説明

射出成形金型装置

【課題】固定金型側の厚みを抑制しつつ、突出しピンから成形品を落下させることができる射出成形金型装置を提供することを課題とする。
【解決手段】本実施例の射出成形金型装置1は、固定金型2及び可動金型4と、固定金型2に設けられ固定金型2及び可動金型4が当接して閉じた閉状態では固定金型2内に設けられたキャビティCから退避し、固定金型2及び可動金型4とが離間した開状態ではキャビティC内に進入して固定金型2から成形品Dを突き出す突出しピン32と、可動金型4側に設けられ往復動する駆動部材90と、開状態で駆動部材90の往復動と突出しピン32の往復動とを連動させる連動機構とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形金型装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、射出成形により成形品を成形する射出成形金型装置が知られている(特許文献1参照)。このような金型装置には、成形品を固定金型又は可動金型から突き出すための突出しピンが設けられている。突出しピンにより成形品が付き出されることにより、成形品が固定金型又は可動金型から落下して取外される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−207104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
突出しピンにより成形品を突き出した場合、突出しピンやキャビティに成形品が付着して成形品が突出しピンの突出しによっては落下しない場合がある。
【0005】
また、突出しピンを固定金型に設けた場合に突出しピンを駆動するための駆動部材を固定金型側に設けると、固定金型が大型化する。固定金型にはランナーが設けられているので、固定金型が大型化することによりランナーの長さも増し、これによりランナー通過中に樹脂が硬化しやすくなる恐れがある。
【0006】
そこで本発明は、固定金型側の厚みを抑制しつつ、突出しピンから成形品を落下させることができる射出成形金型装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、固定金型及び可動金型と、前記固定金型に設けられ前記固定金型及び可動金型が当接して閉じた閉状態では前記固定金型内に設けられたキャビティから退避し、前記固定金型及び可動金型とが離間した開状態では前記キャビティ内に進入して前記固定金型から成形品を突き出す突出しピンと、前記可動金型側に設けられ往復動する駆動部材と、前記開状態で前記駆動部材の往復動と前記突出しピンの往復動とを連動させる連動機構と、を備えた射出成形金型装置によって達成できる。
【0008】
突出しピンに成形品が付着した場合であっても、突出しピンを往復動させることにより、突出しピンから成形品を落下させることができる。また、駆動部材は可動金型側に設けられているので、固定金型の大型化を抑制できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、固定金型側の厚みを抑制しつつ、突出しピンから成形品を落下させることができる射出成形金型装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】閉状態にある本実施例の射出成形金型装置の説明図。
【図2】開状態にある本実施例の射出成形金型装置の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1、図2は、本実施例の射出成形金型装置の説明図である。図1は、固定金型と可動金型とが閉じた閉状態を示しており、図2は、固定金型と可動金型とが開いた開状態を示している。尚、図2においては、射出成形金型装置1の開閉方向に沿った中心線よりも上側と下側とで、突出しピンの位置が異なる状態を示している。
【0012】
具体的には、図2における射出成形金型装置1の開閉方向に沿った中心線の上側は、突出しピンにより製品が突き出された状態を示し、下側は製品を突き出す前の状態を示している。
【0013】
図1、図2に示すように、射出成形金型装置1は、固定金型2、可動金型4を含む。固定金型2は、固定側取付板10、ランナー突出し板20、固定側型板30を含む。可動金型4は、可動側型板40、受板50、スペーサブロック60、可動側取付板70を含む。尚、固定側型板30と可動側型板40とが接触する合わせ面を介して、可動金型4側の方向を第1方向FD、固定金型2側の方向を第2方向SDとする。第1方向FDと第2方向SDとは相反する方向である。
【0014】
固定側取付板10にはサポートピン12が貫通して固定されている。図1、図2に示すように、固定金型2、可動金型4には、サポートピン12が挿通可能な孔が設けられている。閉状態においては、サポートピン12は、可動金型4側に設けられた孔に挿入される。固定側取付板10は射出成形金型装置1体に設けられた固定側プラテン160に取付ボルト(不図示)で固定されている。固定側取付板10には、後述するキャビティCに樹脂を流入するための樹脂流通路が設けてある(不図示)。
【0015】
ランナー突出し板20と固定側型板30との間には、制限ボルト23が設けられている。制限ボルト23は、図2に示すように、開状態でのランナー突出し板20と固定側型板30との距離を規定している。可動金型4側には、制限ボルト23を逃すための孔が形成されている。
【0016】
固定側型板30には、図1に示すように、可動金型4側の面に凹部が形成され、この凹部は、固定側型板30と可動側型板40とが接触することによりキャビティCとして画定される。キャビティCには、不図示の樹脂流通路を通過して樹脂が流入する。また、図2に示すように、成形品Dは突出しピン32によってキャビティCから突き出される。突出しピン32は2本設けられているが、本数は限定しない。
【0017】
固定側型板30のランナー突出し板20側には、凹部31が形成されている。凹部31内には、可動部材33が設けられている。可動部材33は、第2可動部材に相当する。可動部材33は、第1方向FD、第2方向SDへ移動可能に固定側型板30に保持されている。詳細には、可動部材33は、凹部31の底面と凹部31内に設けられたストッパ37との間を移動する。可動部材33には、突出しピン32の基端側が固定されており、可動部材33の移動に伴って、第1方向FD,第2方向SDへ移動する。
【0018】
可動部材33は固定側型板30側にある可動部材33の板状部材と、ストッパ37側にある板状部材と2枚の板状部材が重なって構成されている。突出しピン32は、固定側型板30側にある可動部材33の板状部材を貫通しているが、ストッパ37側にある可動部材33の板状部材は貫通していない。突出しピン32は、第2方向SD側端がフランジになっており、該フランジ部が可動部材33の2枚の板状部材に挟まれることで、可動部材33に固定されている。
【0019】
固定側型板30には、固定側リターンピン35が配されている。固定側リターンピン35の第2方向SD側端は、フランジ状であり、該フランジ部が可動部材33の2枚の板状部材に挟まれて固定され、その先端側は固定側型板30を貫通しており、可動部材33の移動に伴って第1方向FD、第2方向SDへ移動する。固定側リターンピン35には、コイル状のスプリング36が挿通されている。スプリング36は、固定側型板30と可動部材33との間に介在し、可動部材33を第2方向SDへ付勢する。可動部材33はスプリング36の付勢力によって第2方向SDに付勢された結果、ストッパ37と当接し、その位置を保持する。尚、スプリング36の付勢力は後述するスプリング66の付勢力よりも弱い。
【0020】
可動側型板40、受板50、スペーサブロック60、可動側取付板70は、開状態及び閉状態の何れの状態においても重なった状態にある。固定側型板30と可動側型板40との間には、引張りボルト34が設けられている。図2に示すように、可動側型板40がFD側へ移動することで引張りボルト34に引っ張られて固定側型板30は第1方向FDに移動する。受板50、スペーサブロック60、可動側取付板70には、引張りボルト34を逃すための孔が形成されている。
可動側取付板70は射出成形金型装置1の可動側プラテン170に取付ボルト(不図示)によって固定されており、可動側プラテン170が第1方向FDに移動するのに伴って、可動側型板40、受板50、スペーサブロック60および可動側取付板70が一体となって可動側プラテン170とともに移動する。
【0021】
スペーサブロック60は、受板50と可動側取付板70との間の空間Sを画定している。可動部材63a、63bは、S内で第1方向FD、第2方向SDに所定範囲を移動可能に配置されている。可動部材63a、63b略同一形状であり板状である。可動部材63a、63bは、第1可動部材に相当する。可動側リターンピン65は、可動部材63aを貫通しているが、可動部材63bは貫通していない。可動側リターンピン65の第1方向FD側端には符号は付さないがフランジが形成されており、このフランジが可動部材63a、63bの間に挟まれる。可動側リターンピン65は、受板50、可動側型板40を貫通している。可動側リターンピン65には、スプリング66が挿通されている。スプリング66は、可動部材63aと可動側型板40との間に介在する。スプリング66は、可動部材63a、63bを第1方向FDに付勢し、可動部材63bは可動側取付板70に当接している。受板50に形成された孔には、可動側リターンピン65が貫通すると共にスプリング66が収容される。受板50の孔を、スプリング66を収容可能な大きさにすることにより、スプリング66の長さを確保することができる。これにより、付勢力の大きいスプリング66を採用できる。
【0022】
図2における射出成形金型装置1の開閉方向に沿った中心線の上側に示す状態におけるスプリング36の付勢力よりも、スプリング66の付勢力の方が大きくなるように設定されている。すなわちスプリング36は、この状態において最も圧縮された状態にあり、可動部材33に与える第2方向SD方向への付勢力は最大となるが、このときのスプリング36による付勢力よりも、スプリング66が可動部材63a、63bに与える第1方向FDへの付勢力の方が大きくなるように設定されている。
【0023】
また、固定金型2と可動金型4との間には、連動ピン80が設けられている。連動ピン80は、可動部材63a、63b、受板50、可動側型板40、固定側型板30、可動部材33を貫通している。連動ピン80は、可動金型4側の端部にフランジ82を有し、固定金型2側の端部にフランジ84を有している。また、ランナー突出し板20、固定側取付板10には、閉状態での連動ピン80を逃すための孔が形成されており、この孔はフランジ84の径よりも大きい。可動側取付板70には、連動ピン80を逃すための孔が形成されており、この孔はフランジ82の径よりも大きい。図2に示すように、開状態においては、フランジ82は可動部材63bと当接し、フランジ84は可動部材33と当接する。
【0024】
フランジ82と可動部材63bとが当接することにより、連動ピン80に対する可動部材63a、63bの第1方向FDへの相対移動が規制される。フランジ84と可動部材33とが当接することにより、連動ピン80に対する可動部材33の第2方向SDへの相対移動が規制される。
【0025】
可動部材63a、63bを押圧する駆動部材90が可動金型4側に設けられている。可動側取付板70には、駆動部材90を逃すための孔が形成されている。駆動部材90は不図示の油圧シリンダやエアシリンダに連結されて、所定範囲を第1方向FD、第2方向SDに往復動する。
【0026】
次に、閉状態から開状態への射出成形金型装置1の動作について説明する。
図1の閉状態においてキャビティC内に樹脂が充填されて樹脂が硬化すると、まず可動金型4が第1方向FDへ移動する。制限ボルト23にはスプリング150が挿通されており、該スプリングの付勢力により、可動金型4と、固定側型板30とが第1方向FDへ移動するとともに、ランナー突出し板20と固定側型板30との間が離間して、図2に示す空間100が形成される。
【0027】
可動金型4が第1方向FDへ移動するにつれて、スプリング150の付勢力は弱まり、やがて固定側型板30は第1方向FDへの移動を停止するが、可動金型4は第1方向FDへの移動を継続するので、可動側型板40と固定側型板30との間が離間して、図2に示す空間200が形成される。
【0028】
さらに可動金型4が第1方向FDへ移動すると、引張りボルト34の第1方向FD側端に設けられたフランジ部と可動側型板40とが当接して、引張りボルト34が可動金型4と共に第1方向FD側に移動する。やがて引張りボルト34の第2方向SD側端に設けられたフランジ部と固定側型板30とが当接して、再び固定側型板30は稼動金型4と共に第1方向FDに移動する。
【0029】
固定側型板30が第1方向FD側へ移動を続けると、今度は制限ボルト23の第1方向FD端側に設けられたフランジ部と固定側型板30とが当接して、制限ボルト23が第1方向FD側に移動し始める。
【0030】
可動金型4は第1方向FDへ移動を続けるが、やがて制限ボルト23の第2方向SD端側に設けられたフランジ部とランナー突出し板20とが当接する。
【0031】
この状態で更に可動金型4が第1方向FDに移動すると、固定側型板30全体がランナー突出し板20から離間して第1方向FDへ移動する。可動側型板40と固定側型板30とは引張りボルト34を介して連結されているので、可動側型板40が所定範囲以上第1方向FDへ移動すると、可動側型板40に連動して固定側型板30も第1方向FDへ移動する。これにより、固定側型板30は、所定の間隔を有してランナー突出し板20から離間する。このようにして射出成形金型装置1は開状態になる。
【0032】
この閉状態から開状態へと射出成形金型装置1が動作する過程における連動ピン80の動作を説明する。可動金型4が第1方向FDへ移動すると、フランジ82が可動部材63bに当接して、当接状態を保ったまま可動金型4と共に連動ピン80が第1方向FDへ移動する。
【0033】
ランナー突出し板20に対して可動金型4が移動する距離は、図2に示す、開状態での可動側型板40と固定側型板30との距離D1と固定側型板30とランナー突出し板20との距離D2を合計した距離となる。また、閉状態において、連動ピン80には遊び量が設定されている。連動ピンの遊び量は、図1に示すように、フランジ82と可動部材63bとの距離d1と、フランジ84と可動部材33との距離d2との合計距離に相当する。ここで図1に示す連動ピン80の遊び量d1およびd2を合計した距離がD1とD2を合計した距離よりも大きければ、連動ピン80が可動金型4とともに第1方向FD側に移動しても、連動ピン80の第2方向SD端側フランジ84は可動部材33に当接することはない。
【0034】
ところが、本実施形態においては遊び量d1およびd2を合計した距離はD1とD2を合計した距離よりも短く設定されている。そのため可動金型4が第1方向FDに移動するに従い、やがて連動ピン80の第2方向SD端側フランジ84は可動部材33に当接する。尚、遊び量d1およびd2を合計した距離は、図1に示した閉状態から、連動ピン80のフランジ82、84がそれぞれ可動部材63b、33に当接した時の状態に至るまでの可動金型4の移動距離に相当する。また、距離D1およびD2を合計した距離は、図1に示した閉状態から、フランジ82、84がそれぞれ可動部材63b、33に当接し可動部材33がフランジ84により第1方向FDに押されて突出しピン32がキャビティC内に進入した開状態に至るまでの可動金型4の移動距離に相当する。
【0035】
なお、フランジ84が可動部材33に当接する前は、図1に示すように、可動部材33はスプリング36によって与えられる第2方向SDへの付勢力によってストッパ37と当接しており、突出しピン32はキャビティC内から退避している。
【0036】
フランジ84が可動部材33に当接した状態を保ったまま更にフランジ84が第1方向FDへ移動すると、本実施形態においては可動部材33に与えるスプリング36による第2方向SDへの付勢力よりも、可動部材63b与えるスプリング66による第1方向FDへの付勢力の方が大きくなるように設定されているので、可動部材33はスプリング36の付勢力に拮抗しながら第1方向FDへ移動する。そして図2の上側に示すように、可動部材33は第1方向FDへ移動する。
【0037】
可動部材33には突出しピン32が固定されているので、可動部材33と共に突出しピン32が第1方向FDへ移動してキャビティC内に進入する。これにより、成形品Dが突出しピン32に突き出される。
【0038】
次に、突出しピン32の往復動作について説明する。
図2の上側に示すように、開状態において、駆動部材90が可動部材63bを第2方向SDに押圧すると、可動部材63a、63bは、スプリング66の付勢力に拮抗して第2方向SDへ移動する。可動部材63bが第2方向SDへ移動することにより、可動部材33には、連動ピン80を介したスプリング66による第1方向FDへの付勢力が働かなくなる。そのため、可動部材33はスプリング36の付勢力に従って連動ピン80と共に第2方向SDへ移動する。このようにして連動ピン80、可動部材33、および可動部材63a、63bは、駆動部材90による第2方向SDへの移動に追従するように移動する。これにより、図2の下側に示すように、可動部材33はストッパ37に例えば当接し、突出しピン32は可動部材33と共に第2方向SDへ移動する。
【0039】
また、図2の下側に示した状態から、駆動部材90を第1方向FDへ移動させて可動部材63bから退避されると、スプリング66の付勢力により、連動ピン80は、可動部材63a、63b、33と共に第1方向FDへ移動する。このように、連動ピン80、可動部材63a、63bおよび可動部材33は、駆動部材90の第1方向FDの移動に追従する。これにより、図2の上側に示すように、再び突出しピン32は成形品Dを突き出す。尚、上述したようにスプリング66の付勢力は、スプリング36の付勢力よりも大きいので、駆動部材90が可動部材63bから退避した場合には、スプリング36の付勢力に拮抗しスプリング66の付勢力に従って可動部材63a、63bが第1方向FDへ移動する。このように、連動ピン80、可動部材63a、63b、スプリング66、可動部材33、スプリング36は、開状態で駆動部材90の往復動と突出しピン32の往復動とを連動させる連動機構に相当する。
【0040】
以上のように、駆動部材90により可動部材63a、63bを往復動させることにより、フランジ82が往復動し、これに伴い突出しピン32も往復動する。従って、突出しピン32の先端やキャビティCに成形品Dが付着した場合であっても、突出しピン32を往復動させることにより、突出しピン32から成形品Dを落下させることができる。
【0041】
また、駆動部材90は、可動金型4側に設けられている。これにより、固定金型2側が大型化することが防止される。従って、固定金型側に設けられるランナーが長くなることを防止できる。これにより、ランナーが長くなることに起因して、樹脂のランナー通過期間が長くなることに起因する不利益を防止できる。また、固定金型側が大型化することに起因するコストの上昇を抑制できる。
【0042】
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 射出成形金型装置
2 固定金型
4 可動金型
10 固定側取付板
11 ランナー
12 サポートピン
20 ランナー突出し板
23 制限ボルト
30 固定側型板
31 凹部
32 突出しピン
33、63a、63b 可動部材
34 引張りボルト
35 固定側リターンピン
36、66 スプリング
37 ストッパ
40 可動側型板
50 受板
60 スペーサブロック
65 可動側リターンピン
70 可動側取付板
80 連動ピン
82、84 フランジ
90 駆動部材
160 固定側プラテン
170 可動側プラテン
C キャビティ
D 成形品
FD 第1方向
SD 第2方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定金型及び可動金型と、
前記固定金型に設けられ前記固定金型及び可動金型が当接して閉じた閉状態では前記固定金型内に設けられたキャビティから退避し、前記固定金型及び可動金型とが離間した開状態では前記キャビティ内に進入して前記固定金型から成形品を突き出す突出しピンと、
前記可動金型側に設けられ往復動する駆動部材と、
前記開状態で前記駆動部材の往復動と前記突出しピンの往復動とを連動させる連動機構と、を備えた射出成形金型装置。
【請求項2】
前記連動機構は、
前記固定金型側に設けられた第1フランジ、前記可動金型側に設けられた第2フランジ、を有し、前記固定金型及び可動金型間に設けられた連動ピンと、
前記駆動部材の往復動により移動可能に前記可動金型に保持され、前記連動ピンが貫通し、前記開状態において前記第1フランジと当接することにより前記連動ピンに対する第1方向への相対移動が規制される第1可動部材と、
前記第1可動部材を前記第1方向へ付勢する第1付勢部材と、
前記固定金型に移動可能に保持され、前記突出しピンを保持し、前記連動ピンが貫通し、前記開状態において前記第2フランジと当接することにより前記連動ピンに対する前記第1方向とは反対の第2方向への相対移動が規制される第2可動部材と、
前記第2可動部材を前記第2方向へ付勢し、前記第1付勢部材よりも付勢力が弱い第2付勢部材と、を含む、請求項1の射出成形金型装置。
【請求項3】
前記第1付勢部材の付勢力に拮抗して前記駆動部材により前記第1可動部材が前記第2方向に押されることにより、前記連動ピンは、前記第2付勢部材の付勢力に従って前記第2可動部材と共に前記第2方向に移動する、請求項2の射出成形金型装置。
【請求項4】
前記駆動部材により前記第1可動部材が前記第2方向に押された状態から前記駆動部材が前記第1可動部材から退避することにより、前記連動ピンは、前記第1付勢部材の付勢力に従って前記第2可動部材と共に前記第1方向に移動する、請求項3の射出成形金型装置。
【請求項5】
前記閉状態において前記第1及び第2フランジはそれぞれ前記第1及び第2可動部材から離間しており、
前記閉状態から前記第1及び第2フランジがそれぞれ前記第1及び第2可動部材に当接した時の状態に至るまでの前記可動金型の移動距離は、
前記閉状態から前記第1及び第2フランジがそれぞれ前記第1及び第2可動部材に当接し前記第2可動部材が前記第2フランジにより前記第1方向に押されて前記突き出しピンが前記キャビティ内に進入した前記開状態に至るまでの前記可動金型の移動距離よりも短い、請求項2乃至4の何れかの射出成形金型装置。

【図1】
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【図2】
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