説明

小型ランプおよび灯具

【課題】明るさが十分で長寿命の小型ランプと、その小型ランプを装着した際にレンズカバーへの小型ランプの写り込みを防止し、外部からの視認性が良好で、かつ、デザイン面上からも見栄えのする灯具を提供すること。
【解決手段】ガラスバルブ11のトップ部位11tを覆って形成された半透光性金属薄膜10は、ガラスバルブ11の最大外形寸法をAとし、ガラスバルブ11のトップ部位11tに最も近い最大外形寸法部分から、トップ部位11tまでの寸法をBとすると、B<A/2となる寸法関係が成立するように形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
自動車の照明ランプや表示ランプ等に用いる小型ランプと、その小型ランプを装着する灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車輌の前後部および側面には、例えば車両の発進、進路変更、左折や右折等するときに用いられる、ストップランプ装置やターンシグナルランプ装置が設けられている。これらの各種ランプ装置は、ランプの点滅によって赤色や橙色の信号を発光し、後続車や対向車の運転者に、自車の発進状況や進路変更等の情報を知らせることができる。
【0003】
通常、ストップランプ装置やターンシグナルランプ装置は、燈色や赤色に着色されたレンズカバーを用い、透明ガラスのバルブを使用した白熱ランプを光源として用いている。この光源からの光をレンズカバーに向けて反射させる反射鏡が配置されて灯具を形成している。
【0004】
また、近年、車輌のデザイン性向上の要求からレンズカバーには、無色透明や白色透明な透光性のクリアーな材質を用い、光源に小型ランプのバルブを着色ガラスで形成したり、無色透明なガラスバルブに着色膜を形成したりあるいは着色した耐熱合成樹脂製のキャップを被せる等により、点灯時に着色層を透過した光が橙色や赤色等に発光する小型ランプを使用するケースが急増している。
【0005】
この光源は、バルブあるいはガラス管を燈色や赤色に着色したものが主流である。そのため、光源が消灯している間は、無色透光性材質のレンズカバーに光源の外観色が写り込んでしまう。また、小型ランプに透明ガラスを使用したバルブの場合も、小型ランプの構成部材であるフィラメントなどが見えてしまい、デザイン上から見栄えの悪いものになってしまう。
【0006】
また、灯具の内部に太陽光などの外光が差し込んだ際には、反射板による反射によって、灯具の内部構造がクリアーなレンズカバーに写り込んで一層目立つものとなってしまう。しかも、反射板によって強調され、外部からは、あたかも小型ランプが点灯している様に見え、周辺の運転者が誤認するケースも発生する。
【0007】
これらの状況から、レンズカバーへの写り込み防止対策として、灯具内に組み込まれた光源を覆う様なトップカバーを装着する方法が開示されている。(例えば、特許文献1を参照)
また、別のレンズカバーへの写り込み防止対策として、バルブトップ部からバルブストレート部の一部にかけて灯具反射板と同等色であるアルミや銀などのハーフミラー化した金属薄膜をコーティングもしくは蒸着している小型ランプも開示されている。(例えば、特許文献1、または、特許文献2を参照)
なお、通常、小型ランプのトップ形状は半円球状に形成されている。それにより、光の発光中心であるフィラメントから放射される光の強さが、小型ランプのトップ方向から見た際に、幾らか角度を変えても同じ明るさが得られるような配光形状として半円球状に形成されている。
【0008】
すなわち、図7(a)に、従来の小型ランプのトップ部位から中間部への側面形状の摸式図、(b)はその平面図を示したように、小型ランプ30のバルブ31のトップ部位33の形状が半円球状に形成されている小型ランプ30で、バルブ31のトップ部位31tからバルブ31の中間部31nが直線で形成され、トップ部位31tは、不図示の灯具の反射板と同等色であるアルミ等を、コーティングもしくは蒸着している小型ランプ30の場合、小型ランプ30の最大幅をAとして、管軸方向のコーティングもしくは蒸着の長さをBとすると、いずれも、B=A/2の関係になっている。
【0009】
なお、小型ランプ30のバルブ31の中間部31nが、図8に示したように、曲線で形成されている場合も同様に、B=A/2の関係になっている。
【0010】
また、レンズカバーへの小型ランプの写り込み防止対策として、バルブのトップ部位からバルブのストレート部(中間部)の一部にかけて灯具反射板と同等色であるアルミなどをコーティング若しくは蒸着している小型ランプの例ある。
【0011】
さらに、レンズカバーへの小型ランプの写り込み防止対策として、バルブ部全体、もしくはバルブのトップ部位に灯具反射板と同等色である半透過性のアルミなどをコーティング若しくは蒸着している例もある。
【特許文献1】特開2002−500814号公報
【特許文献2】特開2002−110107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、レンズカバーへの小型ランプの写り込み防止対策として、上述の灯具の内部に組み込まれた光源を覆う様なトップカバーを装着する方法の場合、部品や工数増加により、灯具が高価になってしまう。
【0013】
また、レンズカバーへの小型ランプの写り込み防止対策として、バルブトップ部からバルブのストレート部の一部にかけて、灯具反射板と同等色であるアルミなどを、コーティングもしくは蒸着した小型ランプの場合は、コーティング部等は、光を透過しないうえに、光源(フィラメント)に近くなるため透過率が悪くなってしまう。そのため、小型ランプの発光量をあげる必要があり、その結果、小型ランプの寿命が短くなってしまう。
【0014】
また、レンズカバーへの小型ランプの写り込み防止対策として、小型ランプのバルブ部の全体、もしくはバルブトップ部に灯具反射板と同等色である半透過性のアルミなどを、コーティングもしくは蒸着した場合は、成膜した膜が薄くなるため、膜の耐久性が劣り、点灯途中においてコーティング部が剥れてしまう恐れがある。
【0015】
本発明は、これらの事情にもとづいてなされたもので、明るさが十分で長寿命の小型ランプと、その小型ランプを装着した際にレンズカバーへの小型ランプの写り込みを防止し、外部からの視認性が良好で、かつ、デザイン面上からも見栄えのする灯具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の小型ランプの実施の形態に係る特徴は、着色ガラスあるいは着色被膜で被覆されたガラスで形成されたガラスバルブと、このガラスバルブの内部に設けられた発光源と、上記ガラスバルブのトップ部位を覆って形成された半透光性金属薄膜とを有する小型ランプであって、
前記半透光性金属薄膜は、前記ガラスバルブの最大外形寸法をAとし、該ガラスバルブの前記トップ部位に最も近い最大外形寸法部分から、該トップ部位までの寸法をBとすると、B<A/2となる寸法関係が成立するように形成されていることである。
【0017】
また、本発明の灯具の実施の形態に係る特徴は、小型ランプが装着されるソケットと、このソケットの位置から延在した開口を有する凹面鏡で形成された反射鏡と、前記開口を覆うように配置された透光性のレンズカバーとを有する灯具であって、
前記ソケットは、上記に記載の小型電球を装着できることである。
【発明の効果】
【0018】
明るさが十分で長寿命の小型ランプと、その小型ランプを装着した際にレンズカバーへの小型ランプの写り込みを防止し、外部からの視認性が良好で、かつ、デザイン面上からも見栄えのする灯具を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の小型ランプおよびそれを用いた灯具についての実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
【0020】
本発明において、小型ランプは種々の形態があるが、小型ランプを装着する灯具は共通であるので、まず、灯具について説明する。
【0021】
図1(a)は、小型ランプを装着した状態での灯具の長手方向の側断面図、(b)は、その短手方向の側断面図、(c)は、その正面図である。
【0022】
車両の前部や後部に設けられ、ブレーキ小型ランプ、ターンシグナル小型ランプ、あるいはストップ小型ランプとして用いられる灯具1は、光源である小型ランプ2を固定するソケット3が、凹状の反射鏡4の底部を貫通して設けられている。また、反射鏡4の開口5は板状のレンズカバー6により覆われている。
【0023】
小型ランプ2は、後で詳述するが、無色透明なガラスバルブ(以下、単にバルブという、図2において符号11で表示)を有するウエッジベース形や、あるいは、口金付きの小型ランプ2である。
【0024】
ソケット3は、小型ランプ2のウエッジベース部位や口金を受けて固定し、給電線が接続したソケット3、あるいは、プリント配線基板等に装着されているソケット3である(その場合は、給電線は不要)。
【0025】
反射鏡4は、湾曲した曲面の反射面を有する凹面鏡で、金属板や合成樹脂材料から別体、あるいは、両者が一体に成形された基体7に反射面7aが形成されている。反射面7aにはアルミニウム等からなる反射膜8が形成されている。
【0026】
反射鏡4の開口5の端部5aと小型ランプ2との位置関係は、図1(a)および(b)で、A線で示したように、外部からフィラメント9が視認できないような位置になる。したがって、反射鏡4の開口5の端部5aの位置は、灯具1の内部での小型ランプ2の位置や、小型ランプ2ごとの発光源であるフィラメント9の位置に等に応じて、それぞれ、外部からフィラメント9が視認できないような位置になるように設定されている。
【0027】
なお、図1(a)および(b)で、フィラメント9がいずれも張架状態が判るように表示しているが、実際の取り付け状態では、いずれか一方が90度回転した状態になる。
【0028】
レンズカバー6は、反射鏡4の開口5を覆うよう設けられた合成樹脂やガラス等の材料で形成されている。例えば、無色透明な透光性の耐熱アクリル樹脂である。このレンズカバー6の外表面には白色系のハーフミラー作用を奏する透光性金属薄膜6aが形成されている。
【0029】
ハーフミラー作用を奏する透光性金属薄膜6aの形成材料としては、銀Agの他、アルミニウムAl、モリブデンMo、チタンTi、タンタルTa、白金Pt、パラジウムPd、金AuやクロムCrまたはこれらの合金を主成分として用いることができる。
【0030】
なお、透光性金属薄膜6aの別の構成としては、屈折率の異なる金属の酸化物からなる多層の光干渉膜を形成したものを用いることができる。すなわち、比較的屈折率の高いチタンTi、タンタルTa、ジルコニウムZr、ニオブNb等の酸化物やこれら酸化物との化合物を主成分とした材料および、これら材料に対し屈折率の低いケイ素Si等の酸化物やこの酸化物を主成分とした材料を用意し、この高低屈折率材料をレンズカバー6や着色薄膜の表面に交互に薄膜コーティングして、多層の光干渉膜からなる透光性金属薄膜6aを得ることができる。
【0031】
この透光性金属薄膜6aの形成は、真空蒸着、スパッタリング、スプレイ、浸漬(ディップ)、ゾルゲル、静電塗装、イオンプレーティングやCVD等の手段で成膜することもできる。また、膜厚は形成面の全面が均一の厚さが好ましいが、所望に応じ部分的に変化していてもあるいは非形成部が存在していてもよい。また、透光性金属薄膜6aの表面は鏡面をなす光沢状態であっても、梨地状等の半光沢状態であっても差支えない。
【0032】
上述の構成の灯具1の場合、灯具1の内部の小型ランプ2の点灯時には小型ランプ2が橙色に発光する。この発光の直射光および反射鏡4からの反射光(図1(a)で矢印で表示している)が無色透明なレンズカバー6、このレンズカバー6の表面に成膜された透光性金属薄膜6aである銀Ag薄膜を透過して灯具1の外へ橙色光を放射する。また、小型ランプ2の消灯時には、灯具1と同様にレンズカバー6の外表面に透光性金属薄膜6aが形成してあるので、ハーフミラーとして作用し、内部の着色小型ランプ2は外部からは見えないか、見えても僅かな影が生じる程度である。
【0033】
したがって、上述の灯具1の場合は、小型ランプ2からの放射光が無色透明なレンズカバー6を介し着色された小型ランプ2からの橙色等の所定光色を放射することができる。
【0034】
そして、灯具1は、レンズカバー6に白色系のハーフミラーからなる透光性金属薄膜6aが形成してあるので、消灯時にはレンズカバー6を透し、小型ランプ2の外形やフィラメント9等のマウント部材が見えることがないか、あっても僅かで外観の見栄えの低下を防ぐことができる。
【0035】
すなわち、レンズカバー6の表面に透光性金属薄膜6aが形成されていることにより、反射鏡4に着色小型ランプ2やその着色された色が写り込むことを防げるので、特に灯具1内に太陽等の強い外光が射し込んだ場合に恰も小型ランプ2が点灯しているように見えることがなくなり、後続車や対向車の運転者が小型ランプ2の点灯の有無を見誤る恐れを低減し、交通安全の向上がはかれる。
【0036】
なお、上述の場合、レンズカバー6は、無色透明な透光性の耐熱アクリル樹脂である。このレンズカバー6外表面には白色系のハーフミラー作用を奏する透光性金属薄膜6aが形成されているものを用いたが、後述する小型ランプ2を用いる場合は、透光性金属薄膜6aが形成されていない、無色透明の透光性の耐熱アクリル樹脂板のみを用いることもできる。
【0037】
その場合でも、上述のように反射鏡4の開口5の端部5aと小型ランプ2との位置関係は、図1(a)および(b)で、A線で示したように、外部からフィラメント9が視認できないような位置になっているので、外部からフィラメント9が視認されることはない。したがって、デザイン面から見栄えが損なわれることはない。
【0038】
次に、光源として用いられている小型ランプ2について説明する。
【0039】
図2は本発明を小型ランプ2の一例として、車両のターンシグナルランプ装置に用いられる小型ランプ2で、例えば、ウエッジベース形の定格12Vで25Wの着色した小型ランプ2の一部断面正面図である。
【0040】
小型ランプ2は、モリブデンMoと硫黄Sとの混合酸化物からなる橙色顔料をガラス成分として添加形成された橙色透明なソーダーライムガラス等からなる管形(T形)のバルブ11の下部の端部が圧潰封止して形成したウエッジ形の封止部12が形成されている。この封止部12の内部に気密に封止されバルブ11の内外にそれぞれ延出してなる一対のリード線13、13が配設されており、バルブ11の内部まで延在した内部リード線13、13間には発光源であるタングステン細線を巻回したコイル状のフィラメント9が張架されている。
【0041】
バルブ11の頂部であるトップ部位11tの外表面又は内表面には、例えば、クロムCr、アルミAlおよび酸化ケイ素SiOで形成した三層薄膜や、あるいは、銀Agを蒸着することにより形成された白色系のハーフミラーからなる半透光性金属薄膜10で、バルブ11のトップ部位11tの膜厚は30〜70nm(300〜700Å)の厚膜6bとし、バルブ11の側面(中間部)11n側は5〜50nm(50〜500Å)の薄膜化した。つまり、バルブ11の側面(中間部)11nに対しトップ部位11tの膜厚が厚くなるよう形成されている。(なお、図2において、この半透光性金属薄膜10は他の部分に比べで、判別しやすくするために誇張した厚さ寸法で示してある。)
また、バルブ11の内部にはアルゴンAr等の不活性ガスが所定圧封入されている。
【0042】
このように白色系をなす半透光性金属薄膜10をバルブ11のトップ部位11tに対し側面11nから封止部12寄りを薄膜化することにより形成した小型ランプ2は、点灯時にバルブ11のトップ部位11tの半透光性金属薄膜10は光吸収(反射率)が高く透過率が低下するが、トップ部位11tに比べて光吸収(反射率)が小さく透過率が高い中間部11nが高輝度を呈することができるので、小型ランプ2として発光効率の低下を防止できる。
【0043】
なお、この小型ランプ2の発光色をCIE色度座標において、例えば、y≦x−0.120、y≧0.390、y≦0.790−0.670xの好ましい橙色の発光をなす範囲内にあるよう、また、0.500≧x≧0.310、y≦0.150+0.640x、y≧0.050+0.750x、0.440≧y≧0.382の好ましい白色の発光をなす範囲内にあるよう、その材料や膜厚等を選択して着色被膜や半透光性金属薄膜10を形成すれば好ましい橙色の発光をなすものが得られる。
【0044】
なお、上述の小型ランプ2は着色層を橙色した着色ガラスによりバルブ11形成したが着色ガラスに限らず、例えば橙色顔料、分散剤、シリコーンポリエステル樹脂および酢酸エチル等の溶剤を攪拌混合した分散溶液中に無色透明のガラスのバルブ11を浸漬して引上げ、塗液を乾燥した後、焼成して外表面にほぼ均一な膜厚の着色被膜を形成し、さらにこの着色被膜の表面を覆い、部分的に膜厚を変え半透光性金属薄膜10を形成してもよい。
【0045】
また、小型ランプ2の透明な着色ガラスのバルブ11のガラスを着色する色や無色透明なガラスバルブ11の表面に形成する着色被膜は、上記橙色に限らずストップランプ等に用いる赤色やフォグランプ等に用いる黄色等であってもよい。
【0046】
次に、上述の小型ランプ2の頂部の形状の実施態様について説明する。
【0047】
(実施形態1)
図3(a)は、実施形態1の小型ランプのトップ部位から中間部への側面形状の側面摸式図、(b)はその模式平面図である。実施形態1の小型ランプ2の頂部は遮光膜が成膜されており、形状は、小型ランプ2のバルブ11の最大外形寸法をAとし、バルブ11のトップ部位11tに最も近い最大外形寸法部分から、バルブ11のトップ部位11tまでの寸法をBとすると、B<A/2となる寸法関係が成立し、バルブ11のトップ部位11tの形状は、半径Rが、R>A/2の裁頭球面により形成されている。
【0048】
従って、実施形態1の小型ランプ2は、従来の小型ランプ2が、B=A/2であったのに比べて、小型ランプ2の全長が同じである場合、従来の小型ランプ2と比較すると、トップ部位11tに比べて光吸収(反射率)が小さく透過率が高い側面11nの面積が広くなるので、従来の小型ランプに比べて高輝度を呈することができる。
【0049】
なお、図3(a)では、バルブ11の中間部11nが直線で形成された円筒状の場合を示したが、図4に模式側面図を示したように、バルブ11の中間部11nが曲面により形成された場合も同様である。
【0050】
(実施形態2)
図5(a)は、実施形態2の小型ランプのトップ部位から中間部への側面形状の側面摸式図、(b)はその平面図である。実施形態2の小型ランプ2の頂部は遮光膜が成膜されており、形状は、小型ランプ2のバルブ11の最大外形寸法をAとし、バルブ11のトップ部位11tに最も近い最大外形寸法部分から、バルブ11のトップ部位11tまでの寸法をBとすると、B<A/2となる寸法関係が成立し、バルブ11のトップ部位11tの形状は、バルプ11のトップ部位11tの形状は扁平形状に形成されている。
【0051】
従って、実施形態2の小型ランプ2は、従来の小型ランプ2が、B=A/2であったのに比べて、小型ランプ2の全長が同じである場合、従来の小型ランプ2と比較すると、トップ部位11tに比べて光吸収(反射率)が小さく透過率が高い側面11nの面積が広くなるので、従来の小型ランプに比べて高輝度を呈することができる。
【0052】
なお、図5(a)は、バルブ11の中間部11nが直線で形成された円筒状の場合を示したが、図示はしないが、バルブ11の中間部11nが曲面により形成された場合も同様である。
【0053】
(実施形態3)
図6(a)は、実施形態3の小型ランプのトップ部位から中間部への側面形状の側面摸式図、(b)はその平面図である。実施形態3の小型ランプ2の頂部は遮光膜が成膜されており、形状は、小型ランプ2のバルブ11の最大外形寸法をAとし、バルブ11のトップ部位11tに最も近い最大外形寸法部分から、バルブ11のトップ部位11tまでの寸法をBとすると、B<A/2となる寸法関係が成立し、バルブ11のトップ部位11tの形状は、凹面に形成されている。この凹面形状の反射面7aにより、フィラメント9から放射された光の角度が変化する。それにより、灯具1の反射鏡4の反射面7aへの光量を増加させることができるので、小型ランプ2からの光の利用効率も向上させることができる。
【0054】
実施形態3の小型ランプ2は、従来の小型ランプ2が、B=A/2であったのに比べて、小型ランプ2の全長が同じである場合、従来の小型ランプ2と比較すると、トップ部位11tに比べて光吸収(反射率)が小さく透過率が高い側面11nの面積が広くなるので、従来の小型ランプに比べて高輝度を呈することができる。
【0055】
なお、図6(a)は、バルブ11の中間部11nが直線で形成された円筒状の場合を示したが、図示はしないが、バルブ11の中間部11nが曲面により形成された場合も同様である。
【0056】
実際に、上述の実施形態1乃至3の小型ランプ2について、球形光束計(積分球)で光束を測定した結果、小型ランプ2にコーティングを施していない全面クリアーな小型ランプの全光束を100%としたときに、
(1)従来品のトップ部位のコーティングした小型ランプは、全光束の変化率が約70%である。
【0057】
(2)実施形態1乃至3の小型ランプは、全光束の変化率が約85%であることを確認した。
【0058】
従って、実施形態1乃至3の小型ランプ2は、従来品と同等寿命で同じ全光束にすれば、消費電力を低下させることができる。
【0059】
また、実施形態1乃至3の小型ランプ2は、従来品と同じ全光束でトータルの消費電力を同じにすれば、寿命を長くすることができる。
【0060】
また、実施形態1乃至3の小型ランプ2は、寿命末期でも遮光膜の酸化による変色・膜結合力低下による剥れを少なくすることができる。等の様々な利点が挙げられる。
【0061】
さらに、実施形態1乃至3の頂部形状の小型ランプを用いた灯具は、透明ガラスや有色ガラスを使用したバルブのトップ部位の表面に、遮光銀色薄膜を施すことにより、灯具のレンズカバーへの外観色やバルブの写り込みを防止し、消灯時の装着違和感を抑えられて、デザイン面上からも見栄えが非常に向上した。しかも、外光の差込みによる誤認識を減少させることができるので、交通事故防止にもつながり、安全性も向上する。
【0062】
また、自動車のリアコンビネーション、サイドマーカーなど灯具のレンズカバーをクリアのみで製造でき、灯具の見栄えよくなる。しかも、灯具のインナーレンズ(燈色,赤色)や、光源のトップ部位カバーが不要となり、部品点数,工数削減により、コスト削減が図れるという経済的な効果も期待できる。
【0063】
なお、本発明は上記の実施形態のそのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】(a)は、小型ランプを装着した状態での灯具の長手方向の側断面図、(b)は、その短手方向の側断面図、(c)は、その正面図。
【図2】本発明を小型ランプの一部断面正面図。
【図3】(a)は、本発明の実施形態1の小型ランプのトップ部位から中間部への側面形状の側面摸式図、(b)はその平面図。
【図4】(a)は、本発明の実施形態1の小型ランプのトップ部位から中間部への側面形状の側面摸式図、(b)はその平面図。
【図5】本発明の実施形態2の小型ランプの変形例のトップ部位から中間部への側面形状の側面摸式図。
【図6】(a)は、本発明の実施形態3の小型ランプのトップ部位から中間部への側面形状の側面摸式図、(b)はその平面図。
【図7】(a)は、従来の小型ランプのトップ部位から中間部への側面形状の側面摸式図、(b)はその平面図。
【図8】従来の小型ランプの変形例のトップ部位から中間部への側面形状の側面摸式図。
【符号の説明】
【0065】
1…灯具、2…小型ランプ、3…ソケット、4…反射鏡、5…開口、6…レンズカバー、6a…透光性金属薄膜、6b…端部、7…基体、7a…反射面、8…反射膜、9…フィラメント、10…半透光性金属薄膜、11…ガラスバルブ、11t…トップ部位、11n…中間部、12…封止部、13…リード線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着色ガラスあるいは着色被膜で被覆されたガラスで形成されたガラスバルブと、このガラスバルブの内部に設けられた発光源と、上記ガラスバルブのトップ部位を覆って形成された半透光性金属薄膜とを有する小型ランプであって、
前記半透光性金属薄膜は、前記ガラスバルブの最大外形寸法をAとし、該ガラスバルブの前記トップ部位に最も近い最大外形寸法部分から、該トップ部位までの寸法をBとすると、B<A/2となる寸法関係が成立するように形成されていることを特徴とする小型ランプ。
【請求項2】
小型ランプが装着されるソケットと、このソケットの位置から延在した開口を有する凹面鏡で形成された反射鏡と、前記開口を覆うように配置された透光性のレンズカバーとを有する灯具であって、
前記ソケットは、請求項1に記載の小型ランプを装着できることを特徴とする灯具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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