封緘装置
【課題】簡易な封緘装置を提供する。
【解決手段】封筒６を載置して一方向にスライドさせ得るガイド体２と、当該封筒６のフラップ部６ａをガイド体２の一端から突出させた状態で当該封筒６の袋部６ｂをガイド体上に位置決めする位置決め体１１と、当該位置決めされた封筒６のスライドによって当該封筒６の袋部６ｂとフラップ部６ａの折り曲げ箇所で当該フラップ部６ａを折り返すフラップガイド体１２と、上記ガイド体２をその両側から挟みつつ上記ガイド体２の上記一方向における末端を超えて伸び、始端側では上記ガイド体２に跨るように配置された封筒６の袋部６ｂ及びフラップ部６ａを導入可能に拡開し、終端側に向かうに連れて徐々に間隔が狭まって封筒６の重なり合った袋部６ｂとフラップ部６ａとを押圧するように形成された一対の押圧板３、４と、上記封筒６を上記ガイド体２上で一方向にスライドさせる間に、上記封筒６の袋部６ｂ又はフラップ部６ａに予め塗工された再湿糊部７に水を塗布する水塗布手段５と、を包含してなる。
【解決手段】封筒６を載置して一方向にスライドさせ得るガイド体２と、当該封筒６のフラップ部６ａをガイド体２の一端から突出させた状態で当該封筒６の袋部６ｂをガイド体上に位置決めする位置決め体１１と、当該位置決めされた封筒６のスライドによって当該封筒６の袋部６ｂとフラップ部６ａの折り曲げ箇所で当該フラップ部６ａを折り返すフラップガイド体１２と、上記ガイド体２をその両側から挟みつつ上記ガイド体２の上記一方向における末端を超えて伸び、始端側では上記ガイド体２に跨るように配置された封筒６の袋部６ｂ及びフラップ部６ａを導入可能に拡開し、終端側に向かうに連れて徐々に間隔が狭まって封筒６の重なり合った袋部６ｂとフラップ部６ａとを押圧するように形成された一対の押圧板３、４と、上記封筒６を上記ガイド体２上で一方向にスライドさせる間に、上記封筒６の袋部６ｂ又はフラップ部６ａに予め塗工された再湿糊部７に水を塗布する水塗布手段５と、を包含してなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、封筒の封緘装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、封筒を自動的に封緘することができる封緘装置が各種提案されている。これらはいずれもモータ等の駆動源の動力をリンク機構等で各種操作部に伝達し、各操作部によって封筒を搬送したり、封筒のフラップ部を折り曲げたり、糊付けしたりして封筒の封緘を行うようになっている（例えば、特許文献１，２，３参照。）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００６−１５１５１８号公報
【特許文献２】特開平９−５２２９４号公報
【特許文献３】特開平８−１１８８９８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
従来の封緘装置は、動力源やリンク機構等の伝動装置等を有するので、構造が複雑であり、各部の調整も比較的面倒であり、メインテナンスも面倒であるという問題がある。
【０００５】
本発明は、このような問題点を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。
【０００７】
なお、本発明の理解を容易にするため図面の参照符号を括弧書きで付するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【０００８】
請求項１に係る発明は、封筒（６）を載置して一方向にスライドさせ得るガイド体（２）と、当該封筒のフラップ部（６ａ）をガイド体の一端から突出させた状態で当該封筒の袋部（６ｂ）をガイド体上に位置決めする位置決め体（１１）と、当該位置決めされた封筒のスライドによって当該封筒の袋部とフラップ部の折り曲げ箇所で当該フラップ部を折り返すフラップガイド体（１２）と、上記ガイド体をその両側から挟みつつ上記ガイド体の上記一方向における末端を超えて伸び、始端側では上記ガイド体に跨るように配置された封筒の袋部及びフラップ部を導入可能に拡開し、終端側に向かうに連れて徐々に間隔が狭まって封筒の重なり合った袋部とフラップ部とを押圧するように形成された一対の押圧板（３、４）と、上記封筒を上記ガイド体上で一方向にスライドさせる間に、上記封筒の袋部又はフラップ部に予め塗工された再湿糊部（７）に水を塗布する水塗布手段（５）と、を包含してなる封緘装置を採用する。
【０００９】
請求項２に係る発明は、封筒を載置して一方向にスライドさせ得るガイド体と、当該封筒のフラップ部をガイド体の一端から突出させた状態で当該封筒の袋部をガイド体上に位置決めする位置決め体と、当該位置決めされた封筒のスライドによって当該封筒の袋部とフラップ部の折り曲げ箇所で当該フラップ部を折り返すフラップガイド体と、上記ガイド体をその両側から挟みつつ上記ガイド体の上記一方向における末端を超えて伸び、始端側では上記ガイド体に跨るように配置された封筒の袋部及びフラップ部を導入可能に拡開し、終端側に向かうに連れて徐々に間隔が狭まって封筒の重なり合った袋部とフラップ部とを押圧するように形成された一対の押圧板と、上記封筒を上記ガイド体上で一方向にスライドさせる間に、上記封筒の袋部又はフラップ部に封緘用糊を塗布する糊塗布手段とを包含してなる封緘装置を採用する。
【００１０】
請求項３に記載されるように、請求項１又は請求項２に記載の封緘装置において、上記一対の押圧板を板バネで形成することができる。
【００１１】
請求項４に記載されるように、請求項１に記載の封緘装置において、上記水塗布手段が保湿部（５ａ）を有し、この保湿部が上記一対の押圧板の一方と上記ガイド体との間に配置され、上記ガイド体上をスライドする封筒の袋部又はフラップ部の再湿糊部に接触することにより、再湿糊部に水が塗布されるようにしたものとすることができる。
【００１２】
請求項５に記載されるように、請求項２に記載の封緘装置において、上記糊塗布手段が糊塗布部を有し、この糊塗布部が上記一対の押圧板の一方と上記ガイド体との間に配置され、上記ガイド体上をスライドする封筒の袋部又はフラップ部に接触することにより、封緘用糊が塗布されるようにしたものとすることができる。
【発明の効果】
【００１３】
本発明によれば、駆動部を省略することで封緘装置の構造及び大きさを簡略化することができ、卓上型として使用することができ、メンテナンスフリーとすることができる。また、各種大きさの封筒に対応することができるので、小ロット、多品種の封筒の封緘作業に好適である。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明に係る封緘装置の概略斜視図である。
【図２】図１中、ＩＩ−ＩＩ線矢視断面図である。
【図３】図１の（Ａ）部分における平面図である。
【図４】図２中、ＩＩＩ−ＩＩＩ線矢視断面図である。
【図５】図２中、ＩＶ−ＩＶ線矢視断面図である。
【図６】図２中、Ｖ−Ｖ線矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
【００１６】
＜実施の形態１＞
本実施形態の封緘装置は、図１（ｃ）に示すように、封筒６のフラップ部６ａを折り返して貼着することにより封筒６の袋部６ｂを封緘するものである。なお、この封筒６の袋部６ｂ内には図示しない内容物がすでに挿入され、フラップ部６ａには予め再湿糊部７が帯状に塗工されている。なお、図１中、符号６ｃは透明フィルムで遮蔽された覗き窓を示す。
【００１７】
図１及び図２に示すように、この封緘装置は、基台１上に、ガイド体２と、フラップガイド体１２と、封筒挟持手段１３と、水塗布手段５とを備える。
【００１８】
ガイド体２は、図１及び図２に示すように、略矩形状の板で形成され、所定の間隔を空けて基台１上にほぼ水平に固定される。このガイド体２の表面には封筒６が載置され、作業者によって当該封筒６が図１中矢印に示すように一方向にスライドさせられる。
【００１９】
このガイド体２の手前側には、水平方向に伸びるガイド体２の下端辺に沿うようにして、封筒６の載置位置を規定するための位置決め用ストッパ１１が設けられている。この位置決め用ストッパ１１は手前側から奥行き側へと移動可能にガイド体２に取り付けられており、封筒６の大きさによってその位置が調整される。具体的には、この位置決め用ストッパ１１は、図１（Ａ）の点線で示す封筒６の袋部６ｂとフラップ部６ａの折り曲げ箇所としての境目６ｄがガイド体２の奥行き側の上端辺に重なるように、封筒６の大きさにしたがってその位置が調整される。
【００２０】
そして、封筒６は、このガイド体２と位置決め用ストッパ１１によりガイドされて、ガイド体２の前方から後方へと送られる。
【００２１】
また、図１（Ａ）、図２（Ａ）、及び図３に示すように、ガイド体２の奥行き側には、封筒６のフラップ部６ａを折り返すためのフラップガイド体１２が設けられている。このフラップガイド体１２は、例えば、丸棒体を、上記上端辺に沿って、ガイド体２の正面側から裏面側へと螺旋状に形成したものであって、封筒６の境目６ｄにおいて、フラップ部６ａを袋部６ｂ側へと折り返す。
【００２２】
具体的には、フラップガイド体１２は、図３に示すように、封筒６の移動とともに、ａ点において、フラップ部６ａを袋部６ｂ側（図上下側）へと押圧して折り返し、ｂ点において、ガイド体２との間でフラップ部６ａを挟みこみ、ｃ点において、完全にフラップ６ａを折り返して当該フラップ６ａ部がガイド体２の裏面と対向するように案内する。これにより、フラップ部６ａは、ａ点においてフラップ部６ａの一部が袋体６ｂ側へと折り曲げられ、ｂ点において折り曲げ箇所に折り筋が付けられ、ｃ点においてフラップ部６ａが完全に折り返される。
【００２３】
このように、図１（Ａ）においては、作業者によって、位置決め用ストッパ１１が用いられて、封筒６が位置決めされた後、この封筒６は図１中矢印で示す一方向にスライドさせられる。この封筒６の移動にともない、フラップ部６ａは、フラップガイド体１２により袋部６ｂ側へと折り返される。よって、簡易な構造で簡単且つ自動的にフラップ部６ａを封筒６の境目６ｄで折り返すことができるので便利である。
【００２４】
封筒挟持手段１３は、例えば、一対の押圧板３、４で構成され、当該一対の押圧板３、４は、望ましくは各々板バネで形成される。当該一対の押圧板３、４は、図１及び図２に示すように、ガイド体２の上下両側においてガイド体２の長手方向に沿ってガイド体２の後方へと伸びるように配置される。
【００２５】
基台１上には、ガイド体２を両側から挟むように二本の支持棒８が水平に固定され、一対の押圧板３、４が各々始端側で各支持棒８に片持ち状に固定される。そして、一対の押圧板３、４は、図１及び図２に示すように、各始端側からガイド体２を挟みつつガイド体２の上記一方向における末端を超えて伸びるように配置される。
【００２６】
また、一対の押圧板３、４は、各々の始端側では、図２、及び図４に示すように、ガイド体２に跨るように配置された封筒６の袋部６ｂ及びフラップ部６ａを導入可能に拡開し、終端側に向かうに連れて徐々に間隔が狭まり、図６に示すように、終端側で封筒６の袋部６ｂとフラップ部６ａとを強く押圧することができるように重なり合う。
【００２７】
水塗布手段５は、図１及び図５に示すように、保湿部５ａを有し、この保湿部５ａが上記一対の押圧板３、４のうち一方の押圧板３と上記ガイド体２との間に配置され、封筒６のフラップ部６ａの再湿糊部７に対向可能に設けられる。
【００２８】
保湿部５ａは、毛細管現象により水を吸収することができる材料で形成され、例えば不織布を巻回したものやスポンジで形成される。図１及び図５に示すように、基台１上には水の貯留槽５ｂが設けられ、保湿部５ａがこの貯留槽５ｂ内へと伸びている。保湿部５ａは、貯留槽５ｂ内に溜められた水が毛細管現象により供給されることから常時湿潤状態に保持される。
【００２９】
図１及び図２に示すように、封筒６をガイド体２の表面上で一方向にスライドさせると、封筒６のフラップ部６ａの再湿糊部７に図５のごとく保湿部５ａが接触し、再湿糊部７に水が塗布され、再湿糊部７の糊がタック性を帯びる。
【００３０】
なお、再湿糊部７が封筒６の袋部６ｂ側に形成されている場合は、保湿部５ａが上記一対の押圧板３、４のうち他方の押圧板４と上記ガイド体２との間に配置され、封筒６の袋部６ｂの再湿糊部７に対向可能に設けられる。
【００３１】
再湿糊部７に水が塗布された封筒６は、ガイド体２から離脱した後、図６に示すように、そのフラップ部６ａと袋部６ｂとが一対の押圧板３、４によって強く押圧される。これにより、フラップ部６ａは再湿糊部７の糊を介して袋部６ｂに接着され、封筒６の封緘が完了する。
【００３２】
次に、上記封緘装置の作用について説明する。
【００３３】
（１）図１（Ａ）に示すように、まず、作業者によって、袋部６ｂ内に図示しない内容物がすでに挿入された封筒６がガイド体２に載置され、その封筒６の境目６ｄがガイド体２の上端辺に重なるように位置決め用ストッパ１１が移動される。また、図１（Ａ）及び図２（Ａ）に示すように、作業者がガイド体２の表面上において、封筒６を矢印で示す一方向にスライドさせる。このように封筒６をガイド体２上で一方向にスライドさせると、フラップガイド体１２によってフラップ部６ａが折り返される。
【００３４】
（２）次に、図１（Ｂ）、図２（Ｂ）及び図４に示すように、封筒６のフラップ部６ａが一方の押圧板４とガイド体２との間に侵入し、袋部６ｂが他方の押圧板３とガイド体２との間に侵入する。
【００３５】
（３）さらに封筒６をガイド体２上でスライドさせると、図１（Ｂ）及び図２（Ｂ）に示すように、封筒６のフラップ部６ａの再湿糊部７に図５のごとく保湿部５ａが接触し、再湿糊部７に水が塗布され、再湿糊部７の糊がタック性を生じる。
【００３６】
（４）再湿糊部７に水が塗布された封筒６は、ガイド部２を外れ、そのフラップ部６ａが袋部６ｂに対峙する。
【００３７】
（５）封筒６は作業者の手によって支えられつつ一対の押圧板３、４間をその後端側へと送られる。そして、図６に示すように、一対の押圧板３、４の加圧力によって封筒６のフラップ部６ａが袋部６ｂに再湿糊部７の糊を介して接着され、これにより封筒６の封緘が完了する。
【００３８】
＜実施の形態２＞
この実施の形態２における封緘装置は、実施の形態１における封緘装置と同様な構成であるが、実施の形態１における水塗布手段５が糊塗布手段で代替される。
【００３９】
そして、実施の形態１における保湿部５ａが糊塗布部として用いられ、水の貯留槽５ｂが封緘用糊の貯留槽として用いられる。
【００４０】
封緘用糊としては、例えば水糊等の液状糊を使用することができる。
【００４１】
この実施の形態２の封緘装置によれば、封筒６をガイド体２上でスライドさせると、図１（Ｂ）及び図２（Ｂ）に示すように、封筒６のフラップ部６ａに図５のごとく糊塗布部が接触し、フラップ部６ａに封緘用糊である水糊がストライプ状に塗布される。水糊は、上記再湿糊部７と略同じ形状及び面積で塗布される。
【００４２】
水糊がフラップ部６ａに塗布された封筒６は、ガイド部２を外れ、そのフラップ部６ａが袋部６ｂに対峙する。封筒６は作業者の手によって支えられつつ一対の押圧板３、４間をその後端側へと送られる。そして、図６に示すように、一対の押圧板３、４の加圧力によって封筒６のフラップ部６ａが袋部６ｂに貼着され、これにより封筒６の封緘が完了する。
【００４３】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々変更可能である。封緘処理することができる封筒も、図示例のものに限られるものではなく、各種形状、大きさの封筒について封緘処理可能である。
【符号の説明】
【００４４】
２…ガイド部
３、４…押圧板
５…水塗布手段
５ａ…保湿部
６…封筒
６ａ…フラップ部
６ｂ…袋部
７…再湿糊部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、封筒の封緘装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、封筒を自動的に封緘することができる封緘装置が各種提案されている。これらはいずれもモータ等の駆動源の動力をリンク機構等で各種操作部に伝達し、各操作部によって封筒を搬送したり、封筒のフラップ部を折り曲げたり、糊付けしたりして封筒の封緘を行うようになっている（例えば、特許文献１，２，３参照。）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００６−１５１５１８号公報
【特許文献２】特開平９−５２２９４号公報
【特許文献３】特開平８−１１８８９８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
従来の封緘装置は、動力源やリンク機構等の伝動装置等を有するので、構造が複雑であり、各部の調整も比較的面倒であり、メインテナンスも面倒であるという問題がある。
【０００５】
本発明は、このような問題点を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。
【０００７】
なお、本発明の理解を容易にするため図面の参照符号を括弧書きで付するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【０００８】
請求項１に係る発明は、封筒（６）を載置して一方向にスライドさせ得るガイド体（２）と、当該封筒のフラップ部（６ａ）をガイド体の一端から突出させた状態で当該封筒の袋部（６ｂ）をガイド体上に位置決めする位置決め体（１１）と、当該位置決めされた封筒のスライドによって当該封筒の袋部とフラップ部の折り曲げ箇所で当該フラップ部を折り返すフラップガイド体（１２）と、上記ガイド体をその両側から挟みつつ上記ガイド体の上記一方向における末端を超えて伸び、始端側では上記ガイド体に跨るように配置された封筒の袋部及びフラップ部を導入可能に拡開し、終端側に向かうに連れて徐々に間隔が狭まって封筒の重なり合った袋部とフラップ部とを押圧するように形成された一対の押圧板（３、４）と、上記封筒を上記ガイド体上で一方向にスライドさせる間に、上記封筒の袋部又はフラップ部に予め塗工された再湿糊部（７）に水を塗布する水塗布手段（５）と、を包含してなる封緘装置を採用する。
【０００９】
請求項２に係る発明は、封筒を載置して一方向にスライドさせ得るガイド体と、当該封筒のフラップ部をガイド体の一端から突出させた状態で当該封筒の袋部をガイド体上に位置決めする位置決め体と、当該位置決めされた封筒のスライドによって当該封筒の袋部とフラップ部の折り曲げ箇所で当該フラップ部を折り返すフラップガイド体と、上記ガイド体をその両側から挟みつつ上記ガイド体の上記一方向における末端を超えて伸び、始端側では上記ガイド体に跨るように配置された封筒の袋部及びフラップ部を導入可能に拡開し、終端側に向かうに連れて徐々に間隔が狭まって封筒の重なり合った袋部とフラップ部とを押圧するように形成された一対の押圧板と、上記封筒を上記ガイド体上で一方向にスライドさせる間に、上記封筒の袋部又はフラップ部に封緘用糊を塗布する糊塗布手段とを包含してなる封緘装置を採用する。
【００１０】
請求項３に記載されるように、請求項１又は請求項２に記載の封緘装置において、上記一対の押圧板を板バネで形成することができる。
【００１１】
請求項４に記載されるように、請求項１に記載の封緘装置において、上記水塗布手段が保湿部（５ａ）を有し、この保湿部が上記一対の押圧板の一方と上記ガイド体との間に配置され、上記ガイド体上をスライドする封筒の袋部又はフラップ部の再湿糊部に接触することにより、再湿糊部に水が塗布されるようにしたものとすることができる。
【００１２】
請求項５に記載されるように、請求項２に記載の封緘装置において、上記糊塗布手段が糊塗布部を有し、この糊塗布部が上記一対の押圧板の一方と上記ガイド体との間に配置され、上記ガイド体上をスライドする封筒の袋部又はフラップ部に接触することにより、封緘用糊が塗布されるようにしたものとすることができる。
【発明の効果】
【００１３】
本発明によれば、駆動部を省略することで封緘装置の構造及び大きさを簡略化することができ、卓上型として使用することができ、メンテナンスフリーとすることができる。また、各種大きさの封筒に対応することができるので、小ロット、多品種の封筒の封緘作業に好適である。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明に係る封緘装置の概略斜視図である。
【図２】図１中、ＩＩ−ＩＩ線矢視断面図である。
【図３】図１の（Ａ）部分における平面図である。
【図４】図２中、ＩＩＩ−ＩＩＩ線矢視断面図である。
【図５】図２中、ＩＶ−ＩＶ線矢視断面図である。
【図６】図２中、Ｖ−Ｖ線矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
【００１６】
＜実施の形態１＞
本実施形態の封緘装置は、図１（ｃ）に示すように、封筒６のフラップ部６ａを折り返して貼着することにより封筒６の袋部６ｂを封緘するものである。なお、この封筒６の袋部６ｂ内には図示しない内容物がすでに挿入され、フラップ部６ａには予め再湿糊部７が帯状に塗工されている。なお、図１中、符号６ｃは透明フィルムで遮蔽された覗き窓を示す。
【００１７】
図１及び図２に示すように、この封緘装置は、基台１上に、ガイド体２と、フラップガイド体１２と、封筒挟持手段１３と、水塗布手段５とを備える。
【００１８】
ガイド体２は、図１及び図２に示すように、略矩形状の板で形成され、所定の間隔を空けて基台１上にほぼ水平に固定される。このガイド体２の表面には封筒６が載置され、作業者によって当該封筒６が図１中矢印に示すように一方向にスライドさせられる。
【００１９】
このガイド体２の手前側には、水平方向に伸びるガイド体２の下端辺に沿うようにして、封筒６の載置位置を規定するための位置決め用ストッパ１１が設けられている。この位置決め用ストッパ１１は手前側から奥行き側へと移動可能にガイド体２に取り付けられており、封筒６の大きさによってその位置が調整される。具体的には、この位置決め用ストッパ１１は、図１（Ａ）の点線で示す封筒６の袋部６ｂとフラップ部６ａの折り曲げ箇所としての境目６ｄがガイド体２の奥行き側の上端辺に重なるように、封筒６の大きさにしたがってその位置が調整される。
【００２０】
そして、封筒６は、このガイド体２と位置決め用ストッパ１１によりガイドされて、ガイド体２の前方から後方へと送られる。
【００２１】
また、図１（Ａ）、図２（Ａ）、及び図３に示すように、ガイド体２の奥行き側には、封筒６のフラップ部６ａを折り返すためのフラップガイド体１２が設けられている。このフラップガイド体１２は、例えば、丸棒体を、上記上端辺に沿って、ガイド体２の正面側から裏面側へと螺旋状に形成したものであって、封筒６の境目６ｄにおいて、フラップ部６ａを袋部６ｂ側へと折り返す。
【００２２】
具体的には、フラップガイド体１２は、図３に示すように、封筒６の移動とともに、ａ点において、フラップ部６ａを袋部６ｂ側（図上下側）へと押圧して折り返し、ｂ点において、ガイド体２との間でフラップ部６ａを挟みこみ、ｃ点において、完全にフラップ６ａを折り返して当該フラップ６ａ部がガイド体２の裏面と対向するように案内する。これにより、フラップ部６ａは、ａ点においてフラップ部６ａの一部が袋体６ｂ側へと折り曲げられ、ｂ点において折り曲げ箇所に折り筋が付けられ、ｃ点においてフラップ部６ａが完全に折り返される。
【００２３】
このように、図１（Ａ）においては、作業者によって、位置決め用ストッパ１１が用いられて、封筒６が位置決めされた後、この封筒６は図１中矢印で示す一方向にスライドさせられる。この封筒６の移動にともない、フラップ部６ａは、フラップガイド体１２により袋部６ｂ側へと折り返される。よって、簡易な構造で簡単且つ自動的にフラップ部６ａを封筒６の境目６ｄで折り返すことができるので便利である。
【００２４】
封筒挟持手段１３は、例えば、一対の押圧板３、４で構成され、当該一対の押圧板３、４は、望ましくは各々板バネで形成される。当該一対の押圧板３、４は、図１及び図２に示すように、ガイド体２の上下両側においてガイド体２の長手方向に沿ってガイド体２の後方へと伸びるように配置される。
【００２５】
基台１上には、ガイド体２を両側から挟むように二本の支持棒８が水平に固定され、一対の押圧板３、４が各々始端側で各支持棒８に片持ち状に固定される。そして、一対の押圧板３、４は、図１及び図２に示すように、各始端側からガイド体２を挟みつつガイド体２の上記一方向における末端を超えて伸びるように配置される。
【００２６】
また、一対の押圧板３、４は、各々の始端側では、図２、及び図４に示すように、ガイド体２に跨るように配置された封筒６の袋部６ｂ及びフラップ部６ａを導入可能に拡開し、終端側に向かうに連れて徐々に間隔が狭まり、図６に示すように、終端側で封筒６の袋部６ｂとフラップ部６ａとを強く押圧することができるように重なり合う。
【００２７】
水塗布手段５は、図１及び図５に示すように、保湿部５ａを有し、この保湿部５ａが上記一対の押圧板３、４のうち一方の押圧板３と上記ガイド体２との間に配置され、封筒６のフラップ部６ａの再湿糊部７に対向可能に設けられる。
【００２８】
保湿部５ａは、毛細管現象により水を吸収することができる材料で形成され、例えば不織布を巻回したものやスポンジで形成される。図１及び図５に示すように、基台１上には水の貯留槽５ｂが設けられ、保湿部５ａがこの貯留槽５ｂ内へと伸びている。保湿部５ａは、貯留槽５ｂ内に溜められた水が毛細管現象により供給されることから常時湿潤状態に保持される。
【００２９】
図１及び図２に示すように、封筒６をガイド体２の表面上で一方向にスライドさせると、封筒６のフラップ部６ａの再湿糊部７に図５のごとく保湿部５ａが接触し、再湿糊部７に水が塗布され、再湿糊部７の糊がタック性を帯びる。
【００３０】
なお、再湿糊部７が封筒６の袋部６ｂ側に形成されている場合は、保湿部５ａが上記一対の押圧板３、４のうち他方の押圧板４と上記ガイド体２との間に配置され、封筒６の袋部６ｂの再湿糊部７に対向可能に設けられる。
【００３１】
再湿糊部７に水が塗布された封筒６は、ガイド体２から離脱した後、図６に示すように、そのフラップ部６ａと袋部６ｂとが一対の押圧板３、４によって強く押圧される。これにより、フラップ部６ａは再湿糊部７の糊を介して袋部６ｂに接着され、封筒６の封緘が完了する。
【００３２】
次に、上記封緘装置の作用について説明する。
【００３３】
（１）図１（Ａ）に示すように、まず、作業者によって、袋部６ｂ内に図示しない内容物がすでに挿入された封筒６がガイド体２に載置され、その封筒６の境目６ｄがガイド体２の上端辺に重なるように位置決め用ストッパ１１が移動される。また、図１（Ａ）及び図２（Ａ）に示すように、作業者がガイド体２の表面上において、封筒６を矢印で示す一方向にスライドさせる。このように封筒６をガイド体２上で一方向にスライドさせると、フラップガイド体１２によってフラップ部６ａが折り返される。
【００３４】
（２）次に、図１（Ｂ）、図２（Ｂ）及び図４に示すように、封筒６のフラップ部６ａが一方の押圧板４とガイド体２との間に侵入し、袋部６ｂが他方の押圧板３とガイド体２との間に侵入する。
【００３５】
（３）さらに封筒６をガイド体２上でスライドさせると、図１（Ｂ）及び図２（Ｂ）に示すように、封筒６のフラップ部６ａの再湿糊部７に図５のごとく保湿部５ａが接触し、再湿糊部７に水が塗布され、再湿糊部７の糊がタック性を生じる。
【００３６】
（４）再湿糊部７に水が塗布された封筒６は、ガイド部２を外れ、そのフラップ部６ａが袋部６ｂに対峙する。
【００３７】
（５）封筒６は作業者の手によって支えられつつ一対の押圧板３、４間をその後端側へと送られる。そして、図６に示すように、一対の押圧板３、４の加圧力によって封筒６のフラップ部６ａが袋部６ｂに再湿糊部７の糊を介して接着され、これにより封筒６の封緘が完了する。
【００３８】
＜実施の形態２＞
この実施の形態２における封緘装置は、実施の形態１における封緘装置と同様な構成であるが、実施の形態１における水塗布手段５が糊塗布手段で代替される。
【００３９】
そして、実施の形態１における保湿部５ａが糊塗布部として用いられ、水の貯留槽５ｂが封緘用糊の貯留槽として用いられる。
【００４０】
封緘用糊としては、例えば水糊等の液状糊を使用することができる。
【００４１】
この実施の形態２の封緘装置によれば、封筒６をガイド体２上でスライドさせると、図１（Ｂ）及び図２（Ｂ）に示すように、封筒６のフラップ部６ａに図５のごとく糊塗布部が接触し、フラップ部６ａに封緘用糊である水糊がストライプ状に塗布される。水糊は、上記再湿糊部７と略同じ形状及び面積で塗布される。
【００４２】
水糊がフラップ部６ａに塗布された封筒６は、ガイド部２を外れ、そのフラップ部６ａが袋部６ｂに対峙する。封筒６は作業者の手によって支えられつつ一対の押圧板３、４間をその後端側へと送られる。そして、図６に示すように、一対の押圧板３、４の加圧力によって封筒６のフラップ部６ａが袋部６ｂに貼着され、これにより封筒６の封緘が完了する。
【００４３】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々変更可能である。封緘処理することができる封筒も、図示例のものに限られるものではなく、各種形状、大きさの封筒について封緘処理可能である。
【符号の説明】
【００４４】
２…ガイド部
３、４…押圧板
５…水塗布手段
５ａ…保湿部
６…封筒
６ａ…フラップ部
６ｂ…袋部
７…再湿糊部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
封筒を載置して一方向にスライドさせ得るガイド体と、
当該封筒のフラップ部をガイド体の一端から突出させた状態で当該封筒の袋部をガイド体上に位置決めする位置決め体と、
当該位置決めされた封筒のスライドによって当該封筒の袋部とフラップ部の折り曲げ箇所で当該フラップ部を折り返すフラップガイド体と、
上記ガイド体をその両側から挟みつつ上記ガイド体の上記一方向における末端を超えて伸び、始端側では上記ガイド体に跨るように配置された封筒の袋部及びフラップ部を導入可能に拡開し、終端側に向かうに連れて徐々に間隔が狭まって封筒の重なり合った袋部とフラップ部とを押圧するように形成された一対の押圧板と、
上記封筒を上記ガイド体上で一方向にスライドさせる間に、上記封筒の袋部又はフラップ部に予め塗工された再湿糊部に水を塗布する水塗布手段と、
を包含してなることを特徴とする封緘装置。
【請求項２】
封筒を載置して一方向にスライドさせ得るガイド体と、
当該封筒のフラップ部をガイド体の一端から突出させた状態で当該封筒の袋部をガイド体上に位置決めする位置決め体と、
当該位置決めされた封筒のスライドによって当該封筒の袋部とフラップ部の折り曲げ箇所で当該フラップ部を折り返すフラップガイド体と、
上記ガイド体をその両側から挟みつつ上記ガイド体の上記一方向における末端を超えて伸び、始端側では上記ガイド体に跨るように配置された封筒の袋部及びフラップ部を導入可能に拡開し、終端側に向かうに連れて徐々に間隔が狭まって封筒の重なり合った袋部とフラップ部とを押圧するように形成された一対の押圧板と、
上記封筒を上記ガイド体上で一方向にスライドさせる間に、上記封筒の袋部又はフラップ部に封緘用糊を塗布する糊塗布手段とを包含してなることを特徴とする封緘装置。
【請求項３】
請求項１又は請求項２に記載の封緘装置において、上記一対の押圧板が板バネで形成されたことを特徴とする封緘装置。
【請求項４】
請求項１に記載の封緘装置において、上記水塗布手段が保湿部を有し、この保湿部が上記一対の押圧板の一方と上記ガイド体との間に配置され、上記ガイド体上をスライドする封筒の袋部又はフラップ部の再湿糊部に接触することにより、再湿糊部に水が塗布されるようにしたことを特徴とする封緘装置。
【請求項５】
請求項２に記載の封緘装置において、上記糊塗布手段が糊塗布部を有し、この糊塗布部が上記一対の押圧板の一方と上記ガイド体との間に配置され、上記ガイド体上をスライドする封筒の袋部又はフラップ部に接触することにより、封緘用糊が塗布されるようにしたことを特徴とする封緘装置。
【請求項１】
封筒を載置して一方向にスライドさせ得るガイド体と、
当該封筒のフラップ部をガイド体の一端から突出させた状態で当該封筒の袋部をガイド体上に位置決めする位置決め体と、
当該位置決めされた封筒のスライドによって当該封筒の袋部とフラップ部の折り曲げ箇所で当該フラップ部を折り返すフラップガイド体と、
上記ガイド体をその両側から挟みつつ上記ガイド体の上記一方向における末端を超えて伸び、始端側では上記ガイド体に跨るように配置された封筒の袋部及びフラップ部を導入可能に拡開し、終端側に向かうに連れて徐々に間隔が狭まって封筒の重なり合った袋部とフラップ部とを押圧するように形成された一対の押圧板と、
上記封筒を上記ガイド体上で一方向にスライドさせる間に、上記封筒の袋部又はフラップ部に予め塗工された再湿糊部に水を塗布する水塗布手段と、
を包含してなることを特徴とする封緘装置。
【請求項２】
封筒を載置して一方向にスライドさせ得るガイド体と、
当該封筒のフラップ部をガイド体の一端から突出させた状態で当該封筒の袋部をガイド体上に位置決めする位置決め体と、
当該位置決めされた封筒のスライドによって当該封筒の袋部とフラップ部の折り曲げ箇所で当該フラップ部を折り返すフラップガイド体と、
上記ガイド体をその両側から挟みつつ上記ガイド体の上記一方向における末端を超えて伸び、始端側では上記ガイド体に跨るように配置された封筒の袋部及びフラップ部を導入可能に拡開し、終端側に向かうに連れて徐々に間隔が狭まって封筒の重なり合った袋部とフラップ部とを押圧するように形成された一対の押圧板と、
上記封筒を上記ガイド体上で一方向にスライドさせる間に、上記封筒の袋部又はフラップ部に封緘用糊を塗布する糊塗布手段とを包含してなることを特徴とする封緘装置。
【請求項３】
請求項１又は請求項２に記載の封緘装置において、上記一対の押圧板が板バネで形成されたことを特徴とする封緘装置。
【請求項４】
請求項１に記載の封緘装置において、上記水塗布手段が保湿部を有し、この保湿部が上記一対の押圧板の一方と上記ガイド体との間に配置され、上記ガイド体上をスライドする封筒の袋部又はフラップ部の再湿糊部に接触することにより、再湿糊部に水が塗布されるようにしたことを特徴とする封緘装置。
【請求項５】
請求項２に記載の封緘装置において、上記糊塗布手段が糊塗布部を有し、この糊塗布部が上記一対の押圧板の一方と上記ガイド体との間に配置され、上記ガイド体上をスライドする封筒の袋部又はフラップ部に接触することにより、封緘用糊が塗布されるようにしたことを特徴とする封緘装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２０１２−６６５２２（Ｐ２０１２−６６５２２Ａ）
【公開日】平成２４年４月５日（２０１２．４．５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−２１４２４２（Ｐ２０１０−２１４２４２）
【出願日】平成２２年９月２４日（２０１０．９．２４）
【出願人】（０００００２８９７）大日本印刷株式会社 (14,506)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年４月５日（２０１２．４．５）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年９月２４日（２０１０．９．２４）
【出願人】（０００００２８９７）大日本印刷株式会社 (14,506)
【Ｆターム（参考）】
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