説明

封筒用紙及び封筒用紙の製造方法

【課題】パルプ原料に古紙パルプが配合された封筒用紙でありながら、印刷適性や加工適性一般に優れ、しかも封筒とした場合の隠蔽性や積載性も十分に確保された封筒用紙とする。
【解決手段】パルプ原料として古紙パルプが配合された封筒用紙であって、前記パルプ原料の配合質量割合が、広葉樹バージンパルプ:針葉樹バージンパルプ:古紙パルプ=20〜40:0〜20:40〜80とされ、かつ広葉樹化学パルプ:針葉樹化学パルプ:機械パルプ=65〜90:10〜30:0〜5とされ、JIS P 8251に準拠して測定した灰分が2〜10%とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パルプ原料に古紙パルプが配合された封筒用紙及び封筒用紙の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の印刷技術は、インクジェット化、オフセット化、高速大量化、自動化する傾向にあり、この傾向に沿う技術が大きく進化している。この進化に伴い、他の用紙と同様、封筒用紙も印刷適性の改善が求められている。また、封筒用紙は、他の用紙と異なり、封筒用紙から封筒を容易・確実に製造できるよう加工適性も求められ、例えば、腰(剛度)や寸法安定性等が注目される。さらに、封筒用紙は、封筒内に封入された書類等の隠蔽性向上や封筒内に空気が溜まることによる積載性の低下防止等も求められる。加えて、封筒用紙は、他の用紙と同様、資源の有効利用という観点から古紙パルプの高配合化が求められる。しかしながら、古紙パルプを高配合化すると、印刷適性や加工適性等が低下するとの問題が生じる。
【0003】
一方、現在、古紙パルプを配合した封筒用紙としては、特許文献1が存在する。特許文献1は、「経時による褪色が目立たず、しかも、オフセット印刷適性も良好であり、また、打ち抜き時の紙粉も少なく、折り適性も良好で封筒用紙としての最低限以上の強度を保有させることができる新聞DIPが50%以上混抄された再生封筒用紙を提供しようとするものである」としており、「新聞古紙50%以上混抄し、かつ、経時による褪色が目立ちにくい着色を予め施してなる再生封筒用紙」を開示する。また、同文献は、「クラフト古紙を50%以下の割合で混抄することで、紙のコシを、例えば、市販の一般白封筒用紙程度に強くし、かつ、封筒としての印刷適性を出すことができ、自動封入適性及び封緘適性も良好に保持することもできる」とする。しかしながら、単にクラフト古紙を50%以下の割合で混抄するのみでは、印刷適性や加工適性を十分に改善することができず、また、着色を伴うため封筒用紙一般に適用することができないとの問題を有している。さらに、同文献は、封筒の積載性や寸法安定性等について全く考慮していない。
【0004】
次に、古紙パルプを配合した封筒用紙としては、特許文献2も存在する。特許文献2は、「封筒としての堅牢さを備え、高湿環境下に保管された状態でレーザープリンターに供給された場合でも、転写抜けや紙シワが発生しないレーザープリンター用封筒と、その封筒の作製に用いる用紙を提供する」としており、「横方向のガーレー剛度が1.80mN以上であり、横方向の水中伸度が2.30%以下であることを特徴とするレーザープリンター用封筒用紙」を開示する。しかしながら、同文献は「原料パルプには、広葉樹及び/又は針葉樹を原料とする木材パルプ(機械パルプ、半化学パルプ、化学パルプ)及び古紙パルプ(離解パルプ、脱墨パルプ)などを任意に選択することができる」と一般論を展開し、唯一「本発明で規定する剛度(ガーレー剛度を言う。以下同じ)を満足する用紙を得るためには、原料パルプに使用するパルプ全量の80質量%以上を広葉樹パルプとすることが好ましい」と限定するのみである。つまり、同文献も、印刷適性や加工適性一般を考慮するものではなく、また、封筒の積載性や寸法安定性等は全く考慮していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−217789号公報
【特許文献2】特開2006−085051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする主たる課題は、パルプ原料に古紙パルプが配合された封筒用紙でありながら、印刷適性や加工適性一般に優れ、しかも封筒とした場合の隠蔽性や積載性も十分に確保された封筒用紙及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決した本発明は、次の通りである。
〔請求項1〕
パルプ原料として古紙パルプが配合された封筒用紙であって、
前記パルプ原料の配合質量割合が、広葉樹バージンパルプ:針葉樹バージンパルプ:古紙パルプ=20〜40:0〜20:40〜80とされ、かつ広葉樹化学パルプ:針葉樹化学パルプ:機械パルプ=65〜90:10〜30:0〜5とされ、
JIS P 8251に準拠して測定した灰分が2〜10%とされている、
ことを特徴とする封筒用紙。
【0008】
(作用効果)
本発明は、パルプ原料の配合質量割合が特定されることで、後述するように種々の優れた作用効果が奏せられる。特に、パルプ原料として配合される広葉樹化学パルプ、針葉樹化学パルプ及び機械パルプについて、その由来まで特定される点に、本発明の大きな特徴が存在する。
具体的には、バージンパルプとともに古紙パルプを上記範囲内で併用することで、古紙パルプ中の灰分による不透明性の向上効果、古紙パルプ自体の寸法安定性能による印刷適性の向上効果が奏せられ、しかも広葉樹化学パルプ、針葉樹化学パルプ及び機械パルプを上記割合で配合とすることで、印刷適性及び加工適性の向上効果が奏せられる。
【0009】
〔請求項2〕
JIS P 8220に準拠して離解した離解後パルプのJIS P 8121に準拠して測定したフリーネスが350〜500ccとされ、
前記パルプ原料中に紙力増強剤として両性ポリアクリルアミドが0.5〜2.0%、カチオン澱粉が0.1〜0.8%含有されている、
請求項1記載の封筒用紙。
ここで上記紙力増強剤の含有割合は、対パルプ固形分当たりの固形分質量基準である。
【0010】
(作用効果)
フリーネスが350ccを下回ると通気性が悪くなり、例えば、窓付加工等をする際に樹脂が浸透せず、窓部の不透明性が上がらなくなる可能性や、製袋加工前の封筒用紙を積載した際に当該用紙間に空気が溜まって用紙が不揃いとなり、製袋加工時に製袋機で詰りが発生する可能性等がある。他方、フリーネスが500ccを上回ると用紙表面の平滑性が下がり、印刷ムラの原因となる可能性がある。
また、両性ポリアクリルアミドが0.5%未満では十分な紙力向上効果が得られず、他方、両性ポリアクリルアミドが2.0%を超えると地合不良による印刷適性の低下や、封筒加工時に折目から破断する等の加工適性低下の問題が生じる可能性がある。さらに、カチオン澱粉が0.1%未満では封筒用紙としての柔軟性が欠けるため、折加工時に加工不良が生じる可能性や、手触り感が低下する可能性がある。他方、カチオン澱粉が0.8%を超えると、印刷時等にネッパリが生じたり、封筒加工時に糊の乾きが低下し生産性が低下したりする可能性がある。
【0011】
〔請求項3〕
JIS P 8119に準拠して測定したベック平滑度が一方の表面について100〜300秒、他方の表面について5〜25秒とされ、かつJIS P 8117に準拠して測定したガーレー透気度が15〜50秒、JIS P 8149に準拠して測定した不透明度が77%以上、J.TAPPI紙パルプ試験方法No.27:2000のB法に準拠して測定した水中伸度(横方向)が2.0%以下とされている、
請求項1又は請求項2記載の封筒用紙。
【0012】
(作用効果)
一方の表面のベック平滑度を100秒以上とし、この表面を封筒外表面にして封筒を製造することで、印刷ムラが抑えられ、印刷適性が向上する。他方、一方の表面のベック平滑度を300秒以下とし、この表面を封筒外表面にして封筒を製造することで、封筒用紙積載時、封筒積載時の滑りが無くなる。また、他方の表面のベック平滑度を25秒以下とすることで、印刷後の用紙積載時に裏写りする可能性が減る。他方、他方の表面のベック平滑度を5秒以上とし、この表面を封筒内表面にして封筒を製造することで、当該封筒内表面に求められる最低限度の印刷適性が確保される。さらに、ガーレー透気度、不透明度及び水中伸度を上記範囲内に調節することで、封筒の積載性、隠蔽性及び寸法安定性がより向上する。
【0013】
〔請求項4〕
古紙パルプが配合されたパルプ原料を抄紙して封筒用紙を製造する方法であって、
前記パルプ原料を、広葉樹バージンパルプ:針葉樹バージンパルプ:古紙パルプ=20〜40:0〜20:40〜80となるように、かつ広葉樹化学パルプ:針葉樹化学パルプ:機械パルプ=65〜90:10〜30:0〜5となるように配合し、
前記抄紙は、pH5.5〜8.0の中性抄紙とし、
JIS P 8251に準拠して測定した灰分が2〜10%となるようにする、
ことを特徴とする封筒用紙の製造方法。
【0014】
(作用効果)
請求項1記載の発明と同様の作用効果が奏せられる。また、抄紙をpH5.5〜8.0の中性抄紙とすることで、得られる封筒用紙の経時安定性を向上させることができ、しかも硫酸バンドの添加量を減らすことができるため、硫酸バンドが古紙パルプからの持込炭酸カルシウムと過剰に反応するのを防止することができ、灰分を2%以上とするために新たに内添する填料を減らし、又は省略することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、パルプ原料に古紙パルプが配合された封筒用紙でありながら、印刷適性や加工適性一般に優れ、しかも封筒とした場合の隠蔽性や積載性も十分に確保された封筒用紙及びその製造方法となる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施の形態を説明する。
〔パルプ原料〕
本形態の封筒用紙を製造するためのパルプ原料には、離解パルプ、脱墨パルプ等の古紙パルプのほか、機械バージンパルプ、化学バージンパルプ(本明細書においては化学パルプに半化学パルプも含むものとする。)等のバージンパルプを配合することができる。また、古紙パルプの原料となる古紙としては、例えば、雑誌古紙、チラシ古紙、色上古紙、新聞古紙、ケント古紙、上白古紙、コート古紙、複写古紙、損紙古紙等の公知の種々の古紙を使用することができる。
【0017】
ただし、印刷適性、封筒の隠蔽性、封筒の積載性、寸法安定性を満足するために、パルプ原料の配合質量割合を、広葉樹バージンパルプ:針葉樹バージンパルプ:古紙パルプ=20〜40:0〜20:40〜80とし、かつ広葉樹化学パルプ:針葉樹化学パルプ:機械パルプ=65〜90:10〜30:0〜5とする。好ましくは、広葉樹バージンパルプ:針葉樹バージンパルプ:古紙パルプ=20〜30:10〜20:40〜60、かつ広葉樹化学パルプ:針葉樹化学パルプ:機械パルプ=65〜80:20〜30:0〜5である。
【0018】
一般に、広葉樹を原料とするパルプは繊維が短く剛直であるため、表面平滑性が高く、通気性が低い紙を得るのに適している。また、針葉樹を原料とするパルプは繊維が太く長いため、表面平滑性が低く、通気性が高い紙を得るのに適している。さらに、化学パルプは150〜160℃前後という高温で蒸煮されており、高純度のセルロースを主体とした細く長い繊維であるため、引張強さ等が強く、しなやかな紙を得るのに適している。また、機械パルプは機械的に木材を擦り潰して製造しており、繊維が太く短いため、引張強さ等が弱く、剛直な紙を得るのに適している。このような原料となる樹木やパルプの特性を考慮して広葉樹化学パルプ、針葉樹化学パルプ及び機械パルプの配合割合を上記の通り特定するものであり、具体的には次の通りである。
すなわち、広葉樹化学パルプの配合割合が90%を超えると、得られる封筒用紙の通気性が下がるため、封筒積載時に封筒間や封筒内に空気が溜まり易く、封筒の積載性が低下するとの問題が生じる可能性がある。また、広葉樹化学パルプの配合割合が90%を超えると、用紙が密となるため、寸法安定性が低下するとの問題も生じ易くなる。他方、広葉樹化学パルプの配合割合が65%未満の場合は、得られる封筒用紙表面の平滑性が低下し、しかも薬品の定着性が低下して表面強度が低下するため、印刷適性を満足できなくなる可能性がある。さらに、針葉樹化学パルプが30%を超えると、平滑性が低下するため、印刷適性を満足できなくなる可能性がある。これに対して、機械パルプは化学パルプよりも繊維が短く、広葉樹を原料とするか、針葉樹を原料とするかまで特定する必要がなく、配合質量割合が5%以下に留められていれば、上記広葉樹化学パルプ及び針葉樹化学パルプの特性を発現することができる。また、機械パルプの配合質量割合が5%以下に留められていれば、得られる封筒用紙の腰を十分なものとすることができる。
【0019】
もっとも、古紙パルプはバージンパルプと比較して繊維が短くなるが、寸法安定性を向上させ易く、また、不透明性を向上させるにも好適であるとの特性を有する。そこで、本形態においては、広葉樹バージンパルプ、針葉樹バージンパルプ及び古紙パルプの配合質量割合をも上記の通り特定するものである。具体的には、古紙パルプの配合質量割合を40%以上とすることで、封筒の隠蔽性、寸法安定性を満足することができる。ただし、古紙パルプの配合質量割合が80%を超えると、薬品の定着性が低下し、表面強度が低下するため、印刷適性を満足できなくなる可能性がある。
【0020】
ここで、上記広葉樹バージンパルプ、針葉樹バージンパルプ及び古紙パルプの比は単純な配合質量割合を意味するが、広葉樹化学パルプ、針葉樹化学パルプ及び機械パルプの比は封筒用紙をJIS P 8220に準拠して離解した離解後パルプについて、JIS P 8120に準拠してC染色液による呈色反応により測定した各パルプの配合質量比を意味するものである。
【0021】
以上の各種パルプが配合されたパルプ原料は、JIS P 8220に準拠して離解した離解後パルプのJIS P 8121に準拠して測定したフリーネス(濾水度・叩解度)が350〜500ccとなるように調節するのが好ましい。より好ましくは400〜500cc、特に好ましくは400〜450ccである。叩解度は、繊維の長さ、フィブリル化の度合い等のパルプ繊維の性質に大きな影響を及ぼすファクターであり、叩解度が350ccを下回ると通気性が悪くなり、例えば、窓付加工等をする際に樹脂が浸透せず、窓部の不透明性が上がらなくなる可能性や、製袋加工前の封筒用紙を積載した際に当該用紙間に空気が溜まって用紙が不揃いとなり、製袋加工時に製袋機で詰りが発生する可能性等がある。他方、叩解度が500ccを上回るとパルプ繊維のフィブリル化が不十分となり、紙力やサイズを付与する薬品の定着が不十分となって印刷時に印刷ムラや紙粉が発生する可能性がある。
【0022】
このように本形態では、パルプ原料の配合質量割合が、広葉樹バージンパルプ:針葉樹バージンパルプ:古紙パルプ=20〜40:0〜20:40〜80とされ、かつ広葉樹化学パルプ:針葉樹化学パルプ:機械パルプ=65〜90:10〜30:0〜5とされ、JIS P 8251に準拠して測定した灰分が2〜10%とされていることに加えて、JIS P 8220に準拠して離解した離解後パルプのJIS P 8121に準拠して測定したフリーネス(濾水度・叩解度)が350〜500ccとなるように調節されているため、印刷ムラや紙粉の発生等が防止され、窓付適性や積載適性、製袋加工適性等に優れた封筒用紙が得られる。
【0023】
〔灰分〕
上記のように本形態の封筒用紙は、古紙パルプの配合質量割合を40〜80%とするものであり、この古紙パルプから炭酸カルシウム等の無機粒子が持ち込まれる。もっとも、無機粒子は古紙パルプ由来であるか、新たに内添するものであるかに関わらず、得られる封筒用紙の隠蔽性(不透明度)や寸法安定性に大きな影響を与える。そこで、本形態においては、JIS P 8251に準拠した灰分が2〜10%となるように、好ましくは2〜8%となるように、より好ましくは2〜6%となるように調節する。灰分が2%以上となるように調節することで、封筒の隠蔽性や寸法安定性を向上させることができるほか、折り適性が向上するという点で加工適性を向上させることができる。もっとも、灰分が10%を超えるように調節すると、得られる封筒用紙を切断した際に紙粉が発生するおそれがあり、この点で加工適性が低下する。なお、古紙パルプ由来の持込無機粒子のみでは灰分が2%未満となる場合は、新たに填量を内添して調節する必要があり、他方、持込無機粒子のみで灰分が2%以上となる場合は、新たな填料の内添を省略することができる。
【0024】
ただし、古紙由来の無機粒子は新たに内添する無機粒子(填料)と異なり、粒経が大きく、また、粒径のばらつき(不揃い)もあるため、不透明性(隠蔽性)を確保するという点では新たに添加する填料に劣る。そこで、持込無機粒子のみで灰分が2%以上となる場合も、灰分が10%以下となる範囲で新たに填料を内添する方が好ましい。新たに内添する填料としては、例えば、カオリン、タルク、炭酸カルシウム等の公知の填料を例示することができる。
【0025】
〔紙力増強剤〕
パルプ原料には、紙力増強剤として両性ポリアクリルアミド及びカチオン澱粉を含有させることができる。両薬品の含有割合は、対パルプ固形分当たりの固形分質量基準で、好ましくは両性ポリアクリルアミドが0.5〜2.0%、カチオン澱粉が0.1〜0.8%、より好ましくは両性ポリアクリルアミドが0.5〜1.5%、カチオン澱粉が0.2〜0.7%、特に好ましくは両性ポリアクリルアミドが0.5〜1.0%、カチオン澱粉が0.2〜0.5%である。紙力増強剤として両性ポリアクリルアミド及びカチオン澱粉を上記の含有割合で組み合わせて使用することで、封筒用紙としての紙質強度、封筒の積載性、寸法安定性等を改善することができる。具体的には、両性ポリアクリルアミドが0.5%未満では十分な紙力向上効果が得られない可能性があり、他方、両性ポリアクリルアミドが2.0%を超えると地合不良による印刷適性の低下や、封筒加工時に折目から破断する等の加工適性の低下の問題が生じる可能性がある。また、カチオン澱粉が0.1%未満では封筒用紙としての柔軟性が欠けるため、折加工時に加工不良が生じる可能性や、手触り感が低下する可能性がある。他方、カチオン澱粉が0.8%を超えると、印刷加工時等にネッパリが生じたり、封筒加工時に糊の乾燥速度が低下して生産性が低下したりする可能性がある。
【0026】
両性ポリアクリルアミド(樹脂)としては、アクリルアミドの重合体、メタアクリルアミドの重合体、アクリルアミド及びメタアクリルアミドの共重合体等を例示することができる。ただし、アクリルアミド及びメタアクリルアミドの共重合体(両性共重合体PAM)を使用するのが好ましい。両性共重合体PAMは、自己定着機能を有しているため、紙間強度を向上させるべく増添したとしても、カチオン過多になることがなく、抄紙系内の電荷を安定的に維持することができ単にカチオン性アクリルアミドやアニオン性アクリルアミドを添加するのみでは実現できない程度まで表面強度や印刷適性を向上させることができる。
【0027】
両性ポリアクリルアミドは、内添で0.5〜2.0%含有させるのが好ましく、内添で1.0〜2.0%含有させるのがより好ましい。内添量が0.5%を下回ると、ヤンキードライヤーに対する貼り付き不良が生じ、白紙光沢度が低下する問題、つまり印刷適性が低下する問題が生じる可能性がある。他方、内添量が2.0%を上回ると、紙の剛性が高くなり過ぎ、封筒の製袋加工適性が低下するほか、ヤンキードライヤーへの貼り付き性が高くなり過ぎ、操業性が悪化する可能性がある。
【0028】
このように本形態では、パルプ原料の配合質量割合が、広葉樹バージンパルプ:針葉樹バージンパルプ:古紙パルプ=20〜40:0〜20:40〜80とされ、かつ広葉樹化学パルプ:針葉樹化学パルプ:機械パルプ=65〜90:10〜30:0〜5とされ、JIS P 8251に準拠して測定した灰分が2〜10%とされているのに加え、JIS P 8220に準拠して離解した離解後パルプのJIS P 8121に準拠して測定したフリーネス(濾水度・叩解度)が350〜500ccとなるように調節され、更には、紙力増強剤として両性ポリアクリルアミドが0.5〜2.0%、カチオン澱粉が0.1〜0.8%含有されているため、古紙パルプを配合した封筒用紙でありながら、印刷光沢に優れ、印刷ムラや紙粉の発生が防止され、印刷適性に優れ、適度な剛性を有し、窓付適性、積載適性等の製袋加工適性に優れた封筒用紙が得られる。
【0029】
〔薬品(その他)〕
本形態の封筒用紙は、古紙パルプを40%以上配合するため、古紙由来の無機粒子や微細なパルプ繊維が含有される。そこで、この古紙由来の無機粒子や微細なパルプ繊維の変動を抑えるために凝結剤を添加するのが好ましく、特にアルキルアミン系のカチオン性高分子ポリマーを添加するのが好ましい。アルキルアミン系のカチオン性高分子ポリマーは中性領域で安定した凝結作用を発揮し、古紙由来の強アニオン成分を極大に凝集させることなく紙中に留め置く効果を発揮するため、古紙パルプ配合時に問題となる薬品の定着性低下が防止され、表面強度の低下が改善される。
【0030】
本形態の封筒用紙は、サイズ剤として中性ロジンサイズ剤を、対パルプ固形分当たりの固形分質量基準で0.25〜1.0%添加するのが好ましく、0.5〜1.0%添加するのがより好ましく、0.5〜0.75%添加するのが特に好ましい。中性ロジンサイズ剤の添加量が0.25%未満となると、所定のサイズ性を得られない可能性があり、他方、中性ロジンサイズ剤の添加量が1.0%を超えると、抄紙系内での発泡による泡地合が発生する可能性がある。
【0031】
〔製造方法〕
本形態の封筒用紙を製造するにあたっては、古紙パルプが配合されたパルプ原料に紙力増強剤、凝結剤、歩留り向上剤、サイズ剤等の内添薬品や填料を添加混合して紙料を調製し、この紙料を公知の抄紙機に、例えば、長網抄紙機、円網抄紙機、オントップフォーマー、ギャップフォーマー等に供給して抄紙する。この抄紙は、pH5.5〜8.0、好ましくはpH6.5〜7.5の中性抄紙とすると好適である。抄紙をpH5.5〜8.0の中性抄紙とすることで、得られる封筒用紙が黄変化したり、脆くなったりするのを防止することができる。つまり、中性抄紙によると、得られる封筒用紙が、経時安定性に優れ、長期間保管できるものとなる。また、硫酸バンドの添加量を減らすことができるため、硫酸バンドが古紙パルプからの持込炭酸カルシウムと過剰に反応するのを防止することができ、灰分を2%以上とするために新たに内添する填料を減らし、又は省略することができる。特に、表裏差が少ないツインワイヤー式のギャップフォーマーを用い、ヤンキードライヤーにて乾燥処理を施した場合は、得られる封筒用紙の透気度や、寸法安定性、印刷適性、加工適性等をより向上させることができる。
【0032】
この点、古紙パルプが40%以上配合されたパルプ原料を、pH4.0〜5.0の酸性抄紙した場合は、古紙パルプ由来の炭酸カルシウム(アルカリ性)がヤンキードライヤー表面の酸性皮膜と反応するため、ヤンキードライヤーへの貼り付き不良、抄紙系内のpH上昇が生じ、サイズ性の低下、白紙光沢度の低下等の問題が生じる可能性がある。そこで、従来は、多量の硫酸バンドを添加する手法をとっていた。硫酸バンドには、サイズ剤定着効果、pH調整効果等があり、硫酸バンドを多量に添加することで、酸性サイズ剤を定着し、湿紙が酸性の状態に戻るため、抄紙系内のpHが維持され、ヤンキードライヤーへの貼り付き不良が防止された。しかしながら、酸性抄紙には経年劣化の問題や、スケールの問題がある。そこで、本形態では、中性抄紙を推奨する。
【0033】
ここで、pH5.5〜8.0の中性抄紙における硫酸バンドの添加量は、対パルプ固形分当たりの硫酸バンド有姿での質量基準で、1.0〜7.0%、好ましく2.0〜6.0%、より好ましくは3.0〜5.0%である。硫酸バンドの添加量が1.0%未満であると、サイズ剤の定着不良によるサイズ性低下の問題が生じる可能性があり、他方、添加量が7.0%を超えると、抄紙系内の汚れが生じ、ピッチトラブルが発生する可能性がある。なお、従来の硫酸バンド添加量は8.0〜15.0%である。
【0034】
〔用紙の物性〕
以上のパルプ原料の配合や薬品の添加、抄紙条件等は、JIS P 8119に準拠して測定したベック平滑度が一方の表面について100〜300秒、他方の表面について5〜25秒となり、好ましくは一方の表面について150〜300秒、他方の表面について10〜25秒となり、より好ましくは一方の表面について150〜250秒、他方の表面について10〜20秒となるように調節すると好適である。
【0035】
一方の表面のベック平滑度を100秒以上とし、この表面を封筒外表面にして封筒を製造することで、印刷ムラが抑えられ、印刷適性が向上する。他方、一方の表面のベック平滑度を300秒以下とし、この表面を封筒外表面にして封筒を製造することで、封筒用紙積載時、封筒積載時の滑りが無くなる。また、他方の表面のベック平滑度を25秒以下とすることで、印刷後の用紙積載時に裏写りする可能性が減る。他方、他方の表面のベック平滑度を5秒以上とし、この表面を封筒内表面にして封筒を製造することで、当該封筒内表面に求められる最低限度の印刷適性が確保される。
【0036】
本形態において、ベック平滑度は、例えば、パルプ原料の配合質量割合や、サイズ剤等の薬品添加量、坪量等を変化させることによって調節することができる。
【0037】
加えて、JIS P 8117に準拠して測定したガーレー透気度が15〜50秒(好ましくは20〜45秒、より好ましくは25〜40秒)、JIS P 8149に準拠して測定した不透明度が77%以上(好ましくは79%以上、より好ましくは81%以上)、J.TAPPI紙パルプ試験方法No.27:2000のB法に準拠して測定した水中伸度(横方向)が2.0%以下(好ましくは1.8%以下、より好ましくは1.5%以下)となるように調節すると好適である。
【0038】
ガーレー透気度の調節によって封筒の窓付適性、製袋加工適性を、不透明度の調節によって封筒の隠蔽性を、水中伸度(横方向)の調節によって寸法安定性を制御する。ここで、水中伸度の「横方向」とは抄紙方向に対して垂直方向であることを意味する。特に横方向を特定するのは、通常紙の水中伸度は横方向の方が、伸びが大きく、印刷時の網点再現性等への影響が大きいためである。
【0039】
ガーレー透気度は、例えば、パルプ原料の配合質量割合や、坪量、フリーネス等を変化させることによって、不透明度は、例えば、パルプ原料の配合質量割合や古紙パルプの配合割合、坪量等を変化させることによって、水中伸度は、例えば、パルプ原料の配合質量割合やフリーネスを変化させることによって調節することができる。
【0040】
本形態の封筒用紙のJIS P 8124に準拠して測定した坪量は、好ましくは60〜100g/m2、より好ましくは60〜80g/m2、特に好ましくは70〜80g/m2である。坪量が60g/m2未満では上記のようにパルプ原料の配合割合や灰分等を特定したとしても、不透明性や剛度が不十分となる可能性がある。他方、坪量が100g/m2を超えると、加工適性、特に折り適性が不十分となる可能性がある。
【0041】
本形態の封筒用紙のJIS P 8118に準拠して測定した厚み(紙厚)は、好ましくは125μm以下、より好ましくは80〜100μm、特に好ましくは80〜90μmである。厚みが80μm未満では封筒製袋加工時に必要な剛度を確保出来なくなる可能性がある。他方、厚みが125μmを超えると剛度が高くなることによる封筒製袋時の折り適性が不十分になる可能性がある。
【0042】
以上のように本形態では、パルプ原料の配合質量割合が特定範囲とされ、かつ広葉樹化学パルプ:針葉樹化学パルプ:機械パルプの比が特定範囲とされ、灰分、離解後パルプのフリーネスが特定範囲となるように調節されており、更には、ベック平滑度、ガーレー透気度、不透明度、水中伸度(横方向)、坪量、厚みがそれぞれ特定値となるように調整されているため、古紙パルプを配合した封筒用紙でありながら、印刷光沢、印刷ムラ、裏移りや紙粉等に関する印刷適性に優れ、適度な剛性を有し、窓付適性、積載適性等の製袋加工適性、隠蔽性、寸法安定性等に優れた封筒用紙が得られる。
【実施例】
【0043】
次に、本発明の実施例を説明する。
パルプ原料に適宜薬品を添加し、抄紙して試験片(サンプル)を得、この試験片について各種試験を行った。パルプ原料の原料構成や薬品の種類・添加量、抄紙の方法等は、表1に示す条件に従った。また、結果は、表2に示した。
針葉樹バージンパルプ:針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP、フリーネス700ml)を使用した。
広葉樹バージンパルプ:広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、フリーネス470ml)を使用した。
硫酸バンド:大明化学工業社製の硫酸バンドを対パルプ固形分当たりの有姿での質量基準で6.0%添加した。
サイズ剤:弱酸性ロジンサイズ剤(商品名:AD1606;星光PMC)を対パルプ固形分当たりの固形分質量基準で0.75%添加した。
両性PAM(両性ポリアクリルアミド):「DS4360;星光PMC社製」を使用した。添加量は対パルプ固形分当たりの固形分質量基準である。
カチオン澱粉:「マーメイドC−50;敷島スターチ社製」を使用した。添加量は対パルプ固形分当たりの固形分質量基準である。
凝結剤:「NALCO7527;ナルコ社製」を使用した。添加量は対パルプ固形分当たりの固形分質量基準である。
【0044】
繊維組成:広葉樹化学パルプ、針葉樹化学パルプ、機械パルプの比(配合割合)は、試験片をJIS P 8220:1998に準拠して離解した離解後パルプについて、JIS P 8120:1998に準拠して測定した。
フリーネス:試験片をJIS P 8220:1998に準拠して離解した離解後パルプについて、JIS P 8121:1995に準拠して測定した。
坪量:JIS P 8124:1998に準拠して測定した。
厚み:JIS P 8118:1998に準拠して測定した。
灰分:JIS P 8251:2003に準拠して測定した。
平滑度(ベック平滑度):JIS P 8119:1998に準拠して測定した。
透気度(ガーレー透気度):JIS P 8117:1998に準拠して測定した。
不透明度:JIS P 8149:2000に準拠して測定した。
抽出pH:JIS P 8133に準拠して測定した。
水中伸度(横方向):J.TAPPI紙パルプ試験方法No.27:2000のB法に準拠して測定した。
【0045】
印刷適性:オフセット印刷機(型番:リソピアL−BT3−1100、三菱重工業(株)製)を使用し、カラーインク(品番:ADVAN、大日本インキ化学工業(株)製)にてカラー4色印刷を5000部行った。この印刷面を目視及びルーペ(10倍)にて観察し、印刷ムラの程度を以下の評価基準に基づいて評価し、その平均値を求めた。
(評価基準)
5:印刷ムラ、インキ取られ、裏写りが無く、印刷適性に非常に優れる。
4:印刷ムラ、インキ取られ、裏写りが若干発生するが、印刷適性には比較的優れる。
3:印刷ムラ、インキ取られ、裏写りが多少発生するが、印刷適性は問題なし。
2:印刷ムラ、インキ取られ、裏写りが多く発生し、印刷適性に問題がある。
1:印刷ムラ、インキ取られ、裏写りが非常に多く発生し、印刷適性に重大な問題がある。
【0046】
加工適性(窓付け):試験片に樹脂による窓付加工を施した際の加工適性について下記基準に基づき評価を行った。
(評価基準)
5:窓付加工後に窓部の不透明部分、波うちが全く見られず非常に良好な状態。
4:窓付加工後に窓部の不透明部分、波うちが若干見られるが良好な状態。
3:窓付加工後に窓部の不透明部分、波うちがある程度見られるが問題無い状態。
2:窓付加工後に窓部の不透明部分、波うちが多く見られ問題のある状態。
1:窓付加工後に窓部の不透明部分、波うちが非常に多く見られ、問題のある状態。
【0047】
加工適性(製袋):印刷又は窓付加工後の試験片を、製袋加工機械(型番:FF221/2、富士製袋機工業(株)製)を用いて300袋/分の速度で加工した際の加工作業性を調査し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
5:紙と紙の間に空気が入ることによる紙の不揃いがなく、折り、糊付加工適性にも非常に優れる。
4:紙と紙の間に空気が入ることによる紙の不揃いは僅かであり、折り、糊付加工適性に優れる。
3:紙と紙の間に空気が入ることによる紙の不揃いがある程度あり、折り、糊付加工時も不具合が一部あるが問題は無い。
2:紙と紙の間に空気が入ることによる紙の不揃いが多くあり、折り、糊付加工時に不具合も多く、問題がある。
1:紙と紙の間に空気が入ることによる紙の不揃いが多量に生じ、折り、糊付加工時の不具合も多く、重大な問題がある。
【0048】
寸法安定性:J.TAPPI紙パルプ試験方法No.27−78のB法に準拠して測定した紙の横方向の水中伸度の値から以下の評価基準に基づいて評価した。
5:紙の横方向の水中伸度が1.8%以下。
4:紙の横方向の水中伸度が1.8%を超え1.9%以下。
3:紙の横方向の水中伸度が1.9%を超え2.0%以下。
2:紙の横方向の水中伸度が2.0%を超え2.5%以下。
1:紙の横方向の水中伸度は2.5%を超える。
【0049】
隠蔽性:プリンタ(SHARP AR−451N SPDL2:シャープ株式会社製)により大きさ3ポイント、黒色インキで任意に印字した試料に試験片を1枚かざし、以下に示す文字の判読状況により評価を行った。
(評価基準)
5:印字した字を認識出来る状態ではまったく無く、非常に良好な隠蔽性である。
4:印字した字は若干認識出来る状態ではあるが良好な隠蔽性である。
3:印字した字はある程度認識出来る状態ではあるが、隠蔽性上問題が無い。
2:印字した字が認識出来る状態であり、隠蔽性上問題がある。
1:印字した字が完全に認識出来ることであり、隠蔽性上非常に問題がある。
【0050】
積載性:封筒加工後に500枚の封筒を積載した際の積載状況を調査し、以下の評価基準に基づいて評価した。
5:封筒内に空気の封入、封筒間での滑りも全くなく非常に良好な積載状態。
4:封筒内に空気の封入、封筒間での滑りも比較的なく良好な積載状態。
3:封筒内に空気の封入、封筒間での滑りがある程度あるが積載状態は問題ない。
2:封筒内に空気の封入、封筒間での滑りがあり、積載状態に問題がある。
1:封筒内に空気の封入、封筒間での滑りが多くあり、積載状態に非常に問題がある。
【0051】
【表1】

【0052】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、パルプ原料に古紙パルプが配合された封筒用紙及び封筒用紙の製造方法として適用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルプ原料として古紙パルプが配合された封筒用紙であって、
前記パルプ原料の配合質量割合が、広葉樹バージンパルプ:針葉樹バージンパルプ:古紙パルプ=20〜40:0〜20:40〜80とされ、かつ広葉樹化学パルプ:針葉樹化学パルプ:機械パルプ=65〜90:10〜30:0〜5とされ、
JIS P 8251に準拠して測定した灰分が2〜10%とされている、
ことを特徴とする封筒用紙。
【請求項2】
JIS P 8220に準拠して離解した離解後パルプのJIS P 8121に準拠して測定したフリーネスが350〜500ccとされ、
前記パルプ原料中に紙力増強剤として両性ポリアクリルアミドが0.5〜2.0%、カチオン澱粉が0.1〜0.8%含有されている、
請求項1記載の封筒用紙。
ここで上記紙力増強剤の含有割合は、対パルプ固形分当たりの固形分質量基準である。
【請求項3】
JIS P 8119に準拠して測定したベック平滑度が一方の表面について100〜300秒、他方の表面について5〜25秒とされ、かつJIS P 8117に準拠して測定したガーレー透気度が15〜50秒、JIS P 8149に準拠して測定した不透明度が77%以上、J.TAPPI紙パルプ試験方法No.27−2000のB法に準拠して測定した水中伸度(横方向)が2.0%以下とされている、
請求項1又は請求項2記載の封筒用紙。
【請求項4】
古紙パルプが配合されたパルプ原料を抄紙して封筒用紙を製造する方法であって、
前記パルプ原料を、広葉樹バージンパルプ:針葉樹バージンパルプ:古紙パルプ=20〜40:0〜20:40〜80となるように、かつ広葉樹化学パルプ:針葉樹化学パルプ:機械パルプ=65〜90:10〜30:0〜5となるように配合し、
前記抄紙は、pH5.5〜8.0の中性抄紙とし、
JIS P 8251に準拠して測定した灰分が2〜10%となるようにする、
ことを特徴とする封筒用紙の製造方法。

【公開番号】特開2012−97370(P2012−97370A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−245549(P2010−245549)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】