説明

導線の案内部材および画像形成装置

【課題】低コストで導線を分離することのできる導線の案内部材を提供する。
【解決手段】仕切部は、板状部から第2の起立部側に向かって延びる部位を有すると共に、第2の導線を仕切部と第2の起立部との間に装着する際に前記第1の起立部側に傾くように構成され、L1を仕切部から第2の起立部に向かう方向における第2の導線の最大幅、L2を仕切部および第2の起立部と第2の導線との接点間の距離、L3を第2の導線の最大高さ、L4を仕切部と第2の導線との接点と板状部表面との距離とした場合に前記仕切部が第2の導線に接触した状態において、L3>L4>L3/2の条件を満たすように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導線の案内部材および画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、プリンタ等の画像形成装置内の画像制御基板は、ビデオデータの送受信、ハードディスク装置とのデータの送受信などにおいて、電磁波放射ノイズが比較的大きいため金属製の筐体に収容されている。
【0003】
前記画像制御基板には、各制御先から複数のケーブル(導線)が接続されるが、前記筐体内に導入される直前部はケーブルを這い回す経路が狭い場合が多く、ケーブル同士が接触することにより電磁波ノイズが重畳し、機外に放射する電磁波ノイズのレベルが悪化し、他の機器への誤動作などを引き起こす原因になる場合もある。
【0004】
そこで、前記筐体内に導入される直前部において、ノイズを低減するためにケーブル同士を確実に分離する必要がある。
【0005】
ケーブルを分離するガイド部材に関する技術は種々提案されている。
【0006】
例えば、特開平09−321925号公報には、画像形成装置において、ケーブルからの不要な輻射ノイズを遮蔽するために導電性の弾性部材をガイド部材とした技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平09−321925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、低コストで導線を分離することのできる導線の案内部材および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、請求項1の発明に係る導線の案内部材は、互いに異なる信号を伝送する第1の導線と第2の導線とを這わせる板状部と、前記板状部の一方の側部側の表面から起立する第1の起立部と、前記第1の起立部と対向するように前記板状部の他方の側部側の表面から起立する第2の起立部と、前記第1の起立部と前記第2の起立部との間に前記板状部から起立されて、前記第1の導線と前記第2の導線とを仕切る仕切部とを備え、前記仕切部は、前記第2の導線を当該仕切部と前記第2の起立部との間に装着した場合に、当該第2の導線に接触した状態となるように構成され、L1を前記仕切部から前記第2の起立部に向かう方向における前記第2の導線の最大幅、L2を前記仕切部および前記第2の起立部と前記第2の導線との接点間の距離、L3を前記第2の導線の最大高さ、L4を前記仕切部と前記第2の導線との接点と前記板状部表面との距離とした場合に、前記仕切部が前記第2の導線に接触した状態において、L3>L4>L3/2の条件を満たすように構成されることを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明に係る導線の案内部材は、請求項1に記載の発明について、L5を前記仕切部から前記第2の起立部に向かう方向における前記仕切部と前記第2の起立部との最小距離とした場合に、前記仕切部が前記第2の導線に接触した状態において、L1>L2>L5の条件を満たすように構成されることを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明に係る導線の案内部材は、請求項1または請求項2の何れかに記載の発明について、L6を前記仕切部から前記第1の起立部に向かう方向における前記第1の導線の最大幅、L7を前記第1の導線の最大高さ、L8を前記第1の起立部と前記仕切部との最小距離とした場合に、前記第2の導線を装着しない状態において、L8>L6且つL8>L7の条件を満たし、前記第2の導線が装着され、前記仕切部が前記第2の導線に接触した状態において、L6>L8且つL7>L8の条件を満たすように構成されることを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明に係る導線の案内部材は、請求項1から請求項3の何れかに記載の発明について、前記仕切部は、前記第2の導線が延ばされる方向に設けられる複数の起立片で構成されることを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明に係る導線の案内部材は、請求項1から請求項3の何れかに記載の発明について、前記仕切部は、前記第2の導線が延ばされる方向に設けられる連続した起立壁で構成されることを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明に係る導線の案内部材は、請求項1から請求項5の何れかに記載の発明について、前記仕切部は、前記板状部と前記第2の起立部とによって形成される隅部へ向かう方向へ前記第2の導線を押し付けるように構成されることを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明に係る導線の案内部材は、請求項1から請求項6の何れかに記載の発明について、前記板状部には、前記第1の導線または前記第2の導線から放射される電磁波を他の導体に逃がす少なくとも1つの孔部が設けられていることを特徴とする。
【0016】
請求項8の発明に係る導線の案内部材は、請求項1から請求項7の何れかに記載の発明について、前記仕切部および前記第2の起立部の少なくとも一方には、前記第2の導線の抜け出しを規制する規制部が設けられていることを特徴とする。
【0017】
請求項9の発明に係る導線の案内部材は、請求項1から請求項8の何れかに記載の発明について、前記仕切部および前記第2の起立部の少なくとも一方には、装着時における前記第2の導線の導入を促すと共に装着後における前記第2の導線の抜け出しを規制するように前記板状部側に突出する突出部が設けられていることを特徴とする。
【0018】
請求項10の発明に係る導線の案内部材は、請求項1から請求項9の何れかに記載の発明について、前記板状部上には、前記第1の導線と並行して1以上の他の導線が這わされ、前記第1の導線と前記他の導線とを離間する離間部がさらに設けられていることを特徴とする。
【0019】
請求項11の発明に係る導線の案内部材は、請求項1から請求項10の何れかに記載の発明について、前記第1の起立部または前記第2の起立部には、前記第1の導線または前記第2の導線と他の導線とを前記板状部から離間する方向に分離する分離部がさらに設けられていることを特徴とする。
【0020】
請求項12の発明に係る導線の画像形成装置は、請求項1から請求項11の何れかに記載の導線の案内部材を備え、前記第1の導線および前記第2の導線の少なくとも一方は、画像形成処理を制御する制御基板を信号源とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば以下の効果を奏することができる。
【0022】
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、低コストで導線を分離する導線の案内部材を提供することができる。
【0023】
請求項2に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、簡易な構成で第2の導線を確実に保持することのできる導線の案内部材を提供することができる。
【0024】
請求項3に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、第1の導線の装着の容易性と装着後の抜けにくさを両立した導線の案内部材を提供することができる。
【0025】
請求項4に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、第2の導線を容易に装着することのできる導線の案内部材を提供することができる。
【0026】
請求項5に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、第2の導線を確実に保持することのできる導線の案内部材を提供することができる。
【0027】
請求項6に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、第2の導線の逸脱を抑制することのできる導線の案内部材を提供することができる。
【0028】
請求項7に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、電磁波の影響を抑制することのできる導線の案内部材を提供することができる。
【0029】
請求項8に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、第2の導線の抜け出しを抑制することのできる導線の案内部材を提供することができる。
【0030】
請求項9に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、第2の導線の抜け出しを簡易な構成で抑制することのできる導線の案内部材を提供することができる。
【0031】
請求項10に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、複数の導線を離間させることのできる導線の案内部材を提供することができる。
【0032】
請求項11に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、第1の導線または第2の導線と他の導線とを板状部から離間する方向に分離させることのできる導線の案内部材を提供することができる。
【0033】
請求項12に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、電磁波の影響を抑制することのできる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】第1の実施の形態に係るケーブルガイド部材G1の構成例を示す斜視図である。
【図2】第1の実施の形態に係るケーブルガイド部材G1の取り付け状態を示す斜視図である。
【図3】第1の実施の形態に係るケーブルガイド部材G1の構成例を示す説明図である。
【図4】第2の実施の形態に係るケーブルガイド部材G2の構成例を示す斜視図である。
【図5】第3の実施の形態に係るケーブルガイド部材G3の構成例を示す斜視図である。
【図6】第3の実施の形態に係るケーブルガイド部材G3の構成例を示す正面図である。
【図7】第4の実施の形態に係るケーブルガイド部材G4の構成例を示す斜視図である。
【図8】第4の実施の形態に係るケーブルガイド部材G4の構成例を示す正面図である。
【図9】第5の実施の形態に係るケーブルガイド部材G5の構成例を示す正面図である。
【図10】比較対象としてのケーブルガイド部材G10の取り付け状態を示す斜視図である。
【図11】ケーブルガイド部材が適用されるプリンタPR1の一部構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の一例としての実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
【0036】
本発明についての実施の形態に係る導線の案内部材(ケーブルガイド部材)について説明する前に、図10、図11を参照して比較対象となる例について述べる。
【0037】
比較対象としてのケーブルガイド部材G10は、プリンタ等の画像形成装置において用いられ、信号源を異にするケーブルC10〜C12を這わせる板状部100と、ケーブルC10、C11側に板状部100の一端部から起立する起立部101と、ケーブルC12側に板状部100の他端部から起立する起立部102と、ケーブルC10、C11およびC12の抜け出しを規制する規制部103、104とから構成されている。
【0038】
また、符号200は図11に示す画像制御基板500を収容する金属製ケース、符号201は放熱ファンである。
【0039】
なお、図11は比較対象としてのケーブルガイド部材G10を適用した画像形成装置の一種としてのプリンタPR1の構成の一部を示す。
【0040】
また、図11において、符号202はメカトロ制御基板、符号203はファクシミリ制御ユニット、符号204は筐体を示す。
【0041】
このケーブルガイド部材G10によれば、ケーブルC10〜C12が整列され、上方への抜け出しが防止されたが、ケーブル同士C10〜C12が接触して電磁波ノイズが重畳し、機外に放射する電磁波ノイズのレベルが悪化する場合があった。
【0042】
特に、例えばケーブルC11に高速のビデオクロック信号などが伝送される場合には比較的強い電磁波が放射され、さらに、ケーブルC10、C12が画像形成装置内において比較的長い距離を配線される場合には、前記電磁波がケーブルC10、C11に伝播し重畳した際に画像形成装置内の広範囲に放射されて、各種電子機器等に支障を起し、ひいては画像劣化等の悪影響を及ぼす場合があった。
【0043】
そこで、本発明者は、上記課題を解消すべく鋭意研究の結果、本発明に係る導線の案内部材を案出するに至った。
【0044】
図1から図9を参照して、本発明についての実施の形態に係る導線の案内部材(ケーブルガイド部材G1〜G5)について説明する。
【0045】
図1および図2に示す第1の実施の形態に係るケーブルガイド部材G1は、信号源を異にするケーブルC1(第1の導線の一例)とケーブルC2(第2の導線の一例)とを這わせる板状部1と、ケーブルC1側に板状部1の一端部から起立する第1の起立部2と、ケーブルC2側に板状部1の他端部から起立する第2の起立部3と、第1の起立部2と第2の起立部3との間に板状部1から起立されて、ケーブルC1とケーブルC2とを仕切ると共に、ケーブルC2を第2の起立部3側に押し付ける仕切部4とを備えている。
【0046】
ケーブルガイド部材G1の材質は、特には限定されないが、例えばABS樹脂等が用いられ、ケーブルガイド部材G1は射出成形等により一体的に形成されている。
【0047】
なお、本実施の形態において、仕切部4は、ケーブルC2が延ばされる方向に不連続状態で設けられる複数(本実施の形態では2つ)の起立片で構成されているが、これに限定されず、仕切部4をケーブルC2が延ばされる方向に設けられる連続した起立壁で構成されるようにしてもよい。
【0048】
また、図1に示すように、仕切部4で仕切られたケーブルC2を図上右手方向に案内するように起立された案内部5が設けられている。
【0049】
また、図1に示すように、板状部1には、ケーブルC1またはケーブルC2から放射される電磁波を他の導体(例えば、画像形成装置としてのプリンタPR1の金属製シャーシ等)に逃がす孔部6a〜6eが開口されている。
【0050】
さらに、本実施の形態においては、第1の起立部2の外壁に、他のケーブルを案内するフック状の案内部7a、7bが設けられている。
【0051】
また、第1の起立部2の上端側の一部には、ケーブルC1またはケーブルC2と他のケーブル(図2では、ケーブルC20)とを板状部1から離間する方向に分離する分離部8がさらに設けられている。
【0052】
また、第1の起立部2の一端部には、他のケーブル(図2では、ケーブルC21)を案内する案内部9がさらに設けられている。
【0053】
また、板状部1には、固定用のネジを挿通するネジ孔10が開口されている。
【0054】
さらに、第1の起立部2の内壁の上部には、ケーブルC1の抜け出しを規制する規制部11が設けられている。
【0055】
ここで、図2を参照して、本実施の形態に係るケーブルガイド部材G1の実装例について説明する。
【0056】
図2には、画像形成装置の一種としてのプリンタPR1内にケーブルガイド部材G1を設ける場合を示す。
【0057】
より具体的には、画像処理等の制御を行う画像制御基板500を覆う金属製ケース150の外側に沿ってケーブルガイド部材G1がプリンタPR1のシャーシ501上に、ネジ孔10を介してネジ止めされている。なお、図上、符号201は、放熱ファンである。
【0058】
また、プリンタPR1の他の構成は、前出の図11に示す通りである。
【0059】
そして、例えば、プリンタPR1の各種表示や操作を行うタッチパネル(コントロールパネル)等に接続されるケーブルC2がケーブルガイド部材G1における第1の起立部2と仕切部4との間に這わされる。なお、他に同じ方向に這わせるケーブルが有る場合には、ケーブルC1に並行させてケーブルガイド部材G1によって案内するようにしてもよい。
【0060】
次いで、制御基板500の一つのコネクタ502に接続されているケーブルC2がケーブルガイド部材G1に装着される。
【0061】
ここで、ケーブルC2をケーブルガイド部材G1に装着する際には、図3に示すように、仕切部4を指で矢印A方向に開いた状態でケーブルC2を押し込んで装着させる。
【0062】
なお、本実施の形態では、後述のような規制部20(図4等参照)が形成されていないので、ケーブルC2を上側から強く押し込む動作でも装着され、作業の利便性が向上される。
【0063】
次に、図3を参照してケーブルガイド部材G1の構成条件について説明する。
【0064】
図3の(a)、(b)に示すように、仕切部4は、第2の起立部2を右手側にした場合に、逆「く」字状の断面形状を有している。
【0065】
なお、仕切部4の形状は、図3に示すものに限定されず、板状部から前記第2の起立部側に向かって延びる部位を少なくとも有する形状であればよい。
【0066】
そして、図3の(a)に示す構成例では、L1を仕切部4から第2の起立部3に向かう方向におけるケーブルC2の最大幅、L2を仕切部4および第2の起立部3とケーブルC2との接点間の距離、L3をケーブルC2の最大高さ、L4を仕切部4とケーブルC2との接点と板状部1表面との距離とした場合に、仕切部4がケーブルC2に接触した状態において、L3>L4>L3/2の条件を満たすように構成されている。
【0067】
さらに、L5を仕切部4から第2の起立部3に向かう方向における仕切部4と第2の起立部3との最小距離とした場合に、仕切部4がケーブルC2に接触した状態において、L1>L2>L5の条件を満たすように構成されている。
【0068】
これにより、仕切部4の弾性力により、ケーブルC2は板状部1と第2の起立部3とによって形成される隅部60へ向かう方向(矢印B方向)に押し付けられた状態とされ、ケーブルC2がケーブルガイド部材G1から容易には抜け出ないように保持される。
【0069】
なお、図3の(a)に示す例では、仕切部4の上方部は、第2の起立部3と略平行となっているが、これには限定されず、第2の起立部3に近接する側に傾斜してもよいし、第1の起立部2側に傾斜するようにしてもよい。
【0070】
また、図3の(b)に示す構成例では、L6を仕切部4から第1の起立部2に向かう方向におけるケーブルC1の最大幅、L7をケーブルC1の最大高さ、L8を第1の起立部2と仕切部4との最小距離とした場合に、ケーブルC2を装着しない状態において、L8>L6且つL8>L7の条件を満たし、ケーブルC2が装着され、仕切部4がケーブルC2に接触した状態において、L6>L8且つL7>L8の条件を満たすように構成されている。
【0071】
これにより、ケーブルC2が装着される前におけるケーブルC1の装着の容易性と、ケーブルC2が装着された後におけるケーブルC1の抜け出し難さとが両立される。
【0072】
また、ケーブルC2は案内部5により、図2上、右手方向に導かれる。
【0073】
さらに、分離部8の上にケーブルC20を這わせて、ケーブルC1またはケーブルC2と板状部1から離間する方向に分離させる。
【0074】
ここで、制御基板500に接続されるケーブルC1によって、例えば高速のビデオクロック信号などが伝送される場合には比較的強い電磁波が放射される虞がある。
【0075】
しかし、本実施の形態に係るケーブルガイド部材G1によって、ケーブルC2とケーブルC1、C20等が確実に分離された状態で保持されるので、ケーブルC1から放射される電磁波のケーブルC1、C20等への伝播と重畳が一定レベルに抑制される。
【0076】
これにより、電磁波がケーブルC2、C20等に伝播と重畳してプリンタPR1内の広範囲に放射される事態が回避され、各種電子機器等に支障を起しひいては画像劣化等の悪影響を及ぼす事態が抑制される。
【0077】
次に、図4を参照して、本発明の第2の実施の形態に係るケーブルガイド部材G2について説明する。
【0078】
なお、第1の実施の形態に係るケーブルガイド部材G1と同様の構成については同一符号を付して説明を省略する。
【0079】
ケーブルガイド部材G2において、ケーブルガイド部材G1と異なる点は、第2の起立部3の上端側の一部に、ケーブルC2の抜け出しを規制する規制部20が設けられていることである。
【0080】
これにより、プリンタPR1に振動等が加えられた場合にもケーブルC2がケーブルガイド部材G2から抜け出す事態が抑制される。
【0081】
次に、図5、図6を参照して、本発明の第3の実施の形態に係るケーブルガイド部材G3について説明する。
【0082】
なお、第2の実施の形態に係るケーブルガイド部材G2と同様の構成については同一符号を付して説明を省略する。
【0083】
ケーブルガイド部材G3において、ケーブルガイド部材G2と異なる点は、板状部1上に、ケーブルC1と並行して1以上の他のケーブルC30が這わされるように構成され、ケーブルC1と他のケーブルC30とを離間する離間部30が設けられていることである。
【0084】
これにより、ケーブルC1を含む複数のケーブルC30等が確実に離間される。
【0085】
次に、図7、図8を参照して、本発明の第4の実施の形態に係るケーブルガイド部材G4について説明する。
【0086】
なお、第1の実施の形態に係るケーブルガイド部材G1および第3の実施の形態に係るケーブルガイド部材G3と同様の構成については同一符号を付して説明を省略する。
【0087】
ケーブルガイド部材G4において、ケーブルガイド部材G1、G3と異なる点は、仕切部4’に、装着時におけるケーブルC2の導入を促すと共に装着後におけるケーブルC2の抜け出しを規制するように板状部1側に突出する爪部(突出部の一例)40が設けられていることである。
【0088】
これにより、爪部40に案内されてケーブルC2をケーブルガイド部材G4を装着する際の利便性が向上されると共に、ケーブルC2は仕切部4’によって第2の起立部3側に押し付けられて保持され、プリンタPR1に振動等が加えられた場合にもケーブルC2がケーブルガイド部材G2から抜け出す事態が爪部40によって防止される。
【0089】
なお、図8において仮想線で示されるように、第2の起立部3側に爪部(突出部の一例)41を設けるようにしてもよい。
【0090】
また、仕切部4’または第2の起立部3の上部に、ケーブルC2の抜け出しを規制する規制部20を形成するようにしてもよい。
【0091】
次に、図9を参照して、本発明の第5の実施の形態に係るケーブルガイド部材G5について説明する。
【0092】
ケーブルガイド部材G5は、前述のケーブルガイド部材G1〜G4の一部構成を垂直方向に設けたものである。
【0093】
具体的には、板状部50を垂直方向に設け、その板状部50の下端側に第1の起立部51を、他端側に第2の起立部52を形成し、第1の起立部51と第2の起立部52との間において板状部50から仕切部53を起立させている。
【0094】
また、第1の起立部51の一端部から板状部50と対向する側起立部54を起立させている。
【0095】
なお、他の構成についてはケーブルガイド部材G1〜G4と同様であるので、同一符号を付して説明は省略する。
【0096】
そして、ケーブルガイド部材G5を用いる場合には、図9に示すように第1の起立部51の上にケーブルC1、C30等を這わせ、仕切部53と第2の起立部52との間にケーブルC2を装着する。
【0097】
これにより、ケーブルC2は仕切部53によってケーブルC1、C30と離間されると共に、仕切部53の弾性によって第2の起立部52に対して矢印B方向に押し付けられて保持される。
【0098】
したがって、例えばケーブルC1か放射される電磁波がケーブルC2、C30等に伝播してプリンタPR1内の広範囲に放射される事態が回避され、各種電子機器等に支障を起しひいては画像劣化等の悪影響を及ぼす事態が抑制される。
【0099】
以上述べたように、本実施の形態に係るケーブルガイド部材G1〜G5によれば、例えば経路の長いケーブルC2が金属製ケース150内の制御基板500に接続する手前の段階で経路を分け分離してノイズが運ばれることを防止し、低コストで電磁波ノイズ対策が行われる。
【0100】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈すべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲内でのすべての変更が含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明による導線の案内部材および画像形成装置は、プリンタや複合機等に適用することができる。
【符号の説明】
【0102】
PR1 画像形成装置
G1〜G5 ケーブルガイド部材
C1、C2 ケーブル
1 板状部
2 第1の起立部
3 第2の起立部
4 仕切部
5 案内部
6a〜6e 孔部
7a、7b 案内部
8 分離部
10 ネジ孔
11 規制部
20 規制部
30 離間部
40、41 爪部
50 板状部
51 第1の起立部
52 第2の起立部
53 仕切部
54 側起立部
60 隅部
100 板状部
101 起立部
102 起立部
103 規制部
150 金属製ケース
202 メカトロ制御基板
203 ファクシミリ制御ユニット
204 筐体
500 画像制御基板
501 シャーシ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる信号を伝送する第1の導線と第2の導線とを這わせる板状部と、
前記板状部の一方の側部側の表面から起立する第1の起立部と、
前記第1の起立部と対向するように前記板状部の他方の側部側の表面から起立する第2の起立部と、
前記第1の起立部と前記第2の起立部との間に前記板状部から起立されて、前記第1の導線と前記第2の導線とを仕切る仕切部と、
を備え、
前記仕切部は、前記第2の導線を当該仕切部と前記第2の起立部との間に装着した場合に、当該第2の導線に接触した状態となるように構成され、
L1を前記仕切部から前記第2の起立部に向かう方向における前記第2の導線の最大幅、L2を前記仕切部および前記第2の起立部と前記第2の導線との接点間の距離、L3を前記第2の導線の最大高さ、L4を前記仕切部と前記第2の導線との接点と前記板状部表面との距離とした場合に、
前記仕切部が前記第2の導線に接触した状態において、L3>L4>L3/2の条件を満たすように構成されることを特徴とする導線の案内部材。
【請求項2】
L5を前記仕切部から前記第2の起立部に向かう方向における前記仕切部と前記第2の起立部との最小距離とした場合に、
前記仕切部が前記第2の導線に接触した状態において、L1>L2>L5の条件を満たすように構成されることを特徴とする請求項1に記載の導線の案内部材。
【請求項3】
L6を前記仕切部から前記第1の起立部に向かう方向における前記第1の導線の最大幅、L7を前記第1の導線の最大高さ、L8を前記第1の起立部と前記仕切部との最小距離とした場合に、
前記第2の導線を装着しない状態において、L8>L6且つL8>L7の条件を満たし、
前記第2の導線が装着され、前記仕切部が前記第2の導線に接触した状態において、L6>L8且つL7>L8の条件を満たすように構成されることを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載の導線の案内部材。
【請求項4】
前記仕切部は、
前記第2の導線が延ばされる方向に設けられる複数の起立片で構成されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の導線の案内部材。
【請求項5】
前記仕切部は、
前記第2の導線が延ばされる方向に設けられる連続した起立壁で構成されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の導線の案内部材。
【請求項6】
前記仕切部は、前記板状部と前記第2の起立部とによって形成される隅部へ向かう方向へ前記第2の導線を押し付けるように構成されることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の導線の案内部材。
【請求項7】
前記板状部には、
前記第1の導線または前記第2の導線から放射される電磁波を他の導体に逃がす少なくとも1つの孔部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の導線の案内部材。
【請求項8】
前記仕切部および前記第2の起立部の少なくとも一方には、前記第2の導線の抜け出しを規制する規制部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項7の何れかに記載の導線の案内部材。
【請求項9】
前記仕切部および前記第2の起立部の少なくとも一方には、装着時における前記第2の導線の導入を促すと共に装着後における前記第2の導線の抜け出しを規制するように前記板状部側に突出する突出部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載の導線の案内部材。
【請求項10】
前記板状部上には、前記第1の導線と並行して1以上の他の導線が這わされ、前記第1の導線と前記他の導線とを離間する離間部がさらに設けられていることを特徴とする請求項1から請求項9の何れかに記載の導線の案内部材。
【請求項11】
前記第1の起立部または前記第2の起立部には、前記第1の導線または前記第2の導線と他の導線とを前記板状部から離間する方向に分離する分離部がさらに設けられていることを特徴とする請求項1から請求項10の何れかに記載の導線の案内部材。
【請求項12】
請求項1から請求項11の何れかに記載の導線の案内部材を備え、
前記第1の導線および前記第2の導線の少なくとも一方は、画像形成処理を制御する制御基板を信号源とすることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−98555(P2012−98555A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−246668(P2010−246668)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】