小型気体発散具
【課題】高価な気化性物質を極少量ずつ配布することにより、利用者にとって必要な分量のみを供給できる小型気体発散具の提供。
【解決手段】表面から内部空間に貫通する微細な放出孔を有し、かつ柔軟性を有するプラスチックを素材とした中空容器1の中に、大気中に暴露することで気化する物質をガラス製またはプラスチック製のアンプル4に密封したものを収納し、中空容器を曲げることでアンプルを破砕し、中空容器に設けられた放出孔を通じて大気中に気化した物質を発散する。
【解決手段】表面から内部空間に貫通する微細な放出孔を有し、かつ柔軟性を有するプラスチックを素材とした中空容器1の中に、大気中に暴露することで気化する物質をガラス製またはプラスチック製のアンプル4に密封したものを収納し、中空容器を曲げることでアンプルを破砕し、中空容器に設けられた放出孔を通じて大気中に気化した物質を発散する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体から気化することにより芳香、消臭、防虫、治癒などの作用を有する揮発性の高い物質を、保管中においては外部に漏洩することのない状態で保持し、気体の作用が必要な際に簡単な操作でこれを発散せしめることができる小型の気体発散具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、気体の性状において効力を持つ物質の配布においては、瓶やガスボンベなどの密閉容器によるものが一般的であるが、この方法では極少量の内容物を多数配布することが難しく、それを所望する利用者にとっても不必要な分量の供給を受けなければならないという問題があった。
【0003】
その問題を解決する一つの方法として、気化性物質を含浸させた厚紙、多孔性の樹脂、繊維状シートなどを樹脂袋などに密封して配布するなどの手段が用いられているが、樹脂袋は概して気体の透過性を有しているため、配布物の製作から供給までの間に配布すべき物質の多くが大気中に漏れ出してしまうという問題があった。またこの配布方法においては、未開放状態においても含浸されている物質がわずかながら大気中の酸素や炭酸ガス等の反応性成分及び水分と接触するため、含浸されている物質が非酸化性あるいは酸性物質と化学反応またはイオン結合を行うもの、あるいは加水分解や水分子を配位するものである場合は、保管、流通の過程において有効成分の変質などが避けられない問題があり、配布せしめることができる気化性物質の種類に制限があった。
【0004】
また、特許公開公報2003−20630において発明された揮発性物質発散具においては、前述の二つの問題点は解消し得るものの、物質の密封に用いるガラスアンプルを破砕して気体を大気中に発散させるという行為に付随して生じるガラス破片を利用者に暴露させないために、中空容器の気体発散部位にフィルタを設けなければならず、その結果として物質は流れの悪いフィルタ内を通過しなければならないため、気体を発散させようとする行為から実際に気体が大気中に放出されるまでに時間的差異が大きいという欠点があった。
【0005】
また、上記の発明においては中空容器の形状が円筒形とならざるを得ず、化粧品や香料など利用者に対して高級感をイメージさせなければならない物質の配布に対してはデザイン上不適当な手段であった。
【特許文献1】特開2003−20630号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする第一の課題は、高価な気化性物質を極少量ずつ配布することにより、利用者にとって必要な分量のみを供給できることにある。
第二の課題は、気化性物質の密封に用いる素材として気体透過性の極めて悪いガラスアンプルを用い、製作から流通までの間の物質の漏洩や変質を防止することにある。
第三の課題は、破砕後のガラス破片を暴露させない手段として微細な孔を設けることにより、気体を発散させようとする行為から実際に気体が大気中に放出されるまでの時間を短縮せしめることにある。
第四の課題は、配布すべき気化性液体が直接人体などに触れることが望ましくない場合において、その気化性液体が微細な孔を通じて中空容器外部に漏れ出した場合でも、液体のまま直接外部に暴露しにくい形状とすることにある。
第五の課題は、気体発散具の大きさやデザインを工夫することにより、化粧品や香料など利用者に対して高級感をイメージさせなければならない物質の配布を容易にすることにある。
第六の課題は、前述のように従来の気体発散具は円筒状であるためデザインの工夫に限界があり、かつ折り曲げてアンプルを破砕していたが、本発明では偏平状の気体発散具の中央付近を指で軽く押圧する方法でアンプルを破砕することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、表面から内部空間に貫通する微細な放出孔を有し、かつ柔軟性を有するプラスチックを素材とした中空容器の中に、大気中に暴露することで気化する物質をガラス製またはプラスチック製のアンプルに密封したものを収納し、中空容器を曲げることでアンプルを破砕し、中空容器に設けられた前記放出孔を通じて大気中に気化した物質を発散することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の小型気体発散具は、少量ずつの供給や配布が困難な気化性物質を、安全かつ安価に配布可能となる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明を実施例により説明する。
【実施例1】
【0010】
図1に示すように、中空容器1は平板型となっている。中空容器1の材質は柔軟性または可撓性のあるプラスチック類として、ポリプロピレン、ポリエチレン、軟質ポリウレタン、軟質ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレートなどが使用できる。
【0011】
中空容器1の大きさや形状は任意であるが、製造や流通及び利用者の取り扱いを容易にすることを目的として、本実施例厚みがおよそ3ミリメートル、直径が20ミリメートルの円盤状とした。
中空容器1の両端または一端2は、アンプル収容前は開放されているが、アンプル収容後は図1に示すとおり気密性の高いキャップや接着剤を用いて密封するか、中空容器の材質を加熱して軟化させ、成型、密封する。
【0012】
。
中空容器1には、内部空間に貫通する微細な放出孔3が円盤の下面凹部(へこみ)11に設けられている。図2に示すようにカード9に両面テープ8や熱溶着にて貼り付けた場合、矢印の方向へ指で押圧するとガラスアンプル4はブリッジされた状態にあるため容易に割れる。このブリッジ状態がアンプル破砕機構である。気化性物質5はカード表面に付着するが指には付かない。また凹部11(へこみ)はトンネル状となって外部とつながっているため、空気がながれ発散を阻害することはない。
なお、放出孔の形状、直径及び個数は任意であるが、破砕前及び破砕後のアンプル材料の本体及び破片が外部に露出せず、かつアンプル内部の気化性物質5が大気中に容易に放出されるものとし、穴の形状は円形で直径は10マイクロメートルから500マイクロメートル、孔の個数は気化性物質5の性質に応じて一個から十個程度が望ましい。
【0013】
図1の中空容器1の内部には、気化性物質5が封入されたアンプル4が封入されている。アンプル4の材質は中空容器1を曲げることで容易に破砕し得るものとして、ガラス、硬質のポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどが使用できるが、気体の透過性の極めて悪いガラスを用いるのが望ましい。アンプル4の両端は図1に示すとおり、材質を加熱して軟化させ、適当な方法にて成型、密封するが、例えば気密性の高いキャップや接着剤を用いて密封することもできる。
中空容器1に封入するアンプル4は中空容器1に収納できる大きさ、形状でなければならないが、直径は5ミリメートル以下で長さ30ミリメートル以下が望ましい。中空容器1に収容するアンプル4の数量は任意である。本実施例では直径は1ミリメートル、長さ20ミリメートルを使用した。
【0014】
気化性物質5は、アンプルに封入可能な性状であれば任意であるが、アンプルに充填及び封入の容易な粘土の低い液状物質が望ましい。
【0015】
アンプル4が破砕されていない状態では、アンプル4の内部の気化性物質5はアンプル素材の気体遮断性により大気中に放出されることはなく、かつ気化性物質5のアンプル外部の酸素、炭酸ガス、水分などからも遮断させるため、非破砕状態においては気化性物質5の品質を長く維持することができる。
アンプル4は中空容器1の外部より曲げられることにより破砕され、内容物である気化性物質5を中空容器1の内部空間に放出する。
本発明品は、中空容器1の内部空間に放出された気化性物質5がすべて大気中に放出されるまで気体発散の機能を維持することができる。
【実施例2】
【0016】
図3、図4に示すように全体が角が丸みのある長方形とし、図4のように断面略三日月としたものである。長方形とすることでアンプルの数を増やすことができる。
【実施例3】
【0017】
図5、図6は実施例2では接着面積が小さいためデザインも考慮して改良されたものである。
【実施例4】
【0018】
図7、図8、図9に示すように、中空容器1の下面に複数の放出孔3を設けて、この放出孔3をふさがないように両面テープ8を貼り付ける。なお本実施例では図9に示すようにアンプル4の両端をプレート7に載せブリッジ状態としている。従ってアンプル下部に空間ができているから上から指で軽く押し付けるだけでアンプル4が割れる。
【0019】
以上実施例1〜実施例4までは、放出孔3を中空容器1の下面に設けたものであるが、気化性物質5が香水などの多少液が付着しても問題のないものである場合は、上面あるいは側面にもうけてもよいのは言うまでも無い。
【実施例5】
【0020】
図10に示すように直径φ3mm長さ23mmの円筒状中空容器1の表面に複数の放出孔3を設けたものである。
【実施例6】
【0021】
図11、図12に示したように、ポリエチレン・テレフタレートフィルム(厚さ0.12mm)を真空成形にて直径20φ、高さ3.5mmの下部が開口した上部容器6を作り、この容器の外周のフランジ状溶着部をカード9の表面に熱溶着して中空容器1を完成させる。図12に示すようにアンプル4の下にドーナツ状のプレート7が介在している。フィルムの弾力を利用して容器1の中央を押すとブリッジした状態にあるアンプルの中央付近がおされて割れる。放出孔3は容器の側面部分に設けており、その孔から香水の香りが出る。
本実施例では放出孔3を容器の側面部分に設けたが、上面に設けるなど限定するものではない。またアンプル4の本数も限定するものではない。さらに必要により図12に示すようにガラスアンプル4の破片が容器を突き破るのを防止し、装飾的効果を加えた円盤状保護プレート10をアンプル4と容器1の間に配置することもある。図13は円盤状保護プレート10の内側に楔型12のアンプル破砕機構を設けた例である。
【0022】
本発明は、香気を発散することを目的とする化粧品や香料の提供、及び消臭剤や害虫忌避剤、気体において効力を持つ医薬品などの提供において、極少量を変質や漏洩損失を伴わずに配布可能である。また、気化する以前の物質が身体や物品に直接接触することが望ましくない場合において、かかる物質が直接身体や物品に接触し難い状態を維持しつつ気体の発散が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施例1の小型気体発散具の平面図。)
【図2】図1G-G線の断面説明図。
【図3】本発明の実施例2の小型気体発散具の平面図
【図4】図3E-E線の断面説明図。
【図5】本発明の実施例3の小型気体発散具の平面図
【図6】図5C-C線の断面説明図。
【図7】本発明の実施例4の小型気体発散具の平面図
【図8】図7A-A線の断面説明図。
【図9】図8B-B線の断面説明図。
【図10】本発明の実施例5の小型気体発散具の説明図
【図11】本発明の実施例6の小型気体発散具の説明図
【図12】図11F-F線の断面説明図。
【図13】アンプル破砕機構の一例の説明図
【符号の説明】
【0024】
1 中空容器
2 中空容器の口の一端または両端
3 放出孔
4 アンプル
5 気化性物質
6 上部容器
7 アンプル破砕機構(プレート)
8 両面テープ
9 カード
10 保護プレート
11 凹部
12 楔型
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体から気化することにより芳香、消臭、防虫、治癒などの作用を有する揮発性の高い物質を、保管中においては外部に漏洩することのない状態で保持し、気体の作用が必要な際に簡単な操作でこれを発散せしめることができる小型の気体発散具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、気体の性状において効力を持つ物質の配布においては、瓶やガスボンベなどの密閉容器によるものが一般的であるが、この方法では極少量の内容物を多数配布することが難しく、それを所望する利用者にとっても不必要な分量の供給を受けなければならないという問題があった。
【0003】
その問題を解決する一つの方法として、気化性物質を含浸させた厚紙、多孔性の樹脂、繊維状シートなどを樹脂袋などに密封して配布するなどの手段が用いられているが、樹脂袋は概して気体の透過性を有しているため、配布物の製作から供給までの間に配布すべき物質の多くが大気中に漏れ出してしまうという問題があった。またこの配布方法においては、未開放状態においても含浸されている物質がわずかながら大気中の酸素や炭酸ガス等の反応性成分及び水分と接触するため、含浸されている物質が非酸化性あるいは酸性物質と化学反応またはイオン結合を行うもの、あるいは加水分解や水分子を配位するものである場合は、保管、流通の過程において有効成分の変質などが避けられない問題があり、配布せしめることができる気化性物質の種類に制限があった。
【0004】
また、特許公開公報2003−20630において発明された揮発性物質発散具においては、前述の二つの問題点は解消し得るものの、物質の密封に用いるガラスアンプルを破砕して気体を大気中に発散させるという行為に付随して生じるガラス破片を利用者に暴露させないために、中空容器の気体発散部位にフィルタを設けなければならず、その結果として物質は流れの悪いフィルタ内を通過しなければならないため、気体を発散させようとする行為から実際に気体が大気中に放出されるまでに時間的差異が大きいという欠点があった。
【0005】
また、上記の発明においては中空容器の形状が円筒形とならざるを得ず、化粧品や香料など利用者に対して高級感をイメージさせなければならない物質の配布に対してはデザイン上不適当な手段であった。
【特許文献1】特開2003−20630号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする第一の課題は、高価な気化性物質を極少量ずつ配布することにより、利用者にとって必要な分量のみを供給できることにある。
第二の課題は、気化性物質の密封に用いる素材として気体透過性の極めて悪いガラスアンプルを用い、製作から流通までの間の物質の漏洩や変質を防止することにある。
第三の課題は、破砕後のガラス破片を暴露させない手段として微細な孔を設けることにより、気体を発散させようとする行為から実際に気体が大気中に放出されるまでの時間を短縮せしめることにある。
第四の課題は、配布すべき気化性液体が直接人体などに触れることが望ましくない場合において、その気化性液体が微細な孔を通じて中空容器外部に漏れ出した場合でも、液体のまま直接外部に暴露しにくい形状とすることにある。
第五の課題は、気体発散具の大きさやデザインを工夫することにより、化粧品や香料など利用者に対して高級感をイメージさせなければならない物質の配布を容易にすることにある。
第六の課題は、前述のように従来の気体発散具は円筒状であるためデザインの工夫に限界があり、かつ折り曲げてアンプルを破砕していたが、本発明では偏平状の気体発散具の中央付近を指で軽く押圧する方法でアンプルを破砕することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、表面から内部空間に貫通する微細な放出孔を有し、かつ柔軟性を有するプラスチックを素材とした中空容器の中に、大気中に暴露することで気化する物質をガラス製またはプラスチック製のアンプルに密封したものを収納し、中空容器を曲げることでアンプルを破砕し、中空容器に設けられた前記放出孔を通じて大気中に気化した物質を発散することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の小型気体発散具は、少量ずつの供給や配布が困難な気化性物質を、安全かつ安価に配布可能となる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明を実施例により説明する。
【実施例1】
【0010】
図1に示すように、中空容器1は平板型となっている。中空容器1の材質は柔軟性または可撓性のあるプラスチック類として、ポリプロピレン、ポリエチレン、軟質ポリウレタン、軟質ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレートなどが使用できる。
【0011】
中空容器1の大きさや形状は任意であるが、製造や流通及び利用者の取り扱いを容易にすることを目的として、本実施例厚みがおよそ3ミリメートル、直径が20ミリメートルの円盤状とした。
中空容器1の両端または一端2は、アンプル収容前は開放されているが、アンプル収容後は図1に示すとおり気密性の高いキャップや接着剤を用いて密封するか、中空容器の材質を加熱して軟化させ、成型、密封する。
【0012】
。
中空容器1には、内部空間に貫通する微細な放出孔3が円盤の下面凹部(へこみ)11に設けられている。図2に示すようにカード9に両面テープ8や熱溶着にて貼り付けた場合、矢印の方向へ指で押圧するとガラスアンプル4はブリッジされた状態にあるため容易に割れる。このブリッジ状態がアンプル破砕機構である。気化性物質5はカード表面に付着するが指には付かない。また凹部11(へこみ)はトンネル状となって外部とつながっているため、空気がながれ発散を阻害することはない。
なお、放出孔の形状、直径及び個数は任意であるが、破砕前及び破砕後のアンプル材料の本体及び破片が外部に露出せず、かつアンプル内部の気化性物質5が大気中に容易に放出されるものとし、穴の形状は円形で直径は10マイクロメートルから500マイクロメートル、孔の個数は気化性物質5の性質に応じて一個から十個程度が望ましい。
【0013】
図1の中空容器1の内部には、気化性物質5が封入されたアンプル4が封入されている。アンプル4の材質は中空容器1を曲げることで容易に破砕し得るものとして、ガラス、硬質のポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどが使用できるが、気体の透過性の極めて悪いガラスを用いるのが望ましい。アンプル4の両端は図1に示すとおり、材質を加熱して軟化させ、適当な方法にて成型、密封するが、例えば気密性の高いキャップや接着剤を用いて密封することもできる。
中空容器1に封入するアンプル4は中空容器1に収納できる大きさ、形状でなければならないが、直径は5ミリメートル以下で長さ30ミリメートル以下が望ましい。中空容器1に収容するアンプル4の数量は任意である。本実施例では直径は1ミリメートル、長さ20ミリメートルを使用した。
【0014】
気化性物質5は、アンプルに封入可能な性状であれば任意であるが、アンプルに充填及び封入の容易な粘土の低い液状物質が望ましい。
【0015】
アンプル4が破砕されていない状態では、アンプル4の内部の気化性物質5はアンプル素材の気体遮断性により大気中に放出されることはなく、かつ気化性物質5のアンプル外部の酸素、炭酸ガス、水分などからも遮断させるため、非破砕状態においては気化性物質5の品質を長く維持することができる。
アンプル4は中空容器1の外部より曲げられることにより破砕され、内容物である気化性物質5を中空容器1の内部空間に放出する。
本発明品は、中空容器1の内部空間に放出された気化性物質5がすべて大気中に放出されるまで気体発散の機能を維持することができる。
【実施例2】
【0016】
図3、図4に示すように全体が角が丸みのある長方形とし、図4のように断面略三日月としたものである。長方形とすることでアンプルの数を増やすことができる。
【実施例3】
【0017】
図5、図6は実施例2では接着面積が小さいためデザインも考慮して改良されたものである。
【実施例4】
【0018】
図7、図8、図9に示すように、中空容器1の下面に複数の放出孔3を設けて、この放出孔3をふさがないように両面テープ8を貼り付ける。なお本実施例では図9に示すようにアンプル4の両端をプレート7に載せブリッジ状態としている。従ってアンプル下部に空間ができているから上から指で軽く押し付けるだけでアンプル4が割れる。
【0019】
以上実施例1〜実施例4までは、放出孔3を中空容器1の下面に設けたものであるが、気化性物質5が香水などの多少液が付着しても問題のないものである場合は、上面あるいは側面にもうけてもよいのは言うまでも無い。
【実施例5】
【0020】
図10に示すように直径φ3mm長さ23mmの円筒状中空容器1の表面に複数の放出孔3を設けたものである。
【実施例6】
【0021】
図11、図12に示したように、ポリエチレン・テレフタレートフィルム(厚さ0.12mm)を真空成形にて直径20φ、高さ3.5mmの下部が開口した上部容器6を作り、この容器の外周のフランジ状溶着部をカード9の表面に熱溶着して中空容器1を完成させる。図12に示すようにアンプル4の下にドーナツ状のプレート7が介在している。フィルムの弾力を利用して容器1の中央を押すとブリッジした状態にあるアンプルの中央付近がおされて割れる。放出孔3は容器の側面部分に設けており、その孔から香水の香りが出る。
本実施例では放出孔3を容器の側面部分に設けたが、上面に設けるなど限定するものではない。またアンプル4の本数も限定するものではない。さらに必要により図12に示すようにガラスアンプル4の破片が容器を突き破るのを防止し、装飾的効果を加えた円盤状保護プレート10をアンプル4と容器1の間に配置することもある。図13は円盤状保護プレート10の内側に楔型12のアンプル破砕機構を設けた例である。
【0022】
本発明は、香気を発散することを目的とする化粧品や香料の提供、及び消臭剤や害虫忌避剤、気体において効力を持つ医薬品などの提供において、極少量を変質や漏洩損失を伴わずに配布可能である。また、気化する以前の物質が身体や物品に直接接触することが望ましくない場合において、かかる物質が直接身体や物品に接触し難い状態を維持しつつ気体の発散が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施例1の小型気体発散具の平面図。)
【図2】図1G-G線の断面説明図。
【図3】本発明の実施例2の小型気体発散具の平面図
【図4】図3E-E線の断面説明図。
【図5】本発明の実施例3の小型気体発散具の平面図
【図6】図5C-C線の断面説明図。
【図7】本発明の実施例4の小型気体発散具の平面図
【図8】図7A-A線の断面説明図。
【図9】図8B-B線の断面説明図。
【図10】本発明の実施例5の小型気体発散具の説明図
【図11】本発明の実施例6の小型気体発散具の説明図
【図12】図11F-F線の断面説明図。
【図13】アンプル破砕機構の一例の説明図
【符号の説明】
【0024】
1 中空容器
2 中空容器の口の一端または両端
3 放出孔
4 アンプル
5 気化性物質
6 上部容器
7 アンプル破砕機構(プレート)
8 両面テープ
9 カード
10 保護プレート
11 凹部
12 楔型
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面から内部空間に貫通する微細な放出孔を有し、かつ柔軟性を有するプラスチックを素材とした中空容器の中に、大気中に暴露することで気化する物質をガラス製またはプラスチック製のアンプルに密封したものを収納し、中空容器を曲げることでアンプルを破砕し、中空容器に設けられた前記放出孔を通じて大気中に気化した物質を発散することを特徴とした小型気体発散具。
【請求項2】
中空容器を平板形状とした、請求項1記載の小型気体発散具。
【請求項3】
中空容器を略断面三日月型とし、放出孔を該中空容器凹面部にのみ設けた、請求項1記載の小型気体発散具。
【請求項4】
中空容器を円筒状とした、請求項1記載の小型気体発散具。
【請求項5】
中空容器内にアンプル破砕機構を設けた、請求項1記載の小型気体発散具。
【請求項6】
吊り下げ穴または粘着テープまたは接着剤などを用い、カード、広告、チラシ、カタログ、装身具などに装着する機能を付加した、請求項1〜3記載の小型気体発散具。
【請求項1】
表面から内部空間に貫通する微細な放出孔を有し、かつ柔軟性を有するプラスチックを素材とした中空容器の中に、大気中に暴露することで気化する物質をガラス製またはプラスチック製のアンプルに密封したものを収納し、中空容器を曲げることでアンプルを破砕し、中空容器に設けられた前記放出孔を通じて大気中に気化した物質を発散することを特徴とした小型気体発散具。
【請求項2】
中空容器を平板形状とした、請求項1記載の小型気体発散具。
【請求項3】
中空容器を略断面三日月型とし、放出孔を該中空容器凹面部にのみ設けた、請求項1記載の小型気体発散具。
【請求項4】
中空容器を円筒状とした、請求項1記載の小型気体発散具。
【請求項5】
中空容器内にアンプル破砕機構を設けた、請求項1記載の小型気体発散具。
【請求項6】
吊り下げ穴または粘着テープまたは接着剤などを用い、カード、広告、チラシ、カタログ、装身具などに装着する機能を付加した、請求項1〜3記載の小型気体発散具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−254757(P2008−254757A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−97103(P2007−97103)
【出願日】平成19年4月3日(2007.4.3)
【出願人】(000230630)株式会社ルミカ (26)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月3日(2007.4.3)
【出願人】(000230630)株式会社ルミカ (26)
【Fターム(参考)】
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