説明

導電性接着テープ

【課題】導電性および耐久性に優れる導電性接着テープを提供すること。
【解決手段】導電性接着テープ1は、導体層2と、導体層2の表面に形成される接着層3とを備え、接着層3には、厚み方向に貫通する接着層貫通孔4が形成され、導体層2は、接着層貫通孔4に形成される導体層挿通部5を備え、導体層挿通部5において接着層3の表面に至る表側端面16には、低融点金属層6が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】

本発明は、導電性接着テープに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種電気機器の接続端子間の接続に、導電性および接着性を併有する導電性接着テープが用いられている。
【0003】
例えば、導電性テープ基材と、その表面に設けた接着剤層とからなり、導電性テープ基材の接着剤層側には、接着剤層を貫通し、先端が接着剤層の表面を僅かに被覆する端子部を備える導電性接着テープが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
特許文献1では、接続端子には、接着剤層が接着するとともに、端子部が接触することによって、導電性接着テープおよび接続端子間の導通が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公昭63−46980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の導電性接着テープでは、端子部が、接続端子と直接接触しているため、それらの接合強度が弱く、そのため、導電性を長期にわたって維持できないという不具合がある。
【0007】
本発明の目的は、導電性および耐久性に優れる導電性接着テープを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の導電性接着テープは、導体層と、前記導体層の表面に形成される接着層とを備え、前記接着層には、厚み方向に貫通する接着層貫通孔が形成され、前記導体層は、前記接着層貫通孔に形成される導体層挿通部を備え、前記導体層挿通部において前記接着層の表面に至る端面には、低融点金属層が設けられていることを特徴としている。
【0009】
また、本発明の導電性接着テープでは、前記導体層挿通部は、前記接着層貫通孔を閉塞しないように、前記接着層貫通孔の内周面に沿って形成されていることが好適である。
【0010】
また、本発明の導電性接着テープでは、前記導体層挿通部において前記接着層の表面に至る端部には、前記接着層の表面に沿って折り返される導体層折返部が設けられていることが好適である。
【0011】
また、本発明の導電性接着テープでは、前記低融点金属層が、前記接着層から露出する前記導体層折返部の外面に設けられていることが好適である。
【0012】
また、本発明の導電性接着テープでは、前記低融点金属層が、前記接着層と密着する前記導体層導通部および前記導体層折返部を含む前記導体層の内面に設けられていることが好適である。
【0013】
また、本発明の導電性接着テープでは、前記低融点金属層を形成する低融点金属の融点が、180℃以下であることが好適である。
【0014】
また、本発明の導電性接着テープでは、前記低融点金属層を形成する低融点金属が、ビスマスを30〜80質量%含有することが好適である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の導電性接着テープによれば、導通対象と接続するときに、導電性接着テープを低温で加熱すれば、導体層挿通部において接着層の表面に至る端面に設けられる低融点金属層を融解させることができるので、かかる低融点金属層を介して、導体層挿通部と導通対象との接合強度を向上させることができる。
【0016】
そのため、導体層挿通部と導通対象とを確実に電気的に接続することができる。
【0017】
その結果、導体層挿通部における優れた導電性を確保しつつ、かかる導電性を長期にわたって維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の導電性接着テープの一実施形態の平面図を示す。
【図2】図2は、図1に示す導電性接着テープの端子部の拡大平面図を示す。
【図3】図3は、図2に示す端子部のA−A線に沿う断面図を示す。
【図4】図4は、図1に示す導電性接着テープの製造方法を説明するための工程図であって、(a)は、接着層および導体層をそれぞれ用意する工程、(b)は、接着層および導体層を貼り合わせる工程、(c)は、突出部を形成する工程、(d)は、導体層折返部を形成する工程、(e)は、導電性接着テープをプレス加工する工程を示す。
【図5】図5は、穿孔装置の概略斜視図を示す。
【図6】図6は、突出部の拡大斜視図を示す。
【図7】図7は、本発明の導電性接着テープの他の実施形態(導体層挿通部および導体層折返部が断面略J字状に形成される態様)の断面図を示す。
【図8】図8は、本発明の導電性接着テープの他の実施形態(導体層挿通部が接着層貫通孔を閉塞する態様)の断面図を示す。
【図9】図9は、実施例の評価(耐久試験)に用いられる耐久評価用サンプルの平面図を示す。
【図10】図10は、実施例の評価(耐久試験)における温度のプロファイル(1サイクル目から2サイクル目まで)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の導電性接着テープの一実施形態の平面図、図2は、図1に示す導電性接着テープの端子部の拡大平面図、図3は、図2に示す端子部のA−A線に沿う断面図、図4は、図1に示す導電性接着テープの製造方法を説明するための工程図、図5は、穿孔装置の概略斜視図、図6は、突出部の拡大斜視図を示す。
【0020】
なお、図1、図2および図6において、後述する低融点金属層6は、後述する導体層挿通部5および導体層折返部7の相対配置を明確に示すため、省略している。また、図6において、後述する離型シート8は、導体層挿通部5および導体層折返部7の相対配置を明確に示すため、省略している。
【0021】
図1および図3において、この導電性接着テープ1は、導体層2と、導体層2の表面に形成される接着層3とを備えている。
【0022】
導体層2は、長手方向に延びる長尺状のシート(テープ)であって、導体層2を形成する導体材料としては、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、銀、鉄、鉛、または、それらの合金などが挙げられる。これらのうち、導電性、コスト、加工性の観点から、銅、アルミニウムが挙げられ、さらに好ましくは、銅が挙げられる。
【0023】
導体層2の厚みは、例えば、10〜100μm、好ましくは、20〜80μm、さらに好ましくは、30〜60μmである。
【0024】
接着層3は、導体層2の表面全面または表面の一部に形成され、接着層3を形成する接着材料としては、特に限定されず、例えば、感圧性接着剤(粘着剤)、熱硬化型接着剤、熱溶融型接着剤(ホットメルト型接着剤)などの各種接着材料が挙げられ、これら接着材料は適宜選択される。
【0025】
そのような接着材料として、具体的には、アクリル系接着剤(具体的には、アクリル系感圧接着剤、つまり、アクリル系粘着剤)、ゴム系接着剤、ポリオレフィン系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリイミド系接着剤、フェノール系接着剤、ユリア系接着剤、メラミン系接着剤、不飽和ポリエステル系接着剤、ジアリルフタレート系接着剤、シリコーン系接着剤、ウレタン系接着剤などが挙げられる。
【0026】
とりわけ、接着材料として、接着作業の簡便性の観点から、好ましくは、感圧性接着剤(粘着剤)が挙げられ、接着信頼性または耐久性の観点から、さらに好ましくは、アクリル系感圧接着剤(アクリル系粘着剤)が挙げられる。
【0027】
アクリル系感圧接着剤は、例えば、アクリルポリマーを主成分として含有する。
【0028】
アクリルポリマーは、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(メタクリル酸アルキルエステルおよび/またはアクリル酸アルキルエステル)を主成分として含有し、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な共重合性モノマーを副成分として含有するモノマーを重合することにより得られる。
【0029】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシルなどのアルキル部分の炭素数が1〜10の(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。
【0030】
好ましくは、アルキル部分の炭素数が2〜6の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられ、さらに好ましくは、(メタ)アクリル酸n−ブチルが挙げられる。
【0031】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独使用または2種以上併用することができる。
【0032】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの配合割合は、モノマー総量に対して、例えば、70〜99質量%、好ましくは、90〜98質量%である。
【0033】
共重合性モノマーとしては、例えば、極性基含有モノマー、多官能性モノマー(例えば、ポリアルカンオールポリアクリレート)などが挙げられる。
【0034】
極性基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー(無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物基含有モノマーを含む)が挙げられ、さらに、例えば、ヒドロキシル基含有モノマー、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、グリシジル基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、複素環含有ビニル系モノマー、アルコキシ基含有モノマー、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、マレイミド基含有モノマー、イソシアネート基含有モノマーなどが挙げられる。
【0035】
共重合性モノマーとして、好ましくは、極性基含有モノマーが挙げられ、さらに好ましくは、カルボキシル基含有モノマー、とりわけ好ましくは、(メタ)アクリル酸が挙げられる。
【0036】
共重合性モノマーの配合割合は、モノマーに対して、例えば、1〜30質量%、好ましくは、2〜10質量%である。
【0037】
モノマーの重合方法としては、公知の方法が挙げられ、例えば、溶液重合、乳化重合、塊状重合などが挙げられる。好ましくは、溶液重合が挙げられる。
【0038】
溶液重合では、公知の重合開始剤、溶媒などが適宜の割合でモノマーに配合される。
【0039】
重合開始剤としては、例えば、アゾ系重合開始剤(具体的には、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルなど)、過酸化物系重合開殆剤などの油溶性重合開始剤が挙げられる。
【0040】
好ましくは、アゾ系重合開始剤が挙げられる。重合開始剤は、単独または2種以上併用することができる。
【0041】
溶媒としては、例えば、エステル(酢酸エチルなど)、例えば、芳香族炭化水素(トルエンなど)、脂肪族炭化水素(n−ヘキサンなど)、脂環族炭化水素(シクロヘキサンなど)、ケトン(メチルエチルケトンなど)などの有機溶剤が挙げられる。好ましくは、芳香族炭化水素が挙げられる。溶媒は、単独使用または2種以上併用することができる。
【0042】
そして、上記したモノマー、重合開始剤および溶媒を配合してモノマー溶液を調製し、調製したモノマー溶液を、例えば、50〜70℃に加熱することにより、モノマーを重合し、これによって、アクリルポリマーを得る。
【0043】
また、重合後のアクリルポリマーに架橋剤を配合することもできる。
【0044】
アクリルポリマーに架橋剤を配合することにより、アクリルポリマーが架橋され、これにより、接着材料の凝集力を向上させることができる。
【0045】
架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤(例えば、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加体など)、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤が挙げられる。好ましくは、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤が挙げられ、さらに好ましくは、イソシアネート系架橋剤が挙げられる。
【0046】
架橋剤の配合割合は、例えば、アクリルポリマー100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上5質量部以下、好ましくは、3質量部以下である。
【0047】
接着材料には、必要に応じて、架橋促進剤、粘着付与樹脂、老化防止剤、充填剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、軟化剤、界面活性剤、帯電防止剤などの公知の添加剤を適宜の割合で添加することができる。
【0048】
そして、接着層3は、上記した接着材料を、公知の離型シート8(図4の仮想線参照)の表面に塗布し、その後、必要により配合された溶媒を、加熱により除去して、離型シート8の表面に形成した後、導体層2に転写することにより形成することができる。あるいは、上記した接着材料を導体層2の表面に直接塗布し、その後、必要により配合された溶媒を除去することにより形成することもできる。なお、離型シート8は、例えば、シリコーンなどによって表面処理されている。
【0049】
このようにして形成される接着層3の厚みは、例えば、10〜100μm、好ましくは、20〜80μm、さらに好ましくは、30〜60μmである。
【0050】
そして、この導電性接着テープ1には、端子部9が設けられている。
【0051】
端子部9は、導電性接着テープ1の長手方向および幅方向(長手方向に直交する方向)に間隔を隔てて複数配置されている。
【0052】
図2および図3に示すように、端子部9では、接着層3に、厚み方向に貫通する接着層貫通孔4が形成され、また、導体層2に、接着層貫通孔4に形成される導体層挿通部5が設けられている。
【0053】
接着層貫通孔4は、各端子部9に対応して形成されており、平面視略三角形状(具体的には、略二等辺三角形状)に形成されている。
【0054】
導体層挿通部5は、各接着層貫通孔4に対応して設けられており、接着層貫通孔4を閉塞しないように、接着層3の接着層貫通孔4の4辺(4面)のうち、長手方向一方側に配置される幅方向に互いに隣接する2つの内周面13に沿って連続して2つ設けられている。
【0055】
各導体層挿通部5の接着層3の表面に至る表側端部22には、接着層3の表面に沿って折り返される導体層折返部7が形成されている。
【0056】
各導体層折返部7は、各導体層挿通部5の表側端部22から長手方向一方側に折り返されるように形成されており、後述する折返工程(図4(d)参照)によって、突出部24(後述)から形成されている。また、各導体層折返部7は、各導体層挿通部5の表側端部22から長手方向一方側斜め幅方向両外側に向かって平面視略三角形状に突出するようにそれぞれ形成されている。
【0057】
導体層挿通部5および導体層折返部7は、断面略L字状に形成され、接着層3の裏面に形成されている導体層2から連続すると、断面略コ字状に形成されている。
【0058】
そして、この導電性接着テープ1において、導体層2の裏面20および表面21には、低融点金属層6が設けられている。
【0059】
具体的には、導体層2の裏面20に低融点金属層6が設けられ、端子部9では、導体層挿通部5の外側面19(接着層貫通孔4に臨む面)と、導体層挿通部5において接着層3の表面に至る表側端面16と、導体層折返部7において接着層3から露出する外面17とに、低融点金属層6が連続して設けられている。
【0060】
さらに、導体層2の表面21に低融点金属層6が設けられ、端子部9では、低融点金属層6は、接着層3と密着する導体層挿通部5の内面18と、接着層3と密着する導体層折返部7の内面18とに連続して形成されている。
【0061】
低融点金属層6の厚みは、例えば、0.5〜30μm、好ましくは、3〜20μmである。
【0062】
低融点金属層6を形成する低融点金属としては、例えば、錫、ビスマスおよびインジウムから選択される少なくとも2種の金属の合金が挙げられる。低融点金属として、好ましくは、錫−ビスマス合金、錫−インジウム合金、さらに好ましくは、錫−ビスマス合金が挙げられる。
【0063】
錫−ビスマス合金におけるビスマス濃度は、例えば、30〜80質量%、好ましくは、45〜70質量%である。
【0064】
ビスマス濃度が上記範囲外である場合には、低融点金属層6の融点が高くなる場合がある。
【0065】
また、ビスマス濃度が上記範囲を超える場合には、上記の点(場合)に加え、さらに、低融点金属が脆くなり、低融点金属層6で割れ(クラック)が発生する場合がある。
【0066】
また、錫−インジウム合金におけるインジウム濃度は、例えば、40〜65質量%である。
【0067】
低融点金属の融点は、合金を構成する各金属の融点よりも低く、具体的には、180℃以下、例えば、110〜180℃、好ましくは、120〜150℃である。低融点金属の融点は、DSC(示差走査熱量測定、Differential scanning calorimetry)によって測定される。
【0068】
低融点金属の融点が上記温度を超える場合には、導体層挿通部5と導通対象とを接合するときの、低温の加熱によって、低融点金属を融解させることができず、そのため、低融点金属層6を介した導体層挿通部5と導通対象との接合が困難となる場合がある。
【0069】
次に、この導電性接着テープ1を製造する方法について、図4を参照して説明する。
【0070】
この方法では、図4(a)に示すように、導体層2および接着層3をそれぞれ用意する。
【0071】
導体層2の表面21および裏面20には、低融点金属層6が形成されている。
【0072】
そのような導体層2を用意するには、例えば、上記した導体材料からなる導体層2の表面21および裏面20に、低融点金属層6を、例えば、めっきなどによって積層する。
【0073】
なお、導体層2の表面21および裏面20に低融点金属層6が予め積層された市販品の積層体をそのまま用いることもできる。
【0074】
接着層3の表面(導体層2と対向する裏面と反対側面)には、上記した離型シート8が積層されている。
【0075】
次いで、図4(b)に示すように、導体層2と接着層3とを貼り合わせる。
【0076】
具体的には、導体層2の表面21に形成される低融点金属層6を、接着層3の裏面に貼着する。これにより、低融点金属層6、導体層2、低融点金属層6、接着層3および離型シート8からなる積層体23を作製する。
【0077】
次いで、図4(c)および図4(d)に示すように、積層体23に、端子部9を形成する。
【0078】
積層体23に端子部9を形成するには、まず、図4(c)に示すように、端子部9に対応する位置に、貫通孔26を形成するとともに、積層体23の厚み方向一方側(表側、離型シート8側)に向かって突出する突出部(バリ)24を形成する(突出部形成工程)。
【0079】
貫通孔26および突出部24を形成するには、公知の穿孔方法が用いられる。
【0080】
具体的には、図5に示すように、ピン30が形成された雄ロール10と、凹部29が形成された雌ロール11とを備える穿孔装置28が用いられる。
【0081】
穿孔装置28において、雄ロール10は、回転可能に設けられ、表面に複数のピン30が突出するように形成されている。各ピン30は、雄ロール10の回転方向および軸方向に間隔を隔てて複数配置されており、頂点が面取りされた略四角錐状に形成されている。
【0082】
雌ロール11は、雄ロール10と隣接配置され、雄ロール10の駆動回転に伴って従動可能に設けられている。凹部29は、雄ロール10の各ピン30に対応して複数形成され、具体的には、ピン30が嵌るように形成されており、内側に向かって窪む略円柱状に形成されている。
【0083】
各ピン30のサイズとして、回転方向長さcが、例えば、0.5〜3mm、好ましくは、0.5〜2mmであり、軸方向長さdが、例えば、0.5〜3mm、好ましくは、0、5〜2mmであり、連続する2つの底辺が成す角度eが、例えば、30〜120度、好ましくは、40〜100度である。また、ピン30の高さ(突出方向高さ)fは、例えば、0.5〜3mm、好ましくは、1〜2mmである。なお、面取り部分の幅gは、例えば、0.01〜0.5mm、好ましくは、0.02〜0.4mmである。
【0084】
また、回転方向に隣接する各ピン30のピッチiは、例えば、1〜5mm、好ましくは、1.5〜4mmであり、軸方向に隣接する各ピン30のピッチhは、例えば、1〜4mm、好ましくは、2〜3mmである。
【0085】
各凹部29のサイズとして、内径jは、0.5〜3mmであり、深さkは、例えば、0.5〜3mmである。各凹部29のピッチは、上記した各ピン30のピッチと同様である。
【0086】
穿孔装置28では、雄ロール10の駆動回転に伴って、雌ロール11が従動し、これによって、各ピン30が各凹部29に順次嵌合する。
【0087】
そして、この穿孔方法では、図5の矢印で示すように、積層体23を、雄ロール10および雌ロール11の間に挿入する。具体的には、導体層2の裏面20に形成される低融点金属層6が雄ロール10に対向し、接着層3の表面に形成される離型シート8が雌ロール11に対向するように、積層体23を雄ロール10および雌ロール11の間に挿入する。
【0088】
すると、積層体23は、凹部29においてピン30によって突き破られる。これによって、図6に示すように、積層体23が表側(離型シート8側)に向かって突出する突出部(バリ)24が形成されるとともに、貫通孔26が形成される。
【0089】
貫通孔26は、平面視において、上記した接着層3の接着層貫通孔4と実質的に同一形状に形成され、具体的には、平面視略四角形状(具体的には、略菱形状)に形成されている。
【0090】
突出部24は、ピン30の面形状に対応し、具体的には、略三角形状に形成されており、貫通孔26の各辺の周端部から上方に向かって突出するように、4つ形成されている。
【0091】
突出部形成工程の後、図4(c)の仮想線矢印で示すように、離型シート8を接着層3から引き剥がす。
【0092】
次いで、図4(d)に示すように、4つの突出部24のうち、長手方向他方側の2つの突出部24を戻すと同時に、長手方向一方側の2つの突出部24を接着層3の表面に沿って折り返す(折返工程)。
【0093】
具体的には、図4(d)の矢印で示すように、例えば、スキージ27を接着層3の表面に沿ってスライドさせる。
【0094】
スキージ27は、幅方向に沿って延びるように形成され、断面略刃状に形成されており、先端が接着層3の表面に対してスライド可能となるように配置されている。
【0095】
スキージ27の先端を、接着層3の表面に沿って長手方向他方側から一方側に向かって突出部24を通過するようにスライドさせる。スキージ27の接着層3に対する相対速度は、例えば、1〜20m/分である。なお、スキージ27と、接着層3の表面(スキージ27との接触部分からスライド方向下流側における接着層3の表面)との成す角度αは、例えば、10〜80度、好ましくは、15〜75度である。
【0096】
スキージ27が接着層3の表面をスライドすることによって、スライド方向上流側における2つの突出部24の遊端部は、スライド方向下流側に沿って折り返される(つまり、元の位置(ピン30に突き破られる前の位置)に戻る)。
【0097】
続いて、スライド方向下流側における残りの2つの突出部24(の遊端部)が導体層挿通部5の表側端部22を支点としてスライド方向下流側に折り返される。これにより、導体層折返部7が接着層3の表面に沿って形成される。
【0098】
なお、導体層折返部7において接着層3から露出する外面17に形成される低融点金属層6の表面は、接着層3の表面より表側に形成される。つまり、導体層折返部7は、接着層3の表面から表側に突出するように形成されている。
【0099】
これにより、積層体23に、端子部9を形成する。
【0100】
その後、図4(e)に示すように、積層体23をプレス加工する。プレス加工は、例えば、積層体23の接着層3の表面に公知のセパレータ(図示せず)を介して実施する。プレス加工の条件は、圧力が、例えば、0.05〜2MPaである。また、必要により、加熱プレスすることもでき、その場合の加熱温度は、例えば、20〜80℃である。
【0101】
これにより、導体層折返部7が接着層3に埋設されて、導体層折返部7の外面17に形成される低融点金属層6の表面と、接着層3の表面とが、厚み方向において実質的に面一(つまり平滑状)に形成される。
【0102】
これにより、導電性接着テープ1を得る。
【0103】
このようにして得られる導電性接着テープ1における各端子部9の表面積、つまり、各導体層挿通部5の表側端面16と2つの導体層折返部7の外面17とに形成される低融点金属層6の総面積が、例えば、0.05〜0.5mmであって、導電性接着テープ1 30mm当たり、例えば、0.15〜5.0mmである。
【0104】
このような導電性接着テープ1は、間隔を隔てて配置される部材(導通対象)25(図3参照)の電気的な導通などに用いられる。より具体的には、例えば、プリント配線基板の接地、電子機器の外装シールドケースの接地、静電気防止用の接地、電源装置または電子機器(例えば、液晶表示装置、有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置、PDP(プラズマディスプレイパネル)、電子ペーパーなどの表示装置、太陽電池など)などの内部配線に用いられる。
【0105】
この導電性接着テープ1を用いて、上記した部材25を電気的に導通するには、まず、図3の仮想線で示すように、上記した導電性接着テープ1の接着層3を上記した部材25に貼着する。つまり、接着層3の表面を2つの部材25(図3において1つのみ仮想線にて図示)の表面に圧着する。
【0106】
その後、導電性接着テープ1を、例えば、上記した低融点金属層6の融点またはそれ以上の温度に、加熱する。加熱温度は、例えば、110〜180℃である。
【0107】
これによって、低融点金属層6が融解し、次いで、導体層挿通部5および導体層折返部7が、低融点金属層6を介して上記した部材25と接合され、それらが電気的に接続される。そうすると、各部材25が、導電性接着テープ1を介して電気的に導通する。
【0108】
そして、この導電性接着テープ1によれば、上記した部材25と電気的に接続するときに、導電性接着テープ1を低温で加熱して、導体層挿通部の表側端面16に設けられる低融点金属層6を融解させ、かかる低融点金属層6を介して、導体層挿通部5と上記した部材25との接合強度を向上させることができる。
【0109】
さらに、この導電性接着テープ1によれば、導体層折返部7の外面17にも低融点金属挿6が形成されるので、導体層折返部7の外面7および導体層挿通部5の表側端面16と、部材25との接触面積を広く確保することができ、さらに、導体層折返部7の外面17に形成される低融点金属層6によって、導体層折返部7と上記した部材25との接合強度を向上させて、より一層優れた導電性および耐久性を得ることができる。
【0110】
そのため、導体層挿通部5および導体層折返部7と、上記した部材25とを確実に電気的に接続することができる。
【0111】
その結果、各部材25間における優れた導電性を確保しつつ、かかる導電性を長期にわたって維持することができる。
【0112】
なお、上記した説明では、突出部形成工程および折返工程を、雄ロール10および雌ロール11を備える穿孔装置28によって実施している。しかし、例えば、図示しないが、ピン30が形成された雄板および凹部29が形成された雌板を備える穿孔装置28によって実施することもできる。
【0113】
具体的には、積層体23を雄板および雌板の間に配置し、それらによって、ピン30および凹部29が嵌合するように、積層体23をプレスする。
【0114】
また、上記した説明では、図4(e)のプレス工程を実施しているが、これを実施することなく、導電性接着テープ1を得ることもできる。
【0115】
図7は、本発明の導電性接着テープの他の実施形態(導体層挿通部および導体層折返部が断面略J字状に形成される態様)の断面図、図8は、本発明の導電性接着テープの他の実施形態(導体層挿通部が接着層貫通孔を閉塞する態様)の断面図を示す。なお、図7および図8において、上記した各部に対応する部材については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0116】
上記した図3、図4(d)および図4(e)の説明では、導体層挿通部5および導体層折返部7は、断面略L字状に形成されているが、その形状は特に限定されず、突出部形成工程の条件によっては、例えば、図7に示すように、断面略J字状に形成されていてもよい。
【0117】
導体層挿通部5は、例えば、長手方向一方側に向かって開く断面略C字状に形成されている。
【0118】
また、上記した説明では、導体層挿通部5を、接着層貫通孔4を閉塞しないように、接着層貫通孔4の内周面13に沿って設けているが、例えば、図8に示すように、接着層貫通孔4を閉塞するように設けることもできる。
【0119】
図8において、導体層挿通部5は、接着層貫通孔4内に隙間なく充填されており、導体層2の表面から表側に向かって突出するように形成されている。
【0120】
好ましくは、図3に示すように、導体層挿通部5を、接着層貫通孔4を閉塞しないように、接着層貫通孔4の内周面に沿って設ける。
【0121】
そのような導体層挿通部5は、図8の導体層挿通部5に比べて、より簡便な突出部形成工程によって形成される。そのため、製造工程を簡便にすることができる。
【0122】
また、上記した説明では、導体層折返部7を形成し、さらに、その外面17に低融点金属層6を形成しているが、例えば、図示しないが、導体層折返部7を形成することなく端子部9を形成することもできる。
【0123】
その場合には、導体層挿通部5の表側端面16に形成される低融点金属層6のみを介して、導体層挿通部5が上記した部材25と接合される。
【0124】
好ましくは、図3に示すように、導体層折返部7を形成し、さらに、その外面17に低融点金属層6を形成する。
【0125】
また、上記した説明では、低融点金属層6を、接着層3と密着する内面18に設けているが、例えば、接着層3と密着する内面18に設けることなく、導体層2と接着層3とを直接接触させることもできる。
【0126】
好ましくは、低融点金属層6を、導体層2における接着層3と密着する内面18に設ける。
【0127】
これにより、低融点金属層6が、導体層2と接着層3との間に介在するので、接着層3が、極性基含有モノマーを副成分として含有するモノマーとするアクリルポリマーからなる場合に、アクリルポリマー中に残存する極性基含有モノマーによって導体層2が腐食または変色することを、低融点金属層6によって有効に防止することができる。
【0128】
また、上記した図2の説明では、接着層貫通孔4を、平面視略三角形状に形成しているが、その形状は特に限定されず、円形状など、適宜の形状に形成することができ、また、図8についても、導体層挿通部5の平面視における形状は、特に限定されず、平面視略多角形状(例えば、略四角形状などを含む)または円形状など、適宜の形状に形成することができる。
【実施例】
【0129】
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、何らそれらに限定されない。
【0130】
実施例1
(アクリル系感圧接着剤の製造)
アクリル酸n−ブチル97質量部、アクリル酸3質量部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2質量部、および、トルエン27質量部を、セパラブルフラスコに投人し、窒素ガスを導入しながら1時間攪拌した。その後、63℃に昇温して10時間反応(溶液重合)させ、さらにトルエンを加えて濃度を調整し、固形分濃度30質量%のアクリルポリマーのトルエン溶液を得た。
【0131】
続いて、アクリルポリマーのトルエン溶液に、アクリルポリマー100質量部に対して、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加体、日本ポリウレタン工業社製)2質量部(固形分換算)を添加することにより、アクリル系感圧接着剤(のトルエン溶液)を製造した。
【0132】
(積層体の作製)
シリコーンで表面処理された長尺状の剥離シートの表面に、アクリル系感圧接着剤のトルエン溶液を、乾燥後の厚さが45μmとなるように塗布し、これを130℃で3分間、オーブンで乾燥させて、接着層を形成した。
【0133】
別途、表面および裏面に、錫−ビスマス合金(ビスマス濃度57±5質量%融点139℃)からなる厚み10μmの低融点金属層が積層された、銅からなる厚み35μmの長尺状の導体層を用意した(図4(a)参照)。
【0134】
次いで、上記した導体層と接着層とを貼り合わせ、これにより、低融点金属層、導体層、低融点金属層、接着層および離型シートからなる積層体を作製した(図4(b)参照)。この積層体を、巻回ロールに巻回した。
【0135】
(突出部の形成)
巻回ロールから積層体を、上記した雄ロールおよび雌ロールを供える穿孔装置に送り出し、かかる穿孔装置によって、突出部(バリ)を形成した。
【0136】
なお、穿孔装置において、ピンが、雄ロールの回転方向および軸方向に間隔を隔てて配置されており、頂点が面取りされた四角錐状に形成され、凹部が、内側に向かって窪む円柱状に形成されていた。
【0137】
ピンのサイズとして、回転方向長さcが1.0427mm、軸方向長さdが1.8061mm、連続する2つの底辺が成す角度eが60度、高さfが1.2mm、面取り部分の幅gが0.1mmであった。また、回転方向に隣接する各ピン30のピッチiが1.5mm、軸方向に隣接する各ピン30のピッチhが2.598mmであった。また、凹部の内径jが1.6mm、深さkが1.4mmであった。
【0138】
具体的には、積層体を、雄ロールおよび雌ロールの間に挿入し、これにより、積層体を打ち抜き、突出部(バリ)を形成するとともに、貫通孔を形成した(図4(c)参照)。その後、離型シートを接着層から引き剥がした(図4(c)の矢印参照)。
【0139】
(折返部の形成)
スキージを、接着層の表面に沿ってスライドさせた。
【0140】
具体的には、スキージを、接着層の表面に沿って長手方向他方側から一方側に向かって突出部を通過するように相対的にスライドさせた。スキージの接着層に対する相対速度は1m/分であり、また、スキージと接着層の表面(スキージとの接触部分からスライド方向下流側における接着層の表面)との成す角度αは20度であった。
【0141】
これによって、スライド方向上流側における2つの突出部の遊端部を、基端部からスライド方向下流側に折返す(折戻す)とともに、スライド方向下流側における残りの2つの突出部もスライド方向下流側に沿って折り返した。これにより、スライド方向下流側の突出部からなる導体層折返部を2つ形成した(図4(d)参照)。
【0142】
(プレス加工)
続いて、積層体をプレス加工した。
【0143】
具体的には、まず、接着層の表面にセパレータを配置し、その後、それらをプレス加工した(図4(e)参照)。プレス加工の条件は、温度が25℃、圧力が0.5MPaであった。
【0144】
これにより、導体層折返部が接着層に埋設されて、導体層折返部の外面に形成される低融点金属層の表面と、接着層の表面とを、平滑にした。
【0145】
これによって、導電性接着シートを得た(図1および図2参照)。
【0146】
実施例2
導体層折返部の形成において、スキージと接着層の表面との成す角度αを70度に変更した以外は、実施例1と同様に処理することにより、導電性接着テープを得た。
【0147】
比較例1
積層体の作製において、低融点金属層に代えて、錫(融点232℃)からなる厚み10μmめっき層を、導体層の表面および裏面に積層した以外は、実施例1と同様に処理することにより、導電性接着テープを得た。
【0148】
(評価)
1.端子部のサイズ(表面積)
実施例1、2および比較例1で得られた導電性接着テープを、5mm×6mmの大きさ(面積:30mm)に切り出し、セパレータを剥離して、これをサンプルとした。
【0149】
サンプルの表側(接着層側)を、デジタルマイクロスコープ(品番「VHX−600」、キーエンス社製)を用いて、測定倍率200倍(レンズ:VH−Z20)にて端子部の画像を観察した。次いで、計測モードにて、観察した画像における端子部の表面積、つまり、各導体層挿通部の表側端面と2つの導体層折返部の外面とに形成される低融点金属層の総面積を計測した。
【0150】
また、上記と同様にして、サンプルに存在する全ての端子部の表面積を測定し、それらを合算することによって、サンプル30mm当たりに存在する端子部の総面積を算出した。
【0151】
また、サンプルにおける接着層貫通孔の数を数え、かかる接着層貫通孔の数で、サンプル30mm当たりに存在する端子部の総面積を割ることによって、端子部1つ当たりの平均面積を算出した。
【0152】
その結果を表1に示す。
2. 耐久試験
図9に示すように、耐久評価用の端子基板45を用意した。
【0153】
端子基板45は、ガラス−エポキシ樹脂からなる基板43と、その上に所定パターンに形成される端子44とを備えている。端子44は、左右方向に間隔を隔てて4つ設けられており、各端子44(第1端子46、第2端子47、第3端子48および第4端子49)は、前後方向に延びている。なお、第1端子46、第2端子47、第3端子48および第4端子49は、左側から右側に向かって順次配置される。
【0154】
別途、実施例1、2および比較例1で得られた導電性接着テープを、5mm×50mmの大きさに切り出し、セパレータを剥離して、これをサンプル50とした。
【0155】
そして、各端子44の後端部と、サンプル50とを接続した。詳しくは、まず、サンプル50の接着層3、導体層挿通部5の表側端面16および導体層折返部7の外面17と、端子44とを接触させ、その後、150℃、5分間、2MPaで加熱圧着することにより、サンプル50と端子44とを接続および接着した。
【0156】
また、第2端子47および第4端子49の前端部と、定電流電源36とを配線37を介して接続するとともに、第1端子46および第2端子47の前端部を、電位計38に配線37を介して接続することにより、電気回路を形成した。
【0157】
これにより、耐久評価用サンプルを作製した。
【0158】
この耐久評価用サンプルに2Aの電流を電気回路に流して、耐久評価用サンプルの抵抗値を測定した。
【0159】
次いで、図10で示される耐久(熱サイクル)条件、つまり、−40℃と85℃との間を200回往復させるヒートサイクル条件にて、耐久評価用サンプルについて耐久試験を実施した。
【0160】
その後、耐久評価用サンプルの抵抗値を測定した。
【0161】
耐久評価用サンプルの耐久試験前後の抵抗値を表1に示す。
【0162】
【表1】

【符号の説明】
【0163】
1 導電性接着テープ
2 導体層
3 接着層
4 接着層貫通孔
5 導体層挿通部
6 低融点金属層
13 内周面
16 表側端面
17 外面
18 内面
22 表側端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体層と、前記導体層の表面に形成される接着層とを備え、
前記接着層には、厚み方向に貫通する接着層貫通孔が形成され、
前記導体層は、前記接着層貫通孔に形成される導体層挿通部を備え、
前記導体層挿通部において前記接着層の表面に至る端面には、低融点金属層が設けられていることを特徴とする、導電性接着テープ。
【請求項2】
前記導体層挿通部は、前記接着層貫通孔を閉塞しないように、前記接着層貫通孔の内周面に沿って形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の導電性接着テープ。
【請求項3】
前記導体層挿通部において前記接着層の表面に至る端部には、前記接着層の表面に沿って折り返される導体層折返部が設けられていることを特徴とする、請求項1または2に記載の導電性接着テープ。
【請求項4】
前記低融点金属層が、前記接着層から露出する前記導体層折返部の外面に設けられていることを特徴とする、請求項3に記載の導電性接着テープ。
【請求項5】
前記低融点金属層が、前記接着層と密着する導体層挿通部および前記導体層折返部を含む前記導体層の内面に設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電性接着テープ。
【請求項6】
前記低融点金属層を形成する低融点金属の融点が、180℃以下であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の導電性接着テープ。
【請求項7】
前記低融点金属層を形成する低融点金属が、ビスマスを30〜80質量%含有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の導電性接着テープ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−131921(P2012−131921A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−285828(P2010−285828)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】