説明

射出成形金型、樹脂成形品、および射出成形金型の製造方法

【課題】高精度な射出成形金型を安価に製造すること。
【解決手段】第1の金型4と第2の金型5をパーティングライン面14で合わせて型締めすることによりキャビティ13が形成される射出成形金型3の製造方法において、第1の金型4は、凹部16が形成された金型本体と、凹部16の底20に置かれたプレート2と、プレート2上に置かれ、キャビティ13の一部を構成するキャビティ面18、およびパーティングライン面14の一部が形成された入れ子6と、からなり、入れ子6のキャビティ面18を切削加工したときの型締め方向の切削量の最大値がAとなった場合、入れ子6のパーティングライン面14の一部を切削量がAとなるように切削すると共に、プレート2の板厚をA増加させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂成形品を製造するための射出成形金型、および射出成形金型の製造方法等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
射出成形装置に用いられる射出成形金型は、固定型(固定側金型)に対して可動型(可動側金型)を進退移動可能に備え、両金型を型締めすることにより、キャビティが形成される。ここで、キャビティを形成する可動型および/または固定型には、入れ子が使われるのが一般的である。このキャビティ内に加熱して溶融させた樹脂(溶融樹脂)を充填した後、可動型および固定型に形成された流路に冷却水等を流して可動型および固定型を冷却し、この溶融樹脂を冷却、固化させて樹脂成形品(例えば、非球面プラスチックレンズ等)が成形される。
【0003】
射出成形金型は、固定型と可動型の接触面であるパーティングライン面(パーティング面)の平面度を高精度に仕上げている。また、射出成形金型は、固定型または可動型の一方の型のパーティングライン面に形成した穴に挿入固定した位置決めピン(テーパーピン)を、他方の型のパーティングライン面に形成した位置決め孔に挿入することにより、一方の型に対して他方の型を精度良く位置決めすることができる(例えば、特許文献1〜15参照)。
【0004】
かかる射出成形金型は、樹脂成形品の設計図、使用する樹脂の特性等に基づいて作成された図面により製造される。
しかし、射出成形金型を図面通りに製造しても、成形収縮率のバラツキなどの要因で、射出成形金型の修正なしで所望の寸法精度の樹脂成形品を成形することはできない。このため、樹脂成形品の成形テスト(成形トライ)、樹脂成形品の寸法測定、射出成形金型の再加工等の修正を繰り返し行い、所望の寸法精度の樹脂成形品を得ることが一般的に行われている。
【0005】
この射出成形金型の修正(キャビティが形成された入れ子の追加工等)は、熟練した技術者の経験と勘に基づいて行われており、これが射出成形金型の製造期間の長期化、製造コストの高騰化の原因になっている。尚、追加工において研磨等でキャビティを削り過ぎた場合は、入れ子自体を新規に製造し直すことが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−103570号公報
【特許文献2】特開2005−41020号公報
【特許文献3】特開2006−142572号公報
【特許文献4】特開2008−162102号公報
【特許文献5】特開2009−022957号公報
【特許文献6】特開2009−050929号公報
【特許文献7】特開2009−051138号公報
【特許文献8】特開2009−083083号公報
【特許文献9】特開2009−083428号公報
【特許文献10】特開2009−297745号公報
【特許文献11】特開2010−036475号公報
【特許文献12】特開2010−024518号公報
【特許文献13】特開昭54−148055号公報
【特許文献14】特開昭58−94436号公報
【特許文献15】特開昭58−167133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、高精度な射出成形金型を安価に製造することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(第1発明)
第1発明は、第1の金型と第2の金型をパーティングライン面で合わせて型締めすることによりキャビティが形成される射出成形金型に関するものである。そして、第1の金型は、凹部が形成された金型本体と、凹部の底に置かれたプレートと、プレート上に置かれ、キャビティの一部を構成するキャビティ面、およびパーティングライン面の一部が形成された入れ子とからなり、入れ子のキャビティ面を切削加工したときの型締め方向の切削量の最大値がAとなった場合、入れ子のパーティングライン面の一部を切削量がAとなるように切削すると共に、プレートの板厚をA増加させたことを特徴とする。
【0009】
かかる構成にあっては、プレートの板厚を厚くすると共に、入れ子の一部を切削加工等すれば、入れ子のキャビティ面を仮に削り過ぎたとしても、入れ子を新規に作り直す必要が無い。また、プレートの曲面等、高精度に加工した入れ子のキャビティ面をそのまま生かしてキャビティ面の位置を変更できる。このため、安価かつ高精度な射出成形金型を提供できる。
【0010】
(第2発明)
第2発明の樹脂成形品は、第1発明に記載の射出成形金型のキャビティに溶融樹脂を射出した後、溶融樹脂を冷却固化して成形したことを特徴とする。
かかる構成により、安価な樹脂成形品を提供することができる。
【0011】
(第3発明)
第3発明は、第1の金型と第2の金型をパーティングライン面で合わせて型締めすることによりキャビティが形成される射出成形金型の製造方法に関するものである。そして、第1の金型は、凹部が形成された金型本体と、凹部の底に置かれたプレートと、プレート上に置かれ、キャビティの全部または一部を構成するキャビティ面、およびパーティングライン面の一部が形成された入れ子とからなり、入れ子の前記キャビティ面を切削加工したときの型締め方向の切削量の最大値がAとなった場合、入れ子の前記パーティングライン面の一部を切削量がAとなるように切削すると共に、プレートの板厚をA増加させることを特徴とする。
【0012】
かかる構成により、プレートの板厚を厚くすると共に、入れ子の一部を切削加工等すれば、入れ子のキャビティ面を仮に削り過ぎたとしても、入れ子を新規に作り直す必要が無い。また、プレートの曲面等、高精度に加工した入れ子のキャビティ面をそのまま生かしてキャビティ面の位置を変更できる。このため、安価かつ高精度な射出成形金型を製造できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、高精度な樹脂成形品を製造できる射出成形金型を安価に提供できる。また、高精度な樹脂成形品を安価に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る射出成形金型の概略断面図(実施例1)
【図2】固定型の部分拡大図(実施例1)
【図3】可動型の部分拡大図(実施例1)
【図4】固定型の凹部を拡大した部分拡大図(実施例1)
【図5】可動型の凹部を拡大した部分拡大図(実施例1)
【図6】非球面プラスチックレンズを示した図(実施例1)
【図7】第1の金型(可動型)の凹部を拡大した部分拡大図(実施例1)
【図8】第1の金型(可動型)の凹部を拡大した部分拡大図(実施例1)
【図9】第1の金型(可動型)の凹部を拡大した部分拡大図(実施例1)
【図10】第1の金型(可動型)の凹部を拡大した部分拡大図(実施例1)
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施例を図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0016】
図1〜図10を用いて本発明に係る実施例1を説明する。
尚、本実施例1では、樹脂成形品としてプラスチックレンズを例示して説明する。また、図1〜図10は、説明を簡単にするため、本発明に係る射出成形金型の主要な部分以外の図示を省略している。
【0017】
図1は、本発明に係る射出成形金型3を上から見た部分断面図である。尚、図1に示した射出成形金型3は、非球面プラスチックレンズをワンショットで2個同時成形する2個取りの金型であるが、同一の構成であるため、紙面左方を省略して図示している。図2は、図1の点線部BをN方向より見た第2の金型としての固定型4の部分拡大図である。別言すると、図2は、図1に示す射出成形金型3をパーティングライン面14にて分離(分割)し、矢視Nで固定型4を見た第1のキャビティ面18近傍の部分拡大図である。
【0018】
図3は、図1の点線部CをM方向より見た第1の金型としての可動型5の部分拡大図である。別言すると、図3は、図1に示す射出成形金型3をパーティングライン面14にて分離し、矢視Mで可動型5を見た、第2のキャビティ面19近傍の部分拡大図である。図4は図1における点線部Bの拡大図であり、図5は図1における点線部Cの拡大図である。図6(b)は、本発明に係る射出成形金型3を用いて成形した樹脂成形品としての非球面プラスチックレンズの斜視図である。
【0019】
〔樹脂成形品〕
本発明に係る射出成形金型3を用いて成形した樹脂成形品としてのプラスチックレンズ1は、例えば、画像形成装置で用いられるfθレンズである。fθレンズは、図6に示すように、光が入射する入射面30と、この入射面30から入射した光を出射する出射面31を備えている。
【0020】
〔射出成形金型〕
図1〜図5に示すように、本発明に係るプラスチックレンズ1の射出成形金型3は、入射面30を成形する第1のキャビティ面18を備えた第2の金型としての固定型4と、出射面31を成形する第2のキャビティ面19を備えた第1の金型としての可動型5とを備えている。そして、固定型4と可動型5は、パーティングライン面14で分割可能に構成されている。
【0021】
固定型4のパーティングライン面18には凹部16が形成されている。凹部16には、底20にプレート2が置かれ、プレート2の上に入れ子6が置かれ、入れ子6が図示しないボルト等を用いて固定型4に固定されている。そして、入れ子6にはプラスチックレンズ1の入射面30を形成するための第1のキャビティ面(転写面)18が形成されている。
【0022】
また、可動型5のパーティングライン面18には凹部17が形成されている。凹部17には、底21にプレート32が置かれ、プレート32の上に入れ子7が置かれ、入れ子7が図示しないボルト等を用いて可動型5に固定されている。そして、入れ子7にはプラスチックレンズ1の出射面31を形成するための第2のキャビティ面(転写面)19が形成されている。
【0023】
〔樹脂成形品の製造方法〕
次に、射出成形金型3を使用し、プラスチックレンズ1を製造する方法について説明する。
(成形材料)
プラスチックレンズ1の成形材料は、日本ゼオン株式会社のゼオネックス(登録商標)や三井化学株式会社のアペル(登録商標)等の非晶性のポリオレフィン樹脂等を用いることができる。本実施例1については、日本ゼオン株式会社のゼオネックス(登録商標)を用いた。
【0024】
(樹脂成形品の製造方法)
図1に示す射出成形金型3を準備し、射出成形金型3の可動型5を固定型4へ移動させて型締めする。そして、射出成形装置の樹脂注入ノズル8から溶融した成形材料(溶融樹脂)をスプルーブッシュ9、スプルー10、ランナー11およびゲート12を介して射出成形金型3のキャビティ13に注入する。
【0025】
キャビティ13が溶融樹脂で満たされた後、溶融樹脂を硬化(冷却固化)させる。そうすると、第1のキャビティ面18および第2のキャビティ面19が樹脂に転写され可動型5を開くことにより、図6(b)に示す高精度なプラスチックレンズ(fθレンズ)1を成形することができる。
【0026】
(出来栄え評価結果後の対応)
前記した射出成形金型3を使用し、fθレンズを成形後、出来栄え評価結果として図6(a)に示す。図6(a)は、fθレンズを成形した、レンズの出射面31の出来栄えと、fθレンズの成形条件によりシミュレーションして得た、レンズの出射面31の理論値(ゼロ)の測定結果(実験例)を示した表である。
尚、当該fθレンズの成形後の出来栄え評価を測定する評価機器としては、パナソニック社製3次元測定器Ultra Accurate 3−D Profilometer(以下、「UA3P」と略す。)を用いた。
【0027】
図6(a)における横軸は、図6(b)に示すようなfθレンズ1の中心O(座標の原点)からX方向0mm〜80mmまで、および0mm〜−80mmのX軸方向位置(単位mm、ミリメートル)を示している。一方、図6(a)における縦軸は、図6(b)に示すようなfθレンズ部材のZ方向位置を示しており、縦軸の中心「0.0」は、端部からZ方向に15mmの位置を示している。そして、縦軸の単位はμm(ミクロン)である。尚、射出成形金型で成形したfθレンズの成形精度誤差として、スペックが−10μm以上+10μm以下の範囲内であれば良としている。
【0028】
図6(a)において、黒丸実線は射出成形金型3で成形したfθレンズの測定値である。また、一点鎖線は、レンズの成形条件によりシミュレーションして得た理論値である。
例えば、この射出成形金型3で成形したfθレンズ1は、シミュレーションして得た理論値と比較した場合、X軸方向位置において、50mmと80mmとの間、および−50mmと−80mmとの間とする、fθレンズ1の両端の位置にて段差Fが生じている。つまり、実際に成形して出来たfθレンズと、シミュレーションの理論値との差が生じていることがわかる。
これは、キャビティ13に充填された樹脂に、可動型5に備える入れ子7の第2のキャビティ面のX軸方向位置とする両端において、転写不良が起きていることが原因として考えられる。
そこで、現状の射出成形金型の第1の金型に備える入れ子7を用いて、成形精度誤差のスペック範囲内にするための、射出成形金型の追い込み加工を実施する。
【0029】
(射出成形金型の追い込み加工)
ここで、上述したfθレンズ1の評価値より、スペック内に成形できるようにする、射出成形金型の追い込み加工について説明する。尚、わかりやすく説明するために、図7〜図10を用いて説明する。
【0030】
まず、射出成形金型3を使用して成形したfθレンズ1の評価値と、シミュレーションの理論値とを比較し、射出成形金型3に備える入れ子7に、新たな第2のキャビティ面22を切削加工するための、切削加工値として算出したデータを準備する。
【0031】
次に、図7に示すように、第1の金型に備える入れ子7の第2のキャビティ面19より新たな第2のキャビティ面22(一点鎖線で示す)を形成するために、前記準備したデータを元に、寸法A1とする部分まで入れ子7を切削する。当該切削加工するための切削加工機としてのマシニングセンタ〔machining center(以下、「MC機」と略す。)、ソデック社製:MC650L〕を用いて、射出成形金型3より取り出した入れ子7をMC機にセットして、第2のキャビティ面22を形成させる。寸法A1は、切削量の最大値である1.5mmである。そして、前記MC機にて新たな第2のキャビティ面22を形成すると、図8に示すようになる。
【0032】
しかし、図9に示すように、本来、可動型5に備える凹部17に入れ子7をセットする位置に組み付けた場合、新たな第2のキャビティ面22を形成した部分である端部23が、パーティングライン面14に一部が重なる状態となり、また、凹部17には、入れ子7を切削加工した分の切削量分の、寸法A2(寸法A1の切削量の最大値である1.5mm)のクリアランス(隙間)25ができてしまう。
【0033】
そこで、図10に示すように、パーティングライン面14の一部と重なる入れ子7の端部23を寸法A3(寸法A1の切削量の最大値である1.5mm)分を切削すると共に、凹部17にできたクリアランス(隙間)25に、板厚が1.5mmであるプレート26(今回は3枚で構成)を新たに増加させた。
【0034】
このように、前記した追い込み加工をすることより、高精度な非球面プラスチックレンズを提供することができる。かかる構成にあっては、従来より使用している入れ子を再利用しての、入れ子のキャビティ面を切削加工の修正を実施することができ、入れ子を全部作り直す必要がなくなる。ひいては、低コストに射出成形金型を提供することができる。
【0035】
前記した実施例は、説明のために例示したものであって、本発明としてはそれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲および明細書の記載から当業者が認識することができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更、削除および付加が可能である。
【0036】
例えば、前記した実施例1において、第1の金型を可動側、第2の金型を固定側として例示したが、第1の金型を固定側、第2の金型を可動側としても問題でとしないのはいうまでもない。
【0037】
また、前記した実施例1において、射出成形金型の追い込み加工を、第1の金型に備える入れ子7について実施したことを例示したが、第2の金型に備える固定型側の入れ子6について実施しても良いことはいうまでもない。
【0038】
また、前記した実施例1において、新たな第2のキャビティ面22を形成した後、入れ子7の端部23を切削して、パーティングライン面14の一部とする、端部面24を形成したことを例示したが、この手順は必要に応じて対応しても良い。
【0039】
また、前記した実施例1において、射出成形金型の追い込み加工時の、入れ子に形成されたクリアランス(隙間)25に組み付けるプレート26を3枚からなる構成を例示したが、1枚でも複数枚にしても問題としない。
【0040】
また、前記した実施例1において、入れ子の凹部には、射出成形金型の追い込み加工前よりプレートを備えた構成を例示したが、追い込み加工前より、入れ子の凹部にプレートが無い状態でも問題としないのは言うまでも無い。
【0041】
また、本発明で用いる成形方法は、圧縮成形法、トランスファー成形法、射出成形法、射出圧縮成形機が一般的であり、旭化成工業のAGI,GPI,CGM、出光石油化学のGIM、新日鉄化学のPFP、英国のシンプレス社、米国のGAIN Technology 独国のエアーモールド,コンツールなどに代表されるガスアシスト成形法(中空射出成形法)、及び米国のUCC法、USM法、或いは、東芝機械と旭ダウのTAF法、EX−CELL−O社法、ヘッティンガーの発泡成形や、New−SF、GCP法、アライドケミカル社の技法等、更に超臨界状態の気態(体)を用いた米国 トレクセル社のMusell(ミューセル)や旭化成工業のAMOTECに代表される発泡成形法(発泡射出成形法)や、発泡成形法と前記ガスアシスト成形法と融合された方法、更には住友化学のSPモールド、射出圧縮成形法との前記ガスアシスト成形法及び/又は発泡成形法とを融合させた方法を用いることもできる。
【符号の説明】
【0042】
1…非球面プラスチックレンズ、2,26,32…プレート、3…成形金型、
4…固定側金型、5…可動側金型、6…固定側の入れ子、7…可動側の入れ子、
14…パーティングライン(PL面)、15…転写面、20,21…底
16…固定型の凹部、17…可動型の凹部、25…クリアランス(隙間)
18…第1のキャビティ面、19…第2のキャビティ面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の金型と第2の金型をパーティングライン面で合わせて型締めすることによりキャビティが形成される射出成形金型において、
前記第1の金型は、
凹部が形成された金型本体と、
該凹部の底に置かれたプレートと、
該プレート上に置かれ、前記キャビティの一部を構成するキャビティ面、および前記パーティングライン面の一部が形成された入れ子と、からなり、
該入れ子の前記キャビティ面を切削加工したときの型締め方向の切削量の最大値がAとなった場合、
該入れ子の前記パーティングライン面の一部を切削量がAとなるように切削すると共に、前記プレートの板厚をA増加させたことを特徴とする射出成形金型。
【請求項2】
請求項1に記載の射出成形金型の前記キャビティに溶融樹脂を射出した後、該溶融樹脂を冷却固化して成形した樹脂成形品。
【請求項3】
第1の金型と第2の金型をパーティングライン面で合わせて型締めすることによりキャビティが形成される射出成形金型の製造方法において、
前記第1の金型は、
凹部が形成された金型本体と、
該凹部の底に置かれたプレートと、
該プレート上に置かれ、前記キャビティ一部を構成するキャビティ面、および前記パーティングライン面の一部が形成された入れ子と、からなり、
該入れ子の前記キャビティ面を切削加工したときの型締め方向の切削量の最大値がAとなった場合、
該入れ子の前記パーティングライン面の一部を切削量がAとなるように切削すると共に、前記プレートの板厚をA増加させることを特徴とする射出成形金型の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−241133(P2010−241133A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2010−78562(P2010−78562)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(310010793)富士ゼロックスマニュファクチュアリング株式会社 (13)
【Fターム(参考)】