説明

小物保持具

【課題】任意にどこでも、どんな傾斜角度の棒部材でも常に水平状態を保て、容易に着脱移動して確実に固定できて、しかも簡単な構造で安価な小物保持具を提供することである。
【解決手段】小物品を収容または置くことのできる所要の大きさと形状に形成された物受け部と、当該物受け部の底外壁に連結する可塑性を有する細柱状の接続部材を設け、当該接続部材を介して接続された、前記受け部を常に任意状態に保持すると共に、所要な設置箇所に着脱自在に設着できる保持装置とを設けることである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗面所や机の周りに設置して、一寸した小物を置いたり、収納したり、そして時には庭先の木の枝に取り付けて野鳥に餌を与えたりすることもできる、小物保持具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、家庭における洗面所のタオル掛けの付近にかみそりと手鏡や石鹸と化粧品等を容器や皿の上に欲しくなるものである。また、例えば庭先や公園の木枝およびベランダやバルコニー等に設置して野鳥を招き、バードウオッチングを楽しむための鳥用給餌具も欲しくなる。従来バードウオッチングを楽しむための鳥用給餌具は、一般に所定の場所に据付固定設置されていたり、単に枝などに吊り下げて固定されている構造になっている。また、一部のものは巣箱と兼用になっていて、その中の状態は分かりにくいものである。更にその他、より真近に窓際で観察できるように、窓の外に固定手段を有する餌台を受ける窓枠付き板に半透明鏡を設け、鳥が窓内の人の姿を感じないようにしたものが開示されている。(例えば特許文献1参照。)
【参考文献】
【特許文献1】 特開平8−168323

【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが従来の小物保持具や鳥用給餌具等の設置場所や設置角度が限られている。
しかし、特に手鏡などは使用の都度設置角度を変化させたいものである。またバードウオッチングを楽しむための鳥用給餌具は所定の場所に据付固定設置され、容易に簡単に着脱や移動させることができなく、しかも、設置する枝の形状が傾斜しているものが多く、設置ししたとき水平状態を保持することができないものである。一方、従来の周囲が囲まれた巣箱状のものは、鳥の姿や動作が見えないので、観察はできない。更に、前記の餌台を受ける窓枠付き板に半透明鏡を設けたものは、構造が複雑でありコストが高く、しかも窓への固定も不完全になりやすいという問題があった。
従って、洗面用の小物置は狭い洗面台の周りにスマートに設置して、必要に応じてその都度着脱することや、特に手鏡などは使用の都度角度を変化させることが望まれている。しかも、小鳥の餌台については、設置する庭先の枝の形状が傾斜しているので、この場合でも餌台の面が常に水平状態を保ちながら、どこにでも取り付けられ、確実に固定できると共に、容易に着脱移動できて、しかも安いコストのものを求める声も多く聞かれている。
【0004】
また、出願人は本発明に先立って、容易に着脱移動できて、しかも安いコストの鳥用給餌具を開発し特許出願したが、使用していくことを重ねるうちに、ベランダの種類や木の枝の角度が大変複雑にそれぞれ異なっていることが多くて、餌受け皿の角度が常に水平を保つことが困難であるという問題が分かった。また、こうした水平状態保持の台は、鳥の給餌具ばかりでなく、これに類似するものの容器や皿が幅広く日常生活に有益なものとして利用することができるので、改良することを思いついた。
このような問題を解決すると共に、多くの市場の要求にも応えようとするものである。
【0005】
即ち、任意にどこでも、どんな傾斜角度の棒部材でも常に水平状態を保て、容易に着脱移動して確実に固定できて、しかも簡単な構造で安価な小物保持具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の小物保持具は、小物品を収容または置くことのできる所要の大きさと形状に形成された物受け部と、当該物受け部の底外壁に連結する可塑性を有する細柱状の接続部材を設け、当該接続部材を介して接続された、前記受け部を常に任意状態に保持すると共に、所要な設置箇所に着脱自在に設置できる保持装置とを設けることである。
【0007】
そして、前記受け部材を平面板状または皿状に形成し、上記接続部材を介して接続された保持装置をX型の物干し挟み状のクリップとすることである。
【0008】
そして、前記受け部材を平面板状または皿状に形成すると共に、当該平面板または皿の上面に被収容または被設置物の固定または収容手段を設けることである。
【0009】
そして、前記受け部材をカップ状または枡状に形成した容器、並びに着脱可能な蓋付カップ状または着脱可能な蓋付枡状に形成した容器とするとよい。
【0010】
更に、前記の保持装置の被装着材への挟持部の内側の少なくとも一部分に突起材または高摩擦材を設けると好ましい。
【0011】
または、前記の保持装置を弾性体で形成した逆U文字状の挟持具または一部を切り欠いた円環状の挟持具とすることも考えられる。
【発明の効果】
【0012】
以上のとおり、本発明によれば、簡単な構造でどこにでも、どんな傾斜角度の棒部材でも容易に着脱固定や移動できて、常に水平状態を保てる小物保持具である。
また、ベランダや庭先の立ち木の傾斜した枝にも、常に水平状態で保持設置すると共に、容易に移動着脱固定できる小鳥用給餌具としても利用することができる。その結果、最適な場所で、至って身近において、バードウオッチングを楽しむこともできる。
【0013】
そして、前記受け部材を平面板状または皿状に形成し、上記接続部材を介して接続された保持装置をX型の物干し挟み状のクリップとすることによって、つまみを軽く握るだけで簡単に着脱・移動ができるので、適宜任意な場所に、任意な角度で設置した小物置場や、装飾台として利用することができる。
【0014】
前記受け部材を平面板状または皿状に形成すると共に、当該平面板または皿の上面に被収容または被設置物の固定または収容手段として、当該平面板または皿の中央に所要大きさのピンを垂直に設けることによって、蝋燭の燭台や小鳥の餌の固定台とすることもでき、りんごやみかん等の餌をしっかりと固定でき、鳥が食するとき給餌具本体上の餌を落下させることがないばかりでなく鳥が餌を啄ばむのに便利で食べられる部分がなくなるまで確実に食べさせることができる。
【0015】
そして、前記受け部材の受け板等の上にカップ状または枡状に形成した容器等を取付けることによって、または、受け部材そのものを直にカップ状または枡状に形成した容器、並びに着脱可能な蓋付カップ状または着脱可能な蓋付枡状に形成した容器とすることや、小物収納具として及び小鳥の餌や水を供与することもできる。
【0016】
更に、前記の保持装置の被装着材への挟持部の内側の少なくとも一部分に突起材または高摩擦材を設けることによって、保持装置を設置された場所に、確実に固定することができる。従って、収容物を不均等に置いたり収納したり、はたまた小鳥が縁の一箇所に留まったときでも動くことが無く、安定させることになる。
【0017】
または、前記の保持装置を弾性体で形成した逆U文字状の挟持具または一部を切り欠いた円環状の挟持具とすることによって、全体が軽量コンパクトで、取り付け作業は、開口部に差し込みワンタッチで取付けられる、しかも更に安価なものとすることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【実施例1】
図1は本発明の第一の実施例を示す斜視図である。図1に示すように、物受け部である受け皿1は耐久性のプラスチック等剛性を有する素材にて、少なくとも周囲が中央部より高い位置となる皿状に形成されたものである。当該受け皿1の底外壁に連結する可塑性を有する細柱状の接続部材であるジョイント4を設け、その両端を固着することによって、当該ジョイント4を介して、受け皿1の保持装置2が接続されている。この保持装置2は、一般に多く毛布等を干す場合に用いられる比較的大きめの物干し挟み二股タイプのX形クリップ2である。このクリップ2はつまみ部21と二股の挟持部22をX形に中央の支点で組み合わせて、更に中央部を切り欠いた孔を貫通する略環状のばね23によって挟持部が開閉することができる。
【0019】
そして、前記クリップ2のつまみ部21の上端に接続された受け皿1が前記ジョイント4と底の外壁中央部に固着されているが、このジョイント4は適当な柔らかさと塑性を有する短柱で形成されていて、使用時におけるクリップ2の被装着状態(姿勢)に対応して、曲げ変形させて、受け皿1の角度を任意に調整できるようになっている。本実施例においては、ジョイント4は銅またはアルミニウムの太め(直径約3〜4mm)の線材である。
以上のように構成されているので、前記受け皿1を常に任意状態に保持すると共に、所要な設置箇所に着脱自在に装着できる。従って、水平状態にした受け皿1の上に小物を置いたり、収納するものである。
【0020】
尚、前記受け皿1は円形の皿状に限らず、単に円板や矩形の浅い箱や平板でもよい。
また、ジョイント4とクリップ2の接続の位置はつまみ部21の上端に限ることなく、つまみ部21の側面でもよい。更に、接続は複数の個所でもよい。
また、つまみ部(アーム)は適宜幅を広くすることや、挟持開閉口部22を太い一本とすることでもよい。しかし、挟持開閉口部22を図1のようにY文字状に二本に分岐させると、木の枝等への取り付けが、より安定した固定ができて好ましい。
【実施例2】
【0021】
図2は本発明の第二の実施例を示す斜視図であり、小鳥用給餌具としての場合の斜視図である。図2で示すように、受け皿1をある程度深めの容器とするとともに、周囲の皿縁部11に丸みを付け、小鳥のとまり易さに配慮したものであり、そして、内側上面の中央部に、一箇所の餌の固定手段・装置として先端が尖った短串状の餌止めピン3を垂直に立てて設けておき、受け皿1の内側の底最下位部に数個の水抜き孔12や一部分的に凹ませて水溜め13を設けたものである。また、クリップ2を横置きにしてクリップ2のつまみ部21の一方の先端部に塑性を有するジョイント4を介して受け皿1を取り付けたものである。この受け皿1およびその内部の水抜き孔12や水溜め13の有無とクリップ2との組み合わせや位置関係は先述の実施例1(図1)と相互に組み合わせることもできる。
【0022】
この餌受け皿1は観察する鳥の大きさに対応させて、普通の小鳥の場合には直径が大体10〜12cmでその深さは数ミリから1cm程が良い。形状は円形を始め楕円形や多角形でもよく、更にはりんごや各種の果物および各種の花や木の葉の形状も考えられる。また、小鳥への供水用の深い皿状でもよい。そして、この餌具本体である餌受け皿1を水平に保持しながら着脱容易にして、立ち木の枝に固定する手段として前記クリップ2に一体化して取り付けたり、直接に接着剤で固着する。
【0023】
こうした場合に於いては、餌受け皿1に深さがあるので、小粒の米や豆などを餌として与えたり、ピン3に刺したりんごなど果物と組み合わせて同時に与えることもできる。
また、水抜き孔12があるので雨等内部に入った水は排出されたり、水溜め13があるので餌を食べながら、同時に水を飲むこともできる。
【0024】
なお、この餌止めピン3は餌の種類(小粒状等)によっては省略することも可能である。
また、ジョイント4の受け皿1やクリップ2への接続は、いずれも直接固着しないで、必要に応じて大きな角度調節用のリンク材等を設けてもよい。
【実施例3】
【0025】
そして、図3は本発明の第三の実施例を示す斜視図である。
前記受け部材である受け皿1を円筒カップ15に形成した容器としたものである。
こうすることによって、多数の小物を収納したり、場合によっては水や液体も収容することができる。
【0026】
また、必要に応じて図に示すように、円筒カップ15の底外壁に設けたジョイント4の周囲にジョイントカバー41を設けることもできる。
こうすることによって、ジョイントカバーの端面にて、受け皿1を支えて、受け皿1の保持姿勢を安定させると共にジョイント4を補強して、耐久性を向上させることもできる。
【0027】
更に、必要に応じて図に示すように、クリップ2の被装着材への挟持部22の内側の一部分に突起材である歯24を設けている。
【0028】
または、必要に応じて円筒カップ15の内部底中央に止めピン3を設けてもよい。この止めピン3に蝋燭などを立てて明かり8(照明)としての装飾用品とすることもできる。
【0029】
尚、上記円筒カップ15に代えて、着脱可能な蓋付カップ状または着脱可能な蓋付枡状に形成した容器としたものも考えられる。
蓋を付けることによって、台所などの食品関係にも利用することができる。
【実施例4】
【0030】
図4は本発明の第四の実施例を示す斜視図である。
図で示すように、受け皿1をハート形などの花や木の葉の形状や各種の色彩模様にするとともに、クリップ2を横置きにして、挟持開閉口部22の一方の最高部位に取り付けたもので、更にクリップ2の挟持口部の内側には滑り止めとしての高摩擦シート材でテープ状に形成された摩擦シート25を設けたものである。
【0031】
尚、前記のこれらの物受部(受け皿)1と保持装置(クリップ)2における各種の形状や両者相互の組み合わせや取付け位置関係並びにクリップ2の挟持開閉口部22の内側における滑り止め材としての歯24や摩擦シート等の有無または、その他凹凸材や粘着材を取付けたものも含めて、先述のそれぞれの実施例1〜4に相互に自由に組み合わせても何等問題なく、利用場面に応じてのバリエーションを変化させることが最も好ましい。
【実施例5】
【0032】
図5は本発明の第五の実施例を示す斜視図である。
図で示すように、受け皿1をジョイント4を介して接続される保持装置を弾性材料にて簡単な逆U字形止め具7としたもので、この弾性体挟持開閉口を有する保持装置の全てを一体成形とした極めて安価なものも考えられる。又ばね作用を持つ金属板でもよい。
【0033】
前記図で示す、更に簡単な保持装置(手段)としたことによって、より一層シンプル、コンパクトで安価な小物保持具や鳥用給餌具とすることができる。
尚、該固定手段を除いては、先述の実施例1から実施例5までの部分的な構成部を相互に自由に組み合わせても何等問題ない。、利用場面に応じてのバリエーションを変化させることが最も好ましい。例えば、固定装置3をピン3に代えてY字形やU字形の固定具にすることも考えられる。これで、蚊取り線香立てにも利用できる。
これまで、上記のようにいくつかの実施例を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変化形態は、これに包含されるものとする。
【0034】
図6は本発明の実際に使用している場面の斜視図である。
このように、庭先の立ち木の枝6に、挟み型クリップ2で簡単に取り付けることができて、鳥たちも餌5を食べやすいし、そのしぐさを近くで楽しむことができる。特に雀や目じろ及びひよどり等が餌を食べに来るので、バードウオッチングに効果的である。
【0035】
図7は本発明の略第三の実施例での使用状態を示す説明図であって、図に示すように第三の実施例(図3)をアレンジして、保持装置であるクリップ2の開口部先端にジョイント4を介して円筒カップ15を接続しているもので、この透明材質の円筒カップ15の中に明かり8を設置してクリップ2で立ち木枝6に挟んで取り付け、ジョイント4で円筒カップ15の姿勢を垂直になるように調整するものである。明かり8が蝋燭であれば止めピン3によって立てられ固定されている。前記明かり8は勿論電池内蔵型の電球でもよい。
こうすることによって、庭の松の木や冬の落ち葉の木や枯れ木であっても花を付けたり、イルミネーション的な雰囲気を醸し出して楽しむことができる。また、夏場には円筒カップに水を入れて水中花や小さな金魚なども任意の場所に設置して楽しむこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第一の実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明の第二の実施例を示す斜視図である。
【図3】本発明の第三の実施例を示す斜視図である。
【図4】本発明の第四の実施例を示す斜視図である。
【図5】本発明の第五の実施例を示す斜視図である。
【図6】本発明の略第二の実施例での使用状態を示す説明図である。
【図7】本発明の略第三の実施例での使用状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0037】
1 物受部(受け皿) 3 固定装置(止めピン)
11 皿縁部 4 ジョイント(接続材)
12 水抜き孔 41 ジョイントカバー
13 水溜め 5 餌
15 円筒カップ 6 立ち木枝
2 保持装置(クリップ) 7 逆U字形止め具
21 つまみ部 8 明かり
22 挟持部
23 ばね
24 歯
25 摩擦シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小物品を収容または置くことのできる所要の大きさと形状に形成された物受け部と、当該物受け部の底外壁に連結する可塑性を有する細柱状の接続部材を設け、当該接続部材を介して接続された、前記受け部を常に任意状態に保持すると共に、所要な設置箇所に着脱自在に設置できる保持装置とを設けたことを特徴とする物品保持用具。
【請求項2】
前記受け部材を平面板状または皿状に形成し、上記接続部材を介して接続された保持装置をX型の物干し挟み状のクリップとした請求項1に記載の物品保持用具。
【請求項3】
前記受け部材を平面板状または皿状に形成すると共に、当該平面板または皿の上面に被収容または被設置物の固定または収容手段を設けた請求項1または請求項2に記載の物品保持用具。
【請求項4】
前記受け部材をカップ状または枡状に形成した容器、並びに着脱可能な蓋付カップ状または着脱可能な蓋付枡状に形成した容器とした請求項1、請求項2および請求項3に記載の物品保持用具。
【請求項5】
請求項2記載の保持装置の被装着材への挟持部の内側の少なくとも一部分に突起材または高摩擦材を設けた請求項1、請求項2、請求項3、および請求項4に記載の物品保持用具。
【請求項6】
請求項1記載の保持装置を弾性体で形成した逆U文字状の挟持具または一部を切り欠いた円環状の挟持具とした請求項1、請求項3、請求項4および請求項5に記載の物品保持用具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−264448(P2008−264448A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−132143(P2007−132143)
【出願日】平成19年4月17日(2007.4.17)
【出願人】(505283418)
【出願人】(505283429)
【Fターム(参考)】