説明

導光微細構造プレート、導光方法と窓構造への応用

【課題】異なる角度の入射光に適応して広角範囲に射出できる導光微細構造プレートを提供する。例えば、それが窓に利用される時、太陽光の一部を屋内の天井まで屈折発散させて、比較的良好な照明光率を達成する。
【解決手段】基材210と導光微細構造層212とを含む導光微細構造プレートが提供される。基材が入射光面210aと射出光面210bとを備え、その射出光面が参考垂直面を有する。導光微細構造層が入射光面上に配置される。導光微細構造層が複数の突出した光学微細構造を含む。各光学微細構造が曲柱面構造214と斜柱面構造216とを有し頂端で交差連結される。入射光束が参考垂直面に対して1つの入射角度で複数の光学微細構造へ進入する時、その入射光束の少なくとも一部が斜柱面構造に進入した後、斜柱面構造において内部全反射を発生させた後、屈折されて射出光面から射出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、導光構造(light guide)技術に関し、広角射出光の作用を備えることができるものである。
【背景技術】
【0002】
省エネルギーは、日増しに重要となっている課題である。しかし、工業が急速に発展する際、各種の家電製品、3C(Computer、Communication、Consumer Electronics)製品およびその他の電気設備が絶え間なく増大しており、そのうち、照明設備が夜間に生活のための灯りを提供するだけでなく、昼間のオフィス活動ならびにビジネス活動に重要な地位を占め、電力会社の統計資料から明らかなように、照明用電力が建物全体の消費エネルギーの約30〜40%前後を占めている。
【0003】
また、別な角度から見ると、太陽光(sun light)は、使用しても尽きることのない天然光源である。もしも、この天然光源を有効に利用して照明を行えば、照明に使用する電力を節減できる。一般の窓について言えば、その天然光源を使用する効率には、なお限りがある。図1は、従来の窓の作用を示す説明図である。図1において、家屋100の外壁には、一般に、いずれも窓102がある。窓102は、一般に、ガラスまたは透光性の材質であるから、太陽光104が窓102を透過して室内光106となり、照明の作用を提供するが、一般に下向きに照射されるだけであり、室内の奥の方まで照明することができず、照明効果としては優れたものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
太陽光104の利用効率を改善するために、従来技術も窓に利用できる光学的な導光技術を提供しており、光線を偏向させて利用率を上げようとしている。しかし、太陽が時間に従い東から昇り西に沈むため、仰角が変化していく。従来の導光構造の作用は、単一な仰角に対してのみ設定され、かつ呈現できる導光効果が単一の射出角度だけに制限されるものであった。従って、たとえ使用して室内照明を提供する場合にも明暗領域が時間により変化する現象が生じるものであった。この現象は、現在、太陽光利用の極めて大きな障害となっている。もしも、この欠点が有効に解決できれば、太陽光利用を市場価値のあるものとすることができる。
【0005】
この発明の目的は、異なる角度の入射光に適応して広角範囲に射出できる導光微細構造プレートを提供することにある。例えば、それが窓に利用される時、太陽光の一部を屋内の天井まで屈折発散させて、比較的良好な照明光率を達成する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に従い、この発明は、基材と導光微細構造層とを含む導光微細構造プレートを提供する。
基材が入射光面および射出光面を有し、そのうち、射出光面が参考垂直面を有する。導光微細構造層が入射光面上に配置される。導光微細構造層が突出した複数の光学微細構造を含む。各光学微細構造が頂端で交差連結する曲柱面構造および斜柱面構造を含む。入射光束が参考垂直面に対して1つの入射角で複数の光学微細構造に入射する時、入射光束の少なくとも一部が斜柱面構造へ進入した後、曲柱面構造において内部全面反射を発生させた後に屈折されて射出光面から射出されるものである。
【0007】
実施形態に従い、この発明は、また、導光方法を提供し、導光微細構造プレートを提供することと導光微細構造プレートを利用することとを含み、1つの仰角で入射光を受け取り、かつ入射光を連続的に分布する角度範囲に射出する。提供する導光微細構造プレートが基材と導光微細構造層とを含む。基材が入射光面および射出光面を有し、そのうち、前記射出光面が参考垂直面を有する。導光微細構造層が入射光面上に配置される。導光微細構造層が突出した複数の光学微細構造を含み、各光学微細構造が頂端で交差連結する曲柱面構造および斜柱面構造を含む。入射光束が参考垂直面に1つの入射角で前記複数の光学微細構造に入射する時、入射光束の少なくとも一部が斜柱面構造へ進入した後、曲柱面構造において内部全面反射を発生させた後に屈折されて射出光面から射出されるものである。
【0008】
実施形態に従い、この発明は、また、窓構造を提供し、太陽光を受け取って室内に導入する。窓構造が、平滑透過領域と微細構造屈折領域とを含む。平滑透過領域が、太陽光が同一進行方向を維持して室内に入ることを許す。微細構造屈折領域上に少なくとも1つの導光微細構造プレートを設置し、太陽光を室内に進入させる。導光微細構造プレートが基材と導光微細構造層とを含む。基材が入射光面および射出光面を有し、そのうち、射出光面が参考垂直面を有する。導光微細構造層が入射光面上に配置される。導光微細構造層が突出した複数の光学微細構造を含む。各光学微細構造が頂端で交差連結する曲柱面構造および斜柱面構造を含む。入射光束が参考垂直面に対して1つの入射角で複数の光学微細構造に入射する時、入射光束の少なくとも一部が斜柱面構造へ進入した後、曲柱面構造において内部全面反射を発生させた後に屈折されて射出光面から射出される。また、光学微細構造が太陽光を導き、射出光面において1つの射出角度で射出させ、そのうち、射出角度が1つの角度範囲に連続的に分布するものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明の導光微細構造プレート、導光方法と窓構造への応用は、異なる角度の入射光に適応して広角範囲に射出できる導光微細構造プレートを提供し、例えば、それが窓に利用される時、太陽光の一部を屋内の天井まで屈折発散させて、比較的良好な照明光率を達成する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】従来の窓の作用を示す説明図である。
【図2】この発明の実施形態にかかる窓の室内照明に対するメカニズムを示す説明図である。
【図3】この発明の実施形態にかかる導光微細構造プレートの光学微細構造の断面構造および入射光に対するメカニズムを示す説明図である。
【図4】この発明の実施形態にかかる単一仰角に対する入射光が光学微細構造を経て出射光をビーム拡大する説明図である。
【図5】この発明の実施形態にかかる異なる仰角の入射光が光学微細構造の屈折作用を経た後の出射光角度分布を示す説明図である。
【図6】この発明の実施形態にかかる異なる単一仰角に対する入射光が光学微細構造を経て出射光をビーム拡大する説明図である。
【図7】この発明の実施形態にかかる導光微細構造プレートの断面を示す説明図である。
【図8】この発明の実施形態にかかる導光微細構造プレートの断面を示す説明図である。
【図9】この発明の実施形態にかかる導光微細構造プレートの断面を示す説明図である。
【図10】この発明の実施形態にかかる導光微細構造プレートの断面を示す説明図である。
【図11】この発明の実施形態にかかる導光微細構造プレートの断面を示す説明図である。
【図12】この発明の実施形態にかかる光学微細構造の幾何学構造パラメーターを示す図である。
【図13】この発明の実施形態にかかる光学微細構造の幾何学構造パラメーターを示す図である。
【図14】この発明の実施形態にかかる効能分析に使用する角度定義を示す説明図である。
【図15】この発明の実施形態図にかかる複数の入射仰角が発生させるビーム拡大の効能分析を示す説明図である。
【図16】この発明の実施形態図にかかる複数の入射仰角が発生させるビーム拡大の効能分析を示す説明図である。
【図17】この発明の実施形態図にかかる複数の入射仰角が発生させるビーム拡大の効能分析を示す説明図である。
【図18】この発明の実施形態図にかかる複数の入射仰角が発生させるビーム拡大の効能分析を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
室内の照明効果に対して太陽光を更に有効に利用するために、この発明は、導光微細構造プレートを提供し、それが窓に利用できる。以下、多くの実施形態によりこの発明を説明するが、この発明は、挙げられた実施形態に限定されるものではなく、かつ挙げられた実施形態間で相互に適切に結合されるものである。
【0012】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図2は、この発明の実施形態にかかる窓の室内照明に対するメカニズムを示す説明図である。図2において、室内200について言えば、それは、窓202が太陽光104を受け取って室内200に導入できる場所に設置される。しかし、窓202は、例えば、平滑透過領域と微細構造屈折領域とを含む。平滑透過領域は、平滑透過領域が同じ進行方向を維持して透過することを許して室内へ進入し下向きの室内光106となる。微細構造屈折領域上に少なくとも1つの導光微細構造プレート204を設置して、太陽光104を屈折して室内に進入させ上向きの室内光108となる。微細構造屈折領域は、一般に、例えば、上部に設置されて窓の景観に影響を及ぼすことを避けるが、この実施形態の設置方式に限定されるものではない。
【0013】
この発明の提出する導光微細構造プレート204は、太陽光104が大角度範囲内の任意の仰角から入射する時、導光微細構造プレート204が受け取る太陽光104は、天井方向へ屈折され、かつ1つの広角範囲に発散されるため、大面積の照明を行うとともに、仰角の変化に従って顕著な変化はないので、広角の射出範囲を維持する。
【0014】
以下に、図2中の導光微細構造プレート204の構造および作用メカニズムを説明する。図3は、この発明の実施形態にかかる導光微細構造プレートの光学微細構造の断面構造および入射光に対するメカニズムを示す説明図である。図3において、導光微細構造プレートが、基材210と導光微細構造層212とを含む。基材210が入射光面210aと射出光面210bとを有し、そのうち、射出光面210bがバーチャルな参考垂直面を有する。導光微細構造層212が入射光面210a上に配置される。導光微細構造層212が突出した複数の光学微細構造を含む。各光学微細構造が曲柱面構造214と斜柱面構造216とを含み、頂端で交差連結される。斜柱面構造216が例えば2つの斜面216a および 216bにより突出して交接する。
【0015】
入射光束a1〜a6が参考垂直面に対して、1つの入射角で導光微細構造層212の光学微細構造へ入射される。入射角は、参考垂直面に対して仰角とも呼ばれ、つまり、太陽光が導光微細構造プレートへ入射される方向である。
【0016】
ここで、上記した光学微細構造は、ストライプ(stripe)柱であり、互いに平行な方式で配列されて導光微細構造層212となる。
【0017】
仰角θに対して入射する入射光a1〜a6は、それが光学微細構造に進入する時、入射領域の異なる構造により、屈折、反射または全反射の特性を経て光進行の方向を変化させて射出光a1’〜a6’に変わる。例えば、入射光a1 および a2は、斜柱面構造216の斜面216bに接触し、屈折して基材210の入射光面210aを透過してから射出光面210bに接触する時、全反射光a1’ および a2’となり、光線が入射方向へ導かれるため、室内へ進入することができない。入射光a3〜a5は、斜柱面構造216の斜面216bに接触して第1次屈折して導光微細構造プレート212の光学微細構造へ進入し、再び曲柱面構造214の曲面を経て内部全反射し、基材210の入射光面210aを透過して、最後に射出光面210bに接触して第2次屈折し、射出光a3’〜a5’となる。入射光a6は、先ず導光微細構造プレート212の曲柱面構造214の曲面に接触して第1次屈折して光学微細構造に進入し、射出光面210bを経て第2次屈折して射出光a6’となる。
【0018】
単一の仰角θの入射光について言えば、導光微細構造プレート212の光学微細構造を経てビーム拡大作用を発生させて、比較的大角度範囲に分布する射出光a3’〜a6’となり、これにより、室内の異なる深さの天井がいずれも光均一分散の効果を達成して、室内照度を均一に向上させる。
【0019】
図4は、この発明の実施形態にかかる単一仰角に対する入射光が光学微細構造を経て出射光をビーム拡大する射出光シミュレーション説明図である。図4において、単一仰角入射光230に対して、それが光学微細構造の斜面を経たのち曲面に接触し、曲面により内部全反射を発生させて射出光232となり、その強度角度分布が射出光強度角度分布線234により描かれ、入射光経路236が射出方向上で得られた光強度を表す。言い換えれば、入射光230がほぼ1つの固定角度で入射するが、屈折されて離れた射出光232が上向きの角度範囲に連続的に分布しており、その細部の分析は、後の図14から図18に記述する。
【0020】
図5は、この発明の実施形態にかかる異なる仰角の入射光が光学微細構造の屈折作用を経た後の出射光角度分布を示す説明図である。光学微細構造が異なる仰角の入射光、例えば、高仰角α、中仰角βおよび低仰角γを受け取ることができ、斜面または曲面に接触して第1次屈折を発生させ、光線の一部が光射出面を経て内部全反射し入射方向へ導かれる。光線の一部が光射出面に直接接触して屈折して光学微細構造を離れ、複数の光線が曲面での内部全反射を経て、射出面に接触する時に屈折して光学微細構造を離れる。
【0021】
仰角α、β、γの入射光が光学微細構造を経ていずれもビーム拡大されて射出光面に垂直な角度より大きく角度なることができ、1つの角度範囲において射出される。かくして、従来の設計中に存在した太陽光の入射仰角が時間に従って変化するために、室内天井の光跡(こうせき)もまた変化する現象を有効に解決できる。従って、導光微細構造プレートの効果を大幅に向上させることができる。
【0022】
図6は、この発明の実施形態にかかる異なる単一仰角に対する入射光が光学微細構造を経て出射光をビーム拡大するシミュレーション説明図である。図6において、その表示方式は、図4と同じである。分析結果から分かるように、図5に対応する3つの仰角の入射光束300, 302, 304は、いずれもビーム拡大の効果がある。つまり、この発明の実施形態の光学微細構造は、異なる仰角の入射光を受け取ることができ、なお広角度範囲のビーム拡大の射出光分布を維持することができる。
【0023】
図7〜図11は、この発明の実施形態にかかる導光微細構造プレートの断面を示す説明図である。図7において、導光微細構造プレートの基材210と導光微細構造層212とは、同一材料の一体構造であり、曲柱面構造214の曲率半径が例えば単一曲率R1の曲面である。また、斜柱面構造216が例えば2つの斜面構造である。
【0024】
図8において、図7の構造だけでなく、斜柱面構造216が単一の斜面構造であることができるが、曲柱面構造214の曲率半径R2は、それに合わせて調整が必要である。一般的に言って、斜柱面構造216の斜面数量は、1個または2個に限定されるものではなく、更に多いものにできる。
【0025】
図9において、曲柱面構造214の設計変更であり、それもまた例えば異なる曲率半径R3, R4の組み合わせであることができるが、ここに挙げた曲面に制限するものでなく、更に多くの曲面とすることができる。
【0026】
図10において、上記した構造は、基材210と導光微細構造層212とを一体構造にしている。しかし、導光微細構造層212もまた基材210上にそれぞれ直接製作できる。基材210は、例えばガラスまたは透光材料である。
【0027】
図11において、また更に一歩進んだ変化としては、導光微細構造層212を透光薄膜250上に製作するものである。この時、基材210が例えば応用しようとする窓ガラスである。このような方式は、各種の利用ができて便利であり、現在ある窓に導光微細構造層を直接貼り付けるだけでよい。
【0028】
導光微細構造プレートを製作する方式は、例えば、射出または熱圧成型を利用することができる。導光微細構造層の光学微細構造もまた例えばプレス印刷、ロール印刷方式で透明基材に成型して導光微細構造プレートとすることができる。また、光学微細構造もまた例えば透明膜材に成型して導光微細構造膜として製作することができる。上記した透明材料がプラスチック、ガラス、石英またはその他の種類の透明材料とすることができる。
【0029】
以下、光学微細構造の設計を記述する。図12は、この発明の実施形態にかかる光学微細構造の幾何学構造パラメーターを示す図である。図12において、導光微細構造層212の光学微細構造は、ストライプ柱状の構造であり、その横断面構造には2つの面があり、曲柱面構造と斜柱面構造とである。単一曲面と2つの斜面との実施形態について言えば、その曲率半径R、斜面の傾斜率と面積との比率がそのビーム拡大の効能を決定できるので、頂点座標(Hx, H)、曲率半径R、下部斜面の傾斜角A1および2つの斜面の夾角A2を含む、いくつかの設計パラメーターを考慮する必要がある。また、下部斜面の高さをhで表し、光学微細構造の底部幅をPで表示する。
【0030】
光学微細構造を設計する条件は:
【数1】

そのうち、
【数2】

しかし、上記した設計条件は、1つの採用できる方式であるが、唯一の方式ではない。
【0031】
また、もしも単一斜面の構造を採用した場合、その設計は、いささか異なる。図13は、この発明の実施形態にかかる光学微細構造の幾何学構造パラメーターを示す図である。図13において、導光微細構造層212の光学微細構造は、単一曲率の曲面と1個の斜面の例であり、その斜面が傾斜角Aである。
図13を設計する光学微細構造の条件は、例えば:
【数3】

そのうち、
【数4】

また、上記したパラメーター条件は、例えば、H/Pの比率が例えば0.25〜3の範囲である。傾斜角Aと傾斜角A1(図12参照)との範囲が例えば30〜90度の範囲である。
【0032】
以下、この発明が発生させる効能向上を記載する。図14は、この発明の実施形態にかかる効能分析に使用する角度定義を示す説明図である。図14において、導光微細構造プレート204の側面図であり、それがバーチャルな参考垂直平面を有し、点線で90度に位置することをしている。導光微細構造プレート204が参考垂直平面に相対する一辺が0度であり、他辺が180度であって、反時計方向へ逓増している。入射角方向が参考垂直平面に対して仰角θを有する。言い換えれば、入射光が光学微細構造の作用を経て、その射出光が90度より小さな射出光3300および90度より大きな射出光3302に分けられる。例えば、窓に応用する時、射出光3302が天井の方向へ進み、その効能の向上が照明の応用への助けとなる。
【0033】
図15〜図18は、この発明の実施形態図にかかる複数の入射仰角が発生させるビーム拡大の効能分析を示す説明図である。図15において、仰角が40度の入射光を例に挙げると、実線は、光学微細構造が曲面および斜面により構成する幾何学構造の射出光効果を表す。点線は、光学微細構造の曲面が斜面により置き換えられた射出光効果を表す。点線の分布が単一な射出方向に限られているが、実線の分布は、比較的大きな分布範囲、例えば、65−165度をカバーしており、そのうち、90度より大きい射出光量が大部分を占め、かつ分布の角度範囲が点線の分布より遙かに大きい。つまり、図14に基づく角度の定義は、射出光面が参考垂直面(点線)の一辺であるとともに、入射光と同一辺ではない導光微細構造プレート204の方向が0度であり、反時計方向へ増加する。かくして、導光微細構造プレート204が参考垂直面における別な一辺は180度である。
【0034】
図16において、それは、仰角を50度とする入射光を例に挙げると、射出光分布も図15と同一な特性を有する。
【0035】
図17において、それは、仰角を60度とする入射光を例に挙げると、射出光分布も図15および図16と同一な特性を有し、かつ大部分がいずれも屈折されることより利用できる。
【0036】
図18において、それは、仰角を70度とする入射光を例に挙げると、射出光分布も図15〜図17と同一な特性を有し、実線と点線との比較から分かるように、利用の効率を大量に向上させる。
【0037】
図15〜図18の分析から証明できるように、この発明の設計は、異なる仰角の入射光に適応することができ、従って、比較的大きな利用性があり、特定仰角の入射光に制限されない。
【0038】
以上のように、この発明を実施形態により開示したが、もとより、この発明を限定するためのものではなく、当業者であれば容易に理解できるように、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定めなければならない。
【符号の説明】
【0039】
100 家屋
102 窓
103 太陽光
106 室内光
108 室内光
200 室内
202 窓
204 導光微細構造プレート
210 基材
210a 入射光面
210b 射出光面
212 導光微細構造層
214 曲柱面構造
216 斜柱面構造
216a, 216b 斜面
230 入射光
232 射出光
234 射出光強度分布線
236 入射光経路
250 透光薄膜
300, 302, 304 入射光束
3300, 3302 射出光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導光微細構造プレートを提供することと;
前記導光微細構造プレートを利用し、1つの仰角で入射光を受け取り、かつ前記入射光を連続的に分布する角度範囲に射出することとを含むものであって、
そのうち、提供する前記導光微細構造プレートが:
入射光面および射出光面を有し、そのうち、前記射出光面が参考垂直面を有する基材と;
前記入射光面上に配置され、そのうち、突出した複数の光学微細構造を含み、各光学微細構造が頂端で交差連結する曲柱面構造および斜柱面構造を含む、導光微細構造層とを含み、
そのうち、入射光束が前記参考垂直面に1つの入射角で前記複数の光学微細構造に入射する時、前記入射光束の少なくとも一部が前記斜柱面構造へ進入した後、前記曲柱面構造において内部全面反射を発生させた後に屈折されて前記射出光面から射出されるものである、導光方法。
【請求項2】
前記入射光束が、更にその一部が前記曲柱面構造へ進入し、前記曲柱面構造において屈折を発生させた後、更に前記射出光面において屈折透過するものである請求項1記載の導光方法。
【請求項3】
前記入射光束が、更にその一部が前記曲柱面構造へ進入し、前記曲柱面構造において屈折を発生または前記曲柱面構造において内部全面反射を発生させた後、前記射出光面において屈折透過するものである請求項1記載の導光方法。
【請求項4】
提供される前記光学微細構造の前記曲柱面構造が、少なくとも1つの曲面を含む請求項1記載の導光方法。
【請求項5】
提供される前記光学微細構造の前記斜柱面構造が、少なくとも1つの斜面を含む請求項1記載の導光方法。
【請求項6】
前記導光微細構造層が、前記基材の底部幅をPで表示し、前記導光微細構造層の高さをHで表示し、前記斜柱面構造と前記基材との斜角をAとすれば、下記する条件:
H/Pが0.25〜3の範囲と;
Aが30〜90度の範囲と
に適合するものである請求項5記載の導光方法。
【請求項7】
導光微細構造プレートであって、
入射光面および射出光面を有し、そのうち、前記射出光面が参考垂直面を有する基材と;
前記入射光面上に配置され、そのうち、突出した複数の光学微細構造を含み、各光学微細構造が頂端で交差連結する曲柱面構造および斜柱面構造を含む、導光微細構造層とを備え、
そのうち、入射光束が前記参考垂直面に1つの入射角で前記複数の光学微細構造に入射する時、前記入射光束の少なくとも一部が前記斜柱面構造へ進入した後、前記曲柱面構造において内部全面反射を発生させた後に屈折されて前記射出光面から射出されるものである、導光微細構造プレート。
【請求項8】
前記入射光束が、更にその一部が前記曲柱面構造へ進入し、前記曲柱面構造において屈折を発生させた後、更に前記射出光面において屈折透過するものである請求項7記載の導光微細構造プレート。
【請求項9】
前記入射光束が、更にその一部が前記曲柱面構造へ進入し、前記曲柱面構造において屈折を発生、または前記曲柱面構造において内部全面反射を発生させた後、前記射出光面において屈折透過するものである請求項7記載の導光微細構造プレート。
【請求項10】
前記光学微細構造が、前記入射光を導き、前記射出光面において1つの射出角度で射出されるものであり、そのうち、前記射出角度が1つの角度範囲に連続的に分布する請求項7記載の導光微細構造プレート。
【請求項11】
前記光学微細構造の前記曲柱面構造が、少なくとも1つの曲面を含む請求項7記載の導光微細構造プレート。
【請求項12】
前記光学微細構造の前記斜柱面構造が、少なくとも1つの斜面を含む請求項7記載の導光微細構造プレート。
【請求項13】
前記導光微細構造プレートが、前記基材の底部幅をPで表示し、前記導光微細構造層の高さをHで表示し、前記斜柱面構造と前記基材との斜角をAとすれば、下記する条件:
H/Pが0.25〜3の範囲と;
Aが30〜90度の範囲と
に適合するものである請求項7記載の導光微細構造プレート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−123478(P2011−123478A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−204925(P2010−204925)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(390023582)財団法人工業技術研究院 (524)
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】195 Chung Hsing Rd.,Sec.4,Chutung,Hsin−Chu,Taiwan R.O.C
【Fターム(参考)】