説明

導波管サーキュレータ

【課題】フェライトが発熱して温度上昇しても、アーキング現象を生じることなく、かつ、マイクロ波特性の劣化を生じさせない導波管サーキュレータを提供する。
【解決手段】所定の平面上に水平に位置して設けられるとともに分岐位置から異なる3方向に延長された方形導波管により略Y字形状を形成する導波管の該分岐位置に、上記所定の平面と直交する高さ方向において上方側と下方側とに対向して2つのフェライトが配置された導波管サーキュレータであって、上記導波管の分岐位置近傍において上記高さ方向で拡張する拡張部を形成し、上記フェライト間の間隔を広げることにより低下したインピーダンスを補償する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導波管サーキュレータに関し、さらに詳細には、大電力マイクロ波に用いて好適な3分岐形の導波管サーキュレータに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、マイクロ波電力を利用する分野が、各産業界に広範囲に拡張されていることが知られている。
【0003】
特に、UHF帯以上の周波数帯においては、その使用電力が数kWから数MW程度まで上昇しているため、こうした大電力に対応可能な高性能なサーキュレータの開発が要望されている。
【0004】

ここで、図1(a)(b)を参照しながら、従来技術による導波管サーキュレータについて説明する。
【0005】
即ち、図1(a)には、従来技術による3分岐形の導波管サーキュレータの平面説明図が示されており、また、図1(b)には、図1のA−A線による断面説明図が示されている。
【0006】
この図1(a)(b)に示す従来技術による3分岐形の導波管サーキュレータ10は、それぞれ所定の平面上に水平に位置して設けられるとともに分岐位置から異なる3方向に延長された方形導波管12−1、12−2、12−3により略Y字形状を形成する導波管12と、導波管12の内周面12aにおける分岐位置の下面12aaに設けられた円柱形状の台座14と、導波管12の分岐位置において下面16aが台座14の上面14aと対向するようにして導波管12の内周面12aの上面12abに設けられた円柱形状の台座16と、台座14の上面14aに接着固定された円板形状のフェライト18と、台座16の下面16aに接着固定された円板形状のフェライト20とを有して構成されている。
【0007】

以上の構成において、導波管サーキュレータ10においては、導波管12の外部において、台座14が設けられた位置の下方側にS型磁石22を導波管12の外周面12bに接することなく配置するとともに、台座16が設けられた位置の上方側にN型磁石24を導波管12の外周面12bに接することなく配置している。
【0008】
これらS型磁石22とN型磁石24とにより、導波管12の分岐位置において磁界を生じさせ、台座14、16にそれぞれ接着固定されたフェライト18、20を磁化させる。
【0009】
そして、マイクロ波などの電磁波が磁化された状態のフェライト18、20が位置する分岐位置を通過すると、分岐位置を通過した電磁波は偏波面を水平に保ちながら左斜め前方へ進路を曲げられる。
【0010】
即ち、方形導波管12−1から進入した電磁波は、磁化された状態のフェライト18およびフェライト20が位置する分岐位置を通過することにより、分岐位置を通過した電磁波は方形導波管12−2へ進行する。
【0011】
また、方形導波管12−2から進入した電磁波は、磁化された状態のフェライト18およびフェライト20が位置する分岐位置を通過することにより、分岐位置を通過した電磁波は方形導波管12−3へ進行する。
【0012】
さらに、方形導波管12−3から進入した電磁波は、磁化された状態のフェライト18およびフェライト20が位置する分岐位置を通過することにより、分岐位置を通過した電磁波は方形導波管12−1へ進行する。
【0013】

しかしながら、上記した導波管サーキュレータ10においては、使用電力の増大にともない、フェライトの内部の挿入損失により発生する熱によりフェライト18、20が発熱してしまうものであった。
【0014】
そして、フェライト18、20が発熱すると、フェライト18、20における飽和磁化4πMsが低下することとなり、フェライト18、20における飽和磁化4πMsの低下によって、導波管サーキュレータ10におけるマイクロ波特性が劣化してしまうという問題点があった。
【0015】
また、導波管サーキュレータ10において使用電力が増大すると、フェライト18とフェライト20との間でアーキング(異常放電)現象が生じてしまうという問題点があった。
【0016】

ところで、上記したアーキング現象への対策としては、フェライト18とフェライト20との間隔を広げるように構成することが知られている。
【0017】
ここで、図2には理想的な導波管サーキュレータの等価回路図が示されており、この図2を参照しながら説明すると、アーキング現象への対策としてフェライト18とフェライト20との間隔を広げると、フェライト18とフェライト20との間の浮遊容量Cが小さくなってしまう。
【0018】
このようにフェライト18とフェライト20との間の浮遊容量Cが小さくなると、導波管サーキュレータ10内部のインピーダンスが低下し、導波管サーキュレータ10の外部から容量素子または誘導素子による調整を行ったとしても、反射減衰量が26dB以下の帯域の比帯域幅が3%以下となり、比帯域幅が狭くなってしまうという問題点があった。
【0019】

即ち、従来の導波管サーキュレータにおいては、使用電力の増大にともなってフェライトが発熱して温度上昇してしまったり、アーキング現象への対策としてフェライト間の間隔をアーキング現象が生じなくなる程度に十分に広げるとフェライト間の浮遊容量が小さくなってしまったりして、その結果、フェライトにおける飽和磁化4πMsが低下するとともに反射減衰量やアイソレーションが劣化するなどのマイクロ波特性の劣化をきたすという問題点が指摘されていた。
【0020】

なお、本願出願人が特許出願のときに知っている先行技術は、文献公知発明に係る発明ではないため、記載すべき先行技術文献情報はない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1(a)は、従来技術による導波管サーキュレータを示す平面説明図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A線による断面説明図である。
【図2】図2は、従来技術による導波管サーキュレータの等価回路図である。
【図3】図3(a)は、本発明による導波管サーキュレータを示す平面説明図であり、図3(b)は、図3(a)のB−B線による断面説明図である。
【図4】図4は、本発明による導波管サーキュレータの等価回路図である。
【図5】図5(a)(b)は、本願発明者が行った実験に係る実験システムに関する説明図であり、図5(a)は、拡張部を設けていない従来の導波管サーキュレータに関する説明図であり、図5(b)は、拡張部を設けた本発明による導波管サーキュレータに関する説明図である。
【図6】図6は、拡張部を設けていない従来の導波管サーキュレータと拡張部を設けた本発明による導波管サーキュレータとを比較した実験結果を示す図表である。
【図7】図7(a)は、拡張部を設けていない従来の導波管サーキュレータの大電力印加前および大電力印加中における入射したマイクロ波の周波数に対する反射減衰量を示すグラフであり、図7(b)は、拡張部を設けていない従来の導波管サーキュレータの大電力印加前および大電力印加中における入射したマイクロ波の周波数に対するアイソレーションを示すグラフである。
【図8】図8(a)は、拡張部を設けた本発明による導波管サーキュレータの大電力印加前および大電力印加中における入射したマイクロ波の周波数に対する反射減衰量を示すグラフであり、図8(b)は、拡張部を設けた本発明による導波管サーキュレータの大電力印加前および大電力印加中における入射したマイクロ波の周波数の対するアイソレーションを示すグラフである。
【図9】図9は、本発明による導波管サーキュレータにおける通過特性を示す等価回路図である。
【図10】図10(a)は、本発明による導波管サーキュレータの変形例を示す平面説明図であり、図10(b)は、図10(a)にC−C線による断面説明図である。
【図11】図11(a)(b)(c)(d)は、本発明による導波管サーキュレータの変形例を示す断面説明図である。
【図12】図12(a)(b)(c)(d)(e)(f)は、本発明による導波管サーキュレータの変形例を示す断面説明図である。
【図13】図13(a)(b)は、本発明による導波管サーキュレータの変形例を示す断面説明図である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は、上記したような従来の技術の有する種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フェライトが発熱して温度上昇しても、アーキング現象を生じることなく、かつ、マイクロ波特性の劣化を生じさせない導波管サーキュレータを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記目的を達成するために、本発明は、フェライトの挿入損失を低減して、反射減衰量、アイソレーション幅を広くすることにより、フェライトが発熱して温度上昇しても、マイクロ波特性の劣化を生じさせないようにしたものである。
【0024】

即ち、本発明は、所定の平面上に水平に位置して設けられるとともに分岐位置から異なる3方向に延長された方形導波管により略Y字形状を形成する導波管の該分岐位置に、上記所定の平面と直交する高さ方向において上方側と下方側とに対向して2つのフェライトが配置された導波管サーキュレータであって、上記導波管の分岐位置近傍において上記高さ方向で拡張する拡張部を形成し、上記フェライト間の間隔を広げることにより低下したインピーダンスを補償するようにしたものである。
【0025】
また、本発明は、上記した発明において、上記フェライトの少なくとも一方を、上記導波管の分岐位置に設けられた台座に接着固定するようにしたものである。
【0026】
また、本発明は、所定の平面上に水平に位置して設けられるとともに分岐位置から異なる3方向に延長された方形導波管により略Y字形状を形成する導波管の該分岐位置の上記所定の平面と直交する高さ方向において上方側および下方側に設けられた台座のどちらか一方にフェライトが配置された導波管サーキュレータにおいて、上記導波管の分岐位置近傍において上記高さ方向で拡張する拡張部を形成し、上記フェライトと、上記フェライトと対向する上記台座との間の間隔を広げることにより低下したインピーダンスを補償するようにしたものである。
【0027】
また、本発明は、所定の平面上に水平に位置して設けられるとともに分岐位置から異なる3方向に延長された方形導波管により略Y字形状を形成する導波管の該分岐位置の上記所定の平面と直交する高さ方向において上方側または下方側のどちらか一方に設けられた台座にフェライトが配置された導波管サーキュレータにおいて、上記導波管の分岐位置近傍において上記高さ方向で拡張する拡張部を形成し、上記フェライトと、上記フェライトと対向する上記拡張部の内周面との間の間隔を広げることにより低下したインピーダンスを補償するようにしたものである。
【0028】
また、本発明は、上記した各発明において、上記拡張部は、各方形導波管において分岐位置の中央から1/8λg〜λg(λg:方形導波管の管内波長)の位置で上記高さ方向に拡張しているようにしたものである。
【0029】
また、本発明は、上記した各発明において、上記拡張部を、上記高さ方向において上方側または下方側のいずれか一方にのみ拡張するようにしたものである。
【0030】
また、本発明は、上記した発明において、上記導波管の分岐位置近傍において上記高さ方向に拡張して上記拡張部が形成されることにより上記導波管の上方側または下方側のいずれか一方に形成される段差を複数段で形成するようにしたものである。
【0031】
また、本発明は、上記した各発明において、上記導波管の分岐位置近傍において上記高さ方向に拡張して上記拡張部が形成されることにより上記導波管の上方側と下方側とに形成される段差をテーパー形状で形成するようにしたものである。
【0032】
また、本発明は、上記した各発明において、上記導波管の分岐位置近傍において上記高さ方向に拡張して上記拡張部が形成されることにより上記導波管の上方側と下方側とに形成される段差を対向する部位に位置しないように形成するようにしたものである。
【0033】
また、本発明は、上記した各発明において、上記導波管の外周面に冷却媒体を設けるようにしたものである。
【発明の効果】
【0034】
本発明は、以上説明したように構成されているので、フェライトが発熱して温度上昇しても、アーキング現象を生じることなく、かつ、マイクロ波特性の劣化を生じさせることがないという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明による導波管サーキュレータの実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
【0036】
なお、以下の説明においては、図1(a)(b)を参照しながら説明した従来の導波管サーキュレータと同一または相当する構成については、上記において用いた符号と同一の符号を用いて示すことにより、その詳細な構成ならびに作用効果の説明は適宜に省略することとする。
【0037】

まず、図3(a)(b)を参照しながら、本発明による導波管サーキュレータの実施の形態の一例について説明する。
【0038】
ここで、図3(a)には、本発明による3分岐形の導波管サーキュレータの平面説明図が示されており、また、図3(b)には、図3(a)のB−B線による断面説明図が示されている。
【0039】
この図3(a)(b)に示す導波管サーキュレータ30は、それぞれ所定の平面上に水平に位置して設けられるとともに分岐位置から異なる3方向に延長された方形導波管32−1、32−2、32−3により略Y字形状を形成し、かつ、分岐位置近傍において高さ方向に内周面の下面32aと上面32bとが拡張された拡張部34を備えた導波管32と、導波管32の分岐位置における拡張部34の下面34aに設けられた円柱形状の台座14と、導波管32の分岐位置における拡張部34において下面16aが台座14の上面14aと対向するようにして拡張部34の上面34bに設けられた円柱形状の台座16と、台座14の上面14aに接着固定された円板形状のフェライト18と、台座16の下面16aに接着固定された円板形状のフェライト20とを有して構成されている。
【0040】
なお、導波管32の外周面32cには、導波管32の放熱のために、図示しない冷却媒体が設けられている。
【0041】

また、拡張部34は導波管32の分岐位置近傍において、方形導波管32−1、32−2−、32−3の高さh1より上方側および下方側にそれぞれ長さL1だけ拡張された高さh2で形成されている。
【0042】
より詳細には、拡張部34は、方形導波管32−1、32−2、32−3において、それぞれ分岐位置の中央から1/8λg〜λg(λg:方形導波管の管内波長)の位置で上方側および下方側に拡張されている。
【0043】
こうした長さL1や各方形導波管32−1、32−2、32−3において拡張する位置は、フェライト18とフェライト20との間の間隔を広げて設けることにより低下した浮遊容量Cにより低下するインピーダンスによって決定される。
【0044】

そして、導波管サーキュレータ30においては、まず、印加する電力の大きさによりフェライト18とフェライト20との間でアーキング現象が生じないようにフェライト18とフェライト20との間隔を決められ、その後、フェライト18およびフェライト20の厚み、拡張部34の上方側ならびに下方側への拡張量が決定される。
【0045】
そして、フェライト18とフェライト20とが決められた間隔を有するようにして、台座の高さが決定されることとなる。
【0046】
なお、拡張部34における拡張される位置や長さL1の寸法については、例えば、試作実験などを行って、実験的に求めることができる。
【0047】

以上の構成において、導波管サーキュレータ30においては、導波管32の外部において台座14が設けられた位置の下方側(つまり、拡張部34の下方側である。)に、S型磁石22を導波管32の外周面32cに接することなく配置し、また、導波管32の外部において台座16が設けられた位置の上方側(つまり、拡張部34の上方側である。)に、N型磁石24を導波管32の外周面32cに接することなく配置して、導波管32の分岐位置において磁界を生じさせ、台座14、16にそれぞれ接着固定されたフェライト18、20を磁化させる。
【0048】
そして、マイクロ波などの電磁波が磁化された状態のフェライト18、20が位置する分岐位置を通過すると、分岐位置を通過した電磁波は偏波面を水平に保ちながら左斜め前方へ進路を曲げられる。
【0049】
具体的には、方形導波管32−1から進入した電磁波は、磁化された状態のフェライト18およびフェライト20が位置する分岐位置を通過することにより、分岐位置を通過した電磁波は方形導波管32−2へ進出する。
【0050】
また、方形導波管32−2から進入した電磁波は、磁化された状態のフェライト18およびフェライト20が位置する分岐位置を通過することにより、分岐位置を通過した電磁波は方形導波管32−3へ進出する。
【0051】
さらに、方形導波管32−3から進入した電磁波は、磁化された状態のフェライト18およびフェライト20が位置する分岐位置を通過することにより、分岐位置を通過した電磁波は方形導波管32−1へ進出する。
【0052】

ここで、導波管サーキュレータ30においては、フェライト18とフェライト20とはアーキング現象が生じない程度に間隔を開けて配置されているため、フェライト18とフェライト20の間の浮遊容量Cが低下しており、導波管サーキュレータ30内部におけるインピータンスは低くなっている。
【0053】
導波管サーキュレータ30においては、フェライト18、20が位置する分岐位置において拡張部34を形成することによって、この低下したインピーダンスを補償するようにしている。
【0054】
このように、導波管サーキュレータ30においては、アーキング現象を生じさせないようにしてフェライト18とフェライト20との間隔を広げて設置することにより、導波管サーキュレータ30内部のインピーダンスが低下する一方で、分岐位置に拡張部34を形成することにより、導波管サーキュレータ30内部のインピーダンスを上昇させており、こうした構成によって、導波管サーキュレータ30内部におけるインピーダンスに変化を生じさせないようにしている。
【0055】

つまり、図4に示す等価回路のように、導波管サーキュレータ30においては、拡張部34がインピーダンス変成部として作用し、インピーダンス変成部として作用する拡張部34によってインピーダンス整合が行われるものである。
【0056】

また、導波管サーキュレータ30において拡張部34が設けられたことにより、フェライト18およびフェライト20における電流密度が低下するため、挿入損失が低下することとなる。
【0057】
こうして、導波管サーキュレータ30における挿入損失が低下されることにより、フェライト18およびフェライト20における発熱が抑制されるため、大電力を印加した際のフェライト18、20の温度上昇が抑制され、フェライト18およびフェライト20における飽和磁化4πMsの低下が抑えられる。
【0058】

次に、本願発明者が上記した従来の導波管サーキュレータ10および導波管サーキュレータ30を用いて行った実験結果について、以下に詳細に説明する。
【0059】
即ち、この実験においては、拡張部34の効果を確認するために、拡張部34を設けていない従来の導波管サーキュレータ10と、拡張部34を設けた本発明による導波管サーキュレータ30とを用いて、挿入損失、比帯域幅、フェライトにおける発熱量、フェライト温度、入射するマイクロ波の周波数に対する反射減衰量およびアイソレーションについて測定した。
【0060】
なお、実験に用いた本発明による導波管サーキュレータ30は、拡張部34を各方形導波管32−1、32−2、32−3の高さ方向の1.5〜1.7倍に拡張するとともに、その拡張部34を各方形導波管32−1、32−2、32−3における分岐位置の中央から1/8λg〜λg(λg:方形導波管の管内波長)の位置で上方側および下方側に拡張して形成しており、実験に用いた従来の導波管サーキュレータ10とは上記した点においてのみ異なっている。
【0061】
そして、図5(a)に示すように、従来の導波管サーキュレータ10においては、方形導波管12−1からマイクロ波が入射されるように発振器を設けるとともに、方形導波管12−2、12−3にはダミーロードを設け、方形導波管12−3に設けられたダミーロードから導入された温度計のセンサー部をフェライトの表面に固定するように配置した。
【0062】
同様に、図5(b)に示すように、本発明による導波管サーキュレータ30においては、方形導波管32−1からマイクロ波が入射されるように発振器を設けるとともに、方形導波管32−2、32−3にはダミーロードを設け、方形導波管32−3に設けられたダミーロードから導入された温度計のセンサー部をフェライトの表面に固定するように配置した。
【0063】
そして、各導波管サーキュレータの外周面に設けられている冷却媒体によって、フェライト18、20の温度を40℃とした状態で、導波管サーキュレータ10および導波管サーキュレータ30にそれぞれ8kWの電力を印加した際の挿入損失、比帯域幅、フェライトにおける発熱量ならびにフェライトの温度を測定した。
【0064】
さらに、8kWの電力を印加した際に測定された温度までフェライトを昇温させた状態で、入射するマイクロ波の周波数(2.78〜2.92GHz)に対する反射減衰量およびアイソレーションを測定した。
【0065】
なお、挿入損失、比帯域幅、入射するマイクロ波の周波数に対する反射減衰量およびアイソレーションについては、ネットワークアナライザを用いて測定した。
【0066】
また、フェライトにおける発熱量については、印加する電力の大きさと挿入損失とから算出した。
【0067】
さらに、フェライトの温度については、算出した発熱量からフェライト、台座、フェライトを台座に接着固定させる接着剤などの熱伝導率を考慮して熱解析ソフト(CRADLE社製の「STREAM」)により算出するか、あるいは、温度センサーを用いて実測により測定した。
【0068】

次に、図6乃至図8には、本願発明者による実験の実験結果が示されており、以下この実験結果について説明する。
【0069】

ここで、図6には、8kWの電力を印加したときの導波管サーキュレータ10および導波管サーキュレータ30のそれぞれにおける挿入損失、比帯域幅、フェライトにおける発熱量ならびにフェライトの温度が示されている。
【0070】
フェライト18、20の温度を温度計による実測値で40℃とした状態で、導波管サーキュレータ10および導波管サーキュレータ30にそれぞれ8kWの電力を印加したとき、導波管サーキュレータ10においては、挿入損失が0.15dB、比帯域幅が3%以下、発熱量が270Wとなり、フェライトの温度が温度計による実測値で82℃まで上昇した。
【0071】
これに対し、導波管サーキュレータ30においては、挿入損失が0.08dB、比帯域幅が10%以上、発熱量が150Wとなり、フェライトの温度が温度計による実測値で65℃まで上昇した。
【0072】
このため、本実験においては、従来の導波管サーキュレータ10に関しては、フェライトの温度を82℃まで温め、また、本発明による導波管サーキュレータ30に関しては、フェライトの温度を65℃まで温めて、ネットワークアナライザにより挿入損失、比帯域幅、入射するマイクロ波の周波数に対する反射減衰量およびアイソレーションを測定した。
【0073】

そして、図7(a)(b)には、フェライトの温度が82℃まで昇温した導波管サーキュレータ10における、入射するマイクロ波の周波数に対する反射減衰量およびアイソレーションの測定結果が示されている。
【0074】
一方、図8(a)(b)には、フェライトの温度が65℃まで昇温した導波管サーキュレータ30における、入射するマイクロ波の周波数に対する反射減衰量およびアイソレーションの測定結果が示されている。
【0075】
ここで、反射減衰量の値は、その値が大きくなるほど反射電力として発振器側に反射される電力が小さくなるため、反射減衰量の値は大きい値をとることが望ましいものである。仮に、反射減衰量の値が所定の値より小さくなると反射電力が大きくなり、発振器の故障の原因となる。
【0076】
こうした点を考慮して、本実験においては、発振器を保護する上で一般的な値として考えられる26dBという値を用い、大電力印加前および大電力印加中の反射減衰量およびアイソレーションの値が、導波管サーキュレータ10と導波管サーキュレータ30とで入射するマイクロ波の周波数によりどのように変化するものかを測定した。
【0077】

従来の導波管サーキュレータ10においては、大電力を印加した場合に、フェライトの温度が82℃まで上昇し、フェライトにおける飽和磁化4πMsが低下してしまう。
【0078】
このため、図7(a)に示すように、例えば、従来の導波管サーキュレータ10に2.85GHzのマイクロ波が入射される際には、大電力印加前(フェライトの温度=40℃)においては、反射減衰量が33dB程度であるが、大電力印加中(フェライトの温度=82℃)においては、反射減衰量が19dB程度となった。
【0079】
一方、本発明による導波管サーキュレータ30においては、大電力を印加した場合に、フェライトの温度が65℃に上昇するが、その温度上昇は小さい。
【0080】
このため、図8(a)に示すように、例えば、本発明による導波管サーキュレータ30に2.85GHzのマイクロ波が入射される際には、大電力印加前(フェライトの温度=40℃)においては、反射減衰量が40dB程度であるのに対し、大電力印加中(フェライトの温度=65℃)においては、反射減衰量が42dB程度となった。
【0081】
即ち、従来の導波管サーキュレータ10においては、大電力を印加する前では、反射減衰量が26dB以上となるのが周波数2.81〜2.91GHzの範囲内に限定されてしまい、さらに、大電力を印加すると、反射減衰量が常に26dB以下となってしまう。
【0082】
このため、従来の導波管サーキュレータ10においては、大電力を印加すると、発振器側に反射される反射電力が増大することとなり、発振器の故障の原因となる。
【0083】
これに対して、本発明による導波管サーキュレータ30においては、大電力を印加する前では、反射減衰量が全ての範囲(2.78〜2.92GHz)で26dB以上となり、さらに、大電力を印加しても、反射減衰量が常に26dB以上となる。
【0084】
このため、本発明による導波管サーキュレータ30においては、大電力を印加しても発振器側に反射される反射電力が小さいため、発振器に悪影響を与えることなく使用することができる。
【0085】

さらに、従来の導波管サーキュレータ10においては、図7(b)に示すように、大電力印加前(フェライトの温度=40℃)で、22〜39dBのアイソレーションを示し、大電力印加中(フェライトの温度=82℃)で、15〜26dBのアイソレーションを示し、大電力を印加することにより、アイソレーションが大きく低下してしまった。
【0086】
これに対し、本発明による導波管サーキュレータ30においては、図8(b)に示すように、大電力印加前(フェライトの温度=40℃)で、31〜42dBのアイソレーションを示し、大電力印加中(フェライトの温度=65℃)で、29〜43dBのアイソレーションを示し、大電力を印加しても、アイソレーションの低下がほぼ認められなかった。
【0087】
つまり、本発明による導波管サーキュレータ30においては、常に、広帯域で高アイソレーションを示していることとなる。
【0088】

以上において説明したように、導波管サーキュレータ30においては、導波管32の分岐位置に拡張部34を設けることにより、導波管サーキュレータ30内部のインピーダンスの整合を行う。
【0089】
また、広帯域に高アイソレーションとなり、通常帯域でのアイソレーション端に洩れ込む電力が少なくなるため、通過特性の等価回路は、図4に示す3端子回路ではなく図9に示す2端子回路として扱うことができるようになる。そして、広帯域に高反射減衰量、高アイソレーションの特性を有することとなる。
【0090】
さらに、導波管サーキュレータ30においては、拡張部34を設けることによってフェライト18、20の電流密度が低下するために挿入損失が低下し、挿入損失が低下することにより、フェライト18、20における発熱が抑制され、大電力を印加したとしてもフェライト18、20の温度上昇が抑制されることとなる。
【0091】
このため、導波管サーキュレータ30においては、フェライト18、20の飽和磁化4πMsの低下が抑えられる。
【0092】
さらに、導波管サーキュレータ30においては、より大電力を印加されてフェライト18、20の温度が上昇してしまい、反射減衰量およびアイソレーション特性が高い周波数へシフトしたとしても、帯域が広いため特性の劣化が小さいものとなる。
【0093】
従って、導波管サーキュレータ30によれば、使用する電力の大きさによって、フェライト18とフェライト20との間隔を調整し、当該調整により低下したインピーダンスを補償するように拡張部34を設けることにより、使用する電力が大きくなったとしても、アーキング現象を生じることなく、かつ、マイクロ波特性の劣化を生じることがないものである。
【0094】

なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(8)に示すように変形することができるものである。
【0095】
(1)上記した実施の形態においては、円柱形状の台座14、16にそれぞれ円板形状のフェライト18、20を接着固定するようにしたが、台座およびフェライトの形状はこれに限られるものではないことは勿論であり、例えば、図10(a)(b)に示すように、略三角柱形状の台座44、46にそれぞれ略三角板形状のフェライト48、50を接着固定するようにしてもよい。
【0096】
さらに、円柱形状の台座14、16にそれぞれ略三角板形状のフェライト48、50を接着固定するようにしてもよいし、略三角柱形状の台座44、46にそれぞれ円板形状のフェライト18、20を接着固定するようにしてもよい。
【0097】
(2)上記した実施の形態においては、拡張部34が上方側および下方側に長さL1だけ拡張するようにしたが、拡張部34を上方側または下方側のどちらか一方に長さL1の2倍の長さの長さL2だけ拡張するようにしてもよい(図11(a)(b)を参照する。)。
【0098】
さらに、拡張部34を上方側または下方側のどちらか一方に拡張する際には、拡張部34により形成された段差を2段以上の段差に形成してもよい(図11(c)(d)を参照する。)。
【0099】
このように、拡張部34により形成された段差を2段以上の段差に形成することにより、拡張部34において不要共振モードを生じないようにして、通過特性の劣化を防ぐことができる。
【0100】
また、拡張部34により形成された段差が1段の場合には、拡張部34のインピーダンスと方形導波管32−1、32−2、32−3のインピーダンスとの差が大きいと反射が大きくなりインピーダンス整合できる周波数範囲が狭帯域になってしまうが、拡張部34により形成された段差を2段以上の段差に形成することにより、拡張部34のインピーダンスと方形導波管32−1、32−2、32−3のインピーダンスとの差を解消し、インピーダンス整合できる周波数範囲を広くすることができるようになる。
【0101】
つまり、拡張部34により形成された段差を2段以上の段差に形成することにより、広帯域にインピーダンス整合を行うことができるようになる。
【0102】
(3)上記した実施の形態においては、拡張部34の下面34aに設けられた台座14にフェライト18が接着固定され、拡張部34の上面34bに設けられた台座16にフェライト20が接着固定されるようにしたが、拡張部34における台座およびフェライトの配置は、これに限られるものではないことは勿論である。
【0103】
例えば、図12(a)に示すように、拡張部34の下面34aに台座14を設け、台座14にフェライト18を接着固定し、拡張部34の上面34bに台座16を設け、台座16にはフェライト20を接着固定しないようにしてもよい。
【0104】
あるいは、図12(b)に示すように、拡張部34の下面34a台座14を設け、台座14にはフェライト18を接着固定せず、拡張部34の上面34bに台座16を設け、台座16にフェライト20を接着固定するようにしてもよい。
【0105】
また、図12(c)に示すように、拡張部34の下面34aに台座14を設け、台座14にフェライト18を接着固定し、拡張部34の上面34bには台座16を設けずにフェライト20も接着固定しないようにしてもよい。
【0106】
さらに、図12(d)に示すように、拡張部34の下面34aには台座14を設けずにフェライト18も接着固定せず、拡張部34の上面34bに台座16を設け、台座16にフェライト20を接着固定するようにしてもよい。
【0107】
なお、図12(a)においては、フェライト18と台座16との間隔は、アーキング現象が生じない間隔に設計され、また、図12(b)においては、台座14とフェライト20との間隔は、アーキング現象が生じない間隔に設計され、また、図12(c)においては、フェライト18と拡張部34の上面34bとの間隔は、アーキング現象が生じない間隔に設計され、また、図12(c)においては、拡張部34の下面34aとフェライト20との間隔は、アーキング現象が生じない間隔に設計されている。
【0108】
さらにまた、図12(e)に示すように、拡張部34の下面34aに台座14を設け、台座14にフェライト18を接着固定するようにし、拡張部34の上面34bには台座16を設けず、フェライト18と対向する位置にフェライト20を接着固定するようにしてもよい。
【0109】
あるいは、図12(f)に示すように、拡張部34の下面34aに台座14を設けず、フェライト20と対向する位置にフェライト18を接着固定し、拡張部34の上面34bに台座16を設け、台座16にフェライト20を接着固定するようにしてもよい。
【0110】
なお、図12(e)ならびに図12(f)に示す例の場合には、台座が設けられている方向にのみ拡張部34が拡張しているようにする。
【0111】
(4)上記した実施の形態においては、拡張部34が導波管32の下面32aおよび上面32bの対向する位置において拡張するようにしているため、導波管32において拡張部34が設けられることにより生じた段差の位置が対向する部位に位置するようにしているが、これに限られるものではないことは勿論である。
【0112】
例えば、図13(a)に示すように、導波管32において拡張部34が設けられることにより生じる段差の位置を上方側と下方側において対向する部位に位置しないようにして、拡張部34を形成するようにしてもよい。
【0113】
このようにして拡張部34を形成することにより、想定以上の大電力を印加された場合であっても、拡張部34における段差のエッジ部において集中した電界は、上下異なる位置において電界強度が増大するため、アーキング現象が生じ難くなる。
【0114】
また、図13(b)に示すように、拡張部34を設けることにより生じる段差をテーパー形状としてもよい。
【0115】
図13(b)に示すようにして拡張部34を形成することにより、拡張部34によって段差が形成されないため、電界が集中する箇所がなくなり、想定以上の大電力を印加された場合であっても、アーキング現象が生じ難くなる。
【0116】
(5)上記した実施の形態においては、本発明を3分岐形の略Y字形状のサーキュレータに適用した場合ついて説明したが、これに限られるものではないことは勿論であり、例えば、フェライトを多数使用した多段形サーキュレータや、移相形サーキュレータのフェライト移相部などに適用してもよい。
【0117】
(6)上記した実施の形態においては、S型磁石22とN型磁石24とを導波管32の外部において導波管32の外周面32cに接することなく配置するようにしていたが、これに限られるものではないことは勿論であり、S型磁石とN型磁石とを導波管32の外周面32cに接して配置するようにしてもよい。
【0118】
(7)上記した実施の形態においては、S型磁石22を拡張部34の下方側に配置し、N型磁石24を拡張部34の上方側に配置するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、S型磁石22を拡張部34の上方側に配置し、N型磁石24を拡張部34の下方側に配置するようにしてもよい。
【0119】
(8)上記した実施の形態ならびに上記した(1)乃至(7)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明は、加速器やレーダーなどの発振器などを保護するためのサーキュレータとして利用して好適なものである。
【符号の説明】
【0121】
10、30 導波管サーキュレータ
12、32 導波管
14、16、44、46 台座
18、20、48、50 フェライト
22 S型磁石
24 N型磁石
34 拡張部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の平面上に水平に位置して設けられるとともに分岐位置から異なる3方向に延長された方形導波管により略Y字形状を形成する導波管の該分岐位置に、前記所定の平面と直交する高さ方向において上方側と下方側とに対向して2つのフェライトが配置された導波管サーキュレータであって、
前記導波管の分岐位置近傍において前記高さ方向で拡張する拡張部を形成し、
前記フェライト間の間隔を広げることにより低下したインピーダンスを補償する
ことを特徴とする導波管サーキュレータ。
【請求項2】
請求項1に記載の導波管サーキュレータにおいて、
前記フェライトの少なくとも一方は、前記導波管の分岐位置に設けられた台座に接着固定された
ことを特徴とする導波管サーキュレータ。
【請求項3】
所定の平面上に水平に位置して設けられるとともに分岐位置から異なる3方向に延長された方形導波管により略Y字形状を形成する導波管の該分岐位置の前記所定の平面と直交する高さ方向において上方側および下方側に設けられた台座のどちらか一方にフェライトが配置された導波管サーキュレータにおいて、
前記導波管の分岐位置近傍において前記高さ方向で拡張する拡張部を形成し、
前記フェライトと、前記フェライトと対向する上記台座との間の間隔を広げることにより低下したインピーダンスを補償する
ことを特徴とする導波管サーキュレータ。
【請求項4】
所定の平面上に水平に位置して設けられるとともに分岐位置から異なる3方向に延長された方形導波管により略Y字形状を形成する導波管の該分岐位置の前記所定の平面と直交する高さ方向において上方側または下方側のどちらか一方に設けられた台座にフェライトが配置された導波管サーキュレータにおいて、
前記導波管の分岐位置近傍において前記高さ方向で拡張する拡張部を形成し、
前記フェライトと、前記フェライトと対向する前記拡張部の内周面との間の間隔を広げることにより低下したインピーダンスを補償する
ことを特徴とする導波管サーキュレータ。
【請求項5】
請求項1、2、3または4のいずれか1項に記載の導波管サーキュレータにおいて、
前記拡張部は、各方形導波管において分岐位置の中央から1/8λg〜λg(λg:方形導波管の管内波長)の位置で前記高さ方向に拡張している
ことを特徴とする導波管サーキュレータ。
【請求項6】
請求項1、2、3、4または5のいずれか1項に記載の導波管サーキュレータにおいて、
前記拡張部は、前記高さ方向において上方側または下方側のいずれか一方にのみ拡張した
ことを特徴とする導波管サーキュレータ。
【請求項7】
請求項6に記載の導波管サーキュレータにおいて、
前記導波管の分岐位置近傍において前記高さ方向に拡張して前記拡張部が形成されることにより前記導波管の上方側または下方側のいずれか一方に形成される段差を複数段で形成した
ことを特徴とする導波管サーキュレータ。
【請求項8】
請求項1、2、3、4、5、6または7のいずれか1項に記載の導波管サーキュレータにおいて、
前記導波管の分岐位置近傍において前記高さ方向に拡張して前記拡張部が形成されることにより前記導波管の上方側と下方側とに形成される段差をテーパー形状で形成した
ことを特徴とする導波管サーキュレータ。
【請求項9】
請求項1、2、3、4、5、6、7または8のいずれか1項に記載の導波管サーキュレータにおいて、
前記導波管の分岐位置近傍において前記高さ方向に拡張して前記拡張部が形成されることにより前記導波管の上方側と下方側とに形成される段差を対向する部位に位置しないように形成した
ことを特徴とする導波管サーキュレータ。
【請求項10】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9のいずれか1項に記載の導波管サーキュレータにおいて、
前記導波管の外周面に冷却媒体を設けた
ことを特徴とする導波管サーキュレータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−187053(P2010−187053A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−28110(P2009−28110)
【出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【出願人】(000219004)島田理化工業株式会社 (205)
【Fターム(参考)】