説明

導光ユニット、バックライトユニット、液晶表示装置、および導光ユニットの製造方法

【課題】導光板のような光を導く部材(特に薄い導光性の部材;導光フィルム)に対して、LEDのような点状光源からの光を所望方向から入射させる。
【解決手段】バックライトユニット31に搭載される導光ユニットUTは、LED11と、LED11の発光端11Lに対して、側端14Sを対向させる導光フィルム14と、導光フィルム14の側端14SとLED11の発光端11Lとの隙間を埋めてつなげるとともに、側端14Sにつながる導光フィルム14の一面14Fに付着して硬化する導光性硬化樹脂15と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックライトユニット、およびそのバックライトユニットを搭載する液晶表示装置に関するものであり、特に、バックライトユニットに含まれる導光ユニットおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、液晶表示装置は、薄型かつ低消費電力のため、種々の電子機器に採用されている。そして、かかるような液晶表示装置は、通常、液晶表示パネルに対して光を供給するバックライトユニットを搭載する。
【0003】
バックライトユニットは、光源として、LED(Light Emitting Diode)または蛍光管を採用することが多い。例えば、LEDを採用するバックライトユニットとしては特許文献1が挙げられ、蛍光管を採用するバックライトユニットとしては特許文献2が挙げられる。
【0004】
そして、以上の特許文献1および2に記載されるバックライトユニットでは、光源の周囲を樹脂が囲む。これによって、様々な効果が奏ずる。例えば、特許文献1のバックライトの場合、LEDと導光板とが一体化するために、バックライトユニットとしての部品点数が削減される。また、特許文献2のバックライトユニットの場合、蛍光管と導光板との間に樹脂が介在することで、界面反射が抑制される。
【特許文献1】特開2005−353486号公報
【特許文献2】特開平08−262438号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のように、高温な溶融樹脂が用いられていると、その熱によって、LEDが破損等の不具合を引き起こすこともある。一方、特許文献2では、高温な溶融樹脂ではなく、シリコン接着剤が使用されている。そのため、蛍光管が熱によって破損等しない。
【0006】
ただし、特許文献2の場合、バックライトユニットの光源は蛍光管であり、その蛍光管の周囲に樹脂が付着するために、その蛍光管を囲むリフレクタに樹脂が充填される。そのため、樹脂の充填量等に起因して、リフレクタ(ひいては導光板)に対する蛍光管の位置が変動しかねない。ただ、蛍光管は、LEDのように一定方向に集光して光を出射させず、周囲に向かって光を出射させる。そのため、蛍光管の不測の位置変動があったとしても、悪影響は小さい。
【0007】
しかしながら、逆に、光源がLED(点状光源)の場合、そのLEDと導光板との位置は設計通りになっている必要性は高いといえる。そして、このようなLEDと導光板との位置決めは、導光板が薄ければ薄いほど難しい。本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものである。
【0008】
つまり、本発明の主たる目的は、導光板のような光を導く部材(特に薄い導光性の部材;導光フィルム)に対して、LEDのような点状光源からの光を所望方向から入射させるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
バックライトユニットに搭載される光源と導光板とをユニット化したものを導光ユニットと称する。そして、導光ユニットは、点状光源と、点状光源の発光端に対して、側端を対向させる導光フィルムと、導光フィルムの側端と点状光源の発光端との隙間を埋めてつなげるとともに、側端につながる導光フィルムの一面に付着して硬化する導光性硬化樹脂と、を含む。
【0010】
このようになっていると、導光板は、導光フィルムと導光性硬化樹脂とで形成されることになる。そして、この導光性硬化樹脂は、導光フィルムの一面だけでなく導光フィルムと点状光源との隙間にまで付着して、それら導光フィルムと点状光源とをつなげる。そのため、導光フィルムと点状光源との位置関係は安定し、導光フィルムが薄かったとしても、点状光源からの光は、導光フィルムに入射しやすくなる。
【0011】
特に、導光性硬化樹脂の付着する導光フィルムの一面に対する裏面を非付着面とすると、非付着面の拡大仮想面上に、点状光源が位置し、発光端における最大光強度位置(例えば、発光端における中心)が、導光フィルムの側端に対向すると望ましい。
【0012】
このようになっていると、導光フィルムの厚み方向に対して点状光源が位置ズレしないことになり、点状光源からの光(特に、比較的光強度の強い光)が確実に導光フィルムに入射する。
【0013】
また、拡大仮想面上に接触する点状光源の発光端の一部を発光接触面とすると、例えば拡大仮想面と発光接触面とが互いに平面であり、発光接触面は、拡大仮想面上に密着していると望ましい。
【0014】
このようになっていると、導光フィルムの側端に対する点状光源の取付角度も設計通りになる。そのため、より一層点状光源からの光が確実に導光フィルムに入射する。
【0015】
なお、拡大仮想面に密着する反射シートが含まれるバックライトユニットであると望ましい。このようになっていると、バックライトユニットに対して搭載する部品点数が削減するためである。
【0016】
また、導光フィルムと導光性硬化樹脂とは、同種類の材料であると望ましい。このようになっていると、導光フィルムと導光性硬化樹脂との界面にて反射(界面反射)が生じないためである。
【0017】
また、導光フィルムの一面上に位置する導光性硬化樹脂が、導光フィルムの一面から進行する光を屈折進行させる粗面であると望ましい。このようになっていると、粗面から出射する光は種々方向に進行するためである。
【0018】
なお、以上の導光ユニットと、その導光ユニットからの出射光を透過させる光学シートと、を含むバックライトユニットも本発明といえる。また、そのバックライトユニットと、バックライトユニットからの出射光を受光する液晶表示パネルと、を含む液晶表示装置も本発明である。
【0019】
ところで、導光ユニットの製造方法は固定台にて、点状光源の発光端と、導光フィルムの側端とを向かい合わせて固定し、少なくとも、点状光源の発光端と導光フィルムの側端との隙間を導光性硬化樹脂でつなげ合わせればよい。ただし、このような導光ユニットの製造方法は種々存在する。
【0020】
例えば、固定台である光透過性ステージのステージ面に、点状光源を置く第1載置工程と、点状光源の発光端に対し、側端を向ける導光フィルムをステージ面に置く第2載置工程と、点状光源の発光端と導光フィルムの側端との隙間、および、側端につながる導光フィルムの一面に、導光性硬化樹脂を塗布させる硬化樹脂第1塗布工程と、導光性硬化樹脂に対して金型を被せる金型載置工程と、光透過性ステージ側からの光照射で、導光性硬化樹脂を硬化させる第1硬化工程と、を含む導光ユニットの製造方法が挙げられる。
【0021】
このようになっていると、同じ光透過性ステージのステージ面にて、点状光源の発光端と導光フィルムの側端とが向き合う。そのため、導光フィルムの厚み方向において、点状光源と導光フィルムとの位置に差の生じない導光ユニットが完成する。その上、この点状光源の発光端と導光フィルムの側端とは、導光性硬化樹脂によってつなげられる。そのため、互いが振動等によって乖離しない。
【0022】
なお、ステージ面から点状光源の発光端おける最大光強度位置までの距離(最短距離;導光フィルムの厚み方向に沿う距離)が、導光フィルムの厚みよりも短いと望ましい。このようになっていると、最も光強度の強い光を発する発光端の最大光強度位置は必ず導光フィルムの側端に対向するので、点状光源の光(特に、比較的光強度の強い光)が効率よく導光フィルムに入射する。
【0023】
また、金型は、金型面に第1領域と第2領域とを並べており、第1領域は、点状光源および点状光源の発光端と導光フィルムの側端との隙間に介在する導光性硬化樹脂に接し、第2領域は、導光フィルムの一面上の導光性硬化樹脂に接すると望ましい。
【0024】
このようになっていると、金型面にて並ぶ第1領域と第2領域とで、点状光源と導光フィルムとはステージに対して押さえ付けられる。そのため、確実に、導光フィルムの厚み方向において、点状光源と導光フィルムとの位置に差が生じない。
【0025】
また、他の製造方法としては、固定台である金型面に第1領域と第2領域とを並べる金型に対して、点状光源を第1領域に置きつつ、点状光源の発光端を第2領域の側に向ける光源載置工程と、金型の金型面に、導光性硬化樹脂を塗布させる硬化樹脂第2塗布工程と、導光フィルムを、導光性硬化樹脂の塗布された第2領域に置くことで、点状光源の発光端と導光フィルムの側端とに導光性硬化樹脂を介在させつつ、側端につながる導光フィルムの一面に導光性硬化樹脂を付着させる導光フィルム載置工程と、導光フィルム側からの光照射で、導光性硬化樹脂を硬化させる第2硬化工程と、を含む導光ユニットの製造方法が挙げられる。
【0026】
このようなっていても、同じ金型の金型面にて、点状光源の発光端と導光フィルムの側端とが向き合う。そのため、導光フィルムの厚み方向において、点状光源と導光フィルムとの位置に差の生じない導光ユニットが完成する。その上、この点状光源の発光端と導光フィルムの側端とは、導光性硬化樹脂によってつなげられる。そのため、互いが振動等によって乖離しない。
【0027】
また、金型における第1領域と第2領域との高低差は、第1領域から点状光源の発光端における最大光強度位置までの距離(最短距離)よりも短い。
【0028】
このようになっていても、発光端の最大光強度位置が必ず導光フィルムの側端に対向するので、点状光源の光が効率よく導光フィルムに入射する。
【0029】
なお、導光性硬化樹脂の付着する導光フィルムの一面に対する裏面を非付着面とすると、非付着面および光源に対して光透過性支持板を被せていると望ましい。
【0030】
このようになっていると、光透過性支持板で、点状光源と導光フィルムとは金型に対して押さえ付けられる。そのため、確実に、導光フィルムの厚み方向において、点状光源と導光フィルムとの位置に差が生じない。
【0031】
なお、金型面における第1領域が平面状であり、第2領域が粗面状であると望ましい。このようになっていると、点状光源は第1領域に安定的に接触し、導光性硬化樹脂は光を種々方向に屈折進行させる粗面になる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、点状光源と導光フィルムとの位置関係が変動せず、さらに、点状光源からの光が薄い導光フィルムの側端に入射可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、便宜上、部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、他の図面を参照するものとする。
【0034】
図2は液晶表示装置89の分解斜視図(ただし、便宜上、後述のフレーム51は省略)であり、図1は図2のA−A’線矢視断面図である。これらの図1および図2に示すように、液晶表示装置89は、液晶表示パネル21と、バックライトユニット31と、この両者(液晶表示パネル21・バックライトユニット31)を収容するフレーム51を含んでいる。
【0035】
液晶表示パネル21は、TFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング素子を含むアクティブマトリックス基板22と、このアクティブマトリックス基板22に対向する対向基板23とをシール材で貼り合わせている。そして、両基板22・23の隙間に液晶が注入される(なお、この液晶は層状であることから液晶層とも称される)。
【0036】
アクティブマトリックス基板22は、自身の液晶層側の面に、画素を含んでおり、その画素内にTFTおよび画素電極を含む。また、アクティブマトリックス基板22には、TFT等の他にも、ソースライン、ゲートラインが含まれ、さらに、アクティブマトリックス基板22の液晶層側の面には、配向膜が位置する(なお、アクティブマトリックス基板22の非液晶層側には、偏光板24が位置する)。
【0037】
対向基板23は、自身の液晶層側の面に、カラー表示のためのカラーフィルタ、および、ITO(Indium Tin Oxide)等から形成される共通電極を含む(なお、対向基板23の非液晶層側には、偏光板25が位置する)。また、対向基板23は、アクティブマトリックス基板22よりも狭面積であり、アクティブマトリックス基板22の周縁には重ならない。
【0038】
そのため、対向基板23の液晶層側の一部は露出する。そこで、この露出部分には、画素電極につながる端子部が形成され、その端子部にFPC(Flexible Printed Circuits)基板26がつなげられる。つまり、電源から供給される電流はFPC基板26を介して画素電極に到達し、この画素電極と共通電極との間の電界によって、液晶は変化する。
【0039】
バックライトユニット31は、バックライト光を生成するために、導光ユニットUT、反射シート32、および光学シート群33を含む。
【0040】
導光ユニットUTは、LED(Light Emitting Diode)11、および、導光板12を含む。LED(点状光源)11は、FPC基板34を通じて流れる電流によって光を発する素子であり、導光板12の一側面の延び方向に沿って列状に並ぶ(ただし、便宜上、図面では一部の個数のみが示されている)。
【0041】
導光板12は、列状に並ぶLED11からの光(線状光)を受けるとともに、内部でミキシングし、面状光に変換する。
【0042】
反射シート32は、導光板12によって覆われるように位置しており、LED11からの光や導光板12内部を伝搬する光を漏洩させることなく光学シート群33に向けて反射させる。
【0043】
光学シート群33は、複数の光学シート(拡散シートとレンズシートと)を含み、導光板12からの面状光の進行を変化させる。詳説すると、拡散シートは、自身に入射してくる光を散乱・拡散させる。また、レンズシートは、面内に位置するレンズにて、光の放射特性を偏向させる(集光させる)。なお、この光学シート群33は、液晶表示パネル21に対して密着していてもよいし、若干乖離してもよい。
【0044】
そして、以上のようなバックライトユニット31では、アレイ状になったLED11からの光は導光板12によって面状光になって出射し、その面状光は光学シート群33を通過することで発光輝度を高めたバックライト光になって出射する。そして、このバックライト光が液晶表示パネル21に到達し、そのバックライト光によって、液晶表示パネル21は画像を表示させる。
【0045】
ここで、導光ユニットUT、特に導光板12について詳説する。導光板12は、導光フィルム14と導光性硬化樹脂15とを含む。導光フィルム14は、アクリルカーボネート、ポリカーボネート、シクロオレフィン、等の透明樹脂であり、導光板12の基体となる。
【0046】
導光性硬化樹脂15は、紫外線(UV)等の光を受光することによって硬化する硬化樹脂(例えば、アクリルカーボネート、シクロオレフィン等)で、かつ、導光フィルム14同様に、光を導く機能を有する。そして、この導光性硬化樹脂15は、導光フィルム14とLED11とをつなげるとともに、導光フィルム14の一面を形成する。
【0047】
詳説すると、導光フィルム14は自身の一側端14SをLED11の発光端11L(LEDの発光する端部)に向けており、導光性硬化樹脂15は導光フィルム14の側端14SとLED11の発光端11Lとの隙間を埋めてつなげるとともに、側端14Sにつながる導光フィルム14の表面14F(液晶表示パネル21側に向く一面14F;付着面14F)に付着して硬化する。
【0048】
そして、このようになっていると、LED11と導光フィルム14とが密着固定されるため、互いが乖離しない。特に、導光性硬化樹脂15はLED11と導光フィルム14との隙間だけでなく、導光フィルム14の一面14Fまでも同時に固定するため、LED11と導光フィルム14とが乖離しない。そのために、この導光ユニットUTは振動等に対して強いといえる。
【0049】
さらに、この導光ユニットUTにおけるLED11は、導光フィルム14の裏面14R(表面14Fに対する対向面14R;非付着面14R)を拡大させた仮想上の面である拡大仮想面ISに位置する(なお、図面では便宜上、拡大仮想面ISは他の線に隠れないように表記する)。詳説すると、この導光ユニットUTは、拡大仮想面IS上にLED11の発光端11Lを位置させ、発光端11Lにて最も光強度の強い光を発する位置である中心Cを導光フィルム14の側端14Sに対向させる。
【0050】
このようになっていると、導光フィルム14の厚み方向において、LED11の位置が固定される(すなわち、導光フィルム14の厚み方向に対するLED11の取付位置の精度は比較的高くなる)。さらに、最も光強度の強い光を発する発光端11Lの中心C(最大光強度位置)が導光フィルム14の側端14Sに対向することから、LED11から発せられる比較的光強度の強い光が導光フィルム14に進入する。そのため、導光フィルム14には、効果的に光が入射することになる。
【0051】
また、拡大仮想面ISは平面であり、その拡大仮想面IS上に接触するLED11における発光端11Lの一部の面部分(発光接触面11A)も平面である。そのため、発光接触面11Aは、拡大仮想面IS上に密着することになる。
【0052】
このように発光端11Lの一部分である発光接触面11Aが拡大仮想面ISに対して密着すれば、発光端11Lは導光フィルム14に対して傾きにくい。そのため、導光フィルム14に対するLED11の取付角度の精度は比較的高いことになる。そして、このように取付角度の精度が高いと、LED11からの光は、所望角度で導光フィルム14の側端14Sに入射することになるので、面状光が設計通りの輝度になりやすい。
【0053】
ところで、以上のような導光ユニットUTの製造方法は、何らかの固定台にて、LED11の発光端11Lと、導光フィルム14の側端14Sとを向かい合わせて固定し、少なくとも、LED11の発光端11Lと導光フィルム14の側端14Sとの隙間を導光性硬化樹脂15でつなげ合わせていればよい。したがって、導光ユニットUTの製造方法は、種々存在する。
【0054】
例えば、図3A〜図3Fに示すような製造方法が一例として挙げられる。これらの図に示される製造方法では、まず、石英等の光を透過させるステージ(光透過性ステージ)61に、LED11を置く(図3A参照)。
【0055】
詳説すると、LED11の発光端11Lがステージ61(詳説するとステージ面)の面内方向に沿う方向に向くようにして(すなわち、発光端11Lから出射する光の方向がステージ61の面内方向と同方向になるようにして)、そのLED11がステージ61に置かれる[第1載置工程]。
【0056】
次に、図3Bに示すように、導光フィルム14の側端14Sが、LED11の発光端11Lに対向するようにして、ステージ61上に置かれる[第2載置工程]。
【0057】
その後、図3Cに示すように、導光性硬化樹脂15が、ダイコーダー等によって、LED11の発光端11Lと導光フィルム14の側端14Sとの隙間、および、この側端14Sにつながる導光フィルム14の一面(表面14F)に塗られる[硬化樹脂第1塗布工程]。
【0058】
ここで、金型64が使用される。金型64の金型面64Fは、図3Dに示すように、2つの領域(第1領域AR1・第2領域AR2)を含む。詳説すると、第1領域AR1は、少なくとも一部に、押圧に適した平面を含む。一方、第2領域AR2は、少なくとも一部に、プリズム溝またはドットパターン等を刻まれた粗面を含む。
【0059】
そして、この金型64が、図3Dに示すように、金型面64Fを導光フィルム14の一面14F上(表面14F上)に対向させながら被せられる[金型載置工程]。特に、金型面64Fの第1領域AR1が、LED11、およびLED11の発光端11Lと導光フィルム14の側端14Sとの隙間に介在する導光性硬化樹脂15を押さえ付けるようにし、第2領域AR2が、導光フィルム14の一面14F上に付着する導光性硬化樹脂15を押さえ付ける。
【0060】
そして、この状態にて、ステージ61側、すなわち、ステージ61の背面61Rから紫外線等の光が照射される(図3E参照)。すると、その光は、ステージ61、または、ステージ61と導光フィルム14とを通過して導光性硬化樹脂15に到達する。その結果、この導光性硬化樹脂15は硬化する、[第1硬化工程]。すると、ステージ61上に、導光ユニットUTが完成する。そして、図3Fに示すように、ステージ61から導光ユニットUTは取り外される。
【0061】
以上のようにして完成した導光ユニットUTでは、導光性硬化樹脂15が硬化することで、その導光性硬化樹脂15を挟んで、導光フィルム14とLED11とが連結する。したがって、互いが振動等によって乖離しない。その上、導光フィルム14とLED11とは、製造過程にて、同一平面状のステージ61に置かれる。
【0062】
いいかえると、LED11は、導光フィルム14の裏面14Rを拡大させた仮想上の面である拡大仮想面ISに位置する。そのため、導光フィルム14の厚み方向において、LED11の位置が固定される。
【0063】
なお、ステージ61の表面(ステージ面)61FからLED11の発光端11Lにおける中心Cまでの距離(高さ)が、ステージ面61F上の導光フィルム14の厚みよりも短ければ、発光端11Lの中心が導光フィルム14の側端14Sに対向し、LED11からの光強度の強い光が導光フィルム14に進入する。
【0064】
詳説すると、図3B等に示すように、ステージ面61Fにて、LED11と導光フィルム14とが並列した状態にて、ステージ面61Fに対する垂直方向(すなわち導光フィルム14の厚み方向)に沿った発光端11Lの中心Cに至るまでの距離が、導光フィルム14の厚みよりも短ければ、発光端11Lの中心が導光フィルム14の側端14Sに対向し、LED11からの光強度の強い光が導光フィルム14に進入する。
【0065】
また、導光フィルム14の裏面14Rに接触するステージ面61Fが平面で、そのステージ面61Fに接触するLED11における発光端11Lの一部の面部分(発光接触面11A)も平面であって、両者が密着すれば、発光端11Lは、ステージ面61F上の導光フィルム14に対して傾きにくい{ただし、平面に限定されるものではなく、ステージ面61Fと発光接触面11Aとが密着する(傾かない)関係にあればよい}。つまり、導光フィルム14に対するLED11の取付角度の精度は比較的高くなる。
【0066】
なお、以上のような、図3A〜図3Fに示すような製造方法に限定されることなく、例えば、図4A〜図4Fに示されるような製造方法であってもかまわない。この製造方法では、まず、金型64が、光透過性を問わないステージ62のステージ面62Fに背面を対向させて置かれる(図4A参照)。
【0067】
次に、金型64の金型面64Fに、LED11が置かれる。詳説すると、図4Bに示すように、LED11は第1領域AR1に置かれ、特に、LED11の発光端11Lが第2領域AR2の側に向けられる[光源載置工程]。
【0068】
その後、図4Cに示すように、導光性硬化樹脂15が、ダイコーダー等によって、金型64の金型面64Fに塗られる[硬化樹脂第2塗布工程]。
【0069】
さらに、図4Dに示すように、導光フィルム14が、導光性硬化樹脂15の塗布された第2領域AR2に置かれる。特に、導光フィルム14は自身の側端14SとLED11の発光端11Lとの間に、導光性硬化樹脂15を介在させつつ、側端14Sにつながる導光フィルム14の一面(表面)14Fに、導光性硬化樹脂15を付着させる[導光フィルム載置工程]。
【0070】
その後、導光フィルム14側、すなわち、金型面64Fに面していない導光フィルム14の一面(裏面)14Rから紫外線等の光が照射される(図4E参照)。なお、この光照射の前に、図4Eに示すように、導光フィルム14の一面(非付着面)14RとLED11とを覆うように、透明なアクリル板(またはガラス板)66が被さってもよい[支持板載置工程]。
【0071】
このようになっていると、LED11と導光フィルム14とが、アクリル板(光透過性支持板)66とステージ62とによって挟まれることで不動になり、その結果、LED11と導光フィルム14とが互いに位置ズレすることなく、導光性硬化樹脂15を挟めることになる。
【0072】
そして、アクリル板66、または、アクリル板66と導光フィルム14とを通過する光が導光性硬化樹脂15に到達し、この導光性硬化樹脂15は硬化する、[第2硬化工程]。すると、ステージ62上に、導光ユニットUTが完成する。そして、図4Fに示すように、ステージ62から導光ユニットUTは取り外される(なお、アクリル板66も導光ユニットUTから取り外される)。
【0073】
以上のようにして完成した導光ユニットUTでは、導光性硬化樹脂15が硬化することで、その導光性硬化樹脂15を挟んで、導光フィルム14とLED11とが連結するので、互いが振動等によって乖離しない。
【0074】
また、導光フィルム14とLED11とは、製造過程にて、同一金型面64F上に置かれる。ただし、LED11の置かれる第1領域AR1と、導光フィルム14の置かれる第2領域との間には、高低差(段差)が存在する。
【0075】
しかしながら、この高低差は、第1領域AR1から発光端11Lにおける中心Cまでの距離よりも短い。詳説すると、図4B等に示すように、ステージ面62Fの第1領域AR1にLED11が置かれる状態にて、高低差が、第1領域AR1(ステージ面62F)に対する垂直方向(すなわち導光フィルム14の厚み方向)に沿った発光端11Lの中心Cに至るまでの距離よりも短ければよい。
【0076】
このようになっていると、発光端11Lの中心Cからの出射光が第2領域AR2の面上に位置する。すなわち、第2領域AR2に置かれる導光フィルム14の側端14Sに、発光端11Lの中心Cが対向する。そのため、LED11からの光強度の強い光が導光フィルム14に進入する。
【0077】
また、第1領域AR1と第2領域AR2とは高低差はあるものの、同じ金型面64F上に位置する。そして、比較的硬い第1領域AR1の平面上に、LED11は安定して置かれ、第2領域AR2の粗面上には、導光フィルム14が置かれる。そして、これらLED11と導光フィルム14とがともに変動(傾いたり)しなければ、LED11の発光端11Lは導光フィルム14に対して傾きにくい。
【0078】
特に、平板状のアクリル板66が、図4Eに示すように、導光フィルム14の裏面14RおよびLED11に密着して、両者(導光フィルム14・LED11)を不動にしていれば、LED11の発光端11Lは、確実に導光フィルム14に対して傾かない。そのため、導光フィルム14に対するLED11の取付角度の精度は比較的高くなる。
【0079】
なお、導光フィルム14の一面14Rに対して反射シート32を貼り付けたものを、導光ユニットUTと称してもよい。すなわち、図3Fおよび図4Fに示される導光フィルム14の一面14Rに反射シート32が貼り付けられてもよい。このようになっていると、バックライトユニット31に対して搭載する部品点数が削減するためである。
【0080】
[その他の実施の形態]
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0081】
例えば、LED11の発光端11Lにて最大の光強度を発する位置は、発光端11Lの中心Cとは限らない。種々のLED11によって、最大光強度位置は異なる。そのため、最大発光強度位置に応じて、金型面64Fでの第1領域AR1と第2領域AR2との高低差等は変更される。
【0082】
また、金型64の粗面状の第2領域AR2に接する導光性硬化樹脂15は、硬化すると、第2領域AR2の面形状に依存して粗面となる。このような粗面であると(例えば、プリズム溝が並列したり、ドットパターンが散在したりしていると)、その粗面を通過する光は効率よく屈折進行し望ましい。ただし、粗面であることは必須ではなく、平面になっていてもかまわない。このようになっていても、光学シート群33が、光を種々方向に進行させられるためである。
【0083】
また、導光フィルム14と導光性硬化樹脂15とが、同種類の材料であると望ましい。このようになっていると、導光ユニットUT内部での導光フィルム14と導光性硬化樹脂15との界面にて、反射(界面反射)が生じない。そのため、導光ユニットUT内にて、光が進行しやすくなり、より多量の光が導光フィルム14の表面14Fに導かれて、粗面状の導光性硬化樹脂15を通じて出射する。
【0084】
なお、以上のような導光ユニットUTは、導光フィルム14の側端14Sに、LED11の光を入射させている。そのため、このような導光ユニットUTを搭載するバックライトユニット31はサイドライト型と称される。
【0085】
そして、このようなバックライトユニット31と、このバックライトユニット31からの光を受光する液晶表示パネル21とを含む液晶表示装置89は、種々の電子機器に採用される。例えば、パーソナルコンピュータ等のOA機器、電子手帳や携帯電話機等の携帯情報端末機器、さらには、カメラ一体型VTR等に採用される。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】は、図2のA−A’線矢視断面図である。
【図2】は、液晶表示装置の分解斜視図である。
【図3】は、導光ユニットの製造工程を示す断面説明図であり、(A)はステージにLEDが置かれる工程を示し、(B)はステージに導光フィルムが置かれる工程を示し、(C)は導光フィルム等に対して導光性硬化樹脂が塗布される工程を示し、(D)は導光フィルムとLEDとに対して金型が置かれる工程を示し、(E)は光照射される工程を示し、(F)は完成した導光ユニットを示す。
【図4】は、図3とは異なる導光ユニットの製造工程を示す断面説明図であり、(A)はステージに金型が置かれる工程を示し、(B)は金型にLEDが置かれる工程を示し、(C)は金型等に対して導光性硬化樹脂が塗布される工程を示し、(D)は導光性硬化樹脂の塗布された金型に導光フィルムが置かれる工程を示し、(E)は光照射される工程を示し、(F)は完成した導光ユニットを示す。
【符号の説明】
【0087】
UT 導光ユニット
11 LED(点状光源)
11L LEDの発光端
C 発光端の中心
12 導光板
14 導光フィルム
14S 導光フィルムの側端
14F 導光フィルムの表面
14R 導光フィルムの裏面
IS 拡大仮想面
15 導光性硬化樹脂
21 液晶表示パネル
31 バックライトユニット
32 反射シート
33 光学シート群
41 フレーム
61 ステージ(光透過性ステージ)
62 ステージ
64 金型
64F 金型面
AR1 第1領域
AR2 第2領域
66 アクリル板(光透過性支持板)
89 液晶表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
点状光源と、
上記点状光源の発光端に対して、側端を対向させる導光フィルムと、
上記導光フィルムの側端と上記点状光源の発光端との隙間を埋めてつなげるとともに、上記側端につながる導光フィルムの一面に付着して硬化する導光性硬化樹脂と、
を含む導光ユニット。
【請求項2】
上記導光性硬化樹脂の付着する導光フィルムの一面に対する裏面を非付着面とすると、
上記非付着面の拡大仮想面上に、上記点状光源が位置し、
上記発光端における最大光強度位置が、導光フィルムの側端に対向する請求項1に記載の導光ユニット。
【請求項3】
上記拡大仮想面上に接触する上記点状光源の発光端の一部を発光接触面とすると、
上記発光接触面は、上記拡大仮想面上に密着する請求項2に記載の導光ユニット。
【請求項4】
上記拡大仮想面に密着する反射シートが含まれる請求項2または3に記載の導光ユニット。
【請求項5】
上記導光フィルムと上記導光性硬化樹脂とは、同種類の材料である請求項1〜4のいずれか1項に記載の導光ユニット。
【請求項6】
上記導光フィルムの一面上に位置する導光性硬化樹脂が、上記導光フィルムの一面から進行する光を屈折進行させる粗面である請求項1〜5のいずれか1項に記載の導光ユニット。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の導光ユニットと、
上記導光ユニットからの出射光を透過させる光学シートと、
を含むバックライトユニット。
【請求項8】
請求項7に記載のバックライトユニットと、
上記バックライトユニットからの出射光を受光する液晶表示パネルと、
を含む液晶表示装置。
【請求項9】
固定台にて、点状光源の発光端と、導光フィルムの側端とを向かい合わせて固定し、少なくとも、上記点状光源の発光端と上記導光フィルムの側端との隙間を導光性硬化樹脂でつなげ合わせる導光ユニットの製造方法。
【請求項10】
上記固定台である光透過性ステージのステージ面に、点状光源を置く第1載置工程と 、
上記点状光源の発光端に対し、側端を向ける導光フィルムを上記ステージ面に置く第
2載置工程と、
上記点状光源の発光端と上記導光フィルムの側端との隙間、および、上記側端につな
がる導光フィルムの一面に、導光性硬化樹脂を塗布させる硬化樹脂第1塗布工程と、
上記導光性硬化樹脂に対して金型を被せる金型載置工程と、
上記光透過性ステージ側からの光照射で、上記導光性硬化樹脂を硬化させる第1硬化
工程と、
を含む請求項9に記載の導光ユニットの製造方法。
【請求項11】
上記ステージ面から点状光源の発光端おける最大光強度位置までの距離が、導光フィルムの厚みよりも短い請求項10に記載の導光ユニットの製造方法。
【請求項12】
上記金型は、金型面に第1領域と第2領域とを並べており、
上記第1領域は、上記点状光源、および上記点状光源の発光端と上記導光フィルムの側端との隙間に介在する導光性硬化樹脂に接し、
上記第2領域は、上記導光フィルムの一面上の導光性硬化樹脂に接する請求項10または11に記載の導光ユニットの製造方法。
【請求項13】
上記固定台である金型面に第1領域と第2領域とを並べる金型に対して、点状光源を
上記第1領域に置きつつ、上記点状光源の発光端を上記第2領域の側に向ける光源載置 工程と、
上記金型の金型面に、導光性硬化樹脂を塗布させる硬化樹脂第2塗布工程と、
導光フィルムを、上記導光性硬化樹脂の塗布された上記第2領域に置くことで、上記
点状光源の発光端と上記導光フィルムの側端とに上記導光性硬化樹脂を介在させつつ、
上記側端につながる導光フィルムの一面に上記導光性硬化樹脂を付着させる導光フィル
ム載置工程と、
上記導光フィルム側からの光照射で、上記導光性硬化樹脂を硬化させる第2硬化工程
と、
を含む請求項9に記載の導光ユニットの製造方法。
【請求項14】
上記金型における第1領域と第2領域との高低差は、第1領域から上記点状光源の発光端における最大光強度位置までの距離よりも小さい請求項13に記載の導光ユニットの製造方法。
【請求項15】
上記導光性硬化樹脂の付着する導光フィルムの一面に対する裏面を非付着面とすると、
上記非付着面および上記光源に対して光透過性支持板を被せている請求項13または14に記載の導光ユニットの製造方法。
【請求項16】
上記金型面における第1領域が平面状であり、上記第2領域が粗面状である請求項12〜15のいずれか1項に記載の導光ユニットの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−110738(P2009−110738A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−279836(P2007−279836)
【出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】