説明

封入式の弾球遊技機

【課題】消費電力や騒音を抑えることができる封入式のパチンコ機を提供する。
【解決手段】封入式のパチンコ機1では、発射制御装置35から発射され、遊技に使用された遊技球は、回収経路51を流下し、発射制御装置35に供給されて再び遊技に使用される。また、遊技中に開始条件(前回の遊技球の研磨から一定時間が経過する等の条件)が成立すると、研磨装置46の研磨機構46aが回収経路51に接近した状態となり、回収経路51を流下する遊技球の研磨が行われる。そして、一定時間にわたり研磨が行われると、研磨機構46aが回収経路51から離間した状態となり、遊技球の研磨が停止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、封入式の弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境に優しいエコな弾球遊技機として、内部に封入された所定数の遊技球を循環的に使用して遊技を行う封入式の弾球遊技機が注目を集めている。この封入式の弾球遊技機では、発射装置により遊技領域に向けて発射され、遊技に使用された遊技球が弾球遊技機内部で回収され、再び発射装置により発射されると共に、ICカードを用いて遊技者の持球の数がデータとして管理される。
【0003】
すなわち、遊技者は、ICカードに設定された金額の範囲内で貸し球を購入することができ、遊技を行う際、購入した貸し球は持球として弾球遊技機に一時的に記憶され、遊技球の発射や賞球の付与に応じて持球の数が更新される。そして、遊技を終了する際には、その時点の持球の数が遊技者のICカードに記憶され、これに基づき景品交換が行われる。このため、賞球として弾球遊技機から排出された遊技球をドル箱に貯めておくといったことが無く、景品交換の際の手間を大幅に省くことができる。
【0004】
また、従来は、複数の弾球遊技機が設置された島全体で遊技球が循環されており、各弾球遊技機で遊技に使用された遊技球を集めて揚送し、遊技球を上方から各弾球遊技機に供給していた。そして、島内部に球磨き装置が設けられており、遊技球を循環させる過程で球磨きが行われ、遊技球の汚れが除去されていた。
【0005】
これに対し、封入式の弾球遊技機では、遊技領域上の入賞口やアウト口等に繋がる経路を流下する遊技球を集めて発射装置に誘導し、再び発射するので、遊技球の揚送が不要となると共に、循環させる遊技球が少なくて済み、島全体或いはパチンコ店全体としての消費電力の低下が期待される。
【0006】
ここで、封入式の弾球遊技機では、特許文献1,2に記載されているように、弾球遊技機の内部に球磨き装置を設け、遊技球が内部を循環する過程で球磨きを行う必要がある。そして、このように個々の弾球遊技機で球磨きを行う場合には、従来のように島側で大量の遊技球に対して一括して球磨きを行う場合に比べ、騒音の低下が期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特公平6−98222号公報
【特許文献2】特開2009−297149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、遊技中、画像や音声等による各種演出と並行して球磨きが行われるとなると、従来よりも個々の弾球遊技機の消費電力や騒音が増加する可能性があり、ひいては、島全体、或いはパチンコ店全体としての消費電力や騒音が大きくなってしまうおそれがある。
【0009】
本願発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、消費電力や騒音を抑えることができる封入式の弾球遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題に鑑みてなされた請求項1に記載の発明は、発射装置により遊技盤上の遊技領域に向けて発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を発射装置により再度発射することで、内部に封入された所定数の遊技球を循環的に使用して遊技を行う封入式の弾球遊技機に係るものである。
【0011】
この封入式の弾球遊技機は、発射装置により発射された遊技球を回収する回収手段と、回収手段により回収された遊技球を、再度発射させるために発射装置に誘導する誘導手段と、誘導手段により誘導される遊技球の汚れを除去する除去手段と、遊技中に予め定められた開始条件が成立すると、除去手段に対し、誘導手段により誘導される遊技球の汚れの除去を行わせる除去制御手段と、を備える。
【0012】
そして、誘導手段は、回収手段により回収された遊技球を、再度発射させるために発射装置に誘導する発射装置誘導経路として構成されており、除去手段は、発射装置誘導経路に対する接近と離間が可能であり、発射装置誘導経路に接近した際には、発射装置誘導経路により誘導される遊技球に当接し、該遊技球を研磨することで汚れを除去すると共に、発射装置誘導経路から離間した際には、発射装置誘導経路による遊技球の誘導を妨げることが無い状態となるよう構成されており、除去制御手段は、開始条件の成立前は、除去手段を発射装置誘導経路から離間させた状態とし、開始条件が成立すると、除去手段を発射装置誘導経路に接近させ、除去手段に対し遊技球の研磨を行わせることで、遊技球の汚れの除去を行わせる。
【0013】
このような構成によれば、遊技中に、常時遊技球の汚れの除去が行われてしまうことが無く、断続的に遊技球の汚れの除去を行うことができる。このため、封入式の弾球遊技機における消費電力や騒音を抑えることができる。
【0014】
なお、封入式の弾球遊技機においては、遊技者が遊技球に直接手で触れることは無いため、従来の弾球遊技機に比べ、遊技球に汚れが付着するペースは遅いと考えられる。このため、封入式の弾球遊技機の稼動中や遊技中に常時遊技球の汚れの除去を行わなくとも、遊技に支障をきたすことや、遊技球の汚れが遊技領域等に付着し、見栄えが悪化することは無いと考えられる。
【0015】
また、除去手段は、発射装置誘導経路への接近と離間が可能であると共に、除去手段を発射装置誘導経路に接近させることで遊技球を研磨するよう構成されているため、遊技球の汚れの除去を行うか否かを、確実に切り替えることができる。
【0016】
また、次のようにして遊技球の汚れの除去を行うか否かを切り替えても良い。
すなわち、誘導手段は、回収手段により回収された遊技球を、再度発射させるために発射装置に誘導する第一誘導経路及び第二誘導経路として構成されており、除去手段は、第一誘導経路を誘導される遊技球の汚れを除去し、除去制御手段は、開始条件の成立前は、第二誘導経路により遊技球を発射装置に誘導することで、除去手段に対し遊技球の汚れの除去を行わせず、開始条件が成立すると、第一誘導経路により遊技球を発射装置に誘導し、除去手段に対し該遊技球の汚れの除去を行わせても良い。
【0017】
このような構成を有する場合であっても、遊技中に遊技球の汚れの除去を行うか否かを、確実に切り替えることができる。
なお、開始条件とは、次のような内容の条件であっても良い。
【0018】
すなわち、請求項2に記載されているように、開始条件とは、遊技球の汚れの除去が行われた後、予め定められた時間が経過するという条件であっても良い。
こうすることにより、遊技中に、一定の時間間隔を空けて間欠的に遊技球の汚れの除去を行うことができ、消費電力や騒音を抑えつつ、遊技球が汚れていない状態に保つことができる。
【0019】
また、請求項3に記載されているように、開始条件とは、予め定められた時刻が到来するという条件であっても良い。
ここで、予め定められた時刻とは、所定の年月日時として設定されていても良いし、毎月10日の特定時刻、或いは、特定の曜日の特定の時刻といった具合に設定されていても良い。
【0020】
こうすることにより、遊技球の汚れが酷くなる前に、自動的に汚れの除去を行うことができる。
ところで、請求項4に記載されているように、除去制御手段は、予め定められた時間にわたり、除去手段に対し遊技球の汚れの除去を行わせても良い。
【0021】
こうすることにより、適度に遊技球の汚れの除去を行うことができる。
また、請求項5に記載されているように、輝度に基づき遊技球の汚れの度合いを測定する測定手段をさらに備え、除去制御手段は、測定手段により測定された遊技球の汚れの度合いが予め定められた度合いに達するまで、除去手段に対し遊技球の汚れの除去を行わせても良い。
【0022】
こうすることにより、遊技球の汚れが十分に除去されるまで汚れの除去を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】パチンコ機の正面図である。
【図2】第一実施形態におけるパチンコ機の遊技領域や遊技球の経路等の背面図を模式的に示す説明図である。
【図3】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】汚れ除去開始処理,汚れ除去終了処理についてのフローチャートである。
【図5】発射制御処理についてのフローチャートである。
【図6】第二実施形態におけるパチンコ機の遊技領域や遊技球の経路等の背面図を模式的に示す説明図である。
【図7】第三実施形態におけるパチンコ機の遊技領域や遊技球の経路等を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0025】
[第一実施形態]
[構成の説明]
(1)封入式パチンコ機について
まず、封入式パチンコ機(以下、単にパチンコ機とも記載)について説明する。封入式パチンコ機は、発射制御装置により遊技盤に向けて発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を発射制御装置により再度発射することで、内部に封入された所定数の遊技球を循環的に使用して遊技を行うパチンコ機である。該パチンコ機で遊技を行う遊技者は、遊技球を直接手にすることはなく、パチンコ機に表示される持球(遊技に用いることができる遊技球)の数に基づいて遊技を行う。
【0026】
各パチンコ機には、ICカード処理装置が設けられており、遊技者所有の遊技カード(ICカード)をこれに挿入して所定の球貸処理を行うことにより、遊技者に持球が付与され、パチンコ機での遊技が可能となる。この遊技カードには、球貸しを行うための残高や、遊技で得た持球などの各種情報が記憶されている。
【0027】
遊技者が遊技カードをICカード処理装置へ挿入して球貸操作を行えば、遊技カードの照合処理が行われた後、遊技カードの残高から所定額が減算されるのと引換えに遊技者に所定数の持球が付与され、その持球数がパチンコ機に表示される。
【0028】
そして、遊技が開始されると、遊技球の発射に応じて持球が減算されると共に、入賞口への入球により賞球が付与された際にはこれに応じて持球が加算され、パチンコ機には最新の持球数が表示される。また、発射制御装置から発射され、遊技盤上の遊技領域に到達した遊技球の数(インとも記載)や、遊技領域を通過した遊技球の数(アウトとも記載)や、賞球の数や、大当りの発生等といった遊技情報が、パチンコ機から管理用コンピュータに送信される。
【0029】
また、持球を有した状態で遊技を終了した遊技者が精算操作を行えば、持球の数が遊技カードに記憶され、遊技者は、記憶された持球の数に応じて各種景品を得ることができる。
【0030】
(2)パチンコ機の全体構成について
次に、第一実施形態のパチンコ機1の全体の構成について、図1を用いて説明する。
図1に示すように、パチンコ機1は、上述のICカード処理装置100と隣り合わせで配置されている。ICカード処理装置100には、カード挿入口110が設けられており、カード挿入口110に遊技カードを挿入することで、球貸操作等が可能となり、パチンコ機1での遊技が可能となる。
【0031】
また、パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠2にて各部を保持する構造を有している。
外枠2の左側上下には、ヒンジ5が設けられていると共に、該ヒンジ5には内枠3が取り付けられており、内枠3は外枠2に対して開閉可能な構成になっている。
【0032】
また、内枠3には、ヒンジ5等により前枠4が開閉可能に取り付けられていると共に、この前枠4には、板ガラス6が取り外し自在に設けられており、板ガラス6の奥には、内枠3に取り付けられた遊技盤7が配されている。
【0033】
前枠4の上部左右には、スピーカ(図示無し)が設けられており、パチンコ機1から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠4に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプも複数設けられている。
【0034】
前枠4の下方右側には発射ハンドル9が取り付けられており、該発射ハンドル9を時計回りに回動操作することによって発射制御装置(詳細は後述する)が可動して、遊技球が遊技盤7に形成された遊技領域7aに向けて発射される。
【0035】
また、前枠4の下方には、遊技者とのインターフェースとなるコントロール部8が設けられている。このコントロール部8には、球貸しを行う(遊技カードの残高と引き換えに持球を得る)引落ボタン8aと、持球の数を遊技カードに記憶する精算ボタン8bと、遊技を終了して持球の数を遊技カードに記憶し、遊技カードをICカード処理装置100から取り出す返却ボタン8cと、遊技カードの残高や持球の数を表示する表示器8dが設けられている。なお、引落ボタン8aの操作が上述の球貸操作に、精算ボタン8bや返却ボタン8cの操作が上述の精算操作に相当する。
【0036】
また、図1は、板ガラス6の奥に位置する遊技盤7の遊技領域7aの様子を概略的に示している。遊技領域7aは、ガイドレール16等によって囲まれた略円形の領域であると共に、多数の遊技釘が打ち付けられており、発射制御装置から発射された遊技球は、ガイドレール16によって遊技領域7aに誘導される。
【0037】
そして、遊技領域7aのほぼ中央部には、ワープ通路やステージ等が形成されたセンターケースや窓が設けられており、この窓の奥には、演出図柄表示装置33bの液晶画面が配される。また、これら以外にも、遊技領域7aには、常時入賞可能な第1始動口11や、普通電動役物として構成された第2始動口12や、一般入賞口13や、アタッカー式の大入賞口14等の役物(入賞口)や、アウト口15,特図表示装置,特図保留数表示装置等が設けられている。
【0038】
(3)遊技球の循環について
次に、第一実施形態のパチンコ機1における遊技球を循環させる仕組みについて説明する。図2には、パチンコ機1の遊技領域7aや、遊技球の発射制御装置35や、遊技球を誘導する経路等の背面図を模式的に示す説明図が記載されている。
【0039】
パチンコ機1では、発射制御装置35と遊技領域7aとが、発射経路50により繋がっており、発射制御装置35から発射された遊技球は、発射経路50を通って遊技領域7aに到達する。なお、発射経路50の一部は、遊技盤7上に設けられたガイドレール16により形成されている。
【0040】
また、遊技領域7aに到達した遊技球は、第1,第2始動口11,12等の入賞口に入球するか、或いは、アウト口15に入球するが、それぞれの入賞口,アウト口15は、入球した遊技球を誘導する誘導経路に繋がっており、これらの誘導経路を流下する遊技球は、回収経路51に導かれる。
【0041】
また、発射制御装置35から発射された遊技球の速度が低い場合には、遊技領域7aに到達せず、遊技球が発射経路50を逆流するが、このような遊技球は、発射経路50に形成されたファール球取込口50aからファール球として回収され、ファール球取込経路(図示無し)を経由して回収経路51に導かれる。
【0042】
また、回収経路51は、発射制御装置35に繋がっており、遊技球を流下させて発射制御装置35に導くと共に、回収経路51上には、回収経路51を流下する遊技球を研磨する研磨装置46が設けられている。
【0043】
この研磨装置46は、二つの滑車と、滑車を回転させるためのモータと、これらの滑車に張った状態で掛け渡された(これらの滑車に係回された)環状のベルト等からなる研磨機構46aと、該研磨機構46aを回収経路51に対し接近,離間させる制御機構46b等から構成されている。
【0044】
研磨機構46aのベルトの外側には、研磨部材(例えば、布,発泡性ゴム,スポンジ)が配されていると共に、研磨機構46aは、ふたつの滑車の間に位置するベルトが回収経路51に沿うように配される。
【0045】
そして、研磨機構46aが回収経路51に接近した際には、回収経路51側に位置するベルトと回収経路51の壁面との間に、遊技球の直径よりもやや狭い幅の通路が形成された状態となる。
【0046】
このとき、研磨機構46aは、ばね等の弾性部材により回収経路51の上記壁面の方向に付勢された状態となっており、回収経路51側に位置するベルトが遊技球の流下方向に循環的に移動するようにモータが駆動される。これにより、該ベルトと上記壁面に挟まれた状態で遊技球が流下方向に移動し、このときに遊技球が研磨部材により研磨され、汚れが除去される。
【0047】
一方、研磨機構46aが回収経路51から離間した際には、回収経路51側に位置するベルトと上記壁面との間に、遊技球の直径よりも広い幅の通路が形成された状態となると共に、モータの駆動が停止され、遊技球は、研磨機構46aにより妨げられること無く回収経路51を流下する(換言すれば、研磨機構46aが離間した際には、モータを駆動しなくても、回収経路51における研磨機構46aの配置位置を遊技球が通過可能な状態に維持される)。
【0048】
さらに、回収経路51における研磨装置46が配された位置の上流側に隣接して、遊技球の汚れ度合いを検出するための測定装置44が設けられていても良い。この測定装置44は、遊技球に光を照射する光源と、光源により照らされた遊技球の輝度を測定するセンサとから構成されており、パチンコ機1を統括制御する主制御装置からの指示に応じて輝度の測定を行い、測定結果を示す信号を主制御装置に出力する。また、主制御装置では、該信号に基づき遊技球の輝度を特定し、これに基づき、遊技球の汚れ度合いを検出する。
【0049】
また、発射経路50の始点の付近(発射制御装置35の配置位置の付近)には、遊技球の通過を検出する発射球センサ41が設けられていると共に、発射経路50に形成されたファール球取込口50aには、ファール球の通過を検出するファール球センサ43が設けられている。また、回収経路51における測定装置44の配置位置の上流側であって、ファール球が合流する地点の下流側の位置には、アウト球センサ42が設けられている。
【0050】
パチンコ機1の主制御装置は、遊技中、これらのセンサを用いて、各地点を通過する遊技球の数をカウントする。そして、主制御装置は、発射球センサ41を用いてカウントされた遊技球の数から、ファール球センサ43を用いてカウントされた遊技球の数を減じた数を、インとして算出すると共に、アウト球センサ42を用いてカウントされた遊技球の数から、ファール球センサ43を用いてカウントされた遊技球の数を減じた数を、アウトとして算出し、イン及びアウトを、外部に設けられた管理用コンピュータに一定間隔で送信する。
【0051】
なお、イン,アウトをカウントするためのセンサの配置は、これに限定されることは無く、例えば、発射球センサ41を、発射経路50におけるファール球取込口50aよりも終点側に設け、該発射球センサ41を用いてカウントした遊技球の数を、インとしても良い。
【0052】
また、例えば、アウト球センサ42を、回収経路51における、入賞口及びアウト口15に入球した遊技球の合流地点の下流側であって、ファール球の合流地点の上流側の位置に設け、アウト球センサ42を用いてカウントした遊技球の数をアウトとしても良い。
【0053】
(4)電気的構成について
次に、第一実施形態のパチンコ機1の電気的構成について、図3に記載のブロック図を用いて説明する。このパチンコ機1の電気的構成は、図3のブロック図に示すとおり、主制御装置30を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、電源基板等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置30、演出図柄制御装置33a、サブ統合装置32のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では、発射制御装置35、電源基板にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置35にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0054】
主制御装置30には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1特図始動SW11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2特図始動SW12a、普通図柄作動ゲート(図示無し)に進入した遊技球を検出する普通図柄作動SW12c、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントSW14a、一般入賞口13に入球した遊技球を検出する一般入賞口SW13a等の検出信号が入力される。
【0055】
主制御装置30は、搭載しているプログラムに従って動作し、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成してサブ統合装置32に出力する。
また、主制御装置30は、図柄表示装置中継端子板26を介して接続されている第1特図表示装置17,第2特図表示装置18,普通図柄表示装置21の表示や、第1特図保留数表示装置19,第2特図保留数表示装置20,普図保留数表示装置22の点灯を制御する。
【0056】
更に、主制御装置30は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通役物ソレノイド12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。
【0057】
また、主制御装置30は、ICカード中継基板23を介してICカード処理装置100と通信可能に構成されている。また、主制御装置30は、ICカード中継基板23を介して表示器8dに持球数を表示させると共に、引落ボタン8a,精算ボタン8b,返却ボタン8cの操作を検知する。
【0058】
また、主制御装置30は、持球が存在する場合に限り、発射制御装置35による遊技球の発射を許可する。
発射制御装置35は、発射モータ35cを制御して、遊技球を遊技領域7aに遊技球を発射させる。また、主制御装置30に対し、発射した遊技球をカウントするための信号を出力する。
【0059】
なお、発射制御装置35には発射ハンドル9からの回動量信号、タッチSW35bからのタッチ信号、発射停止SW35aから発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル9を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル9を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止SW35aを押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置35に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル9を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
【0060】
サブ統合装置32は、主制御装置30から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置33aに送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ24からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ25を制御する。
【0061】
サブ統合装置32と演出図柄制御装置33aとは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置33aは、サブ統合装置32から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置30から送信されてきたものとサブ統合装置32が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置33bを制御して、演出図柄等の演出画像を表示させる。
【0062】
なお、サブ統合装置32から主制御装置30へのデータ送信は行われない。
また、主制御装置30は、発射球センサ41,アウト球センサ42,ファール球センサ43,経路切替装置45,研磨装置46に接続されており、これらのセンサから信号が入力されると共に、これらの装置の動作を制御する。
【0063】
また、主制御装置30は、測定装置44に接続されており、該装置を制御して遊技球の輝度を測定させると共に、該装置からの信号に基づき遊技球の輝度の測定値を特定し、これに基づき、遊技球の汚れ度合いを検出する。
【0064】
[動作の説明]
次に、第一実施形態のパチンコ機1の動作について説明する。
第一実施形態のパチンコ機1は、遊技中に予め定められた開始条件が成立すると、一定時間にわたり、研磨装置46を作動させて遊技球の汚れの除去が行われる。以下では、遊技球の汚れの除去に関する処理について、詳しく説明する。
【0065】
(1)汚れ除去開始処理について
まず、遊技中に開始条件の成立により遊技球の汚れの除去を開始する汚れ除去開始処理について、図4(a)に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、パチンコ機1の主制御装置30にて定期的に実行される処理である。
【0066】
S205では、主制御装置30は、遊技中か否かを判定する。具体的には、例えば、タッチSW35bからのタッチ信号に基づき、遊技者が発射ハンドル9に触れていることが判明した場合に、遊技中とみなしても良い。また、発射球センサ41やアウト球センサ42からの信号に基づき、発射制御装置35から遊技球が発射されたことが判明した場合に、遊技中とみなしても良い。そして、肯定判定が得られた場合には(S205:Yes)、S210に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S205:No)、本処理を終了する。
【0067】
S210では、主制御装置30は、遊技球の汚れの除去を開始するための開始条件が成立したか否かを判定する。
ここで、開始条件とは、例えば、前回遊技球の汚れの除去が行われた後からの経過時間や、前回遊技球の汚れの除去が行われた後に遊技が行われた時間(遊技時間)が、予め定められた時間に達したという条件であっても良い。
【0068】
また、開始条件とは、例えば、予め設定された時刻(X月X日のX:XXでも良いし、毎週月曜日のX:XXでも良い)を経過したという条件であっても良い。
また、遊技が行われている間に、測定装置44を用いて遊技球の汚れ度合いを検出し、該汚れ度合いが予め定められた閾値以上に高くなることを、開始条件としても良い。
【0069】
そして、肯定判定が得られた場合には(S210:Yes)、S215に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S210:No)、本処理を終了する。
S215では、主制御装置30は、研磨装置46の研磨機構46aを回収経路51に対し接近した状態にすると共に、研磨機構46aのモータを駆動させ、研磨装置46が配された位置に到達した遊技球の研磨が行われる状態とし、本処理を終了する。
【0070】
(2)汚れ除去終了処理について
次に、遊技球の汚れの除去を終了させる汚れ除去終了処理について、図4(b)に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、パチンコ機1の主制御装置30にて定期的に実行される処理である。
【0071】
S305では、主制御装置30は、遊技球の汚れの除去中であるか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S305:Yes)、S310に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S305:No)、本処理を終了する。
【0072】
S310では、主制御装置30は、遊技球の汚れの除去を終了させるための終了条件が成立したか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S310:Yes)、S315に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S310:No)、本処理を終了する。
【0073】
ここで、終了条件とは、例えば、遊技球の汚れの除去が行われた時間(継続時間)が、予め定められた時間に達したという条件であっても良い。
また、主制御装置30は、測定装置44により遊技球の輝度を測定すると共に、測定結果に基づき遊技球の汚れ度合いを検出し、検出された遊技球の汚れ度合いが予め定められた閾値を下回ることを、終了条件としても良い。
【0074】
また、遊技球の汚れの除去を開始する前から、測定装置44により遊技球の汚れ度合いを継続的に検出すると共に、汚れの除去の開始前における汚れ度合いと、開始後における汚れ度合いを比較し、遊技球の汚れ度合いが予め定められた閾値以上に低減したことを、終了条件としても良い。
【0075】
また、主制御装置30は、一定期間にわたり検出された複数の遊技球の汚れ度合いの平均値に基づき、上記終了条件が成立したか否かを判定しても良い。
S315では、主制御装置30は、研磨装置46における研磨機構46aのモータを停止させると共に、研磨機構46aを回収経路51から離間した状態とし、本処理を終了する。
【0076】
なお、言うまでも無く、上述の経過時間や遊技時間や継続時間は、任意に定めることができ、例えば、これらの時間として、数分〜十数分程度の時間を設定し、小刻みに遊技球の汚れの除去を行っても良いし、数十分以上の時間を設定し、一括して遊技球の汚れの除去を行っても良い。
【0077】
(3)発射制御処理について
ところで、第一実施形態のパチンコ機1では、遊技中は、主制御装置30にて持球のカウントが行われ、主制御装置30は、発射球センサ41からの信号に基づき遊技球の発射を検出し、持球の数を減ずると共に、ファール球センサ43からの信号に基づきファール球の発生が検出された場合には、ファール球の数を持球に加える。
【0078】
また、低速で遊技球を発射させ、連続的にファール球を発生させると、発射経路50における始点からファール球取込口50aにかけての区間で球詰まりが発生するおそれがある。そして、既に述べたように、ファール球センサ43はファール球取込口50aに設けられているが、ファール球センサ43の設置状況によっては、この球詰まりを意図的に発生させることでファール球センサ43による遊技球の誤検知が誘発される可能性があり、これにより持球の数を不正に増加させるという行為が行われる可能性がある。
【0079】
このような不正行為への対策として主制御装置30にて行われる発射制御処理について、図5に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、パチンコ機1の主制御装置30にて定期的に実行される処理である。
【0080】
S405では、主制御装置30は、タッチSW35bからのタッチ信号に基づき遊技者が発射ハンドル9に触れているか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S405:Yes)、S410に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S405:No)、本処理を終了する。
【0081】
S410では、主制御装置30は、発射ハンドル9からの回動量信号(操作量信号)に基づき、遊技球が遊技領域7aに到達する速度で発射されるか否か(ファール球とならない速度で発射されるか否か)を判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S410:Yes)、S415に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S410:No)、本処理を終了する。
【0082】
S415では、主制御装置30は、発射制御装置35に対し、発射ハンドル9からの回動量信号に応じた速度での遊技球の発射を許可し、本処理を終了する。
この発射制御処理により、ファール球を発生させること無く遊技を行うことができ、遊技をし易くすることができる。また、故意にファール球を発生させて不正に持球の数を増やす不正行為を未然に防ぐことができる。
【0083】
なお、遊技中における発射制御装置35による遊技球の発射速度の最低値を、遊技球が遊技領域7aに到達可能な速度(到達可能速度)としても良い。このような場合には、発射制御処理を行うこと無く、同様の効果を得ることができる。
【0084】
また、発射制御処理において遊技球が遊技領域7aに到達する速度で発射されるか否かを判定するための閾値や、上記到達可能速度を修正可能に構成しても良い。
これは、遊技球の研磨の状態(汚れの状態)やガイドレール16の錆や汚れ等の状態により、遊技球とガイドレール16との間の摩擦力が変化するが、この摩擦力の変化に応じて上記閾値や到達可能速度を適切に設定し、上記判定を正確に行う、或いは、発射した遊技球を確実に遊技領域7aに到達させるためである。
【0085】
具体的には、例えば、ガイドレール16の先端付近にセンサを取り付け、遊技中で無い場合に遊技球の発射速度を変化させ、該センサやファール球センサ43を用いて、ファール球にならない発射速度や、ファール球にならず、且つ、遊技領域7aの左端を大きく超えない好適な発射速度を求めることが考えられる。そして、この発射速度に対応する値を上記閾値とすることや、この発射速度を上記到達可能速度とすることが考えられる。
【0086】
[第二実施形態]
次に、第二実施形態のパチンコ機1について説明する。
第二実施形態のパチンコ機1は、第一実施形態と類似した構成を有しているが、遊技球を発射制御装置35に誘導する経路の構成や、研磨装置46等の構成が相違しており、以下では、この相違点を中心に説明する。
【0087】
[構成の説明]
図6には、第二実施形態のパチンコ機1の遊技領域7aや、遊技球の発射制御装置35や、遊技球を誘導する経路等の背面図を模式的に示す説明図が記載されている。
【0088】
第二実施形態においても、第一実施形態と同様の発射経路50が設けられており、発射制御装置35から発射された遊技球は、発射経路50を通って遊技領域7aに到達する。
また、第一実施形態と同様に、遊技領域7aに到達し、入賞口やアウト口15に入球した遊技球は、回収経路51に導かれると共に、遊技領域7aに到達しなかった遊技球は、発射経路50に形成されたファール球取込口50aからファール球として回収され、回収経路51に導かれる。
【0089】
そして、第二実施形態では、回収経路51は、遊技球を直接発射制御装置35に導く通常経路52と、遊技球を発射制御装置35に導く経路であって、当該経路を流下する遊技球の汚れを除去する研磨装置46が設けられた球磨き用経路53とに分岐する。
【0090】
この研磨装置46は、遊技球を搬送するためのモータや、スプリングにより付勢されて搬送される遊技球を押圧する研磨部材(例えば、布,発泡性ゴム,スポンジ)等から構成されており、搬送される遊技球が研磨部材により擦られることで、遊技球の汚れが除去される。なお、研磨装置46は、例えば、特許文献1に記載の玉研磨装置として構成されていても良い。
【0091】
そして、回収経路51の分岐点には、回収経路51を流下する遊技球を、通常経路52と球磨き用経路53のどちらに導くかを設定する経路切替装置45が設けられている。経路切替装置45は、遊技球の進行方向を制御する弁等から構成されおり、主制御装置30からの指示に応じて、遊技球を、通常経路52と球磨き用経路53のいずれかに導く。
【0092】
また、回収経路51の分岐点の手前には、第一実施形態と同様の測定装置44が設けられていても良い。
また、回収経路51の分岐点の付近(経路切替装置45の配置位置の付近)には、遊技球の流下を検出するアウト球センサ42が設けられている。また、第一実施形態と同様に、発射経路50の始点の付近には発射球センサ41が、ファール球取込口50aにはファール球センサ43が設けられており、これらのセンサによりイン及びアウトのカウントが行われ、管理用コンピュータに送信される。無論、センサの配置はこれに限定されることは無い。
【0093】
[動作の説明]
次に、第二実施形態のパチンコ機1の動作について説明する。
第二実施形態のパチンコ機1においても、第一実施形態と同様の発射制御処理を行っても良い。
【0094】
また、第二実施形態のパチンコ機1では、第一実施形態に類似した汚れ除去開始処理,汚れ除去終了処理により、遊技球の汚れの除去が行われる。このため、以下では、これらの処理における第一実施形態との相違点について説明する。
【0095】
(1)汚れ除去開始処理について
まず、汚れ除去開始処理について説明する。第二実施形態の汚れ除去開始処理は、S215が第一実施形態と相違しており、他のステップでは第一実施形態と同様の処理が行われる。このため、以下では、第三実施形態の汚れ除去開始処理におけるS215の処理の内容について説明する。
【0096】
S215では、主制御装置30は、回収経路51を流下する遊技球が球磨き用経路53に誘導されるように経路切替装置45を設定する。また、研磨装置46を作動させ、球磨き用経路53を流下して研磨装置46に供給された遊技球の研磨が行われる状態に設定し、本処理を終了する。
【0097】
(2)汚れ除去終了処理について
次に、汚れ除去終了処理について説明する。第二実施形態の汚れ除去終了処理は、S315が第一実施形態と相違しており、他のステップでは第一実施形態と同様の処理が行われる。このため、以下では、第三実施形態の汚れ除去終了処理におけるS315の処理の内容について説明する。
【0098】
S315では、主制御装置30は、回収経路51を流下する遊技球が通常経路52に誘導されるように経路切替装置45を設定する。また、研磨装置46を停止させ、本処理を終了する。
【0099】
[第三実施形態]
次に、第三実施形態のパチンコ機1について説明する。
第三実施形態のパチンコ機1もまた、第一実施形態と類似した構成を有しているが、遊技球を発射制御装置35に誘導する経路の構成や、研磨装置46等の構成が相違しており、以下では、この相違点を中心に説明する。
【0100】
[構成の説明]
図7には、第三実施形態のパチンコ機1の遊技領域7aや、遊技球の発射制御装置35や、遊技球を誘導する経路等を模式的に示す説明図が記載されている。
【0101】
第三実施形態においても、第一,第二実施形態と同様の発射経路50が設けられており、発射制御装置35から発射された遊技球は、発射経路50を通って遊技領域7aに到達する。
【0102】
また、第一,第二実施形態と同様に、遊技領域7aに到達し、入賞口やアウト口15に入球した遊技球は、回収経路51に導かれると共に、遊技領域7aに到達しなかった遊技球は、発射経路50に形成されたファール球取込口(図示無し)からファール球として回収され、回収経路51に導かれる。そして、第二実施形態と同様に、回収経路51は、通常経路52と、研磨装置46が設けられた球磨き用経路53とに分岐し、回収経路51の分岐点には、経路切替装置45が設けられている。経路切替装置45は、主制御装置30からの指示に応じて、遊技球を、通常経路52と球磨き用経路53のいずれかに導く。
【0103】
第三実施形態では、球磨き用経路53は、遊技球を下方に流下させることで遊技球を研磨装置46に供給し、研磨装置46は、遊技球を研磨しながら上方へ搬送する。研磨装置46には、スクリュー(図示無し)や、該スクリューを駆動させるモータ46aが設けられており、このスクリューの回転により遊技球を順次上方へ搬送する。また、遊技球の搬送される方向に沿って研磨部材(例えば、布,発泡性ゴム,スポンジ)が配置されており、該研磨部材によって遊技球が研磨される。なお、研磨装置46は、例えば、特許文献2に記載の遊技球研磨装置として構成されていても良い。
【0104】
そして、球磨き用経路53は、研磨装置46により研磨された遊技球を流下させることで、該遊技球を発射制御装置35に誘導する。
さらに、第二実施形態と同様に、回収経路51の分岐点の手前には、遊技球の汚れ度合いを検出するための測定装置44が設けられている。また、第一,第二実施形態と同様に、発射経路50の始点の付近には発射球センサ41が、ファール球取込口にはファール球センサ43が、回収経路51の分岐点の付近にはアウト球センサ42が設けられており、これらのセンサによりイン及びアウトのカウントが行われ、管理用コンピュータに送信される。無論、センサの配置はこれに限定されることは無い。
【0105】
[動作の説明]
次に、第三実施形態のパチンコ機1の動作について説明する。
第三実施形態のパチンコ機1においても、第二実施形態と同様の汚れ除去開始処理,汚れ除去終了処理により、遊技球の汚れの除去が行われる。このため、説明を省略する。また、第一実施形態と同様の発射制御処理を行っても良い。
【0106】
[効果]
第一〜第三実施形態のパチンコ機1によれば、開始条件が成立した場合のみ遊技球の汚れの除去が行われるため、遊技中は研磨装置46が断続的に作動する。このため、パチンコ機1における消費電力や騒音を抑えることができる。
【0107】
[他の実施形態]
(1)第一〜第三実施形態におけるパチンコ機1では、主制御装置30にて遊技球の汚れを除去するための処理が行われるが、サブ統合装置32にて該処理を行っても良い。
【0108】
すなわち、経路切替装置45,測定装置44,研磨装置46をサブ統合装置32から制御すると共に、発射球センサ41,アウト球センサ42,ファール球センサ43からの信号をサブ統合装置32に入力する。また、主制御装置30にて遊技中か否かを検出し、検出結果をサブ統合装置32に通知するよう構成し、サブ統合装置32にて、汚れ除去開始処理や汚れ除去終了処理を実行しても良い。このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
【0109】
また、発射制御処理に関しても同様に、サブ統合装置32にて実行しても良い。
(2)また、第一〜第三実施形態では、パチンコ機1に遊技球の汚れを検出するための測定装置44を設けることを例示した。しかしながら、開始条件として、前回遊技球の汚れの除去が行われた後の経過時間や遊技時間に関する条件や、時刻に関する条件が設けられていると共に、終了条件として汚れの除去の継続時間に関する条件が設けられている場合には、測定装置44をパチンコ機1に搭載する必要は無いということを念のため付言しておく。
【0110】
(3)また、第一〜第三実施形態では、遊技球を研磨することで汚れの除去を行っているが、これに限らず、例えば、洗浄用の薬剤に遊技球を浸すといった方法により汚れの除去を行っても良い。このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
【0111】
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
【0112】
発射制御装置35が発射装置に、研磨装置46が除去手段に、測定装置44が測定手段に相当する。
また、第一実施形態における回収経路51(ファール球の合流地点の上流側)とファール球取込口50aとが回収手段に相当する。
【0113】
また、第一実施形態の回収経路51(ファール球の合流地点よりも下流側)が発射装置誘導経路に相当する。
また、汚れ除去開始処理のS210〜S215,汚れ除去終了処理のS310〜S315,経路切替装置45が、除去制御手段に相当する。
【符号の説明】
【0114】
1…パチンコ機、2…外枠、3…内枠、4…前枠、5…ヒンジ、6…板ガラス、7…遊技盤、7a…遊技領域、8…コントロール部、8a…引落ボタン、8b…精算ボタン、8c…返却ボタン、8d…表示器、9…発射ハンドル、11…第1始動口、11a…第1特図始動SW、12…第2始動口、12a…第2特図始動SW、12b…普通役物ソレノイド、12c…普通図柄作動SW、13…一般入賞口、13a…一般入賞口SW、14…大入賞口、14a…カウントSW、14b…大入賞口ソレノイド、15…アウト口、16…ガイドレール、17…第1特図表示装置、18…第2特図表示装置、19…第1特図保留数表示装置、20…第2特図保留数表示装置、21…普通図柄表示装置、22…普図保留数表示装置、23…ICカード中継基板、24…スピーカ、26…図柄表示装置中継端子板、30…主制御装置、32…サブ統合装置、33a…演出図柄制御装置、33b…演出図柄表示装置、35…発射制御装置、35a…発射停止SW、35b…タッチSW、35c…発射モータ、41…発射球センサ、42…アウト球センサ、43…ファール球センサ、44…測定装置、45…経路切替装置、46…研磨装置、46a…研磨機構、46b…制御機構、50…発射経路、50a…ファール球取込口、50b…ファール球取込経路、51…回収経路、52…通常経路、53…球磨き用経路、100…ICカード処理装置、110…カード挿入口。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発射装置により遊技盤上の遊技領域に向けて発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を前記発射装置により再度発射することで、内部に封入された所定数の遊技球を循環的に使用して遊技を行う封入式の弾球遊技機であって、
前記発射装置により発射された遊技球を回収する回収手段と、
前記回収手段により回収された遊技球を、再度発射させるために前記発射装置に誘導する誘導手段と、
前記誘導手段により誘導される遊技球の汚れを除去する除去手段と、
遊技中に予め定められた開始条件が成立すると、前記除去手段に対し、前記誘導手段により誘導される遊技球の汚れの除去を行わせる除去制御手段と、
を備え、
前記誘導手段は、前記回収手段により回収された遊技球を、再度発射させるために前記発射装置に誘導する発射装置誘導経路として構成されており、
前記除去手段は、前記発射装置誘導経路に対する接近と離間が可能であり、前記発射装置誘導経路に接近した際には、前記発射装置誘導経路により誘導される遊技球に当接し、該遊技球を研磨することで汚れを除去すると共に、前記発射装置誘導経路から離間した際には、前記発射装置誘導経路による遊技球の誘導を妨げることが無い状態となるよう構成されており、
前記除去制御手段は、前記開始条件の成立前は、前記除去手段を前記発射装置誘導経路から離間させた状態とし、前記開始条件が成立すると、前記除去手段を前記発射装置誘導経路に接近させ、前記除去手段に対し遊技球の研磨を行わせることで、前記遊技球の汚れの除去を行わせること、
を特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の弾球遊技機において、
前記開始条件とは、前記遊技球の汚れの除去が行われた後、予め定められた時間が経過するという条件であること、
を特徴とする弾球遊技機。
【請求項3】
請求項1に記載の弾球遊技機において、
前記開始条件とは、予め定められた時刻が到来するという条件であること、
を特徴とする弾球遊技機。
【請求項4】
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の弾球遊技機において、
前記除去制御手段は、予め定められた時間にわたり、前記除去手段に対し前記遊技球の汚れの除去を行わせること、
を特徴とする弾球遊技機。
【請求項5】
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の弾球遊技機において、
輝度に基づき遊技球の汚れの度合いを測定する測定手段をさらに備え、
前記除去制御手段は、前記測定手段により測定された遊技球の汚れの度合いが予め定められた度合いに達するまで、前記除去手段に対し前記遊技球の汚れの除去を行わせること、
を特徴とする弾球遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−46739(P2013−46739A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−101569(P2012−101569)
【出願日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【出願人】(395018239)株式会社高尾 (550)
【Fターム(参考)】