説明

小袋切断装置および小袋供給装置

【課題】小袋のミスカットの発生を抑制する。
【解決手段】フィードローラ13が小袋連続体10の搬送を停止したときに、所定の検知幅の範囲内に、小袋と小袋同士を連結する連結部との境界が存在するか否かを検知するキワ切り防止センサ6と、キワ切り防止センサ6が所定の検知幅の範囲内に境界が存在することを検知したときに、搬送方向に沿う所定の位置で連結部を切断する切断手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、粉末や液状スープ等の封入された小袋が連結部を介して交互に形成された小袋連続体における連結部を切断する小袋切断装置、および、該小袋切断装置を備えた小袋供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
麺類等の食品においては、麺と、粉末スープあるいは液体スープが封入された小袋と、を容器等に収納し、これを包装した状態で市販している。
【0003】
また、このような小袋を容器等に供給するために、小袋自動投入機(小袋供給装置)が使用される。一般に、この小袋自動投入機は、内容物が入った収納部(小袋)と、その収納部の回りを密閉する密封部(連結部)とが交互に形成された連続状の小袋(小袋連続体)を、密封部の中央で切断して一袋毎に所望の容器等に供給する。
【0004】
このような小袋自動投入機の切断方法に関する技術が特許文献1に開示されている。
【0005】
この特許文献1に開示された切断方法では、小袋の検出位置から切断位置までの距離を設定し、該距離から密封部の半分の長さを加算または減算して小袋の検出時点からの小袋の送り出し量を決定している。また、小袋自動投入機は、上記送り出し量の分だけ連続状の小袋を搬送すると、その搬送を停止し、停止した連続状の小袋は、上記密封部の中央で切断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平1−153437号公報(1989年6月15日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の特許文献1に開示された小袋自動投入機では、機械の故障などの異常な状態が生じたことが原因で連続状の小袋の停止位置が所定の位置からずれた場合には、切断位置が密封部の中央からずれてしまい、小袋をミスカットしてしまう可能性があるという問題点がある。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、小袋のミスカットの発生を抑制することができる小袋切断装置および小袋供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の小袋切断装置は、上記の課題を解決するために、複数の小袋が、互いに隣接する小袋同士を連結する連結部を介して交互に形成された小袋連続体における上記連結部を切断する小袋切断装置であって、上記小袋連続体の搬送とその停止とを間欠的に繰返す搬送制御手段と、上記搬送制御手段が上記小袋連続体の搬送を停止したときに、搬送方向に沿う所定の検知幅の範囲内に、上記小袋と上記連結部との境界が存在するか否かを検知する境界検知手段と、上記境界検知手段が上記境界が存在することを検知したときに、上記搬送方向に沿う所定の位置で、上記連結部を切断する切断手段と、を備えていることを特徴とする。
【0010】
上記のように特許文献1に記載の技術では、機械の故障などの異常な状態が生じたことが原因で小袋連続体の停止位置が所定の位置からずれた場合には、小袋をミスカットしてしまう可能性があるという問題点がある。
【0011】
そこで、本発明の小袋切断装置では、境界検知手段により、搬送制御手段が小袋連続体の搬送を停止したときに、搬送方向に沿う所定の検知幅の範囲内に、小袋と小袋同士を連結する連結部との境界が存在するか否かを検知するようにしている。
【0012】
これにより、小袋連続体の停止位置が正常な場合には、境界検知手段により上記境界が検知され、機械の故障などの異常な状態が生じたことが原因で小袋連続体の停止位置が所定の位置からずれた場合には、境界検知手段により上記境界が検知されない。
【0013】
以上より、小袋のミスカットの発生を抑制することができる。
【0014】
また、本発明の小袋切断装置は、上記の構成に加えて、上記境界検知手段は、上記小袋連続体に光を照射し、該小袋連続体を透過する透過光を検出する第1の光検出手段と、上記第1の光検出手段の存在位置から上記搬送方向に沿って上記検知幅だけ離れた位置に存在し、上記小袋連続体に光を照射し、上記小袋連続体を透過する透過光を検出する第2の光検出手段と、を備えていても良い。
【0015】
上記構成によれば、第1の光検出手段および第2の光検出手段のいずれか一方のみが透過光を検出したときは、検知幅の範囲内に境界が存在していることになる。
【0016】
また、第1の光検出手段および第2の光検出手段が共に透過光を検出するか、または、第1の光検出手段および第2の光検出手段が共に透過光を検出しなかったときは、検知幅の範囲内に境界が存在していないことになる。よって、検知幅の範囲内に境界が存在するか否かを検知することができる。
【0017】
また、本発明の小袋切断装置は、上記の構成に加えて、上記境界検知手段は、上記小袋連続体に所定の長さを有するライン状の光を照射し、上記小袋連続体を透過するライン状の透過光を検出するラインセンサであっても良い。
【0018】
上記構成によれば、ライン状の透過光の一部を検出したときは、検知幅の範囲内に境界が存在していることになる。なお、このとき、検知幅は、上記所定の長さの搬送方向に対する射影の長さ(間隔)となる。
【0019】
また、ライン状の透過光の全部を検出するか、または、ライン状の透過光の全部を検出しなかったときは、検知幅の範囲内に境界が存在していないことになる。よって、検知幅の範囲内に境界が存在するか否かを検知することができる。
【0020】
また、本発明の小袋切断装置は、上記の構成に加えて、上記境界検知手段は、上記検知幅を調整する検知幅調整機構を有していても良い。
【0021】
上記構成によれば、例えば、検知幅を小さくすることにより、検知幅が有限の幅を有することが原因で生じる連結部の切断位置の誤差をより小さくすることができる。よって、小袋のミスカットの発生をより確実に抑制することができる。
【0022】
また、本発明の小袋切断装置は、上記の構成に加えて、上記境界検知手段は、上記切断手段よりも上記搬送方向の上流側に設置されていても良い。
【0023】
小袋供給装置の切断手段の下流側には、後述する投入手段が取り付けられることが多い。よって、この投入手段の存在が、境界検知手段の設置の妨げとなる可能性がある。また、例えば、境界検知手段の設置のために、投入手段に孔を開けることとなった場合、この孔に小袋が引っ掛ってしまう可能もある。
【0024】
さらに、境界検知手段が切断手段の下流側に存在していると、小袋連続体に折れ曲がり部分が存在する場合、検知幅を小さくできなくなる可能性もある。
【0025】
よって、境界検知手段は、切断手段よりも搬送方向の上流側に設置することが好ましい。
【0026】
また、本発明の小袋供給装置は、上記の構成に加えて、上記小袋切断装置と、上記小袋切断装置の上記切断手段によって切断された少なくとも1つの小袋を所定の位置に投入する投入手段とを備えていても良い。
【0027】
上記構成によれば、小袋のミスカットの発生を抑制しつつ、小袋連続体から少なくとも1つの小袋を切断し、所定の位置に投入することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の小袋供給装置は、以上のように、上記小袋連続体の搬送とその停止とを間欠的に繰返す搬送制御手段と、上記搬送制御手段が上記小袋連続体の搬送を停止したときに、搬送方向に沿う所定の検知幅の範囲内に、上記小袋と上記連結部との境界が存在するか否かを検知する境界検知手段と、上記境界検知手段が上記境界が存在することを検知したときに、上記搬送方向に沿う所定の位置で、上記連結部を切断する切断手段と、を備えている構成である。
【0029】
それゆえ、小袋のミスカットの発生を抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態である小袋供給装置(小袋切断装置)の構成を示す正面図である。
【図2】上記小袋供給装置の構成を示す側面図である。
【図3】(a)は、上記小袋供給装置に関し、小袋連続体の構成を示す正面図であり、(b)は、その断面図である。
【図4】(a)は、上記小袋供給装置に関し、境界検知手段の一例を示す斜視図であり、(b)は、上記境界検知手段の機能を説明するための説明図である。
【図5】上記小袋供給装置に関し、境界検知手段の他の一例を示す斜視図である。
【図6】(a)および(b)は、上記境界検知手段の他の一例に関し、上記小袋供給装置の構成の一部を拡大した部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の一実施形態について図1〜図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0032】
(小袋連続体)
先ず、図3に基づき、小袋連続体10について説明する。図3は、小袋連続体10の構成を示す図であり、図3(a)は、小袋連続体10の構成を示す正面図であり、図3(b)は、その断面図である。
【0033】
図3に示すように、小袋連続体10は、複数の小袋10aが、互い隣接する小袋10a同士を連結するシール部(連結部)10bを介して、交互に形成されたものであり、各小袋10a内には、粉体、粉末スープ、液体スープ、スパイス、脱酸素剤、あるいは、乾燥剤など(内容物)が封入(充填)される。
【0034】
(小袋供給装置)
次に、小袋供給装置(または、小袋投入装置)の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態である小袋供給装置(小袋切断装置)1の構成を示す正面図であり、図2は、その側面図である。小袋供給装置1は、小袋10aがシール部10bを介して交互に形成された小袋連続体10のシール部10bを切断して少なくとも1つの小袋10aを所定の位置に供給(または投入)するものである。
【0035】
また、図1および図2に示すように、小袋供給装置1は、筐体を略直方体形状とした装置本体に、ガイドローラ(搬送制御手段)3、4および5、キワ切り防止センサ(境界検知手段)6、第2ローラ支持部材7a、第1ローラ支持部材7b、検出器支持部材7c、終了検出器7d、バイブレーター8、ピッチ検出用センサ9、フィードローラ(搬送制御手段)13、カッター部(切断手段)14、シュート(投入手段)15、ならびに、操作パネル16を少なくとも備えるものである。なお、本明細書では、小袋供給装置1の上記構成からシュート(投入手段)15を除いたものを小袋切断装置と称する。
【0036】
(ガイドローラ)
ガイドローラ3、4および5は、それぞれ、所定の搬送方向に沿って搬送される、小袋連続体10の送りを案内するものである。なお、図1および図2に示すガイドローラ3、4および5のそれぞれの、2つの回転円板間の距離は、図3(a)に示す小袋10aの幅wに合せて予め設定される。
【0037】
ガイドローラ3は、装置本体の上部側で図において右側方に延びる第1ローラ支持部材7bの先端に取り付けられている。また、この第1ローラ支持部材7bの略中央位置から上方に延び、その途中で右上方に折れ曲がった検出器支持部材7cの先端には、小袋連続体10の終端部を検出する終了検出器7dが設けられている。一方、ガイドローラ4は、装置本体の上部側右寄りの位置で上方に延びる第2ローラ支持部材7aの上端に取り付けられている。また、装置本体の上部側における上記第2ローラ支持部材7aの基端部近傍の位置に、ガイドローラ5が取り付けられている。
【0038】
(バイブレーター)
なお、小袋連続体10の内容物が粉末の場合には、ガイドローラ4と5との間に、この間を搬送される小袋連続体10に振動を与えるバイブレーター8をさらに取り付ける。このバイブレーター8による振動によって各小袋内における内容物を鉛直下側に移動させてふくらみを増加させ、これによって、後述するキワ切り防止センサ6およびピッチ検出用センサ9での検出精度を高めるようになっている。
【0039】
次に、ガイドローラ5の下側には、それぞれ、紙面に対する小袋連続体10の左右の振れを抑制する振れ止め、ピッチ検出用センサ9、キワ切り防止センサ6、フィードローラ13が上方から順次取り付けられている。
【0040】
(ピッチ検出用センサ)
本実施形態のピッチ検出用センサ9は、例えば、光学式センサを備え、小袋連続体10に対する透光量の変化に基づき、小袋10aと、小袋10a同士を連結するシール部10bとの境界(以下、単に「小袋10aとシール部10bとの境界」という)の位置を検知する検知部と、検知された境界の位置に基づいて、小袋連続体10のピッチpを特定する演算部とを備えている。
【0041】
しかしながら、ピッチ検出用センサ9は、このような光学式センサを用いる構成に限定されない。例えば、ピッチ検出用センサ9を、一方側から超音波信号を送信する超音波送信部と、小袋連続体10を二次輻射した超音波信号を他方側から受信する超音波受信部と、この超音波受信部によって受信した超音波信号の変化に基づき、シール部10bと小袋10aとの境界の位置を検知する検知部と、検知された境界の位置に基づいて、小袋連続体10のピッチpを特定する演算部とを備える構成としても良い。
【0042】
また、その他、ピッチ検出用センサ9を、厚みセンサを用いる構成とし、検出された小袋連続体10の厚みの変化に基づき、小袋10aとシール部10bとの境界の位置を検知する検知部と、検知された境界の位置に基づいて、小袋連続体10のピッチpを特定する演算部とを備える構成としても良い。
【0043】
(キワ切り防止センサ)
ところで、上記のピッチ検出用センサ9は、単に小袋連続体10のピッチpを特定する目的で設けられたものなので、小袋連続体10を搬送する際に機械の故障などの異常な状態が生じたことが原因で小袋連続体の停止位置が所定の位置からずれたような場合には、全く対応できないという問題点がある。
【0044】
そこで、本実施の形態の小袋供給装置1では、上記のピッチ検出用センサ9の他に、さらにキワ切り防止センサ6を設けている。
【0045】
キワ切り防止センサ6は、ガイドローラ3、4および5による小袋連続体10の搬送が(一時)停止されたときに、搬送方向に沿う所定の検知幅の範囲内に、小袋10aと小袋10aに連結するシール部10bとの境界が存在するか否かを検知するものである。
【0046】
これにより、小袋連続体10の停止位置が正常な場合には、キワ切り防止センサ6により上記境界が検知され、機械の故障などの異常な状態が生じたことが原因で小袋連続体10の停止位置が所定の位置からずれた場合には、キワ切り防止センサ6により上記境界が検知されない。
【0047】
これにより、小袋10aのミスカットが生じない程度に検知幅dを予め小さく設定しておくことにより、小袋10aのミスカットの発生を抑制することができる。なお、キワ切り防止センサ6の具体例については後述する。
【0048】
また、上記特許文献1の背景技術においては、厚みセンサなどによって、収納部(小袋に相当)の先又は後の密封部(連結部に相当)との境目(境界に相当)を検出する点が記載されている。しかしながら、この厚みセンサは、小袋連続体のピッチを特定する目的で設けられたものであり、上記のピッチ検出用センサ9と同様に、小袋連続体を搬送する際に機械の故障などの異常な状態が生じたことが原因で小袋連続体の停止位置が所定の位置からずれたような場合には、全く対応できないという問題点を解決することはできない。
【0049】
(フィードローラ・カッター部・シュート)
次に、フィードローラ13は、装置本体に内蔵されている送り用パルスモーター(図示せず)に連結され、小袋連続体10の送り方向先端側を把持して、この小袋連続体10をカッター部14へと間欠的に送り込むようになっている。
【0050】
また、後述する操作パネル16で、例えば、一個切りが設定されている場合には、フィードローラ13による小袋連続体10の搬送が一時停止したときに、外部から送信される小袋要求信号(以下、動作信号という)に従い、小袋連続体10における最先端の小袋10aとこれに連結する小袋10aとの間のシール部10bが、カッター部14によって切断される。
【0051】
なお、上記の動作信号は、一袋ずつのタイミングで送信されるように構成しても良いし、所定数の小袋10a毎のタイミングで送信されるように構成しても良い。
【0052】
これにより、最先端の小袋10aが小袋連続体10から分離されてシュート15を通して落下する。一方、上記切断動作の後、フィードローラ13が駆動されて一袋分の長さ(ピッチP、シール長hによって決まる)または、予め定められた複数個の小袋分の長さ(ピッチP、シール長h、小袋10aの個数によって決まる)の送りが行われ、外部からの次の動作信号に従い、上記の操作が間欠的に繰返される。なお、カッター部14の下流側には、切断された小袋10a(または複数の小袋10a)の自重による落下方向を案内するシュート15がさらに取り付けられている。
【0053】
以下、上述した小袋供給装置1(小袋切断方法または小袋供給方法)の動作の概要を纏める。但し、ここでは、小袋10aを一袋ずつ切断する場合について説明するが、所定の個数の小袋10aの集合を一単位とし、その一単位ごとに切断しても良い。
(1)先ず、小袋供給装置1に装着された小袋連続体10は、ガイドローラ3、4および5、ならびに、フィードローラ13を介して搬送される(搬送ステップ)。
(2)そして、振れ止めでガイドされて下側のピッチ検出用センサ9へと送り込まれ、ピッチ検出用センサ9により、小袋連続体10の小袋10aとシール部10bとの境界の位置が検知され、小袋連続体10のピッチpが特定される(ピッチ検出ステップ)。
(3)その後、ピッチ検出用センサ9によって境界が検知された時点から開始される小袋連続体10の送り出し量が、特定されたピッチpに基づいて決定され、決定された送り出し量に基づき、小袋連続体10は、フィードローラ13によりカッター部14の切断位置に搬送され、一時停止する。
(4)そして、カッター部14により小袋連続体10が少なくとも一袋切断される(切断ステップ)。
(5)その後、切断された各小袋10aは、自重により、シュート15に落下し、このシュート15により、所定の位置に投入される(投入ステップ)。
【0054】
なお、以上の動作において、カッター部14による間欠的な各切断動作の前に、小袋連続体10の搬送が一時停止されたとき、キワ切り防止センサ6は、小袋連続体10の切断位置のずれが所定の検知幅を超えていないか否かを常に監視する。
【0055】
具体的には、キワ切り防止センサ6が、所定の検知幅の範囲内に小袋10aとシール部10bとの境界が存在することを検知した場合、小袋連続体10の切断位置のずれが所定の検知幅(または誤差あるいは閾値)を超えていないものとみなす。このとき、カッター部14による切断動作を実施する。
【0056】
一方、キワ切り防止センサ6が、所定の検知幅の範囲内に境界が存在していないことを検知した場合、小袋連続体10の切断位置のずれが所定の検知幅を超えているものとみなす。このとき、カッター部14による切断動作を停止する。
【0057】
以上により、小袋10aのミスカットの発生を抑制することができる。
【0058】
なお、キワ切り防止センサ6の設置位置は、本実施の形態のように、カッター部14よりも搬送方向の上流側であることが好ましい。なお、より好ましくは、キワ切り防止センサ6の設置位置は、図4(b)に示すように、カット位置(切断位置)よりも一袋分だけ上流側とする。また、カッター部14の存在が邪魔にならないようであれば、キワ切り防止センサ6の設置位置を、カット位置と同じ位置とすることがより好ましい。なぜなら、キワ切り防止センサ6の設置位置と、カット位置があまり離れてしまうと、これらの位置の間で、小袋連続体10にシワや弛みが生じた場合に、キワ切り防止センサ6の機能を発揮できなくなる可能性があるからである。
【0059】
小袋供給装置1のカッター部14の下流側には、上述したシュート15が取り付けられている。よって、このシュート15の存在が、キワ切り防止センサ6の設置の妨げとなる可能性がある。また、例えば、キワ切り防止センサ6の設置のために、シュート15に孔を開けることとなった場合、この孔に小袋10aが引っ掛ってしまう可能もある。
【0060】
さらに、キワ切り防止センサ6がカッター部14の下流側に存在していると、小袋連続体10に折れ曲がり部分が存在する場合、検知幅を小さくできなくなる可能性もある。
【0061】
以上のように、小袋供給装置1においては、小袋連続体10から、小袋10aを一袋ずつ、または、所定の個数の小袋10aの集合の一単位をその一単位ごとに切断して供給するようになっている。よって、このような装置を、例えば、即席麺を収容する製品カップのベルト搬送装置と組み合わせ、シュート15の下側に一個の製品カップが位置する毎に、ベルト搬送装置から上記した動作信号を小袋供給装置1に送って連動させることで、各製品カップに、粉末状のだしの素等の封入された小袋10aが一個ずつ自動的に投入される。
【0062】
なお、本実施形態では、投入手段の一例としてシュート15を備えた構成としているが、投入手段はこのような構成に限定されない。例えば、シュート15に替えて、カッター部14によって切断された小袋10aを負圧により吸着する吸着部と、小袋10aを吸着した吸着部をベルト搬送装置の所定位置まで搬送する駆動アーム部とを備えた吸着型小袋搬送部を備える構成を採用しても良い。なお、駆動アーム部によりベルト搬送装置の所定位置まで搬送された吸着部は、その位置で負圧を小さくして小袋10aを離す。
【0063】
(終了検出器)
上記のような運転の継続中、小袋連続体10の終端部が終了検出器7dにより検出されたときには、自動的に運転が停止され、例えば、後述する警報ランプを点灯させ、または、警報ブザーを鳴らしてその旨が報知される。
【0064】
(操作パネル)
操作パネル16は、小袋供給装置1の運転操作や設定操作に関する指示を入力するためのパネルであり、スタートスイッチ、ストップスイッチおよびリセットスイッチ等の各種スイッチが配置されている。なお、上述したように、操作パネル16では、小袋連続体10を一袋ずつ切断するか、または、所定の個数の小袋10aの集合の一単位ごとに切断するかの設定を行うことが可能となっている。
【0065】
また、操作パネル16は、警報ランプまたは警報ブザーを備えており、キワ切り防止センサ6が、所定の検知幅の範囲内に小袋10aとシール部10bとの境界が存在しないことを検知したとき、警報ランプを点灯させ、または、警報ブザーを鳴らしてエラーが発生したことを報知する。なお、本実施形態では、警報ランプまたは警報ブザーが、操作パネル16に設けられているとしたが、警報ランプまたは警報ブザーは、操作パネル16と独立した構成としても良い。また、エラーが発生したことをユーザに報知する方法としては、警報ランプまたは警報ブザーを用いる方法の他、所定の表示画面を設け、該表示画面に所定の警告を表示する方法などを例示することもできる。
【0066】
(キワ切り防止センサの具体例)
次に、図4〜図6に基づき、キワ切り防止センサ6の具体例について説明する。
【0067】
図4(a)は、キワ切り防止センサ6の一例を示す斜視図であり、図4(b)は、図4(a)に示すキワ切り防止センサ6の機能を説明するための説明図である。
【0068】
また、図5は、キワ切り防止センサ6の他の一例を示す斜視図であり、図6(a)および図6(b)は、それぞれ、図5に示すキワ切り防止センサ6を備えた小袋供給装置1の構成の一部を拡大した部分拡大図である。
【0069】
〔実施例1〕
図4(a)に示す例では、キワ切り防止センサ6は、略円筒形状の第1投光器(第1の光検出手段)6a−Rおよび第1受光器(第1の光検出手段)6b−R、ならびに、第2投光器(第2の光検出手段)6a−Lおよび第2受光器(第2の光検出手段)6b−Lを備える。
【0070】
第1受光器6b−Rは、第1投光器6a−Rから投光され、シール部10bを透過する光を検出できるセンサで構成する。一方、第2受光器6b−Lは、第2投光器6a−Lから投光され、シール部10bを透過する光を検出できるセンサで構成する。このようなセンサとして、例えば、光電センサを例示することができる。
【0071】
なお、光電センサは、1台で1出力のものを用いても良いし、1台で2出力のものを用いても良い。1台で1出力の光電センサとしては、例えば、キーエンス社製FS−V31を例示することができる。また、1台で2出力(閾値の設定が2つあり、その結果、出力が2つとなる)の光電センサとしては、キーエンス社製LV−N11Nを例示することができる。
【0072】
ここで、第1投光器6a−Rおよび第1受光器6b−Rの配置が、図4(b)の上側に示す状態のとき、第1投光器6a−Rから発した光は、シール部10bを透過するので、その透過光は、第1受光器6b−Rによって検出される。一方、第2投光器6a−Lから投光された光は、小袋10aの内容物が充填された部分によって遮断されるので、その透過光は、第2受光器6b−Lによって検出されない。
【0073】
図4(b)に示す検知幅dの大きさは、第1投光器6a−Rおよび第2投光器6a−Lの投光中心間の距離、または、光軸間の距離を、鉛直方向に射影したときの射影の長さ(間隔)に相当する。
【0074】
また、検知幅dの大きさは、第1受光器6b−Rおよび第2受光器6b−Lの受光中心間の距離、または、光軸間の距離を、鉛直方向に射影したときの射影の長さ(間隔)に相当すると考えても良い。なお、ここで、小袋10aのミスカットを防止するためには、少なくともシール長h>検知幅dとする必要がある。
【0075】
図4(b)に示す例では、第1受光器6b−Rが、透過光を検出し、第2受光器6b−Lが、透過光を検出しなかったときは、検知幅dの範囲内に境界が存在していることになる。
【0076】
一方、第1受光器6b−Rおよび第2受光器6b−Lが共に透過光を検出するか、または、第1受光器6b−Rおよび第2受光器6b−Lが共に透過光を検出しなかったときは、検知幅dの範囲内に境界が存在していないことになる。これにより、検知幅dの範囲内に境界が存在するか否かを検知することができる。
【0077】
なお、図4(b)に示す例では、小袋10aの下側の端部と、それに連結するシール部10bとの境界を検知している。しかしながら、小袋10aが内容物で満たされている場合(充填レベルがほぼ100%で小袋10aの上部に内容物の空きができない場合)や、小袋10a側に透光性を持たせ、シール部10b側に透光性を持たせないようにした場合などには、小袋10aの上側の端部と、それに連結するシール部10bとの境界を検知するように構成しても良い。
【0078】
図4(a)に示すように、第1投光器6a−Rおよび第2投光器6a−L、ならびに、第1受光器6b−Rおよび第2受光器6b−Lの取り付け角度は、いずれも、各光軸のいずれからも等距離にある直線を回転軸として、回転可能となっている(検知幅調整機構)。図4(b)では、上記の回転軸の存在位置を「黒丸」で示している。
【0079】
図4(a)および図4(b)から明らかなように、第1投光器6a−Rおよび第2投光器6a−L、ならびに、第1受光器6b−Rおよび第2受光器6b−Lのそれぞれを、上記回転軸を中心として回転させると、検知幅dの大きさが変化することが分かる。すなわち、検知幅dを所望の大きさに設定することができる。これにより、検知幅dを小さくすることにより、検知幅dが有限の幅を有することが原因で生じるシール部10bの切断位置の誤差をより小さくすることができる。よって、小袋10aのミスカットの発生をより確実に抑制することができる。
【0080】
なお、小袋連続体10のシール長hが15mm程度のとき、検知幅dは、4mm〜10mm程度に設定することが好ましい。すなわち、0.27<(検知幅d/シール長h)<0.67とすることが好ましい。
【0081】
検知幅d/シール長hが、0.27以下であると、第1投光器6a−Rおよび第2投光器6a−L、または、第1受光器6b−Rおよび第2受光器6b−Lの光軸間の距離が小さくなりすぎる。
【0082】
一方、検知幅d/シール長hが、0.67以上であると、シール部10bの切断位置の誤差が大きくなりすぎる。
【0083】
ここで、図4(b)の下側に示す第1投光器6a−Rおよび第2投光器6a−Lの配置のように、最先端のシール部10bと小袋連続体10の外部(空気)との境界を検知する構成(以下、「小袋先端検出センサ」と称する)を設けた場合について考える。
【0084】
この場合、第1投光器6a−Rおよび第2投光器6a−Lの光軸間の間隔をあまり小さくし過ぎると、小袋連続体10そのもののピッチpが最初からおかしいか、ピッチ検出用センサ9がおかしい場合、切断位置が境界の位置、または、該境界を越えて小袋10aの位置にまでずれても、上記の小袋先端検出センサでは検出されない可能性があるという副次的な問題点がある。
【0085】
また、このとき、切断位置が一端ずれてしまうと、そのままずれが継続する可能性もあるが、このような異常な状況も、上記の小袋先端検出センサでは検出されない可能性があるという副次的な問題点もある。
【0086】
そこで、本実施形態の小袋供給装置1では、ピッチ検出用センサ9の他に、小袋先端検出センサではなく、さらにキワ切り防止センサ6を設け、小袋10aと該小袋10aに連結するシール部10bとの境界が所定の検知幅dの範囲内にあるか否かを検知するようにしている。
【0087】
なお、以上の説明は、あくまでも上記の副次的な問題点を解決する方法を説明したものであり、本願のキワ切り防止センサ6を、最先端の小袋10aと該小袋10aにつながる最先端のシール部10bとの間の境界を検知するように構成することを特に除外するものではない。
【0088】
〔実施例2〕
図5、図6(a)および図6(b)に示すように、キワ切り防止センサ6を、小袋連続体10に所定の長さを有するライン状の光を照射する投光器(ラインセンサ)6aと、該小袋連続体10を透過するライン状の透過光を検出する受光器(ラインセンサ)6bとで構成しても良い。図5は、キワ切り防止センサ6の他の一例を示す斜視図である。また、
図6(a)および図6(b)は、図5に示すキワ切り防止センサ6の他の一例に関し、小袋供給装置1の構成の一部を拡大した部分拡大図である。
【0089】
このような光電センサとして、例えば、キーエンス社製LV−NH110を例示することができる。この光電センサは、検出範囲が10mmのライン状の透過光を出射し、出射したライン状の透過光を検出できるようになっている。また、投光器6aが備える光源は、可視光半導体レーザであり、その発振波長は660nmである。また、投光器6aと受光器6bとを最大限引き離せる距離、すなわち、検出距離は2000mmである。
【0090】
上記構成によれば、受光器6bが、ライン状の透過光の一部を検出したときは、検知幅dの範囲内に境界が存在していることになる。
【0091】
また、受光器6bが、ライン状の透過光の全部を検出するか、または、透過光の全部を検出しなかったときは、検知幅dの範囲内に境界が存在していないことになる。よって、検知幅dの範囲内に境界が存在するか否かを検知することができる。
【0092】
なお、本実施例では、光電センサの検出範囲である10mmの搬送方向に対する射影の長さ(間隔)が、検知幅dとなる。
【0093】
図6(a)および図6(b)に示すように、投光器6aおよび受光器6bの取り付け角度は、これらの光軸を回転軸として、回転可能となっている(検知幅調整機構)。
【0094】
同図から明らかなように、投光器6aおよび受光器6bのそれぞれを、上記回転軸を中心として回転させると、検知幅dの大きさが変化することが分かる。すなわち、検知幅dを所望の大きさに設定することができる。これにより、検知幅dを小さくすることにより、検知幅dが有限の幅を有することが原因で生じるシール部10bの切断位置の誤差をより小さくすることができる。よって、小袋10aのミスカットの発生をより確実に抑制することができる。なお、本実施例においても、実施例1と同様に、0.27<(検知幅d/シール長h)<0.67とすることが好ましい。
【0095】
なお、以上の構成では、キワ切り防止センサ6を、ラインセンサで構成した例について説明したが、このような構成に限定されない。例えば、反射型の光センサと反射板(回帰ミラー)とで構成しても良い。
【0096】
この構成では、反射型の光センサの投光する光のスポット径が、検知幅に相当する。
【0097】
また、光のスポットの範囲内に境界が存在しているか否かは、反射板(回帰ミラー)から反射された反射光の光量の変化により検出する。
【0098】
なお、この構成では、反射型の光センサが投光する光のスポット径の大きさを調整することで、検知幅を調整することができる。
【0099】
〔付記事項〕
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明は、例えば、粉末や液体スープ等の封入された小袋を所定の位置に供給または投入する小袋切断装置、あるいは、該小袋切断装置を備えた小袋供給装置または小袋投入装置などに適用することができる。
【符号の説明】
【0101】
1 小袋供給装置(小袋切断装置)
3、4、5 ガイドローラ(搬送制御手段)
6 キワ切り防止センサ(境界検知手段)
6a 投光器(ラインセンサ)
6a−R 第1投光器(第1の光検出手段)
6a−L 第2投光器(第2の光検出手段)
6b 受光器(ラインセンサ)
6b−R 第1受光器(第1の光検出手段)
6b−L 第2受光器(第2の光検出手段)
10 小袋連続体
10a 小袋
10b シール部(連結部)
13 フィードローラ(搬送制御手段)
14 カッター部(切断手段)
15 シュート(投入手段)
d 検知幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の小袋が、互いに隣接する小袋同士を連結する連結部を介して交互に形成された小袋連続体における上記連結部を切断する小袋切断装置であって、
上記小袋連続体の搬送とその停止とを間欠的に繰返す搬送制御手段と、上記搬送制御手段が上記小袋連続体の搬送を停止したときに、搬送方向に沿う所定の検知幅の範囲内に、上記小袋と上記連結部との境界が存在するか否かを検知する境界検知手段と、
上記境界検知手段が上記境界が存在することを検知したときに、上記搬送方向に沿う所定の位置で、上記連結部を切断する切断手段と、を備えていることを特徴とする小袋切断装置。
【請求項2】
上記境界検知手段は、
上記小袋連続体に光を照射し、該小袋連続体を透過する透過光を検出する第1の光検出手段と、
上記第1の光検出手段の存在位置から上記搬送方向に沿って上記検知幅だけ離れた位置に存在し、上記小袋連続体に光を照射し、上記小袋連続体を透過する透過光を検出する第2の光検出手段と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の小袋切断装置。
【請求項3】
上記境界検知手段は、
上記小袋連続体に所定の長さを有するライン状の光を照射し、上記小袋連続体を透過するライン状の透過光を検出するラインセンサであることを特徴とする請求項1に記載の小袋切断装置。
【請求項4】
上記境界検知手段は、
上記検知幅を調整する検知幅調整機構を有していることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の小袋切断装置。
【請求項5】
上記境界検知手段は、
上記切断手段よりも上記搬送方向の上流側に設置されていることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の小袋切断装置。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の小袋切断装置と、
上記小袋切断装置の上記切断手段によって切断された少なくとも1つの小袋を所定の位置に投入する投入手段とを備えていることを特徴とする小袋供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−28387(P2013−28387A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166773(P2011−166773)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(390000538)株式会社旭金属 (4)
【Fターム(参考)】