説明

小物部品の方向付け及び給送のためのコンベヤ

【課題】小物部品の不具合のない方向付け及び搬送を可能にするコンベヤを提供すること。
【解決手段】傾斜集積面(6)の片側に配置され、より高い位置に位置する搬送トラフ(4)に小物部品を給送する台型昇降機の搬送機構(3)を有する、スタッド、ピン、ねじ等のような小物部品の方向付け及び給送のためのコンベヤ(1)において、搬送トラフ(4)は、本質的に水平な静止収容台(10)と、搬送トラフの送り出し端部に位置する軸線の周りで収容台(10)に平行な位置及び水平面に対して傾斜された位置へとピボット運動することができる可動ピボット台(11)とを有するように設けられ、収容台(10)は台型昇降機搬送機構(3)に隣接しており、且つピボット台(11)に向かって下方へ傾斜した収容面(12)を有し、ピボット台(11)は、頂部で開放し、収容台の縁部(12)に隣接して位置する中空スロートを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傾斜集積面の片側に配置され、より高い位置に位置する搬送トラフに小物部品を給送する台型昇降機搬送機構を有する、スタッド、ピン、ねじ等のような小物部品の方向付け及び給送のためのコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
特定の種類のコンベヤが、独国特許出願公開第199 43 164 A1号から公知である。この従来技術のコンベヤでは、搬送トラフは、台型昇降機搬送機構の搬送台に直接隣接した固定位置に設置され、かつ、給送トラフ内に到達した小物部品が、送り出し地点まで給送トラフに沿って自発的に滑り落ちるような角度で水平面に対して傾斜している。しかしながら、この種類のコンベヤには、搬送台による上方への運搬の間に、互いに重なった部品、又は不都合な直立した状態の部品が搬送トラフに運搬され、その後、不具合のない更なる搬送を確実にするような状態で搬送トラフ内に落下しないという問題がある。特に、シャンクとシャンクよりも大きな直径のヘッドとを有するねじ又は溶接スタッド等の小物部品は、互いに絡まった状態になる傾向があり、上方へ搬送されるときに確実に個別に分けられて方向付けられず、搬送トラフへの送り出しの際に互いに重なって落下する可能性があり、更なる運搬を妨げる。
【0003】
更に、仏国特許第2,092,750号に見られる公知の小物部品のためのコンベヤにおいては、じょうご形状の供給リザーバ内の水平方向の搬送レールは、底部近傍の低い位置から小物部品の供給部を通って高い送り出し位置まで移動することができ、次に、送り出しのために水平面に対して傾斜した位置へとピボット運動することができるので、搬送トラフにより拾い上げられた小物部品は、その先に続く傾斜レールの上に滑り落ちる。横向きになった小物部品が搬送トラフにより拾い上げられることを防ぐために、このコンベヤの搬送トラフは、片側が壁に界接し、もう一方側には先端部(tipping edge)が設けられており、壁からその先端部までの間隔が搬送される部品の長さの半分よりも小さくされているので、搬送トラフが上部の送り出し位置に到達する前に、これらの部品は搬送トラフから落下する。しかしながら、この従来技術の設計では、個々の部品が立った向きで搬送トラフにより拾い上げられ、この誤った向きでその先に搬送されるということが起こる可能性があり、それにより問題を引き起こす。また、この従来技術の装置では、特に部品に肩付きヘッドが設けられている場合に、一方が他の部品の上に載った部品を拾い上げる可能性がある。
【0004】
独国特許出願公開第4,413,017A1号に見られる公知のねじの搬送及び方向付けのための別の搬送システムにおいては、供給リザーバに、一緒に上方へねじを運ぶ搬送台を有する台型昇降機搬送機構が設けられ、搬送台は、外向きに傾斜したキャリア端面を有し、外側に向かって下向きに同じ方向に傾斜した静止した上部端面を通り過ぎて移動する。この状況においては、搬送台のキャリア端面は、所定の運搬方向で下向きに傾斜するように設計されているので、搬送台の上昇運動により一緒に運ばれたねじは、上部端面の上を越えて1つずつ外側へ個別に排出される。外側では、排出されたねじは、1つずつ到達するねじを方向付ける振動搬送トラフを開放下端部に設けたじょうご形状のトラフにより、捕捉される。この従来技術の搬送システムは複雑であり、ねじの搬送は穏やかではなく騒音がする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、前述の欠点を回避し、小物部品の不具合のない方向付け及び搬送を可能にする、前述のような種類のコンベヤを設計することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本目的は、請求項1に記載の特徴を有するコンベヤを用いる本発明により達成される。本発明の有利な更なる発展形態は、従属項に明記される。
【0007】
本発明のコンベヤにおいては、搬送トラフは、本質的に水平な静止収容台と、搬送トラフの送り出し端部に位置する軸線の周りで収容台に対して平行な位置及び水平面に対して傾斜した位置へとピボット運動することができる可動ピボット台とを有し、収容台は、台型昇降機搬送機構に隣接しており、且つピボット台に向かって下方へ傾斜した収容面を有し、ピボット台は、頂部で開放し、収容台の縁部に隣接して位置する中空スロートを有する。
【0008】
本発明の設計では、搬送トラフは、2つの区域、すなわち静止収容台及びピボット台に分けられ、小物部品を更に搬送するために役立つピボット台の運動は、誤った方向付けで搬送トラフに到達した部品を搬送トラフの送り込み側から排出させ、集積面上に落下させて戻らせる。ピボット台の中空スロート内で長手方向に方向付けられて横になった部品のみが、台がピボット運動して上昇するときに一緒に運ばれ、これらの部品を更に運搬し、且つ更に方向付ける役割を持つレールに到達することができる。本発明の設計は、特に、肩付きヘッドを有するために、単に円筒形のピンの場合よりも高い頻度でヘッドを下にして直立した状態で搬送トラフ内に到達する傾向があるスタッド又はねじに関して有利である。
【0009】
本発明の有利な更なる発展形態は、収容台から離れた側に、中空スロートに隣接し、且つ中空スロートを越えて上方に延びる壁を有するピボット台を提供し、この壁は、中空スロートに面する側に、中空スロートから距離を置いて自立する尖った縁部を持つリブを有する。
【0010】
こうしたリブの配置により、シャンクにねじ山又はねじ山のような表面が設けられたスタッド又はねじは、搬送トラフ内に直立した状態で置かれた場合に、上昇移動するピボット台により良好に把持されるが中空スロートと係合はしない。尖った縁部は、互いに45°から75°までの範囲の角度を成すリブの2つの平坦面により形成されることができる。
【0011】
尖った縁部の中空スロートに面する側に隣接する表面が、縁部から始まる壁の方向に窪むように、垂直方向に対して15°から35°までの角度、好ましくは30°の角度で傾斜する場合もまた有利である。この実施形態においては、リブは中空スロートの上に横たわり、リブに隣接する表面は中空スロートの上の自由空間の境界を規定するので、誤った方向を向いた小物部品並びに互いに重なった部品は中空スロートに入ることができない。また、比較的長いねじ切りされたシャンクを把持するために、尖った縁部を持つ他のリブをこのリブの上に配置することもできる。
【0012】
本発明のコンベヤの不具合のない動作を向上させるための別の有利な手段は、搬送トラフの送り出し端部近傍で、ピボット台の壁が中空スロートの上に距離を置いて突出する突出部を有すること、及び、角度を持って下方へ傾斜する滑り面を持つスライドを、ピボット台の隣で搬送台及び収容台に隣接した、突出部の作用区域内に設けることであり得る。ピボット台の壁にリブが設けられている場合には、突出部はリブの上方にリブを超えて突出するのが好ましい。突出部は、誤った向きであるにもかかわらず台が上昇したときに排出されない部品を中空スロートの外へ押し出すので、それらの部品はスライドの上に落下し、スライド上を滑動して集積面に戻るという結果を達成する。突出部は、壁からの距離が移動方向に増加する傾斜ランプを有するのが好ましく、そのため、そこと係合状態になった部品は容易に滑り落ちることができ、突出部に引っかかって残ることはない。
【0013】
本発明の別の提案によると、突出部の作用区域内に配置されたスライドは、適切な駆動部を用いて振動運動させることができる。これにより、スライドの区域に蓄積した小物部品はほぐされ、台型昇降機搬送機構の作業区域内へと更に滑動させることができる。
【0014】
ピボット台に向かう収容台の収容面の下方への傾斜、及び隣接する中空スロートの縁部は、本発明によれば、水平面に対して5°から20°までの角度で傾斜させることができる。この大きさの傾斜が特に有用であるということが分かっている。傾斜がこれより小さい場合は、部品は中空スロートに確実に届かない。傾斜がこれより大きい場合は、部品が互いに重なって絡まった状態になる危険が増大する。
【0015】
本発明の別の提案によれば、中空スロート及び横方向に隣接する壁を形成するピボット台の部分は、ピボットアームに取り外し可能に取り付けられた別個のレールで構成することができる。これにより、異なる設計の小物部品のために別に形成され、当該小物部品に対してその形状が最適化されているレールを手元に保持することが可能となる。更に、ピボット台の送り出し端部は、ピボット軸と同軸の回転面として設計され、且つ、適切な形状の係合面を持つ搬送レールにより当接される端面を有するように備えることができる。これは、ピボット運動の際に、搬送される部品が捕捉されることがある間隙がピボット台と搬送レールとの間に生じるのを防止する。
【0016】
コンベヤを構築するコストを低く抑えるために、本発明の別の提案によれば、ピボット台は、伝達要素を用いて、台型昇降機搬送機構の搬送台に連結することができる。これにより、台型昇降機搬送機構の駆動部はまた、ピボット台を動かすためにも用いることができる。押棒を伝達要素として設けることができ、この押棒は、ピボット軸から様々な距離で、関節式にピボット台に取り付けることができる。押棒の連結部を、ピボット台上の1つの取り付け点から別の点に移動させることにより、ピボット台のピボット角度を変えることができる。
【0017】
本発明によれば、台型昇降機搬送機構は複数の搬送台を有することができ、静止収容台はそれぞれの搬送台の間に設置される。部品が搬送トラフに入る前の予備的な方向付けを向上させることは、複数の搬送台を用いることにより達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、図面に示される例示的な実施形態に基づいて、下記に詳細に説明される。
【0019】
図1に示されるコンベヤ1は、供給リザーバ2、台型昇降機搬送機構3、搬送トラフ4及び搬送レール5を有する。供給リザーバ2は、台型昇降機搬送機構3に向かって下方へ傾斜する集積面6を形成する床を有し、その上を、例えば溶接スタッド等の小物部品が、台型昇降機搬送機構3に向かって滑り落ちる。集積面6の最も低い地点は第1の搬送台7で終端し、この第1の搬送台7は、駆動部により上方へ移動させることができ、前進させられている溶接スタッドを上層の収容台8へ搬送する。搬送台7とは反対側の収容台8の側面に設置されるのは第2の搬送台9であり、これは、搬送台7と共に上方へ移動させることができ、溶接スタッドを収容台8から受け取り、それらを搬送トラフ4に搬送する。搬送台7、9及び収容台8は平坦な板として設計され、その上面は、部品がその上で搬送される台表面を形成する。台表面はそれぞれ次の台に向かって下方へ傾斜し、部品は、隣接する台が同じ高さに位置するときに1つの台から次の台へと滑り落ちる。長手方向においては、台表面は本質的には水平に延びる。搬送台7、9の厚さは、台表面上に1度に1つの部品の分だけ横方向の空間があるように寸法が決められているので、大部分は、台表面の長手方向に方向付けられた部品のみが上方へ搬送される。搬送台が上昇するときに、横向きに置かれた部品は一般的には落下するが、立っている部品は一緒に運ばれることがあり、ときには立ったまま搬送トラフ4に届くことがある。
【0020】
搬送トラフ4は、互いに隣り合って配置された2つの要素、すなわち静止収容台10及び可動ピボット台11から成る。収容台10は、水平に延び、且つピボット台11に向かって下方へ傾斜する、収容面12を有する。収容面12の傾斜は15°であるのが好ましいが、これより小さいか又は大きくてもよい。搬送台7、9及び収容台8の台表面もまた、15°の傾斜を有するのが好ましい。
【0021】
図3から明らかなように、ピボット台11は、板状のピボットアーム13及びレール14から成る。ピボットアーム13は、収容台10の横隣に配置され、レール14は、ねじによりピボットアーム13の頂部に取り外し可能に取り付けられる。搬送レールに隣接したその上隅で、ピボットアーム13は、プレートの平面に対して垂直な、水平方向のピボット軸線Sの周りで回転することができるように据え付けられる。スイベル継手により、押棒15は、搬送台7、9の運動方向に平行な直線の駆動運動を生み出す駆動装置16にピボットアーム13を接続する。駆動装置16は、連結部品17により搬送台9に接続され、これが次に搬送台7に連結される。駆動装置16の同じ動作ストロークに対して異なるピボット角度を作り出すことができるように、押棒15をピボットアーム13に接続するスイベル継手18は、それぞれピボット軸Sから異なる距離にある異なる地点でピボットアーム13に取り付けることができる。
【0022】
特に図4乃至図6から明らかなように、ピボット台11のレール14は中空スロート19を有し、収容台10とは反対側で、中空スロート19から上方へ延びる壁20に当接する。中空スロート19の上方の壁20に、尖った縁部22を持つリブ21が設置される。リブ21は、中空スロート19に面する側で壁20に向かって窪む傾斜面23に界接し、この傾斜面の低い方の縁部は、凹形の湾曲で中空スロート19へと移行する。頂部において、縁部22は、ピボット軸線Sに対して平行な平坦面24に界接する。平坦な垂直面25が、頂部でリブ21に隣接する。リブ21の上に、追加的な尖った縁部付きリブを上下に配置することもできる。
【0023】
レール14は送り出し端部26を有し、この送り出し端部26は、ピボット軸線S上に位置し、そこで部品はレール14から搬送レール5に送り出される。送り出し端部26は、軸線がピボット軸線Sと一致する円筒形の端面27を備える。搬送レール5の隣接する終端部は、端面27と接触する対応する円筒形の凹面を有する。これにより、移行部に存在するわずかな間隙はピボット運動の間中、一定のままとなるので、1つのレールから次のレールへの部品のスムーズな滑動を確実にする、レール14から搬送レール5への間隙のない移行が作り出される。
【0024】
送り出し端部26の近傍であるが、まだ供給リザーバ2の内部に、レール14は、面25の領域に突出部28を有し、この突出部は、送り出し端部とは反対側に、面25に向かって傾斜し、壁20からの距離が移動方向に増加するランプ29を有する。突出部28はリブ21の上に延びる。ランプ29及び突出部28の領域内で、台型昇降機搬送機構3は、ピボット台11に直接隣接して、ある角度で下方に傾斜した滑り面31を持つスライド30を有する。これにより、突出部28によりレール14から押し出された部品は、落下して集積面6上に導き戻されることができる。滑り面31は、搬送台7、9が上端位置にあるときに滑り面を越えて延びるように十分な急勾配になるように配置される。これにより、スライド30に載った部品は、より上手く集積面に滑り戻るように、搬送台7、9により動かされることができる。
【0025】
コンベヤ1の作動中、搬送台7、9は、図1に示される下の位置と、収容台8及び10の高さにより定められる上の位置の間を同期して連続的に上下に運動し続ける。同じ速度で、搬送台7、9の駆動装置16に連結されたピボット台11は、図1に示される水平位置から、ピボット台11の中空スロート19が搬送レール5とほぼ同じ傾斜を有する傾斜位置に移動する。搬送台及びピボット台の運動の結果、例えば溶接スタッド等の集積面6上に置かれた部品は、上方へ搬送されて搬送トラフ内に入り、そこから搬送レール5に入る。このプロセスにおいて、台型昇降機搬送機構3の作動及び搬送トラフ4の特別の設計は、ヘッドを前方にするかシャンクを前方にするかのどちらかでその長軸を移動方向に向けて次々に搬送レール5に到達するように、溶接スタッドを方向付ける。上昇運動の間に、横向きに置かれた溶接スタッドは、移動する台から落下し、集積面6に戻る。しかし、より厚いヘッドのせいで、溶接スタッド又はねじは、ヘッドで立った状態で搬送トラフまで上方へ搬送される可能性があり、搬送レール5への送り出しを妨げる可能性がある。しかしながら、下記に説明されるように、こうしたことは、搬送トラフ4の説明される設計を用いて防止される。
【0026】
図4は、ヘッド33を下にして立った状態で上方へ搬送された溶接スタッド32が搬送トラフ4に到達した状況を示し、ヘッド33は、一部分は収容面12上に位置し、一部分は中空スロート19内に位置する。ピボット台11の位置は、ここでは図1に示される低い位置に対応する。ここで、ピボット台11が上にピボット運動する場合は、溶接スタッド32は、上方に移動する中空スロート19により片側が持ち上げられて外側へ傾けられるので、収容台10の縁部を越えて落下することになる。このようにして、搬送レール5に向けての溶接スタッド32の更なる搬送と、結果として起こる可能性のある中断が防止される。
【0027】
図5は、溶接スタッド32のヘッド33が収容面12上のみに置かれている、起こり得る別の搬送状況を示す。長さ及び傾斜に応じて、溶接スタッド32のシャンク34の端部は表面25にもたれかかることもある。ここで、ピボット台11が矢印方向に上向きにピボット運動する場合は、中空スロート19は溶接スタッド32を外側へ傾けることができない。代わりに、この場合は、リブ21の尖った縁部22が、シャンク34の外側のねじ山と係合し、溶接スタッド32を持ち上げて同様に外側に傾けて落下させる。
【0028】
説明した手段にもかかわらず、立っている溶接スタッド32が送り出し端部26に向かって更に搬送される場合には、突出部28、及び、突出部28の作用区域内のスライド30の急な下向き勾配の滑り面31は、後に続く正しく方向付けされた溶接スタッドの更なる搬送を妨げることなく、溶接スタッド32がそのバランスを失い下方へ落下することを確実にする。溶接スタッドの搬送レール5への更なる搬送は、ピボット台を水平面に対して傾斜した位置まで上方にピボット運動させること、及び、溶接スタッドがその自重によって中空スロートに沿って滑り落ちることだけで達成される。上方にピボット運動した最終位置で、ピボット台は、部品を受け入れて更に搬送する同様に傾斜した搬送レール5に対して理想的な位置にある。
【0029】
説明されたコンベヤを用いて、搬送される部材の、搬送台に接続された個片化システム(singulation system)への正確な給送が達成される。搬送される部材は、更なる個片化のために確実に前もって方向付けられ、搬送の中断が大幅に回避される。コンベヤは単一の駆動部を備えているので経済的である。搬送される部材は穏やかな方法で搬送され、搬送される部材に生じる損耗は、振動するコンベヤ及びドラム・コンベヤよりもはるかに少ない。更なる利点は、作動中に発生する騒音が軽微であることである。
【0030】
図7は、レール14の代わりに、ピボット台11の板状ピボットアーム13に取り付けることができるレール37の代替的な実施形態を示す。レール37は、2つの長手方向の縁部40、41により境界を定められる中空スロート39を有する。長手方向縁部40は横方向に境界を定められる面42の上に位置し、この面42は、収容台10と対向し、且つ中空スロート39に鋭角で交わる。長手方向縁部41は、湾曲した凹面43に隣接し、この凹面43は、上方に延び、本質的に段差なしで平坦な壁面44に移行する。壁面44は、レール37の頂部45まで延びる。中空スロート39は、凹面43より小さい曲率半径を有し、長手方向縁部41において、凹面43と、およそ170°またはそれよりも小さい鈍角を形成する。レール37の送り出し端部46において、中空スロート39は更に深くすることができ、対応してより小さな曲率半径を有することができる。
【0031】
説明されたレール37の設計により、大きなヘッド及び小さなシャンクを持つ溶接スタッドは、レール37上でその姿勢が更に安定化され、溶接スタッドは、レール37上でより良好な滑動挙動を示し、隣接する搬送レール5への流れ込み部において、より良好な流入挙動を示す。レール37では、レール14とは対照的に、中空スロート39の上の壁面44上に鋭角の縁部は設けられていない。しかし、必要であれば、レール37にそのような縁部を設けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明によるコンベヤの給送側の斜視図である。
【図2】約90°回転された方向から見た、供給リザーバ無しの図1のコンベヤの斜視図である。
【図3】図1のコンベヤの駆動部側の斜視図である。
【図4】第1の誤った向きで置かれたスタッドを有する、図1のコンベヤの搬送トラフの断面図である。
【図5】第2の誤った向きで置かれたスタッドを有する、図1のコンベヤの搬送トラフの断面図である。
【図6】図1のコンベヤのピボット台の取り外し可能なレールの斜視図である。
【図7】図1のコンベヤのピボット台のための取り外し可能なレールの代替的な実施形態の斜視図である。
【符号の説明】
【0033】
1:コンベヤ
2:供給リザーバ
3:台型昇降機搬送機構
4:搬送トラフ
5:搬送レール
6:集積面
7、9:搬送台
8、10:静止収容台
11:ピボット台
13:ピボットアーム
14:レール
15:押棒
16:駆動装置
19、39:中空スロート
21:リブ
26:送り出し端部
28:突出部
30:スライド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜集積面の片側に配置され、より高い位置に位置する搬送トラフに小物部品を給送する台型昇降機搬送機構を有する、スタッド、ピン、ねじ等のような小物部品の方向付け及び給送のためのコンベヤであって、前記搬送トラフ(4)は、本質的に水平な静止収容台(10)と、前記搬送トラフ(4)の送り出し端部に位置する軸線(S)の周りで前記収容台(10)に平行な位置及び水平面に対して傾斜した位置へとピボット運動することができる可動ピボット台(11)とを有し、前記収容台(10)は、前記台型昇降機搬送機構(3)に隣接しており、且つ前記ピボット台(11)に向かって下方へ傾斜した収容面(12)を有し、前記ピボット台(11)は、頂部で開放し、前記収容台の縁部(12)に隣接して位置する中空スロート(19)を有することを特徴とするコンベヤ。
【請求項2】
前記ピボット台(11)は、前記収容台(10)とは離れた側に、前記中空スロート(19)に隣接する壁(20)を有し、前記壁は前記中空スロート(19)を越えて上方へ延びることを特徴とする請求項1に記載のコンベヤ。
【請求項3】
前記壁(20)は、前記中空スロート(19)に面する側に、前記中空スロート(19)から距離を置いて自立する尖った縁部(22)を持つリブ(21)を有することを特徴とする請求項2に記載のコンベヤ。
【請求項4】
前記尖った縁部(22)は、互いに45°から75°までの範囲の角度を成す、前記リブ(21)の2つの平坦面により形成されることを特徴とする請求項3に記載のコンベヤ。
【請求項5】
前記壁は、隣接する前記中空スロート(39)と鈍角を成す縁部を形成する、湾曲した凹面(43)を有することを特徴とする請求項2に記載のコンベヤ。
【請求項6】
前記中空スロート(39)は、隣接する前記凹面(43)より小さい曲率半径を有することを特徴とする請求項5に記載のコンベヤ。
【請求項7】
前記尖った縁部(22)の前記中空スロート(19)に面する側に隣接する表面(23)は、前記表面(23)が前記縁部(22)から始まる前記壁(20)の方向に窪むように、垂直方向に対して15°から35°までの角度、好ましくは30°の角度で傾斜することを特徴とすることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のコンベヤ。
【請求項8】
前記搬送トラフ(4)の前記送り出し端部(26)近傍の前記ピボット台(11)の前記壁(20)は、前記リブ(21)を越えて突出する突出部(28)を有すること、及び、角度を持って下方へ傾斜する滑り面(31)を持つスライド(30)が、前記突出部(28)の作用区域内に設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のコンベヤ。
【請求項9】
前記突出部(28)は、前記壁(20)からの距離が移動方向に増加する傾斜ランプ(29)を有することを特徴とする請求項8に記載のコンベヤ。
【請求項10】
前記スライド(30)は振動運動をすることができることを特徴とする請求項8に記載のコンベヤ。
【請求項11】
前記台型昇降機搬送機構(3)は複数の搬送台(7、9)を有し、静止収容台(8)は前記搬送台(7、9)の各々の間に位置することを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載のコンベヤ。
【請求項12】
前記台型昇降機搬送機構(3)の前記搬送台(7、9)は、前記スライド(30)の横隣に位置し、その上端位置において、前記スライド(30)の前記滑り面(31)の上に突出することを特徴とする請求項11に記載のコンベヤ。
【請求項13】
前記ピボット台(11)に向かう前記収容台(10)の前記収容面(12)の下方への傾斜、及び隣接する前記中空スロート(19)の縁部は、水平面に対して5°から20°までの角度で傾斜することを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載のコンベヤ。
【請求項14】
前記中空スロート(19)及び横方向に隣接する壁(20)を形成する前記ピボット台(11)の部分は、ピボットアーム(13)に取り外し可能に取り付けられた別個のレール(14)で構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれかに記載のコンベヤ。
【請求項15】
前記ピボット台(11)の前記送り出し端部(26)は、前記ピボット軸線(S)と同軸の回転面として設計され、且つ、適切な形状の係合面を持つ搬送レール(5)により当接される端面(27)を有することを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれかに記載のコンベヤ。
【請求項16】
前記ピボット台(11)は、伝達要素を用いて、前記台型昇降機搬送機構(3)の搬送台(9)に連結されることを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれかに記載のコンベヤ。
【請求項17】
前記伝達要素は、前記ピボット軸線(S)から様々な距離で、関節式に前記ピボット台(11)に取り付けることができる押棒(15)であることを特徴とする請求項16に記載のコンベヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−94626(P2008−94626A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−263024(P2007−263024)
【出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【出願人】(504075577)ニューフレイ リミテッド ライアビリティ カンパニー (117)
【Fターム(参考)】