじめ記憶する記憶部と、前記現在時刻取得部が取得した標準時刻と前記寿命とを比較する寿命比較部と、前記寿命比較部が、前記標準時刻が前記寿命を超えていると判断した場合、所定の信号を出力する寿命管理部とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る寿命管理装置においては、前記寿命は時刻で示す時刻寿命としてもよい。
【0010】
本発明に係る寿命管理装置においては、前記寿命は時間で示す時間寿命であり、前記記憶部は、前記部品の一部又は全部の製造時刻をあらかじめ記憶しており、前記寿命比較部は、前記取得した標準時刻と前記製造時刻との時間差を検出し、該時間差と前記時間寿命とを比較し、前記寿命管理部は、前記寿命比較部が前記時間差が前記時間寿命を超えていると判断した場合、前記所定の信号を出力するように構成してもよい。
【0011】
本発明に係る寿命管理装置においては、前記標準時刻の取得、前記寿命比較部による比較及び判断は時系列的に行なわれるように構成してもよい。
【0012】
本発明に係る寿命管理装置においては、時計と、前記現在時刻取得部が取得した標準時刻で前記時計の時刻を補正する時刻補正部と、前記時計を利用して前記部品の一部又は全部の稼働時間を積算する積算稼働時間管理部とをさらに備え、前記記憶部は、前記部品の一部又は全部の積算稼働時間寿命をあらかじめ記憶しており、前記寿命比較部は、前記積算稼働時間管理部が積算した稼働時間と前記積算稼働時間寿命とを比較し、前記寿命管理部は、前記寿命比較部が前記積算した稼働時間が前記積算稼働時間寿命を超えていると判断した場合、前記所定の信号を出力するように構成してもよい。
【0013】
本発明に係る寿命管理装置においては、時計と、前記現在時刻取得部が取得した標準時刻で前記時計の時刻を補正する時刻補正部と、前記時計を利用して前記部品の一部又は全部の通電時間を積算する積算通電時間管理部とをさらに備え、前記記憶部は、前記部品の一部又は全部の積算通電時間寿命をあらかじめ記憶しており、前記寿命比較部は、前記積算通電時間管理部が積算した通電時間と前記積算通電時間寿命とを比較し、前記寿命管理部は、前記寿命比較部が前記積算した通電時間が前記積算通電時間寿命を超えていると判断した場合、前記所定の信号を出力するように構成してもよい。
【0014】
本発明に係る寿命管理装置においては、前記記憶部は、複数の電気製品について、それぞれの部品の一部又は全部の寿命をあらかじめ記憶しており、前記寿命比較部は、前記取得した標準時刻と前記複数の電気製品の寿命とをそれぞれ比較し、前記寿命管理部は、前記寿命比較部が前記標準時刻が前記寿命を超えていると判断した場合、前記所定の信号を出力するように構成してもよい。
【0015】
本発明に係る電気製品は、前述した寿命管理装置を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る電気製品においては、前記寿命管理装置の寿命管理部は所定の信号を出力した場合、その動作を制限するように構成してある制御装置をさらに有するようにしてもよい。
【0017】
本発明に係る寿命管理方法は、電気製品を構成する部品の一部又は全部の寿命を管理する寿命管理方法において、標準時刻を取得するステップと、あらかじめ記憶部に記憶されている前記部品の一部又は全部の寿命を読み出すステップと、取得した前記標準時刻と読み出した前記寿命とを比較し、前記標準時刻が前記寿命を超えていると判断した場合、所定の信号を出力するステップとを備えることを特徴とする。
【0018】
本発明では、標準時刻を取得し、取得した標準時刻とあらかじめ記憶する電気製品の寿命と比較し、標準時刻が製品寿命を越えていると判断した場合は所定の寿命到達信号を発信し、製品寿命を超えていないと判断した場合は所定の寿命到達信号を発信しない。なお、標準時刻は、例えば、電波時計、インターネット時刻取得装置などの現在時刻取得部によって取得する。
【0019】
本発明では、電気製品の時刻寿命をあらかじめ記憶し、該時刻寿命と前記標準時刻とを比較するようにしてもよい。この場合、該電気製品を構成する構成部品の最短の経時劣化時刻が製品時刻寿命となることが好ましい。なお、時刻寿命は年、月、日、時間、分、など寿命管理を行う電気製品に適した単位にすることが好ましい。
【0020】
本発明では、電気製品の時間寿命及び製造時刻をあらかじめ記憶し、前記標準時刻と前記製造時刻との時間差を検出し、該時間差と前記時間寿命とを比較するようにしてもよい。これにより、製造日からの経時劣化時刻が考慮されておらず、経時劣化時間のみが設定された構成部品が含まれる場合でも製品の経時劣化を測定できる。なお、製品製造時刻は、製造年、月、日、時間、分、など寿命管理を行う電気製品に適した単位であってよい。
【0021】
本発明では、前記標準時刻の取得及び時刻・時間による寿命評価は、時系列に実行されるようにしてもよい。
【0022】
本発明では、時計を有し、取得した標準時刻で前記時計の時刻を補正するようにしてもよい。さらに、前記時計を利用して該電気製品を構成する部品の一部又は全部の稼働時間を積算し、積算した稼働時間と記憶部に記憶されている積算稼働時間寿命とを比較し、前記積算した稼働時間が前記積算稼働時間寿命を超えていると判断した場合、寿命管理部が寿命到達信号を発信するようにしてもよい。これにより、経時劣化よる製品寿命に加えて、稼動実績によっても電気製品の寿命を検出できる。通信故障などにより、標準時刻を取得できない場合は、電気製品の稼動実績は、時計を使用してカウントされることができる。標準時刻を取得できる場合には、時計は現在時刻取得部から取得した標準時刻で補正されるため、正確に稼動実績をカウントできる。
【0023】
本発明では、時計を有し、取得した標準時刻で前記時計の時刻を補正するようにしてもよい。さらに、前記時計を利用して該電気製品を構成する部品の一部又は全部の通電時間を積算し、積算した通電時間と記憶部に記憶されている積算通電時間寿命とを比較し、前記積算した通電時間が前記積算通電時間寿命を超えていると判断した場合、寿命管理部が寿命到達信号を発信するようにしてもよい。これにより、電気製品の使用頻度や稼動実績に関わらず、経時劣化よる製品寿命に加えて、電源が供給された通電実績によっても電気製品の寿命を検出できる。通信故障などにより、標準時刻を取得できない場合は、電気製品の通電実績は、時計を使用してカウントされることができる。標準時刻を取得できる場合には、時計は現在時刻取得部から取得した標準時刻で補正されるため、正確に通電実績をカウントできる。
【0024】
本発明では、前記記憶部は、複数の電気製品について、それぞれの部品の一部又は全部の寿命を記憶し、前記寿命比較部は、前記標準時刻と前記寿命とをそれぞれ比較し、複数の電気製品の寿命をそれぞれ管理するようにしてもよい。
【0025】
本発明では、電気製品は制御装置を有し、前記寿命到達信号が発信された場合、制御装置は、該電気製品の動作を制限するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明による場合、長期間にわたって電気製品が製造された時点からの経時劣化を正確に測定でき、電気製品が寿命に到達したときには、その動作を確実に制限できる。特に、長期間の利用が想定される家電製品や、高温・高圧・高電圧といった高負荷を扱う構成部品を含む電気製品の寿命管理に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態1に係る寿命管理装置を備える空気調和機(電気製品)の構成を示す模式図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る寿命管理装置を備える空気調和機の室内機の外観を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る寿命管理装置を備える空気調和機の室内機の要部構成例を示す側面縦断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る寿命管理装置を備える空気調和機の室外機の外観を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る寿命管理装置を備える空気調和機の室外機の要部構成例を示す分解模式図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る寿命管理装置の機能構成例を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る寿命管理装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態1に係る寿命管理装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態1に係る寿命管理装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態2に係る空気調和機の制御装置の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係る寿命管理装置の機能構成例を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態2に係る寿命管理装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態2に係る寿命管理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
【0029】
なお、以下の実施の形態では、本発明に係る寿命管理装置を空気調和機に用い、前記寿命管理装置が該空気調和機を構成する室内機と室外機とに組み込まれている例を挙げて説明する。
【0030】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態に係る寿命管理装置を備える空気調和機の構成を示す模式図である。図2は本発明の実施の形態に係る寿命管理装置を備える空気調和機の室内機の外観を示す斜視図である。図3は本発明の実施の形態に係る寿命管理装置を備える空気調和機の室内機の要部構成例を示す側面縦断面図である。図4は本発明の実施の形態に係る寿命管理装置を備える空気調和機の室外機の外観を示す斜視図である。図5は本発明の実施の形態に係る寿命管理装置を備える空気調和機の室外機の要部構成例を示す分解模式図である。
【0031】
本実施の形態に係る寿命管理装置200を備える空気調和機100は、セパレート型であり、家屋15内の壁の上方に設置され、運転時には冷風又は温風16を室内へ向けて吹き出す室内機7と、家屋15の外壁に沿って地面上に設置された室外機14とを備えている。室内機7には、室内機7に設けられた各機器を制御するマイクロコンピュータを備えた制御装置17が設けられている。室外機14には、室外機14に設けられた各機器を制御するマイクロコンピュータを備えた制御装置18が設けられている。また、室内機7及び室外機14には、それぞれ前記制御装置17、18が組み込まれており、電機製品の寿命を設定管理する寿命管理装置200a、200bが搭載されている。
【0032】
室内機7は、図2の斜視図、及び図3の側面縦断面図に示すように、室内から吸い込んだ空気の温度を測定する室内温度測定器1と、室内からの吸込口と室内への吹出口との間に設けられ、吸い込んだ空気と熱交換する室内熱交換器3と、室内熱交換器3の温度を測定する温度測定器2とを備えている。
【0033】
室内機7は、また、室内熱交換器3の、室内機7の吹出口側に設けられ、熱交換された空気を吹出口から吹き出すクロスフロー型の室内ファン4と、吹出口に設けられ、吹出される空気を上下方向に振る電動上下ルーバ5と、吹出口に設けられ、吹出される空気を左右方向に振る電動左右ルーバ6とを備えている。また、室内機7は、上記各機器を制御するマイクロコンピュータを有する制御装置17と、該記制御装置17に組み込まれており、室内機7の寿命を設定管理する寿命管理装置200aとを備える。室内機7はさらに運転ランプ(図示せず)等も備えている。
【0034】
室外機14は、図4の斜視図及び図5の分解模式図に示すように、吸い込んだ外気の温度を測定する外気温度測定器12と、外気の吸込口と屋外への吹出口との間に設けられ、吸い込んだ外気と熱交換する室外熱交換器8と、室外熱交換器8の温度を測定する温度測定器13とを備えている。
【0035】
室外機14は、また、室外熱交換器8の、室外機14の吹出口側に設けられ、熱交換された外気を吹出口から吹き出す室外ファン9と、室内熱交換器3及び室外熱交換器8を結ぶ図示しない配管内を通流する冷媒を圧縮するコンプレッサ11と、コンプレッサ11を制御するIPM(Intelligent Power Module)19と、コンプレッサ11が圧縮した冷媒の通流する方向を、冷房時又は暖房時に応じて切り替える四方弁10とを備えている。また、室外機14は膨張弁を備えているが、図示を省略する。また、室外機14は上記各機器を制御するマイクロコンピュータを有する制御装置18と、該記制御装置18に組み込まれており、室外機14の寿命を設定管理する寿命管理装置200bとを備える。
【0036】
室内機7及び室外機14は、冷媒を流通させる配管と、排水用のドレン配管と、室内機7から室外機14への運転電流を流す配線と、室内機7から室外機14を制御するための制御信号を送受信する配線とで接続されている。
【0037】
次に、本実施の形態に係る電気製品の寿命を設定管理する寿命管理装置200(200a、200b)を図面に基づいて説明する。図6は本実施の形態1に係る寿命管理装置200の機能構成例を示すブロック図である。寿命管理装置200は、現在時刻を取得する現在時刻取得部21と、電気製品の寿命を検出し電気製品が寿命に到達した場合は寿命到達信号を発信する制御部22と、製品寿命を記憶しておく記憶部23とを備える。
【0038】
現在時刻取得部21は、現在の時刻が検出できる装置であればよく、例えば日本国内において日本標準時を取得する電波時計やインターネット時刻取得装置などである。
【0039】
制御部22は、あらかじめ設定された電気製品の寿命に基づいて、製品寿命に達した場合に、所定の寿命到達信号を発信する寿命管理部201と、現在時刻と製品時刻寿命とを比較するか、もしくは現在時刻と製造時刻の時間差で製品時間寿命を比較する寿命比較部202と、電気製品の稼働時間、通電時間、通電回数の積算を算出し、記憶部23に記憶する積算時間管理部203と、現在時刻で電気製品の内蔵時計を補正する時刻補正部204を備える。なお、電気製品に内蔵時計が備わっていない場合、時刻補正部204はなくてもよい。
【0040】
寿命管理部201は、寿命比較部202もしくは積算時間管理部203によって製品寿命に達したことを検出したとき、検出された製品寿命の種類、または搭載された電気製品に応じた寿命到達信号を発信する。
【0041】
寿命比較部202は、時刻寿命比較部205と時間寿命比較部206とを備える。時刻寿命比較部205は、取得した現在時刻と、あらかじめ記憶部23に記憶された製品時刻寿命とを比較する。時間寿命比較部206は、取得した現在時刻と電気製品が製造された時刻との時間差を算出し、算出した時間差とあらかじめ記憶部23に記憶された製品時間寿命とを比較する。寿命比較部202は、時刻寿命比較部205と時間寿命比較部206との両方またはいずれかで製品寿命を評価した結果を、寿命管理部201に伝達する。
【0042】
なお、本実施の形態では、時刻寿命比較部205と時間寿命比較部206とを両方備えているが、どちらか一方のみを備えるものであってもよい。例えば、扇風機に搭載する場合では、扇風機のモーターの時間寿命である87600時間(約10年)のみを設定し、時間寿命比較部206で製品寿命を評価する。別の例として、ガスファンヒーターに搭載する場合では、時刻寿命のみを設定し時刻寿命比較部205にて評価する。これにより、経年劣化により安全性が損なわれる恐れがある製品では、時刻寿命で管理して、使用者に対し電気製品の有効使用期限日を告知(例えば、製品貼付ラベルに有効使用期限を記載する、あるいは、電気製品の液晶表示部に表示するなど)できるメリットがある。
【0043】
積算時間管理部203は、積算稼働時間管理部207と、積算通電時間管理部208と、積算通電回数管理部209とを備える。
【0044】
積算稼働時間管理部207は、電気製品またはそれを構成する部品の現在までの稼働時間を算出して記憶部23に記憶し、さらには、算出した稼働時間とあらかじめ記憶部23に記憶された製品または構成する部品の積算稼働時間寿命とを比較する。
【0045】
積算通電時間管理部208は、電気製品またはそれを構成する部品の現在までの通電時間を算出して記憶部23に記憶し、さらには、算出した通電時間とあらかじめ記憶部23に記憶された製品または構成する部品の積算通電時間寿命とを比較する。
【0046】
積算通電回数管理部209は、電気製品またはそれを構成する部品の現在までの通電回数を算出して記憶部23に記憶し、さらには、算出した通電回数とあらかじめ記憶部23に記憶された製品または構成する部品の積算通電回数寿命とを比較する。
【0047】
積算時間管理部203は、積算稼働時間管理部207と、積算通電時間管理部208と、積算通電回数管理部209とのすべてまたはいずれかで製品寿命を評価した結果を寿命管理部201に伝達する。なお、本実施の形態では、積算稼働時間管理部207と、積算通電時間管理部208と、積算通電回数管理部209とを備えているが、何れか一方のみ備えるものであってもよい。例えば、掃除機やアイロンなど、使用時にのみ通電される電気製品では積算稼働時間管理部207のみ、もしくは積算稼働時間管理部207と積算通電回数管理部209で管理し、冷蔵庫やテレビ、ビデオなど常時通電される電気製品では積算通電時間管理部208のみで管理することも考えられる。
【0048】
時刻補正部204は、取得した現在時刻と記憶部23に保持されている電気製品の内蔵時計による時刻の差を比較し、所定以上の時刻差があった場合に、取得した現在時刻で内蔵時計の時刻を補正する。
【0049】
記憶部23は、内部時刻記憶部210と、製品寿命記憶部211と、積算時間記憶部212とを備える。内部時刻記憶部210は、電気製品の内蔵時計の時刻を保持する記憶部であり、電気製品の内蔵時計にてカウントされた時刻を保持する。内蔵時計を持たない電気製品では、この内部時刻記憶部210はなくてもよい。
【0050】
製品寿命記憶部211は、不揮発性記憶領域であり、製品時刻寿命と、製品時間寿命と、積算稼働時間寿命と、積算通電時間寿命と、積算通電回数寿命と、電気製品の製造時刻とを記憶している。上記の時刻または時間は、電気製品が製造される過程であらかじめ記憶させられる。例えば、電気製品の組立工程の最終プロセスで記憶させられる。なお、この記憶領域の設定値は、例えば電気製品の主要部品を交換した際などに、サービスにて再設定可能とする。なお、搭載する電気製品によっては、上記設定値のいずれかだけを使用することも可能である。
【0051】
製品時刻寿命は、電気製品製造者が定めるところの経時劣化時刻寿命として記憶されている。ここに記憶される経時劣化寿命は、年、月、日、時間、分、秒までの詳細な時刻でも、電気製品に応じて電気製品製造者が適当とする年、月、日、時間、分、秒のいずれかまでの単位でもよい。さらには、電気製品を構成する部品毎に複数の製品時刻寿命を持っていてもよい。この場合、製品時刻寿命に到達した部品に応じて、寿命管理部201が出力する寿命到達信号を変えることができ、多様な方法で電気製品の動作を制限することが可能になる。
【0052】
製品時間寿命は、電気製品製造者が定めるところの製造日からの経時劣化時間寿命として記憶されている。ここに記憶される経時劣化寿命は、年、月、日、時間、分、秒までの詳細な時間でも、電気製品に応じて電気製品製造者が適当とする年、月、日、時間、分、秒のいずれかまでの単位でもよい。さらには、電気製品を構成する部品毎に複数の製品時間寿命を持っていてもよい。この場合、製品時間寿命に到達した部品に応じて、寿命管理部201が出力する寿命到達信号を変えることができ、多様な方法で電気製品の動作を制限することが可能になる。
【0053】
積算稼働時間寿命は、電気製品製造者が定めるところの耐用稼動時間として記憶されている。ここに記憶される積算稼働時間寿命は、年、月、日、時間、分、秒までの詳細な時間でも、電気製品に応じて電気製品製造者が適当とする年、月、日、時間、分、秒のいずれかまでの単位でもよい。さらには、電気製品を構成する部品毎に複数の積算稼働時間寿命を持っていてもよい。この場合、積算稼働時間寿命に到達した部品に応じて、寿命管理部201が出力する寿命到達信号を変えることができ、多様な方法で電気製品の動作を制限することが可能になる。
【0054】
積算通電時間寿命は、電気製品製造者が定めるところの耐用通電時間として記憶されている。ここに記憶される積算通電時間寿命は、年、月、日、時間、分、秒までの詳細な時間でも、電気製品に応じて電気製品製造者が適当とする年、月、日、時間、分、秒のいずれかまでの単位でもよい。さらには、電気製品を構成する部品毎に複数の積算通電時間寿命を持っていてもよい。この場合、積算通電時間寿命に到達した部品に応じて、寿命管理部201が出力する寿命到達信号を変えることができ、多様な方法で電気製品の動作を制限することが可能になる。
【0055】
積算通電回数寿命は、電気製品製造者が定めるところの耐用通電回数として記憶されている。電気製品を構成する部品毎に複数の積算通電回数寿命を持っていてもよい。この場合、積算通電回数寿命に到達した部品に応じて、寿命管理部201が出力する寿命到達信号を変えることができ、多様な方法で電気製品の動作を制限することが可能になる。
【0056】
製造時刻は、電気製品製造者が電気製品を製造する過程で定めるところの製造時刻として記憶されている。例えば電気製品が組み立てられた日などである。なお、個々に記憶される製造時刻は、年、月、日、時間、分、秒までの詳細な時刻でもよい。例えば、2000年1月、2000年1月1日、2000年1月1日12時00分などが考えられる。
【0057】
積算時間記憶部212は、不揮発性記憶領域であり、積算稼働時間記憶部213と、積算通電時間記憶部214と、積算通電回数記憶部215とを備える。積算稼働時間記憶部213は、電気製品または電気製品を構成する部品の使用時間の積算を記憶する。なお、この記憶領域に記憶されている積算時間は、例えば電気製品の主要部品を交換した際などに、サービスにてリセット可能とする。
【0058】
積算稼働時間記憶部213は、電気製品製造者が定めるところの電気製品または電気製品を構成する部品の製造後の総稼働時間を保持する。ここに記憶される積算稼働時間は、年、月、日、時間、分、秒のいずれかまでの単位でよい。さらには、電気製品を構成する部品毎に複数の積算稼働時間を持っていてもよい。この場合、部品毎に積算稼働時間を管理できる。したがって、積算稼働時間寿命に到達した部品に応じて、寿命管理部21が出力する寿命到達信号を変えることができ、多様な方法で電気製品の動作を制限することが可能になる。
【0059】
積算通電時間記憶部214は、電気製品製造者が定めるところの電気製品または電気製品を構成する部品の製造後の総通電時間を保持する。ここに記憶される積算通電時間は、年、月、日、時間、分、秒のいずれかまでの単位でよい。さらには、電気製品を構成する部品毎に複数の積算通電時間を持っていてもよい。この場合、部品毎に積算通電時間を管理できる。したがって、積算通電時間寿命に到達した部品に応じて、寿命管理部21が出力する寿命到達信号を変えることができ、多様な方法で電気製品の動作を制限することが可能になる。
【0060】
積算通電回数記憶部215は、電気製品または電気製品を構成する部品の製造後の総通電回数を保持する。この積算通電回数は、電気製品を構成する部品毎に複数の積算通電回数を持っていてもよい。この場合、部品毎に積算通電回数を管理できる。したがって、積算通電回数寿命に到達した部品に応じて、寿命管理部21が出力する寿命到達信号を変えることができ、多様な方法で電気製品の動作を制限することが可能になる。
【0061】
上述のように構成される寿命管理装置が実行する処理手順を、フローチャートを参照して説明する。図7〜図9は本発明の実施の形態1に係る寿命管理装置の動作を示すフローチャートである。なお、空気調和機100は前述の通り室内機7と室外機14からなるセパレート型である。寿命管理装置200は、室内機7と室外機14のそれぞれに搭載されており、室内機7の寿命管理装置200aは室内機7の寿命を設定管理する。室外機14の寿命管理装置200bは室外機14の寿命を設定管理する。まず、室内機7に搭載されている寿命管理装置200aが実行する処理手順について説明する。
【0062】
(寿命管理装置200aの動作概要)
室内機7の制御装置17は、室内機7に外部電源が供給されると作動し、外部電源の供給がなくなると、内蔵電源により内蔵時計のみを作動させるように構成されている。したがって室内機7の制御装置17に搭載された電機製品の寿命を設定管理する寿命管理装置200aは、室内機7に外部電源が供給されている間に作動する。また、寿命管理装置200aは、室内機7の製造工程において、室内機7の製品時刻寿命、製品時間寿命、積算稼働時間寿命、積算通電時間寿命、積算通電回数寿命、及び製造時刻が記憶されている。
【0063】
また、内蔵時計の内部は、正確な時間をカウントするための水晶発信、水晶発信からの発信周波数を年・月・日単位や時間の解読を簡単にする分周器、それらの信号をカウントするカウンタを備える。カウントされたデータは、寿命管理装置200aの電源が入っているときに所定の間隔で定期的に制御部22を介して記憶部23の内部時刻記憶部210に格納される。寿命管理装置200aによる積算通電時間、積算稼働時間のカウントは、内蔵時計のカウンタでカウントされて内部時刻記憶部210に記憶される計時データを利用して行われる。
【0064】
室内機7に外部より電源が供給されると、制御装置17が起動し、制御装置17に組み込まれている寿命管理装置200aの制御部も起動する(ステップS101)。寿命管理装置200aの制御部22の積算通電回数管理部209は、記憶部23の積算通電回数記憶部215から積算通電回数の値を読み出して1回インクリメントし、該インクリメントした積算通電回数で積算通電回数記憶部215を上書きする(ステップS102)。積算通電時間管理部208は、記憶部23内の積算通電時間記憶部214の値を読み出して、積算通電時間のカウントを開始する(ステップS103)。
【0065】
積算通電回数管理部209は、記憶部23の製品寿命記憶部211に記憶されている積算通電回数寿命を読み出して、該積算通電回数寿命と積算通電回数記憶部215に記憶されている値とを比較して積算通電回数が積算通電回数寿命に到達するか否かを判定する(ステップS104)。積算通電回数が積算通電回数寿命を超えたと判定した場合(ステップS104:YES)、寿命管理部201は所定の寿命到達信号を出力し(ステップS105)、処理を終了する。これにより、制御装置17は、室内機7の運転ランプを点滅させ、さらにユーザの操作、例えばリモコンによる運転開始を禁止する。空気調和機100の本体と送受信可能なリモコンであれば、リモコンにエラーコードを表示するか、またはサービスに問い合わせるようにメッセージを表示させてもよい。
【0066】
積算通電回数が積算通電回数寿命を超えていないと判定した場合(ステップS104:NO)、現在時刻取得部21が使用可能な状態になると、現在の時刻を取得する(ステップS106)。時刻補正部204は、取得した現在時刻と、記憶部23の内部時刻記憶部210に記憶している内部時刻とを比較し、一定以上の差異があった場合には、受信した現在時刻で内部時刻記憶部210を上書きして内部時刻補正する(ステップS107)。例えば、時刻差が3分以上あった場合には内部時刻を補正し、3分未満であれば補正は行わない。もしくは、所定の期間以上内部時刻を補正しない期間が続けば、現在時刻と内部時刻との時刻差が僅少であっても内部時刻を補正する方法も考えられる。この所定の期間とは、例えば、前回補正してから1週間経過していた場合や、1ヶ月が経過していた場合などが考えられる。
【0067】
時刻寿命比較部205は記憶部23の製品寿命記憶部211から製品時刻寿命を取得し、該取得した製品時刻寿命と先に取得した現在時刻とを比較して現在時刻が製品時刻寿命に到達するか否かを判定する(ステップS108)。現在時刻が製品時刻寿命に到達したと判定した場合(ステップS108:YES)、寿命管理部201は、所定の寿命到達信号を出力し(ステップS105)、処理を終了する。例えば、製品時刻寿命に2010年1月と記憶された電気製品で、取得した現在時刻が2010年2月1日10時00分の場合、製品寿命に到達したと判定されて寿命到達信号が出力される。
【0068】
一方、現在時刻が製品時刻寿命に到達しないと判定した場合(ステップS108:NO)、積算通電時間管理部208は、カウントしていた積算通電時間の値と、記憶部23の製品寿命記憶部211から読み出した積算通電時間寿命の値を比較して積算通電時間の値が積算通電時間寿命の値に到達するか否かを判定する(ステップS109)。積算通電時間の値が積算通電時間寿命の値を超えたと判断された場合(ステップS109:YES)、寿命管理部201は、所定の寿命到達信号を出力し(ステップS105)、処理を終了する。例えば、製品寿命記憶部211に記憶されている積算通電時間寿命が87600時間(約10年)で、カウントしていた積算通電時間の値が87600時間を超えた場合、製品寿命に到達したと判定されて寿命到達信号が出力される。
【0069】
一方、積算通電時間の値が積算通電時間寿命の値に到達しないと判定した場合(ステップS109:NO)、検知間隔タイマを作動する(ステップS110)。この検知間隔タイマのタイマ時間は、例えば24時間(1日)としてもよいし、1週間でも1ヶ月でも電気製品に応じた値でよい。該タイマ時間は、空気調和機100が製造される過程であらかじめ記憶させられる。例えば、空気調和機100の組立工程の最終プロセスで記憶させられる。
【0070】
本実施の形態には、空気調和機100は設置時に外部電源に接続されると、制御装置17は作動され待機状態になる。その後、ユーザの操作、例えばリモコンによる運転開始操作(例えば、冷房運転や暖房運転、除湿運転)により、運転開始の指示を室内機7の制御装置17へ送信する。室内機7の制御装置17は、運転開始の指示を受信して、室内機7を待機状態から運転状態へ移行させるとともに、寿命管理装置200aに対して運転開始を通知する。またユーザの操作、例えばリモコンによる運転停止操作により、運転停止の指示が室内機7の制御装置17へ送信される場合、室内機7の制御装置17は、運転停止の指示を受信して、室内機7を運転状態から待機状態へ移行させるとともに、寿命管理装置200aに対して運転停止を通知する。
【0071】
寿命管理装置200aは、室内機7の制御装置17からの運転開始通知を受信したか否かを判断する(ステップS111)。受信したと判断した場合(ステップS111:YES)、積算稼働時間管理部207は、記憶部23内の積算稼働時間記憶部213の値を読み出して、積算稼働時間のカウントを開始する(ステップS112)。受信していないと判断した場合(S111:NO)、ステップS117へ進む。
【0072】
積算稼働時間管理部207は、カウントしていた積算稼働時間の値と、記憶部23の製品寿命記憶部211から読み出した積算稼働時間寿命の値とを比較して、積算稼働時間の値が積算稼働時間寿命の値に到達したかどうかを判定する(ステップS113)。積算稼働時間の値が積算稼働時間寿命の値を超えたと判断された場合(ステップS113:YES)、寿命管理部201は、所定の寿命到達信号を出力し(ステップS105)、処理を終了する。また、積算稼働時間の値が積算稼働時間寿命の値に到達しないと判定した場合(ステップS113:NO)、ステップS114へ進む。
【0073】
一方、寿命管理装置200aは、室内機7の制御装置17からの運転開始通知を受信していないと判断した場合(ステップS111:NO)、寿命管理装置200aは、室内機7の制御装置17からの運転停止通知を受信したか否かを判断する(ステップS117)。受信したと判断した場合(ステップS117:YES)、積算稼働時間のカウントを停止して(ステップS118)、カウントしていた値を記憶部23に保存する。積算稼働時間管理部207は、カウントしていた積算稼働時間の値と、記憶部23の製品寿命記憶部211から読み出した積算稼働時間寿命の値とを比較して、積算稼働時間の値が積算稼働時間寿命の値に到達したかどうかを判定する(ステップS119)。積算稼働時間の値が積算稼働時間寿命の値を超えたと判断された場合(ステップS119:YES)、寿命管理部201は、所定の寿命到達信号を出力し(ステップS105)、処理を終了する。
【0074】
寿命管理装置200aは、ステップS117で、室内機7の制御装置17からの運転停止通知を受信していないと判断した場合(ステップS117:NO)、またはステップS119で積算稼働時間の値が積算稼働時間寿命の値に到達していないと判定した場合(ステップS119:NO)、処理はステップS114へ戻る。
【0075】
ステップS114では、寿命管理装置200aは、設定した検知間隔が経過したかどうか(検知間隔タイマのタイマ時間がタイムアウトしたかどうか)を判定する(ステップS114)。寿命管理装置200aは、設定した検知間隔が経過していない(検知間隔タイマのタイマ時間がタイムアウトしていない)と判断した場合(S114:NO)、ステップS111へ戻り、運転開始通知及び運転停止通知の受信に係る判定を繰り返す。寿命管理装置200aは、設定した検知間隔が経過した(検知間隔タイマのタイマ時間がタイムアウトした)と判断した場合(S114:YES)、検知間隔タイマを停止し(ステップS115)、さらに該検知間隔タイマをリセットして(ステップS116)、ステップS106へ戻る。一般的に、空気調和機100は設置時に外部電源に接続されると、その後はほとんど外部電源が外されることはない。本実施の形態の構成により、外部電源が供給開始されて制御装置17は待機状態になってから、空気調和機100の運転に係らず、現在時刻の取得及び時刻・時間による寿命評価は、寿命管理装置200aにより定期的に実行される。
【0076】
(寿命管理装置200bの動作概要)
次に室外機14に搭載されている寿命管理装置200bの動作を説明する。室外機14に搭載された寿命管理装置200bの動作フローは、前述した室内機7に搭載された寿命管理装置200aの動作フローとほぼ同一である。したがって詳細の説明を省略するが、動作フローにおいて室内機7と異なる部分を以下に説明する。
【0077】
寿命管理装置200bは、室外機14の製造工程において、室外機14を構成するコンプレッサ11の製品時間寿命と積算稼働時間寿命と前記コンプレッサ11を制御するIPM19の積算通電時間寿命と室外機14の製造時刻とが記憶されている。積算通電時間評価では、IPM19の積算通電時間寿命を評価する。積算稼働時間評価では、コンプレッサ11の積算稼働時間寿命を評価する。ここでは一例として、コンプレッサの製品時間寿命には、131400時間(約15年)、積算稼働時間寿命には61320時間(約7年)、IPM19の積算通電時間寿命には87600時間(約10年)、室外機14の製造時刻には2010年1月が設定されている。
【0078】
また、室外機14は、内蔵時計を持たないため、寿命管理装置200bの時刻補正部とそれに係る内部時刻記憶部は動作しない。寿命管理装置200bによる積算通電時間、積算稼働時間のカウントは、制御部22の計時機能を利用して行われる。室外機14における製品時刻寿命による経時劣化評価では、製品時刻寿命が設定されていないため、現在時刻と室外機14の製造時刻との時間差を算出し、算出した時間差をコンプレッサの製品時間寿命と比較することで評価する。
【0079】
また、室外機14に供給される外部電源とは、室内機7から供給される運転電流のことである。空気調和機100は設置時に外部電源に接続されると、室外機14の制御装置18は作動され待機状態になる。その後、ユーザの操作により、室内機7の制御装置17が運転開始の指示を受信されると、室内機7の制御装置17は運転開始の指示を室外機14の制御装置18へ送信する。室外機14の制御装置18は、室外機14を待機状態から運転状態へ移行させるとともに、寿命管理装置200bに対して運転開始を通知する。同様に、運転停止の指示が室内機7の制御装置17に受信される場合、室内機7の制御装置17は運転停止の指示を室外機14の制御装置18へ送信する。室外機14の制御装置18は、室外機14を運転状態から待機状態へ移行させるとともに、寿命管理装置200bに対して運転停止を通知する。
【0080】
室外機14に搭載された寿命管理装置200bによって出力された寿命到達信号は、室外機14の制御装置18にて所定のエラーコードに変換された後、室内機7の制御装置17に送信される。したがい、室内機7の制御装置17は室外機14が寿命到達したことを検知し、空気調和機100の動作を制限する。すなわち、室内機7の制御装置17は室外機14の寿命到達信号を検知すると、室内機7の運転ランプを点滅させ、さらにユーザ操作例えばリモコンによる運転開始を禁止する。送受信可能なリモコンであれば、リモコンにエラーコードを表示するか、またはサービスに問い合わせるようにメッセージを表示させてもよい。
【0081】
(実施の形態2)
実施の形態1では、寿命管理装置200は制御部及び記憶部を備え、空気調和機の寿命管理処理を独自で実行するような構成とした。これに対し実施の形態2では、寿命管理装置300は、寿命管理用プログラムとして室内機7、室外機14の制御装置17、18の記憶部に記憶されており、制御装置17、18のマイクロコンピュータ(CPU)により一時記憶部に読み出して実行することにより、寿命管理装置として動作する。
【0082】
本実施の形態2に係る寿命管理装置300を備える空気調和機100は、図1に示したように、セパレート型であり、家屋15内の壁際上方に設置され、温風又は冷風16を室内へ向けて吹き出す室内機7と、家屋15の外壁に沿って地面上に設置された室外機14とを備えている。室内機7には、室内機7に設けられた各機器を制御するCPUを備えた制御装置17が設けられている。室外機14には、室外機14に設けられた各機器を制御するCPUを備えた制御装置18が設けられている。電機製品の寿命を設定管理する寿命管理装置300(300a、300b)はプログラムとして前記制御装置17、18に組み込まれている。
【0083】
本実施の形態2に係る空気調和機100の上記以外の構成部分は夫々、実施の形態1に係る空気調和機100の各構成部分と基本的に同様であるので、詳細な説明を省略し、実施の形態1に係る説明を流用する。以下、本実施の形態2に係る空気調和機の室内機7の制御装置17の構成について説明する。
【0084】
図10は実施の形態2に係る空気調和機の室内機7の制御装置17の構成を示すブロック図である。制御装置17は、CPU171と、一時記憶部172と、記憶部173と、通信部174とを備える。
【0085】
CPU171は、記憶部173に記憶されている寿命管理用プログラム17Pを一時記憶部172に読み出して実行することにより、制御装置17を、本実施の形態2に係る寿命管理装置300として動作させる。
【0086】
一時記憶部172にはDRAM(Dynamic RAM)、SRAM(Static RAM)などのRAMを用いて、上述のように読み出される寿命管理用プログラム17Pが記憶されると共に、寿命管理処理に用いられる積算通電回数、積算通電時間、積算稼働時間などが一時的に記憶される。なお、一時記憶部172にはCPU171が読み出す制御プログラム等のプログラムの他、処理によって発生する各種情報が一時的に記憶される。
【0087】
記憶部173にはEEPROM、フラッシュメモリ、若しくはSSDなどの外部記憶装置を用いる。記憶部173には、上述の寿命管理用プログラム17Pが記憶されている。また、記憶部173には、製品時刻寿命と、製品時間寿命と、積算稼働時間寿命と、積算通電時間寿命と、積算通電回数寿命と、電気製品の製造時刻とを記憶している。上記の時刻または時間は、電気製品が製造される過程であらかじめ記憶させられる。例えば、電気製品の組立工程の最終プロセスで記憶させられる。なお、この記憶領域の設定値は、例えば電気製品の主要部品を交換した際などに、サービスにて再設定可能とする。なお、搭載する電気製品によっては、上記設定値のいずれかだけを使用することも可能である。
【0088】
通信部174は、制御装置17と室内機の各構成部分との通信を実現させる。CPU171は、通信部174を介して室内機7に搭載されている各構成部分から情報を受信することが可能であり、各構成部分へ指示を送信して制御することが可能である。
【0089】
図11は本実施の形態2に係る寿命管理装置300の機能構成例を示すブロック図である。寿命管理装置300は、現在時刻を受信する現在時刻受信部31と、電気製品の寿命を検出し電気製品が寿命に到達した場合は寿命到達信号を発信する制御部32と、製品寿命を記憶しておく記憶部33とを備える。
【0090】
現在時刻受信部31は、現在の時刻が検出できる現在時刻取得装置(図示せず)から現在の時刻を受信するものである。なお、現在時刻取得装置は、例えば空気調和機に内装されており、日本国内においては日本標準時を取得する電波時計やインターネット時刻取得装置などである。
【0091】
制御部32は、あらかじめ設定された電気製品の寿命にもとづいて、製品寿命に達したら所定の寿命到達信号を発信する寿命管理部301と、現在時刻と製品時刻寿命を比較するか、もしくは現在時刻と製造時刻の時間差で製品時間寿命を比較する寿命比較部302と、電気製品の稼働時間または通電時間の積算を算出し、記憶部に記憶する積算時間管理部303と、現在時刻で電気製品の内蔵時計を補正する時刻補正部304を備える。なお、電気製品に内蔵時計が備わっていない場合、時刻補正部304はなくてもよい。記憶部33は、内部時刻記憶部310と、製品寿命記憶部311と、積算時間記憶部312とを備える。
【0092】
寿命管理装置300の寿命管理部301、寿命比較部302、積算時間管理部303、時刻補正部304、内部時刻記憶部310、製品寿命記憶部311、積算時間記憶部312の具体的構成及び機能は夫々、実施の形態1における寿命管理装置200の寿命管理部201、寿命比較部202、積算時間管理部203、時刻補正部204、内部時刻記憶部210、製品寿命記憶部211、積算時間記憶部212と基本的に同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0093】
以下、実施の形態2に係る寿命管理装置300が実行する処理手順を、フローチャートを参照して説明する。図12、図13は本発明の実施の形態2に係る寿命管理装置の動作を示すフローチャートである。
【0094】
なお、空気調和機300は前述の通り室内機7と室外機14からなるセパレート型である。寿命管理装置300は、室内機7と室外機14のそれぞれに搭載されており、室内機7の寿命管理装置300aは室内機7の寿命を設定管理する。室外機14の寿命管理装置300bは室外機14の寿命を設定管理する。まず、室内機7に搭載されている寿命管理装置300aが実行する処理手順について説明する。
【0095】
(寿命管理装置300aの動作概要)
室内機7の制御装置17は、室内機7に外部電源が供給されると作動し、外部電源の供給がなくなると、内蔵電源により時計のみを作動させるように構成されている。したがって、寿命管理装置300aは、室内機7に外部電源が供給され制御装置17が稼働されている間に機能する。
【0096】
室内機7に外部より電源が供給されると、制御装置17が起動し、記憶部173に記憶されている寿命管理用プログラム17Pを一時記憶部172に読み出して実行することにより、寿命管理装置300aが起動する(ステップS201)。寿命管理装置300aの制御部32の積算通電回数管理部309は、記憶部33の積算通電回数記憶部315から積算通電回数の値を読み出して1回インクリメントし、該インクリメントした積算通電回数で積算通電回数記憶部315を上書きする(ステップS202)。積算通電時間管理部308は、記憶部33内の積算通電時間記憶部314の値を読み出して、積算通電時間のカウントを開始する(ステップS203)。
【0097】
積算通電回数管理部309は、記憶部33の製品寿命記憶部に記憶されている積算通電回数寿命を読み出して、該積算通電回数寿命と積算通電回数記憶部315に記憶されている値とを比較して積算通電回数が積算通電回数寿命に到達するか否かを判定する(ステップS204)。積算通電回数が積算通電回数寿命を超えたと判定した場合(ステップS204:YES)、寿命管理部301は所定の寿命到達信号を制御装置17に対して出力し(ステップS205)、処理を終了する。制御装置17はこの信号を受けて室内機7の運転ランプを点滅させ、さらにユーザの操作、例えばリモコンによる運転開始を禁止する。空気調和機の本体と送受信可能なリモコンであれば、リモコンにエラーコードを表示するか、またはサービスに問い合わせるようにメッセージを表示させてもよい。
【0098】
積算通電回数が積算通電回数寿命を超えていないと判定した場合(ステップS204:NO)、検知間隔タイマ(図示せず)を作動する(ステップS206)。この検知間隔タイマのタイマ時間は、例えば24時間(1日)としてもよいし、1週間でも1ヶ月でも電気製品に応じた値でよい。該タイマ時間は、空気調和機が製造される過程であらかじめ記憶させられる。例えば、空気調和機の組立工程の最終プロセスで記憶させられる。なお、該タイマ時間は、ユーザにて再設定可能とする。さらに、該検知間隔タイマは無効化になるように、ユーザにて設定可能とする。
【0099】
室内機7に外部電源が供給され、現在時刻取得装置が使用可能な状態になると、現在時刻受信部31は、該現在時刻取得装置から現在の時刻を受信する(ステップS207)。時刻補正部304は、受信した現在時刻と、記憶部33の内部時刻記憶部310に記憶している内部時刻とを比較し、一定以上の差異があった場合には、受信した現在時刻で内部時刻記憶部310を上書きして内部時刻補正する(ステップS208)。例えば、時刻差が3分以上あった場合には内部時刻を補正し、3分未満であれば補正は行わない。もしくは、所定の期間以上内部時刻を補正しない期間が続けば、現在時刻と内部時刻との時刻差が僅少であっても内部時刻を補正する方法も考えられる。この所定の期間とは、例えば、前回補正してから1週間経過していた場合や、1ヶ月が経過していた場合などが考えられる。
【0100】
時刻寿命比較部305は記憶部33の製品寿命記憶部311から製品時刻寿命を取得し、該取得した製品時刻寿命と先に受信した現在時刻とを比較して現在時刻が製品時刻寿命に到達するか否かを判定する(ステップS209)。現在時刻が製品時刻寿命に到達したと判定した場合(ステップS209:YES)、寿命管理部301は、所定の寿命到達信号を出力し(ステップS205)、処理を終了する。例えば、製品時刻寿命に2010年1月と記憶された電気製品で、取得した現在時刻が2010年2月1日10時00分の場合、製品寿命に到達したと判定されて寿命到達信号が制御装置17に出力される。
【0101】
一方、現在時刻が製品時刻寿命に到達しないと判定した場合(ステップS209:NO)、積算通電時間管理部308は、カウントしていた積算通電時間の値と、記憶部33の製品寿命記憶部311から読み出した積算通電時間寿命の値を比較して積算通電時間の値が積算通電時間寿命の値に到達するか否かを判定する(ステップS210)。積算通電時間の値が積算通電時間寿命の値を超えたと判断された場合(ステップS210:YES)、寿命管理部301は、所定の寿命到達信号を室内機7の制御装置17に出力し、処理を終了する(ステップS205)。例えば、製品寿命記憶部311に記憶されている積算通電時間寿命が87600時間(約10年)で、カウントしていた積算通電時間の値が87600時間を超えた場合、製品寿命に到達したと判定されて寿命到達信号が制御装置17に出力される。
【0102】
一方、積算通電時間の値が積算通電時間寿命の値に到達しないと判定した場合(ステップS210:NO)、寿命管理装置300aは検知間隔タイマがタイムアウトするまで待機状態となる。ここで、ユーザの操作により、空気調和機が冷房、除湿、または暖房運転などを開始するとき、ユーザからの運転開始の指示が室内機7の制御装置17へ送信される。室内機7の制御装置17は、運転開始の指示を受信して、室内機7を待機状態から運転状態へ移行させて室外機14への電源供給を開始するとともに、寿命管理装置300aに対して運転開始を通知する(ステップS211:YES)。具体的には、室内機7の制御装置17は室内機7の運転ランプや送風機や風向き変更板などの装置を所定の状態に制御すると共に、室外機14への電源供給を開始する。同時に、寿命管理装置300aに対して運転開始を通知し、寿命管理装置300aで室内機7の稼働時間計測を開始する。これにより、空気調和機100が運転状態になる。ここで、稼働時間とは、室内機7が運転状態にある時間をさす。室内機7が運転状態に変わっても、積算通電時間のカウントは継続される。また、ユーザの操作により、運転停止の指示が室内機7の制御装置17へ送信される場合、室内機7の制御装置17は、運転停止の指示を受信して、室内機7を運転状態から待機状態へ移行させ室外機14への電源供給を停止するとともに、寿命管理装置300aに対して運転停止を通知する。
【0103】
一方、寿命管理装置300aは待機状態のままユーザの操作による空気調和機の運転が開始されなかった場合(ステップS211:NO)、検知間隔タイマがタイムアウトしていない場合(ステップS212:NO)、ステップS211へ戻り、待機状態を継続する。検知間隔タイマがタイムアウトした場合(ステップS212:YES)、ステップS206へ戻って再度検知間隔タイマを作動させる。これにより、室内機7に通電されている間は定期的に現在時刻を受信して、製品寿命を判定できる。
【0104】
室内機7が運転を開始した場合(ステップS211:YES)、積算稼働時間管理部307は、記憶部33内の積算稼働時間記憶部313に対して、積算稼働時間のカウントを開始する(ステップS213)。そして、寿命管理装置300aは、室内機7の制御装置17からの運転停止通知を受信したか否かを判断する(ステップS214)。ユーザの操作により、空気調和機が冷房、除湿、または暖房運転を停止し、寿命管理装置300aは制御装置17からの運転停止通知を受信するまで、運転停止通知の受信に係る判定を繰り返す(ステップS214:NO)。ここで、ユーザの操作によって空気調和機の運転が停止し、寿命管理装置300aは制御装置17からの運転停止通知を受信した場合(ステップS214:YES)、積算稼働時間のカウントを停止してカウントしていた値を記憶部33に保存する(ステップS215)。なお、積算稼働時間のカウントは、カウントする毎にその値を記憶部33に保存するとしてもよい。この場合、停電などによって突然カウントが中断された場合でも正確な積算稼働時間を保持できる。
【0105】
積算稼働時間管理部307は、カウントしていた積算稼働時間の値と、記憶部33の製品寿命記憶部311から読み出した積算稼働時間寿命の値を比較して、積算稼働時間の値が積算稼働時間寿命の値に到達したかどうかを判定する(ステップS216)。積算稼働時間の値が積算稼働時間寿命の値を超えたと判断された場合(ステップS216:YES)、寿命管理部301は、所定の寿命到達信号を室内機7の制御装置17に出力し(ステップS205)、処理を終了する。
【0106】
一方、積算稼働時間の値が積算稼働時間寿命の値に到達しないと判定した場合(ステップS216:NO)、寿命管理装置300aは、ステップS206へ進む。これにより、現在時刻の取得及び時刻・時間による寿命評価は、定期的に実行される。また、空気調和機100は稼働状態にある場合、積算稼働時間寿命に係る評価及び制御は行われない。これにより、空気調和機100は稼働しているとき、ユーザに迷惑がかからないように、寿命管理による運転制限が行われず、ユーザの操作によって空気調和機100の運転が停止された後、現在時刻の取得及び時刻・時間による寿命評価は、定期的に実行される。
【0107】
(寿命管理装置300bの動作概要)
次に室外機14に搭載されている寿命管理装置300bの動作を説明する。室外機14の制御装置18は、室内機7を経由して外部電源が供給されると作動するように構成されている。したがって、寿命管理装置300bは、室外機14に外部電源が供給され制御装置18が稼働されている間に機能する。室外機14に搭載された寿命管理装置300bの動作フローは、前述した室内機7に搭載された寿命管理装置300aの動作フローとほぼ同一である。したがって詳細の説明を省略するが、動作フローにおいて室内機7と異なる部分を以下に説明する。
【0108】
室外機14の制御装置18は、記憶部に記憶されている寿命管理用プログラムを一時記憶部に読み出して実行することにより、制御装置18を寿命管理装置300bとして動作させる。記憶部では、室外機14の製造工程において、室外機14を構成するコンプレッサ11の製品時間寿命と積算稼働時間寿命と前記コンプレッサ11を制御するIPM19の積算通電時間寿命と室外機14の製造時刻が記憶されている。積算通電時間評価では、IPM19の積算通電時間寿命を評価する。積算稼働時間評価では、コンプレッサ11の積算稼働時間寿命を評価する。
【0109】
また、室外機14は、内蔵時計を持たないため、寿命管理装置300bの時刻補正部とそれに係る内部時刻記憶部は動作しない。寿命管理装置300bによる積算通電時間、積算稼働時間のカウントは、制御部32のカウント機能を利用して行われる。室外機14のおける製品時刻寿命による経時劣化評価では、製品時刻寿命が設定されていないため、現在時刻と室外機14の製造時刻の時間差を算出し、コンプレッサの製品時間寿命とを比較することで評価する。また、室外機14に供給される外部電源とは、室内機7から供給される運転電流のことである。本実施例2では省電力のため、ユーザが冷房、暖房、除湿などの運転を開始したときに室内機7は室外機14に電流を供給し、ユーザが冷房、暖房、除湿などの運転を停止したときに室内機7は室外機14への電流を遮断するようにしている。これによると、室外機14への電流が供給されている時間が室外機14の稼働時間となるが、室内機7はユーザが冷房、暖房、除湿などの運転を停止した直後には室外機14への電流を遮断せず、室外機の電装品を冷却するために一定時間室外機7の送風ファンを回転させる電力を供給する。この一定時間の間に寿命管理装置300bによる室外機14の積算稼働時間の評価が行われる。
【0110】
室外機14に搭載された寿命管理装置300bによって出力された寿命到達信号は、室外機14の制御装置18にて所定のエラーコードに変換された後、室内機7の制御装置17に送信される。したがい、室内機7の制御装置17は室外機14が寿命到達したことを検知し、空気調和機100の動作を制限する。すなわち、室内機7の制御装置17は室外機14の寿命到達信号を検知すると、室内機7の運転ランプを点滅させ、さらにユーザ操作例えばリモコンによる運転開始を禁止する。送受信可能なリモコンであれば、リモコンにエラーコードを表示するか、またはサービスに問い合わせるようにメッセージを表示させてもよい。
【0111】
以上の実施の形態では、寿命管理装置を空気調和機の室内機及び室外機にそれぞれ搭載した場合の例について説明したが、これに限らない。室内機又は室外機に1つの寿命管理装置を搭載し、該寿命管理装置で室内機及び室外機の経時劣化を一元的に管理してもよい。
【0112】
以上、空気調和機に搭載した場合の例について説明したが、本発明にかかる寿命管理装置は一般の家電製品にも同様の形式で適用可能である。
例えば冷蔵庫に搭載する場合では、冷蔵庫の製造時刻と、冷蔵庫の主要備品であるコンプレッサの製品時間寿命と、積算通電時間寿命を設定し、寿命管理装置にて製品寿命を管理する。ただし冷蔵庫のようにほんの少しの時間でも停止すると使用者に不都合が発生する電気製品に搭載する場合には、製品寿命に到達して電気製品寿命管理設定装置が運転を停止する前に使用者に製品寿命に近づいていることを通知するのが望ましい。例えば、製品寿命に到達する1ヶ月前に寿命管理部から信号を発生するようにすれば、冷蔵庫の運転が停止する1ヶ月前には冷蔵庫の制御部は表示部や運転ランプ、またはブザー音を通じて使用者に製品寿命が近づいていることをあらかじめ通知できる。
【0113】
また、製品に搭載する以外の例として、ホームネットワークのように家庭内のネットワーク上にある電気製品を一元管理する端末上で、コンピュータプログラムにて家庭内の電気製品の稼働時間や製造時刻からの経時劣化を管理することも可能である。
【0114】
なお、開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0115】
100 空気調和機(電気製品)
17、18 制御装置
200 寿命管理装置
21 現在時刻取得部
201 寿命管理部
202 寿命比較部
204 時刻補正部
207 積算稼働時間管理部
208 積算通電時間管理部
23 記憶部
300 寿命管理装置
31 現在時刻受信部
301 寿命管理部
302 寿命比較部
304 時刻補正部
307 積算稼働時間管理部
308 積算通電時間管理部
33 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気製品を構成する部品の一部又は全部の寿命を管理する寿命管理装置において、
標準時刻を取得する現在時刻取得部と、
前記部品の一部又は全部の寿命をあらかじめ記憶する記憶部と、
前記現在時刻取得部が取得した標準時刻と前記寿命とを比較する寿命比較部と、
前記寿命比較部が、前記標準時刻が前記寿命を超えていると判断した場合、所定の信号を出力する寿命管理部と
を備えることを特徴とする寿命管理装置。
【請求項2】
前記寿命は時刻で示す時刻寿命である
ことを特徴とする請求項1に記載の寿命管理装置。
【請求項3】
前記寿命は時間で示す時間寿命であり、
前記記憶部は、前記部品の一部又は全部の製造時刻をあらかじめ記憶しており、
前記寿命比較部は、前記取得した標準時刻と前記製造時刻との時間差を検出し、該時間差と前記時間寿命とを比較し、
前記寿命管理部は、前記寿命比較部が前記時間差が前記時間寿命を超えていると判断した場合、前記所定の信号を出力するように構成してある
ことを特徴とする請求項1に記載の寿命管理装置。
【請求項4】
前記標準時刻の取得、前記寿命比較部による比較及び判断は時系列的に行なわれるように構成してある
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の寿命管理装置。
【請求項5】
時計と、
前記現在時刻取得部が取得した標準時刻で前記時計の時刻を補正する時刻補正部と、
前記時計を利用して前記部品の一部又は全部の稼働時間を積算する積算稼働時間管理部と
をさらに備え、
前記記憶部は、前記部品の一部又は全部の積算稼働時間寿命をあらかじめ記憶しており、
前記寿命比較部は、前記積算稼働時間管理部が積算した稼働時間と前記積算稼働時間寿命とを比較し、
前記寿命管理部は、前記寿命比較部が前記積算した稼働時間が前記積算稼働時間寿命を超えていると判断した場合、前記所定の信号を出力するように構成してある
ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の寿命管理装置。
【請求項6】
時計と、
前記現在時刻取得部が取得した標準時刻で前記時計の時刻を補正する時刻補正部と、
前記時計を利用して前記部品の一部又は全部の通電時間を積算する積算通電時間管理部と
をさらに備え、
前記記憶部は、前記部品の一部又は全部の積算通電時間寿命をあらかじめ記憶しており、
前記寿命比較部は、前記積算通電時間管理部が積算した通電時間と前記積算通電時間寿命とを比較し、
前記寿命管理部は、前記寿命比較部が前記積算した通電時間が前記積算通電時間寿命を超えていると判断した場合、前記所定の信号を出力するように構成してある
ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の寿命管理装置。
【請求項7】
前記記憶部は、複数の電気製品について、それぞれの部品の一部又は全部の寿命をあらかじめ記憶しており、
前記寿命比較部は、前記取得した標準時刻と前記複数の電気製品の寿命とをそれぞれ比較し、
前記寿命管理部は、前記寿命比較部が前記標準時刻が前記寿命を超えていると判断した場合、前記所定の信号を出力するように構成してある
ことを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の寿命管理装置。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか1項に記載の寿命管理装置を備えることを特徴とする電気製品。
【請求項9】
前記寿命管理装置の寿命管理部は所定の信号を出力した場合、その動作を制限するように構成してある制御装置をさらに有する
ことを特徴とする請求項8に記載の電気製品。
【請求項10】
電気製品を構成する部品の一部又は全部の寿命を管理する寿命管理方法において、
標準時刻を取得するステップと、
あらかじめ記憶部に記憶されている前記部品の一部又は全部の寿命を読み出すステップと、
取得した前記標準時刻と読み出した前記寿命とを比較し、前記標準時刻が前記寿命を超えていると判断した場合、所定の信号を出力するステップと
を備えることを特徴とする寿命管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−185547(P2011−185547A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52199(P2010−52199)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】